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チームづくり応援!釜石リアスライオンズクラブ杯中学校バスケ 地域超えた交流も

釜石リアスライオンズクラブ杯バスケ大会で中学生が熱戦を繰り広げた

釜石リアスライオンズクラブ杯バスケ大会で中学生が熱戦を繰り広げた

 
 釜石市と大槌町でバスケットボールに打ち込む中学生が集う「釜石リアスライオンズクラブ杯釜石地域中学校バスケットボール大会」は1日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。34回を数える今大会で男子は3チームが出場し、優勝杯をかけた熱戦を展開。一方、女子は地域連合の1チームとなったことから、初めて地域外から対戦相手を招待して交流試合という形とした。
 
 男子は釜石、大平、大槌の3校が参加し、リーグ戦に臨んだ。各校とも、個々の競技力やチームメートとの連係などを確かめながら実戦経験を蓄積。その中でも、圧倒的な強さを見せた釜石が優勝を手にした。
 
ダイナミックな動きやスピード感あふれる試合が展開

ダイナミックな動きやスピード感あふれる試合が展開

 
チームメートや相手チームの選手の動きを観察しながら応援

チームメートや相手チームの選手の動きを観察しながら応援

 
 女子は今回、大平・釜石・大槌の連合チームとして出場した。各校とも部員数は減り、単独参加が可能だったのは大平だけ。けがなどの理由もあって2校連合も難しく、3校が力を合わせる形となった。10月開催の岩手県中学校新人大会(新人戦)もこのチームで臨んだ。
 
力を結集して試合に臨んだ大平・釜石・大槌チーム(白)

力を結集して試合に臨んだ大平・釜石・大槌チーム(白)

 
 試合ができない―。動いたのは、釜石中女子バスケットボール部顧問の佐藤彩華教諭(34)。くしくも自身と同じ「34年続く大会を途絶えさせないため」、そして「生徒たちに試合経験を積ませるため」に招待試合を提案した。公式戦審判員としても活躍していることから、新人戦地区予選を勝ち抜いた宮古第一(宮古地区)、高田東・高田第一の合同チーム(気仙地区)に出場を打診し、快諾を得た。
 
招待試合を提案した佐藤彩華教諭も選手たちと走った

招待試合を提案した佐藤彩華教諭も選手たちと走った

 
 優勝カップを狙う形ではなかったものの、各地区の選手たちは“勝ち”を目指して真剣勝負を繰り広げた。釜石中の川村柚夢(ゆずゆ)さん(2年)は「練習試合の機会を作ってくれた」と、大会関係者や他地区の選手らへの感謝を込めてプレー。他地域の強さや自身の力を確認もでき、刺激を受けた様子だった。連合チームでは伸び伸びとプレーできる環境があったといい、新人戦県大会は1回戦で敗退したものの「悔いなくできた」と満足。「仲間と話し合って協力し、1点、2点…とつないでいくのがバスケの良さ」と改めて感じたようで、「大人になっても続けたい」と笑顔を見せた。
 
作戦会議は連合チームの連係を強める貴重な時間

作戦会議は連合チームの連係を強める貴重な時間

 
 宮古市・宮古一中は今回、司令塔役の選手を抜いて参加。佐藤桃心(もこ)さん(2年)は「一人ひとりが練習してきた成果を生かし、それぞれの動きを確かめる機会になればいい。攻守の判断とか自らの積極性を高められたら」と汗を流した。
 
 部員数の減少に悩むのは他地区も同様。気仙の地区大会で女子は初戦が決勝戦で、対戦相手も3校による合同チームだったという。陸前高田市・高田東中の菊谷和桜(なお)さん(2年)は実戦経験を重ねるチャンスと来釜。チームの特徴は「めっちゃ仲良し」と胸を張る一方で、「試合になるとあたふたして周りが見えなくなる。仲の良さをチームワークとして生かせるようにしたい」とうなずいた。高田一中の及川由真さん(2年)は普段、男子に交じって練習し、週1度、東中との合同練習に参加する。地区予選、県大会も一緒に参戦しており、「チームの一員として活躍して、いい結果を残せたら。来年の中総体が最後の大会になるから、もっと力をつけたい」と目標を掲げた。
 
初参加した宮古市と陸前高田市の中学校チームの試合

初参加した宮古市と陸前高田市の中学校チームの試合

 
手製グッズで子どもたちにあたたかい声援を送る保護者

手製グッズで子どもたちにあたたかい声援を送る保護者

 
 釜石も含め各地区ではミニバスケットボールに打ち込む小学生は一定数いるが、中学入学時には地域内外のクラブチームに所属し、学校の部活動には加わらないケースが少なくないという。団体競技の継続は厳しさを増すが、頑張る子どもたちを盛り上げようと、保護者らは2階席から声援。高田チームの応援団は“押し”の子の名を記した手製のうちわを振って、より熱い思いを送った。
 
「実践経験の場をこれからも」との思いを持つ柏舘旨緒会長

「実践経験の場をこれからも」との思いを持つ柏舘旨緒会長

 
 釜石地域バスケ大会は、青少年の健全育成やスポーツ振興などを目的に継続。同クラブ(正会員21人)の柏舘旨緒会長は「スポーツも多様化し、部活動が成り立つか心配はある」としながら、「釜石では新人戦後に試合する機会は少ない。交流することで実践経験を積み、来春のチームづくりに役立ててもらいたい」と願う。

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自転車競技・BMXレーシングに夢中 釜石市の小学生姉弟 活躍の原動力は…

愛用する自転車に乗ってメダルを見せる越野杏音さん(左)、斗葵さん

愛用する自転車に乗ってメダルを見せる越野杏音さん(左)、斗葵さん

 
 釜石市在住の小学生の姉弟が、自転車競技のBMX(バイシクルモトクロス)で活躍している。越野杏音(あのん)さん(10)と、斗葵(とあ)さん(8)。さまざまな起伏やカーブがある400メートルほどのコースで速さを競うレーシングの国内シリーズに挑み、2024年の年代別ランキングは、杏音さんが2位、斗葵さんは5位に入った。杏音さんは世界への挑戦切符も手にする位置にいて日々練習中。「(お姉ちゃんには)今も勝ってるから」と斗葵さんも負けん気を見せ、2人でさらに上を目指す。
 
 BMXレーシングは、頑丈な競技用自転車に乗った最大8人がダートコースを走り、ゴール順位を競う。2008年の北京五輪から正式種目にもなっている競技。時には選手同士が接触したり、カーブで転倒したりするため、別名「自転車の格闘技」とも言われる。
 
 越野姉弟はこの1年、一般社団法人全日本BMX連盟が主催する国内大会に参戦してきた。4月に始まった「JBMXF大東建託シリーズ」(全9戦)では7戦に臨み、杏音さんは女子9~10歳の部で毎回3位以内に入賞。6月の第3戦つくば大会では優勝し、表彰台の一番高いところに立った。これは東北勢として初の快挙だったという。
 
BMXシリーズ戦に臨む杏音さん【撮影者:北川大介さん(三重県在住・カメラマン)】

BMXシリーズ戦に臨む杏音さん【撮影者:北川大介さん(三重県在住・カメラマン)】

 
斗葵さんもBMXシリーズ戦で活躍。でこぼこ道に挑む【撮影者:同】

斗葵さんもBMXシリーズ戦で活躍。でこぼこ道に挑む【撮影者:同】

 
 男子7~8歳の部に出場した斗葵さんは、第1戦大阪大会で3位に入賞。大船渡市三陸町越喜来の「三陸BMXスタジアム」が会場となった第7戦では、姉弟そろって2位となった。他にも10月開催の全日本選手権(日本自転車競技連盟主催)では年代別部門でともに4位となり、11月にあったJOCジュニアオリンピックカップ(同)でも杏音さんは3位、斗葵さんが6位と結果を残した。
 
 越野姉弟が同競技を始めたのは3年ほど前で、体験会への参加がきっかけ。「怖いけど、楽しい」と魅力にハマったという。すぐにクラブチームに入って練習に打ち込むが、岩手県内では競技の認知度は高くなく、練習施設の運用も始まったばかりで指導を受けられる機会は多くなかった。
 
釜石市内で練習する杏音さん(左の写真)と斗葵さん

釜石市内で練習する杏音さん(左の写真)と斗葵さん

 
 2人の「やりたい」との希望が強かったこともあり、家族が練習をサポート。父・一成さん(48)は自身もBMXに挑戦したり、知識を学んだりしながら、自宅でのトレーニングを後押ししてきた。仕事が休みの日は放課後に釜石市内の広場などに2人を連れ出し練習。自宅から30分ほどかけて同スタジアムにも週2回ほど通い、自転車を走らせる時間を作るようにしている。時にはプロライダーの指導や助言も受けられ、成長につなげている。
 

負けず嫌いの2人、さらなる高みへ

 
 
 11月のある日、放課後の練習をのぞいた。合間に、杏音さんに質問。今シーズンの結果に、「うれしい」と素直に喜んだ。一成さんによると、強みは加速力と攻めの姿勢。ペダルを踏む動きから重心移動を使った技「プッシュ」へのつながりがよく、「コブ」と呼ばれるデコボコ道も加速しながら進むという。
 
放課後に釜石市内で練習する越野姉弟

放課後に釜石市内で練習する越野姉弟

 
 いい評価に照れ笑いする杏音さん。課題を聞いてみると、「スタート。タイミングよくしたい」と真剣な表情になった。同年代に“ぶっちぎりに速い人”がいるといい、首をかしげながら「(ランク2位に)満足している」としたのは、ほんのひととき。上を向き、「瞬発力を高めて1位を狙えるようにしたい」と目の奥をキラリと光らせた。
 
 それに劣らず、負けず嫌いというのが斗葵さん。練習中、「もう勝ってるし…」と幾度となく口にし、自転車を操って速度を上げた。今、力を入れて取り組んでいるのがジャンプと、前輪を浮かせて後輪で走る技「ロール」。こうした技術を高め、コブでもスピードを落とさない走りが目標だ。「毎回上位入賞」。すでに来シーズンに目を向けていた。
 
 「タイムは同じくらい。互いの負けん気が、それぞれの成長につながっている」と一成さん。競技に熱中する2人を見ていると、擦り傷も多かったり、転倒してヒヤッとすることもあるというが、「頑張ろうとしていることを応援したい」と、立ち上がる姿を見つめ続ける。
 
子どもたちの頑張りを父・一成さんら家族が応援する

子どもたちの頑張りを父・一成さんら家族が応援する

 
三陸BMXスタジアムで練習の合間にパチリ【撮影者:一成さん】

三陸BMXスタジアムで練習の合間にパチリ【撮影者:一成さん】

 
 気になるのは岩手県、釜石の競技人口がまだ少ないこと。市内でジュニア世代は数人しかおらず、女子は杏音さんだけ。一成さんは「BMXはレースに出なくても楽しめる。自転車に乗る技術を身に付けるためと、難しく考えずやってみてほしい。親子で楽しむ遊び感覚で」と、仲間が増えることを期待する。
 
 実は杏音さん、ランク上位者ということもあって来年の世界選手権への出場切符を持っている。ただ、参加や渡航などにかかる費用は全て自己負担で、出場は思案中だ。練習場所の確保も悩みの一つ。普段は広めの平坦な空き地を使ったりしているが、凸凹道での感覚を鍛えるには不十分だと感じている。
 
賞状を手にする杏音さん(左)と笑顔を重ねる斗葵さん

賞状を手にする杏音さん(左)と笑顔を重ねる斗葵さん

 
スタート時の構えで準備よし!さらなる高みを目指す

スタート時の構えで準備よし!さらなる高みを目指す

 
 だから頑張る―。自分が活躍することでBMXに興味を持つ人が増えてほしいと、杏音さんは望んでいる。練習環境も大事で、「設備が充実すればいいな」とも。
 
 練習を終えると、近くにあった遊具に駆け寄り、小学生らしい一面をのぞかせた越野姉弟。冬期は屋内パークで技を磨くという2人、さらなる活躍に注目していきたい。

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ラグビーのまち釜石 裾野の拡大着々と 小学校タグR大会で16チームが熱戦 低学年も楕円球に笑顔

6回目を迎えた小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ)

6回目を迎えた小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ)

 
 第6回釜石市小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ2024)は17日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。県内外の有志で組織する釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。小学4年生以上は試合を、3年生以下はボールを使った運動教室を楽しみ、約140人が紅葉に囲まれたグラウンドで心地良い汗を流した。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会釜石開催から5年―。大会レガシー(遺産)を受け継ぐ子どもらの元気なプレーが「ラグビーのまち釜石」のさらなる発展を後押しする。
 
 開会式では双葉小6年の川村桔平さんが選手宣誓。同スタジアムが会場となったラグビーW杯で震災復興支援への感謝の気持ちを表した歌「ありがとうの手紙」を全員で合唱し、試合での健闘を誓い合った。
 
紅葉に囲まれたスタジアムで開会式。双葉小の川村桔平さんが元気に選手宣誓(写真左上)

紅葉に囲まれたスタジアムで開会式。双葉小の川村桔平さんが元気に選手宣誓(写真左上)

 
 今大会には市内6校と釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから計16チームが参加。4ブロックで予選リーグを行った後、各ブロックの上位2チームが決勝トーナメントに挑んだ。1チームは4~6年の男女5人で編成。選手の入れ替えは自由で、登録選手全員に出場機会を与えた。試合時間は予選リーグが前後半なしの7分、決勝トーナメントは前後半5分ずつ。各ブロックの3、4位チームもフレンドリートーナメントで試合経験を重ねた。
 
4ブロックで総当たり戦が行われた予選リーグ

4ブロックで総当たり戦が行われた予選リーグ

 
対戦相手の腰にぶらさげたタグを取るのがタックル代わり

対戦相手の腰にぶらさげたタグを取るのがタックル代わり

 
タグを取りにくる相手を振り切りトライゾーンへまっしぐら

タグを取りにくる相手を振り切りトライゾーンへまっしぐら

 
 2チームを結成した双葉小はコロナ禍前以来の久しぶりの出場。参加希望メンバーを募り、大会に向けた放課後練習を重ねて本番に臨んだ。同大会初参加の金野優輝さん(5年)は「体育の授業も含めけっこう練習はしてきたが、(昨年優勝の)鵜住居のチームが強くてびっくりした」。同じチームで戦った鈴木慶大さん(同)も他校の強さを感じて闘志に火がついたようで、「来年も絶対出て、優勝を目指したい。僕たちの得意な部分は出せていたので、あとは気持ちの強さと緊張感があれば…」とリベンジを誓った。
 
双葉Jr.(赤ビブス)と平田ウォーリアーズの試合は接戦に…

双葉Jr.(赤ビブス)と平田ウォーリアーズの試合は接戦に…

 
 昨年、決勝で鵜住居のチームに敗れた小佐野バーバリアンズの鹿野遥斗さん(6年)は午前中の予選リーグを終え、「3試合とも点差をつけて勝てたので、いいスタート」と手応えを実感。今年は練習期間を長くとれたということで、「メンバーの仲も深まり、チームプレーの精度も上がった」という。プレー中は互いに声を掛け合い、コミュニケーションを意識。決勝トーナメントを前に「去年の優勝チームに一歩でも近づけるよう頑張りたい」と話していたが…。
 
 最終決戦は互いに切磋琢磨してきた同校の別チーム(小佐野バーバリアンズレッド)との対戦となり、6-3でバーバリアンズが頂点に輝いた。小佐野小は12月に行われるSMBCカップ全国小学生タグラグビー大会県予選などへの参加も予定。鹿野さんは「まだ時間があるので、強豪の日詰に食らいつけるようなチームになりたい」と意気込んだ。
 
予選は3戦全勝、決勝トーナメントに進んだ小佐野バーバリアンズ(赤ユニホーム)

予選は3戦全勝、決勝トーナメントに進んだ小佐野バーバリアンズ(赤ユニホーム)

 
優勝、準優勝を果たした小佐野小のチームは来月参加予定の県大会へ弾みをつけた

優勝、準優勝を果たした小佐野小のチームは来月参加予定の県大会へ弾みをつけた

 
 同大会は、釜石東ロータリークラブがラグビーW杯釜石開催の機運醸成を図ろうと、2年前の2017年に開始。初回は甲子町の市球技場で開かれ、第2回大会から新設された同スタジアムに会場を移した。W杯開催年の第3回大会には20チーム約190人が参加。その後、新型コロナウイルス感染症の影響で2年間の中止を余儀なくされた。仕切り直しの22年から釜石ラグビー応援団が主催を引き継ぎ、児童の健全育成、同市のスポーツ文化発展などを目的に大会を継続する。
 
 中田団長(56)は「学校側の大会に対する理解も深まり、子どもたちが参加しやすい環境ができている。大会経験者が中学生になり、県中総体ラグビーを制覇していることもうれしい限り。今後は他地域からの参加も促し、大会をより発展させていきたい」と思いを込めた。
 
ラグビー人口拡大への足掛かりにもなっている大会。将来、有名選手が出るかも?

ラグビー人口拡大への足掛かりにもなっている大会。将来、有名選手が出るかも?

 

低学年も集まれ~! SWアンバサダー向井陽さんら 楕円球との触れ合い、運動の楽しさ伝授

 
日本製鉄釜石SWアンバサダーの向井陽さん(中央)も指導に駆け付けた低学年対象の体験教室

日本製鉄釜石SWアンバサダーの向井陽さん(中央)も指導に駆け付けた低学年対象の体験教室

 
 同大会は地元クラブチームの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)、釜石市ラグビーフットボール協会が全面支援する。試合は小学4年生以上が対象だが、3年生以下の子どもたちにもラグビーを通じて体を動かす楽しさを味わってもらおうと体験教室を開いている。今年は同市地域おこし協力隊員(ラグビー普及コーディネーター)で、SW事務局員でもある竹中伸明さん(36)が中心となってプログラムを提供した。
 
教室はラグビーの普及活動に取り組む地域おこし協力隊員竹中伸明さん(左奥)が中心となり実施

教室はラグビーの普及活動に取り組む地域おこし協力隊員竹中伸明さん(左奥)が中心となり実施

 
SWの選手OBらも子どもたちの体験をサポート

SWの選手OBらも子どもたちの体験をサポート

 
 SWからは桜庭吉彦ゼネラルマネジャーや選手OBらがサポートした。強力な“助っ人”として千葉県から駆け付けたのは同OBで、現在はチームのアンバサダーを務める向井陽さん(47)。釜石では甲東幼稚園(現・同こども園)に勤務しながら、SH として7年間プレー。2008年に退団、現役引退後はスポーツ教育の会社を経て、千葉県松戸市で保育園の園長を務めている。日本ラグビーフットボール協会の普及コーチでもあり、全国各地で子どもたちの指導にあたっている。
 
遊びの要素を取り入れたプログラムで子どもたちを楽しませる向井さん

遊びの要素を取り入れたプログラムで子どもたちを楽しませる向井さん

 
 「初めてボールに触る子どもたちが楽しさを感じ、(ラグビーをやってみたいとか)次につながるようなきっかけづくりをしたくて…」と向井さん。日本協会でも今、未就学児や小学校低学年向けのトレーニングプログラム作りに取り組んでいるという。「ラグビーボールは使うが、遊びの要素を入れて、その年代の運動能力を伸ばすようなメニュー」と、子どもの発育、発達を促す活動に力を注ぐ。この日もそうした知識や経験を釜石の子どもたちに還元した。
 
子どもたちはボールやタグを使った運動メニューに笑顔満開!

子どもたちはボールやタグを使った運動メニューに笑顔満開!

 
向井さんら指導者は釜石の子どもたちの健やかな成長を願う

向井さんら指導者は釜石の子どもたちの健やかな成長を願う

 
 タグラグビー大会をはじめ、子ども向けの競技普及、関心喚起活動に積極的な釜石の取り組みを喜ぶ向井さん。「このスタジアムで体を動かした思い出が残り、またここでラグビーをしたい、見たい、行ってみたいと思うような場所になったらいい。ラグビーはそれぞれの良さ(持ち味)を生かせるスポーツ。自分や仲間の良さに気付き、力を合わせて物事を成し遂げる素晴らしさも感じてもらえたら」と話した。

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友達づくり楽しく!サッカー遊びで交流 釜石で初の試み、4つのこども園合同イベント

釜石市球技場でサッカー遊びを楽しむ子どもたち

釜石市球技場でサッカー遊びを楽しむ子どもたち

 
 釜石市内の4つの認定こども園合同イベント「交流サッカー遊び」が14日、同市甲子町の市球技場で開かれた。5歳児計80人が参加し、16の“ミックスチーム”を編成。初めは緊張気味だったものの、4ブロックに分かれてボールを追いかけているうちにたくさんの“にこにこ顔”が生まれた。市内でこうした活動が行われるのは初めて。「来春に小学生になる子どもたちの顔合わせになれば」と各園共通のあたたかい願いが込められた。
 
 参加したのは甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児28人)、野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児106人)、上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児38人)、天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児88人)の4園。鬼ごっこをした後、ボールを使った陣取り遊びやサッカーのミニゲームを楽しんだ。
 
初顔合わせの友達と声を合わせて「エイエイオー」

初顔合わせの友達と声を合わせて「エイエイオー」

 
鬼ごっこが準備運動。思い切り走ってにこにこ顔

鬼ごっこが準備運動。思い切り走ってにこにこ顔

 
陣取りゲームでボールや仲間との触れ合いを楽しむ

陣取りゲームでボールや仲間との触れ合いを楽しむ

 
 子どもたちの遊びをサポートしたのはキッズサッカーの指導者でもある松岡園長(59)や、岩手県サッカー協会のキッズリーダー4人。一定のルールの中で伸び伸びさせつつ、ゴールを決めたり、諦めずボールを追ったり頑張った子はもちろん、転んだ仲間に優しく声をかけたり、ボールの片付けに積極的に取り組んだ園児らに「グリーンカード」を何度も提示してフェアプレー精神の大切さも伝えた。
 
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子どもたちのすてきな行動に「グリーンカード」を次々に提示

 
 ミニゲームの前後に園児らは元気にあいさつを交わした。開会のあいさつで松岡園長が呼びかけた「ゲームは敵、味方があるけど、敵という相手がいなければゲームはできない。相手はある意味、仲間。ゲームが終わったら『ありがとう』と握手しよう」を守った形。甲東こども園の福成昴君(6)は「シュートするのが楽しかった。(園が異なる子と)なかよくなれた。またやりたい」とチームメートと手をつないでいた。
 
ミニゲームでは真剣な表情で熱戦を繰り広げた

ミニゲームでは真剣な表情で熱戦を繰り広げた

 
試合後には握手して「ありがとう」と笑顔を交換

試合後には握手して「ありがとう」と笑顔を交換

 
サッカー遊びで思い出をつくって友情を結んだ園児たち

サッカー遊びで思い出をつくって友情を結んだ園児たち

 
 この初の試みは、4園長の集まりがきっかけ。各園の保育内容や遊びなど情報交換する中で、松岡園長が今年から始めた「サッカー遊び」の話題に他園から関心が集まった。少子化で園単独での活動に難しさを感じていたことが共通し、広い場所で思いっきり駆け回る体験を楽しんでもらおうと計画された行事に、3園が“便乗”。小学校入学で園とは学区が異なる子もいて、「あの時一緒にサッカーで遊んだよね」と入学前の交流にもつながるとの考えも一致した。
 
4園合同イベントを初開催した松岡公浩園長(後列左)ら

4園合同イベントを初開催した松岡公浩園長(後列左)ら

 
「ありがとう」。子どもたちの笑顔が大人にも伝わった

「ありがとう」。子どもたちの笑顔が大人にも伝わった

 
 大人たちの願いは子どもたちにも伝わった様子。正福寺幼稚園の常盤汐季ちゃん(5)は「たくさん友達になった。また会うのが楽しみ。小学生になったらもっといっぱい友達つくりたい。勉強、遊ぶのも楽しみ」と期待を膨らませた。「いろんなお友達、バイバーイ」。別れ際、駆け寄ってハイタッチしたり、手を振り合う光景が広がった。
 
 「ふっ飛んで走っていた」と満足そうに見つめる松岡園長。幼少期に始めたサッカーをシニア世代になっても続ける。競技のおかげで学校外のつながり、仲間を大事にすることを学んだといい、子どもたちにもそうした経験をしてもらうのが狙い。サッカーとなると不得手と感じる子もいると考え、行事名に“遊び”を加えた。各園とも好感触を得た様子で、「市内全体に広がれば」との声も。運動会的なことになればいいかも―大人たちも想像を膨らませる。

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日本製鉄釜石SW新クラブハウス落成 広さ2倍 より良い環境で今季飛躍に期待

日本製鉄釜石SWの新クラブハウスに整備されたトレーニングルーム。広さは現施設の1.6倍=関係者向け内覧会

日本製鉄釜石SWの新クラブハウスに整備されたトレーニングルーム。広さは現施設の1.6倍=関係者向け内覧会

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の新しいクラブハウスが完成し、8日、関係者向けの内覧会が開かれた。広さは現施設の約2倍。新たにミーティングルームや練習場を見渡せるラウンジが整備され、選手、スタッフのコミュニケーション、チーム力向上に寄与するものと期待される。トレーニング機器やロッカーなど必要な物品の搬入を進め、今月末からの利用開始を予定する。
 
 内覧会にはスポンサー、選手雇用先企業などから約30人が参加。見学の前に行われた式典で、桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)は「トレーニング効率、選手、スタッフのコミュニケーション、トレーニング後のリカバリーなどラグビーをする環境が大幅に向上する」と感謝。設計から携わった坂下功正総監督が施設の概要を説明した。スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長は「(施設建設は)チーム強化の一環。フル活用し、心と体を鍛えて必ず強いチームに」と期待を込めた。テープカットで施設落成を祝った。
 
内覧の前に行われた式典。桜庭吉彦GM(写真左上)、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(同右上)があいさつ

内覧の前に行われた式典。桜庭吉彦GM(写真左上)、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(同右上)があいさつ

 
テープカットで落成を祝う(左から)坂下功正総監督、桜庭GM、倉地副所長、河野良太クラブキャプテン

テープカットで落成を祝う(左から)坂下功正総監督、桜庭GM、倉地副所長、河野良太クラブキャプテン

 
現施設の隣に建設された日本製鉄釜石SWの新クラブハウス

現施設の隣に建設された日本製鉄釜石SWの新クラブハウス

 
 新クラブハウスは甲子町松倉の現施設の隣に建設。施主は日本製鉄(北日本製鉄所釜石地区)で、日鉄テックスエンジが昨年12月から工事を進めてきた。鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は1092平方メートル(敷地面積1261同)。1階には選手のロッカールーム、浴室、トレーニングルームなどを設けた。ロッカールームは現施設の1.5倍の広さ。練習する市球技場に直接出入りできる。温水、冷水用の2浴槽を備えた浴室とは隣り合わせ。トレーニングルームは1.6倍の広さで、天井が高く、片側の壁一面が鏡張りになっている。
 
8日に開かれた内覧会。坂下総監督(右)が玄関ホールから順に案内した

8日に開かれた内覧会。坂下総監督(右)が玄関ホールから順に案内した

 
1階のロッカールーム(写真上)と浴室(同下)

1階のロッカールーム(写真上)と浴室(同下)

 
 2階には選手、スタッフが一堂に会せるミーティングルームを新設。壁面に大型スクリーンを設置予定で、研修会なども行える。球技場側にはラウンジも新設。簡易キッチンを備え、練習後の選手への補食提供も検討する。フルオープンの窓からバルコニーに出られ、練習の様子も見られる。この他、メディカルルーム、スタッフルーム、小会議室、総監督室も整備した。
 
新設されたミーティングルーム(2階)

新設されたミーティングルーム(2階)

 
市球技場に面したラウンジ(2階)も新設。バルコニーも備える

市球技場に面したラウンジ(2階)も新設。バルコニーも備える

 
バルコニーからは球技場を一望できる。ラウンジ内には簡易キッチンも

バルコニーからは球技場を一望できる。ラウンジ内には簡易キッチンも

 
 内覧会に出席した河野良太クラブキャプテンは「ロッカールームが広くて使いやすそう。これまでミーティングはジムルームで各自座れる所を見つけてやっていて、メモも取りにくかった。この素晴らしいクラブハウスを最大限有効活用して、しっかり結果を出していきたい」と意を強くし、施設支援へ感謝の気持ちを表した。坂下総監督は「選手の動線を一番に考えた造り。これまで以上にコミュニケーションが取れ、チームのまとまりができていくと思う。12月から始まるリーグ戦に向けて強化を進め、結果で恩返ししたい」と述べた。
 
 この日は新クラブハウスで、新たにスポンサーとなった岩泉町の岩泉ホールディングス(山下欽也代表取締役社長)との調印式も行われた。同社は看板商品の岩泉ヨーグルトの提供などで、選手の強い体づくりを支える。
 
ミーティングルームには会見用のバックボードも設置(写真左上) メディカルルームはラウンジから出入り可能(同左下) 素晴らしい施設に見学者も感心

ミーティングルームには会見用のバックボードも設置(写真左上) メディカルルームはラウンジから出入り可能(同左下) 素晴らしい施設に見学者も感心

 
 釜石SWのリーグ初戦は12月21日。福岡市のベスト電器スタジアムで九州電力キューデンヴォルテクスと対戦する。ホームの釜石鵜住居復興スタジアムでは1週間後の28日、第2節グリーンロケッツ東葛戦が行われる。

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「負けるもんか!」大地震、豪雨被害の石川・珠洲で奮闘 重量挙げ指導で夢追う浅田久美さん 古里釜石で講演

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

 
 釜石市出身で石川県珠洲市在住の重量挙げ女子日本代表元監督、浅田(旧姓・長谷場)久美さん(61)が19日、古里釜石市で講演した。本年1月の能登半島地震、9月の石川県北部豪雨と2度の大災害に見舞われる中、指導する子どもたちの競技環境の立て直しに奔走。「珠洲から世界へ」と“年中夢求”の挑戦を続ける浅田さんは、能登の復旧の現状と逆境に負けず競技に励む子どもたちの姿を映像で見せながら、「(東日本大震災から復興してきた)釜石を見習って、決してあきらめずに頑張っていきたい」と力を込めた。講演会は天神町の宝樹寺(野嶋諭住職)が主催し、約40人が集まった。
 
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重量挙げ女子日本代表監督を務め、現在は石川県珠洲市で子どもたちを指導する浅田久美さん

 
 講師の浅田さんは5歳で釜石を離れ、移住した茨城県水戸市で高校までを過ごした。体育大学に進み、陸上の砲丸投げ選手として活躍していたが、卒業後に体育教諭として赴任した埼玉栄高で重量挙げ競技の関係者の目に留まり転向。1987年、24歳で女子競技の初めての世界選手権に出場した。以降、国内第一人者となり、全日本選手権12連覇。91~93年まで3年連続で世界選手権銀メダルを獲得した。五輪種目になることを願い競技を続けたが、採用された2000年は37歳となり、けがの影響もあって出場はかなわなかった。
 
 現役引退後は指導者の道へ。日本オリンピック委員会(JOC)専任コーチ、女子日本代表監督を歴任後、結婚を機に夫の出身地珠洲市に移住。2012年、子どもたちの重量挙げチーム「スズドリームクラブ」を立ち上げ、現在に至る。
 
浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

 
 浅田さんは始めに1月1日に発生した能登半島地震について話した。地震発生時は、帰省先の釜石から自宅に戻る途中だった。夫の両親の無事は確認できたものの、半島につながる主要道は全てストップ。金沢市までたどり着き、珠洲市に向かうことができたのは4日の昼。車中から目にしたのは「言葉にならない風景」だった。建物は上から押しつぶされたような状態。道路はひび割れ、陥没箇所も。津波から逃れる高台への避難道路までもが建物の倒壊などで寸断されたという。
 
 未曽有の被害から9カ月半―。被災地は仮設住宅が建ち、ようやく倒壊家屋などの解体工事が始まった。そうした中で襲った9月21日の豪雨災害。浅田さんは復興の勢いが停滞している現状を示し、「奥能登は高齢化率が50%を超え、独居世帯も多い。経済的に自宅再建をあきらめざるをえない人も。まちがさら地だらけになるのではと心配」と復興への課題を口にした。
 
講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

 
 大地震の発生は、重量挙げ競技に励む子どもたちの練習環境にも大きな打撃を与えた。練習場は地震による倒壊は免れたものの、災害復旧支援者の待機場所となり、しばらく使えない状況が続いた。今年はクラブ立ち上げ時に最年少だった子どもたちが高校3年生となる年で、インターハイでの団体優勝を目標に掲げていた。主力選手6人は避難先にある金沢学院大と津幡高に分かれ、2月に練習を再開。全員一緒に練習できる場も必要なため、クラウドファンディングで支援を募り、近県で週末の合宿を行った。協力したのは本県北上市のガス製造販売業、北良(笠井健代表取締役)。練習場は3月に入り使用可能となった。
 
 各方面の支援で練習を継続できた高校生らは、3月の高校選抜大会、4月の全日本大会で自己新記録や日本新記録を出すなど培った力を発揮。インターハイでは男子団体で準優勝したほか、各階級の個人で優勝を果たした。浅田さんはクラブ立ち上げからの軌跡を、映像を見せながら紹介。子どもたちの頑張りに会場からは拍手が湧き起こった。
 
珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

 
 浅田さんは東日本大震災の教訓や復興に向かう釜石の状況を事あるごとに珠洲市民に伝え続けており、「釜石から学ばせていただくことはたくさんある。これからも釜石をお手本にして、少しでも幸せな日常が戻ってくるように日々、頑張っていきたい」と講演を締めくくった。
 
 市内の70代女性は「貴重な話を聞けた。釜石もそうだったが、復興への道のりは長い。能登もまだまだ大変だろうが、これから皆さんで復興を成し遂げてほしい。一生懸命頑張っている子どもたちも応援したい」と思いを寄せた。
 
浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

 
 講演後の取材に浅田さんは「今の能登の現状を知っていただきたかった。皆さんが真剣に聞いてくださりうれしい。帰ったら今の釜石の状況も伝え、珠洲もくじけずにやれば何とかなると思ってもらいたい」と話した。重量挙げ指導者としての大きな目標は「五輪選手を育てる」こと。「珠洲から出る第1号の五輪選手に」と意気込む子どもたちと今後も夢を追い続ける。

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釜石健康マラソン 市民ランナーに愛され、節目の50回 つながる歴史「これからも」

ゴールを目指して元気いっぱいに駆け出す子どもたち

ゴールを目指して元気いっぱいに駆け出す子どもたち

 
 市民総参加型のスポーツイベント・釜石健康マラソン大会(釜石市体育協会、市陸上競技協会、市主催)は12日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。スポーツを愛する人、クラブ活動に励む小中学生、健康維持と体力向上を目指してジョギングを楽しむ人など、年代も目的もさまざまな人が集う大会は、今年で50回目。さわやかな秋晴れの下、年に一度の顔合わせを楽しみ、力いっぱい走った。
 
 1975(昭和50)年にスタート。東日本大震災のあった2011年も続けたが、コロナ禍の影響で一度中止した。甲子町の市球技場から会場を移して4回目の開催。潮風を感じながら走る海沿いのコースを用意しながら、市民が集う機会を維持している。
 
 今大会は、既存と新設合わせて7種目に市内外の2歳から80歳までのランナー約270人が参加した。芝が広がるメイングラウンド内を発着点にして海沿いを走る3キロ、5キロの部で、出場者は心地いい風を受けながら走行。スタジアムやグラウンドの外周を使った2キロ以下の部では、保護者や地域住民らが移動しながら盛んに声援を送る姿が見られた。
 
子どもも大人も入り乱れてスタート。完走を目指す

子どもも大人も入り乱れてスタート。完走を目指す

 
釜石ならではの景色を楽しめる海沿いのルートも

釜石ならではの景色を楽しめる海沿いのルートも

 
ランナーたちは声援を力に、思い思いに走ることを楽しんだ

ランナーたちは声援を力に、思い思いに走ることを楽しんだ

 
 5キロアップダウンの部が新設。5キロの部の折り返し地点、根浜海岸のレストハウス付近をさらに進み、海抜約20メートルの高台にある「根浜復興団地」に駆け上がって市道箱崎半島線を鵜住居方面に向かうコース。高低差のある坂道がいくつか続くが、男女合わせて20人近くが出場した。
 
新設された5キロアップダウンコースを走るランナー

新設された5キロアップダウンコースを走るランナー

 
 最年長出場者の長岡直人さん(80)=同市嬉石町=も挑み、「余裕」でゴールした。この大会には8割参加しているといい、「知り合いに会うのが楽しみ。子どもらの参加も多く、頑張りを見ているのも楽しい」とニコニコ顔。妻・薫さん(75)の応援を受け、市外のマラソン大会にも積極的に参加していて、「あすはハーフ(マラソン)。楽しくがモットー。記録ではなく、制限時間に完走できればいい。沿道に手を振って、応援を力に走り続けたい」と元気だった。
 
「元気が取りえ」と話す長岡直人さん(左)と妻の薫さん

「元気が取りえ」と話す長岡直人さん(左)と妻の薫さん

 
 団体参加したFC釜石スポーツ少年団の佐藤灯さん、中島柊空さん、千葉條太郎さん(いずれも小学2年)は「気持ちよかった」と声をそろえる。3人とも2回目の出場で、前回より大幅に順位がアップ。「前半に突っ込み過ぎず、後半に余力を残したのが要因。目標達成できて、うれしい」と笑顔も重ねた。今、打ち込んでいるサッカーへのモチベーションも高まった様子。体力をつけ、「来年はもっと上位を」と意気込んだ。
 
 完走証に満面の笑みを見せていたのは、初出場の三縄高雅さん(小学2年)、情君(6)の兄弟。それぞれ1.5キロ(小学低学年男子の部)、400メートル(男子幼児の部)で8位、3位に入った。「のどがカラカラになるくらい頑張った。楽しかったから、来年も出たい」と意欲満々。小学時代に出場経験がある父親は「歴史がつながっていると思うとうれしい。大会を続けてほしい」と願った。
 
完走証を手に笑顔を見せる三縄高雅さん(右)と弟の情君

完走証を手に笑顔を見せる三縄高雅さん(右)と弟の情君

 
完走証を作成する運営スタッフの笑顔と拍手もご褒美

完走証を作成する運営スタッフの笑顔と拍手もご褒美

 
 半世紀続く大会に主催者、運営関係者らは感慨もひとしおだ。スターターを務めた市文化スポーツ部の佐々木豊部長(59)は第1回大会を知る世代。当時は参加対象が小学5年生からだったようで、佐々木部長は4年生だったことからオープン参加となった。大勢で走る楽しさを経験しているから、「(今回も)本当は走りたい」といたずらっぽく笑った。
 
 少子化、人口減、長寿化…さまざまな社会の変化もあって参加の間口を広げ、今は親子が一緒に走れる種目があったり、幼児から高齢者までが集える大会となっている。和やかな競技の様子を見守った佐々木部長は「この大会を目標に日頃から健康づくり、運動習慣づくりに取り組んでほしい」と期待する。
 
スターターを務めた佐々木豊部長(奥右)、サポート役の菊池信男会長(同左)

スターターを務めた佐々木豊部長(奥右)、サポート役の菊池信男会長(同左)

 
 市陸協の菊池信男会長(68)は「先輩たちがつないで50回も続く歴史ある大会。製鉄の歴史と同じように、ランナー、市民には失敗しても頑張るとの意気込みがある。参加人数は伸び悩むが、できることをやって人を集めて粛々と続けていければ」と話した。

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~釜石ラグビッグドリーム~ 釜石SWプレマッチ2戦目 日野に40-19 ホーム戦勝利に観客沸く

プレマッチ2戦目で勝利し、歓喜に沸く日本製鉄釜石シーウェイブス=釜石ラグビッグドリーム、13日

プレマッチ2戦目で勝利し、歓喜に沸く日本製鉄釜石シーウェイブス=釜石ラグビッグドリーム、13日

 
 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会釜石開催から5年―。大会レガシー(遺産)を継承し、「ラグビーのまち釜石」の一層の発信を図るイベント「釜石ラグビッグドリーム」が13日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。くしくも、この日は5年前のW杯釜石第2戦、ナミビア対カナダの試合が台風の影響で中止となった日。カナダ代表の選手らが、豪雨で浸水した住宅地で土砂除去のボランティア活動を行ったことは多くの市民の記憶に残る。その特別な日のイベントで雄姿を見せたのは、地元の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)。今季、ジャパンラグビーリーグワン2部で共に戦う日野レッドドルフィンズとメモリアルマッチを行い、40-19の勝利で観客を沸かせた。同ゲーム前には小中学生の交流マッチもあり、秋のスタジアムはラグビー一色に包まれた。
 
メモリアルマッチ「日本製鉄釜石SW(白)-日野レッドドルフィンズ」=釜石鵜住居復興スタジアム

メモリアルマッチ「日本製鉄釜石SW(白)-日野レッドドルフィンズ」=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 今季スローガンに「STEEL WAVE」を掲げ、2部トップ4入りを目指す釜石。プレシーズンマッチ2戦目のこの日の相手は、今季2部に復帰した日野。釜石は新加入の3選手を含む先発メンバーで臨んだ。先制したのは釜石。前半5分、相手ゴール前のラックからロック、ハミッシュ・ダルゼルが押し込んでトライ。11分には期待の若手WTB阿部竜二が、この日ゲームキャプテンを務めるナンバー8サム・ヘンウッドからロングパスを受け、自慢の俊足で右に回り込み、インゴールに持ち込んだ。チームを引っ張るヘンウッドは26分、相手を振り切る力強い独走で自ら追加点。その後、日野に1トライを許すも、前半終了間際の39分、ゴール前ラインアウトからのモールを押し、最後尾からパスを受けたSH南篤志が飛び込んでトライ。4トライ4ゴール、28-7で前半を折り返した。
 
前半11分、WTB阿部竜二が右サイドに走り込み、SW2本目のトライ

前半11分、WTB阿部竜二が右サイドに走り込み、SW2本目のトライ

 
前半26分、相手ディフェンスを突破しトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド(中央)

前半26分、相手ディフェンスを突破しトライを決めたナンバー8サム・ヘンウッド(中央)

 
前半39分、モールから出したボールをSH南篤志が飛び込んでトライ。笑顔で喜びを分かち合う(右)

前半39分、モールから出したボールをSH南篤志が飛び込んでトライ。笑顔で喜びを分かち合う(右)

 
先発した新加入のSOミッチェル・ハント(右から2人目)は3ゴールも決めチームに貢献

先発した新加入のSOミッチェル・ハント(右から2人目)は3ゴールも決めチームに貢献

 
 勢いづいた釜石は後半4分、相手ディフェンスの隙を突き、SO落和史が右にロングパス。今季新加入のWTB川上剛右がきっちり決め、33-7と突き放した。後半は両チームとも選手を大きく入れ替え。釜石はターンオーバーされる場面が増え始め、残り10分までに日野に2トライを献上。最後の見せ場は31分、右ゴール前ラインアウトから左に展開し、じわじわと前進。相手ディフェンスを引きつける間に再び右へ大きく振り、最後はフランカー髙橋泰地が決めた。40-19で試合終了。バックスタンドの大漁旗が大きく揺れた。
 
 2選手が同じ職場で働いているという釜石市の小林英樹さん(40)は「久しぶりの盛り上がり。勝てて良かった」と大喜び。「地元で勝つことが釜石の元気にもつながる。今季はぜひ勝ちにこだわって1つでも多く勝ってほしい」と期待を込めた。
 
後半、相手に圧力をかけるプレーでゴール前にボールを運ぶ釜石SW

後半、相手に圧力をかけるプレーでゴール前にボールを運ぶ釜石SW

 
後半31分、CTB畠中豪士からナンバー8セタ・コロイタマナ、フランカー髙橋泰地とパスをつなぎ、右隅にトライ

後半31分、CTB畠中豪士からナンバー8セタ・コロイタマナ、フランカー髙橋泰地とパスをつなぎ、右隅にトライ

 
釜石SWの活躍に応援の大漁旗がはためく

釜石SWの活躍に応援の大漁旗がはためく

 
 試合後、釜石SWの須田康夫ヘッドコーチは「相手に圧力をかけ続けるという今年のテーマを選手たちがしっかり守ってやってくれた結果。後半、メンバーが入れ替わった時のゲームマネジメントに課題が見えた」と振り返った。ゲームキャプテンのヘンウッド選手は「すばらしい勝利だった。ゲームプランの遂行というところをちゃんとできたのが鍵だったと思う」と評価。チームの成長も感じ、「若い選手が育ってきている。試合の大事な場面でうまく対処できる力がついてきている」と話した。
 
 釜石SWは19日のプレマッチ第3戦、IBC杯ラグビー招待試合で、今季3部に参入したヤクルトレビンズ戸田と対戦。40-21(前半26-7)と、こちらも快勝した。SWのプレマッチはこの後11、12月に3戦を予定する。リーグワン初戦は12月21日(対九州電力キューデンヴォルテクス)。釜石鵜住居復興スタジアムでの初戦は12月28日の第2節、グリーンロケッツ東葛戦となる。
 

夢追う子どもたちも熱戦 会場内では多彩なアトラクションも うのスタで楽しい1日

 
釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦した小学生交流マッチ

釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦した小学生交流マッチ

 
 メモリアルマッチに先立ち行われた小学生の交流マッチは、釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールが対戦。両チームのメンバーが入り交じっての試合も行われた。この日は秋田県で開催された6年生による東北大会に、両チームが合同チームを結成して出場したため、4、5年生メンバーでの対戦となった。SWジュニアのゲームキャプテンを務めた野田大耀さん(小佐野小5年)は「僅差でなく勝てたのでチームの成長を感じられた。パス回しやタックルでまだできていない部分があるので、これからの練習で改善したい」と前を向いた。
 
中学生交流マッチは釜石、甲子、釜石東の特設ラグビー部が熱戦を繰り広げた

中学生交流マッチは釜石、甲子、釜石東の特設ラグビー部が熱戦を繰り広げた

 
 中学生の試合には釜石、甲子、釜石東3校の特設ラグビー部が出場。市内の中学校は例年、他競技の中総体終了後にチームを結成し、10~11月に行われるラグビー競技の県中総体に挑む。それに向けた前哨戦ともなるこの交流マッチ。3戦を行い、2勝をあげたのは昨年、同スタジアムで開催された県中総体で初優勝を果たした釜石中。本年度は2、3年生20人でチームを結成し、8月から練習を開始した。佐藤碧空主将(3年)は「チャンスをものにし得点できたところは良かったが、ラックヤードの入り込みやディフェンスのラインで改善点があるので県大会までに修正したい。2連覇を目標にチーム一丸となって試合に挑む」と意気込んだ。
 
 会場内では自衛隊や警察、消防車両を体験できる「震災復興支援・働く自動車展」が人気を集め、フードコーナーもにぎわった。釜石を応援しようと今春結成された「ちあ釜」は、SWの試合のハーフタイムで念願のフラッグパフォーマンスを披露。試合後は誰でも楽しめるラグビー体験、餅まきも行われた。
 
自衛隊、警察、消防の車両がずらり!運転席に座り笑顔を見せる子ども

自衛隊、警察、消防の車両がずらり!運転席に座り笑顔を見せる子ども

 
SW対日野の試合のハーフタイムにフラッグパフォーマンスを見せた「ちあ釜」

SW対日野の試合のハーフタイムにフラッグパフォーマンスを見せた「ちあ釜」

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「釜石絆の日」 スターダスト☆レビューがうのスタ初ライブ V7戦士松尾雄治さんが縁つなぐ 

「釜石絆の日」スターダスト☆レビュー うのスタ☆スペシャルライブ=21日

「釜石絆の日」スターダスト☆レビュー うのスタ☆スペシャルライブ=21日

 
絆マッチ いわて釜石ラグビーFC対流通経済大ラグビー部(白)の試合=22日

絆マッチ いわて釜石ラグビーFC対流通経済大ラグビー部(白)の試合=22日

 
 9月25日は、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会会場地の一つ、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、「フィジー対ウルグアイ戦」が行われた日。東日本大震災からの復興の象徴となった同大会のレガシー(遺産)を継承し、多くの支援者と結ばれた絆を後世につなごうと、同市はこの日を「釜石絆の日」と定める。その記念イベント(釜石ラグビー応援団主催)が今年も同スタジアムで行われた。21日は「スターダスト☆レビュー」のスペシャルライブ、22日はラグビーの交流試合があり、両日とも雨に見舞われたものの、会場は釜石に思いを寄せる人たちの熱気に包まれた。
 
 スターダスト☆レビューのライブは釜石初開催。ボーカル・ギターの根本要さん(67)が新日鉄釜石ラグビー部日本一7連覇(1978~84年)の立役者で、釜石応援ふるさと大使の松尾雄治さん(70)と親交があり、震災後に2人で復興支援のトークイベント(2016年)を同市で開催していた縁で出演が実現した。
 
 ライブの前に根本さんと松尾さんが同年代の“絆トーク”。 約40年の付き合いという2人は出会いからの楽しいエピソードの数々を披露。観客の笑いを誘い、仲の良さを印象づけた。根本さんはラグビー人気急上昇のきっかけを作った松尾さんを「スーパースター。釜石というまちを日本で有名にしたのはおそらく松尾さん」と持ち上げ、初対面の席で周囲に溶け込ませてくれたことを懐かしんだ。松尾さんが音楽好きという一面も紹介。釜石での9年間の現役生活について松尾さんは「釜石の人たちはやさしく、みんなに支えられてラグビーをすることができた」と感謝。震災後は当時の仲間らとNPO法人スクラム釜石を立ち上げ、ラグビーW杯誘致などさまざまな支援活動を続けてきた。「もっと多くの人に釜石を見てほしい」と話し、海やラグビーを生かしたまちづくりに期待を込めた。
 
松尾雄治さん(左)と根本要さんによる絆トーク

松尾雄治さん(左)と根本要さんによる絆トーク

 
この日は釜石鵜住居復興スタジアムでは初の本格音楽ライブとなった

この日は釜石鵜住居復興スタジアムでは初の本格音楽ライブとなった

 
 「スタ☆レビ」の文字装飾が施されたバックスタンド席を背景に、グラウンド上に屋根付きのステージが組まれた。根本さんは地元ラグビーチーム「日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)」のジャージー、バンドメンバーらは「KAMAISHI大漁旗Tシャツ」を身に着けてステージに立った。ライブでは1986年のヒット曲「今夜だけきっと」、多くのアーティストもカバーする「木蘭の涙」、「トワイライト・アヴェニュー」など人気曲を交え、アップテンポ、バラードなど多彩な曲で楽しませた。同バンドは1981年デビュー。40年以上の長きにわたり活動を続ける。
 
メンバーはアカペラで「不思議なチ・カ・ラ」なども歌った

メンバーはアカペラで「不思議なチ・カ・ラ」なども歌った

 
あいにくの雨を吹き飛ばす熱気で盛り上がったライブ会場

あいにくの雨を吹き飛ばす熱気で盛り上がったライブ会場

 
 全国から約1500人が来場。アンコールを含め全18曲を楽しんだ。栃木県から足を運んだ北山富美子さん(64)は「晴れれば最高でしたけど、ライブはやっぱりいい。同年代のスタ☆レビが頑張っている姿に力をもらう」と笑顔。松尾さんとの縁で実現したライブに「地元の方も元気づけられるのではないか。遠くからもお客さんが来ることで、まちの復興がさらに進むといい」と願った。
 
 釜石市の小川大地さん(42)は「両親が(スタ☆レビの曲を)聞いていて、ずっと耳には残っていたが、生のライブは初めて」と感激。釜石に住んで17年。震災も経験し、同スタジアム誕生までの経緯もよく知る。「いろいろな思いが込み上げ、聞いていて夫婦で涙があふれた―」。ずっと聞きたかった曲“追憶”を「生で聞けて最高でした」と大喜びだった。2018年開業のうのスタでは初の本格音楽ライブ。「これを機にここでどんどんライブができるようになれば、まちも活気づくと思う」と小川さん。
 
「釜石絆の日」オリジナルTシャツ(写真右上)は限定100着の販売。1時間足らずで完売した

「釜石絆の日」オリジナルTシャツ(写真右上)は限定100着の販売。1時間足らずで完売した

 
釜石関連の各種グッズ販売は大盛況。多くの人が立ち寄った

釜石関連の各種グッズ販売は大盛況。多くの人が立ち寄った

 
 2日目のラグビー交流試合「絆マッチ」は昨秋、フランスで初めて開催されたワールドアマチュアラグビーフェスティバルに日本代表として出場した「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ」が、釜石市と包括連携協定を結ぶ流通経済大のラグビー部と対戦した。
 
 1年ぶりのチーム結成となったいわて釜石は前半、流経大に先制トライを許すも、2トライを決め逆転。10-5で折り返した。後半は流経大に立て続けに6トライを奪われた。激しい雨で両チームともボールが手に付かず苦戦。現役の大学生パワーに押さえ込まれたいわて釜石は後半、得点に結びつかず、10-39で敗れた。
 
前半2本目のトライを決め、喜びに湧くいわて釜石

前半2本目のトライを決め、喜びに湧くいわて釜石

 
水しぶきを上げながら激しい戦いを繰り広げる両チーム

水しぶきを上げながら激しい戦いを繰り広げる両チーム

 
 元釜石SW選手で、いわて釜石の主将を務めた福士周太さん(30)は「1年前のメンバーとまた試合ができてうれしい」と再招集を喜んだ。事前に練習日を1日設定したが、参加は少数。「運動していなかった社会人と若いピチピチした大学生とでは体格も体力も違う。それでも2トライできたから、いいんじゃないかな」。ラグビーW杯釜石開催が一生に一度と言われたように、アマの世界大会に岩手、釜石ゆかりの仲間と出場できたのも「一生に一度の思い出」になった。SWでのプレーも大切な財産。県外への転勤が決まっているが、「プロでもアマでも釜石はラグビーのまち。それを作り上げ、つなげる手伝いをしていきたい」と未来を描いた。
 
1年ぶりの試合に笑顔を輝かせるいわて釜石の選手(写真左上) 新たな絆を結んだいわて釜石と流経大の選手ら(同下)

1年ぶりの試合に笑顔を輝かせるいわて釜石の選手(写真左上) 新たな絆を結んだいわて釜石と流経大の選手ら(同下)

 
 この日は中学生の交流試合もあり、釜石SWアカデミー・弘前サクラオーバルズの合同チームが静岡ブルーレヴズラグビースクールと対戦した。23日に予定されていたうのスタ運動会は、雨によるグラウンドコンディション不良のため中止された。

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震災復興・野球少年を応援! 天童よしみさん「夢と希望、捨てないで」 釜石市、感謝状贈る

応援を続ける天童よしみさんと交流した三陸地域の野球少年ら

応援を続ける天童よしみさんと交流した三陸地域の野球少年ら

 
 東日本大震災以降、釜石市などを会場に続けられている「天童よしみ絆旗学童野球大会」。冠する名の通り、演歌歌手の天童よしみさんが優勝旗など用品を贈って支援する。13年前、津波の爪痕が残る釜石を訪れていた天童さん。歌声で元気を届けると、笑顔のお返しがあり「逆に力をもらった」という。「夢や希望を捨てないで」。そんな被災地に寄せる心が、野球少年の応援活動につながった。自身も「新しいホールができたら、釜石でコンサートを」と思い続け、このほど実現させた。「夢や希望は持ち続ければかなう」。思いを体現する天童さんに、市民や子どもたちが感謝を伝えた。
 
 この大会は三陸の早期復興と岩手県内の野球少年の交流を図ろうと、2012年に始まった。当初は県の内陸部で実施し、被災した沿岸部の復旧が進んで開催場所が確保できるようになった15年の第4回大会から釜石を主会場に続けられている。
 
 その舞台となる平田公園野球場に9日、昨年の優勝チーム、綾里はまっこスポーツ少年団(大船渡市)、地元の釜石ファイターズと釜石野球団ジュニアのメンバーらが集合。優勝旗「絆旗」、大会旗を手に天童さんを囲んで記念写真を撮ったりして触れ合った。市と市体育協会は復興支援に貢献したとして天童さんに感謝状を贈呈。小野共市長は「その行動力に市民が元気づけられた」と述べた。
 
優勝旗と大会旗、天童さんを囲んで写真に納まる少年野球チームのメンバーら

優勝旗と大会旗、天童さんを囲んで写真に納まる少年野球チームのメンバーら

 
子どもたちや関係者が見守る中で天童さんに感謝状が贈られた

子どもたちや関係者が見守る中で天童さんに感謝状が贈られた

 
「大変なことがあっても目標、夢、希望を失わないよう…何か一つ絆を贈りたかった」と思いを話す天童さん

「大変なことがあっても目標、夢、希望を失わないよう…何か一つ絆を贈りたかった」と思いを話す天童さん

 
 天童さんは「学童のみんなも、私も毎回、この大会を楽しみにしていた。力いっぱい野球をしてほしい。元気でスポーツを、そして健康な心と体力を持ち続けてほしい」と熱を込めた。
 
 釜石野球団ジュニア所属の小笠原明香里さん(小学6年)は「着物を着て歌っているイメージだったけど、(洋服を着ても)かっこいい。スポーツを続けられる環境をつくってくれてうれしい」とはにかんだ。
 
 佐久間優希さん(中学3年)は、小学生時代に釜石ファイターズのメンバーとして臨んだ第10回大会で優勝した経験を思い浮かべ、「6年生は夏で野球が終わってしまうが、この大会があるから秋も野球を続けられたし、ステップアップできた」とうなずく。優しそうな天童さんの雰囲気に感激した様子で、現メンバーとして競技に励む妹優愛さん(小学2年)と笑顔を重ねた。
 
「野球、楽しんでる?」。子どもに優しく声をかける天童さん

「野球、楽しんでる?」。子どもに優しく声をかける天童さん

 
 天童さんの釜石応援は、同大会発起人で唐丹町出身の下村五五男(いさお)さん(69)=矢巾町=が震災直後に手紙を出したことがきっかけ。被災地への来演を望む思いに応え、11年5月に市内にあった避難所を訪ね、被災者を激励した。少年期から選手、指導者として野球にかかわる下村さんが大会の構想を伝えると、天童さんが賛同。絆旗や用品を贈るなど運営を支え、地域に根づく大会となった。
 
 今回、天童さんはコンサートのため、13年ぶりに来釜。9日は鵜住居町、唐丹町を回った。「当時、13年前は…声が出ないほどの壊滅的な場面が頭に焼き付いて、ずっと引っかかっていた。復興をこんな早く進めて、すばらしい街並みになった。海がちゃんと見える場所もあって…よかった」とうなずいた。
 
 13年前に拍手で出迎えてくれ住民らとも再会。天童さんは「皆さんの元気な笑顔を見ることもできて、うれしい」と表情をやわらげた。当時は、被災地に入ることに緊張や迷い、「どんな風に元気づけたらいいか」と不安もあったが、下村さんの手紙には「今こそ、勇気づけてほしい」とつづられ、添えられたある写真に「気持ちが動いた」という。50年以上前、釜石に来演した天童さんと一緒に納まった写真―。その頃からファンだった下村さんの熱意に反応した。
 
 それからつながる野球少年の応援に込めるのは「目標、夢、希望を捨てないで」との願い。幼少期から50年以上歌い続ける自身の経験もあるようで、「長く、長くやっているからこそ、夢と希望は持ち続けないと。必ずかなうから」と言葉に力を込めた。
 
天童さんの隣に座って言葉を交わす下村五五男さん

天童さんの隣に座って言葉を交わす下村五五男さん

 
贈呈式の様子をうれしそうに見守った下村さん(手前)と大会実行委員会関係者ら

贈呈式の様子をうれしそうに見守った下村さん(手前)と大会実行委員会関係者ら

 
 感謝状贈呈の場には下村さんや大会実行委員会のメンバーらの姿もあり、感慨深げに見つめていた。「晴れやかな涙が出た」と顔をほころばせた下村さん。野球人口が減り、複数の学校が組んで大会に出場する「連合チーム」が増えている現状を残念がるが、「楽しむ熱意のある子たちを応援し続けたい」と思いは変わらない。
 
 「もう1回、釜石にホールができたらコンサートに来たいと言っていた」と振り返った天童さん。10日、震災後に整備された大町の市民ホールTETTOで有言実行。「いろんなことが起きているが、乗り越えた皆さんは強い。これからに向かって、その元気パワーでさらに盛り上げてもらえるように」。熱い応援を歌声にのせ届けた。

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東京・荒川から釜石・唐丹へ 震災後の野球支援今年も 硬式女子アサヒトラスト 小中学生を指導

アサヒトラスト女子硬式野球部による野球教室=7日、唐丹グラウンド

アサヒトラスト女子硬式野球部による野球教室=7日、唐丹グラウンド

 
 東京都荒川区の東京リバーサイドロータリークラブ(RC、小根澤美和会長、会員37人)と、社会人チームのアサヒトラスト女子硬式野球部(三橋淳志代表、選手20人)は7日、釜石市唐丹町の唐丹グラウンドで、同市の小中学生に野球教室を開いた。東日本大震災、同グラウンド整備を支援してきたクラブが昨年に続き主催。両団体からは軟式野球ボールも寄贈された。震災から13年半―。同市の野球関係者は途切れることなく続く支援に深く感謝し、ジュニア育成へさらに気持ちを高めた。
 
 同クラブ会員14人と同部の選手、監督、コーチら27人が来釜。少年(軟式)野球チームの釜石ファイターズ(26人)、釜石野球団Jr.(ジュニア、20人)、中学生の硬式野球チームの釜石ボーイズ(20人)が一行を迎えた。教室に先立ち、参加者が顔合わせ。小根澤会長、三橋代表があいさつし、同クラブからボール10ダース、同部からボール3ダースとチームタオルが釜石の子どもたちに贈られた。
 
東京リバーサイドRC(写真左上)は6回目の訪問。アサヒトラストは三橋淳志代表(同右上)、選手らが2回目の訪問

東京リバーサイドRC(写真左上)は6回目の訪問。アサヒトラストは三橋淳志代表(同右上)、選手らが2回目の訪問

 
写真上:小根澤美和会長が軟式野球ボールを贈呈 同下:アサヒトラストからもボールとタオルが贈られた

写真上:小根澤美和会長が軟式野球ボールを贈呈 同下:アサヒトラストからもボールとタオルが贈られた

 
 教室は子どもたちの年代に合わせた練習メニューが組まれた。中学生や小学校高学年の団員はアサヒトラストの女子選手と一緒にシートノック練習に臨み、捕球や送球の基礎を学んだ。小学校低学年の団員は上級生の練習を見学した後、捕球練習を行った。国内女子野球のトップ選手や指導者らの講習に子どもたちは目を輝かせ、真剣に取り組んだ。
 
中学硬式野球チーム「釜石ボーイズ」(桃色ユニホーム)はアサヒの選手とシートノック練習などを実施

中学硬式野球チーム「釜石ボーイズ」(桃色ユニホーム)はアサヒの選手とシートノック練習などを実施

 
社会人選手のプレーのうまさに目がくぎ付け(写真右)。中学生も負けじと頑張る

社会人選手のプレーのうまさに目がくぎ付け(写真右)。中学生も負けじと頑張る

 
小学校低学年も「投げる」「捕る」という野球の基本を教わった

小学校低学年も「投げる」「捕る」という野球の基本を教わった

 
アサヒの選手を相手に練習。しっかり捕って相手に投げ返す

アサヒの選手を相手に練習。しっかり捕って相手に投げ返す

 
 釜石ファイターズの菅原睦斗さん(小5)はアサヒ選手らの練習中の大きな掛け声に驚き、「声出しやボールの捕り方をまねしたいと思った。守備をもっとうまくなりたい」と刺激を受けた様子。東京から指導に来てくれることにも感謝し、「学んだことを大会で生かしたい」と話した。澤本大志監督(42)は「子どもたちの積極的なアピールも見られ、いつもとは違った表情。大人の選手の一生懸命な姿から何か感じるものがあれば」と期待。チームは今年、同クラブの支援でユニホームを新調しており、応援を力に県大会ベスト4進出を果たしている。
 
普段はない子どもたちとの練習にアサヒの選手らも笑顔

普段はない子どもたちとの練習にアサヒの選手らも笑顔

 
「もっとうまくなりたい」と真剣に練習する小学生ら

「もっとうまくなりたい」と真剣に練習する小学生ら

 
小学生による塁から塁への送球練習

小学生による塁から塁への送球練習

 
 東京リバーサイドRCは地元荒川区が釜石市と友好交流都市という縁で、震災後の2011年秋に荒川区社会福祉協議会とともに同市を訪問。津波で全壊し、がれきが残る唐丹小の惨状を目の当たりにした。地元関係者から「子どもたちが野球をできるように、整地してグラウンドにしたい」という話を聞き、同社協と一緒に、土を盛って芝生を張るための資金集めに尽力。ダッグアウトや簡易トイレの設置も援助した。その後、会員が隔年で訪問しながら、唐丹スポ少(当時)などへのボールやバット、グローブの寄贈、グラウンドの芝生整備のための芝刈り機などの支援を続けてきた。昨年から始まったアサヒトラスト野球教室の遠征費もクラブが支援する。
 
 小根澤会長(58)は「震災で心の傷を負った父母らは子育ても大変だっただろう。野球をやりたいという子どもたちが何不自由なく楽しめ、成長できるよう、私たちが少しでもお手伝いできればとの思いで活動を続けてきた。彼らが大人になった時、また誰かを助けられる、(困っている)人を思いやれる人になってくれたらうれしい」と期待を込めた。
 
グラウンド脇の防潮堤は震災後、高さ14.5メートルに整備された

グラウンド脇の防潮堤は震災後、高さ14.5メートルに整備された

 
芝生が張られた外野エリアで守備練習

芝生が張られた外野エリアで守備練習

 
常に声を出し合いながら練習するアサヒの選手。子どもたちにもいい刺激に

常に声を出し合いながら練習するアサヒの選手。子どもたちにもいい刺激に

 
 アサヒトラスト女子硬式野球部は、荒川区に本社があるアサヒ産業(三橋淳志代表取締役)が出資し2007年に設立。女子硬式野球の国内企業チームの先駆けで、10~30代の社会人と大学生が所属する。全日本選手権(高校~社会人)で2回、全日本クラブ選手権(社会人)で5回の優勝実績があり、全日本チームの選手も輩出している。
 
 同部の落合彩伽主将(23)は「前回より子どもたちの参加が増え、活気に満ちた教室となった。私たちが話すことを素直に聞いてくれる子が多く、自分たちも小中学生との野球にパワーをもらった」と喜びの表情。東北には女子硬式野球の社会人チームはないが、高校は6チームがあり、本県では2020年に創部した花巻東の活躍が注目を集める。今回の教室参加者の中にも女子選手は複数いて、「女子野球の広がりを感じる」と落合主将。
 
 釜石ボーイズの菊地礼華さん(中3)は先輩女子選手らのうまさに目を見張り、「すぐ捕って投げるところとか素早いプレーが勉強になった。高校でも野球を続けたい」と意欲。昨夏、アサヒトラストの招待で東京に遠征し、全国大会の試合見学やチーム練習に参加してきた佐久間美桜さん(中2)は「女子だけの環境は初めてで、すごく楽しかった。練習でも細かいところまでやさしく教えてもらった」と感謝。今回の教室を含め、多くの学びを得たようで、「これから新人戦も始まるので、1年生を引っ張って頑張りたい」と意気込んだ。
 
釜石ボーイズの女子選手。女子社会人チームの指導の機会を喜んだ

釜石ボーイズの女子選手。女子社会人チームの指導の機会を喜んだ

 
 全日本女子硬式野球クラブ連盟、関東女子硬式野球連盟の会長も務める三橋代表(66)は「野球を通じたつながりで復興の一助になれれば。子どもたちには、とにかく野球を続けてほしい。最後までやり通すことが将来につながる」とメッセージを送った。
 
写真上:アサヒトラストの大須賀康浩監督は「うまくなるには人の言うことをよく聞いて理解することが大事。伸びる子は理解力のある子」と助言 同下:来訪への感謝を伝える唐丹すぽこんクラブの河東眞澄委員長(右)

写真上:アサヒトラストの大須賀康浩監督は「うまくなるには人の言うことをよく聞いて理解することが大事。伸びる子は理解力のある子」と助言 同下:来訪への感謝を伝える唐丹すぽこんクラブの河東眞澄委員長(右)

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1、2年生チーム 力試しの新人戦 釜石大槌地区中学校 7競技で熱戦 保護者の声援受け懸命プレー

各競技で熱戦を繰り広げた釜石大槌地区中学校新人大会=7日

各競技で熱戦を繰り広げた釜石大槌地区中学校新人大会=7日

 
 2024年度釜石大槌地区中学校新人大会(同地区中学校体育連盟主催)は7日、釜石、大槌両市町の学校体育館、公共スポーツ施設で7競技が行われた。3年生の部活動引退後、1、2年生による新チームを結成しての初の公式戦。本来であれば9競技が行われるが、2競技で対戦のための人数がそろわず、試合を断念した。上位チーム、選手が出場する県大会は10月(前期)と11月(後期)の2つの日程で行われる。
 
 少子化による生徒数の減少などで、単独校での大会出場が難しくなっている団体競技。3年生引退後の新人戦はさらに人数が減り、対戦カードを組めない競技も複数出ている。今大会、軟式野球は地区予選がかなわず、釜石、大平、甲子、大槌の4校合同チームが地区代表で県大会に出場する。バスケットボール女子も釜石、大平、大槌の3校合同チームで県大会へ。柔道は団体、個人とも地区予選ができず、各階級の男女選手が県大会個人戦に出場する。剣道は男子のみの参加で、団体戦は大槌が地区予選なしで県大会に進む。
 
 釜石中体育館で男子個人戦のみ行われた剣道競技には3校から9人が参加。予選リーグの後、6人による決勝トーナメントが行われた。会場では保護者らが試合を見守り、技が決まると拍手で選手をたたえた。個人戦は上位3人が県大会に進む。
 
釜石中体育館で行われた剣道競技の男子個人戦

釜石中体育館で行われた剣道競技の男子個人戦

 
保護者や釜石、大槌の剣道協会員らが見守る中、試合が行われた

保護者や釜石、大槌の剣道協会員らが見守る中、試合が行われた

 
 3位決定戦で勝利し、県大会出場権を獲得した高木壮嘉選手(釜石中1年)は小学4年から剣道に励む。同じく小学校からやっている2選手に「今日は勝ちたかったが、気持ちで負けてしまった部分がある」と反省。県大会に向け、メンタル強化を課題に挙げた。6月の中総体では団体戦ができたが、3年生の引退で今回は人数が足りず、対戦できなかった。「できなかったのはちょっと悲しい。来年の新1年生の入部に期待したい」と仲間が増えることを願った。
 
県大会出場を目指し試合に挑む釜石、大槌の選手

県大会出場を目指し試合に挑む釜石、大槌の選手

 
 甲子中体育館が会場となったバレーボール競技。男子は吉里吉里と釜石・甲子合同チームが対戦した。女子は大平と吉里吉里が合同チームを結成。釜石東、甲子、釜石とともに4校のトーナメント戦が行われた。2階ギャラリーでは保護者が熱い声援を送り、
選手のプレーを後押しした。
 
甲子中体育館で行われたバレーボール競技。女子1回戦 甲子-釜石

甲子中体育館で行われたバレーボール競技。女子1回戦 甲子-釜石

 
選手に声援を送る両チームの保護者ら

選手に声援を送る両チームの保護者ら

 
 甲子中女子の上小路琉月主将(2年)は1回戦で釜石中に勝利後、「声とかつなぎとか練習の成果は出せた。2セット目は最初、相手に取られてあせりもあったが、全員で抑え切れたと思う」と手応えを実感。一方で、「相手の波にのまれると負けてしまうので、自分たちのペースに持ち込めるように頑張りたい」と次戦への意欲を高めた。決勝では釜石東を破り、県大会出場を決めた。
 
甲子の攻撃を止めようと食らいつく釜石の選手(白ユニホーム)

甲子の攻撃を止めようと食らいつく釜石の選手(白ユニホーム)

 
同試合は甲子のリードで進み、2-0で勝利した

同試合は甲子のリードで進み、2-0で勝利した

 
 同地区では本年度の中総体から、サッカー競技に大槌サッカークラブ、バドミントン競技にKBFの2地域クラブが参戦。本大会にも出場し、大槌サッカークラブは釜石東を破り初優勝。KBFは女子団体戦で中総体に続く連覇を果たした。
 
 釜石大槌地区の代表が出場する競技の県大会は前期が10月19、20日(バスケットボール、サッカー、軟式野球、ソフトテニス)、後期が11月16、17日(バレーボール、卓球、バドミントン、柔道、剣道)に県内各会場で開催予定。同地区大会の結果は大会成績一覧表の通り。
 
2024年度釜石大槌地区中学校新人大会成績一覧表(PDF:164KB)