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日本製鉄釜石SW新クラブハウス落成 広さ2倍 より良い環境で今季飛躍に期待

日本製鉄釜石SWの新クラブハウスに整備されたトレーニングルーム。広さは現施設の1.6倍=関係者向け内覧会

日本製鉄釜石SWの新クラブハウスに整備されたトレーニングルーム。広さは現施設の1.6倍=関係者向け内覧会

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の新しいクラブハウスが完成し、8日、関係者向けの内覧会が開かれた。広さは現施設の約2倍。新たにミーティングルームや練習場を見渡せるラウンジが整備され、選手、スタッフのコミュニケーション、チーム力向上に寄与するものと期待される。トレーニング機器やロッカーなど必要な物品の搬入を進め、今月末からの利用開始を予定する。
 
 内覧会にはスポンサー、選手雇用先企業などから約30人が参加。見学の前に行われた式典で、桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「トレーニング効率、選手、スタッフのコミュニケーション、トレーニング後のリカバリーなどラグビーをする環境が大幅に向上する」と感謝。設計から携わった坂下功正総監督が施設の概要を説明した。スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長は「(施設建設は)チーム強化の一環。フル活用し、心と体を鍛えて必ず強いチームに」と期待を込めた。テープカットで施設落成を祝った。
 
内覧の前に行われた式典。桜庭吉彦GM(写真左上)、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(同右上)があいさつ

内覧の前に行われた式典。桜庭吉彦GM(写真左上)、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(同右上)があいさつ

 
テープカットで落成を祝う(左から)坂下功正総監督、桜庭GM、倉地副所長、河野良太クラブキャプテン

テープカットで落成を祝う(左から)坂下功正総監督、桜庭GM、倉地副所長、河野良太クラブキャプテン

 
現施設の隣に建設された日本製鉄釜石SWの新クラブハウス

現施設の隣に建設された日本製鉄釜石SWの新クラブハウス

 
 新クラブハウスは甲子町松倉の現施設の隣に建設。施主は日本製鉄(北日本製鉄所釜石地区)で、日鉄テックスエンジが昨年12月から工事を進めてきた。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は1092平方メートル(敷地面積1261同)。1階には選手のロッカールーム、浴室、トレーニングルームなどを設けた。ロッカールームは現施設の1.5倍の広さ。練習する市球技場に直接出入りできる。温水、冷水用の2浴槽を備えた浴室とは隣り合わせ。トレーニングルームは1.6倍の広さで、天井が高く、片側の壁一面が鏡張りになっている。
 
8日に開かれた内覧会。坂下総監督(右)が玄関ホールから順に案内した

8日に開かれた内覧会。坂下総監督(右)が玄関ホールから順に案内した

 
1階のロッカールーム(写真上)と浴室(同下)

1階のロッカールーム(写真上)と浴室(同下)

 
 2階には選手、スタッフが一堂に会せるミーティングルームを新設。壁面に大型スクリーンを設置予定で、研修会なども行える。球技場側にはラウンジも新設。簡易キッチンを備え、練習後の選手への補食提供も検討する。フルオープンの窓からバルコニーに出られ、練習の様子も見られる。この他、メディカルルーム、スタッフルーム、小会議室、総監督室も整備した。
 
新設されたミーティングルーム(2階)

新設されたミーティングルーム(2階)

 
市球技場に面したラウンジ(2階)も新設。バルコニーも備える

市球技場に面したラウンジ(2階)も新設。バルコニーも備える

 
バルコニーからは球技場を一望できる。ラウンジ内には簡易キッチンも

バルコニーからは球技場を一望できる。ラウンジ内には簡易キッチンも

 
 内覧会に出席した河野良太クラブキャプテンは「ロッカールームが広くて使いやすそう。これまでミーティングはジムルームで各自座れる所を見つけてやっていて、メモも取りにくかった。この素晴らしいクラブハウスを最大限有効活用して、しっかり結果を出していきたい」と意を強くし、施設支援へ感謝の気持ちを表した。坂下総監督は「選手の動線を一番に考えた造り。これまで以上にコミュニケーションが取れ、チームのまとまりができていくと思う。12月から始まるリーグ戦に向けて強化を進め、結果で恩返ししたい」と述べた。
 
 この日は新クラブハウスで、新たにスポンサーとなった岩泉町の岩泉ホールディングス(山下欽也代表取締役社長)との調印式も行われた。同社は看板商品の岩泉ヨーグルトの提供などで、選手の強い体づくりを支える。
 
ミーティングルームには会見用のバックボードも設置(写真左上) メディカルルームはラウンジから出入り可能(同左下) 素晴らしい施設に見学者も感心

ミーティングルームには会見用のバックボードも設置(写真左上) メディカルルームはラウンジから出入り可能(同左下) 素晴らしい施設に見学者も感心

 
 釜石SWのリーグ初戦は12月21日。福岡市のベスト電器スタジアムで九州電力キューデンヴォルテクスと対戦する。ホームの釜石鵜住居復興スタジアムでは1週間後の28日、第2節グリーンロケッツ東葛戦が行われる。

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「負けるもんか!」大地震、豪雨被害の石川・珠洲で奮闘 重量挙げ指導で夢追う浅田久美さん 古里釜石で講演

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

 
 釜石市出身で石川県珠洲市在住の重量挙げ女子日本代表元監督、浅田(旧姓・長谷場)久美さん(61)が19日、古里釜石市で講演した。本年1月の能登半島地震、9月の石川県北部豪雨と2度の大災害に見舞われる中、指導する子どもたちの競技環境の立て直しに奔走。「珠洲から世界へ」と“年中夢求”の挑戦を続ける浅田さんは、能登の復旧の現状と逆境に負けず競技に励む子どもたちの姿を映像で見せながら、「(東日本大震災から復興してきた)釜石を見習って、決してあきらめずに頑張っていきたい」と力を込めた。講演会は天神町の宝樹寺(野嶋諭住職)が主催し、約40人が集まった。
 
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重量挙げ女子日本代表監督を務め、現在は石川県珠洲市で子どもたちを指導する浅田久美さん

 
 講師の浅田さんは5歳で釜石を離れ、移住した茨城県水戸市で高校までを過ごした。体育大学に進み、陸上の砲丸投げ選手として活躍していたが、卒業後に体育教諭として赴任した埼玉栄高で重量挙げ競技の関係者の目に留まり転向。1987年、24歳で女子競技の初めての世界選手権に出場した。以降、国内第一人者となり、全日本選手権12連覇。91~93年まで3年連続で世界選手権銀メダルを獲得した。五輪種目になることを願い競技を続けたが、採用された2000年は37歳となり、けがの影響もあって出場はかなわなかった。
 
 現役引退後は指導者の道へ。日本オリンピック委員会(JOC)専任コーチ、女子日本代表監督を歴任後、結婚を機に夫の出身地珠洲市に移住。2012年、子どもたちの重量挙げチーム「スズドリームクラブ」を立ち上げ、現在に至る。
 
浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

 
 浅田さんは始めに1月1日に発生した能登半島地震について話した。地震発生時は、帰省先の釜石から自宅に戻る途中だった。夫の両親の無事は確認できたものの、半島につながる主要道は全てストップ。金沢市までたどり着き、珠洲市に向かうことができたのは4日の昼。車中から目にしたのは「言葉にならない風景」だった。建物は上から押しつぶされたような状態。道路はひび割れ、陥没箇所も。津波から逃れる高台への避難道路までもが建物の倒壊などで寸断されたという。
 
 未曽有の被害から9カ月半―。被災地は仮設住宅が建ち、ようやく倒壊家屋などの解体工事が始まった。そうした中で襲った9月21日の豪雨災害。浅田さんは復興の勢いが停滞している現状を示し、「奥能登は高齢化率が50%を超え、独居世帯も多い。経済的に自宅再建をあきらめざるをえない人も。まちがさら地だらけになるのではと心配」と復興への課題を口にした。
 
講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

 
 大地震の発生は、重量挙げ競技に励む子どもたちの練習環境にも大きな打撃を与えた。練習場は地震による倒壊は免れたものの、災害復旧支援者の待機場所となり、しばらく使えない状況が続いた。今年はクラブ立ち上げ時に最年少だった子どもたちが高校3年生となる年で、インターハイでの団体優勝を目標に掲げていた。主力選手6人は避難先にある金沢学院大と津幡高に分かれ、2月に練習を再開。全員一緒に練習できる場も必要なため、クラウドファンディングで支援を募り、近県で週末の合宿を行った。協力したのは本県北上市のガス製造販売業、北良(笠井健代表取締役)。練習場は3月に入り使用可能となった。
 
 各方面の支援で練習を継続できた高校生らは、3月の高校選抜大会、4月の全日本大会で自己新記録や日本新記録を出すなど培った力を発揮。インターハイでは男子団体で準優勝したほか、各階級の個人で優勝を果たした。浅田さんはクラブ立ち上げからの軌跡を、映像を見せながら紹介。子どもたちの頑張りに会場からは拍手が湧き起こった。
 
珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

 
 浅田さんは東日本大震災の教訓や復興に向かう釜石の状況を事あるごとに珠洲市民に伝え続けており、「釜石から学ばせていただくことはたくさんある。これからも釜石をお手本にして、少しでも幸せな日常が戻ってくるように日々、頑張っていきたい」と講演を締めくくった。
 
 市内の70代女性は「貴重な話を聞けた。釜石もそうだったが、復興への道のりは長い。能登もまだまだ大変だろうが、これから皆さんで復興を成し遂げてほしい。一生懸命頑張っている子どもたちも応援したい」と思いを寄せた。
 
浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

 
 講演後の取材に浅田さんは「今の能登の現状を知っていただきたかった。皆さんが真剣に聞いてくださりうれしい。帰ったら今の釜石の状況も伝え、珠洲もくじけずにやれば何とかなると思ってもらいたい」と話した。重量挙げ指導者としての大きな目標は「五輪選手を育てる」こと。「珠洲から出る第1号の五輪選手に」と意気込む子どもたちと今後も夢を追い続ける。

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釜石健康マラソン 市民ランナーに愛され、節目の50回 つながる歴史「これからも」

ゴールを目指して元気いっぱいに駆け出す子どもたち

ゴールを目指して元気いっぱいに駆け出す子どもたち

 
 市民総参加型のスポーツイベント・釜石健康マラソン大会(釜石市体育協会、市陸上競技協会、市主催)は12日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。スポーツを愛する人、クラブ活動に励む小中学生、健康維持と体力向上を目指してジョギングを楽しむ人など、年代も目的もさまざまな人が集う大会は、今年で50回目。さわやかな秋晴れの下、年に一度の顔合わせを楽しみ、力いっぱい走った。
 
 1975(昭和50)年にスタート。東日本大震災のあった2011年も続けたが、コロナ禍の影響で一度中止した。甲子町の市球技場から会場を移して4回目の開催。潮風を感じながら走る海沿いのコースを用意しながら、市民が集う機会を維持している。
 
 今大会は、既存と新設合わせて7種目に市内外の2歳から80歳までのランナー約270人が参加した。芝が広がるメイングラウンド内を発着点にして海沿いを走る3キロ、5キロの部で、出場者は心地いい風を受けながら走行。スタジアムやグラウンドの外周を使った2キロ以下の部では、保護者や地域住民らが移動しながら盛んに声援を送る姿が見られた。
 
子どもも大人も入り乱れてスタート。完走を目指す

子どもも大人も入り乱れてスタート。完走を目指す

 
釜石ならではの景色を楽しめる海沿いのルートも

釜石ならではの景色を楽しめる海沿いのルートも

 
ランナーたちは声援を力に、思い思いに走ることを楽しんだ

ランナーたちは声援を力に、思い思いに走ることを楽しんだ

 
 5キロアップダウンの部が新設。5キロの部の折り返し地点、根浜海岸のレストハウス付近をさらに進み、海抜約20メートルの高台にある「根浜復興団地」に駆け上がって市道箱崎半島線を鵜住居方面に向かうコース。高低差のある坂道がいくつか続くが、男女合わせて20人近くが出場した。
 
新設された5キロアップダウンコースを走るランナー

新設された5キロアップダウンコースを走るランナー

 
 最年長出場者の長岡直人さん(80)=同市嬉石町=も挑み、「余裕」でゴールした。この大会には8割参加しているといい、「知り合いに会うのが楽しみ。子どもらの参加も多く、頑張りを見ているのも楽しい」とニコニコ顔。妻・薫さん(75)の応援を受け、市外のマラソン大会にも積極的に参加していて、「あすはハーフ(マラソン)。楽しくがモットー。記録ではなく、制限時間に完走できればいい。沿道に手を振って、応援を力に走り続けたい」と元気だった。
 
「元気が取りえ」と話す長岡直人さん(左)と妻の薫さん

「元気が取りえ」と話す長岡直人さん(左)と妻の薫さん

 
 団体参加したFC釜石スポーツ少年団の佐藤灯さん、中島柊空さん、千葉條太郎さん(いずれも小学2年)は「気持ちよかった」と声をそろえる。3人とも2回目の出場で、前回より大幅に順位がアップ。「前半に突っ込み過ぎず、後半に余力を残したのが要因。目標達成できて、うれしい」と笑顔も重ねた。今、打ち込んでいるサッカーへのモチベーションも高まった様子。体力をつけ、「来年はもっと上位を」と意気込んだ。
 
 完走証に満面の笑みを見せていたのは、初出場の三縄高雅さん(小学2年)、情君(6)の兄弟。それぞれ1.5キロ(小学低学年男子の部)、400メートル(男子幼児の部)で8位、3位に入った。「のどがカラカラになるくらい頑張った。楽しかったから、来年も出たい」と意欲満々。小学時代に出場経験がある父親は「歴史がつながっていると思うとうれしい。大会を続けてほしい」と願った。
 
完走証を手に笑顔を見せる三縄高雅さん(右)と弟の情君

完走証を手に笑顔を見せる三縄高雅さん(右)と弟の情君

 
完走証を作成する運営スタッフの笑顔と拍手もご褒美

完走証を作成する運営スタッフの笑顔と拍手もご褒美

 
 半世紀続く大会に主催者、運営関係者らは感慨もひとしおだ。スターターを務めた市文化スポーツ部の佐々木豊部長(59)は第1回大会を知る世代。当時は参加対象が小学5年生からだったようで、佐々木部長は4年生だったことからオープン参加となった。大勢で走る楽しさを経験しているから、「(今回も)本当は走りたい」といたずらっぽく笑った。
 
 少子化、人口減、長寿化…さまざまな社会の変化もあって参加の間口を広げ、今は親子が一緒に走れる種目があったり、幼児から高齢者までが集える大会となっている。和やかな競技の様子を見守った佐々木部長は「この大会を目標に日頃から健康づくり、運動習慣づくりに取り組んでほしい」と期待する。
 
スターターを務めた佐々木豊部長(奥右)、サポート役の菊池信男会長(同左)

スターターを務めた佐々木豊部長(奥右)、サポート役の菊池信男会長(同左)

 
 市陸協の菊池信男会長(68)は「先輩たちがつないで50回も続く歴史ある大会。製鉄の歴史と同じように、ランナー、市民には失敗しても頑張るとの意気込みがある。参加人数は伸び悩むが、できることをやって人を集めて粛々と続けていければ」と話した。

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~釜石ラグビッグドリーム~ 釜石SWプレマッチ2戦目 日野に40-19 ホーム戦勝利に観客沸く

プレマッチ2戦目で勝利し、歓喜に沸く日本製鉄釜石シーウェイブス=釜石ラグビッグドリーム、13日

プレマッチ2戦目で勝利し、歓喜に沸く日本製鉄釜石シーウェイブス=釜石ラグビッグドリーム、13日

 
 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会釜石開催から5年―。大会レガシー(遺産)を継承し、「ラグビーのまち釜石」の一層の発信を図るイベント「釜石ラグビッグドリーム」が13日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。くしくも、この日は5年前のW杯釜石第2戦、ナミビア対カナダの試合が台風の影響で中止となった日。カナダ代表の選手らが、豪雨で浸水した住宅地で土砂除去のボランティア活動を行ったことは多くの市民の記憶に残る。その特別な日のイベントで雄姿を見せたのは、地元の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)。今季、ジャパンラグビーリーグワン2部で共に戦う日野レッドドルフィンズとメモリアルマッチを行い、40-19の勝利で観客を沸かせた。同ゲーム前には小中学生の交流マッチもあり、秋のスタジアムはラグビー一色に包まれた。
 
メモリアルマッチ「日本製鉄釜石SW(白)-日野レッドドルフィンズ」=釜石鵜住居復興スタジアム

メモリアルマッチ「日本製鉄釜石SW(白)-日野レッドドルフィンズ」=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 今季スローガンに「STEEL WAVE」を掲げ、2部トップ4入りを目指す釜石。プレシーズンマッチ2戦目のこの日の相手は、今季2部に復帰した日野。釜石は新加入の3選手を含む先発メンバーで臨んだ。先制したのは釜石。前半5分、相手ゴール前のラックからロック、ハミッシュ・ダルゼルが押し込んでトライ。11分には期待の若手WTB阿部竜二が、この日ゲームキャプテンを務めるナンバー8サム・ヘンウッドからロングパスを受け、自慢の俊足で右に回り込み、インゴールに持ち込んだ。チームを引っ張るヘンウッドは26分、相手を振り切る力強い独走で自ら追加点。その後、日野に1トライを許すも、前半終了間際の39分、ゴール前ラインアウトからのモールを押し、最後尾からパスを受けたSH南篤志が飛び込んでトライ。4トライ4ゴール、28-7で前半を折り返した。
 
前半11分、WTB阿部竜二が右サイドに走り込み、SW2本目のトライ

前半11分、WTB阿部竜二が右サイドに走り込み、SW2本目のトライ

 
前半26分、相手ディフェンスを突破しトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド(中央)

前半26分、相手ディフェンスを突破しトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド(中央)

 
前半39分、モールから出したボールをSH南篤志が飛び込んでトライ。笑顔で喜びを分かち合う(右)

前半39分、モールから出したボールをSH南篤志が飛び込んでトライ。笑顔で喜びを分かち合う(右)

 
先発した新加入のSOミッチェル・ハント(右から2人目)は3ゴールも決めチームに貢献

先発した新加入のSOミッチェル・ハント(右から2人目)は3ゴールも決めチームに貢献

 
 勢いづいた釜石は後半4分、相手ディフェンスの隙を突き、SO落和史が右にロングパス。今季新加入のWTB川上剛右がきっちり決め、33-7と突き放した。後半は両チームとも選手を大きく入れ替え。釜石はターンオーバーされる場面が増え始め、残り10分までに日野に2トライを献上。最後の見せ場は31分、右ゴール前ラインアウトから左に展開し、じわじわと前進。相手ディフェンスを引きつける間に再び右へ大きく振り、最後はフランカー髙橋泰地が決めた。40-19で試合終了。バックスタンドの大漁旗が大きく揺れた。
 
 2選手が同じ職場で働いているという釜石市の小林英樹さん(40)は「久しぶりの盛り上がり。勝てて良かった」と大喜び。「地元で勝つことが釜石の元気にもつながる。今季はぜひ勝ちにこだわって1つでも多く勝ってほしい」と期待を込めた。
 
後半、相手に圧力をかけるプレーでゴール前にボールを運ぶ釜石SW

後半、相手に圧力をかけるプレーでゴール前にボールを運ぶ釜石SW

 
後半31分、CTB畠中豪士からナンバー8セタ・コロイタマナ、フランカー髙橋泰地とパスをつなぎ、右隅にトライ

後半31分、CTB畠中豪士からナンバー8セタ・コロイタマナ、フランカー髙橋泰地とパスをつなぎ、右隅にトライ

 
釜石SWの活躍に応援の大漁旗がはためく

釜石SWの活躍に応援の大漁旗がはためく

 
 試合後、釜石SWの須田康夫ヘッドコーチは「相手に圧力をかけ続けるという今年のテーマを選手たちがしっかり守ってやってくれた結果。後半、メンバーが入れ替わった時のゲームマネジメントに課題が見えた」と振り返った。ゲームキャプテンのヘンウッド選手は「すばらしい勝利だった。ゲームプランの遂行というところをちゃんとできたのが鍵だったと思う」と評価。チームの成長も感じ、「若い選手が育ってきている。試合の大事な場面でうまく対処できる力がついてきている」と話した。
 
 釜石SWは19日のプレマッチ第3戦、IBC杯ラグビー招待試合で、今季3部に参入したヤクルトレビンズ戸田と対戦。40-21(前半26-7)と、こちらも快勝した。SWのプレマッチはこの後11、12月に3戦を予定する。リーグワン初戦は12月21日(対九州電力キューデンヴォルテクス)。釜石鵜住居復興スタジアムでの初戦は12月28日の第2節、グリーンロケッツ東葛戦となる。
 

夢追う子どもたちも熱戦 会場内では多彩なアトラクションも うのスタで楽しい1日

 
釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦した小学生交流マッチ

釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦した小学生交流マッチ

 
 メモリアルマッチに先立ち行われた小学生の交流マッチは、釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦。両チームのメンバーが入り交じっての試合も行われた。この日は秋田県で開催された6年生による東北大会に、両チームが合同チームを結成して出場したため、4、5年生メンバーでの対戦となった。SWジュニアのゲームキャプテンを務めた野田大耀さん(小佐野小5年)は「僅差でなく勝てたのでチームの成長を感じられた。パス回しやタックルでまだできていない部分があるので、これからの練習で改善したい」と前を向いた。
 
中学生交流マッチは釜石、甲子、釜石東の特設ラグビー部が熱戦を繰り広げた

中学生交流マッチは釜石、甲子、釜石東の特設ラグビー部が熱戦を繰り広げた

 
 中学生の試合には釜石、甲子、釜石東3校の特設ラグビー部が出場。市内の中学校は例年、他競技の中総体終了後にチームを結成し、10~11月に行われるラグビー競技の県中総体に挑む。それに向けた前哨戦ともなるこの交流マッチ。3戦を行い、2勝をあげたのは昨年、同スタジアムで開催された県中総体で初優勝を果たした釜石中。本年度は2、3年生20人でチームを結成し、8月から練習を開始した。佐藤碧空主将(3年)は「チャンスをものにし得点できたところは良かったが、ラックヤードの入り込みやディフェンスのラインで改善点があるので県大会までに修正したい。2連覇を目標にチーム一丸となって試合に挑む」と意気込んだ。
 
 会場内では自衛隊や警察、消防車両を体験できる「震災復興支援・働く自動車展」が人気を集め、フードコーナーもにぎわった。釜石を応援しようと今春結成された「ちあ釜」は、SWの試合のハーフタイムで念願のフラッグパフォーマンスを披露。試合後は誰でも楽しめるラグビー体験、餅まきも行われた。
 
自衛隊、警察、消防の車両がずらり!運転席に座り笑顔を見せる子ども

自衛隊、警察、消防の車両がずらり!運転席に座り笑顔を見せる子ども

 
SW対日野の試合のハーフタイムにフラッグパフォーマンスを見せた「ちあ釜」

SW対日野の試合のハーフタイムにフラッグパフォーマンスを見せた「ちあ釜」

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「釜石絆の日」 スターダスト☆レビューがうのスタ初ライブ V7戦士松尾雄治さんが縁つなぐ 

「釜石絆の日」スターダスト☆レビュー うのスタ☆スペシャルライブ=21日

「釜石絆の日」スターダスト☆レビュー うのスタ☆スペシャルライブ=21日

 
絆マッチ いわて釜石ラグビーFC対流通経済大ラグビー部(白)の試合=22日

絆マッチ いわて釜石ラグビーFC対流通経済大ラグビー部(白)の試合=22日

 
 9月25日は、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会会場地の一つ、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、「フィジー対ウルグアイ戦」が行われた日。東日本大震災からの復興の象徴となった同大会のレガシー(遺産)を継承し、多くの支援者と結ばれた絆を後世につなごうと、同市はこの日を「釜石絆の日」と定める。その記念イベント(釜石ラグビー応援団主催)が今年も同スタジアムで行われた。21日は「スターダスト☆レビュー」のスペシャルライブ、22日はラグビーの交流試合があり、両日とも雨に見舞われたものの、会場は釜石に思いを寄せる人たちの熱気に包まれた。
 
 スターダスト☆レビューのライブは釜石初開催。ボーカル・ギターの根本要さん(67)が新日鉄釜石ラグビー部日本一7連覇(1978~84年)の立役者で、釜石応援ふるさと大使の松尾雄治さん(70)と親交があり、震災後に2人で復興支援のトークイベント(2016年)を同市で開催していた縁で出演が実現した。
 
 ライブの前に根本さんと松尾さんが同年代の“絆トーク”。 約40年の付き合いという2人は出会いからの楽しいエピソードの数々を披露。観客の笑いを誘い、仲の良さを印象づけた。根本さんはラグビー人気急上昇のきっかけを作った松尾さんを「スーパースター。釜石というまちを日本で有名にしたのはおそらく松尾さん」と持ち上げ、初対面の席で周囲に溶け込ませてくれたことを懐かしんだ。松尾さんが音楽好きという一面も紹介。釜石での9年間の現役生活について松尾さんは「釜石の人たちはやさしく、みんなに支えられてラグビーをすることができた」と感謝。震災後は当時の仲間らとNPO法人スクラム釜石を立ち上げ、ラグビーW杯誘致などさまざまな支援活動を続けてきた。「もっと多くの人に釜石を見てほしい」と話し、海やラグビーを生かしたまちづくりに期待を込めた。
 
松尾雄治さん(左)と根本要さんによる絆トーク

松尾雄治さん(左)と根本要さんによる絆トーク

 
この日は釜石鵜住居復興スタジアムでは初の本格音楽ライブとなった

この日は釜石鵜住居復興スタジアムでは初の本格音楽ライブとなった

 
 「スタ☆レビ」の文字装飾が施されたバックスタンド席を背景に、グラウンド上に屋根付きのステージが組まれた。根本さんは地元ラグビーチーム「日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)」のジャージー、バンドメンバーらは「KAMAISHI大漁旗Tシャツ」を身に着けてステージに立った。ライブでは1986年のヒット曲「今夜だけきっと」、多くのアーティストもカバーする「木蘭の涙」、「トワイライト・アヴェニュー」など人気曲を交え、アップテンポ、バラードなど多彩な曲で楽しませた。同バンドは1981年デビュー。40年以上の長きにわたり活動を続ける。
 
メンバーはアカペラで「不思議なチ・カ・ラ」なども歌った

メンバーはアカペラで「不思議なチ・カ・ラ」なども歌った

 
あいにくの雨を吹き飛ばす熱気で盛り上がったライブ会場

あいにくの雨を吹き飛ばす熱気で盛り上がったライブ会場

 
 全国から約1500人が来場。アンコールを含め全18曲を楽しんだ。栃木県から足を運んだ北山富美子さん(64)は「晴れれば最高でしたけど、ライブはやっぱりいい。同年代のスタ☆レビが頑張っている姿に力をもらう」と笑顔。松尾さんとの縁で実現したライブに「地元の方も元気づけられるのではないか。遠くからもお客さんが来ることで、まちの復興がさらに進むといい」と願った。
 
 釜石市の小川大地さん(42)は「両親が(スタ☆レビの曲を)聞いていて、ずっと耳には残っていたが、生のライブは初めて」と感激。釜石に住んで17年。震災も経験し、同スタジアム誕生までの経緯もよく知る。「いろいろな思いが込み上げ、聞いていて夫婦で涙があふれた―」。ずっと聞きたかった曲“追憶”を「生で聞けて最高でした」と大喜びだった。2018年開業のうのスタでは初の本格音楽ライブ。「これを機にここでどんどんライブができるようになれば、まちも活気づくと思う」と小川さん。
 
「釜石絆の日」オリジナルTシャツ(写真右上)は限定100着の販売。1時間足らずで完売した

「釜石絆の日」オリジナルTシャツ(写真右上)は限定100着の販売。1時間足らずで完売した

 
釜石関連の各種グッズ販売は大盛況。多くの人が立ち寄った

釜石関連の各種グッズ販売は大盛況。多くの人が立ち寄った

 
 2日目のラグビー交流試合「絆マッチ」は昨秋、フランスで初めて開催されたワールドアマチュアラグビーフェスティバルに日本代表として出場した「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」が、釜石市と包括連携協定を結ぶ流通経済大のラグビー部と対戦した。
 
 1年ぶりのチーム結成となったいわて釜石は前半、流経大に先制トライを許すも、2トライを決め逆転。10-5で折り返した。後半は流経大に立て続けに6トライを奪われた。激しい雨で両チームともボールが手に付かず苦戦。現役の大学生パワーに押さえ込まれたいわて釜石は後半、得点に結びつかず、10-39で敗れた。
 
前半2本目のトライを決め、喜びに湧くいわて釜石

前半2本目のトライを決め、喜びに湧くいわて釜石

 
水しぶきを上げながら激しい戦いを繰り広げる両チーム

水しぶきを上げながら激しい戦いを繰り広げる両チーム

 
 元釜石SW選手で、いわて釜石の主将を務めた福士周太さん(30)は「1年前のメンバーとまた試合ができてうれしい」と再招集を喜んだ。事前に練習日を1日設定したが、参加は少数。「運動していなかった社会人と若いピチピチした大学生とでは体格も体力も違う。それでも2トライできたから、いいんじゃないかな」。ラグビーW杯釜石開催が一生に一度と言われたように、アマの世界大会に岩手、釜石ゆかりの仲間と出場できたのも「一生に一度の思い出」になった。SWでのプレーも大切な財産。県外への転勤が決まっているが、「プロでもアマでも釜石はラグビーのまち。それを作り上げ、つなげる手伝いをしていきたい」と未来を描いた。
 
1年ぶりの試合に笑顔を輝かせるいわて釜石の選手(写真左上) 新たな絆を結んだいわて釜石と流経大の選手ら(同下)

1年ぶりの試合に笑顔を輝かせるいわて釜石の選手(写真左上) 新たな絆を結んだいわて釜石と流経大の選手ら(同下)

 
 この日は中学生の交流試合もあり、釜石SWアカデミー・弘前サクラオーバルズの合同チームが静岡ブルーレヴズラグビースクールと対戦した。23日に予定されていたうのスタ運動会は、雨によるグラウンドコンディション不良のため中止された。

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震災復興・野球少年を応援! 天童よしみさん「夢と希望、捨てないで」 釜石市、感謝状贈る

応援を続ける天童よしみさんと交流した三陸地域の野球少年ら

応援を続ける天童よしみさんと交流した三陸地域の野球少年ら

 
 東日本大震災以降、釜石市などを会場に続けられている「天童よしみ絆旗学童野球大会」。冠する名の通り、演歌歌手の天童よしみさんが優勝旗など用品を贈って支援する。13年前、津波の爪痕が残る釜石を訪れていた天童さん。歌声で元気を届けると、笑顔のお返しがあり「逆に力をもらった」という。「夢や希望を捨てないで」。そんな被災地に寄せる心が、野球少年の応援活動につながった。自身も「新しいホールができたら、釜石でコンサートを」と思い続け、このほど実現させた。「夢や希望は持ち続ければかなう」。思いを体現する天童さんに、市民や子どもたちが感謝を伝えた。
 
 この大会は三陸の早期復興と岩手県内の野球少年の交流を図ろうと、2012年に始まった。当初は県の内陸部で実施し、被災した沿岸部の復旧が進んで開催場所が確保できるようになった15年の第4回大会から釜石を主会場に続けられている。
 
 その舞台となる平田公園野球場に9日、昨年の優勝チーム、綾里はまっこスポーツ少年団(大船渡市)、地元の釜石ファイターズと釜石野球団ジュニアのメンバーらが集合。優勝旗「絆旗」、大会旗を手に天童さんを囲んで記念写真を撮ったりして触れ合った。市と市体育協会は復興支援に貢献したとして天童さんに感謝状を贈呈。小野共市長は「その行動力に市民が元気づけられた」と述べた。
 
優勝旗と大会旗、天童さんを囲んで写真に納まる少年野球チームのメンバーら

優勝旗と大会旗、天童さんを囲んで写真に納まる少年野球チームのメンバーら

 
子どもたちや関係者が見守る中で天童さんに感謝状が贈られた

子どもたちや関係者が見守る中で天童さんに感謝状が贈られた

 
「大変なことがあっても目標、夢、希望を失わないよう…何か一つ絆を贈りたかった」と思いを話す天童さん

「大変なことがあっても目標、夢、希望を失わないよう…何か一つ絆を贈りたかった」と思いを話す天童さん

 
 天童さんは「学童のみんなも、私も毎回、この大会を楽しみにしていた。力いっぱい野球をしてほしい。元気でスポーツを、そして健康な心と体力を持ち続けてほしい」と熱を込めた。
 
 釜石野球団ジュニア所属の小笠原明香里さん(小学6年)は「着物を着て歌っているイメージだったけど、(洋服を着ても)かっこいい。スポーツを続けられる環境をつくってくれてうれしい」とはにかんだ。
 
 佐久間優希さん(中学3年)は、小学生時代に釜石ファイターズのメンバーとして臨んだ第10回大会で優勝した経験を思い浮かべ、「6年生は夏で野球が終わってしまうが、この大会があるから秋も野球を続けられたし、ステップアップできた」とうなずく。優しそうな天童さんの雰囲気に感激した様子で、現メンバーとして競技に励む妹優愛さん(小学2年)と笑顔を重ねた。
 
「野球、楽しんでる?」。子どもに優しく声をかける天童さん

「野球、楽しんでる?」。子どもに優しく声をかける天童さん

 
 天童さんの釜石応援は、同大会発起人で唐丹町出身の下村五五男(いさお)さん(69)=矢巾町=が震災直後に手紙を出したことがきっかけ。被災地への来演を望む思いに応え、11年5月に市内にあった避難所を訪ね、被災者を激励した。少年期から選手、指導者として野球にかかわる下村さんが大会の構想を伝えると、天童さんが賛同。絆旗や用品を贈るなど運営を支え、地域に根づく大会となった。
 
 今回、天童さんはコンサートのため、13年ぶりに来釜。9日は鵜住居町、唐丹町を回った。「当時、13年前は…声が出ないほどの壊滅的な場面が頭に焼き付いて、ずっと引っかかっていた。復興をこんな早く進めて、すばらしい街並みになった。海がちゃんと見える場所もあって…よかった」とうなずいた。
 
 13年前に拍手で出迎えてくれ住民らとも再会。天童さんは「皆さんの元気な笑顔を見ることもできて、うれしい」と表情をやわらげた。当時は、被災地に入ることに緊張や迷い、「どんな風に元気づけたらいいか」と不安もあったが、下村さんの手紙には「今こそ、勇気づけてほしい」とつづられ、添えられたある写真に「気持ちが動いた」という。50年以上前、釜石に来演した天童さんと一緒に納まった写真―。その頃からファンだった下村さんの熱意に反応した。
 
 それからつながる野球少年の応援に込めるのは「目標、夢、希望を捨てないで」との願い。幼少期から50年以上歌い続ける自身の経験もあるようで、「長く、長くやっているからこそ、夢と希望は持ち続けないと。必ずかなうから」と言葉に力を込めた。
 
天童さんの隣に座って言葉を交わす下村五五男さん

天童さんの隣に座って言葉を交わす下村五五男さん

 
贈呈式の様子をうれしそうに見守った下村さん(手前)と大会実行委員会関係者ら

贈呈式の様子をうれしそうに見守った下村さん(手前)と大会実行委員会関係者ら

 
 感謝状贈呈の場には下村さんや大会実行委員会のメンバーらの姿もあり、感慨深げに見つめていた。「晴れやかな涙が出た」と顔をほころばせた下村さん。野球人口が減り、複数の学校が組んで大会に出場する「連合チーム」が増えている現状を残念がるが、「楽しむ熱意のある子たちを応援し続けたい」と思いは変わらない。
 
 「もう1回、釜石にホールができたらコンサートに来たいと言っていた」と振り返った天童さん。10日、震災後に整備された大町の市民ホールTETTOで有言実行。「いろんなことが起きているが、乗り越えた皆さんは強い。これからに向かって、その元気パワーでさらに盛り上げてもらえるように」。熱い応援を歌声にのせ届けた。

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東京・荒川から釜石・唐丹へ 震災後の野球支援今年も 硬式女子アサヒトラスト 小中学生を指導

アサヒトラスト女子硬式野球部による野球教室=7日、唐丹グラウンド

アサヒトラスト女子硬式野球部による野球教室=7日、唐丹グラウンド

 
 東京都荒川区の東京リバーサイドロータリークラブ(RC、小根澤美和会長、会員37人)と、社会人チームのアサヒトラスト女子硬式野球部(三橋淳志代表、選手20人)は7日、釜石市唐丹町の唐丹グラウンドで、同市の小中学生に野球教室を開いた。東日本大震災、同グラウンド整備を支援してきたクラブが昨年に続き主催。両団体からは軟式野球ボールも寄贈された。震災から13年半―。同市の野球関係者は途切れることなく続く支援に深く感謝し、ジュニア育成へさらに気持ちを高めた。
 
 同クラブ会員14人と同部の選手、監督、コーチら27人が来釜。少年(軟式)野球チームの釜石ファイターズ(26人)、釜石野球団Jr.(ジュニア、20人)、中学生の硬式野球チームの釜石ボーイズ(20人)が一行を迎えた。教室に先立ち、参加者が顔合わせ。小根澤会長、三橋代表があいさつし、同クラブからボール10ダース、同部からボール3ダースとチームタオルが釜石の子どもたちに贈られた。
 
東京リバーサイドRC(写真左上)は6回目の訪問。アサヒトラストは三橋淳志代表(同右上)、選手らが2回目の訪問

東京リバーサイドRC(写真左上)は6回目の訪問。アサヒトラストは三橋淳志代表(同右上)、選手らが2回目の訪問

 
写真上:小根澤美和会長が軟式野球ボールを贈呈 同下:アサヒトラストからもボールとタオルが贈られた

写真上:小根澤美和会長が軟式野球ボールを贈呈 同下:アサヒトラストからもボールとタオルが贈られた

 
 教室は子どもたちの年代に合わせた練習メニューが組まれた。中学生や小学校高学年の団員はアサヒトラストの女子選手と一緒にシートノック練習に臨み、捕球や送球の基礎を学んだ。小学校低学年の団員は上級生の練習を見学した後、捕球練習を行った。国内女子野球のトップ選手や指導者らの講習に子どもたちは目を輝かせ、真剣に取り組んだ。
 
中学硬式野球チーム「釜石ボーイズ」(桃色ユニホーム)はアサヒの選手とシートノック練習などを実施

中学硬式野球チーム「釜石ボーイズ」(桃色ユニホーム)はアサヒの選手とシートノック練習などを実施

 
社会人選手のプレーのうまさに目がくぎ付け(写真右)。中学生も負けじと頑張る

社会人選手のプレーのうまさに目がくぎ付け(写真右)。中学生も負けじと頑張る

 
小学校低学年も「投げる」「捕る」という野球の基本を教わった

小学校低学年も「投げる」「捕る」という野球の基本を教わった

 
アサヒの選手を相手に練習。しっかり捕って相手に投げ返す

アサヒの選手を相手に練習。しっかり捕って相手に投げ返す

 
 釜石ファイターズの菅原睦斗さん(小5)はアサヒ選手らの練習中の大きな掛け声に驚き、「声出しやボールの捕り方をまねしたいと思った。守備をもっとうまくなりたい」と刺激を受けた様子。東京から指導に来てくれることにも感謝し、「学んだことを大会で生かしたい」と話した。澤本大志監督(42)は「子どもたちの積極的なアピールも見られ、いつもとは違った表情。大人の選手の一生懸命な姿から何か感じるものがあれば」と期待。チームは今年、同クラブの支援でユニホームを新調しており、応援を力に県大会ベスト4進出を果たしている。
 
普段はない子どもたちとの練習にアサヒの選手らも笑顔

普段はない子どもたちとの練習にアサヒの選手らも笑顔

 
「もっとうまくなりたい」と真剣に練習する小学生ら

「もっとうまくなりたい」と真剣に練習する小学生ら

 
小学生による塁から塁への送球練習

小学生による塁から塁への送球練習

 
 東京リバーサイドRCは地元荒川区が釜石市と友好交流都市という縁で、震災後の2011年秋に荒川区社会福祉協議会とともに同市を訪問。津波で全壊し、がれきが残る唐丹小の惨状を目の当たりにした。地元関係者から「子どもたちが野球をできるように、整地してグラウンドにしたい」という話を聞き、同社協と一緒に、土を盛って芝生を張るための資金集めに尽力。ダッグアウトや簡易トイレの設置も援助した。その後、会員が隔年で訪問しながら、唐丹スポ少(当時)などへのボールやバット、グローブの寄贈、グラウンドの芝生整備のための芝刈り機などの支援を続けてきた。昨年から始まったアサヒトラスト野球教室の遠征費もクラブが支援する。
 
 小根澤会長(58)は「震災で心の傷を負った父母らは子育ても大変だっただろう。野球をやりたいという子どもたちが何不自由なく楽しめ、成長できるよう、私たちが少しでもお手伝いできればとの思いで活動を続けてきた。彼らが大人になった時、また誰かを助けられる、(困っている)人を思いやれる人になってくれたらうれしい」と期待を込めた。
 
グラウンド脇の防潮堤は震災後、高さ14.5メートルに整備された

グラウンド脇の防潮堤は震災後、高さ14.5メートルに整備された

 
芝生が張られた外野エリアで守備練習

芝生が張られた外野エリアで守備練習

 
常に声を出し合いながら練習するアサヒの選手。子どもたちにもいい刺激に

常に声を出し合いながら練習するアサヒの選手。子どもたちにもいい刺激に

 
 アサヒトラスト女子硬式野球部は、荒川区に本社があるアサヒ産業(三橋淳志代表取締役)が出資し2007年に設立。女子硬式野球の国内企業チームの先駆けで、10~30代の社会人と大学生が所属する。全日本選手権(高校~社会人)で2回、全日本クラブ選手権(社会人)で5回の優勝実績があり、全日本チームの選手も輩出している。
 
 同部の落合彩伽主将(23)は「前回より子どもたちの参加が増え、活気に満ちた教室となった。私たちが話すことを素直に聞いてくれる子が多く、自分たちも小中学生との野球にパワーをもらった」と喜びの表情。東北には女子硬式野球の社会人チームはないが、高校は6チームがあり、本県では2020年に創部した花巻東の活躍が注目を集める。今回の教室参加者の中にも女子選手は複数いて、「女子野球の広がりを感じる」と落合主将。
 
 釜石ボーイズの菊地礼華さん(中3)は先輩女子選手らのうまさに目を見張り、「すぐ捕って投げるところとか素早いプレーが勉強になった。高校でも野球を続けたい」と意欲。昨夏、アサヒトラストの招待で東京に遠征し、全国大会の試合見学やチーム練習に参加してきた佐久間美桜さん(中2)は「女子だけの環境は初めてで、すごく楽しかった。練習でも細かいところまでやさしく教えてもらった」と感謝。今回の教室を含め、多くの学びを得たようで、「これから新人戦も始まるので、1年生を引っ張って頑張りたい」と意気込んだ。
 
釜石ボーイズの女子選手。女子社会人チームの指導の機会を喜んだ

釜石ボーイズの女子選手。女子社会人チームの指導の機会を喜んだ

 
 全日本女子硬式野球クラブ連盟、関東女子硬式野球連盟の会長も務める三橋代表(66)は「野球を通じたつながりで復興の一助になれれば。子どもたちには、とにかく野球を続けてほしい。最後までやり通すことが将来につながる」とメッセージを送った。
 
写真上:アサヒトラストの大須賀康浩監督は「うまくなるには人の言うことをよく聞いて理解することが大事。伸びる子は理解力のある子」と助言 同下:来訪への感謝を伝える唐丹すぽこんクラブの河東眞澄委員長(右)

写真上:アサヒトラストの大須賀康浩監督は「うまくなるには人の言うことをよく聞いて理解することが大事。伸びる子は理解力のある子」と助言 同下:来訪への感謝を伝える唐丹すぽこんクラブの河東眞澄委員長(右)

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1、2年生チーム 力試しの新人戦 釜石大槌地区中学校 7競技で熱戦 保護者の声援受け懸命プレー

各競技で熱戦を繰り広げた釜石大槌地区中学校新人大会=7日

各競技で熱戦を繰り広げた釜石大槌地区中学校新人大会=7日

 
 2024年度釜石大槌地区中学校新人大会(同地区中学校体育連盟主催)は7日、釜石、大槌両市町の学校体育館、公共スポーツ施設で7競技が行われた。3年生の部活動引退後、1、2年生による新チームを結成しての初の公式戦。本来であれば9競技が行われるが、2競技で対戦のための人数がそろわず、試合を断念した。上位チーム、選手が出場する県大会は10月(前期)と11月(後期)の2つの日程で行われる。
 
 少子化による生徒数の減少などで、単独校での大会出場が難しくなっている団体競技。3年生引退後の新人戦はさらに人数が減り、対戦カードを組めない競技も複数出ている。今大会、軟式野球は地区予選がかなわず、釜石、大平、甲子、大槌の4校合同チームが地区代表で県大会に出場する。バスケットボール女子も釜石、大平、大槌の3校合同チームで県大会へ。柔道は団体、個人とも地区予選ができず、各階級の男女選手が県大会個人戦に出場する。剣道は男子のみの参加で、団体戦は大槌が地区予選なしで県大会に進む。
 
 釜石中体育館で男子個人戦のみ行われた剣道競技には3校から9人が参加。予選リーグの後、6人による決勝トーナメントが行われた。会場では保護者らが試合を見守り、技が決まると拍手で選手をたたえた。個人戦は上位3人が県大会に進む。
 
釜石中体育館で行われた剣道競技の男子個人戦

釜石中体育館で行われた剣道競技の男子個人戦

 
保護者や釜石、大槌の剣道協会員らが見守る中、試合が行われた

保護者や釜石、大槌の剣道協会員らが見守る中、試合が行われた

 
 3位決定戦で勝利し、県大会出場権を獲得した高木壮嘉選手(釜石中1年)は小学4年から剣道に励む。同じく小学校からやっている2選手に「今日は勝ちたかったが、気持ちで負けてしまった部分がある」と反省。県大会に向け、メンタル強化を課題に挙げた。6月の中総体では団体戦ができたが、3年生の引退で今回は人数が足りず、対戦できなかった。「できなかったのはちょっと悲しい。来年の新1年生の入部に期待したい」と仲間が増えることを願った。
 
県大会出場を目指し試合に挑む釜石、大槌の選手

県大会出場を目指し試合に挑む釜石、大槌の選手

 
 甲子中体育館が会場となったバレーボール競技。男子は吉里吉里と釜石・甲子合同チームが対戦した。女子は大平と吉里吉里が合同チームを結成。釜石東、甲子、釜石とともに4校のトーナメント戦が行われた。2階ギャラリーでは保護者が熱い声援を送り、
選手のプレーを後押しした。
 
甲子中体育館で行われたバレーボール競技。女子1回戦 甲子-釜石

甲子中体育館で行われたバレーボール競技。女子1回戦 甲子-釜石

 
選手に声援を送る両チームの保護者ら

選手に声援を送る両チームの保護者ら

 
 甲子中女子の上小路琉月主将(2年)は1回戦で釜石中に勝利後、「声とかつなぎとか練習の成果は出せた。2セット目は最初、相手に取られてあせりもあったが、全員で抑え切れたと思う」と手応えを実感。一方で、「相手の波にのまれると負けてしまうので、自分たちのペースに持ち込めるように頑張りたい」と次戦への意欲を高めた。決勝では釜石東を破り、県大会出場を決めた。
 
甲子の攻撃を止めようと食らいつく釜石の選手(白ユニホーム)

甲子の攻撃を止めようと食らいつく釜石の選手(白ユニホーム)

 
同試合は甲子のリードで進み、2-0で勝利した

同試合は甲子のリードで進み、2-0で勝利した

 
 同地区では本年度の中総体から、サッカー競技に大槌サッカークラブ、バドミントン競技にKBFの2地域クラブが参戦。本大会にも出場し、大槌サッカークラブは釜石東を破り初優勝。KBFは女子団体戦で中総体に続く連覇を果たした。
 
 釜石大槌地区の代表が出場する競技の県大会は前期が10月19、20日(バスケットボール、サッカー、軟式野球、ソフトテニス)、後期が11月16、17日(バレーボール、卓球、バドミントン、柔道、剣道)に県内各会場で開催予定。同地区大会の結果は大会成績一覧表の通り。
 
2024年度釜石大槌地区中学校新人大会成績一覧表(PDF:164KB)

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震災・復興・ラグビー 釜石でしか得られない学びを 埼玉、広島の中学生ラガー「絆キャンプ」

釜石鵜住居復興スタジアム裏にあるラグビー神社に参拝する「絆キャンプ」の参加者

釜石鵜住居復興スタジアム裏にあるラグビー神社に参拝する「絆キャンプ」の参加者

 
 ラグビー「リーグワン」所属チームが関係するジュニア・ユース団体による交流合宿「絆キャンプ」が、23~25日まで釜石市で開催された。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の試合誘致により、東日本大震災からの復興を大きく前進させた同市で、今後のラグビー人生の糧となる学びを得ようと関係者が企画。埼玉、広島両県の3チームで活動する中学生らが訪れ、震災・防災学習、地元チームとの交流試合などを行った。
 
 釜石を訪れたのは埼玉県のワイルドナイツジュニアユース、Acorns Sports & Rugby Academy(エーコンズスポーツアンドラグビーアカデミー)、広島県の広島ラガー・ジュニアラグビースクールの団員ら。地元から釜石シーウェイブス(SW)アカデミー、宮古ラグビースクールが加わり、約80人での合宿となった。
 
 23日に釜石入りした県外3チームは、鵜住居町で2011年の震災について学んだ。犠牲者の芳名板が設置される「釜石祈りのパーク」で黙とうをささげ、同所を襲った津波の高さをモニュメントで実感。防災市民憲章に込められた4つの教訓「備える、逃げる、戻らない、語り継ぐ」を心に刻んだ。震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」では津波の映像や展示物を見ながら、同市の被害状況、小中学生がとった避難行動などについて話を聞いた。
 
釜石祈りのパークで東日本大震災について学ぶワイルドナイツジュニアユースの団員ら=23日

釜石祈りのパークで東日本大震災について学ぶワイルドナイツジュニアユースの団員ら=23日

 
いのちをつなぐ未来館でさらに詳しく学習。震災の教訓を心に刻む

いのちをつなぐ未来館でさらに詳しく学習。震災の教訓を心に刻む

 
 24日は参加チームのコーチ陣による技術指導や交流試合が行われた。試合会場の釜石鵜住居復興スタジアムでは、施設の意義や特徴も学習した。復興に向かう同市がラグビーW杯誘致に動き、被災した小中学校跡地にスタジアムを新設。防災機能を兼ね備えた施設で、建設にはさまざまな人たちの復興への強い思いが込められていることが伝えられた。
 
「釜石鵜住居復興スタジアム」建設の経緯を聞く

「釜石鵜住居復興スタジアム」建設の経緯を聞く

 
参加者から質問も。元釜石SW選手で市職員の佐伯悠さんが答える

参加者から質問も。元釜石SW選手で市職員の佐伯悠さんが答える

 
 交流試合は「チーム埼玉・広島対チーム三陸」など各種対戦カードが組まれた。選手たちは釜石復興を願ってきた人々の気持ち、憧れのW杯選手と同じピッチに立てる喜びをかみしめながら試合に臨み、ひたむきなプレーを見せた。
 
 ワイルドナイツの小沼虎汰郎さん(中2)は「みんな、よくくじけずに復興までこぎ着けたなあと思う。スタジアムは同じ被害に遭わないための工夫もあって驚いた。いろいろなことを知れて本当にためになった。災害が起こったらパニックになってしまうかもしれないが、ここで学んだことを生かせれば」と収穫を口にした。
 
 釜石SWにも在籍した中村彰さんが立ち上げたエーコンズの清水蒼唯さん(中2)は昨年も合宿で釜石を訪問。「自然が多く、地元埼玉では感じられない別の雰囲気がある。普段、対戦機会のないチームとの試合は身が引き締まるし刺激になる。行きたい高校があるので、そのためにも他のうまい人を見習って自分も成長できれば」と意欲を示した。
 
チーム埼玉とチーム三陸の交流試合。厳しい暑さに負けずプレー

チーム埼玉とチーム三陸の交流試合。厳しい暑さに負けずプレー

 
ワイルドナイツの選手を2人がかりで止めるSWアカデミーの選手ら(赤ジャージ)

ワイルドナイツの選手を2人がかりで止めるSWアカデミーの選手ら(赤ジャージ)

 
試合中もゴールエリアで練習。各チームのコーチが指導した

試合中もゴールエリアで練習。各チームのコーチが指導した

 
 釜石SWのキャプテン山﨑陽介さん(中3)は埼玉チームとの試合に「(相手は)やっぱり強かった。実戦でないと試せないこともあるので、こういう機会はありがたい」と感謝。技術指導では「基礎を復習できた」といい、「今回見つかった課題もあるので、改善できるようにこれからの練習で生かしていきたい」と話した。
 
 本キャンプは初開催。NPO法人ワイルドナイツスポーツプロモーション代表理事で、ジュニア・ユースの育成にあたる三宅敬さん(40)が、NPO法人スクラム釜石の早川弘治理事ら関係者と企画を練り実現した。ラグビーが釜石復興に果たした役割を知るとともに、広域の中学生との交流による互いの経験や考えの共有、リーダーシップの醸成などを目的とした。
 
 同スタジアム建設中の2017年に釜石を訪れている三宅さん。「W杯への高揚感の一方、大勢の人が被災した悲しみで、明暗のある感情に揺さぶられた」と当時を振り返る。教え子たちを連れた7年ぶりの釜石訪問。「これもラグビーがつないでくれた縁」と感謝する。「ラグビーができることは決して当たり前ではない。周りへの感謝の気持ちを持ち、プレーで恩返しすることが大事。交流の中で他者を感じながら、自分をアピールするという相互関係も築いてほしい」と願った。
 
 7年前、父敬さんと一緒に同所を訪れていたワイルドナイツの三宅葵さん(中2)は「全く違うまちに来たような感覚。完成したスタジアムでの試合の機会をいただけたことはすごく光栄なこと」と喜んだ。震災学習も学びが多かった様子で、「僕たちは最後に(震災を)経験した世代。この下はまだ生まれていなかった人たち。僕たちの代からどんどんつなげ、伝えていかなければ」と実感を込めた。
 
相手の動きを見極めながらボールを前に進める

相手の動きを見極めながらボールを前に進める

 
宮古の選手を押しのけ、力強い前進を見せる広島の選手

宮古の選手を押しのけ、力強い前進を見せる広島の選手

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戦後の地域つなぐ“盆野球” 鵜住居に響く快音今年も 68回目の水野旗争奪大会に笑顔、歓声

8月14日恒例! 68回目を迎えた水野旗争奪お盆野球大会

8月14日恒例! 68回目を迎えた水野旗争奪お盆野球大会

 
 釜石市鵜住居地区の伝統行事、水野旗争奪お盆野球大会(実行委主催)は14日、釜石東中グラウンドで行われた。「青少年の健全育成に」と戦後間もなく始まった大会は、東日本大震災や新型コロナウイルス禍による中断がありながらも続けられ、今回で68回目を迎えた。震災後の人口減や少子化の影響などで、参加は過去最少の4チームとなったが、世代を超えて野球を楽しみ、旧交を温め合う“盆野球”の姿は今も健在で、たくさんの笑顔が弾けた。
 
 同大会は1947年に鵜住居村(当時)で水野医院を開業した水野勇さん(95年逝去)が、戦後の青少年の荒廃した生活態度に心を痛め、地区対抗の野球大会を提案したのが始まり。48年に第1回大会が開かれ、55年に水野さんが寄贈した優勝旗が今に受け継がれる。2011年に発生した東日本大震災で以降6年間、20年から3年間は新型コロナウイルス感染症の影響でそれぞれ大会中止を余儀なくされたが、「地元の伝統を絶やしたくない」との熱い思いで大会が続けられている。
 
 参加するのは鵜住居町と周辺3町の地区ごとに作る中学生以上の即席チーム。戦後の高度経済成長などで人口が多かった時代には10チーム以上が参加していたが、今はほぼ半減。震災後は鵜住居町の被災4地区が合同チームとなり、釜石東中野球部チームを加えた6チームで大会を継続していたが、今年は2チーム減の4チーム(日向、白浜、両石、鵜住居)での大会となった。
 
着衣は自由。この大会ならではの変わらぬ光景

着衣は自由。この大会ならではの変わらぬ光景

 
力投を見せる各チームの投手

力投を見せる各チームの投手

 
1回戦 両石対鵜住居の試合。得点のチャンスに目がくぎ付け

1回戦 両石対鵜住居の試合。得点のチャンスに目がくぎ付け

 
 台風一過後の大会当日は真夏の青空が戻り、気温も上昇。水分補給をしっかり行いながら、1年ぶりの野球を楽しんだ。集まった参加者は帰省した仲間を交え、同級生や先輩、後輩と近況を報告し合ったり、学生時代の思い出話に花を咲かせたりと和気あいあい。高校や大学、社会人クラブチームなどで競技を続ける現役選手らが垣間見せる“本気”プレーには、「盆野球だよ~」などと手加減を促すやじも飛び、グラウンドは終始、笑いに包まれた。
 
同じ小中出身、地元の顔なじみとの野球に笑顔を広げる参加者

同じ小中出身、地元の顔なじみとの野球に笑顔を広げる参加者

 
ホームインした選手を迎え歓喜に沸く両石チーム

ホームインした選手を迎え歓喜に沸く両石チーム

 
 鵜住居チームで参加した仙台大3年の前川陸さん(21)は小学校から野球を始め、現在は同大準硬式野球部に所属。この日は本塁打も放ち、チームの勝利に貢献した。中学生のころから親しむ盆野球。「(震災などで)地元を離れた人もお盆の時には戻ってくる。知り合いと普段やらない野球ができるのが一番の楽しみ。大人の人たちから学ぶこともある」と世代を超えた親睦の機会を喜ぶ。地元の復興を実感しつつ、「ラグビーや野球などスポーツでももっと名前を知ってもらえるまちになれば」と古里の未来にも期待を寄せた。
 
日向と鵜住居の決勝。最後まで全力を見せる選手

日向と鵜住居の決勝。最後まで全力を見せる選手

 
選手たちの好、珍プレーにベンチも笑顔の鵜住居チーム

選手たちの好、珍プレーにベンチも笑顔の鵜住居チーム

 
 日向チームの小笠原賢児さん(45)は、震災前以来10数年ぶりの参加。「人数が多かったころの昔のイメージで来たが、だいぶ少なくなっていて…」と驚きつつ、「久しぶりに会った同級生もいた。なかなか会えない人と会えたのもうれしい」と顔をほころばせた。震災後に帰郷。建設業の仕事でがれき撤去に携わり、被災した母校、鵜住居小と釜石東中(現釜石鵜住居復興スタジアム立地場所)でも作業した。「(変わり果てた姿に)寂しさを感じながら仕事をしていた」と当時を振り返る。盆野球も被災した東中グラウンドが会場だった。震災を乗り越え継続する大会に、「今まで回数とか意識したことはなかったが、68回という数字を聞くと鵜住居の歴史の重みを感じる。地元の誇りです」と小笠原さん。
 
 今大会は1回戦2試合と決勝の3試合が行われた(1試合7回)。1回戦の日向対白浜は4-2で日向、両石対鵜住居は7-5で鵜住居が勝利し、決勝は日向と鵜住居の対戦。勝負は最後までもつれ込み、延長8回タイブレーク、6-5で日向が優勝した。最優秀選手には、久しぶりの参加で投手として活躍した小笠原賢児さん(日向)が選ばれた。優秀選手は鵜住居チームの佐々木大地(りく)さんが受賞した。
 
久しぶりの優勝を果たした日向チーム。かつてのスポ少・日向ライナーズも強かった

久しぶりの優勝を果たした日向チーム。かつてのスポ少・日向ライナーズも強かった

 
天候にも恵まれた今大会。楽しい思い出を胸にまた来年!

天候にも恵まれた今大会。楽しい思い出を胸にまた来年!

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目標は「2部4位以内」 日本製鉄釜石SWシーズン始動 新主将にSH村上陽平選手

日本製鉄釜石SW新加入選手と村上陽平新主将(左から4人目)ら=5日記者会見

日本製鉄釜石SW新加入選手と村上陽平新主将(左から4人目)ら=5日記者会見

 
今季のチーム練習を開始した選手ら=5日夜、市球技場

今季のチーム練習を開始した選手ら=5日夜、市球技場

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は5日、今季の練習を開始した。新たに5選手が加入し、新主将にSH村上陽平選手(26)が就任。2チーム増え、8チームでの戦いとなる今季の目標に「4位以内」を掲げる。中長期目標「6季内の1部昇格」を念頭に、チーム強化を図っていく方針。
 
 練習開始に先立ち、釜石市甲子町の市球技場クラブハウスで記者会見が開かれ、今季の体制が発表された。桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)、坂下功正総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)、村上新主将が出席。桜庭GMは「今までで一番充実した戦力でスタートできる。ポジションごとのメンバーもバランスの良い補強ができ、課題克服のためのコーチ陣もそろった」と自信をのぞかせた。選手は49人。
 
 チームは昨季、6チーム中6位(1勝11敗)、3部との入れ替え戦(2勝0敗)で2部残留を決めた。坂下総監督は今季の目標について「(2季内のトップ3実現へ)トップ4はあくまでも通過点。1部との入れ替え戦に向かう強い意志を持って取り組む」と話した。
 
会見で今季の体制や目標を話す坂下功正総監督(写真左上)、新主将としての意気込みを話す村上陽平選手(同右上)

会見で今季の体制や目標を話す坂下功正総監督(写真左上)、新主将としての意気込みを話す村上陽平選手(同右上)

 
 6季にわたり主将を務めたWTB小野航大選手(32)からバトンを受け継ぐ村上新主将は、2年間のバックスリーダーの経験を踏まえ、「今まで以上にリーダーとしての自覚と責任を持ち、主将の役割を全うしたい。チームとして危機感を持って高いレベルのラグビーを体現できるようにやっていく」と決意を示した。
 
 新加入はロック畠澤諭(26)、フランカー/ナンバー8アンガス・フレッチャー(24)、SOミッチェル・ハント(29)、WTB川上剛右(30)、プロップ上田聖(35)の5選手。4人が会見に出席し、意気込みなどを語った。ラグビー大国ニュージーランド出身のフレッチャー選手は「釜石の一員としてプレーできることにわくわくしている。チームに貢献したい」、2022-23シーズンで三菱重工相模原ダイナボアーズを退団後、オーストラリアのチームでプレーしてきた川上選手は「現地で学んだプレーをここで体現し、身に付けた英語力を生かして外国人と日本人選手の架け橋になれれば」と話した。
 
新加入の(左から)アンガス・フレッチャー選手、ミッチェル・ハント選手、川上剛右選手、畠澤諭選手

新加入の(左から)アンガス・フレッチャー選手、ミッチェル・ハント選手、川上剛右選手、畠澤諭選手

 
パス回しなどを行い、プレーの感覚を戻す選手

パス回しなどを行い、プレーの感覚を戻す選手

 
「トップ4」を目指し、新たなシーズンへ気持ちを高める

「トップ4」を目指し、新たなシーズンへ気持ちを高める

 
 プレシーズンマッチは10~11月に5試合を予定。ホームの釜石鵜住居復興スタジアムでは10月13日、釜石ラグビッグドリームのメインゲームとして3部から昇格した日野レッドドルフィンズと対戦。10月19日にはいわぎんスタジアム(盛岡市)で、IBC杯ラグビー招待試合として3部のヤクルトレビンズ戸田と対戦する。
  
 会見では建設中の新クラブハウスについても報告された。市球技場に隣接する現施設の隣に鉄骨造り2階建ての施設を整備。今より広いトレーニングルーム、ロッカールームのほか、会議室やラウンジ(カフェエリア)などを設けた。2階のバルコニーからは球技場が見渡せる。広さ(延べ床面積)は現施設の約2倍。施主はチームのメインスポンサー日本製鉄(北日本製鉄所釜石地区)、日鉄テックスエンジが施工する。10月中に完成し、入居できる見込み。
 
建設中の新しいクラブハウス。現施設の隣で工事が進む

建設中の新しいクラブハウス。現施設の隣で工事が進む

 
新加入の4選手も初練習に汗を流した

新加入の4選手も初練習に汗を流した

 
12月のリーグ戦開幕に向け、いよいよスタート

12月のリーグ戦開幕に向け、いよいよスタート

 
▽日本製鉄釜石SWプレシーズンマッチ日程
10月5日(土)12:00~ vs静岡ブルーレヴズ(ヤマハ大久保グラウンド)
10月13日(日)13:00~ vs日野レッドドルフィンズ(釜石鵜住居復興スタジアム)
10月19日(土)13:05~ vsヤクルトレビンズ戸田(いわぎんスタジアム)
11月16日(土)時間未定 vs豊田自動織機シャトルズ愛知(豊田自動織機 逢妻グラウンド)
11月30日(土)13:00~ vs清水建設江東ブルーシャークス(清水建設 荏田グラウンド)

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東北の競技人口、レベルアップ着々 釜石オープンウオータースイミング 根浜舞台に熱戦

釜石オープンウオータースイミング2024根浜

釜石オープンウオータースイミング2024根浜

 
 第8回釜石オープンウオータースイミング(OWS)2024根浜(実行委主催)は4日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場で開かれた。海などの自然水域で長距離泳を競う同競技は、2016年の岩手国体で初めて正式種目に採用され、同海岸が競技会場となった。その国体レガシーを受け継ぐ釜石OWSは、日本水泳連盟(日水連)認定大会(国内サーキットシリーズ)の一つとして定着。東北の競技人口拡大、競技力向上にも貢献している。今年も幅広い年代のスイマーが参加し、熱戦を繰り広げた。
 
 今大会は日水連サーキットシリーズ第8戦として行われた。小学3年以上が対象のOWS5級検定の集団泳を含め、6種目に267人がエントリー。競技は500メートル(小学4~6年)、1キロ(小学4年以上)、3キロ(中学生以上)、5キロ一般(同)、男女上位3人に日本選手権出場権が与えられる5キロトライアル(同)で行われた。
 
 海上に設置したブイで周回コースを設定。種目ごとに時間をずらしてスタートした。選手らは目標タイムや制限時間内の完泳を目指し、日ごろの練習成果を発揮。競技を終えて戻ると、家族や仲間、大会関係者から拍手で迎えられた。競技、年齢カテゴリー別に男女各1~3位までを表彰した。
 
競技は1キロの部からスタート。この日の根浜は午前8時時点で気温30度、水温25度

競技は1キロの部からスタート。この日の根浜は午前8時時点で気温30度、水温25度

 
観戦者らとハイタッチを交わしスタート地点に向かう選手(写真上)。500メートルに挑む小学生はちょっぴり緊張(同下)

観戦者らとハイタッチを交わしスタート地点に向かう選手(写真上)。500メートルに挑む小学生はちょっぴり緊張(同下)

 
水しぶきを上げ、沖の周回コースに向かう5キロの部の選手。写真上は日本選手権トライアル

水しぶきを上げ、沖の周回コースに向かう5キロの部の選手。写真上は日本選手権トライアル

 
 実力者がそろう日本選手権トライアル(5キロ)男子で優勝したのは、青森県から出場した八戸工業大第一高3年の黒瀧巧翔さん。釜石大会3回目の参加で初の頂点に立った。「すごくうれしいし、支えてくれた青森県チームの皆さんや家族に感謝したい」。OWSは中学3年から始めた。「波とか潮の流れの変化に対応しながら泳いでいく、自然相手の面白さがある」と話す。県代表で出場した昨年の鹿児島国体では13位、高校生選手の中では2位に入るなど成長著しい選手。競泳(長距離種目)も続けていて、「将来はOWSと競泳、両方で五輪出場を目指したい」と高い目標へまい進する。
 
男子5キロトライアルで1位となった黒瀧巧翔(こうし)さん=TEAM AOMORI。ゴール後、チームメートに拳をあげて勝利報告

男子5キロトライアルで1位となった黒瀧巧翔(こうし)さん=TEAM AOMORI。ゴール後、チームメートに拳をあげて勝利報告

 
 青森県水泳連盟OWS強化チームの八戸博子監督(59)は16年の岩手国体時から毎年、選手を連れて来釜。東日本大震災で甚大な被害を受けた根浜の復興も目の当たりにしてきた。「最初は復興工事の真っただ中で、来るたびに様子が変わっていった。本当に劇的」と今の姿に驚きと感動を覚える。釜石の大会を「地元の協力体制が素晴らしい。楽しく温かい雰囲気とともに、安全管理やレース運営もしっかりしている。この大会があるからこそ東北のOWSは活性化された」と称賛。同県は2026年の国民スポーツ大会(国スポ)開催地となっていて、本年9月1日には初の日水連認定大会「青森あさむし温泉オープンウオータースイミング大会」を実施予定。八戸監督は「釜石を手本に指導を仰ぎながら準備を進め、やっと大会が実現する」と関係者に感謝した。
 
青森県水泳連盟OWS強化チームの皆さん。小笠原佳音さん(中央)は女子5キロトライアルで2位に入った

青森県水泳連盟OWS強化チームの皆さん。小笠原佳音さん(中央)は女子5キロトライアルで2位に入った

 
 今大会には安全管理の一翼を担う釜石ライフセービングクラブから小中学生メンバーも出場した。盛岡市の岩手大教育学部附属小5年の佐藤向さんと、姉で同中1年の佐藤花さんだ。500メートルに出場した向さんは3回目の大会。「海藻が足にからまったりして泳ぎづらかったけど、頑張って速く泳げた。海での練習の成果を発揮できた」と満足げ。学校で海の危険を学び、ライフセービングに興味を持った。小学生なので本格救助の訓練はこれからだが、基礎泳力を身に付けながら、ライフセーバーの父の背中を追う。
 
釜石ライフセービングクラブに所属する佐藤向さん(右)と姉の花さん(中)。左は母佐英子さん

釜石ライフセービングクラブに所属する佐藤向さん(右)と姉の花さん(中)。左は母佐英子さん

 
 花さんは1キロの競技を終えた後、ビーチパトロールを行う看護師の母佐英子さん(42)と競技の監視にもあたった。今年6月、ライフセーバーに必要な「BLS(ベーシックライフサポート)」と「ウオーターセーフティ」の2資格を取得した花さん。「難しいとは思ったが、溺れてしまうかもしれない人たちのためになる勉強をしていると思うとやりがいがある」と話す。今夏は根浜海岸で、海水浴客を危険から守るための監視業務も行っている。将来はライフセーバーの資格取得はもちろん、医者になる目標も掲げ、「救急車が到着するまでの適切な処置をできる人になりたい」と夢を描く。
 
自身の競技後、監視活動に従事する佐藤花さん。防潮堤の上から選手の様子を見守る

自身の競技後、監視活動に従事する佐藤花さん。防潮堤の上から選手の様子を見守る

 
 今大会の順位や記録は大会ホームページ(https://kamaishi-ows.com)で確認できる。
 
選手を送り出すいつもの光景。コロナ禍を経て昨年から復活

選手を送り出すいつもの光景。コロナ禍を経て昨年から復活

 
無事、完泳した選手らは笑顔満開! 来年も根浜で…

無事、完泳した選手らは笑顔満開! 来年も根浜で…