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今年も優勝するぞ! ラグビーキッズ始動 釜石SWジュニア 新入団員迎え開校式

「1年間頑張るぞ!おぉー」 今季の活動へ意欲を高める釜石シーウェイブスジュニアの団員=5日、市球技場

「1年間頑張るぞ!おぉー」 今季の活動へ意欲を高める釜石シーウェイブスジュニアの団員=5日、市球技場

 
 小学生ラグビースクールの釜石シーウェイブス(SW)ジュニアは5日、釜石市甲子町の市球技場で2026年度の開校式を行った。新入団員2人を迎え、24人で始動。今季の目標を掲げ、練習をスタートさせた。チームは、前身の釜石ラグビースクールから数え50周年となった昨年度、東北レベルの大会で優勝するなど躍進した。指導員らは今季も子どもたちにラグビーの楽しさを伝えながら、競技力やチームワーク向上を図り、各種大会での勝利を目指す。
 
 開校式には団員と保護者、指導員ら運営スタッフ計約60人が参加した。大畑勇校長は「今日から51回目のスタートになる。ラグビーは体をぶつけたり走ったりでつらい時もあるが、一生懸命頑張ればきっと楽しいことが待っている。みんなで励まし合って楽しい1年にしよう」と団員らに呼びかけた。トップチームの日本製鉄釜石SW、坂下功正総監督も「たくさんチャレンジして一歩一歩うまくなるように。ラグビーは1人ではできない。新しい仲間を守り、ラグビーをする環境をつくってくれる人たちに感謝の気持ちを持って1年間頑張っていこう」と激励した。
 
団員を激励する大畑勇校長(右上)と坂下功正総監督(左上)

団員を激励する大畑勇校長(右上)と坂下功正総監督(左上)

 
本年度新たに仲間入りした3年女子団員。「よろしくお願いします!」とあいさつ

本年度新たに仲間入りした3年女子団員。「よろしくお願いします!」とあいさつ

 
 釜石SWジュニアは幼児(年長)から小学6年生までの男女が対象。本年度は3年生の三浦唯花さん(釜石小)、山﨑衣千花さん(大槌学園)が新たに入団し、開校式で紹介された。三浦さんは「同級生の友達がやっていて楽しそうだったから」と入団を決め、「すごくワクワクしている。たくさんトライを決める選手になりたい」と目を輝かせた。高校1年の兄がジュニア出身という山﨑さんは母の勧めで入団。「(自分も)走ったり体を動かすのが好き。みんなとやるの、楽しみ」と期待した。
 
2026年度の目標を寄せ書きする高学年団員。1年後の達成を目指して…

2026年度の目標を寄せ書きする高学年団員。1年後の達成を目指して…

 
開校式後、さっそく練習開始。元気に体を動かし笑顔を見せる

開校式後、さっそく練習開始。元気に体を動かし笑顔を見せる

 
 本年1月、初めて企画された小学校高学年対象の大会「IWATE RIZING CUP(いわてライジングカップ)」で、チームは初代チャンピオンに輝いた。昨年11月に開催した50周年記念の交流試合では、県内全チームとヒーローズカップ東北大会で優勝した高清水(秋田県)を迎える中、全勝。チーム、選手の成長を感じさせる1年となった。
 
 今季、キャプテンを務める及川結心さん(小佐野小6年)は「昨年の6年生に負けないよう、もっと力をつけて大会でいっぱい優勝したい。新入団員にはやさしく教えていきたい」と意気込みを語り、開校式では「全学年を通して楽しくラグビーをしよう。エンジョイ、ラグビー!」とこぶしを突き上げた。
 
ボールを持ってグラウンドを駆け回る中学年以下の団員。タッチされたら仲間にパス

ボールを持ってグラウンドを駆け回る中学年以下の団員。タッチされたら仲間にパス

 
トライ!? 先輩団員はグラウンディングもしっかりと

トライ!? 先輩団員はグラウンディングもしっかりと

 
 チームは今年度も各種大会や強化練習会、地元開催のラグビーイベントへの参加、トップチームが所属するリーグワン2部公式戦のサポート、応援などを予定。季節ごとのお楽しみイベントも計画する。団員は随時募集中。練習の見学や体験も受け入れる。
 
 練習は、毎週日曜日午前9時から同11時まで(幼児、全学年)と、同水曜日午後6時半から同8時まで(3~6年)。場所は市球技場。冬季(12~3月)の水曜練習は鵜住居町の市民体育館で行う。入団や見学などの問い合わせは一般社団法人釜石シーウェイブスRFC事務局(電話0193・22・1173)へ。
 
高学年のパス練習。両手指をしっかり広げてキャッチ。ジュニア卒団生(後方)も練習をサポート

高学年のパス練習。両手指をしっかり広げてキャッチ。ジュニア卒団生(後方)も練習をサポート

 
学年を1つ上げ、51年目の活動にスタートダッシュ!大会優勝を狙う

学年を1つ上げ、51年目の活動にスタートダッシュ!大会優勝を狙う

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釜石・うのスタに集合!高校ラガーマン 交流試合で刺激し合う 地元高校生ら語り部活動も

釜石市で開かれた東北復興高校ラグビー交流会=2日、釜石鵜住居復興スタジアム

釜石市で開かれた東北復興高校ラグビー交流会=2日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 高校ラグビーの強豪校が釜石市に集う東北復興高校ラグビー交流会(同実行委主催)は1日から3日までの日程で、同市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアム(通称・うのスタ)など3会場で行われた。4回目となる今回は北海道から九州まで各地の高校に加え、地元岩手県は各校で合同チームを組んで参加。全国20校、約540人が冷たい雨にも負けず、泥だらけになりながら熱い戦いを繰り広げた。
 
 選手たちの出場機会を増やし、できるだけ多くのチームと対戦できるよう、1試合20分のルールで交流試合を実施。うのスタのほか、根浜シーサイド多目的広場、市球技場に分かれ、楕円(だえん)球を追いかけた。
 
悪天候に負けずはつらつとプレーする選手たち

悪天候に負けずはつらつとプレーする選手たち

 
 2日は各校の選抜選手でつくる2チームによるドリームマッチが行われた。冷たい雨が降り続く中、ボールの扱いに苦戦したり思うような動きができずとも互いに声をかけ合い、迫力あふれるプレーを見せた。
 
熱戦!各校の選抜選手によるドリームマッチ

熱戦!各校の選抜選手によるドリームマッチ

 
トライ!一進一退の攻防が繰り広げられた

トライ!一進一退の攻防が繰り広げられた

 
 例年通り、防災学習も実施。町内にある震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」スタッフの川崎杏樹さんが体験を伝えた。さらに今回は、釜石高の生徒らでつくる防災活動グループ「夢団」の語り部活動も。災害への備え、心構えなど大切にしてほしいことを高校生ラガーマンたちに届け、考えてもらう機会にした。
 
防災学習に臨む選手たち。体験談にじっと耳を傾けた

防災学習に臨む選手たち。体験談にじっと耳を傾けた

 
「災害への備えを」と呼びかけた釜石高の生徒たち

「災害への備えを」と呼びかけた釜石高の生徒たち

 
 常翔学園高(大阪市)の南方海至人さん(2年)は、同年代の語り部の話を自身が暮らす地域に置き換えながら耳を傾けた。津波の心配はないが、土砂災害は起こりうると想像。「災害の種類は違っても、その恐ろしさを知った。なめず、油断せず、判断して命を守りたい」と受け止めた。
 
 そんな南方さんはドリームマッチに出場。「みんなうまい。試合で何をすべきか分かっているから、プレーしていて楽しい。このグラウンドで、新しい仲間ができた。ラグビーが好きな者同士、交流できてよかった」と充実感をにじませた。
 
交流試合で強豪校に挑む釜石高の菊池眞暖さん(左の写真)=2日、根浜シーサイド多目的広場

交流試合で強豪校に挑む釜石高の菊池眞暖さん(左の写真)=2日、根浜シーサイド多目的広場

 
 常翔学園高の胸を借り、レベルアップを図ったのは釜石高の菊池眞暖さん(2年)。黒沢尻工業高(北上市)や釜石商工高との合同チームで試合に臨み、「視野が広がり、刺激になった」と目を輝かせた。本格的にラグビー競技に打ち込むのは高校に入ってから。中学3年生の時に活動した特設ラグビー部で、その魅力にハマった。「チームの団結を他の競技より強く感じられた。仲間を信じ、信頼関係を築ける競技だと思う。ノーサイドの精神にも引かれた」と熱を込める。
 
ずぶぬれ、泥だらけでも笑顔の菊池さん(左)、チームメートで同級生の佐藤和希さん

ずぶぬれ、泥だらけでも笑顔の菊池さん(左)、チームメートで同級生の佐藤和希さん

 
「夢団」の語り部として他県の選手と交流する菊池さん(右)

「夢団」の語り部として他県の選手と交流する菊池さん(右)

 
 「普通なら、対戦できない相手」と話し、全国各地からこの地に集ってくれたことへの感謝を口にした菊池さん。「ありがとう」の気持ちも込め、夢団の語り部として「今ある幸せを大切に、精いっぱい生きて」「思っていること、気持ちを言葉にして伝えて」と、競技を通して出会った仲間にそんな呼びかけをした。
 
うのスタに集った高校ラガーマン。応援も元気に

うのスタに集った高校ラガーマン。応援も元気に

 
 交流会は、うのスタが会場となったラグビーワールドカップ2019年日本大会のレガシー(遺産)や、東日本大震災の復興支援を目的として2023年に初開催された。発案者で参加校幹事の代表幹事も務める常翔学園中・高の野上友一校長(67)は「全国どこにいても災害はある。彼ら(参加した選手たち)には15年前に被害があった地域を見て、話を聞いて防災意識を持ってほしい。いざという時、若い力は救助隊として力を出すこともできるから」と期待。「復興のシンボル」と強調するうのスタで、「ラグビーを通してアピールした元気が地域の方たちに届くといい」とも願う。
 
 実行委員長を務めた釜石市ラグビーフットボール協会の小笠原順一会長(66)は強豪校が集う機会を歓迎し、もてなしに力を入れる。「他県のチームの強さを感じ、岩手の各校も刺激を受けたはず」と確信。「継続が大事」と話す野上校長と思いを再共有したようだ。

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釜石の2チーム 昭和新山国際雪合戦大会でダブル優勝! クラブ設立10周年の快挙に歓喜

第37回昭和新山国際雪合戦大会で優勝した「ウル虎ジュニア釜石」「ウル虎セブン」のメンバーと監督ら

第37回昭和新山国際雪合戦大会で優勝した「ウル虎ジュニア釜石」「ウル虎セブン」のメンバーと監督ら

 
 釜石大槌雪合戦クラブ(佐久間定樹代表、30人)の2チームが2月21、22の両日、北海道壮瞥町で開かれた第37回昭和新山国際雪合戦大会(同実行委主催)で優勝した。ジュニア交流戦(小学生男女)に出場したウル虎ジュニア釜石が2年ぶり2回目、レディースの部(中学生以上の女性)に出場したウル虎セブンが初の頂点に輝いた。今年、設立10周年を迎える同クラブ。雪の少ない地域でスポーツ雪合戦競技の普及から始まった活動は、メンバーの地道な努力の積み重ねで、全国トップレベルのチームを輩出するまでに成長。地元スポーツ界に新たな活力をもたらしている。
 
 今月23日、優勝した2チームの選手と監督ら14人が市役所を訪れ、小野共市長に大会結果を報告した。優勝チームに贈られるゴールデンビブスを身に着けた選手らは、これまで支えてくれた地元企業・団体、応援してくれた学校の同級生らに感謝の気持ちを表し、優勝の喜びを伝えた。小野市長は「さまざまな作戦を立て、みんなで努力した結果。自信を持って、今後もいろいろなことにチャレンジしてほしい」と話した。
 
釜石大槌雪合戦クラブの佐久間定樹代表が大会結果を報告=23日、釜石市役所市長室

釜石大槌雪合戦クラブの佐久間定樹代表が大会結果を報告=23日、釜石市役所市長室

 
レディース、ジュニア両チームの選手が優勝の感想などを述べた

レディース、ジュニア両チームの選手が優勝の感想などを述べた

 
 大会には5部門に全国から計118チームが参加した。6チームが出場したジュニア交流戦で、ウル虎ジュニア釜石は予選リーグを2勝0敗で突破。決勝では本県の強豪、西和賀町のKING BULLを2-0(3セットマッチ、2セット先取で勝利)で下し、2回目の優勝を果たした。ウル虎ジュニア釜石は2023年に結成。同大会への出場は3回目で、今大会には釜石、大槌の小学2~6年生7人で挑んだ。小林賢生主将(双葉小6年)は「玉送りの声のかけ合いとかチームワークの良さが勝因」とし、後輩に連覇を託した。「窮地に立っても逆転できたり、最後までどっちが勝つか分からないところが面白い」と競技の魅力を語り、「中学生になっても続けたい」と望んだ。
 
ウル虎ジュニア釜石の小林賢生主将は「練習した成果を発揮して優勝できたので良かった。来年のメンバーにも頑張ってほしい」と話した

ウル虎ジュニア釜石の小林賢生主将は「練習した成果を発揮して優勝できたので良かった。来年のメンバーにも頑張ってほしい」と話した

 
 レディースの部には12チームが出場。ウル虎セブンは2勝0敗で予選リーグを1位通過し、8チームで争う決勝トーナメントに進んだ。1回戦で北海道日高支部代表のNAT、準決勝で本県代表のめしべ(紫波町)を破り、決勝では北海道オホーツク支部代表のRYU☆KOHAと対戦。3セット中、2勝1分けで初めての栄冠を手にした。ウル虎セブンはチームを結成した2018年に同大会に初出場したが、以降はコロナ禍による3年間の大会中止、地区予選の敗退などで出場機会を逃していた。昨年は準優勝まで進み、チーム結成9年目の今年、念願の頂点に立った。
 
昨年の悔しさをばねに念願の初優勝を果たしたレディースチーム「ウル虎セブン」。中学生メンバーが活躍

昨年の悔しさをばねに念願の初優勝を果たしたレディースチーム「ウル虎セブン」。中学生メンバーが活躍

 
 今季のチームは中学生5人、社会人3人で構成。競技歴7年目の柏崎楓主将(29)は「目標としていた優勝をやっと果たせた」と万感の表情。「とにかく攻めるプレー」がチームの強みで、「それが存分に発揮できた結果」と喜ぶ。雪の少ない地域ながら、ここまで力を付けてきた要因として挙げるのは、年間を通した活動。体育館で室内練習球を使った練習を週1回続けていて、「少しずつ個々のレベルアップが図られているのが大きい」という。柏崎主将は今大会の最優秀選手賞にも選ばれた。次に目指すは連覇だが、「そこにとらわれ過ぎず、自分たちが納得のいく試合をできれば」と話す。
 
ウル虎セブンの柏崎楓主将は、ジュニアから上がってきた中学生とチームを組んでの優勝に喜びを表した

ウル虎セブンの柏崎楓主将は、ジュニアから上がってきた中学生とチームを組んでの優勝に喜びを表した

 
 今大会には、68チームが参加した一般の部に同クラブから男子のタイガーセブンも出場。予選リーグを1位通過し、準決勝リーグに進んだが、決勝トーナメント進出はならなかった。
 
 同クラブは2016年秋に社会人の男子チームからスタート。2年後に女子チームが結成された。コロナ禍で運動の機会が減った中、小学生向けの雪合戦教室を開始。23年には小学生チームが誕生した。クラブ立ち上げメンバーの一人、佐久間定樹代表(43)は「小学生に教えるようになって、練習時の雰囲気もいい形に変わった。小学生で始めた子が中学生になり、大人と一緒に活動しているのもうれしいこと」と喜ぶ。年間を通した活動は競技を長く続けることにもつながっている。同クラブは毎週月曜日午後7時から中妻体育館で活動中。「やってみたい方はぜひ!」と新たな仲間の加入を呼びかける。

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釜石SW 大阪に競り負け 24-28 スクラム安定欠く/SMC 3年目のマッチデースポンサーで盛り上げ

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リーグワン2部第8節 日本製鉄釜石シーウェイブス(赤)vsレッドハリケーンズ大阪=15日、釜石鵜住居復興スタジアム

 

 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は15日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた第8節でレッドハリケーンズ大阪と対戦し、24-28(前半14-15)で敗れた。ここまで7試合を終え、3勝4敗の勝ち点16で6位。次節は22日、2月に雪の影響で中止となったNECグリーンロケッツ東葛戦(第5節)を柏の葉公園総合競技場(千葉県柏市)で行う。

 

 首位の花園近鉄ライナーズを破った激戦から1週間。スタンドでは試合前から、釜石のリーグワン初連勝を願う「釜石コール」が響いた。相手は2月に14-15の1点差で敗れている大阪。雪辱を期したい釜石は前半4分、FW陣がモールで5メートルライン内に攻め込むと、じりじりとトライラインに迫り、最後はロック、ベンジャミン・ニーニーが先制トライ(ゴール成功、7-0)。大阪に反撃の1トライを食らうも、10分には、釜石キックのボールが相手に当たりこぼれたところをフルバック落和史が拾い前へ。ハーフウェイライン付近でオフロードパスを受けたCTBトンガ モセセが快走し、サポートしていたフランカー、アンガス・フレッチャー、ナンバー8サム・ヘンウッドと素早くつなぎ、2本目のトライ(ゴール成功、14-5)を奪った。その後、大阪のPG、トライで14-15と逆転され、前半を折り返した。

 

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前半4分、トライライン前の攻防からロック、ベンジャミン・ニーニーが飛び込み先制トライ

 

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前半10分、CTBトンガ モセセ(右)から受けたパスをフランカー、アンガス・フレッチャーがすぐさまナンバー8サム・ヘンウッド(左)へつなぐ。ヘンウッドが相手を寄せ付けずトライ

 

 迎えた後半。再リードを狙う釜石は7分、SOミッチェル・ハントがPGをきっちり決め、17-15とした。が…。釜石が波に乗るのを阻止するかのように2分後には大阪が再逆転のトライ。5点差をつけられた。点の取り合いが続く中、釜石に再びのチャンス。21分、釜石ボールのスクラムから出したボールを速い攻撃でつなぎ、最後はヘンウッドがこの日2本目のトライ。難しい角度のゴールキックをハントが見事に決め、24-22とした。しかし、終盤で大阪に2本のPGを許してしまい、24-28で競り負けた。

 

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後半、フルバック阿部竜二のオフロードパスを受けるフランカー河野良太。この後、SH村上陽平からサム・ヘンウッドへつなぐ

 

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後半21分、サム・ヘンウッドが右斜め前方に走り込み、この日2本目のトライ

 

 試合後、釜石のトウタイ・ケフヘッドコーチは「相手のほうがプレーに熱意があった。釜石は元気がなく、気の抜けたような印象」と指摘。反則やエラーが多く、敵陣深くに攻め込んでも得点まで持ち込めない場面があった。勝つために必要という“一貫性”のあるプレー。「前回は良かったが、今回は良くないではいけない」。技術面、メンタル面(マインドセット)ともに「チームに落とし込めるようにしていきたい」と話した。

 

 「悔しい結果になってしまった」と河野良太主将。前回の大阪戦の反省を修正しようと臨んだが、うまくいかなかった。次節に向け、「ディシプリン(規律、自制心)とセットプレーが非常に重要になってくる。エラーを少なくし、自分たちがボールを持つ時間を長くする。アタックの遂行力を上げれば試合も優位に進められる」と改善点を見据えた。

 

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第8節で公式戦通算50キャップを達成したCTBヘルダス・ファンデルヴォルト選手(写真左側)とプロップ山田裕介選手(同右側)

 

釜石、遠野に工場「SMC」 マッチデースポンサー3年目に 出展ブース 今年も大にぎわい

 

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楽しいアトラクションがいっぱい!SMCの出展ブースは今年も大人気

 

 釜石SWの第8節はチームスポンサーのSMC(髙田芳樹代表取締役社長、本社:東京都中央区)がマッチデースポンサーとなり、自社ブースの出展などで試合会場を盛り上げた。今年で3年目の取り組み。同社は釜石市と遠野市に工場があり、地元雇用の拡大にも貢献。同社にはSWのWTB阿部竜二選手が勤務する。

 

 同社は空気圧制御機器製造で世界首位を誇り、国内6カ所の生産拠点のほか海外にも工場を持つ。空気圧制御機器は圧縮空気の力を使って動く、環境にやさしい機械。自動車をはじめ、さまざまな製品を作る工場生産ラインの自動化に欠かせないものだが、一般の人が目にする機会はほとんどない。会場では同社の機材や製品を応用した楽しいアトラクションが用意され、長蛇の列ができるなど終始にぎわった。

 

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工場で製造する空気圧制御機器を応用した動く輪投げやジャンケンマシンなどを楽しむ来場者

 

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仮設ハウスの中は大勢の人であふれた

 

 昨年、遠野工場の隣接地に完成した同社に各種部品を供給する企業の集積地「遠野サプライヤーパーク」(18社)からは8社が出展。さまざまな技術、製品などを紹介しながら来場者と交流を深めた。釜石市出身の佐々木吏さん(66)は「さすが大企業。SMCの釜石SWに対する応援はチームにとっても心強いと思う。試合会場も盛り上がっていい」と、これから始まる試合を楽しみにした。同社総務部事務課の菅野聖さんは「広く一般の方に向けたイベント出展はあまりないので、当社のことを知ってもらう良い機会。社員にとっても地元チームを盛り上げるとともに、多くの皆さんと交流できてうれしい」と話した。

 

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フォトスポットにはSMCに勤務する阿部竜二選手の等身大パネルも。スティック型応援バルーンもプレゼント

 

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オリジナルデザインのマグボトルは先着1000人にプレゼント

 

釜石高「夢団」2週連続で震災伝承活動 “語り部”デビューの1年生も

 

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この日が語り部デビューとなった菊池眞暖さん(釜石高1年)

 

 釜石高の有志でつくる「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」は前節に続き、震災の教訓や防災について伝える語り部活動を行った。1、2年生3人が経験や聞き取りを基に、自身が伝えたいことを3分で語った。

 

 菊池眞暖さん(1年)はラグビー部と“二足のわらじ”で夢団の活動に参加。この日が語り部デビューとなった。震災時、自身は0歳。公務員の両親はしばらく互いの安否が分からぬまま仕事を全う。3週間後、叔母の夫が津波で命を落としたことを知った。記憶がない菊池さんは震災をどこか遠い国の出来事のように感じていたが、「知っておかねば」と思うように。まだ知識不足のため、自分が今言えることとして、「気持ちを言葉にして相手に伝える」「今ある幸せを大切にする」よう呼びかけた。人は当たり前の“明日”がないかもしれないので…。

 

 中学3年時に活動した特設ラグビー部で競技に一目ぼれ。高校入学後、本格的に始めた。2つの活動を結びつける同スタジアムで、卒業まで悔いのない活動を誓う。

 

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SW応援団の吉田有希さん、恒川舞さん(写真左上)、東北応援アイドルグループ「けっぱって東北」(同下)もスタジアムを盛り上げた

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震災15年― 釜石SW うのスタで魅せた価値ある勝利にファン大歓喜 首位花園破る

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東日本大震災復興祈念試合として行われたリーグワン2部第7節 日本製鉄釜石シーウェイブス(赤)vs花園近鉄ライナーズ=7日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は7日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた東日本大震災復興祈念試合で、首位の花園近鉄ライナーズと対戦。30-22(前半20-7)で勝利し、初のレギュラーシーズン3勝目を挙げた。「体を張り続ける」「絶対あきらめない」。チームが常に持ち続けてきた“釜石魂”を体現した試合は、復興を押し進めたまちの力と重なり、観戦客に大きな感動を与えた。6試合を終え、勝ち点15で暫定5位となった釜石の次戦は15日。同スタジアムでレッドハリケーンズ大阪と対戦する。
 
 試合前日の6日、釜石SWの選手、スタッフ約60人は、震災で犠牲になった市民の芳名が掲げられる釜石祈りのパーク(鵜住居町)を訪れた。哀悼の意を表し、チームがこの地でプレーする意義を再認識する日。全員で黙とうをささげ、献花した。
 
試合前日の6日、釜石祈りのパークで震災犠牲者に黙とうをささげる釜石SWの選手、スタッフら

試合前日の6日、釜石祈りのパークで震災犠牲者に黙とうをささげる釜石SWの選手、スタッフら

 
犠牲者の芳名板の前で献花。冥福を祈り手を合わせた

犠牲者の芳名板の前で献花。冥福を祈り手を合わせた

 
 小学6年で震災を経験した宮城県気仙沼市出身のSH村上陽平選手は「もう15年か…」と時の流れの速さを実感。自宅は津波の難を逃れたが、ライフラインの復旧まで避難生活を送った。「3・11が近づくと、起こった出来事の大きさを身に染みて感じる。風化させてはいけない―」。東北を元気にしたいと、「80分間通して熱いプレーをする」ことを誓った。入団13年目のWTB小野航大選手は福島県いわき市出身。震災から3年後の入団で、釜石復興とともに歩んできた。「ひたむきな姿で多くの人に勇気を届けたい」。思いは主将時代から変わらない。トウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)の下、チームは確実に成長しており、「あとは勝つだけ」と特別な試合へ意気込んだ。
 
 迎えた試合当日―。スタジアムは4325人の観戦客で埋まった。前半、釜石は先制トライを許すも、風上の優位を生かした攻撃で、何度も敵陣深く切り込んだ。屈強なフィジカルの花園ディフェンスに得点を阻まれる場面が続いたが、チームの士気は途切れなかった。26分、敵陣でのロック、ベンジャミン・ニーニーのインターセプトを足掛かりにボールを広く展開。CTBヘルダス・ファンデルヴォルトが相手ディフェンスの裏を突くキックパスで前進すると、左サイドでフォローしていたWTB髙居海靖がゴール前まで持ち込み、最後はフッカー西林勇登が押し込み逆転。SOミッチェル・ハントのゴールも決まり、10-7とした。
 
前半26分、CTBヘルダス・ファンデルヴォルトのキックパスをWTB髙居海靖がゴール前に運び(写真左)、最後はフッカー西林勇登が逆転のトライ。大きな喜びに包まれる

前半26分、CTBヘルダス・ファンデルヴォルトのキックパスをWTB髙居海靖がゴール前に運び(写真左)、最後はフッカー西林勇登が逆転のトライ。大きな喜びに包まれる

 
 いい流れの中、36分にはフルバック落和史のオフロードパスを受けたナンバー8サム・ヘンウッドが持ち前の突破力を見せゴール前へ。相手に倒され離したボールはCTBトンガ モセセが押し込み、17-7(ゴール成功)とリードを広げた。前半終了間際のPGでさらに追加点を挙げ、20-7で折り返した。
 
前半36分、フルバック落和史が相手を揺さぶるステップで前進。オフロードパスでナンバー8サム・ヘンウッドにつなぎ(写真左)、CTBトンガ モセセがゴールに押し込んだ(同右)

前半36分、フルバック落和史が相手を揺さぶるステップで前進。オフロードパスでナンバー8サム・ヘンウッドにつなぎ(写真左)、CTBトンガ モセセがゴールに押し込んだ(同右)

 
SOミッチェル・ハントは前半でPG2本、コンバージョンキック2本を決め、10得点

SOミッチェル・ハントは前半でPG2本、コンバージョンキック2本を決め、10得点

 
釜石SWの活躍にバックスタンド席の大漁旗や手旗が揺れる

釜石SWの活躍にバックスタンド席の大漁旗や手旗が揺れる

 
 波に乗る釜石は後半3分、敵陣ラインアウトからモールを形成し前進。粘り強くボールをつなぎ、最後はフランカー髙橋泰地がトライ。25-7とさらに突き放した。その後、攻守逆転。花園のカウンター攻撃などで7分、10分と2連続トライを決められ、8点差まで詰め寄られた(25-17)。悪い流れを断ち切ったのは16分。花園の反則でハントが蹴り出し、ラインアウトからモールを形成。そのままトライに持ち込んだ(30-17)。決めたのは主将のフランカー河野良太。自身の「リーグワン出場50試合目」に花を添えた。
 
後半3分、フランカー髙橋泰地のトライ。急きょのメンバー変更でスタメン出場。試合後、「自分たちの準備したことがしっかり出せた」と喜びを表した

後半3分、フランカー髙橋泰地のトライ。急きょのメンバー変更でスタメン出場。試合後、「自分たちの準備したことがしっかり出せた」と喜びを表した

 
後半16分、ラインアウトからモールで一気に攻め、貴重な追加点。トライを決めた河野良太もこの笑顔

後半16分、ラインアウトからモールで一気に攻め、貴重な追加点。トライを決めた河野良太もこの笑顔

 
 20分以降は“我慢”の時間。何度も自陣深くに攻め込まれるも、粘り強いディフェンスでピンチを乗り切った。31分に1トライを許したが、釜石は効果的なタックルが随所に光り、勝利への強い気持ちが表れたプレーに観客から「釜石コール」が響いた。80分間の激戦は30-22で釜石に軍配が上がった。
 
低い体勢のタックルで相手を果敢に止めにいく釜石の選手ら

低い体勢のタックルで相手を果敢に止めにいく釜石の選手ら

 
 「ベリーハッピー」。試合後、喜びを表した釜石SWのトウタイ・ケフHCは「良い内容でプレーさえすれば(上位チームにも)勝てるということを証明できたと思う。とにかく一貫性を持って、ブレずにやるべきことをしっかりやっていれば結果はついてくる」と手応えを実感。河野主将は復興祈念試合を前にチームで共有した「プライドを持って最後まで体を張り続けて戦う」ことを体現できた結果とし、苦しい状況下で力をもらったファンの声援に感謝。試合を重ねるごとに課題を修正し、自分たちのラグビーが形になっているとも感じていて、「次の試合がとても大事。今日やれたことを次も出せるよう、いい準備をしていきたい」と気持ちを切り替えた。
 
河野主将はリーグワン50キャップ達成。「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選ばれた。ご家族で記念撮影(写真左)

河野主将はリーグワン50キャップ達成。「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選ばれた。ご家族で記念撮影(写真左)

 
選手タオルなどを掲げ、すばらしい試合に感謝する観戦客(写真上)

選手タオルなどを掲げ、すばらしい試合に感謝する観戦客(写真上)

 
 桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは震災15年にあたり、「多くの支援と地域の結束でここまでこられた」と深謝。2019年のラグビーワールドカップ開催地となった鵜住居の地で「節目の試合ができ光栄。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた選手たちを誇りに思う。来場者も選手も心が一つになる時間を共有できたのは大きい」と話した。震災を知らない世代の加入が増えてくる中で、「発災当時、チームが地域とどう関わり、どんなエネルギーをもらって今があるのかを風化させることなく語り継いでいきたい」とも。“地域とともにあり続ける”チームを後世につなぐ決意を改めて示した。
 

釜石高「夢団」うのスタ石碑前で震災語り部 未来の命を守るため伝え続ける

 
釜石高の「夢団」メンバーは自ら考えた内容で語り部。震災の教訓を来場者に伝えた

釜石高の「夢団」メンバーは自ら考えた内容で語り部。震災の教訓を来場者に伝えた

 
 釜石高の生徒有志で活動する「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」は今季も釜石SWホーム戦に合わせ、震災伝承、防災啓発の語り部を実施中。復興祈念試合となった7日も、スタジアム内に建つ震災犠牲者鎮魂、教訓伝承のための祈念碑「あなたも逃げて」の前で、1、2年生3人が来場者に語った。
 
 「あなたは自分の命を自分で守れますか?」。そう切り出したのは、この日が語り部活動2回目の菊池彩乃さん(1年)。震災時は1歳。もちろん記憶はないが、同団の活動で震災の教訓をつないでいく大切さを学び、語り部に手を挙げた。伝えているのは、当時の釜石小児童が下校後に発生した大地震で自ら判断して避難行動を取り、津波から逃れた出来事。「今の自分たちの年齢より下の子が自分で考え行動した結果、命を守ることができた」事実に心を打たれたからだという。「命を守る行動に年齢は関係ない。大切なのは意識と行動力」。語り部を通して、災害時の行動をより多くの人に考えてほしいと願う。
 
 奈良県から訪れた小池道朗さん(60)は4年前に聞いた夢団の語り部が強く印象に残っていて、「もう一度聞きたい」と足を止めた。この日早朝にも釜石では地震を観測。「私たちも東日本大震災の記憶がだんだん薄れている。関西も東南海地震があると言われているので、気を引き締めていかねば」と避難の重要性を心に刻んだ。
 
夢団と釜石SWがコラボした応援フラッグを手にするメンバー

夢団と釜石SWがコラボした応援フラッグを手にするメンバー

 
 夢団は今回、復興祈念試合の来場者にプレゼントする応援フラッグのデザインも手がけた。釜石SWのスタッフから同試合の位置付けなどを聞き、メンバーが手書きのラフ案を作成。市内のデザイン会社がデジタル化し完成した。
 
 デザインを担当した夢団の六串流歌さん(2年)によると、コンセプトは「永遠」と「つながり」。この2つを数学記号の「∞(無限)」で表現し、輪の中にハマナスの花とラグビーボールを配置した。ハマナスは鵜住居町根浜海岸で古くから自生していたが震災の津波で砂浜に生えていたものは全て流された。しかし、その年の6月、津波をかぶった防潮堤内側の松林で花開く姿が確認され、地域住民に希望を与えた。「ハマナスは鵜住居復興を象徴する花。前向きな印象を受けたのでデザインに入れたいと思った」と六串さん。
 
 震災時は2歳。大槌町の自宅は海の近くにあり、津波で全壊した。記憶はないが、母から高台の大槌高に避難して助かった話を聞いている。「こうして震災を後世に伝えることは私たち世代の責任。次に生まれてくる子どもたちにしっかり伝え、みんなが忘れないようにしなくては」と夢団の活動に意欲を見せる。
 
この日はゲストも登場!ラグビー芸人・しんやさん(写真左)、SW応援団の佐野よりこさん(鵜住居町出身、民謡歌手)がパフォーマンスや歌で盛り上げた

この日はゲストも登場!ラグビー芸人・しんやさん(写真左)、SW応援団の佐野よりこさん(鵜住居町出身、民謡歌手)がパフォーマンスや歌で盛り上げた

 
三陸鉄道を利用し来場した観戦客には、限定缶バッジや三鉄グッズなどをプレゼント

三陸鉄道を利用し来場した観戦客には、限定缶バッジや三鉄グッズなどをプレゼント

 
うのスタフードコーナーには70店以上が出店。にぎわいを見せた

うのスタフードコーナーには70店以上が出店。にぎわいを見せた

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スポーツで地域に元気を!功績と活躍たたえ表彰 釜石市民体育賞 さらなる飛躍を期待

各種スポーツで活躍した受賞者と釜石市体育協会関係者ら

各種スポーツで活躍した受賞者と釜石市体育協会関係者ら

 
 スポーツの全国大会や各種大会で優秀な成績を収めた選手や、普及に貢献した指導者らの功績をたたえる釜石市体育協会(小泉嘉明会長)の2025年度市民体育賞表彰状授与式が14日、同市大町の釜石ベイシティホテルで開かれた。20人、7団体が受賞し、出席者が賞状や盾などを受け取った。
 
釜石市内のホテルで開かれた市民体育賞表彰状授与式

釜石市内のホテルで開かれた市民体育賞表彰状授与式

 
 功労賞にはスポーツ振興や選手の育成に尽力した2人と1団体が選ばれた。ラグビーを通じた青少年・次世代の育成に力を注いでいる大畑勇さん(71)は「好きなラグビーを長くやってきただけ」と謙遜しながら、「釜石はラグビーのまちと言われているが、競技人口は少なくなっている。盛り上げる意味でも根っこの部分、小さいうちから競技に触れる機会、場を残し続けたい」と熱く語った。
 
功労賞を受けた大畑勇さん(右の写真)、釜石SWジュニアの及川勝加さん

功労賞を受けた大畑勇さん(右の写真)、釜石SWジュニアの及川勝加さん

 
 大畑さんが校長を務める釜石シーウェイブス(SW)ジュニアは本年度、創立50周年を迎えた。同時に体育賞を受賞し、うれしさは倍増。団体を代表し表彰を受けた、事務局長で指導員の及川勝加(かつのり)さん(58)と晴れやかな笑顔を重ねた。かつて日本選手権7連覇を遂げ「北の鉄人」と称された新日鉄釜石ラグビー部OBらが立ち上げたスクールの活動を脈々と継ぎ、改めて歴史の重みを実感。2人は「ジュニアの子どもたちが、(中学生対象の)アカデミー、高校と競技を続け、ラグビー選手としての活躍につながるよう指導し支えたい」と思いも重ね合わせた。
 
 奨励賞は、選手18人と6団体を選出。自転車競技のBMX(バイシクルモトクロス)で活躍する越野杏音さん(小佐野小5年)は「励みになる」とはにかんだ。JOCジュニアオリンピックカップBMXレーシングの女子11~12歳の部で優勝。全日本選手権でも2位に入るなどしており、オーストラリアで開催されるワールド大会への出場切符を持つ。今年10月には大船渡市で全日本選手権の開催が予定され、やる気は上昇中。「優勝する」と目の奥を光らせた。
 奨励賞の受賞を喜ぶ越野杏音さん(右)、同級生の住久悠仁さん

奨励賞の受賞を喜ぶ越野杏音さん(右)、同級生の住久悠仁さん

 
 岩手県内の各種相撲大会で優勝を重ねている住久悠仁さん(同)は「この場所(体育賞の表彰の場)に来れてうれしい」と素直に喜ぶ。相撲の魅力は「一対一の体のぶつかり合い」で、今年の目標は「わんぱく相撲盛岡場所での3連覇」と「全国大会ベスト8に入ること」。そして「またこの場所に来る」と力を込めた。
 
緊張した面持ちで式に臨む受賞者ら

緊張した面持ちで式に臨む受賞者ら

 
小泉嘉明会長から表彰状を受け取る受賞者

小泉嘉明会長から表彰状を受け取る受賞者

 
 受賞者を代表し、第42回岩手県小学生バレーボール育成大会女子の部で優勝した栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団の金野歩海主将(鵜住居小6年)が謝辞。この優勝が目標としていた全国大会出場につながり、「今までに経験したことのないレベルの場所だった。『全国で1勝』という目標は達成できなかったが、1番楽しい試合ができた」と感激を振り返った。「表彰は苦しい時も支え合い、必死に頑張ってきたみんなの努力の成果」と強調し、「素晴らしい賞をありがとうございます」と胸を張った。
 
受賞者を代表して金野歩海さん(左)が謝辞を述べた

受賞者を代表して金野歩海さん(左)が謝辞を述べた

 
 小泉会長は「皆さんは元気にはつらつと活動するスポーツを通して社会をつくっているのだと思う。練習をいっぱいして、物事を考えてさらに成長を。そして、これからも自分を磨きながら、スポーツの輪を広げてほしい」と激励した。
 
 
 大畑さん、釜石SWジュニア、越野さん、住久さん、栗林ラビーを除いた受賞者は次の通り。
 
■功労賞
▽バウンドテニス=長柴チヨさん(83)
■奨励賞
【個人】
▽卓球=安久津吉延さん(85)
▽レスリング=岩﨑大輔さん(39)、岩﨑花乃さん(鵜住居小4年)
▽空手道=藤原凪さん(鵜住居小5年)、川崎煌聖さん(釜石東中1年)、阿部汰星さん(双葉小2年)、柏統利さん(平田小2年)、照井陽己さん(同3年)、阿部希彩さん(双葉小5年)、木村有那さん(大平中1年)、照井心陽さん(同3年)、松坂優利さん(小佐野小1年)、藤元来珠さん(平田小3年)、髙橋愛里さん(釜石高3年)
▽相撲=荒屋和成さん(甲子中2年)
▽ボクシング=菊地瑠衣さん(釜石高3年)
【団体】
▽弓道=釜石弓道会
▽スポーツ雪合戦=ウル虎セブン
▽空手道=釜石高男子空手道部、同女子空手道部
▽ボクシング=釜石高ボクシング部

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釜石SW ホーム初戦の初勝利に歓喜 日野に36-14 激しいディフェンスで失点防ぐ

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は21日、今季2戦目を釜石鵜住居復興スタジアムで戦い、日野レッドドルフィンズ(昨季2部5位)に36-14(前半19-0)で快勝した。5季目を迎えるリーグワンで、釜石SWがホーム初戦を勝利で飾るのは初めて。今季就任したトウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)も「結果には大変満足している」と喜びを表し、選手らの“仕事ぶり”をたたえた。2試合を終え1勝1敗、勝ち点5で現在4位。次節は27日、福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわきで、九州電力キューデンヴォルテクス(昨季2部6位)と対戦する。
 
 気温22度超えの異例の暖かさの中で始まった試合。序盤からテンポのいい攻撃を見せる釜石は前半6分、ハーフウェイライン付近でボールを受けたフランカー、アンガス・フレッチャーが絶妙なステップとハンドオフで相手をかわし中央に独走トライ。SOミッチェル・ハントがきっちりゴールを決め先制した(7-0)。その後、スクラムで反則を取られるなどし、自陣での防御の時間が続いたが、攻撃の好機は逃さなかった。22分、敵陣22メートルライン内でのラインアウトから右に展開。フレッチャーの背面パスがバウンドし、後方でフォローしていたナンバー8サム・ヘンウッドに渡ると、勢いそのままにトライに持ち込んだ(ゴール成功、14-0)。
 
前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

 
この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

 
 この日の釜石はターンオーバーも光った。前半30分すぎ、釜石のキックボールをキャッチした日野の選手をWTB小野航大が背後から倒し、ヘンウッドがボールを奪取。SH南篤志から3人がつないだパスを受けたフルバック落和史は、右サイドのディフェンスの隙を狙いキックパスでボールを転がし、最後はWTB阿部竜二が拾って余裕のトライ。ハントのキックは惜しくもゴールポストに跳ね返されるが19-0。前半終了間際に自陣深く攻め込まれる場面もあったが、耐えて守り切った。
 
前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

 
前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

 
 後半は日野が最初のトライを決めた。釜石は相手ディフェンスラインが整う前にボールを出し、一気に展開する形を継続。18分には相手の反則からPGを選択し22-7。直後の19分には、ハーフウェイライン付近でCTBヘルダス・ファンデルヴォルトがインターセプト。そのまま、右サイドを突破し、チーム4本目のトライを決めた(ゴール成功、29-7)。後半もスクラムで苦戦する場面が多々あったものの、33分には敵陣5メートルラインでのラインアウトからモールを形成しインゴールへ。後半途中出場のフランカー髙橋泰地がねじ込み、ハントは難しい角度のゴールキックを決めて観客を沸かせた。試合終了間際に1トライを返されたが、36-14で待望のホーム勝利を成し遂げた。
 
後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

 
最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

 
 プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、前半のトライアシストのキックや前半終了間際の相手の攻撃を抑えたタックルなど、攻守の活躍が光った釜石のフルバック落和史選手に贈られた。
 
 試合後の会見。ケフHCは「セットプレーが良く、いいゲインラインを切れたことで、勢いが生まれていった。この一勝は自信につながる」とチームの今後に期待。課題は「ラインアウトとスクラム」とし、さらなる修正を誓った。フランカー河野良太主将はスクラムの反則を取られるなどうまくいかない場面にも、「常に次の仕事をしようと声がけしていた。ミスを引きずらず、全員が切り替えてプレーできたところが連続失点を防げた要因」と勝利のポイントを明かした。主将としての初白星に「チームを勝利に導くことができ、ほっとしている」と表情を緩める場面も。27日の第3節に向け、ミスや反則が起こった原因を究明し、「次も勝てるように準備したい」と気を引き締めた。
 
チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

 

国内通算キャリア50キャップ達成 チームの要 ナンバー8サム・ヘンウッド選手

 
国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

 
 試合後のピッチで駆け寄った2歳の愛娘を抱き上げ、満面の笑みを広げた釜石SWのナンバー8サム・ヘンウッド選手(34)。この日の試合で、国内キャリア通算50キャップを達成し、自身のラグビー人生の節目を本拠地釜石での勝利で飾った。
 
 ニュージーランド出身で在日6年目。スーパーラグビーを経て、2019-20シーズンにNECグリーンロケッツ(当時トップリーグ)に入団し、20年1月の宗像サニックス戦が初出場。同年7月、釜石SWに移籍した。ボールキャリーとフィジカリティを武器に、昨季はディフェンス突破で2部トップ5に入る活躍を見せた。今季も開幕2試合連続でスタメン出場し、強力な突破力でチームをけん引。この日もパワーあふれるプレーで観客を沸かせた。
 
の日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

この日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

 
 「50キャップの記念すべき日に勝てたのはうれしいこと」とヘンウッド選手。チームとしてフォーカスしてきたディフェンスがうまく機能した要因として「自分たちの力を信じる、フィジカルに行こうというマインドセットのスイッチオンが大半の選手でできていたからだと思う」と、相手に立ち向かう気持ちの強さを強調。「今日のようなディフェンスができれば次からの試合も勝てる。うちのアタックは絶対、得点できるようにできているので」と自信をのぞかせた。
 
釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

 
釜石高の生徒有志でつくる「夢団」メンバーは、今季もSWの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで東日本大震災の語り部活動を展開

釜石高の生徒有志でつくる「夢団」メンバーは、今季もSWの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで東日本大震災の語り部活動を展開

 
会場には本県沿岸市町村のご当地キャラクターが大集合。ハーフタイムには市内の園児らとラグビー体操を踊った

会場には本県沿岸市町村のご当地キャラクターが大集合。ハーフタイムには市内の園児らとラグビー体操を踊った

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釜石SW あす13日リーグ初戦 出陣式で選手ら士気高揚 ケフ新HC語る「再起力」に期待

選手45人が顔をそろえた日本製鉄釜石シーウェイブス2025-26シーズン出陣式

選手45人が顔をそろえた日本製鉄釜石シーウェイブス2025-26シーズン出陣式

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)はあす13日、今季リーグ戦の初戦、対清水建設江東ブルーシャークス戦に挑む。トウタイ・ケフ新ヘッドコーチ(HC)のもと初めて迎えるシーズン。チームはどんな戦いを見せるのか。6日に釜石PITで開かれた出陣式で、選手らは勝利への強い意気込みを示し、ファン、関係者と最後まで戦い抜くことを誓った。ホーム、釜石鵜住居復興スタジアムでの初戦は21日。日野レッドドルフィンズと対戦する。
 
 「ひたむきに、粘り強く。そして勝利を」。桜庭吉彦ゼネラルマネジャーの言葉で始まった出陣式。就任4カ月となるケフHCはチームの成長を示し、まずは開幕から3試合をしっかり勝つことを目標に掲げた。注目選手5人を紹介。フランカー髙橋泰地選手に「アグレッシブなロータックルが魅力。先発でもいい仕事をしてくれるはず」と期待を寄せると、3シーズン目となる髙橋選手は「覚悟を持ってチームのために体を張っていきたい」と意気込んだ。「ラインアウトコントロールで重要なポジション」と信頼されるロック、ベンジャミン・ニーニー選手は、サモア代表で2027年のワールドカップ(W杯)出場にも期待がかかる。「自分の役割をしっかり果たして、いいシーズンにしたい」とニーニー選手。
 
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トウタイ・ケフHCが注目選手として紹介したフランカー髙橋泰地選手(左)、ロック、ベンジャミン・ニーニー選手(右)

 
期待の若手、フッカー西林勇登選手(左)、CTB齋藤弘毅選手(中)、フルバック髙居海靖選手(右)

期待の若手、フッカー西林勇登選手(左)、CTB齋藤弘毅選手(中)、フルバック髙居海靖選手(右)

 
 成長著しい将来が楽しみな若手はフッカー西林勇登、CTB齋藤弘毅、フルバック髙居海靖の3選手。ケフHCは齋藤選手を「プレシーズンマッチでもすごくいい仕事をしてくれた。試合を学ぶということにハングリー。のびしろがまだまだある」と評価。今季新加入の齋藤選手は「1試合でも多く出てチームに貢献したい。釜石で自分がプレーしている姿を見せられるよう頑張る」と決意を示した。
 
 チームは昨季、8チーム中最下位(2勝12敗)、3部との入れ替え戦(2勝0敗)で2部残留を決めた。今季は8月から全体練習をスタート。河野良太新主将は「選手、スタッフ間のコミュニケーションが良く、選手一人一人もケフHCから求められるものを明確にし、いい練習ができている。個人スキルのレベルアップも図られている」と手応えを実感。昨季は「自分たちのミスで得点する機会を失ってしまうシーンが非常に多かった」。シーズンを戦っていく上で重要な試合となる開幕戦で、「80分間、自分たちのラグビーをやり続けるために準備してきたことをぶつけ、12月、3連勝して、いい流れでシーズンを戦い抜けるよう、全員で頑張っていきたい」とファンの前で誓った。
 
今季への意気込みを語るフランカー河野良太主将(前列中央)

今季への意気込みを語るフランカー河野良太主将(前列中央)

 
 今季の目標を「4位以上」とするチーム。ケフHCは震災から15年となるシーズンに、「苦しい状況から立ち上がってきた皆さんの前で、今度は私たちがラグビーで『再起力』を見せていきたい」とし、「タフで、ひたむきに泥臭く戦う。最後まで決してあきらめない」と強い意志を言葉に込めた。
 
就任後初のシーズンを楽しみにするトウタイ・ケフHC

就任後初のシーズンを楽しみにするトウタイ・ケフHC

 
今季のチームの活躍を願う釜石SWのファンら。開幕を心待ちにする

今季のチームの活躍を願う釜石SWのファンら。開幕を心待ちにする

 
 出陣式には約180人が参加。スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の高瀬賢二副所長(釜石地区代表)は「昨シーズンの悔しさをばねに、2部上位を目指して力強く前進していってほしい。“ラグビーのまち釜石”の誇りを胸に、応援してくださる皆さんに勇気と希望、感動を届けられるように全力で戦って」とエール。釜石応援団の土肥守副団長の先導で、全員で応援歌を歌って勝利を誓い合った。
 
日本製鉄北日本製鉄所の高瀬賢二副所長(壇上前列右)から激励の言葉を受け、気を引き締める選手ら

日本製鉄北日本製鉄所の高瀬賢二副所長(壇上前列右)から激励の言葉を受け、気を引き締める選手ら

 
SW釜石応援団第一応援歌を熱く歌い、選手を激励する土肥守副団長

SW釜石応援団第一応援歌を熱く歌い、選手を激励する土肥守副団長

 
客席の来場者も声を合わせ、選手にエールを送る

客席の来場者も声を合わせ、選手にエールを送る

 
 新日鉄釜石時代からのファンという大船渡市の男性(59)は「年々レベルは上がってきていると思う。ワンプレーの細かいミスや、けが人さえ出なければ十分に戦えるチーム」と今季の戦いに期待。「一戦必勝(笑)あるのみです!」と、一つ一つの試合を必ず勝ってみんなで笑おうとの思いを選手に送った。
 
「勝つぞー!」。共に戦う気持ちを合わせる出陣式の参加者

「勝つぞー!」。共に戦う気持ちを合わせる出陣式の参加者

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栗林ラビー 20年ぶり全国大会へ 団員ら「楽しんで自分たちのバレーを!先輩たちの分まで…」

第42回岩手県小学生バレーボール育成大会(エンジョイ!バレーボールフェスティバル2025県予選)で初優勝した「栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団」=11月9日、写真:父母会撮影

第42回岩手県小学生バレーボール育成大会(エンジョイ!バレーボールフェスティバル2025県予選)で初優勝した「栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団」=11月9日、写真:父母会撮影

 
 釜石市の栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団(団員31人)は、11月の「第42回岩手県小学生バレーボール育成大会」女子の部で初優勝。今月25~28日に京都府で開催される「エンジョイ!バレーボールフェスティバル2025」に本県代表として出場する。同団の全国大会進出は2005年以来20年ぶり。21年にも全国大会出場権を得る大会があったが、新型コロナウイルス禍で中止となったため、団にとって今回の喜びはひとしお。全国の舞台でも「大会を存分に楽しみ“ラビーの”バレーを!」と、練習にも熱がこもる。
 
 11月8、9の両日、奥州市で開かれた県育成大会女子の部には33チームが出場。3チームずつ11組の予選リーグで1位(2勝0敗)となった栗林ラビー(第2シード)は決勝トーナメントに進み、準々決勝の対下矢作・横田(陸前高田市)、準決勝の対矢巾女子(第3シード)、決勝の対高田東Jr(第4シード)戦をいずれも2-0で下し、同大会初優勝に輝いた。
 
決勝トーナメントは3戦とも2-0で勝利(写真:父母会撮影)

決勝トーナメントは3戦とも2-0で勝利(写真:父母会撮影)

 
チーム一の高身長、谷藤怜香さんのスパイクは圧巻(同)

チーム一の高身長、谷藤怜香さんのスパイクは圧巻(同)

 
 藤原明広監督(66)によると、現チームの強みは「拾ってつなぐ」バレー。中高の強豪チームの練習法などを研究し、強化を重ねてきた。攻撃の要は6年の谷藤怜香さん(小佐野小)、藤原朱莉さん(鵜住居小)の両エース。谷藤さんは県内小学生の中でもトップレベルの実力を誇り、藤原さんはブロックと速攻で、ここ1年急成長を見せる。先の県大会でも「つなぎはトップ。サーブも良く、ミスが少なかったのが勝因」と藤原監督。
 
練習を工夫し、レシーブやフォローの技術を磨いてきた栗林ラビー。「床にボールを落とすまい」と必死に食らいつく

練習を工夫し、レシーブやフォローの技術を磨いてきた栗林ラビー。「床にボールを落とすまい」と必死に食らいつく

 
全国大会まで1カ月となった11月24日、団員らはさらなるレベルアップを目指し、練習に励んだ=栗林小体育館

全国大会まで1カ月となった11月24日、団員らはさらなるレベルアップを目指し、練習に励んだ=栗林小体育館

 
 初の県制覇にエースの藤原さんは「全員で頑張って練習してきたことが成果となって表れた」と評価。自身が競技を始めたのは3年生から。約160センチの高身長、磨きをかける跳躍力を武器に、谷藤さんと切磋琢磨しながらチームの攻撃力を高める。全国大会に向け、「スパイカーとセッターのコンビネーションをもっと良くして、相手ブロックをかわすような攻撃ができれば。頭を使って動きたい」と意気込む。
 
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“2枚エース”の一人、藤原朱莉さんは高身長+腕の長さを生かした攻撃が持ち味。ブロック力も抜群

 
 主力の6年生は5人。藤原監督が「オールラウンダー」と、攻守で信頼を寄せる一人が四宮香蓮さん(小佐野小)。競技を始めたのは昨年からだが、「運動能力が高く、どのポジションでもいける(藤原監督)」という。得点源となるサーブも強み。初の全国の舞台、さらには小学生最後となる大会を「積極的に声を出し、試合を楽しみたい」と心待ちにする。
 
昨年からバレーを始めた四宮香蓮さん。どのポジションもこなせる頼りになる存在

昨年からバレーを始めた四宮香蓮さん。どのポジションもこなせる頼りになる存在

 
 同団の県制覇は2021年以来。同年は3大会で優勝したが、コロナ禍で全国、東北大会共に中止となり、先輩団員らは非常に悔しい思いをした。現団員の中には当時の主力メンバーの“妹団員”が3人在籍。その一人、山﨑良菜さん(釜石小5年)は姉新菜さんの思いを受け継ぎ、1年から同団で活動。監督の勧めで4年からセッターを務める。司令塔としての状況判断に面白みを感じていて、「全国の強いチームにも『負けないぞ』という気持ちで臨みたい」と気合十分。県外の強豪校に進んだ姉も“春高バレー”での全国大会出場が決まっていて、家族はダブルの喜びに包まれる。
 
姉の背中を追ってバレーを始めた山﨑良菜さん。セッターとして攻撃のバリエーションを広げる

姉の背中を追ってバレーを始めた山﨑良菜さん。セッターとして攻撃のバリエーションを広げる

 
 練習中も自ら指示を出し、チームをまとめるのは、主将の金野歩海さん(鵜住居小6年)。姉涼葉さんは三冠を果たした21年時の主将で、「姉の分も…」と全国大会出場への思いは人一倍強かった。昨年の育成大会後、「監督を全国に連れて行く」と全員で誓った。決意表明から1年―。努力を重ねたメンバーは見事、約束を果たした。
 
20年以上にわたり栗林ラビーを率いる藤原明広監督は「スポーツの楽しさを伝えたい」と子どもたちを熱心に指導。現団員らと臨む全国大会を楽しみにする

20年以上にわたり栗林ラビーを率いる藤原明広監督は「スポーツの楽しさを伝えたい」と子どもたちを熱心に指導。現団員らと臨む全国大会を楽しみにする

 
 金野さんにチームの強みを尋ねると意外な言葉が返ってきた。「一番意識しているのは整理整頓。物を雑に扱わない。チーム外の人にもきちんとあいさつをする」。こうした普段の心がけがプレーにも反映されているという。団員、指導者、保護者が一丸となった取り組み姿勢も自負。「ラビー全員のチームワークが岩手で一番だと思う」と誇りを示す。周りを元気にするムードメーカーとしての役割も自覚しつつ、「笛が鳴るまでは絶対にボールを落とさない。最後まであきらめず必死に戦う」と固い決意ものぞかせる。
 
メンバーに声がけしながらチームを盛り上げる主将の金野歩海さん。試合中に足りなかった笑顔と元気を増やそうと、この1年頑張ってきた

メンバーに声がけしながらチームを盛り上げる主将の金野歩海さん。試合中に足りなかった笑顔と元気を増やそうと、この1年頑張ってきた

 
団員の保護者は普段の練習から全面協力。子どもたちと一緒に体を動かし、練習を支える

団員の保護者は普段の練習から全面協力。子どもたちと一緒に体を動かし、練習を支える

 
さまざまな練習メニューを取り入れ、レベルアップにつなげる

さまざまな練習メニューを取り入れ、レベルアップにつなげる

 
 同団は1983年結成。当初は栗林小児童主体のチームだったが、後に広域化を進め、現在は釜石・大槌地区のほか山田町や宮古市からも団員が集う。団員数31人は過去最多。上級生の活躍は下級生のやる気向上にもつながっている。全国大会まで残り20日。藤原監督は「今の精度をさらに上げ、1試合でも多く勝ちたい。現在は所属児童がいない栗林の人たちも応援してくれている。少しでもいい成績を出して恩返ししたい」と言葉に力を込める。
 
全国大会でも「ラビーのバレーを!」。全力で戦うことを誓い合う主要メンバー

全国大会でも「ラビーのバレーを!」。全力で戦うことを誓い合う主要メンバー

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“ラグビーのまち”を体感 釜石の小学生 タグラグビー大会で躍動 SW選手もコーチでアシスト

7回目を迎えた釜石東ロータリーカップ釜石市小学校対抗タグラグビー大会

7回目を迎えた釜石東ロータリーカップ釜石市小学校対抗タグラグビー大会

 
 釜石東ロータリーカップ「釜石市小学校対抗タグラグビー大会」(釜石ラグビー応援団主催)は16日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)2019釜石開催の機運醸成を―と2017年から始められた大会は7回目を迎えた。市内5校と釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから約120人が参加。日本製鉄釜石SWの選手23人がアシスタントコーチとしてチームをサポートし、“熱い”戦いと“温かい”交流にたくさんの笑顔が弾けた。
 
 開会式で中田義仁大会長(釜石ラグビー応援団団長)は「釜石ラグビーには皆さんを成長させてくれる大きな力がある。ラグビーW杯が行われたこの素晴らしい芝生の上で、他校の仲間とも友情を深めてほしい」とあいさつ。釜石SWの河野良太主将は「練習の成果を全て出し切れるように頑張って。選手もサポートするので一緒に楽しもう」と呼びかけた。
 
釜石SW選手がサポートする14チームが勢ぞろい。選手宣誓(右上)は小佐野バーバリアンズの野田大耀主将

釜石SW選手がサポートする14チームが勢ぞろい。選手宣誓(右上)は小佐野バーバリアンズの野田大耀主将

 
 参加14チームが3ブロックに分かれて予選リーグを行った後、上位8チームによる決勝トーナメントで優勝を競い合った。1チームは4~6年生の男女5人で編成。選手の入れ替えは自由で、登録選手全員が出場するのがルール。予選リーグは1試合7分、決勝トーナメントは前後半5分ずつで行われた。各ブロックの下位チームもフレンドリーマッチで交流を重ねた。
 
平田ブルースターの選手のタグを取り高く掲げる鵜住居エタニティーズの選手(予選Aブロック)

平田ブルースターの選手のタグを取り高く掲げる鵜住居エタニティーズの選手(予選Aブロック)

 
釜小タグラグビー戦隊クックルンAの攻撃を止めようとタグに手を伸ばす鵜住居ゴリラーズ(予選Bブロック)

釜小タグラグビー戦隊クックルンAの攻撃を止めようとタグに手を伸ばす鵜住居ゴリラーズ(予選Bブロック)

 
3年生以下の子どもたちはSW選手とタグやボールを使った遊びを楽しんだ

3年生以下の子どもたちはSW選手とタグやボールを使った遊びを楽しんだ

 
 平田小からは3チームが参加した。4年生5人でチームを結成した猪又葵央斗さんは「みんなの心がつながって決勝トーナメントまでいけた」と初の大会に手応えを感じた様子。普段はミニバス少年団で活動。球技にはなじみはあるが、「ラグビーはボールを後ろに投げるのが大きく違うところ。タグを取るのが面白く、取れた時は『よっしゃー!』って感じ」と心を躍らせる。同級生と「来年も絶対出る」と声を合わせ、「2位ぐらいまではいきたい」と目標を掲げた。
 
平田ファイヤーズvs小佐野バーバリアンズブルー(予選Cブロック)。平田の4年生が小佐野の5年生に挑んだ

平田ファイヤーズvs小佐野バーバリアンズブルー(予選Cブロック)。平田の4年生が小佐野の5年生に挑んだ

 
 今大会では各チームにSW選手が1人ずつアシスタントコーチに就いた。試合の合間には一緒にパス練習をしたり、戦略を話し合うメンバーにアドバイスを送ったり…。試合中は応援にも熱が入り、トライまで持ち込むと両手を挙げて喜びを分かち合った。川上剛右選手(31、WTB)は釜石小のチームをサポート。「学校の仲間と協力しながら(タグ)ラグビーに触れ合う姿がとても新鮮で、釜石ならでは」と感激。(ラグビーの)才能を感じる児童も何人かいて、「SWジュニアへの入団に興味をもってくれた子もいた。この中から将来、SWで活躍する選手が出てくれたらうれしいですね」と顔をほころばせた。
 
SWの村田オスカロイド選手のアドバイスを受けながらパス練習する小佐野小生

SWの村田オスカロイド選手のアドバイスを受けながらパス練習する小佐野小生

 
試合の合間にはSW選手と記念撮影も! たくさんの思い出を作った

試合の合間にはSW選手と記念撮影も! たくさんの思い出を作った

 
本物ラグビーさながらのダイビングプレーも!

本物ラグビーさながらのダイビングプレーも!

 
子どもたちの頑張りにSW選手や釜石東ロータリークラブ会員の応援も白熱

子どもたちの頑張りにSW選手や釜石東ロータリークラブ会員の応援も白熱

 
 注目の決勝は小佐野バーバリアンズ(6年)と平田ゴブリンズ(5、6年)が対戦し、7-1で小佐野が勝利。大会2連覇を果たした。小佐野バーバリアンズの野田大耀主将は「連覇でき、とてもうれしい。たくさん声をかけ合って、負けても崩れない明るさがチームの持ち味」と自負。重点的に練習したアタックも「作戦がうまくいった。後輩たちにも3連覇に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。
 
決勝トーナメント1回戦 釜小タグラグビー戦隊クックルンAvs平田ゴブリンズ

決勝トーナメント1回戦 釜小タグラグビー戦隊クックルンAvs平田ゴブリンズ

 
トーナメント決勝は小佐野バーバリアンズと平田ゴブリンズが対戦。7-1で小佐野が優勝を飾った

トーナメント決勝は小佐野バーバリアンズと平田ゴブリンズが対戦。7-1で小佐野が優勝を飾った

 
 小佐野小の菅原祥太教諭(29)は「いつも仲良く練習していた。作戦も自分たちで組み立て、ポジティブな声がけが多い素敵なチーム」と児童らの取り組み姿勢をたたえた。今大会最多の4チームが参加した同校。タグラグビーの活動は年間を通して行っていて、各種大会に出場している。合言葉は「良きプレーヤーは良き生活者」。日常生活の態度がプレーに直結することを表した言葉で、児童らは肝に銘じて実践。競技力向上につなげているという。次の目標は12月14日のSMBCカップ全国小学生タグラグビー大会県予選(奥州市)。昨年、準決勝で敗れた悔しさをばねにさらなる高みを目指す。
 
小佐野小の4チーム。前列が優勝したチームのメンバー。6年女子で結成したバーバリアンズレッドは同ブルー(5年)と対戦し、5-4で勝利し3位入賞

小佐野小の4チーム。前列が優勝したチームのメンバー。6年女子で結成したバーバリアンズレッドは同ブルー(5年)と対戦し、5-4で勝利し3位入賞

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元プロ選手の指導に目キラキラ! 釜石で野球教室 4市町のスポ少団員レベルアップへ気合十分

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釜石リアスライオンズクラブなど5クラブが開いた野球教室=8日、平田公園野球場

 
 元プロ野球選手がスポ少団員を指導する野球教室が8日、釜石市の平田公園野球場で開かれた。釜石リアスライオンズクラブ(LC、大澤賢一会長、会員20人)が青少年健全育成事業として初めて企画。釜石、遠野、大槌、陸中山田4LCが共催した。講師として招かれたのは現役時代、読売ジャイアンツ(巨人)や横浜DeNAベイスターズに所属し、現在はジャイアンツアカデミーコーチを務める東野峻さん(39)と大田泰示さん(35)。4市町から6チーム計80人が参加し、憧れのプロ経験者からの指導を受けた。
 
講師として招かれたジャイアンツアカデミーコーチの東野峻さん(左)と大田泰示さん

講師として招かれたジャイアンツアカデミーコーチの東野峻さん(左)と大田泰示さん

 
 教室は午前と午後の2時間ずつ行われ、午後からは釜石野球団Jrとおおつちタイガース(大槌町)の計35人が参加した。教室は投球、捕球、打撃の3本立て。2人は各フォームの良い例と悪い例を示して、どれが正解かを団員らに問いかけながら、正しい姿勢を保つために意識すべきポイント、練習方法などを教えた。3球団で投手として活躍した東野さんは、肘のけがを防ぐためのボールの投げ方を指導。「トップの形をつくる時は肩の位置より肘が高くなるように。ボールは外側に向けて。肘が下がるとけがをしやすくなる」とし、意識しながらのキャッチボールを促した。
 
投球フォームを学び、実践してみる釜石野球団Jrの団員

投球フォームを学び、実践してみる釜石野球団Jrの団員

 
トップの形を意識しながらキャッチボールに励むおおつちタイガースの団員

トップの形を意識しながらキャッチボールに励むおおつちタイガースの団員

 
 大田さんはゴロの捕球について、「グローブは必ずボールの真正面に出して。送球に移る時はグローブの真下に右足を出してステップ」と教えた。団員らは捕って投げる一連の動作を繰り返し練習。大田さんと東野さんが足の開き具合や体の向き、ステップの良し悪しをチェックした。来季の巨人二軍打撃コーチ就任が発表されたばかりの大田さんはバッティングも指導。構え→テイクバック(力をためる予備動作)→トップと動作の流れを示し、弓矢をたとえに「手の位置が後ろにあるほうがいい。トップの形を大きく取って大きく振って」と呼びかけた。素振りの練習の一つとして、歩きながらスイングする方法を紹介。「1、2、3」の掛け声に合わせ、団員らが実践した。「練習から相手ピッチャーをしっかりイメージし、タイミングを取って振ることが大事」と大田さん。
 
大田さん(左)から捕球の仕方を学ぶ。基礎習得の重要性も伝えられた

大田さん(左)から捕球の仕方を学ぶ。基礎習得の重要性も伝えられた

 
大田さんと東野さんが見守る中、捕球の実践練習。コツをつかむと動作もスムーズに

大田さんと東野さんが見守る中、捕球の実践練習。コツをつかむと動作もスムーズに

 
スムーズな体重移動など打撃力向上に有効なトレーニング「ウオーキングスイング」に挑戦

スムーズな体重移動など打撃力向上に有効なトレーニング「ウオーキングスイング」に挑戦

 
 2人の特別講師の話に熱心に耳を傾けた団員ら。短時間の指導ながら、コツをつかんで改善につなげる子も多く、今後の成長への期待が高まる貴重な時間となった。釜石野球団Jrに所属する佐々木耀太さん(鵜住居小5年)は「分かりやすく教えてもらった。守備の基礎練習で、今までできていなかったところも改善できた」と満足げ。「歩きながら素振りをするとか、家でもできる練習を教わったのでやってみたい」と上達への意欲を見せ、「野球は長く続けたい」と願った。
 
 同団Jrコーチの阿部駿さん(32)も2人の教え方に感動。「子どもたちを引き付ける力がすごい。まとめるのもうまい」と、指導者目線でも多くの学びがあったよう。野球人口が減っている中でも「まずは楽しく。野球の楽しさを感じながら、どんどん打ち込んでいってほしい」と期待を寄せた。
 
「うまくなりたい」と熱心に練習する団員。元プロ選手からの学びは大きな糧に…

「うまくなりたい」と熱心に練習する団員。元プロ選手からの学びは大きな糧に…

 
 閉会式で、父母ら家族や一緒にプレーする仲間への感謝の気持ちを持つことの大切さを説いた2人。「プロ野球選手になりたい人!」との問いには複数の団員が手を挙げた。同地域からは30年ぐらいプロ野球選手が出ていない。東野さんは「震災があったことも忘れずに、誰よりも努力してプロ選手を目指してほしい」。大田さんは「プロ野球に憧れを持ってほしい。ドラフトにかかるような選手が1人でも多く輩出されることを願う」とし、野球選手の輩出がまち自体の活力を生むことも示した。
 
大田さんのバッティングを見学。その飛距離に驚きの声を上げた

大田さんのバッティングを見学。その飛距離に驚きの声を上げた

 
希望者は東野さんからトスされたボールを打ってみた

希望者は東野さんからトスされたボールを打ってみた

 
 釜石リアスLCの大澤会長(45)は紫波町出身。2001~17年度まで、母校の不来方高(当時)で野球部のコーチをしていた。その間、11年度から3年間、同部のマネジャーをしていたのが本年度、釜石市地域おこし協力隊に着任した佐々川有妃さん(日本製鉄釜石シーウェイブス広報担当)。2人の釜石での再会が今回の野球教室実現のきっかけとなった。LCの奉仕活動として「未来ある子どもたちに何かできれば」と考えていた大澤会長に、前職でDeNAの二軍場内アナウンスをしていた佐々川さんが東野さんを紹介し、同クラブ初の企画に至った。
 
 大澤会長は「子どもたちがキラキラした目で教わっていたのが印象的。指導者からも感謝の声をいただき、やって良かった」と肩の荷を下ろした。野球指導の経験者の立場から「野球を選んでくれた子たちが高校までやってくれるようなきっかけを作ってあげたい」とも話し、今後、教室の継続開催への道も探っていきたい考えだ。

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刺激届ける!ENEOSバスケクリニック 釜石・小佐野ミニバス「苦手、克服するぞ」

釜石市民体育館で開かれたENEOSバスケクリニック

釜石市民体育館で開かれたENEOSバスケクリニック

 
 釜石市鵜住居町の市民体育館で4日、女子バスケットボールWリーグのENEOSサンフラワーズの元選手らによる教室「ENEOSバスケットボールクリニック」があった。市内で競技に熱中する小佐野ミニバスケットボールスポーツ少年団(菊池亮太監督)のメンバー約40人が参加。一流の技に触れながら、夢中になって練習した。
 
 この教室は、ENEOSが社会貢献活動の一環として全国各地で開いており、競技の普及や次世代選手の育成などを目的にする。1995年に始まり、年間50~60カ所で実施。今回は、小佐野ミニバスのコーチ小林光宏さん(36)が応募サイトを目にし、申し込み実現した。
 
 特別コーチとして来釜したのは、アトランタ・アテネ五輪に出場した大山妙子さん、アテネ五輪出場の矢野良子さん、Wリーグ優勝などの経験を持つ小池清美さんの3人。大山さんが「体をしっかり動かし、分からないことは聞いて。いろんな練習を楽しんでやろう」と子どもらに声をかけ、ウォームアップで体全体をほぐすことから始めた。
 
手を振り上げると同時に床を蹴って足を上げ全身運動

手を振り上げると同時に床を蹴って足を上げ全身運動

 
 「ボールを持ったら低い姿勢で」「パスは相手の動きに合わせて」「走っている人のスピードが変わらないよう動きをイメージしてパスを出す」「パスをしてから動くんじゃない。しながら動き出す」。小佐野の課題、「パスをした後の動きが身に付いていない」と事前に聞いていた3人は“パスラン”(パスした後にゴールへ向かって走り込む)に特化した練習メニューを用意し、足の使い方や目線など小学生にも分かりやすいよう解説を加えながら教えた。
 
「重心は低いまま」。実演しながら教える大山妙子さん(手前)

「重心は低いまま」。実演しながら教える大山妙子さん(手前)

 
パスをしながら動き出す。体を押して感覚を伝える小池清美さん

パスをしながら動き出す。体を押して感覚を伝える小池清美さん

 
子どもたちの動きを見ながらアドバイスする矢野良子さん

子どもたちの動きを見ながらアドバイスする矢野良子さん

 
 数人でのパスランを何度も繰り返し練習。女子主将の外川凜々香さん(12)は「パスしながら動くとシュートにつながる。パスランは大事だと改めて感じた」とうなずいた。スムーズな動きの感覚をつかんだ様子で、「褒められたからうれしかった。言われたことを伝え合って、みんなで高め合いたい」と笑顔を見せた。
 
 男子主将の那須友馬さん(12)は、特別コーチ3人の動きの素早さに目を丸くし「すごかった」と感心。普段とは違った練習メニューは刺激になったようで、「声を出したりして、ミート(自分からボールを受けに行ったり、パスをもらいやすい場所に移動したりすること)すると、シュートにつながる。低学年に教えてレベルを高めたい」と気合を入れた。
 
小学生にも分かりやすいように解説しながら丁寧に指導

小学生にも分かりやすいように解説しながら丁寧に指導

 
 終了後には記念撮影やサイン会も行われた。矢野さんはパスランやドリブルといった基本や日々の練習の大切さを伝え、「嫌になることがあるかもしれないが続けて。身に付けば、とても楽しくなるから」と助言した。
 
 練習中は指導に集中していた大山さんは、子どもたちが楽しみながら取り組む様子に「笑顔がたくさん。ほっとした」と表情をやわらげた。釜石への来訪は2017年に同教室を隣町の大槌町で行って以来。東日本大震災から復興しつつある当時の街並みを思い出したようで、スポーツに取り組める環境が整ったことを喜ぶ。「必要なことを持ち帰って、しっかり練習してほしい。チームが勝てば、頑張れる」とエールを送った。
 
笑顔でパチリ。小佐野ミニバスのメンバー、特別コーチ陣

笑顔でパチリ。小佐野ミニバスのメンバー、特別コーチ陣

 
子どもたちは指導やサインの感謝を伝えながら交流を楽しんだ

子どもたちは指導やサインの感謝を伝えながら交流を楽しんだ

 
 今月下旬にミニバス地区予選がある。男子は4チームが出場予定で、小佐野が目指すのは「優勝」。来年1月にある県大会への出場切符を手にすべく、那須さんは「いろんな練習をしっかりして、力を発揮できるようにする」と意気込む。女子は3チームで競う。夏の大会で女子は県大会に出場し1勝した。外川さんは控えめに「今度は県大会で2勝したい」と話しつつ、最終目標は「ベスト8」と定めた。
 
みんなでレベルアップを!意識を高め練習に励む

みんなでレベルアップを!意識を高め練習に励む

 
 「子どもたちの刺激になれば」と見守った小林さん。3人の指導は「シンプルで、当たり前なこと」だが、子どもらがいつも以上に集中し静かに話を聞こうとする姿勢が見られ、うれしく感じた。チーム外から「弱点を指摘され、意識した」と確信。充実した学びの機会を得た子どもらの成長に期待していた。