タグ別アーカイブ: 文化・教育

タブレット画面を注視しながら高い解説機能を確かめる参加者

橋野鉄鉱山ガイドアプリ完成、世界遺産ARで動画〜報道関係者に現地で公開、一般利用は4月20日から

タブレット画面を注視しながら高い解説機能を確かめる参加者

タブレット画面を注視しながら高い解説機能を確かめる参加者

 

 釜石市は、2017年にユネスコ世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成要素として認定された釜石市橋野町青ノ木の「橋野鉄鉱山」の価値をより広く知ってもらおうと、アプリを整備。その説明会が16日、橋野高炉跡で行われた。釜石観光ガイド会(三浦達夫会長、30人)が参加し、報道関係者に公開した。一般の利用はきょう20日からスタートする。

 

 アプリに入力されたのは高炉のほか石切り場、種焼場(たねやきば)跡など11カ所。専用タブレット10台を受け取ったガイド会の会員は鉄鉱山の大門から一番高炉に向かい、二番、三番高炉を巡った。

 

 タブレット端末はGPS(全地球測位システム)機能を使い、訪れた史跡内の遺構を音声、文字、画像で解説する。中でも二番高炉跡は、県指定文化財の絵図(「紙本 両鉄鉱山御山内並高炉之図」)に基づき、VR(仮想現実)で復元し、操業当初(1860年代初頭)の高炉の仕組みや規模が体感できる。

 

操作の習得に集中するガイド

操作の習得に集中するガイド

 

 アプリで解説する11カ所をすべて巡ると、周辺環境と一体化させた画像のAR(拡張現実)がグレードアップ。10問のクイズに正解しても同じ上級機能が起動する。市内の製鉄関連10史跡ごとのARカードも作成。タブレットやスマートフォン(スマホ)をかざすと、3D(立体的)画像の高炉が浮かび上がり、史跡の訪問数やクイズの回答でグレードアップする。

 

 このガイドアプリの利用は、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターでのタブレット貸し出し、スマホでもQRコードの読み取り(googleplay、Applestore)で可能だ。高炉の一番と三番は、県が整備した静止画像や文字での説明アプリが先行している。

 

 タブレットの利用は午前9時半~午後3時半、料金は1台300円で1時間使える。従来から提供する8個の音声ガイドペン(4カ国語対応)も継続する。

 

 説明会に参加した同ガイド会の川崎孝生さん(78)は「自由に使いこなすのは難しいが、勉強する。若い人や操作に慣れた人なら楽しめるだろう。最近は大震災の被災に関するガイドは少なくなり、橋野など文化財のガイドが多い。自分の言葉で、みなさんと直接やりとりする案内が主になる」と語った。

 

 市世界遺産課の森一欽課長補佐は「橋野鉄鉱山や製鉄について理解を容易にし、楽しむことで、(来訪者の)施設内、全市の回遊性を高めたい」と期待する。

 

 アプリの整備は国と県の助成を受け、昨年度に取り組んだ。総事業費は1300万円。

 

(復興釜石新聞 2019年4月20日発行 第784号より)

関連情報 by 縁とらんす
橋野鉄鉱山をVR・ARで体感しよう!!

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「感動を伝えられるピアニストに」日本音楽コンクール1位の小井土文哉さん〜さらなる飛躍へ古里で演奏会

「感動を伝えられるピアニストに」日本音楽コンクール1位の小井土文哉さん〜さらなる飛躍へ古里で演奏会

地元釜石での初公演。思いを込めた演奏を披露する小井土さん

地元釜石での初公演。思いを込めた演奏を披露する小井土さん

 

 釜石市出身で桐朋学園大ソリスト・ディプロマコースの小井土文哉さん(23)=東京都在住=によるピアノ・リサイタルが6日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。昨年10月の第87回日本音楽コンクールピアノ部門本選での1位受賞を記念し、地元での初公演。古里で奏でる喜びと感謝の思いを優美な音色に乗せ、詰め掛けた来場者約800人を魅了した。

 

 大只越町出身の小井土さんは、3歳でピアノを始めた。釜石小5年で東北ショパン学生ピアノコンクール小学生の部で金賞、進学した盛岡一高在学中に全日本学生音楽コンクール東京大会高校生の部で1位を受賞。桐朋学園大進学後も国内外の音楽コンクールで数々の賞を受賞している。

 

 同大を首席で卒業し、現在、同コース2年に在学中。昨年、若手演奏家の登竜門とも言われる第87回コンクールで最高の栄誉に輝いたのに続き、今年3月には英国の著名なピアノコンクールであるヘイスティングス国際ピアノコンチェルトコンペティションでも1位を獲得した。

 

 公演では、バッハの「フランス組曲第5番」やブラームスの「4つの小品Op.119」、最も好きな作曲家として挙げるロシア人のスクリャービン作曲「ソナタ第2番・幻想ソナタ」などアンコールを含めて7曲を演奏した。

 

公演終了後、感動を伝える観客らに笑顔で応える小井土さん

公演終了後、感動を伝える観客らに笑顔で応える小井土さん

 

 小学1年からピアノを続けている小佐野町の菊池莉歩さん(釜石高2年)は「好きな曲への思いが込められた素晴らしい演奏。表現力が卓越。好きなことを仕事にできるのがすごい。好きなことにまっすぐに取り組み、努力する姿勢を見習いたい」と力をもらった。

 

 小井土さんが音楽の道を志すきっかけとなったのは、高校進学直前に発生した東日本大震災。実家は幸いにも直接の被害を免れたが、音楽どころではなく、ピアノから遠ざかった。戻るきっかけとなったのが震災後に盛岡市で開かれた演奏会。「心に響いた。その感動を自分の演奏で届けたい」と道を定めた。

 

 道のりは平たんではなかったが、さまざまな自分を表現できるピアノを追求し、地元で演奏する喜びを選曲に込めた小井土さん。「びっくりするくらい多くの人に聴いていただいた。やりがいがあった」と充実感をにじませた。

 

 高校時代に地元を離れたが、「音楽活動の根本にあるのは釜石。古里の風景を思い浮かべて演奏することもある。続けられること、聴いてもらえることに感謝の気持ちでいっぱい」と小井土さん。演奏する楽しみをより深めた様子で、「感動を伝えられるピアニストに」と力を込めた。

 

(復興釜石新聞 2019年4月10日発行 第781号より)

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小井土文哉 ピアノ・リサイタル
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照井翠さん(前列中央左)の初エッセー集出版を祝おうとサイン会に集まった釜石市民ら

俳人 照井翠さん、「釜石の風」出版〜震災の現実を浮き彫りに、エッセーに思い凝縮

照井翠さん(前列中央左)の初エッセー集出版を祝おうとサイン会に集まった釜石市民ら

照井翠さん(前列中央左)の初エッセー集出版を祝おうとサイン会に集まった釜石市民ら

 

 東日本大震災当時、釜石高教諭で、被災の過酷な現状を俳句に詠んだ照井翠(本名・葉子)さん(56)=北上市在住、現北上翔南高教諭=が、2013年から俳誌や新聞に発表してきたエッセーを1冊の本にまとめ、出版した。タイトルは「釜石の風」(コールサック社、税込み1620円)。被災地をつぶさに見つめ、湧き立つ思いをつづった文章が、震災の現実を浮き彫りにする。

 

照井翠エッセイ集 釜石の風

 

 国語教諭で俳人の照井さんは勤務先の釜石高で被災。避難所となった同校で生徒や住民と1カ月余り避難生活を共にした。発災直後から突き動かされるように詠み続けた俳句は、12年に句集「龍宮」として出版され、第12回俳句四季大賞、第68回現代俳句協会賞特別賞を受賞した。

 

 13年に俳誌「藍生(あおい)」を主宰する黒田杏子さんから、エッセー連載の打診を受け、同年11月号から毎月寄稿。連載5年を機に昨年11月、エッセー集出版の話が持ち上がった。同誌に寄せた60回分のエッセーに、共同通信社加盟の全国約40社の新聞紙上や各種俳句総合誌に掲載された文章、国際シンポジウムで講演した要旨などを加え、全255ページのエッセー集が完成した。各編には、照井さん自らが撮影した59枚の写真も添えられる。「藍生」の連載タイトル「釜石の風」が同書にも使われた。

 

 震災後、市内外の被災地を訪ね、見聞きしたこと、感じたことを俳人、教育者の視点で記したエッセー。「震災とは何か」という思索の中で、「この悲しみ、苦しみは決して癒えることはない」と気付かされた。

 

 震災から3年目の「藍生」14年3月号の記述。「被災地では、私達は三月を愛さないし、三月もまた私達を愛さない」。鵜住居地区防災センターの惨劇を書いたこの回は、3年目にして深まる苦悩や絶望を色濃く映し出した。

 

 一方で、釜石高野球部のセンバツ甲子園出場など同校の出来事、復興に向かうまちの様子、自然の営み―といった被災地の希望に焦点を当てた回も。震災にからみながらも「読んでいてどこかほっとする部分」にこだわった。

 

教え子、鈴木大和さん(左)との再会を喜ぶ照井さん

教え子、鈴木大和さん(左)との再会を喜ぶ照井さん

 

 随想という観点から、短い文章の中に思いを凝縮。俳句的手法を用いた文章で、一つの言葉からさまざまな発想、想像を呼び起こすよう構成された。

 

 当初、文章で書くことは考えていなかった。場を与えられ、5年間書き継いできたことで「震災の本質を見つめ、揺れ動く心を書き残すことができた」と話す。復興は進むが、いまだに心の整理がつかない人もいる。

 

 「震災後の日々は永遠に終わらない」

 

 震災から8年―。風化だけでなく、今後、震災自体を知らない世代が増えていく。照井さんは「日付や写真も盛り込み、記録的要素もある。長いスパンで読み継がれてほしい」と願う。

 

(復興釜石新聞 2019年3月16日発行 第774号より)

 

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復興応援「おひなさま色紙」〜「製鉄のまち」北九州市から今年も

復興応援「おひなさま色紙」〜「製鉄のまち」北九州市から今年も

今年も北九州市から届けられた「おひなさま色紙」

今年も北九州市から届けられた「おひなさま色紙」

 

 釜石の復興を応援する「おひなさま色紙展」(釜石市芸術文化協会主催)が、釜石市港町のイオンタウン釜石で開かれている。北九州市で書道や絵手紙を教える近藤紫鳳さん主宰の「紫鳳会」の会員が制作した絵手紙調の色紙を展示。応援の気持ちをつづった書の色紙、かな書道の手紙も並んでいる。

 

 同じ「製鉄のまち」という縁で2011年に北九州市から応援メッセージが添えられた色紙が届いたのをきっかけに同展が始まり、今回で8回目。これまでに贈られた作品に加え、新たに11枚の色紙が届いた。

 

 150点余りになる作品は、2階と3階のイベントスペースに分けて紹介されている。色鮮やかに描いたお内裏さまに「春のひだまり何かいいことありそうな」「あなたと二人未来に向かって」などとメッセージを添えた色紙や、被災地を思う気持ちをつづった書作品を展示。今年はラグビーワールドカップ(W杯)を応援する特別色紙も並んでいる。

 

 23日は開会式があり、市芸文協の河東眞澄会長が「温かみのある作品を見て、心をほっこりさせてほしい」あいさつ。バンド演奏や舞踊などステージ発表もあり、開会に彩りを添えた。

 

かわいい「おひなさま色紙」に彩りを添えるバンド演奏

かわいい「おひなさま色紙」に彩りを添えるバンド演奏

 

 展示は3月3日まで。期間中には大正琴の演奏などがあり、2日午前11時からは釜石芸能連合、同午後1時から「唄と語りの会 彬子とマチ子」が出演。3日は午後1時から釜石民謡クラブ、県芸文協の支援による記念演奏「ギターと声楽のコラボレーション」を予定している。塗り絵や折り紙、お手玉づくり、切り絵(3日のみ)などの体験コーナーも設けられている。

 

 今年も来場者には抽選で展示された色紙をプレゼントする。会場にある応募用紙に必要事項を記入し、応募箱に。最終日に抽選会を行う。

 

(復興釜石新聞 2019年2月27日発行 第769号より)

 

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釜石市の無形文化財に指定されている「尾崎町虎舞」

勇壮虎舞 大集合、全国フェスティバル〜県内外の10団体熱演、松山市(愛媛)から25年ぶり

釜石市の無形文化財に指定されている「尾崎町虎舞」

釜石市の無形文化財に指定されている「尾崎町虎舞」

 

 釜石市内外の虎舞団体が集う「全国虎舞フェスティバル」(幸せ出ずる国いわて実行委員会、釜石観光物産協会、市主催)は10日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。2010年から継続され、9回目の開催。11年の東日本大震災を乗り越えた7団体と、愛媛、青森両県から招かれた3団体が、各地伝統の舞を披露。4時間半にわたる公演に約2千人(主催者発表)が来場し、多様な舞を楽しんだ。

 

 演舞に先立ち、文科省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受ける釜石高の3年生3人が、ゼミ活動で南部藩の虎舞の起源を探った研究について発表した。同研究は第12回全国高校生歴史フォーラム(奈良大、奈良県主催)で評価され、最高賞の一つ「知事賞」を受賞している。高校生ならではの視点、熱心な探究姿勢が光る内容に会場から大きな拍手が送られた。

 

 演舞は、かまいしこども園を皮切りにスタート。市内からは平田青虎会、只越虎舞、尾崎青友会、箱崎虎舞保存会、錦町青年会、大槌町からは向川原虎舞、青森県からは日ケ久保虎舞(おいらせ町)、長者山麓八戸虎舞(八戸市)が出演した。 

 

元気いっぱいの子虎が跳ね踊るかまいしこども園の演舞

元気いっぱいの子虎が跳ね踊るかまいしこども園の演舞

 

 愛媛県松山市の「古三津虎舞」は、1992年に三陸・海の博覧会関連イベントとして初開催された同フェスに出演以来の来釜。同虎舞保存会(岡田利康会長)の17~85歳のメンバー12人が駆け付けた。 

 

 同虎舞は、1597(慶長2)年の豊臣秀吉第2回朝鮮出兵に参じた初代松山城主・加藤嘉明が、朝鮮の山中で虎狩りを行い、頭と皮を秀吉に献上し喜ばれたという言い伝えが元になっている。虎狩りに参加した兵士に古三津地区出身者が多く、その勇敢さを虎退治の舞で表現し、語り継いできたとされる。

 

鉄砲を持つ「勢子」に対抗して虎が舞う「古三津虎舞」

鉄砲を持つ「勢子」に対抗して虎が舞う「古三津虎舞」

 

 同会事務局の岡田賢二さん(56)は「約25年ぶりの再訪に縁を感じる。愛媛では唯一の虎舞団体で、普段、他地域の虎舞を見る機会がないので、こういう場は刺激になる。ありがたい」と、伝統芸能がつなぐ交流を喜んだ。

 

 震災後の市民に復興へ向かう力を与え、逆境に負けない「釜石人魂」を内外に発信してきた同フェス。これまでシープラザ遊やイオンタウン釜石駐車場など各所を転々としてきたが、昨年から新設された市民ホールでの開催が可能となった。

 

 友人らと3人で鑑賞した甲子町の女性(77)は「祭りのお通りと違い、踊りをじっくり見られるのがいい。太鼓やかねの音を聞くと気分も高まる。釜石の虎舞が一番好き。リズム感と躍動感があって、何回見ても飽きない」と声を弾ませた。

 

(復興釜石新聞 2019年2月13日発行 第765号より)

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第9回全国虎舞フェスティバル
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【インタビュー】第3回釜石てっぱん映画祭

【インタビュー】第3回釜石てっぱん映画祭

【インタビュー】第3回釜石てっぱん映画祭

 

第3回釜石てっぱん映画祭
釜石てっぱん映画祭公式サイト
開催日:2019年3月2日(土)、3日(日)
会場:チームスマイル・釜石PIT
インタビュー:釜石てっぱん映画祭実行委員会代表 平松伸一郎さん

 

“映画を通じた「心の復興」と、釜石の映画文化の再生を!”をテーマに、今年も「釜石てっぱん映画祭」が開催されます。今回は、2日間で9作品が上映され、たっぷりと映画に触れられる内容に。
今年も実行委員会代表を務める平松伸一郎さんにお話を伺って来ました。

 

ーーもしかして、今年度は開催されないのかしら?と心配していました・・・。

 

開催時期がこれまでとは変則的になってしまいましたが、何とか開催する事が決まりました。
告知をした後に「良かった!待っていたよ!」というような声を掛けていただきました。やっぱり、そう言っていただけると嬉しいですね。

 

ーーこれまで2回開催して、感じている事などはありますか?

 

“釜石の皆さんはやっぱり映画が好きなんだな”という事です。特に、釜石にたくさん映画館があった時代を良くご存じの世代の皆さんですね。あらためて、確かな文化がこの地域にあった事を再確認しました。

 

【インタビュー】第3回釜石てっぱん映画祭

 

ーー映画を観たい人がいて、映画祭を開く方々がいて。この関係性が素敵だなと感じます。

 

映画界の皆さんがよく、「上映する人が居て初めて映画は成立する」と言いますが、実際に自分が上映する立場になって、“上映する人も大事なんだ”と実感しています。
釜石市でも常設館のない時代が長く続き、東日本大震災後は、上映場所が無いという時期もありましたが、この映画祭の会場の釜石PITやお隣の釜石市民ホールなど、上映する環境が整って、市内で映画鑑賞出来る機会も増えて来ていますし。

 

“作品(つくる人)、上映場所、上映する人、観客(観る人)”どれか一つでも欠けたら映画祭は成り立たないという事ですね。

 

昨年のゲスト 片渕須直監督トークショーの様子

昨年のゲスト 片渕須直監督トークショーの様子

 

ーー1日目は「ジモトエイゾウサイ in 釜石」。4作品が上映されますね。

 

地元映像となると、やはり震災関連の作品が多くなりますね。
ただ、釜石関連作品については、ちょっとひねりがあるといいますか。そういう作品がつくられたのも、やっぱり釜石が培ってきた文化的な土壌があるからかなと。

 

ーー2日目は市民おすすめの“てっぱん映画”を上映。

 

市民投票による“てっぱん映画”として、『四十九日のレシピ』『カランコエの花』『ヘアスプレー』の3作品、と実行委員会オススメ『モリのいる場所』(CINEPIT共同上映)『斬、』の2作品、計5作品を上映します。

 

ーーこう言ってはなんですが、割合渋いラインナップになりましたね。でも何となく作品から統一感を感じます。

 

そう言っていただけるのは何よりです。
いつも特にテーマを設けて映画を募集しているわけではないのですが、そんな中で投票された作品から選定してみると、何て言うんでしょうか、収まる所に収まっていると言いますか、ラインナップにそれほど違和感がない感じに不思議と落ち着きますね。まさに“いまの釜石が観たい作品”が、てっぱん映画祭を築いている印象です。
 
あとは、普段なかなか見る機会がない作品を、この機会に上映する事も大事だと思います。そういう作品に触れる事が出来るのも、このような映画祭の良い所だと思いますしね。

 

ーー注目を集めるスペシャルゲストは、俳優、監督として日本のみならず世界にもファンの多い塚本晋也さん!

 

『斬、』の上映が決まり、もしお時間が頂けるならばぜひ!と塚本晋也監督にお声がけし実現しました。
上映後に、スペシャルトークを行います。
 
実はこれには伏線がありまして、第2回で上映した『シン・ゴジラ』と『沈黙-サイレンス』の2作品に塚本さんがご出演されていたので、監督作品の『野火』もプログラムに入れて、お声がけしようか?となったんですけれど、新作の時代劇の撮影に入られたという事をお聞きして、昨年は断念したんです。その新作がまさに今回上映する「斬、」だったわけで、ご縁を感じます。
 
さらに言えば、ゲストにお迎えするにあたって調べていたら、第1回で上映した濱マイクシリーズ第1作の『我が人生最悪の時』にもご出演されていて。実は毎年「てっぱん映画祭」は塚本さんにお世話になっていたという・・・。やっぱりご縁でしょうね、本当に楽しみです。

 

昨年のゲスト 片渕須直監督トークショーでの様子

昨年のゲスト 片渕須直監督トークショーでの様子

 

ーー最後にメッセージをお願いします。

 

私個人の中では「つなぐ」というテーマがあって、けっして背伸びすることなく、身の丈にあった規模の中で、良い映画を届けながら、地道に続けて行きたいと考えています。
 
大きなスクリーンで映画をみんなと観て、感動と希望を分かち合っていただけたら嬉しいです。
ぜひこの映画祭で、幅広い世代の皆さんに“映画って良いなぁ”と思う体験をしていただければと思います。

 

第3回 釜石てっぱん映画祭~映画を通じた「心の復興」と、釜石の映画文化の再生を!~

 

【インタビュー】第3回釜石てっぱん映画祭

 

第3回釜石てっぱん映画祭 チラシ表(419KB/jpg)
第3回釜石てっぱん映画祭 チラシ裏(489KB/jpg)

 

釜石てっぱん映画祭公式サイト

開催日時

2019年3月2日(土)、3日(日)

会場

チームスマイル・釜石PIT
(釜石情報交流センター内 岩手県釜石市大町1-1-10)

上映スケジュールとチケット

2日(土)『ジモトエイゾウサイ in 釜石』 上映スケジュール
10:30~ 「息の跡」
13:00~ 「冬のホタル」鑑賞無料
13:50~ 「一陽来復 Life Goes On」
15:30~ 「フクシマ・モナムール」
全作品共通パス 500円を当日販売。高校生以下無料。
 
3日(日)上映スケジュール
10:00~ 「四十九日のレシピ」
12:40~ 「カランコエの花」
13:50~ 「モリのいる場所」 ※CINEPIT共同上映
16:10~ 「斬、」※上映後17:30~18:00 塚本晋也監督のスペシャルトーク
18:40~ 「ヘアスプレー」
各作品 前売りチケット800円/当日1,000円 (前売り期間:2月4日~3月1日)

 

プレイガイド
釜石情報交流センター、みつわや本店 
未就学児は入場無料。前売り券を購入の学生には入場時に受付にて半額の400円をキャッシュバック、当日券は半額の500円で販売します。

お問い合わせ

080-1823-1571(担当:平松)

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

指導を受けながら筆を走らせる受講者

新しい年の豊富を筆に込め、緊張味わい書き初め〜釜石市シルバー人材センター講習会

指導を受けながら筆を走らせる受講者

指導を受けながら筆を走らせる受講者

 

 新春を彩る「書き初め講習会」が1月29、30の両日、釜石市中妻町の昭和園クラブハウスで開かれた。「新しい年の始まり。しばしの緊張を味わう」などと、やる気を見せる60歳以上の市民らが参加。静かな熱気と穏やかな雰囲気の中、筆を持って半紙に向かった。

 

 公益社団法人釜石市シルバー人材センター(前川公二理事長)が主催。筆耕などの登録会員、上中島町の加藤勝博さん(76)が美しい筆文字の書き方を指導した。

 

 初日は9人が参加。「立春」「朝日」「梅香」「感動」「平成」など12点の朱筆の手本の中から1点を選び、手本の細部を見習いながら何度も書き込んだ。

 

 上手に書けた文字には加藤さんが朱筆で「花まる」。受講者は「あらー」と明るい笑顔の花を咲かせた。

 

 中妻町の高橋エツさん(76)は、高校生の孫が小学生の頃に使っていた習字道具を借りて参加した。「筆で文字を書くのは数十年ぶり。うまく書けないけど、楽しい。花まるをもらうのも小学生以来。子どもの頃を思い出し、うれしい気分」とにっこり。何かを始めようと思っていたようで、「書くことはぼけ防止、頭の体操になる。いい機会になった」と実感した。

 

 同センター業務係の小岩真吾主事によると、現在の登録会員は約350人。請け負う仕事は施設管理、屋内の清掃、車両の運転などがある。この講習会は社会貢献、センター事業のアピールを目的に継続している。

 

(復興釜石新聞 2019年2月2日発行 第762号より)

 

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NHK全国短歌大会のジュニア・中学生の部で大賞を受けた唐丹中2年の上野君

NHK全国短歌・俳句大会で最高賞〜唐丹中2年 上野翔明君 快挙

NHK全国短歌大会のジュニア・中学生の部で大賞を受けた唐丹中2年の上野君

NHK全国短歌大会のジュニア・中学生の部で大賞を受けた唐丹中2年の上野君

 

 2018年度(第20回)NHK全国短歌・俳句大会の短歌ジュニア部門・中学生の部で、唐丹中(菊地正道校長、生徒35人)2年の上野翔明(とあ)君の「威勢のいい唐丹虎舞さくら祭り虎の頭が大きく揺れる」が最高賞のジュニア大賞(3首)に選ばれた。表彰式は1月19日に東京都渋谷区のNHKホールで行われ、上野君は家族とともに出席した。表彰式の模様はきょう2日(午後3時~4時15分)、Eテレで全国放送される。

 

 同大会の短歌、俳句の募集は高校生以上の一般、ジュニア(幼児・小学生、中学生)の2部門。短歌の応募作品数は一般1万8029首、ジュニア2万574首。俳句は一般4万4277句、ジュニア3万9361句だった。

 

 最高賞に選ばれた上野君は「国語の授業でみんなと出品しただけ。賞をもらえる自信なんてなかった。うれしい。これで少し文芸に関心が沸いた」と思いがけない高評価に驚く。

 

 中学校は国語の単元に文芸があり、唐丹中でも2年に短歌、3年は俳句を学ぶ。国語科の臼井ともえ教諭は学習の一環で同大会への応募に挑戦させ、3年目になる。これまで2回とも入選はあるが、秀作、特選、その中から選ばれる大賞はなかった。今回は短歌で中嶋駿太君(2年)、俳句(3年)で留畑瑞穂さん、日野捺希さんも入選した。

 

 上野君は昨年4月、大名行列で知られる「唐丹さくら祭り」に郷土芸能の小白浜虎舞で参加した。東日本大震災の津波に襲われた唐丹町では、同虎舞の復活披露となった。上野君は虎頭も扱う舞い手。短歌のテーマを決めるのに迷いはなかった。

 

 創作は6月の授業で取り組んだ。臼井教諭は2年生12人に、三十一文字で表現する言葉を選び、配置する技法を指導。上野君はさくら祭りのほか、猛練習して身に付けた虎舞から言葉を選んだ。「唐丹虎舞を伝える『威勢のいい』がなかなか出なくて悩んだ」と上野君。字余りの歌が完成した。

 

 「さくら祭りは小白浜虎舞の本格的な復活だった。応援してくれる地域の人に感謝しながら気持ちを込めて演じた。短歌でも、それを表現したかった」と上野君。

 

 選者は18人。大賞候補となる「特選」に推した松村正直さん(歌誌「塔」編集長)は評で「迫力がある…桜の淡いピンクと虎の黄色の色彩が見える…釜石市の地名『唐丹』が印象的…ダイナミックな虎舞の動き…」と紹介した。選者の総意で大賞に輝いた。

 

 表彰式には、父友和さん(40)が運転する車で、母愛さんと弟妹3人の総勢6人で東京に向かった。表彰式の後、テレビのインタビューを受け、ステージで家族とともに記念撮影した。1泊して在京の親族と会い、大賞受賞を喜び合った。

 

(復興釜石新聞 2019年2月2日発行 第762号より)

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「息の合った演奏を」と意欲を高める(左から)山田さん、佐々木さん、菊池さん

21年ぶり、全日本アンサンブルコンテスト東北大会へ〜釜石高フルート三重奏 県大会で優勝、市民吹奏楽団の応援が力に

「息の合った演奏を」と意欲を高める(左から)山田さん、佐々木さん、菊池さん

「息の合った演奏を」と意欲を高める(左から)山田さん、佐々木さん、菊池さん

 

 釜石高(佐藤一也校長)の吹奏楽部員3人で編成するフルート三重奏が、全日本アンサンブルコンテスト第39回県大会(県吹奏楽連盟など主催)の高校の部で金賞に選ばれ、東北大会(2月9日、仙台市)に出場する。同部が東北切符を手にするのは、釜石南高時代の1997年以来、21年ぶり。「息の合った演奏を見せつけたい」と意気込んでいる。

 

 メンバーは、山田奏美さん(2年)、佐々木舞さん(同)、菊池優月さん(1年)の3人。県大会高校の部は20日に奥州市の市文化会館で行われた。32グループが出場。3人は「3本のフルートのための二章」(堀悦子作曲)の2楽章を奏でた。金賞には9グループが選ばれ、東北大会へは上位4グループが出場。顧問の細川正一教諭によると「(非公表の審査結果では)2位の評価だった」という。

 

 3人ともフルートを始めたのは中学からだが、それぞれが全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト東北大会出場経験を持つ。小佐野町で音楽教室を主宰する演奏家らの指導も受けているが、佐々木さんが山田町から通学していることもあり、昼休みなど授業の合間を利用して熱心に練習するなど努力も惜しまない。細川教諭は「陰の努力が花咲いたチーム。本番に強い」と評価する。

 

 「全国大会“金”」を目標に掲げていて、山田さんは「演奏曲が華やかではないので、息を合わせ見せる演奏を意識している。とにかく見せつけ、金をとる」と力を込める。佐々木さんは「自分たちのペースを大事にしたい。変に頑張り過ぎないで自然体でいきたい」と控えめながら、攻めの姿勢。菊池さんは「一人の力ではできないことで、支え合いながら目標を目指して頑張りたい」と抱負を語った。

 

 細川教諭によると、昨年12月に行われた県予選の釜石・気仙支部大会に同部から4グループが出場。高校の部は18グループで競われ、上位4位までを同部が独占した。県大会に進めるのは3グループだったが、「初の快挙」と歓喜。部員同士で励まし競い合って向上した結果でもあるが、同校OBらも多く所属する市民吹奏楽団メンバーが指導で応援したことが力になったと感謝する。

 

 同楽団の客員指揮も務める細川教諭は「釜石は音楽のまちでもある。東日本大震災があり、復興が進められているまちが元気になってほしい─そんな気持ちが生徒たちの演奏の力にもなっている」と強調。子どもたちのさらなる羽ばたきが、まちの未来につながると信じている。

 

(復興釜石新聞 2019年1月26日発行 第760号より)

 

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おすすめ本を紹介する発表参加者

読書家“一押し本”で合戦、チャンプ本に「徴産制」〜桑畑書店でビブリオバトル

おすすめ本を紹介する発表参加者

おすすめ本を紹介する発表参加者

 

 釜石市大町の桑畑書店(桑畑眞一社長)が主催する第2回ビブリオバトル(知的書評合戦)は12日、大町復興住宅4号1階の同店で開かれた。昨年10月に初めて開催され、好評を博した企画。読書愛好者の熱い支持を受け、続回が実現した。桑畑社長から声がかかった読書家5人が一押しの本を紹介。全参加者24人が読みたくなった本に一票を投じ、「チャンプ本」が決定した。

 

 紹介者が1人5分の持ち時間で、読んで面白いと思った本の要旨、感想、おすすめポイントなどを発表。2分間の質疑応答で、発表を聞いた参加者からの質問にも答えた。

 

 日本キリスト教団新生釜石教会牧師の柳谷雄介さんは「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(永崎裕麻)、読み聞かせボランティアの本田敬子さんは「ベルリンは晴れているか」(深緑野分)、釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャー兼監督の桜庭吉彦さんは「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)、甲子中教諭の村田理恵さんは「明星に歌え」(関口尚)、釜石市役所職員の石黒めぐみさんは「徴産制」(田中兆子)を紹介した。

 

 5人は、その本に出会ったきっかけや共感部分、紹介理由などをアピール。実際に読んだ人の生の声に興味をそそられた参加者は、積極的に質問をぶつけ、今回のバトルも大いに盛り上がった。最後に全参加者が一番読みたいと思った一冊に投票。最多票を獲得したのは、石黒さん(41)が紹介した「徴産制」(新潮社)で、“チャンプ本”の称号が与えられた。

 

 「徴産制」は2092年の日本を舞台にした小説。新型インフルエンザのまん延で、10~20代女性の85%が失われ、男性が出産するしか日本人を維持できない危機的状況に陥る。国は18歳から30歳までの全日本人男性に、性転換して出産を奨励する“徴産”制度を施行。最大2年間、女性になる義務を課す。これに従事したさまざまな立場の男性5人の姿が短編で描かれる。

 

 男女共同参画の新書を探していてこの本を手に取ったという石黒さんは「突飛な設定だが今、女性が抱える問題も視点を変えて浮き彫りにする本。男女問わず、読んでほしい」と話した。

 

 甲子町のフリーランスフォトグラファー土橋詩歩さん(28)は「どんな本が出るか当日まで分からないのも楽しみの一つ。要約と自分のエピソードを交えた発表が興味深く、とても面白かった。次回開催が待ち遠しい」と声を弾ませた。

 

 2007年、京都大大学院生によって考案されたビブリオバトルは全国的に広がり、読書の楽しみを倍増させるツールとして親しまれる。

 

 「いろいろな分野の人が面白いと思った本について、直接話を聞けるのは非常にいい機会。読書の幅を広げるきっかけにもなる」と桑畑社長。次回は5月か6月の開催を予定する。

 

(復興釜石新聞 2019年1月19日発行 第758号より)

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巨大壁画デザインに製作意欲を高める児童生徒

スタジアムをアートで彩る、市内小中学校のリーダー〜ラグビーW杯成功へ絆は強く、「ありがとう」の思いを発信

巨大壁画デザインに製作意欲を高める児童生徒

巨大壁画デザインに製作意欲を高める児童生徒

 

 釜石市内の小中学校の児童・生徒会リーダーで構成する「かまいし絆会議」(市教育委員会主催)の本年度2回目の会合が26日、釜石中(川崎一弘校長)で開かれた。2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催にどんな協力ができるか、昨年から子どもたちの視点で話し合いを進め、PRと盛り上げのため壁画と歌、映像の製作を決定。この日の会合では壁画デザインと歌がお披露目され、今後各学校で取り組む作業を確認した。

 

 同会議は昨年8月に発足し、W杯に向け市内の学校共通での取り組みを考えてきた。今年の1回目の会合で試合会場となる鵜住居町のスタジアムにホタテの貝殻を使ったモザイクアートを製作すること、「ありがとう」の気持ちを込めた歌を作ることを決め、モチーフにしたい絵や歌詞にのせたい言葉について意見交換。多くの人が関わることを目的に、各学校からもモチーフや言葉を募集した。

 

 子どもたちの思いを散りばめた壁画は、大漁旗がモチーフ。郷土芸能の虎舞、未来に向けて進んでいくSL銀河、まちを見守る釜石大観音などをデザインし、ありがとうの文字と「キズナ」との隠れ文字も入れる。

 

 大きさは縦約2・5メートル、横12メートル。赤や白、青、黄など12色で色付けしたホタテの貝殻約5千枚を使う予定。

 

 歌のタイトルは「ありがとうの手紙 ♯Thank You From KAMAISHI」。1番の歌詞は世界中から支援してくれた人たち、2番は友人、3番は家族、そしてみんなに伝えたい思いを集約した。

 

 この日は、市内14校のリーダー約30人が参加した。色付け作業と歌の練習を行い、3学期に各学校で取り組みを進める手順を確認。佐々木心響(しおん)さん(釜石東中2年)は「色付け作業は楽しい。歌は少し難しいが、釜石の小中学生みんなで取り組むことができるいい機会なので、楽しみながら進めたい」と話した。

 

 壁画専門部会リーダーの佐々木翔大君(釜石中2年)は「地元で開催されるW杯を楽しみにしている。ホタテを使ったアートは正直驚いたが、仕上がりを想像するとわくわくする。感謝の思いを込めた作品をみんなで作り上げ、見た人に子どもたちの頑張りや未来に進んでいることを感じてもらえたら」と意気込んだ。

 

 同会議は、W杯釜石開催実行委員会が募集する独自ボランティア「いわて・かまいしラグビー応援団」にも応募。この日は同実行委副会長の山崎秀樹副市長が受付書を持参し、「みんなの取り組みは心強い。大きな力になる。世界中から訪れる方を感謝の気持ち、温かいおもてなしの心を持って迎え、一緒にW杯の成功に向け頑張ろう」と激励した。

 

 実行委によると、応援団には20日時点で、県内外の59グループから応募がある。

 

(復興釜石新聞 2018年12月29日発行 第753号より)

 

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研究成果を発表する釜石高高橋ゼミ

釜石高SSHゼミ、「地歴甲子園」で全国1位〜南部藩虎舞の起源探る、市民を前に研究発表会

研究成果を発表する釜石高高橋ゼミ

研究成果を発表する釜石高高橋ゼミ

 

 第12回全国高校生歴史フォーラム(奈良大学、奈良県主催)で、南部藩の虎舞の起源を探った釜石高の研究グループ「SSH地歴公民(高橋ゼミ)」が「知事賞」を受賞。“地歴甲子園”とも呼ばれる大舞台で、「学長賞」と並ぶ全国1位の栄冠に輝いた。22日、受賞した生徒4人が釜石市大町の情報交流センター1階ラウンジで研究発表会を開き、1年半にわたる探究活動の成果を地元住民らに披露した。

 

 文科省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受ける釜石高は、全校生徒と教職員で探究(ゼミ)活動に取り組み、全教科のうち生徒が興味を持つ分野で、グループごとに自ら設定したテーマを研究する。

 

 今回受賞したメンバーは、いずれも3年の菊池知里さん(遠野東中出身)、多田栞さん(同)、鈴木笙子さん(大平中出身)、佐々木滉士君(釜石中同)。郷土芸能に着目し、「日本には虎がいないのに、なぜ釜石に虎舞があるのか」という素朴な疑問から研究をスタート。数少ない資料や文献を手掛かりに登場人物について調べ、舞が奉納される尾崎神社の宮司や虎舞分布を研究する盛岡大教授から聞き取りも行った。

 

 南部藩の虎舞の由来としては▽鎌倉幕府の命で伊豆から三陸に来た閉伊頼基が、士気を鼓舞するために虎の着ぐるみを着せて踊らせた▽三陸の豪商・前川善兵衛が江戸で近松門左衛門の「国性爺合戦」を見た際、和藤内の虎退治の場面に感動し、故郷に持ち帰った―という口伝が釜石、大槌に残る。

 

 生徒らは調査過程で浮かんだ疑問も探究。虎頭の形状、生態を詳しく表現した踊りから「生きている虎を実際に見たのでは?」と考え、調べた結果、27代南部藩主・南部利直が、カンボジア使節団から徳川家康に献上された虎を拝領し、盛岡城の一角で飼育していたことが分かった。利直は1611年に三陸を襲った〝慶長の大津波〟を受け、沿岸部を視察。後に港や帆船2隻を造り、1隻に「虎丸」と名付けている。航海安全、大漁を祈願する虎舞には、虎と海を結びつけた利直の存在も背景にあった可能性を示した。虎舞がある伊豆地方と三陸との関わりについても考察した。

 

 2011年の東日本大震災以降、沿岸住民らは虎舞で地域の絆を強くし、まちの再生を誓ってきた。「400年前の大津波で、利直が虎の力を借り復興を誓ったのと同じ。虎舞から東日本大震災につながるとは思わなかった」と発表を締めくくった。

 

 これら研究内容は8千字の論文に仕上げ、同フォーラムに応募。釜石高は全国45校73編の応募の中からベスト5となる「優秀賞」に選ばれた。さらに先月、奈良大で行われた受賞5校による発表会では、練習した虎舞の実演も交え、地域の歴史・文化を発信。見事、奈良県知事賞を獲得した。

 

 佐々木君は「正直驚いたが、みんなでやってきたことが評価され、うれしい。研究が行き詰まった時も協力して乗り越えることができた」、弟が平田虎舞に所属する鈴木さんは「歴史が好き。身近な虎舞について調べ、成果を得られたのは大きな経験。虎舞は釜石の象徴であることを改めて感じた」、遠野出身の多田さんは「虎舞は、震災で苦しい体験をした釜石の人たちを勇気づけ、元気にしたと思う。郷土芸能の力を感じる」、菊池さんは「史実と合わない部分も多く、事実だけを突き詰め、論文にまとめる作業は大変だったが、疑問から調べる経験は今後の糧になる」とし、社会科教諭になる夢を膨らませた。

 

 4人を指導した高橋利幸教諭は「生徒オリジナルの視点で、仮説を導き出した切り口が評価されたと考える。限られた時間の中で、本当によく頑張った」と、生徒らの取り組み姿勢をたたえた。

 

 同ゼミの研究成果は、来年2月に市民ホールで行われる虎舞フェスティバル、SS理数探究発表会でも報告される予定。

 

(復興釜石新聞 2018年12月26日発行 第752号より)

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