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釜石SW今季ホーム初勝利 大阪に35-24 観客歓喜 リーグ後半戦の巻き返しに弾み

リーグワン2部第7

リーグワン2部第7節 日本製鉄釜石シーウェイブス(赤)-レッドハリケーンズ大阪=8日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は8日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた第7節の試合でレッドハリケーンズ大阪を35-24(前半14-12)で下し、今季ホーム戦初勝利を挙げた。東日本大震災復興祈念の無料招待試合で選手らはあきらめずに立ち上がる姿を体現し、4426人の観客を魅了。釜石は2勝5敗、勝ち点10で最下位を脱し、7位に浮上した。次節は15日、盛岡市のいわぎんスタジアムで2度目の日野レッドドルフィンズ戦に臨む。
 
 前節まで2位の大阪に挑んだ釜石。前半は2選手がイエローカードで一時退場となる苦しい展開ながら、“3.11”を前にした特別な試合に選手たちの気迫がみなぎった。大阪に先制されるも、13分にナンバー8サム・ヘンウッドが同点のトライ(ゴール成功)。一時13人となった時間帯も我慢のディフェンスで乗り越えた。25分には、けがから復帰し第3節以来の出場となった本県紫波町出身のWTB阿部竜二が今季初トライ。SOミッチェル・ハントはきつい角度のゴールキックを決め14-12と逆転した。残り10分は自陣ゴールラインぎりぎりまで攻め込まれるが、守り切り折り返した。
 
前半13分、ナンバー8サム・ヘンウッドがハーフウェイライン付近から抜け出し、この日初トライ

前半13分、ナンバー8サム・ヘンウッドがハーフウェイライン付近から抜け出し、この日初トライ

 
前半25分、第3節以来の出場となったWTB阿部竜二が今季初トライ。ゴールも決まって14-12と逆転

前半25分、第3節以来の出場となったWTB阿部竜二が今季初トライ。ゴールも決まって14-12と逆転

 
 後半の立ち上がりも上々。WTB阿部は持ち前のスピードで2分、7分と連続トライ。11分には宮城県気仙沼市出身の主将SH村上陽平がきっちり決め、35-12と突き放した。30分以降、大阪に2トライを返されたが35-24、11点差で今季2勝目。阿部、村上2人の東北人が「必ず勝つ」との強い気持ちでチームを引っ張り、4試合ぶりの勝利をおさめた。
 
後半7分、相手の意表をつき抜け出たCTB村田オスカロイドからボールを受け、阿部が3本目のトライ

後半7分、相手の意表をつき抜け出たCTB村田オスカロイドからボールを受け、阿部が3本目のトライ

 
後半11分、SH村上陽平は村田のオフロードパスを受けトライに持ち込んだ

後半11分、SH村上陽平は村田のオフロードパスを受けトライに持ち込んだ

 
SOミッチェル・ハント(左)は5本のゴールキックを全て決め10得点

SOミッチェル・ハント(左)は5本のゴールキックを全て決め10得点

 
 東京都から駆け付けたSWファン松元直樹さん(52)は「これまで気合いが空回りしちゃう部分もあったが、今日は意気込み通りの試合展開。この勝利で今季の戦いもまた変わってくるのではないか。2部は混戦状態。まだまだ挽回のチャンスはある」と期待。「力はある。自分を信じて頑張って」とチームの背中を押した。
 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「首位争いのチームに勝てたことは自信につながる。ラインアウトは改善されてきたが、セットプレーの獲得率はまだ低い。重要な局面でボールを失うと勢いをなくす」とさらなる改善を見据えた。村上主将は「一人一人があきらめずにカバーに走ったり、ディフェンスし続けられたことが大きな勝因」と分析。ブレイクダウンでのターンオーバーなど、相手に終始プレッシャーを与えたことも評価に挙げた。何度も沸き起こった“釜石”コールの大声援が「力になり、ありがたかった」。3月は4連戦。「この試合のハードワークをスタンダードに」と後半戦に挑む。
 
須田HCが「テンポを上げるという部分でも非常によくできていた」と話すラインアウト

須田HCが「テンポを上げるという部分でも非常によくできていた」と話すラインアウト

 
釜石SWの今季ホーム戦初勝利に沸くスタンド。ファンらが喜びを爆発させた

釜石SWの今季ホーム戦初勝利に沸くスタンド。ファンらが喜びを爆発させた

 
 試合会場では、隣町の大船渡市で発生した大規模山林火災の義援金を募る募金活動が行われた。釜石SWの選手らが募金箱を手に入場ゲートに立ち、来場者に協力を呼び掛けた。会場近くの市民体育館は2月27日から新潟、茨城、栃木3県の緊急消防援助隊の拠点となり、周辺には多数の消防車両が待機。来場者は一刻も早い鎮火と被災者の生活再建を願い、気持ちを寄せた。
 
釜石SWの選手らが協力を呼び掛けた大船渡市山林火災義援金の募金活動

釜石SWの選手らが協力を呼び掛けた大船渡市山林火災義援金の募金活動

 
スタジアム近くには消防車両も(写真左)。会場を訪れた多くの人たちが善意を寄せた

スタジアム近くには消防車両も(写真左)。会場を訪れた多くの人たちが善意を寄せた

 

試合を盛り上げる企画も多彩に トーク、記念写真、応援フラッグ、震災伝承 釜石に思い寄せ

 
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車いすラグビー日本代表、橋本勝也さん(福島県出身)のトークショー

 
 試合前には、昨年のパリパラリンピック車いすラグビーで金メダルを獲得した日本代表選手、橋本勝也さん(22、福島県出身)のトークショーが行われた。来場者に同競技のタックルなどを体感してもらう体験会も開かれ、幅広い年代が楽しんだ。
 
 橋本さんは中学2年から競技を始め、わずか2年で日本代表入り。チーム最年少16歳で、世界選手権優勝を経験した。相手を一気に抜き去るスピードを生かした得点力が持ち味。昨年のパリパラ大会では中心メンバーとして活躍し、日本優勝に大きく貢献した。トークでは丸形のボールや専用車いすを見せながら、競技の特徴を紹介。銅メダルで悔しい思いをした東京大会からパリ大会までの道のりを明かした。パリ準決勝で世界ランク1位のオーストラリアを延長戦の末に破ったことを最大の成果に挙げ、「チーム、個人でも東京大会からの成長を見せることができ、大きな自信になった」と振り返った。
 
来場者は車いすラグビーに興味を示しながら耳を傾けた。トークの前には橋本選手のタックルを受けられる体験会も(写真下)

来場者は車いすラグビーに興味を示しながら耳を傾けた。トークの前には橋本選手のタックルを受けられる体験会も(写真下)

 
 橋本さんは地元福島を拠点とするクラブチームに所属。「東北にパラスポーツの文化を根付かせたい」と体験会やSNSを通じた発信に積極的に取り組む。震災復興への思いも強く、「復興の意味合いは人それぞれ。コミュニケーションを取りながら、僕たちにしかできない活動で勇気を与えられたら」と願った。
 
昨季まで釜石SWでプレーした束田涼太さん(左)が写真撮影した来場記念フォトスポット

昨季まで釜石SWでプレーした束田涼太さん(左)が写真撮影した来場記念フォトスポット

 
 「お世話になった釜石に恩返しを―」。昨シーズンで釜石SWを退団、現役を引退した束田涼太さん(28、東京都出身)は、釜石鵜住居復興スタジアム(うのスタ)来場記念のフォトスポットを開き、自ら撮影した写真を来場者にプレゼントした。
 
 束田さんは2020年にSWに入団。釜石市役所に勤務しながら、プロップとして4年間プレーした。退団後、第2の人生に選んだ職業はカメラマン。学校の卒業記念アルバムや教育支援事業を手掛ける、学校写真(本社・東京都)に勤務する。「写真に興味はあったが、本格的に始めたのは会社に入ってから」。大好きな釜石を盛り上げたいと、職場の協力を得て今回の企画を実現させた。
 
 釜石ではうのスタの運営管理やラグビー教室で、子どもたちとの交流も多かった。「今、カメラという別の視点で子どもたちと触れ合うことができ、毎日が充実している」と束田さん。フォトスポットには約200組が訪れ、束田さん撮影の写真のプレゼントに笑顔を広げた。束田さんはSWの勝利にも大喜び。「これだけの観客の中でいい勝ち方ができ、選手たちがうらやましい。ラグビーが恋しくなりました」と笑った。
 
釜石SWとコラボした応援ミニフラッグを来場者に手渡す文京学院大の学生ら

釜石SWとコラボした応援ミニフラッグを来場者に手渡す文京学院大の学生ら

 
 文京学院大(東京都)は産学連携プロジェクトで、釜石SWとのコラボレーション応援ミニフラッグを6千本製作。来場者に無料配布した。「ブレーメンズ」という東日本大震災復興支援プロジェクトを立ち上げ、学生が被災地での活動を続ける同学。釜石では津波で被災した根浜地区での活動を機に、逆境に負けず立ち上がり続ける姿を重ねたキャラクター「ねば~だるま」を制作。うのスタが会場になった2019年のラグビーワールドカップ(W杯)で同キャラのうちわを配布した。
 
 応援フラッグはSWのチームカラー赤を基調とし、チームロゴとラグビーボールを手にしたねば~だるまなど3体を配置。釜石ラグビーの象徴、フライキ(大漁旗)をイメージして作り上げた。会場で直接手渡した4年の三宅快道さん、荒賀弓絃さん(ともに22)は「チームと来場者の心がつながり、士気も高められるような一体感にこだわった。客席でみんなが振ってくれているのを見て感動した」と口をそろえ、「SWは釜石復興のシンボル。スポーツの力を感じる」と実感を込めた。
 
釜石高「夢団」メンバーによる震災伝承、防災啓発の語り部活動。生徒それぞれが伝えたいことを自分の言葉で…

釜石高「夢団」メンバーによる震災伝承、防災啓発の語り部活動。生徒それぞれが伝えたいことを自分の言葉で…

 
 スタジアム内に建つ震災祈念碑「あなたも逃げて」の前では、釜石高の生徒有志で結成する「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」が、震災の経験や教訓を伝える語り部活動を行った。夢団の震災伝承、防災活動は19年のラグビーW杯を機に始まり、語り部はSWのホーム戦恒例となっている。
 
 この日が語り部デビューとなった1年の森真心(こころ)さんは震災当時2歳。鮮明な記憶はない。中学生のころ、母方の祖父が津波で亡くなったことを知り、衝撃を受けた。想像しづらい出来事ながら、リアルな現実に触れ、当事者意識を持つようになった。「年月が経過した今だからこそ、震災と向き合い、自分の言葉で少しでも多くの人に伝えていかねば」。自身の気持ちの変化と語り継ぐ大切さを示した森さん。「自然は時に人間があらがえないほどの力を持つ。防災意識を高め、震災の教訓を決して忘れてはいけない―」。亡くなった祖父が住んでいた鵜住居の地で言葉に力を込める。
 
 震災から14年。森さんは「事実をきちんと受け止め、これ以上、犠牲者を増やさないことが大事。自然にはあらがえない。私たちの意識を変えていくしかない」と話し、語り部の話を聞くことが意識変化のきっかけになるよう願う。

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輝かしい伝統「釜石高陸上競技部」 OB・OG会が現役部員と交流 後輩支援で沿岸の雄再び

交流会に参加した釜石高陸上競技部のOBと現役部員ら=市球技場クラブハウス

交流会に参加した釜石高陸上競技部のOBと現役部員ら=市球技場クラブハウス

 
 釜石高校陸上競技部OB・OG会(藤元隆一会長、382人)は2月28日、釜石市甲子町の市球技場クラブハウスで、現役部員との交流会を開いた。2011年の会発足以来、母校の部を物心両面から支援している同会。交流会は16年から年度末に開き、卒業する3年生の送別、1、2年生の激励の場としている。会からは部に支援金も贈られた。
 
 交流会はコロナ禍による3年間の中止を経て昨年から再開された。今回は藤元会長(75、1968年卒)ら県内在住のOB3人、本年度部員の1、3年生14人と顧問の三上昌幸教諭が出席した。藤元会長が三上教諭に支援金10万円を贈呈。部員らは競技種目とともに自己紹介し、3年生は卒業後の進路、1年生は来年度の目標などをOBに伝えた。その後、昼食を取りながら懇談した。
 
OB・OG会の会員3人(写真上)が本年度在籍部員と懇談した

OB・OG会の会員3人(写真上)が本年度在籍部員と懇談した

 
藤元隆一会長(手前右)がOB・OG会からの支援金を顧問の三上昌幸教諭に贈呈

藤元隆一会長(手前右)がOB・OG会からの支援金を顧問の三上昌幸教諭に贈呈

 
 同部には本年度、1年生9人、3年生8人が在籍した。高総体県大会では3年生が男子400メートルハードルで2位と5位、同110メートル同で3位、男子やり投げで2位、4×400メートルリレーで7位、新人戦県大会では1年生が女子やり投げで優勝した。6位以上が進む東北大会では男子やり投げで7位など健闘した。
 
 400メートルハードル2位の奥村晄矢さん(3年)は「3年間の集大成として良い結果を残せた」と充実の表情。リレー2種目でも活躍した。大会では「OBの方々が陣地に差し入れもしてくださり、すごく力になった」と感謝。卒業後は山梨県の大学に進む。「陸上は続ける。激戦区の関東地区で入賞できるよう頑張りたい」と志を立てた。部長を務めた東方飛龍さん(3年)は「後半はけがをした部員もいて大変だったが、(リレーなど)みんなで協力してできる限りの力を出せたと思う。部員が少ない時期もあり、OBの先輩方の応援がとても励みになった」と話す。県内の大学に進学後も競技を続ける予定で、「走り高跳びで2メートルの跳躍に成功できれば」と目標を掲げた。
 
3年生部員は取り組んだ種目や卒業後の進路などをOBに伝えた

3年生部員は取り組んだ種目や卒業後の進路などをOBに伝えた

 
1年生部員は来年度の目標などを話し、競技力アップを誓った

1年生部員は来年度の目標などを話し、競技力アップを誓った

 
 「素晴らしい先輩方に刺激を受け頑張れた」と話すのは大瀬和依さん(1年)。小中は野球、バドミントンで鍛え、高校からやり投げを始めた。大会で好成績を収めた中庭庚さん(3年)から競技を教えてもらい、1年生ながら新人戦で初優勝。「野球の経験を生かせればと始めた。3年の高総体でインターハイ出場を果たしたい」と夢を描く。
 
 釜石高陸上競技部は1946(昭和21)年創部。人口増に伴い釜石南、釜石北の2校に分離(1963年~2008年)後、80年代にかけ、県高総体や同新人戦で男子総合優勝を競い合った。両校合わせ、県高総体では4回、新人戦では5回の優勝を成し遂げ、高校陸上“沿岸の雄”として名をはせた。71年には釜石北が東北大会で初の総合優勝を飾った。
 
 OB・OG会は同部躍進の礎を築いた故金野誠さん(1952年卒、本県陸上競技界への貢献で「秩父宮章」受章)の呼び掛けで、2011年2月に発足した。会設立の1カ月後に東日本大震災が発生。被災した現役部員のために会員らが寄せた義援金約75万円を同部に寄付した。その後も会費などを原資に支援金の贈呈を続けていて、支援総額は約160万円(24年3月時点)に及ぶ。この他、Tシャツ、タオル、テント、横断幕も支援。2年に1回、総会を開き、毎年春に会報も発行している。
 
写真上:藤元会長と菊地憲一さん(右)はともに1968(昭和43)年卒業。最初の男子総合優勝を経験

写真上:藤元会長と菊地憲一さん(右)はともに1968(昭和43)年卒業。最初の男子総合優勝を経験

 
OB・OG会の会報(写真左下)には交流会の様子や会員の寄稿、現役部員の大会成績などが記載されている

OB・OG会の会報(写真左下)には交流会の様子や会員の寄稿、現役部員の大会成績などが記載されている

 
 同部は長年、学校隣の釜石製鉄所グラウンド(ラグビー場兼陸上競技場、現市球技場)を拠点に活動してきた。震災後の改修で陸上用トラックがなくなり、同部は複数の部が利用する校庭の一角で練習。週末に設備の整った宮古市や遠野市の競技場に出向き、実践練習を重ねる。同会からの支援金はそうした遠征費にも活用されている。
 
 三上教諭は「練習環境が十分でない中でも部員たちは工夫して練習し、各種大会で上位に食い込む力をつけてきた。これもOB・OG会の多大な支援のおかげ。非常にありがたい」と感謝。卒業する3年生には「釜石を離れるが、ここでの経験を糧にそれぞれの目標に向け頑張ってほしい」とはなむけの言葉を送った。
 
 同部OB、OGは全国各地に散らばり、マスターズ陸上で活躍する選手も。第2代会長の阿部征次さん(1963年卒)は大学卒業後、複数の大学で後進の育成に尽力。東京女子体育大の学長を務め、現在は釜石応援ふるさと大使としても活動する。4代目の藤元会長は「釜石市の人口はピーク時の3分の1。高校生徒数も減少しているが、部活で得た仲間は一生の宝。OB・OG会員は全国に300人以上いるので、何かの時には相談に応じられる」と先輩、後輩の絆をアピールした。
 
昼食を取りながら和やかに交流。世代を超えて陸上競技で結ばれた絆を深める

昼食を取りながら和やかに交流。世代を超えて陸上競技で結ばれた絆を深める

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NTTリーグワン2024-25 D2 第7節 日本製鉄釜石シーウェイブス vs. レッドハリケーンズ大阪

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当日のイベント、グルメ、アクセス情報などの詳細は、シーウェイブス公式サイトをご確認ください。

概要

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2 第7節
日本製鉄釜石シーウェイブス vs. レッドハリケーンズ大阪

日時

2025年3月8日(土) 13:05キックオフ / 11:00開場(ファンクラブ会員10:45開場)

会場

釜石鵜住居復興スタジアム

チケット

入場無料(要チケット)

日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブスは、岩手県釜石市を拠点とし、「ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン2」に所属する地域型クラブチームです。応援よろしくお願いします!
公式サイト

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スポーツで活躍 個人・団体たたえる 釜石市民体育賞「明るいまちに、前向きに」

釜石市民ホールで開かれた市民体育賞表彰式

釜石市民ホールで開かれた市民体育賞表彰式

 
 釜石市体育協会(小泉嘉明会長)の2024年度市民体育賞表彰式は16日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。功労賞で1人、奨励賞では20人、4団体を表彰。受賞者の栄誉をたたえるとともに、さらなる飛躍を願った。
 
 受賞者ら約40人を前にあいさつした小泉会長は「近年は若い人たちの頑張りを感じる。運動による明るい話題はまちづくりにもつながると思う。体を動かし、頭を使って、まちを明るくし、前向きに進んでいこう」と期待を込めた。同賞顕彰委員会による選考経過の報告を受け、小泉会長が受賞者に表彰状と記念の盾などを手渡した。
 
各種スポーツで活躍した受賞者と釜石市体育協会関係者ら

各種スポーツで活躍した受賞者と釜石市体育協会関係者ら

 
 奨励賞は、岩手県や東北など各種大会で優勝もしくはこれに準ずる優秀な成績を収めた人(団体)が対象。功労賞は一競技で長年活躍し、その競技の普及や団体の発展に貢献した人に贈られる。
 
 奨励賞の中で、多かった競技は空手道。小学生では、佐々木惟楓さん(鵜住居・4年)、川崎煌聖さん(同・6年)、阿部桜之輔さん(白山・1年)、柏統利さん(平田・1年)、照井陽己さん(同・2年)、三浦陽翔さん(同)、大久保亜美さん(小佐野・4年)、阿部颯太さん(双葉・6年)、木村有那さん(平田・6年)が表彰された。
 
 中学生は照井心陽さん(大平・2年)、人首瑠生さん(釜石・3年)、三浦里菜さん(大平・3年)が受け、高校生では髙橋愛里さん(釜石・2年)が受賞。釜石高空手道部は団体でも男女そろって同賞を受けた。若年層の活躍が目立つが、一般では山正留維さん(23)が入り、大人も負けていない。
 
 「来年もまた」と子どもたちを激励した小泉嘉明会長(中)

「来年もまた」と子どもたちを激励した小泉嘉明会長(中)

 
 釜石に練習環境がなく、地域外の拠点で競技に励む受賞者もいた。相撲では、大槌町の道場で鍛錬する小学生の住久悠仁さん(小佐野・4年)と中学生の荒屋和成さん(甲子・1年)。レスリングに打ち込む小学生の藤原奏多さん、岩﨑花乃さん(ともに鵜住居・3年)は山田町の団体で技を磨いている。
 
 このほか個人では、ボクシングで高校生の菊地瑠衣さん(釜石・3年)、バウンドテニスの阿部なみ子さん(76)も表彰。団体ではスポーツ雪合戦の全国大会に初出場、初優勝したジュニアチーム「ウル虎ジュニア釜石」と、県中総体2連覇の釜石中特設ラグビーフットボール部も選ばれた。
 
小泉会長の激励に笑顔で応える「ウル虎ジュニア釜石」のメンバー

小泉会長の激励に笑顔で応える「ウル虎ジュニア釜石」のメンバー

 
代表して謝辞を述べた黍原ゆらいさん

代表して謝辞を述べた黍原ゆらいさん

 
 代表して謝辞に立ったのは、ウル虎ジュニア釜石の主将を務めた黍原ゆらいさん(釜石東中1年)。昨年の大会を振り返り、応援が力になったことや喜びを素直に伝えた。今シーズンの全国大会(2月22―23日)には一般、レディース、ジュニアと釜石から3チームがそろって出場予定。「みんなで出場できるのは初めてで、選手一同、精いっぱい頑張ります。これからも応援を」と背筋を伸ばした。
 
水泳競技の普及に貢献し功労賞を受けた藤原浩司さん

水泳競技の普及に貢献し功労賞を受けた藤原浩司さん

 
 功労賞を受けたのは、藤原浩司さん(66)。水泳協会理事、主任競技役員として各種大会の運営や若手の育成などに35年以上携わり、競技の普及に貢献する。市外で開かれる大会にも積極的に出向いたというが、理由は「大会に出場する地元の子どもたちが、知った顔を見れば安心して競技に集中できると思ったから」。そんなあたたかい気持ちは、今回の受賞者たちにも向けられ、「練習環境、指導者を含めて整っていない中で頑張っていて、すごい」と感心。自身の表彰については「釜石を代表してやってきたことが認められたのかな」と控えめに喜びを語った。

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釜石から世界の舞台へ― 高橋潤さんベンチプレス競技で日本代表候補に 狙うは“一番いい色”のメダル

全日本ベンチプレス選手権60代男子93キロ級で3位となり、国際大会への出場権を得た高橋潤さん

全日本ベンチプレス選手権60代男子93キロ級で3位となり、国際大会への出場権を得た高橋潤さん

 
 地元釜石市でパワーリフティング競技を続ける会社員高橋潤さん(60)が、同競技の種目の一つ「ベンチプレス」で、2025年に開催される3国際大会への出場権を獲得した。本格的に筋力トレーニングを始めて10年ほどという高橋さん。3年前から同競技での全国大会出場を果たし、世界に通用する力をつけてきた。「釜石から世界王者に」と目標を掲げ、勝負の年に「必ず結果を残したい」と意気込む。
 
 高橋さんは、1月24~26日に茨城県つくば市で開かれた全日本ベンチプレス選手権大会「第26回クラシック部門」(日本パワーリフティング協会主催)に出場。マスターズ3(60代)の男子93キロ級で140キロのバーベルを挙げ、3位に入った。同大会は本年5月の世界大会(ノルウェー)、7月のアジア・アフリカ大会(日本/兵庫県姫路市)、10月のアジア大会(香港)の日本代表選考を兼ねており、高橋さんはその出場権を獲得した。
 
1月につくば市で開かれた全日本ベンチプレス選手権大会「第26回クラシック部門」=写真提供:高橋潤さん

1月につくば市で開かれた全日本ベンチプレス選手権大会「第26回クラシック部門」=写真提供:高橋潤さん

 
自身の競技時の映像を見せ、大会の様子を話す高橋さん

自身の競技時の映像を見せ、大会の様子を話す高橋さん

 
 ベンチプレスはベンチ台にあおむけになり、ラックからバーベルを外し、一度胸まで下ろした後、肘がしっかり伸びるまで押し上げ、再びラックに戻す競技。全ての動作は審判員の合図で行い、合図の前に動かすと反則。尻や頭が台から浮いてしまったり、バーの挙動が乱れると失敗とみなされる。試技は一人3回。申請した重量で行う。
 
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市営プールのトレーニングルームでベンチプレスを見せていただきました!

 
ベンチプレス一連の流れ。①ベンチ台にあおむけになりバーベルを握る ②ラックから外して肘を伸ばして構える ③バーを胸まで下ろして静止させる ④肘がしっかり伸びるまで押し上げる

ベンチプレス一連の流れ。①ベンチ台にあおむけになりバーベルを握る ②ラックから外して肘を伸ばして構える ③バーを胸まで下ろして静止させる ④肘がしっかり伸びるまで押し上げる

 
 今大会で高橋さんは1回目135キロ、2回目140キロを成功させたが、145キロに挑戦した3回目で持ち手のミスのためやり直しとなり、競技時間1分をオーバー。悔しくも試技ができずに終った。同階級には4人が出場。1位の選手は150キロを挙げた。
 
 ウエイトトレーニングの集大成とされるパワーリフティング競技は、スクワット(脚力)、ベンチプレス(腕力)、デッドリフト(背筋力)の3種目があり、持ち上げたバーベルの総重量を競う。3種の大会のほか種目別の大会があり、中でもベンチプレスは一番人気の種目。日本の競技レベルは世界トップクラスで、国際大会での優勝者も多数。団体優勝もしている。
 
 初の国際大会出場権を得た高橋さんは「3年前に3種の全国大会で8位になってから、頑張れば国際大会にも行けると確信していた。やっと夢がかなう…」。自身のベンチプレス公式自己ベストは142.5キロ。「私の年代・階級だと、直近3年の国際大会優勝者の記録は135キロぐらい。しっかり準備して、自分の持てる力を確実に出せればトップは狙える」とみる。だが、「実際の大会では、みんな前評判よりも伸びてくる。それを上回らなければ」と、さらなる成長を期したい考え。
 
大会で獲得した銅メダルを手にする高橋さん。全日本チームのTシャツを着用

大会で獲得した銅メダルを手にする高橋さん。全日本チームのTシャツを着用

 
 高橋さんは学生時代から野球やスキーに打ち込んできた。東日本大震災前まではテニスをしていたが、震災後、市内にテニスコートがなくなり競技を断念。3年ほどウオーキングを続けていた時に、筋力トレーニングに興味を持った。2016年の岩手国体で、久慈市の選手がパワーリフティング(公開競技)で優勝したことにも刺激を受け、本格的に全国大会を目指し始めた。
 
 現在は市営プール(大平町)内のトレーニングルームでの週2回の練習、職場の廃材で自作したバーベルを使ってのトレーニングなどで、競技のための体づくりや技の鍛錬に励む。2~3カ月に一度、東京や大阪、札幌にも遠征。世界チャンピオンの選手から直接指導も受けている。国際大会出場のための協会の教育プログラムにも目下奮闘中。
 
身長175センチ、体重88キロ。トレーニングとともに食事にも気を付け、体を作る

身長175センチ、体重88キロ。トレーニングとともに食事にも気を付け、体を作る

 
 パワーリフティング競技では本県から国際大会出場者が複数出ていて、優勝、準優勝と上位成績を収めている。釜石市からは高橋さんが初。「岩手では世界レベルで活躍するスポーツ選手が各地から出ている。自分が国際大会でいい成績を残すことで、地元の若い世代が世界を身近に感じ、スポーツで上を目指す選手が増えてくれれば」と高橋さん。「国際アスリートの経験を後進のために役立てたい」との思いもあり、世界の舞台での活躍を誓う。

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釜石SW 開幕2連敗 ホーム初戦で東葛に17-59 規律修正し11日の江東戦へ

リーグワン2部第2節で激しい戦いを繰り広げる釜石SW(赤)とGR東葛=釜石鵜住居復興スタジアム

リーグワン2部第2節で激しい戦いを繰り広げる釜石SW(赤)とGR東葛=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部、日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の今季2戦目は昨年12月28日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。ホーム初戦の相手は昨季2部3位のNECグリーンロケッツ東葛。開幕戦を落とした両チームは勝利への闘志を燃やし、激しい攻防を見せた。釜石は強いフィジカルの東葛に圧力をかけ、いい形での攻撃も幾度となくあったが、反則から失点を招くなどし、17-59(前半17-31)で敗れた。次戦はあさって11日、3部から昇格した清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
会場には約1200人が訪れた。試合前、かまいしラグビー応援団はSW応援歌で選手を鼓舞

会場には約1200人が訪れた。試合前、かまいしラグビー応援団はSW応援歌で選手を鼓舞

 
 前半、先に2トライを奪われた釜石は19分、自陣10メートルライン付近でCTBヘルダス・ファンデルボルトが相手パスをインターセプト。そのままゴールまで走り切り、初トライを決めた。今季新加入のSOミッチェル・ハントは難しい角度からのゴールキックを決め、7-14。その後、連続トライを許すも、28分にはスクラムから出したボールをハントが的確な判断で絶妙な位置にショートパント。走り込んだCTBトンガ モセセがボールを確保し、後から追ってきたSH村上陽平にパス。スピードに乗ったまま、トライに持ち込んだ。ハントのゴールも決まり14-26。36分にはペナルティーゴールで追加点をあげ9点差に詰め寄ったが、前半終了間際の東葛のトライで再び離され、17-31で折り返した。
 
前半19分、相手パスをインターセプトしたCTBヘルダス・ファンデルボルトが独走し釜石初トライ

前半19分、相手パスをインターセプトしたCTBヘルダス・ファンデルボルトが独走し釜石初トライ

 
前半28分、ショートパントのボールをCTBトンガ モセセからSH村上陽平につなぎ2本目のトライ

前半28分、ショートパントのボールをCTBトンガ モセセからSH村上陽平につなぎ2本目のトライ

 
正確なキックでこの日、7得点を挙げたSOミッチェル・ハント

正確なキックでこの日、7得点を挙げたSOミッチェル・ハント

 
 後半、風下の釜石はキックによる陣地回復に苦戦。自陣で粘りのディフェンスが続いた。随所で相手に圧力をかけるタックルも見られたが、勢いに乗る東葛のペースを崩すことができなかった。後半残り10分を切り、釜石は相手ゴール前のスクラムやラインアウトから攻撃を繰り返すが、得点には至らず試合終了。後半4トライを追加した東葛に17-59で敗れた。
 
東葛の外国人選手のアタックを止める釜石

東葛の外国人選手のアタックを止める釜石

 
後半残り10分を切り、釜石は何度もゴール前に運ぶが、東葛のディフェンスに阻まれる

後半残り10分を切り、釜石は何度もゴール前に運ぶが、東葛のディフェンスに阻まれる

 
 前半は集中したディフェンス、テンポのいいアタックで一時、拮抗する展開もあったが、グラウンド中盤での反則から失点につながるなど反則の多さで課題を残した釜石。村上陽平主将は「相手のフィジカルに対し、全体的に引いてしまった、受けてしまった印象。そこでゲインラインを取られて、オフサイドなどラック周辺の不用意な反則が増えてしまった」と反省。「チームの規律をもう少し修正していかないと試合にならない」と意識徹底を課題に挙げた。
 
 開幕2戦を終え、須田康夫ヘッドコーチは「今年取り組んできた部分はいい形で出せている。修正点はコンタクトエリアの部分。自分たちの成長にフォーカスして、またしっかり準備し次戦に臨みたい」と話した。第3節の次戦は11日午後2時半キックオフ。江東区夢の島競技場(東京都)で清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
この日は子どもたちも数多く来場。小中学生限定のスタンプカード企画も

この日は子どもたちも数多く来場。小中学生限定のスタンプカード企画も

 
釜石応援フラッグチーム「ちあ釜」はハーフタイムにパフォーマンスを披露。釜石SWフラッグも初お披露目(写真左)

釜石応援フラッグチーム「ちあ釜」はハーフタイムにパフォーマンスを披露。釜石SWフラッグも初お披露目(写真左)

 

釜石高生の震災語り部(夢団)うのスタで今季も始動 率先避難呼び掛ける

 
 日本製鉄釜石シーウェイブスのホーム戦では、釜石鵜住居復興スタジアム内の震災祈念碑「あなたも逃げて」の前で、釜石高生が語り部を行っている。同校生徒有志で結成する震災伝承、防災活動グループ「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」の活動の一環。今季も試合日に東日本大震災の経験、教訓を伝えていく。
 
 SWのホーム初戦となった12月28日は1、2年生5人が活動。同所での活動は初めてとなる1年生2人は、災害避難時に自宅玄関に掲示するオリジナル安否札を来場者に配りながら、語り部活動を紹介。2年生3人が震災の経験や教訓を伝えた。
 
釜石高「夢団」の震災伝承、防災啓発活動。1年生はオリジナル安否札を配布

釜石高「夢団」の震災伝承、防災啓発活動。1年生はオリジナル安否札を配布

 
2年生は語り部を担当。それぞれが伝えたい教訓をまとめ、来場者に防災意識の高揚を呼び掛けた

2年生は語り部を担当。それぞれが伝えたい教訓をまとめ、来場者に防災意識の高揚を呼び掛けた

 
 加藤祢音さん(2年)は同震災の津波で祖母、臨月のおば、保育園児のいとこを亡くした。車避難の渋滞に巻き込まれたとみられるという。自身は当時3歳で震災の記憶はほとんどないが、両親から聞いたことを語った。その上で、三陸地方に伝わる津波避難の教え「津波てんでんこ」について説明。「自分と大切な人を信じ、それぞれが自分の身を守る行動を取ることが多くの命を救う一つの道」とし、日ごろから災害時の行動を家族や友人と話し合う大切さを訴えた。これまでの活動で、涙をにじませながら話を聞いてくれる人の姿も目の当たりにしてきた。「ちゃんと相手の心に響いているのを感じ、やっていて良かったと思う。後輩たちにもこの活動を次の世代に伝えていってほしい」と願う。
 
来場者は釜高生らの話に熱心に耳を傾けた

来場者は釜高生らの話に熱心に耳を傾けた

 
 釜石SWの次のホーム戦(対レッドハリケーンズ大阪)は同震災命日の3日前、3月8日。同震災から今年で14年―。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に始まった釜石高生の震災伝承活動は今年で7年目に入る。

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「1試合でも多くの勝利を」 日本製鉄釜石SW 出陣式でファンに誓う 21日いざ開幕戦へ

今季リーグ戦の開幕に向け、出陣式で共に戦う気持ちを高める選手とファンら

今季リーグ戦の開幕に向け、出陣式で共に戦う気持ちを高める選手とファンら

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は21日、今季リーグ戦の初戦を迎える。13日、シーズン開幕に向けた出陣式が釜石市港町のイオンタウン釜石で行われた。プレシーズンマッチを5勝1敗で終え、勢いづくチームにファンらの期待も高まる今季。式に出席した選手らは「1試合でも多くの勝利を届けたい」と強い決意を見せた。
 
 会場にはファン、スポンサー企業の代表ら約50人が集まった。須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「今季こそたくさん勝利する姿をお見せしたい。ぜひグラウンドに足を運んで応援を」と切望。今季からチームをまとめるSH村上陽平主将は「プレマッチでは例年にない、いい結果を残した。慢心することなく、シーズンでも結果を出せるようチーム一丸となり頑張っていく」と決意表明。フランカー河野良太クラブキャプテンは「昨年の悔しさを晴らすべく8月から練習を重ねてきた。プレマッチのいい流れのまま、勝利を積み重ねていければ」と闘志を燃やした。
 
日本製鉄釜石シーウェイブス 2024-25シーズン出陣式=13日、イオンタウン釜石

日本製鉄釜石シーウェイブス 2024-25シーズン出陣式=13日、イオンタウン釜石

 
ファンらの前で意気込みを述べる(写真上段左から)須田康夫HC、村上陽平主将、河野良太クラブキャプテン

ファンらの前で意気込みを述べる(写真上段左から)須田康夫HC、村上陽平主将、河野良太クラブキャプテン

 
 スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(釜石地区代表)は「多くの支えがあることを忘れず、最後まで思い切り戦ってほしい。熱い声援が必ず選手の力になる。1人でも多く足を運んでいただき、チームの背中をみんなで押していきたい」。かまいしラグビー応援団の土肥守副団長は「17年追っかける中で今年は一番強い。体ができているし反則が少ない。今年の試合を見ないと損」と太鼓判を押し、SW応援歌の熱唱でチームを鼓舞した。
 
熱い応援メッセージを送る倉地三喜男副所長(写真左上)と応援歌で激励する土肥守副団長(同右上)。参加者が手拍子で応援歌を盛り上げる(同下)

熱い応援メッセージを送る倉地三喜男副所長(写真左上)と応援歌で激励する土肥守副団長(同右上)。参加者が手拍子で応援歌を盛り上げる(同下)

 
 リーグワン2部は今季、昨季より2チーム増の全8チームで争う。リーグ戦は来年5月まで14試合が組まれる。昨季6チーム中6位(1勝11敗)で、3部との入れ替え戦(2勝0敗)で2部残留を決めたSW。今季は「4位以内」を目標に掲げる。
 
 21日の開幕戦、九州電力キューデンヴォルテクス戦について須田HCは「プレマッチでは勝っているが、決して油断できない相手。いかに自分たちを律してプレーするかが一番の鍵」。ホームの釜石鵜住居復興スタジアム(うのスタ)での初戦は28日、グリーンロケッツ東葛との対戦。「相手は体が大きく、フィジカルにプレーしてくる部分が多いが、自分たちはしっかりエリアを取って負けないラグビーをしたい」と意気込む。
 
 仲間の信頼も厚く、その采配が注目される村上主将は「いかにチームを前に引っ張っていくかにフォーカスしてやっていきたい」と長丁場のシーズンを見据える。まずは未勝利の開幕戦で「必ず勝って勢いをつけたい」とスタートダッシュを誓い、2戦目のホーム、東葛戦で昨季の雪辱を期したい考え。
  
 出陣式にはプロップ松山青、同青柳魁、フランカー髙橋泰地の3選手も出席。仕事とラグビーの両立について、職場の理解やサポートへ感謝の気持ちを示した。チームグッズなどが当たる抽選会もあり、選手とファンが楽しく交流した。
 
仕事とラグビーの両立などについて話す(写真上段左から)松山青選手、青柳魁選手、髙橋泰地選手

仕事とラグビーの両立などについて話す(写真上段左から)松山青選手、青柳魁選手、髙橋泰地選手

 
坂下功正総監督(写真左上)もチーム状態の良さをアピール。抽選会では選手が賞品を手渡した(同下)

坂下功正総監督(写真左上)もチーム状態の良さをアピール。抽選会では選手が賞品を手渡した(同下)

 
 チームスポンサー企業に勤める釜石市の阿部刀也(たつや)さん(50)は「うのスタでのプレマッチも見ていたが、今年は本当に強いと感じる。期待しているので、頑張って4位以内を達成してほしい」とエール。SWジュニア団員の大和田崇太さん(11)は昨季負けたチームに勝てるかどうかに注目。「バックス陣に足が速い選手が多いので機動力に期待」と話し、大ファンのSO中村良真選手の「活躍が見たい」と目を輝かせた。
 
 釜石SWのホストゲーム全7試合は、全国の小中学生と70歳以上が入場無料となる(自由席に限る)。28日のうのスタ初戦、グリーンロケッツ東葛戦は午後1時キックオフ。地元の桜舞太鼓が選手入場などを盛り上げるほか、ハーフタイムには釜石応援フラッグチーム「ちあ釜」のパフォーマンスが予定される。試合後は誰でも参加可能な「ラグビーのまち釜石教室」、選手の見送り、写真撮影、サイン会も実施する予定。

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ラグビーのまち盛り上げ 釜石中特設ラグビー部、劇的逆転で県中総体2連覇 市長に報告

優勝旗を掲げて笑顔を見せる佐藤碧空さん(左)と山崎陽介さん

優勝旗を掲げて笑顔を見せる佐藤碧空さん(左)と山崎陽介さん

 
 11月に開催された第71回岩手県中学校総合体育大会(中総体)の第41回ラグビーフットボール競技の部で、釜石中(佐々木一成校長、生徒294人)の特設ラグビー部が2年連続の優勝を飾った。主要メンバーらが12月4日に市役所を訪れ、小野共市長に報告。決勝では甲子中との同地区対決を制して栄冠を手にし、「ラグビーのまち釜石」の未来や飛躍を感じさせた。
 
 大会は11月2、3日に北上総合運動公園で開催。6チームが2組に分かれて予選リーグで熱戦を繰り広げた。釜石中は、甲子、釜石東の同地区3校による組で総当たり戦を展開。甲子に敗北し2位で通過した。決勝トーナメントの準決勝で別組1位の宮古合同チーム(宮古地区などの7校で結成)と対戦。経験値では劣る部分があったというが、持ち前の精神力とチームワークを発揮し勝利を収め、決勝に駒を進めた。
 
 決勝戦の相手は、予選リーグで敗れた甲子。悔しさを持つ釜石は、「必ず勝つ」とチーム一丸となって試合に挑んだ。終盤、残り1分半で逆転を許す苦しい展開となったが、最後のプレーで劇的な逆転トライを決め勝利を収めた。
 
2連覇を果たした釜石中特設ラグビー部の選手たち(学校提供)

2連覇を果たした釜石中特設ラグビー部の選手たち(学校提供)

 
 釜石から出場する3校はみな特設ラグビー部として結成される。釜石中も部活動を引退した3年生を中心に編成。昨年の優勝を経験した3人が広報活動を通じて仲間を増やし、マネージャーを含めて24人が集まった。夏休み中に3回ほど練習日を設け、休み明けからは週2~4回、放課後に活動。競技経験者や学校OBらが加わったコーチ陣によると、未経験者の吸収力が大きな強みとなり、短期間で実力が高まったという。
 
 「雰囲気がいい」と佐々木校長が見守った選手らは、大会当日も試合後や移動中に積極的に話し合い、戦略を練って「勝つこと」を意識し続けた。マネージャーが作成した名前入りのキーホルダーが選手たちの士気を高めるなど、チーム全体の結束力がこの結果を支えた。
 
人差し指を立ててポーズを決める釜石中生と小野共市長(左)

人差し指を立ててポーズを決める釜石中生と小野共市長(左)

 
 市役所訪れたのは、釜石中特設ラグビー部主将の佐藤碧空(そら)さん、山崎陽介さん(ともに3年)、佐々木校長ら関係者6人。佐藤さんは「全員が勝つぞと優勝に向かって試合していて、その雰囲気を保ちながら最後まで戦えた。全員が練習したことを本番で発揮できた」と報告。同部顧問の鈴木悠太教諭、コーチの山崎政仁さんと前川靖展さんが試合展開やチームづくりの過程などを小野市長ら市関係者に伝えた。
 
釜石中の関係者が市役所を訪れ、中総体での優勝を報告した

釜石中の関係者が市役所を訪れ、中総体での優勝を報告した

 
 釜石中の佐藤さん、山崎さんはともに幼少期から地元ラグビーチーム・釜石シーウェイブス(SW)のジュニアチーム「釜石シーウェイブスジュニアラグビースクール」に所属し、競技に打ち込む。市外へ進学を予定する佐藤さんは「高校でもラグビーを続け、この経験を力に頑張りたい」と次のステージへの意気込みを語った。山崎さんは競技を通して広がった人の輪を生かし、「地元でラグビーを盛り上げていきたい」と決意を述べた。
 
連覇を喜ぶ生徒たち。「高校でもラグビーを」と思いを伝えた

連覇を喜ぶ生徒たち。「高校でもラグビーを」と思いを伝えた

 
健闘をたたえる市関係者。「ラグビーのまち」の発信に期待を寄せた

健闘をたたえる市関係者。「ラグビーのまち」の発信に期待を寄せた

 
 小野市長は「絶対に諦めないという気持ちの強さが勝利を引き寄せた。この成功体験を今後の人生にも生かしてほしい」と選手らを賞賛。同席した高橋勝教育長は「2連覇の意義は非常に大きい。3連覇を目指して」と期待を示したうえで、「釜石から3校が出場したことがうれしい。ラグビーのまちを支える中学生として鍛え合ってほしい」と願った。

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チームづくり応援!釜石リアスライオンズクラブ杯中学校バスケ 地域超えた交流も

釜石リアスライオンズクラブ杯バスケ大会で中学生が熱戦を繰り広げた

釜石リアスライオンズクラブ杯バスケ大会で中学生が熱戦を繰り広げた

 
 釜石市と大槌町でバスケットボールに打ち込む中学生が集う「釜石リアスライオンズクラブ杯釜石地域中学校バスケットボール大会」は1日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。34回を数える今大会で男子は3チームが出場し、優勝杯をかけた熱戦を展開。一方、女子は地域連合の1チームとなったことから、初めて地域外から対戦相手を招待して交流試合という形とした。
 
 男子は釜石、大平、大槌の3校が参加し、リーグ戦に臨んだ。各校とも、個々の競技力やチームメートとの連係などを確かめながら実戦経験を蓄積。その中でも、圧倒的な強さを見せた釜石が優勝を手にした。
 
ダイナミックな動きやスピード感あふれる試合が展開

ダイナミックな動きやスピード感あふれる試合が展開

 
チームメートや相手チームの選手の動きを観察しながら応援

チームメートや相手チームの選手の動きを観察しながら応援

 
 女子は今回、大平・釜石・大槌の連合チームとして出場した。各校とも部員数は減り、単独参加が可能だったのは大平だけ。けがなどの理由もあって2校連合も難しく、3校が力を合わせる形となった。10月開催の岩手県中学校新人大会(新人戦)もこのチームで臨んだ。
 
力を結集して試合に臨んだ大平・釜石・大槌チーム(白)

力を結集して試合に臨んだ大平・釜石・大槌チーム(白)

 
 試合ができない―。動いたのは、釜石中女子バスケットボール部顧問の佐藤彩華教諭(34)。くしくも自身と同じ「34年続く大会を途絶えさせないため」、そして「生徒たちに試合経験を積ませるため」に招待試合を提案した。公式戦審判員としても活躍していることから、新人戦地区予選を勝ち抜いた宮古第一(宮古地区)、高田東・高田第一の合同チーム(気仙地区)に出場を打診し、快諾を得た。
 
招待試合を提案した佐藤彩華教諭も選手たちと走った

招待試合を提案した佐藤彩華教諭も選手たちと走った

 
 優勝カップを狙う形ではなかったものの、各地区の選手たちは“勝ち”を目指して真剣勝負を繰り広げた。釜石中の川村柚夢(ゆずゆ)さん(2年)は「練習試合の機会を作ってくれた」と、大会関係者や他地区の選手らへの感謝を込めてプレー。他地域の強さや自身の力を確認もでき、刺激を受けた様子だった。連合チームでは伸び伸びとプレーできる環境があったといい、新人戦県大会は1回戦で敗退したものの「悔いなくできた」と満足。「仲間と話し合って協力し、1点、2点…とつないでいくのがバスケの良さ」と改めて感じたようで、「大人になっても続けたい」と笑顔を見せた。
 
作戦会議は連合チームの連係を強める貴重な時間

作戦会議は連合チームの連係を強める貴重な時間

 
 宮古市・宮古一中は今回、司令塔役の選手を抜いて参加。佐藤桃心(もこ)さん(2年)は「一人ひとりが練習してきた成果を生かし、それぞれの動きを確かめる機会になればいい。攻守の判断とか自らの積極性を高められたら」と汗を流した。
 
 部員数の減少に悩むのは他地区も同様。気仙の地区大会で女子は初戦が決勝戦で、対戦相手も3校による合同チームだったという。陸前高田市・高田東中の菊谷和桜(なお)さん(2年)は実戦経験を重ねるチャンスと来釜。チームの特徴は「めっちゃ仲良し」と胸を張る一方で、「試合になるとあたふたして周りが見えなくなる。仲の良さをチームワークとして生かせるようにしたい」とうなずいた。高田一中の及川由真さん(2年)は普段、男子に交じって練習し、週1度、東中との合同練習に参加する。地区予選、県大会も一緒に参戦しており、「チームの一員として活躍して、いい結果を残せたら。来年の中総体が最後の大会になるから、もっと力をつけたい」と目標を掲げた。
 
初参加した宮古市と陸前高田市の中学校チームの試合

初参加した宮古市と陸前高田市の中学校チームの試合

 
手製グッズで子どもたちにあたたかい声援を送る保護者

手製グッズで子どもたちにあたたかい声援を送る保護者

 
 釜石も含め各地区ではミニバスケットボールに打ち込む小学生は一定数いるが、中学入学時には地域内外のクラブチームに所属し、学校の部活動には加わらないケースが少なくないという。団体競技の継続は厳しさを増すが、頑張る子どもたちを盛り上げようと、保護者らは2階席から声援。高田チームの応援団は“押し”の子の名を記した手製のうちわを振って、より熱い思いを送った。
 
「実践経験の場をこれからも」との思いを持つ柏舘旨緒会長

「実践経験の場をこれからも」との思いを持つ柏舘旨緒会長

 
 釜石地域バスケ大会は、青少年の健全育成やスポーツ振興などを目的に継続。同クラブ(正会員21人)の柏舘旨緒会長は「スポーツも多様化し、部活動が成り立つか心配はある」としながら、「釜石では新人戦後に試合する機会は少ない。交流することで実践経験を積み、来春のチームづくりに役立ててもらいたい」と願う。

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自転車競技・BMXレーシングに夢中 釜石市の小学生姉弟 活躍の原動力は…

愛用する自転車に乗ってメダルを見せる越野杏音さん(左)、斗葵さん

愛用する自転車に乗ってメダルを見せる越野杏音さん(左)、斗葵さん

 
 釜石市在住の小学生の姉弟が、自転車競技のBMX(バイシクルモトクロス)で活躍している。越野杏音(あのん)さん(10)と、斗葵(とあ)さん(8)。さまざまな起伏やカーブがある400メートルほどのコースで速さを競うレーシングの国内シリーズに挑み、2024年の年代別ランキングは、杏音さんが2位、斗葵さんは5位に入った。杏音さんは世界への挑戦切符も手にする位置にいて日々練習中。「(お姉ちゃんには)今も勝ってるから」と斗葵さんも負けん気を見せ、2人でさらに上を目指す。
 
 BMXレーシングは、頑丈な競技用自転車に乗った最大8人がダートコースを走り、ゴール順位を競う。2008年の北京五輪から正式種目にもなっている競技。時には選手同士が接触したり、カーブで転倒したりするため、別名「自転車の格闘技」とも言われる。
 
 越野姉弟はこの1年、一般社団法人全日本BMX連盟が主催する国内大会に参戦してきた。4月に始まった「JBMXF大東建託シリーズ」(全9戦)では7戦に臨み、杏音さんは女子9~10歳の部で毎回3位以内に入賞。6月の第3戦つくば大会では優勝し、表彰台の一番高いところに立った。これは東北勢として初の快挙だったという。
 
BMXシリーズ戦に臨む杏音さん【撮影者:北川大介さん(三重県在住・カメラマン)】

BMXシリーズ戦に臨む杏音さん【撮影者:北川大介さん(三重県在住・カメラマン)】

 
斗葵さんもBMXシリーズ戦で活躍。でこぼこ道に挑む【撮影者:同】

斗葵さんもBMXシリーズ戦で活躍。でこぼこ道に挑む【撮影者:同】

 
 男子7~8歳の部に出場した斗葵さんは、第1戦大阪大会で3位に入賞。大船渡市三陸町越喜来の「三陸BMXスタジアム」が会場となった第7戦では、姉弟そろって2位となった。他にも10月開催の全日本選手権(日本自転車競技連盟主催)では年代別部門でともに4位となり、11月にあったJOCジュニアオリンピックカップ(同)でも杏音さんは3位、斗葵さんが6位と結果を残した。
 
 越野姉弟が同競技を始めたのは3年ほど前で、体験会への参加がきっかけ。「怖いけど、楽しい」と魅力にハマったという。すぐにクラブチームに入って練習に打ち込むが、岩手県内では競技の認知度は高くなく、練習施設の運用も始まったばかりで指導を受けられる機会は多くなかった。
 
釜石市内で練習する杏音さん(左の写真)と斗葵さん

釜石市内で練習する杏音さん(左の写真)と斗葵さん

 
 2人の「やりたい」との希望が強かったこともあり、家族が練習をサポート。父・一成さん(48)は自身もBMXに挑戦したり、知識を学んだりしながら、自宅でのトレーニングを後押ししてきた。仕事が休みの日は放課後に釜石市内の広場などに2人を連れ出し練習。自宅から30分ほどかけて同スタジアムにも週2回ほど通い、自転車を走らせる時間を作るようにしている。時にはプロライダーの指導や助言も受けられ、成長につなげている。
 

負けず嫌いの2人、さらなる高みへ

 
 
 11月のある日、放課後の練習をのぞいた。合間に、杏音さんに質問。今シーズンの結果に、「うれしい」と素直に喜んだ。一成さんによると、強みは加速力と攻めの姿勢。ペダルを踏む動きから重心移動を使った技「プッシュ」へのつながりがよく、「コブ」と呼ばれるデコボコ道も加速しながら進むという。
 
放課後に釜石市内で練習する越野姉弟

放課後に釜石市内で練習する越野姉弟

 
 いい評価に照れ笑いする杏音さん。課題を聞いてみると、「スタート。タイミングよくしたい」と真剣な表情になった。同年代に“ぶっちぎりに速い人”がいるといい、首をかしげながら「(ランク2位に)満足している」としたのは、ほんのひととき。上を向き、「瞬発力を高めて1位を狙えるようにしたい」と目の奥をキラリと光らせた。
 
 それに劣らず、負けず嫌いというのが斗葵さん。練習中、「もう勝ってるし…」と幾度となく口にし、自転車を操って速度を上げた。今、力を入れて取り組んでいるのがジャンプと、前輪を浮かせて後輪で走る技「ロール」。こうした技術を高め、コブでもスピードを落とさない走りが目標だ。「毎回上位入賞」。すでに来シーズンに目を向けていた。
 
 「タイムは同じくらい。互いの負けん気が、それぞれの成長につながっている」と一成さん。競技に熱中する2人を見ていると、擦り傷も多かったり、転倒してヒヤッとすることもあるというが、「頑張ろうとしていることを応援したい」と、立ち上がる姿を見つめ続ける。
 
子どもたちの頑張りを父・一成さんら家族が応援する

子どもたちの頑張りを父・一成さんら家族が応援する

 
三陸BMXスタジアムで練習の合間にパチリ【撮影者:一成さん】

三陸BMXスタジアムで練習の合間にパチリ【撮影者:一成さん】

 
 気になるのは岩手県、釜石の競技人口がまだ少ないこと。市内でジュニア世代は数人しかおらず、女子は杏音さんだけ。一成さんは「BMXはレースに出なくても楽しめる。自転車に乗る技術を身に付けるためと、難しく考えずやってみてほしい。親子で楽しむ遊び感覚で」と、仲間が増えることを期待する。
 
 実は杏音さん、ランク上位者ということもあって来年の世界選手権への出場切符を持っている。ただ、参加や渡航などにかかる費用は全て自己負担で、出場は思案中だ。練習場所の確保も悩みの一つ。普段は広めの平坦な空き地を使ったりしているが、凸凹道での感覚を鍛えるには不十分だと感じている。
 
賞状を手にする杏音さん(左)と笑顔を重ねる斗葵さん

賞状を手にする杏音さん(左)と笑顔を重ねる斗葵さん

 
スタート時の構えで準備よし!さらなる高みを目指す

スタート時の構えで準備よし!さらなる高みを目指す

 
 だから頑張る―。自分が活躍することでBMXに興味を持つ人が増えてほしいと、杏音さんは望んでいる。練習環境も大事で、「設備が充実すればいいな」とも。
 
 練習を終えると、近くにあった遊具に駆け寄り、小学生らしい一面をのぞかせた越野姉弟。冬期は屋内パークで技を磨くという2人、さらなる活躍に注目していきたい。

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ラグビーのまち釜石 裾野の拡大着々と 小学校タグR大会で16チームが熱戦 低学年も楕円球に笑顔

6回目を迎えた小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ)

6回目を迎えた小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ)

 
 第6回釜石市小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ2024)は17日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。県内外の有志で組織する釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。小学4年生以上は試合を、3年生以下はボールを使った運動教室を楽しみ、約140人が紅葉に囲まれたグラウンドで心地良い汗を流した。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会釜石開催から5年―。大会レガシー(遺産)を受け継ぐ子どもらの元気なプレーが「ラグビーのまち釜石」のさらなる発展を後押しする。
 
 開会式では双葉小6年の川村桔平さんが選手宣誓。同スタジアムが会場となったラグビーW杯で震災復興支援への感謝の気持ちを表した歌「ありがとうの手紙」を全員で合唱し、試合での健闘を誓い合った。
 
紅葉に囲まれたスタジアムで開会式。双葉小の川村桔平さんが元気に選手宣誓(写真左上)

紅葉に囲まれたスタジアムで開会式。双葉小の川村桔平さんが元気に選手宣誓(写真左上)

 
 今大会には市内6校と釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから計16チームが参加。4ブロックで予選リーグを行った後、各ブロックの上位2チームが決勝トーナメントに挑んだ。1チームは4~6年の男女5人で編成。選手の入れ替えは自由で、登録選手全員に出場機会を与えた。試合時間は予選リーグが前後半なしの7分、決勝トーナメントは前後半5分ずつ。各ブロックの3、4位チームもフレンドリートーナメントで試合経験を重ねた。
 
4ブロックで総当たり戦が行われた予選リーグ

4ブロックで総当たり戦が行われた予選リーグ

 
対戦相手の腰にぶらさげたタグを取るのがタックル代わり

対戦相手の腰にぶらさげたタグを取るのがタックル代わり

 
タグを取りにくる相手を振り切りトライゾーンへまっしぐら

タグを取りにくる相手を振り切りトライゾーンへまっしぐら

 
 2チームを結成した双葉小はコロナ禍前以来の久しぶりの出場。参加希望メンバーを募り、大会に向けた放課後練習を重ねて本番に臨んだ。同大会初参加の金野優輝さん(5年)は「体育の授業も含めけっこう練習はしてきたが、(昨年優勝の)鵜住居のチームが強くてびっくりした」。同じチームで戦った鈴木慶大さん(同)も他校の強さを感じて闘志に火がついたようで、「来年も絶対出て、優勝を目指したい。僕たちの得意な部分は出せていたので、あとは気持ちの強さと緊張感があれば…」とリベンジを誓った。
 
双葉Jr.(赤ビブス)と平田ウォーリアーズの試合は接戦に…

双葉Jr.(赤ビブス)と平田ウォーリアーズの試合は接戦に…

 
 昨年、決勝で鵜住居のチームに敗れた小佐野バーバリアンズの鹿野遥斗さん(6年)は午前中の予選リーグを終え、「3試合とも点差をつけて勝てたので、いいスタート」と手応えを実感。今年は練習期間を長くとれたということで、「メンバーの仲も深まり、チームプレーの精度も上がった」という。プレー中は互いに声を掛け合い、コミュニケーションを意識。決勝トーナメントを前に「去年の優勝チームに一歩でも近づけるよう頑張りたい」と話していたが…。
 
 最終決戦は互いに切磋琢磨してきた同校の別チーム(小佐野バーバリアンズレッド)との対戦となり、6-3でバーバリアンズが頂点に輝いた。小佐野小は12月に行われるSMBCカップ全国小学生タグラグビー大会県予選などへの参加も予定。鹿野さんは「まだ時間があるので、強豪の日詰に食らいつけるようなチームになりたい」と意気込んだ。
 
予選は3戦全勝、決勝トーナメントに進んだ小佐野バーバリアンズ(赤ユニホーム)

予選は3戦全勝、決勝トーナメントに進んだ小佐野バーバリアンズ(赤ユニホーム)

 
優勝、準優勝を果たした小佐野小のチームは来月参加予定の県大会へ弾みをつけた

優勝、準優勝を果たした小佐野小のチームは来月参加予定の県大会へ弾みをつけた

 
 同大会は、釜石東ロータリークラブがラグビーW杯釜石開催の機運醸成を図ろうと、2年前の2017年に開始。初回は甲子町の市球技場で開かれ、第2回大会から新設された同スタジアムに会場を移した。W杯開催年の第3回大会には20チーム約190人が参加。その後、新型コロナウイルス感染症の影響で2年間の中止を余儀なくされた。仕切り直しの22年から釜石ラグビー応援団が主催を引き継ぎ、児童の健全育成、同市のスポーツ文化発展などを目的に大会を継続する。
 
 中田団長(56)は「学校側の大会に対する理解も深まり、子どもたちが参加しやすい環境ができている。大会経験者が中学生になり、県中総体ラグビーを制覇していることもうれしい限り。今後は他地域からの参加も促し、大会をより発展させていきたい」と思いを込めた。
 
ラグビー人口拡大への足掛かりにもなっている大会。将来、有名選手が出るかも?

ラグビー人口拡大への足掛かりにもなっている大会。将来、有名選手が出るかも?

 

低学年も集まれ~! SWアンバサダー向井陽さんら 楕円球との触れ合い、運動の楽しさ伝授

 
日本製鉄釜石SWアンバサダーの向井陽さん(中央)も指導に駆け付けた低学年対象の体験教室

日本製鉄釜石SWアンバサダーの向井陽さん(中央)も指導に駆け付けた低学年対象の体験教室

 
 同大会は地元クラブチームの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)、釜石市ラグビーフットボール協会が全面支援する。試合は小学4年生以上が対象だが、3年生以下の子どもたちにもラグビーを通じて体を動かす楽しさを味わってもらおうと体験教室を開いている。今年は同市地域おこし協力隊員(ラグビー普及コーディネーター)で、SW事務局員でもある竹中伸明さん(36)が中心となってプログラムを提供した。
 
教室はラグビーの普及活動に取り組む地域おこし協力隊員竹中伸明さん(左奥)が中心となり実施

教室はラグビーの普及活動に取り組む地域おこし協力隊員竹中伸明さん(左奥)が中心となり実施

 
SWの選手OBらも子どもたちの体験をサポート

SWの選手OBらも子どもたちの体験をサポート

 
 SWからは桜庭吉彦ゼネラルマネジャーや選手OBらがサポートした。強力な“助っ人”として千葉県から駆け付けたのは同OBで、現在はチームのアンバサダーを務める向井陽さん(47)。釜石では甲東幼稚園(現・同こども園)に勤務しながら、SH として7年間プレー。2008年に退団、現役引退後はスポーツ教育の会社を経て、千葉県松戸市で保育園の園長を務めている。日本ラグビーフットボール協会の普及コーチでもあり、全国各地で子どもたちの指導にあたっている。
 
遊びの要素を取り入れたプログラムで子どもたちを楽しませる向井さん

遊びの要素を取り入れたプログラムで子どもたちを楽しませる向井さん

 
 「初めてボールに触る子どもたちが楽しさを感じ、(ラグビーをやってみたいとか)次につながるようなきっかけづくりをしたくて…」と向井さん。日本協会でも今、未就学児や小学校低学年向けのトレーニングプログラム作りに取り組んでいるという。「ラグビーボールは使うが、遊びの要素を入れて、その年代の運動能力を伸ばすようなメニュー」と、子どもの発育、発達を促す活動に力を注ぐ。この日もそうした知識や経験を釜石の子どもたちに還元した。
 
子どもたちはボールやタグを使った運動メニューに笑顔満開!

子どもたちはボールやタグを使った運動メニューに笑顔満開!

 
向井さんら指導者は釜石の子どもたちの健やかな成長を願う

向井さんら指導者は釜石の子どもたちの健やかな成長を願う

 
 タグラグビー大会をはじめ、子ども向けの競技普及、関心喚起活動に積極的な釜石の取り組みを喜ぶ向井さん。「このスタジアムで体を動かした思い出が残り、またここでラグビーをしたい、見たい、行ってみたいと思うような場所になったらいい。ラグビーはそれぞれの良さ(持ち味)を生かせるスポーツ。自分や仲間の良さに気付き、力を合わせて物事を成し遂げる素晴らしさも感じてもらえたら」と話した。

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友達づくり楽しく!サッカー遊びで交流 釜石で初の試み、4つのこども園合同イベント

釜石市球技場でサッカー遊びを楽しむ子どもたち

釜石市球技場でサッカー遊びを楽しむ子どもたち

 
 釜石市内の4つの認定こども園合同イベント「交流サッカー遊び」が14日、同市甲子町の市球技場で開かれた。5歳児計80人が参加し、16の“ミックスチーム”を編成。初めは緊張気味だったものの、4ブロックに分かれてボールを追いかけているうちにたくさんの“にこにこ顔”が生まれた。市内でこうした活動が行われるのは初めて。「来春に小学生になる子どもたちの顔合わせになれば」と各園共通のあたたかい願いが込められた。
 
 参加したのは甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児28人)、野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児106人)、上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児38人)、天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児88人)の4園。鬼ごっこをした後、ボールを使った陣取り遊びやサッカーのミニゲームを楽しんだ。
 
初顔合わせの友達と声を合わせて「エイエイオー」

初顔合わせの友達と声を合わせて「エイエイオー」

 
鬼ごっこが準備運動。思い切り走ってにこにこ顔

鬼ごっこが準備運動。思い切り走ってにこにこ顔

 
陣取りゲームでボールや仲間との触れ合いを楽しむ

陣取りゲームでボールや仲間との触れ合いを楽しむ

 
 子どもたちの遊びをサポートしたのはキッズサッカーの指導者でもある松岡園長(59)や、岩手県サッカー協会のキッズリーダー4人。一定のルールの中で伸び伸びさせつつ、ゴールを決めたり、諦めずボールを追ったり頑張った子はもちろん、転んだ仲間に優しく声をかけたり、ボールの片付けに積極的に取り組んだ園児らに「グリーンカード」を何度も提示してフェアプレー精神の大切さも伝えた。
 
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子どもたちのすてきな行動に「グリーンカード」を次々に提示

 
 ミニゲームの前後に園児らは元気にあいさつを交わした。開会のあいさつで松岡園長が呼びかけた「ゲームは敵、味方があるけど、敵という相手がいなければゲームはできない。相手はある意味、仲間。ゲームが終わったら『ありがとう』と握手しよう」を守った形。甲東こども園の福成昴君(6)は「シュートするのが楽しかった。(園が異なる子と)なかよくなれた。またやりたい」とチームメートと手をつないでいた。
 
ミニゲームでは真剣な表情で熱戦を繰り広げた

ミニゲームでは真剣な表情で熱戦を繰り広げた

 
試合後には握手して「ありがとう」と笑顔を交換

試合後には握手して「ありがとう」と笑顔を交換

 
サッカー遊びで思い出をつくって友情を結んだ園児たち

サッカー遊びで思い出をつくって友情を結んだ園児たち

 
 この初の試みは、4園長の集まりがきっかけ。各園の保育内容や遊びなど情報交換する中で、松岡園長が今年から始めた「サッカー遊び」の話題に他園から関心が集まった。少子化で園単独での活動に難しさを感じていたことが共通し、広い場所で思いっきり駆け回る体験を楽しんでもらおうと計画された行事に、3園が“便乗”。小学校入学で園とは学区が異なる子もいて、「あの時一緒にサッカーで遊んだよね」と入学前の交流にもつながるとの考えも一致した。
 
4園合同イベントを初開催した松岡公浩園長(後列左)ら

4園合同イベントを初開催した松岡公浩園長(後列左)ら

 
「ありがとう」。子どもたちの笑顔が大人にも伝わった

「ありがとう」。子どもたちの笑顔が大人にも伝わった

 
 大人たちの願いは子どもたちにも伝わった様子。正福寺幼稚園の常盤汐季ちゃん(5)は「たくさん友達になった。また会うのが楽しみ。小学生になったらもっといっぱい友達つくりたい。勉強、遊ぶのも楽しみ」と期待を膨らませた。「いろんなお友達、バイバーイ」。別れ際、駆け寄ってハイタッチしたり、手を振り合う光景が広がった。
 
 「ふっ飛んで走っていた」と満足そうに見つめる松岡園長。幼少期に始めたサッカーをシニア世代になっても続ける。競技のおかげで学校外のつながり、仲間を大事にすることを学んだといい、子どもたちにもそうした経験をしてもらうのが狙い。サッカーとなると不得手と感じる子もいると考え、行事名に“遊び”を加えた。各園とも好感触を得た様子で、「市内全体に広がれば」との声も。運動会的なことになればいいかも―大人たちも想像を膨らませる。