タグ別アーカイブ: スポーツ

sw7_1

釜石SW第7節 雪の影響で中止の試合を17日に/3日はSMCブース、釜石高震災語り部が地元発信に力

釜石SW対GR東葛の試合開催に向け行われた雪かき作業=3日、釜石鵜住居復興スタジアム

釜石SW対GR東葛の試合開催に向け行われた雪かき作業=3日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は3日、釜石鵜住居復興スタジアムで第7節NECグリーンロケッツ東葛との対戦が予定されていたが、降雪の影響によるグラウンドコンディション不良のため中止となった。この日の試合は、SWのチームスポンサーで釜石市に工場があるSMC(髙田芳樹代表取締役社長、本社:東京都千代田区)のプレゼンツマッチ。試合はできなかったが、会場内に設けられた同社の出展ブースは大勢の来場者でにぎわった。SWホーム戦で継続される釜石高生の震災語り部活動もあった。チームは地元ゲームを支える全ての人々への感謝を胸に10日、同スタジアムで東日本大震災復興祈念試合(対九州電力キューデンヴォルテクス)に挑む。3日に中止された試合は17日に行われることが決まった(7日発表)。
 
 釜石SWのホームの同スタジアムは1日朝までに降り積もった雪が解けず、試合前日の2日は選手、スタッフらが夕方まで雪かき。当日は、前日夕方のSNSでの協力呼びかけに応えた一般ボランティアや相手チーム関係者らが加わり、早朝から雪かき作業に追われた。キックオフの時間を1時間遅らせ開催への準備を進めたが、午前11時時点の判断で安全が確保できないとして、試合中止が発表された。
 
両チームの選手、スタッフ、ボランティアらが雪かきに協力

両チームの選手、スタッフ、ボランティアらが雪かきに協力

 
試合開催を願い、懸命に除雪作業にあたる釜石SWの選手ら

試合開催を願い、懸命に除雪作業にあたる釜石SWの選手ら

 
100人以上の協力で芝生が見える状態にまでなったが…

100人以上の協力で芝生が見える状態にまでなったが…

 
 今季ホーム2戦目。連敗中のSWは地元での勝利を目指し練習を積んできただけに残念な結果となったが、選手らはグラウンド周辺のフードコーナーに出向き来場者と交流。新たに作成された選手個人のプロフィールなどが書かれたカード(数量限定)を自ら配り、記念撮影などでファンとの絆を深めた。
 
試合中止発表後、来場者と交流を深める釜石SWの選手ら。SWのマスコット「フライキー」も活躍(写真右下)

試合中止発表後、来場者と交流を深める釜石SWの選手ら。SWのマスコット「フライキー」も活躍(写真右下)

 
会場では選手との記念撮影も行われた

会場では選手との記念撮影も行われた

 
 SO中村良真選手は100人以上のボランティアが雪かきに協力してくれたことに「ありがたい。本当にいろいろな人に支えられているのを再認識した」と感謝の言葉。「最善の準備をしてきたので、それを発揮できなかったもどかしさはあるが、支えてくれる皆さんの気持ち、今日できなかった分の思いをしっかり背負って次戦に臨みたい」と1週間後を見据えた。チームを率いるWTB小野航大主将も「結果的に試合はできなかったが、地元の皆さんをはじめ多くの人たちのラグビーに対する熱い思いを感じる機会になった。今季はまだ勝てていないが、悪いことばかりではない。ポジティブな部分をつなぎ、次は応援してくれる皆さんに恩返しできるようにしっかり勝利する姿を見せたい」と誓った。
 
両チームの選手が並ぶと多くのファンがカメラを向けた

両チームの選手が並ぶと多くのファンがカメラを向けた

 
マッチスポンサー「SMC」の社員らも加わり記念撮影

マッチスポンサー「SMC」の社員らも加わり記念撮影

 
 ひな祭りでもあるこの日は、試合後の「ラグビーのまち釜石教室」で女性向けの体験コーナーも企画され、県内唯一の高校女子チームである花巻東高女子ラグビー部が、試合や体験教室のサポートをする予定だった。後藤渚菜主将は「やっぱり試合は見たかったですが…(仕方ない)。(地元岩手の)SWの活躍は自分たちの励みにもなっているので頑張ってほしい」とエールを送った。
 

空気圧制御機器 世界首位「SMC」が初のマッチスポンサーに うのスタ出展のブース大にぎわい

 
会社の業務や製品が紹介された「SMC」のブース

会社の業務や製品が紹介された「SMC」のブース

 
 3日の試合は、釜石SWのチームスポンサーでもあるSMCがマッチスポンサーとなった。会場内には大型の仮設ハウスが設置され、同社と遠野市のサプライヤー4社が出展。普段、一般の人は見られない業務内容を写真パネルや動画、製品などで紹介した。
 
 SMCは空気圧制御機器製造では世界首位の実績を誇り、国内6カ所の生産拠点のほか海外にも工場を持つ。本県には釜石、遠野両市に工場があり、外国人を含む約2500人が就労。釜石市では5工場が稼働する。
 
 空気圧制御機器は工場の生産ラインなどの自動化に欠かせないもので、あらゆる産業で使われるが、一般の人が目にする機会はほとんどない。今回の出展では同社の使用機材や製品を応用した体験型ブースも展開。子どもから大人まで幅広い年代が、楽しみながらその技術に触れた。
 
空気の力でペットボトルカーを走らせピンを倒すボーリングゲーム

空気の力でペットボトルカーを走らせピンを倒すボーリングゲーム

 
sw7_11

真空パットを操作しボールやチョコレートをゲット!

 
SMCとサプライヤー4社のブースは終始、大勢の来場者でにぎわった

SMCとサプライヤー4社のブースは終始、大勢の来場者でにぎわった

 
 新年度、同社に入社予定の大槌高3年の生徒2人は「仕事内容を見て4月から頑張ろうという気持ちが高まった。具体的な説明が聞けたので来て良かった」と目を輝かせた。陸前高田市の平野真綾さん(28)は「日本を支えていただいてありがたい。母も働いているので、どんな仕事なのか分かって感慨深い」と喜んだ。
 
 浦島勝樹釜石工場長は「皆さん、興味を持って見てくださった。これを機に弊社の製品、会社自体の認知度も高まれば」と期待。メインの試合はできなかったが、「少しでも地域貢献につながったならうれしい」と話した。
 

釜石高「夢団」は祈念碑前で震災伝承活動 新たに4人が語り部デビュー

 
釜石高「夢団」のメンバーによる東日本大震災の伝承活動

釜石高「夢団」のメンバーによる東日本大震災の伝承活動

 
 釜石高の生徒有志による防災・震災伝承グループ「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」(60人)は3日、釜石SWのホーム戦に合わせ、同スタジアムで東日本大震災の経験や教訓を伝える語り部活動を行った。1~3年生9人が活動。生徒たちの呼び掛けに応え、来場者73人が話を聞いた。
 
 スタジアム内に建立されている震災犠牲者の鎮魂、教訓伝承のための祈念碑前で1、2年生の語り部5人が話をした。うち4人はこの日が語り部デビュー。生徒らは2月に経験者から話を聞く研修などを行い、それぞれに語り伝えたい内容をまとめて当日を迎えた。時折、雪が吹き付ける中、生徒らは自分の言葉で「命を守る大切さ」などを伝えた。
 
避難時に利用する「オリジナル安否札」も配布しながら「語り部活動」をPR

避難時に利用する「オリジナル安否札」も配布しながら「語り部活動」をPR

 
スタジアム内に建てられた祈念碑の前で震災の経験や教訓を伝えた

スタジアム内に建てられた祈念碑の前で震災の経験や教訓を伝えた

 
 震災時3歳だった政屋璃緒さん(1年)は宮古市のショッピングモールにいた時に地震に見舞われた。大きな揺れの感覚や周囲のざわつきを覚えているという。伝承活動では「いつどこで被害に遭うか分からない。常に(防災)意識を持っていてほしい」と訴える。宮古からの通学で最初に感じたのは「津波の時、どこに逃げればいいか分からなかった」こと。「普段から初めての場所に行く時は近くの高い所を探しておくといい。いざという時、心の余裕につながると思う」と話した。
 
 双子の妹とともに語り部デビューとなった佐々有寿さん(2年)は祖父の家が津波で流された。がれきの中、祖父宅に置いていたぬいぐるみを探した記憶があるという。自身の唯一の記憶と祈念碑に刻まれた「あなたも逃げて」という言葉を使い、自分の思いを伝えた佐々さん。「命を守る最善の方法は逃げること」と言葉に力を込める。この日は「お客さんの反応が見え、ちゃんと思いが伝わっているのを感じた」。
 
立ち寄った来場者(右側)は生徒らの話に熱心に耳を傾けた

立ち寄った来場者(右側)は生徒らの話に熱心に耳を傾けた

 
 同震災から11日で13年-。夢団の語り部活動はSWの次戦10日にも同スタジアムで行われる予定。生徒たちの思いを現地でじかに聞いてみては?

2024taiikusho1

打って、泳いで、走って栄誉つかむ スポーツで活躍!釜石市民 努力、健闘たたえる

釜石市民体育賞の受賞者、市体育協会関係者ら

釜石市民体育賞の受賞者、市体育協会関係者ら

 
 スポーツ界で活躍した人をたたえる釜石市体育協会(小泉嘉明会長)の2023年度市民体育賞表彰状授与式は23日、大町のホテルクラウンヒルズ釜石で開かれた。岩手県や東北大会の優勝者ら17人、3団体に「奨励賞」を贈呈。長年にわたり競技の普及、発展に貢献してきた2人には「功労賞」が贈られた。そして、釜石高ボクシング部で3年間部活動に励んだ3年生部員に贈られる「小泉賞」。市ボクシング協会(小泉会長)主催の贈呈式が26日に中妻町の昭和園クラブハウスであり、選手7人、マネジャー1人の計8人が努力の証しとなるトロフィーを手にした。
 

若手もベテランも輝く 市民体育賞

 
 今年度の体育賞受賞者は小学1年生~75歳までと幅広い顔ぶれ。あいさつに立った小泉会長は「小さい頃から本気になり、互いに鍛え合いながら目標に進む人たちのいい顔を見られてうれしい。元気に頑張れば、次の扉が開くはず。スポーツで前向きなまち釜石をつくっていこう」と期待した。
 
市民体育賞の表彰式。受賞者はさらなる飛躍を誓う

市民体育賞の表彰式。受賞者はさらなる飛躍を誓う

 
 奨励賞は空手道の活躍が目立つ。個人では藤原凪さん(鵜住居小3年)、川崎煌聖君(同5年)、木村元軌君(平田小1年)、照井陽己君(同)、三浦陽翔君(同)、阿部琉芯君(白山小4年)、佐野葵泰君(釜石中2年)、佐野泰盛君(甲子中3年)、小川結暖さん(同)、坂本嘉之さん(釜石高3年)。団体で釜石高の男子空手道部(松田郷佑主将)、女子空手道部(佐々木來愛主将)が受賞していて、層の厚さを感じさせた。
 
 水泳からは白岩優一朗君(甲子中3年)、ボクシングでは佐々木夏さんと菊池麗さん(いずれも釜石高3年)、陸上競技は小澤詩乃さん(釜石中2年)、未瑚さん(同1年)姉妹がそれぞれ選ばれた。若手が健闘を見せる中、ベテランで実力を発揮したのはバウンドテニスの田村彬紘さん(38)と阿部なみ子さん(75)。小泉会長は受賞者一人一人に声をかけながら賞状とトロフィーなどを贈った。
 
受賞者を代表して謝辞を述べる藤井豊さん

受賞者を代表して謝辞を述べる藤井豊さん

 
 陸上競技協会役員、駅伝部で選手兼監督として20年以上競技に打ち込む藤井豊さん(75)は功労賞を受賞。代表して謝辞に立ち、「自らの競技力の向上、選手の育成など仲間と取り組んできたことが評価された。今後も健康で丈夫な体と精神を鍛え、スポーツに親しみたい」と情熱は衰えない。同じく表彰された澤修一さん(66)は水泳協会理事として各種大会運営、若手育成などに40年近く携わり、競技の普及に尽力する。
 
 注目は、奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部。普段、別々のスポーツに取り組んでいる生徒有志23人が集まり、約4カ月という短期集中で練習に励み、県中総体で優勝した。主将の八幡玲翔君(3年)は陸上部で短距離を頑張ってきたが、実は地元ラグビーチーム日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)が小中学生を育成するアカデミーにも所属。団体競技の楽しさ、仲間を信じる大切さを教えてくれるラグビーに魅力を感じ、仙台市の高校へ進学後も続ける。夢は「SWで活躍すること」。スポーツで地域に恩返しする気持ちを強めていた。
 
奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部

奨励賞を受けた釜石中特設ラグビーフットボール部

 
 5年間、指導にあたった同校の梅津孝昭教諭は初優勝に感慨深げ。自身も高校、大学とラグビーに親しんだが、SWや地域の人の支えがあって成し遂げられたと感謝も忘れない。体協関係者も「ラグビーのまち釜石から素晴らしい成績が出た」と沸いた。
 
 今年度は各競技団体や学校から推薦された26件を審査。理事会の承認を得て受賞者を決定した。全国レベルの大会で優勝(または優勝に準ずる成績)した個人、団体に贈られる「栄光賞」は該当がなかった。式では、県体育協会功労賞を受けた市剣道協会の細川親雄会長に表彰の伝達もあった。
 

勉強も部活もやり切った高校生へ 小泉賞

 
 今年度、小泉賞を受けたのは8人。選手として活躍した平野優羽さん、今野拓翔さん、茂木大希さん、立花素生さん、東舘耀大さん、市民体育賞も受けた佐々木さん、菊池さんの7人と、マネジャーの藤井まどかさん。近年では仲間が多い学年で、「釜石に大きな波を起こそう」と鍛錬し合った。結果はそれぞれだったが楽しみながら、そして真剣に向き合って「悔いはない」と、多くの生徒が晴れやかな表情を見せた。
 
3年間努力し続けた釜石高ボクシング部の3年生、小泉会長(前列中)

3年間努力し続けた釜石高ボクシング部の3年生、小泉会長(前列中)

 
 県内外への進学が決まっている生徒たちに、小泉会長は「コロナというハードパンチをよけながら3年間頑張った。競技を通じて学んだことを思い出し、価値を高めながら生き、社会に出て活躍してほしい」とエールを送った。
 
学校生活の振り返りと進学先での抱負を伝える佐々木夏さん

学校生活の振り返りと進学先での抱負を伝える佐々木夏さん

 
 県、東北、全国大会で健闘した佐々木さんは、父でコーチの彰さん(50)と同じ専修大に進み、ボクシングを続ける。「学生日本一になる」。同様の目標を掲げる菊池さんは日本体育大に進学。彰さんとともにコーチを務めていた亡父・拓さん(享年49)が成し遂げられなかった夢をつかむために。父と同じ高校生チャンピオンになるという目標は達成できなかったが、「もっと強くなり、(父を)超えたい」と高みを目指す。
 
菊池麗さん(中列右から2人目)は仲間や後輩と記念にパチリ

菊池麗さん(中列右から2人目)は仲間や後輩と記念にパチリ

 
すがすがしい笑顔を見せる高校生、ボクシング協会関係者

すがすがしい笑顔を見せる高校生、ボクシング協会関係者

 
 同校ボクシング部は3年生が卒業した今春、部員9人(選手6、マネジャー3)でスタート。部員獲得に力を入れつつ、「先輩たちのかっこいい姿を追いかける」「練習につき合ってくれた成果を高総体で発揮したい」と伝統を受け継ぐ構えだ。

sw1

釜石SWホーム開幕戦 愛知に7-52 反則、ミスで失点招く 強化のFWは力発揮

ホームの釜石鵜住居復興スタジアムで初の開幕戦を迎えた釜石SW(赤)。シャトルズ愛知と対戦

ホームの釜石鵜住居復興スタジアムで初の開幕戦を迎えた釜石SW(赤)。シャトルズ愛知と対戦

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでシーズン初戦を迎えた。相手は昨季2部3位の豊田自動織機シャトルズ愛知。4位の釜石は昨季の愛知との2戦目で6点差に詰め寄っており、今季開幕時のチーム力が注目された。試合の結果は7-52(前半0-19)。残念ながら、開幕を勝利で飾ることはできなかった。第2節は16日、3部から昇格したNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と敵地で対戦する。
 
 釜石は新加入の6人を先発に起用。前半は随所でいいタックルも見られ、粘りのディフェンスで途中までは互角の戦い。一方で、相手の強いプレッシャーの中で9つの反則を取られ、試合の流れを渡してしまう場面も。愛知に3トライを許した。得点のチャンスだったSO中村良真のPGはゴールポストに跳ね返され、前半は無得点に終わった。
 
今季新加入のプロップ、フリン・イェーツ(中央)は強力な突進で観客を沸かせた

今季新加入のプロップ、フリン・イェーツ(中央)は強力な突進で観客を沸かせた

 
 釜石の初トライは後半20分。愛知に5本目のトライを決められた直後、ナンバー8に入った2年目のセタ・コロイタマナが期待通りのゲインライン超え。素早く右に展開すると、タッチライン際のWTB小野航大にきれいにつながり、小野の前方へのキックパスを今季新加入のFB吉川遼がきっちり決めた。中村のゴールも成功。これを機に反撃に転じたい釜石だったが、ラインアウトのミスやアタックのリズムを作れなかったことなどで追加点に至らず、7-52の大差で敗れた。
 
後半20分、新加入のFB吉川遼がチーム初トライ。キックパスを出した小野航大主将も喜びの笑顔(白枠内右)

後半20分、新加入のFB吉川遼がチーム初トライ。キックパスを出した小野航大主将も喜びの笑顔(白枠内右)

 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチは「もう少しやれるかなとは思ったが、シャトルズさんの成長、チーム力強化が素晴らしかった」と開幕時での力の差を認めた。それでも強化してきたスクラムが安定し、体を張ったディフェンスで相手を止められる場面も増えていて、「やってきた成果は出ている。規律、落ち着いたアタックで自分たちの形を作れればさらに良くなる」と新たな修正点を見据えた。
 
後半、モールで敵陣に攻め込む釜石SWのFW陣

後半、モールで敵陣に攻め込む釜石SWのFW陣

 
 小野航大主将も「課題の多いゲームになった。ブレイクダウンの集散、トランジション(攻守の切り替わり)の部分は修正できるところ。ペナルティーも減らしたい」と反省点を示した。一方で、「体を当てるところでは互角でやれている感覚はあった。コリジョン(接点)に関しては自信を持って臨みたい」と手応えを感じ、メンタルの変革も課題に挙げた。
 
sw5

「ボールを持つと何かやってくれる―」仲間の信頼も厚い2年目のセタ・コロイタマナ(中央)。後は今季新加入のCTBトンガ・モセセ

 
多くの観客が声援を送ったバックスタンド席

多くの観客が声援を送ったバックスタンド席

 
 釜石SWのホームでのリーグワン開幕戦は初めて。地元小中学生はホストゲームの無料観戦ができるドリームパスポートを利用、65歳以上の高齢者はシニアサンクスデーの無料招待で観戦するなどし、この日の来場者数は1245人。会場内では新発売の選手名入りタオルなどのグッズ販売コーナーがにぎわい、試合前には応援練習も行われた。
 
2年目の「ドリームパスポート」企画で釜石大槌の小中学生は無料で入場

2年目の「ドリームパスポート」企画で釜石大槌の小中学生は無料で入場

 
「シニアサンクスデー」の65歳以上無料招待も好評

「シニアサンクスデー」の65歳以上無料招待も好評

 
選手の名前入りタオルなどを求め、にぎわうグッズ販売コーナー

選手の名前入りタオルなどを求め、にぎわうグッズ販売コーナー

 
試合前に行われた釜石SWの応援練習

試合前に行われた釜石SWの応援練習

lc1

中学生バスケ 新チームづくり後押し 釜石リアスライオンズクラブ杯 33回目の熱戦

釜石の中学生が熱戦を繰り広げたバスケットボール大会

釜石の中学生が熱戦を繰り広げたバスケットボール大会

 
 釜石リアスライオンズクラブ杯釜石地域中学校バスケットボール大会は3日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。青少年の健全育成やスポーツ振興などを目的に継続し、33回目。今回はインフルエンザの影響で出場を控える学校があり、男子3チーム、女子は2チームがリーグ戦に挑んだ。
 
 冬季に行ってきた大会はここ数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで延期や年度をまたいでの開催が続く。今年は予定通りの実施となったが、この時期に流行するインフルの影響を受ける形に。男子の部で、休業明けの1校が参加を見送った。
 
行くぞ!得点を狙って駆け出す選手たち

行くぞ!得点を狙って駆け出す選手たち

 
技あり!ゴール下からシュートを狙う

技あり!ゴール下からシュートを狙う

 
 男子は釜石、甲子、大平が熱戦を展開。女子は釜石・大槌学園の合同チーム、大平がそれぞれ勝利を目指した。各校とも3年生が引退し、1、2年生による新たなチームづくりに注力中。個々の競技力、連係などを確かめる機会にもした。
 
 感染対策を講じた上で、入場制限はせず、保護者らが自由に観戦。「ナイスカット!」「リバウンド、もう1回」「ファイトー」などと、2階席から声援を送った。
 
ベンチからチームメートに声援を送る

ベンチからチームメートに声援を送る

 
他チームの試合を観戦して動きを研究したり

他チームの試合を観戦して動きを研究したり

 
 「これ、かんな!頑張れ」。試合の合間にある休憩時間に2階席から声をかけていたのは、大会を主催する同クラブ(正・家族会員含め37人)会員の佐々木政治さん(81)。「新しいチームだから、ボールが手に付かないのかも。まだ、これからだな」とこぼしつつ、コート上を駆け回る孫の栞奈さん(大平2年)の姿をうれしそうに目で追った。惜しくも敗れたが、女子キャプテンとして活躍。「活発な子。思いっきり生きてほしい」と目を細めた。
 
孫の活躍に目を細める祖父(手前)の姿も

孫の活躍に目を細める祖父(手前)の姿も

 
 祖父の応援を受け止めた栞奈さんは、少し恥ずかしそう。この日は、交代選手なしの5人で臨み、不調で1人欠ける時間があったり苦しい展開になった。それでも、「一人ひとりの動きや役割を確認できる場になった」と気持ちは前向き。それぞれが最大限の力を出せるよう練習に取り組むことをチーム内で共有し、「来年の中総体、頑張る」と力強くうなずいた。
 
女子も白熱した試合展開を繰り広げた

女子も白熱した試合展開を繰り広げた

 
 同クラブの鈴木久会長(65)は少子化や学校統合によって参加数が減っているものの、「一昨年には釜石中が県新人戦で初優勝。30年超続く大会の成果だ」と強調。競技に打ち込む生徒たちに実戦の機会を提供すべく、さらに回を重ねる考えだ。
 
 今大会では男子が釜石、女子は釜石・大槌合同チームがそれぞれ優勝杯を手にした。

rugby01

2部トップ3今季こそ ラグビーリーグワン3年目 釜石SWが出陣式 10日ホームうのスタで開幕戦

2023-24シーズン出陣式に臨む日本製鉄釜石シーウェイブス

2023-24シーズン出陣式に臨む日本製鉄釜石シーウェイブス

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は1日、今季リーグ戦の開幕を前に、釜石市港町のイオンタウン釜石で出陣式を行った。SWの開幕戦は10日。釜石鵜住居復興スタジアム(うのスタ)で、豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。リーグワンシーズン初戦をホームで迎えるのは初めて。目標のトップ3(3位以上)達成へ重要な一戦を、選手・スタッフ、ファンが一丸となって迎え撃つ。
 
 出陣式には約100人が参加。今季着用する新ジャージーを身に着けた選手6人がステージに上がると客席から大きな拍手が湧き起こった。赤(ファースト)と白(セカンド)の新ジャージーは、大漁旗に描かれる波や同スタジアムの大屋根(帆船の帆をイメージ)をモチーフにしたデザインが施される。
 
ファンらの大きな拍手に迎えられ入場する選手

ファンらの大きな拍手に迎えられ入場する選手

 
今季着用する1stジャージー(赤)と2nd同(白)

今季着用する1stジャージー(赤)と2nd同(白)

 
集まった人たちを前に今季への意気込みを述べる小野航大主将(左)

集まった人たちを前に今季への意気込みを述べる小野航大主将(左)

 
 ファン、サポーターらを前にWTB小野航大主将は「今季こそトップ3に入り、1部との入れ替え戦に進めるよう一丸となって頑張りたい。勝利の喜びを分かち合えることを楽しみにしている」。フランカー河野良太クラブキャプテンは「うのスタで全勝したい。ぜひ会場に足を運んで選手の背中を押していただければ」。チームには今季10人が新加入。ポジション争いも激しく、開幕へいい準備ができているという。
 
 チームは昨季の反省からFWの強化を進めてきた。プロップ稲田壮一郎選手は「スクラムトライを決め、全員でガッツポーズをしたい」、フッカー伊藤大輝選手は「ジャッカルでボールを奪い、チームにいい流れを作りたい」などと抱負を述べ、目標達成へ強い意志を見せた。
 
 スポンサーを代表し、日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長(釜石地区代表)が激励のメッセージ。「たくさんの方々が皆さんを全力でサポートしている。仲間、自分を信じ、プライドを持って最後まであきらめずに戦ってほしい。必ず結果はついてくる」と熱いエールを送った。
 
スポンサーを代表し激励の言葉を送る日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長

スポンサーを代表し激励の言葉を送る日本製鉄北日本製鉄所の倉地三喜男副所長

 
 リーグワン2部は全6チームで戦う。昨季1部11位のNECグリーンロケッツ東葛、同3部1位のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と2位の九州電力キューデンヴォルテクスが新たな顔ぶれ。釜石SWの須田康夫ヘッドコーチは「昨季以上に厳しい戦いになる」と予想。初戦の愛知を「トップ3を目指す上で必ず勝たないといけない相手」と見据える。小野主将も「自分たちが準備してきた強みでどれだけ戦えるかが鍵。自信を持って臨みたい」と開幕勝利へ闘志をみなぎらせる。
  
 SWはレギュラーシーズン全10試合のうち3試合(12月10日、3月3、10日)を釜石鵜住居復興スタジアムで対戦。今季は初めて福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわき(12月24日)、盛岡市のいわぎんスタジアム(3月24日)でも試合が行われる。
 
 出陣式に足を運んだ盛岡市の鈴木悠征さん(45)は「選手の意気込みが伝わってきた。いい試合を見せてほしい」と期待。妻望美さん(30)は「(釜石に根付く)鉄の心で頑張ってほしい」と応援メッセージ。まだ実現していない会場での観戦を心待ちにし、「今季は盛岡で試合があるのでぜひ見に行きたい。都合がつけば釜石のスタジアムにも」と声をそろえた。
 
大勢のファン、サポーター、スポンサーが集まり選手らを励ました

大勢のファン、サポーター、スポンサーが集まり選手らを励ました

 
力強く意気込みや抱負を話す選手に拍手でエール

力強く意気込みや抱負を話す選手に拍手でエール

 
 釜石SWのホストゲーム5試合は、釜石大槌地区の小中学生は学校を通じて配布した「ドリームパスポート」の提示により無料で観戦できる。開幕戦は「シニアサンクスデー」として65歳以上の方を無料招待する(受付で年齢が分かる運転免許証、マイナンバーカードなどを提示)。開幕を祝い、釜石ラグビー応援団がホタテの稚貝汁を先着200人に振る舞う予定。
 
最後は地酒や地ビールなどが当たるお楽しみ抽選会も行われた

最後は地酒や地ビールなどが当たるお楽しみ抽選会も行われた

tagrugby7423

楕円のボールで育む友情と心身 釜石・小学校対抗タグラグビー大会 特別ゲストとの交流も

5回目を迎えた釜石市小学校対抗タグラグビー大会=釜石鵜住居復興スタジアム

5回目を迎えた釜石市小学校対抗タグラグビー大会=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 第5回釜石市小学校対抗タグラグビー大会(釜石東ロータリーカップ2023)は19日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。市内の小学生ら144人がゲームや交流を楽しみ、“ラグビーのまち釜石”の子どもパワーを見せつけた。今大会にはラグビー元日本代表の畠山健介さん(38)=宮城県気仙沼市出身=が特別ゲストとして登場。試合の合間に児童らと触れ合い、技も伝授した。
 
 同大会は、釜石も会場地の一つになったラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の機運醸成を図る一環で2017年にスタート。児童らの健全育成と他校との交流などを目的に継続される。新型コロナウイルス禍による2年の休止を経て昨年から再開された。
 
 試合には市内5校と釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから16チームが参加。各チームは4年生以上で結成され、1チーム5人で戦う。予選リーグを行い、ブロック上位の2チーム(計8チーム)が決勝トーナメントに進んだ。各チームは仲間や家族の熱い声援を受けながらコートいっぱい駆け回り、協力してトライを勝ち取ると喜びの笑顔を広げた。
 
釜石小6年髙木壮嘉君の選手宣誓で大会が幕開け

釜石小6年髙木壮嘉君の選手宣誓で大会が幕開け

 
練習の成果を発揮し元気にプレーする釜石の児童

練習の成果を発揮し元気にプレーする釜石の児童

 
相手選手の腰のタグを取るのがタックルの代わり

相手選手の腰のタグを取るのがタックルの代わり

 
 甲子小は2チームが参加。10月から朝と放課後の練習を重ねてきたといい、カッシーズAが3位に入る健闘を見せた。メンバーの佐々木隆之介君(5年)は昨年に続いての大会に「相手チームの裏をかき、いろいろなパス回しができた。戦績は悪いとこもあったけど、強いチームから3点取れたのは大きい」。キャプテンの鈴木秋音君(6年)は「スピードやパスなどそれぞれの強みを生かした個人プレーも効いていた。みんなで練習の成果を発揮できた」とさわやかな表情。
 
インゴールへ走り込みトライ「よしヤッター!」(左)。カッシーズA(甲子小)は平田ブロッサムズを7-3で下し3位入賞

インゴールへ走り込みトライ「よしヤッター!」(左)。カッシーズA(甲子小)は平田ブロッサムズを7-3で下し3位入賞

 
 決勝は小佐野バーバリアンズと鵜住居ウォーリアーズの対戦。前半は小佐野が3-2でリード。「前半、少し焦りがあった」という鵜住居は、ハーフタイムでの顧問の教諭のアドバイスで落ち着きを取り戻し、後半は本来の力を発揮。連続トライを重ね、6-3で優勝をもぎとった。鵜住居小は昨年に続く連覇。
 
 鵜住居小では週3回のクラブ活動としてタグラグビーに取り組む。3年生から練習に加わる子も多く、先輩たちの背中を見て力をつけている。キャプテンの前川和民君(6年)は「今日までみんな練習を頑張ってきた。負けることなく優勝できて良かった」。佐々木一真君(6年)は12月17日に予定される県知事杯兼サントリーカップ県大会を見据え、「今のままでは(強豪の)日詰に勝てないので、もっと練習して強くなりたい。ノックオンやタグミスが多いので直していきたい」とし、県大会制覇を目標に掲げた。
 
小佐野バーバリアンズ(オレンジビブス)と鵜住居ウォーリアーズ(水色同)の決勝

小佐野バーバリアンズ(オレンジビブス)と鵜住居ウォーリアーズ(水色同)の決勝

 
大盛り上がりを見せた決勝戦。自校の熱い応援を受け、トライへまっしぐら

大盛り上がりを見せた決勝戦。自校の熱い応援を受け、トライへまっしぐら

 
後半の追い上げで逆転し、見事優勝に輝いた「鵜住居ウォーリアーズ」の選手ら

後半の追い上げで逆転し、見事優勝に輝いた「鵜住居ウォーリアーズ」の選手ら

 
 試合の合間にはゲストの畠山健介さんが児童らと交流。効果的なパスの出し方を教えたり、チームに交じってプレーしたりし、児童らを喜ばせた。「釜石の強みはトップチームの釜石SWがあること。将来、ここでプレーしたいと思わせる存在があると、目標や夢もより具現化しやすい」と畠山さん。W杯での日本代表の活躍などで注目を集めるラグビーだが、「頂点が盛り上がるだけではだめ。それを支える裾野の底辺が大きくないと。長く競技に親しんでもらうには楽しいと思わせる経験が必要」と、地域活動の広がりに期待を寄せた。
 
ラグビー元日本代表の畠山健介さんとの交流に子どもたちは弾ける笑顔!

ラグビー元日本代表の畠山健介さんとの交流に子どもたちは弾ける笑顔!

 
畠山さんはパスの出し方も指導。日本代表経験者から学べる貴重な機会

畠山さんはパスの出し方も指導。日本代表経験者から学べる貴重な機会

 
試合で畠山さんの目に留まった選手には「ケニー賞」としてサイン色紙やジャージーをプレゼント

試合で畠山さんの目に留まった選手には「ケニー賞」としてサイン色紙やジャージーをプレゼント

 
 10月に同スタジアムで行われた県中総体ラグビーでは釜石中が初優勝、甲子中が準優勝という好成績を残した。両校とも特設チームでの快挙。小学校時代、同大会でプレーした子どもたちのその後の活躍に大会関係者も喜びを表していた。
 
3年生以下の34人は釜石SW選手やボランティアスタッフのサポートでラグビーの面白さを体験

3年生以下の34人は釜石SW選手やボランティアスタッフのサポートでラグビーの面白さを体験

france1

世界とつながる釜石 フランス派遣のアマラグビーチーム、中学生 成果を報告

フランスでの体験を報告した選手や中学生ら

フランスでの体験を報告した選手や中学生ら

 
 フランスで9月に開催されたラグビーワールドカップ(W杯)に合わせ、同国で初開催されたアマチュア世界大会に特設チーム「いわて釜石ラグビーフットボールクラブ(RFC)」が出場。同時期に、海外体験学習として釜石の中学生も同国を訪れた。2つのチームに与えられたミッションは▽東日本大震災復興支援への感謝の発信▽W杯日本大会のレガシー(遺産)継承▽スポーツを通じた国際交流-。10月28日に釜石市大町の市民ホールTETTOで報告会を開き、市民ら約60人に現地での活動を伝えた。
 

スポーツ交流 いわて釜石RFC選手ら「刺激に」

 
活動報告するいわて釜石RFCの選手たち

活動報告するいわて釜石RFCの選手たち

 
 いわて釜石RFCが参加したのは、「ワールドアマチュアラグビーフェスティバル」。9月23~30日に仏南部のプロバンス地方で開かれた。W杯参加国を中心に16カ国が出場。日本からは、開催地の一つディーニュ・レ・バン市と姉妹都市提携を結ぶ釜石市に出場の打診があったことから、岩手や釜石にゆかりある選手30人を選抜してチームを派遣した。
 
 報告会には選手10人が参加した。ヘッドコーチも務めた市スポーツ推進課の佐伯悠さん(38)によると、他国は既存のクラブチームが出場。いわて釜石RFCは予選リーグでイングランド、アルゼンチン、チリのチームと対戦し全敗。ジョージア、ベルギーとの順位決定戦にも競り負け、最下位の16位に終わった。そんな中、12-19と競り合ったアルゼンチン戦では三田唯力選手(25)=県警=がマン・オブ・ザ・マッチに選出。佐伯さんは「全試合、ホームゲームのような応援の中で戦えた。各選手が活躍し、順位以上にいろんなものを得ることができた」と充実した日々を振り返った。
 
チームの戦いぶりを振り返る佐伯さん

チームの戦いぶりを振り返る佐伯さん

 
 釜石シーウェイブスOBらも多く、「またガチなラグビーができ、いい思い出になった」「刺激的な日々。やっぱりラグビーは楽しい」などと感想を伝えた。木村優太選手(30)もそんな一人で、「全敗は悔しいが、選ばれた仲間と戦えたことは誇り。選手を引退したわけではないので、この経験を今後に生かしたい」と言葉に熱を込めた。
 
「ありがとうを伝えに」。現地の新聞で紹介された

「ありがとうを伝えに」。現地の新聞で紹介された

 
 アマ大会は、ラグビーが大好きなディーニュ市の若者が実現させた夢の形。小さなまち釜石が被災から立ち上がり、W杯日本大会の開催地になったストーリーに触発された挑戦だったといい、選手たちは釜石開催のレガシーが着実につながっていることを肌で感じてきた。ラグビー普及コーディネーター(市地域おこし協力隊)の竹中伸明選手(34)は多くの歓迎に感激。「受け取ったパスを広く釜石市民に届け、交流というパスを交換し続けるようにしたい」と前を向いた。
  
 野田武則市長は「復興支援への感謝を世界に伝え、国際交流の振興に貢献してくれた」とねぎらい、派遣事業を進めた実行委の小泉嘉明会長は「若い人の交流が進めば、いい関係が続く。平和にもつながる。ラグビー県、ラグビーのまち釜石を前に進めていこう」と期待を込めた。
  

異文化体験 生徒ら視野広げ「地域のために」

  
海外体験事業でフランスを訪れた中学生

海外体験事業でフランスを訪れた中学生

  
 中学生海外体験事業で渡仏した生徒は6人で、期間は9月24日~10月1日まで。ディーニュ市などの学校で同年代の子と交流し、ホームステイ先では現地の文化に触れた。姉妹都市提携のきっかけとなったジオパーク資産・アンモナイト化石群も見学。復興支援に尽力した化粧品メーカー「ロクシタン社」を訪ね、感謝を伝えた。いわて釜石RFCの応援、W杯の日本代表・サモア戦も楽しんだ。
 
スライドを使って体験活動の様子を紹介する生徒

スライドを使って体験活動の様子を紹介する生徒

 
 6人はいずれも、多くの出会いと発見がある貴重な体験をさせてもらったことへの感謝を口にした。初めての海外という緊張感や語学に対する不安も共通だったが、現地では不慣れなフランス語や英語を駆使する生徒らに理解を示し、親切に接してもらったと声をそろえた。
 
 ラグビー経験のある前川航紳さん(釜石中3年)は世界の舞台で戦う選手たちのプレーに感動。次に続こうと闘志を燃やした。外国人との交流では語学力だけでなく、自分たちが暮らす地域を知って伝えることが大事だと実感。「さまざまなことにチャレンジし、身につけて釜石の国際交流に貢献したい」と背筋を伸ばした。
 
生徒たちの交流の様子も現地の紙面で伝えられた

生徒たちの交流の様子も現地の紙面で伝えられた

 
 来年4月にはディーニュ市との姉妹都市提携30周年を迎える。聴講した人から「どんな釜石を紹介したい?」と質問されると、生徒たちは鉄の歴史やスタジアムを挙げたり、「フランスで印象に残ったのは街歩き。通りを見ることでも異国の雰囲気を感じられる」とアイデアを出した。釜石で暮らす外国人との交流を求める声もあり、6人は自分たちの可能性を信じながら「得た経験を地域に生かす」との思いを強めた。
 
国際交流の継続を期待する選手や中学生ら

国際交流の継続を期待する選手や中学生ら

sennin4324

標高差400メートル 急峻の難コースに243人挑む 復活!かまいし仙人峠マラソン大会

4年ぶりに開かれた「かまいし仙人峠マラソン大会」=10月29日

4年ぶりに開かれた「かまいし仙人峠マラソン大会」=10月29日

 
 第14回かまいし仙人峠マラソン大会(同実行委主催)は10月29日、釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所を発着点に行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から3年間中止されてきたが、今年待望の復活を遂げた。全国から集まった17~89歳の男女243人が出場。雨が降ったりやんだりのあいにくの空模様となったが、見ごろを迎えた美しい紅葉や沿道の声援に力をもらい、日本屈指の難コースを走り切った。
 
 大会はこれまで、大松で折り返す10キロコース(標高差約160メートル)と仙人トンネルまでを往復する峠コース=17.2キロ(同約400メートル)の2コースで行われてきたが、今回は約10キロに短縮した峠コースに絞って実施。エントリーした281人のうち243人が出場した。
 
 開会式で小泉嘉明実行委会長(市体育協会長)、野田武則市長が参加者を歓迎。ゲストランナーとして招かれたマラソン“川内3兄弟”の三男川内鴻輝さん(出場3回目)、山岳ランニングで国内トップの吉住友里さん(同2回目)が同コースの魅力を話し、「一緒に頑張ろう」と呼び掛けた。
 
参加者の憧れ、ゲストランナーの川内鴻輝さん(右)と吉住友里さん(左)

参加者の憧れ、ゲストランナーの川内鴻輝さん(右)と吉住友里さん(左)

 
 午前10時、小泉会長の号砲で一斉にスタート。陸中大橋駅方面へ約1キロ下った後、国道283号に出て約4キロの上り坂へ。遠野市との境、仙人トンネル手前の折り返し地点までひたすら続く坂道を駆け上がった。復路は一転、下り坂へ―。最後の難関はスタート直後に下った坂道。今度はゴールまで上る形となり、参加者は残る体力と精神力で完走を目指した。ゴール付近では、仲間や家族が声援を送り、完走後は共に喜びを分かち合った。
 
午前10時、旧釜石鉱山事務所前を一斉スタート

午前10時、旧釜石鉱山事務所前を一斉スタート

 
大橋トンネルを抜け、仙人峠頂上を目指す参加者

大橋トンネルを抜け、仙人峠頂上を目指す参加者

 
ゴールまであと少し。熱い声援を受け、最後の力を振り絞るランナー

ゴールまであと少し。熱い声援を受け、最後の力を振り絞るランナー

 
釜石市でダンス教室を開く澤田稔さん、美世子さん夫妻は手を取り合ってゴール!

釜石市でダンス教室を開く澤田稔さん、美世子さん夫妻は手を取り合ってゴール!

 
 全参加者中、トップでゴールしたのは宮古市の宇部雄太さん(25)。タイムは39分57秒で、2位と約2分の差をつけた。レース後、男女年齢別6部門で1~6位を表彰した。
 
後続を引き離し、トップでゴールした宇部雄太さん(左)。復路の2位争いはデッドヒート(右)

後続を引き離し、トップでゴールした宇部雄太さん(左)。復路の2位争いはデッドヒート(右)

 
6部門で1~6位を表彰。入賞者には賞状や記念品が贈られた

6部門で1~6位を表彰。入賞者には賞状や記念品が贈られた

 
 最年少参加者で今大会唯一の高校生、遠野高2年の佐々木寧音さん(17)は「思ったよりきつい。今まで走ったことがない難コース」と驚きの初体験。父譲さん(47)の影響で小学校から長距離走を始め、同大会も父の背中を見て応募した。初の親子参加に「感無量。よくゴールした。一緒に完走できてうれしい」と喜ぶ譲さん。自身は今回で3回目の参加だが、峠コースは初挑戦。「足がやられた。でも完走できたので自分を褒めたい」。一緒にトレーニングに励むこともある寧音さんを「心の友」と表し、「東京マラソンに出てみたい」と目標を掲げる愛娘に温かいまなざしを向けた。
 
最年少、唯一の高校生参加者の佐々木寧音さん(左)は選手宣誓も務めた。父譲さんと完走の喜びを分かち合う(右)

最年少、唯一の高校生参加者の佐々木寧音さん(左)は選手宣誓も務めた。父譲さんと完走の喜びを分かち合う(右)

 
 釜石移住の仲間と初挑戦したのは、同市に移住して1年の会社員三浦万侑さん(25)。写真で見た仙人峠の紅葉に魅せられ「楽しめそう」と申し込んだが、「坂、やばいです。折り返し前、中盤ぐらいが一番きつかった」と苦笑い。長距離走自体経験がなく、普段はたまにスポーツジムで汗を流す程度。大会2~3週間前から3~4キロ走るのを繰り返し、本番に臨んだ。「(成果は)出せたと信じたい。制限時間内にゴールできたので」。雨ながら肉眼で見る紅葉は格別で、「感動です。途中で写真も撮りました」と記憶と記録に残した。
 
釜石移住者仲間で参加したこちらのグループは全員完走。喜びの笑顔を輝かせた

釜石移住者仲間で参加したこちらのグループは全員完走。喜びの笑顔を輝かせた

 
 職場の仲間での参加も同大会おなじみの光景。今回、釜石税務署の職員4人は11月11日から始まる「税を考える週間」をPRしようと、そろいのTシャツ姿で初参加した。背中にはQRコードを大きくプリントしてアピール。伊東亮将さん(26)は「想像以上のしんどさ。上り坂で何回も心が折れかけたが、何とか気合いで乗り切った」。大和田純さん(28)は「税の広報もでき、全員完走。かなりの達成感。明日からまたみんなで仕事を頑張れそう」。応援に駆け付けた石亀博文署長(58)は「若い職員が何かできないかと考え、自ら行動してくれた。Tシャツも大会のために準備したもの。税に目を向けるきっかけ作りに頑張ってくれたことに感謝したい」と奮闘をたたえた。
 
「税を考える週間」をPRするTシャツ姿で走る釜石税務署の職員ら

「税を考える週間」をPRするTシャツ姿で走る釜石税務署の職員ら

 
完走した釜石税務署の大和田純さん(左)、安保充さん(中左)、伊東亮将さん(右)と石亀博文署長(中右)

完走した釜石税務署の大和田純さん(左)、安保充さん(中左)、伊東亮将さん(右)と石亀博文署長(中右)

 
 今大会参加者の最年長は花巻市の仙内直衛さん(89)。同大会には所属する花巻走友会の仲間とほぼ毎回参加している。自身のスタイルを「“ずぼら”走だ。自分を追い込まず、完走できればいいという感じ」と屈託なく笑う。マラソンは50歳から始め、72歳までフルマラソンにも出場。「完走すると気分がいい。若い人たちと一緒に走れるのは楽しい」と心を躍らせる。今回も無理なく走り切った。
 
「最高齢者賞」を贈られた花巻市の仙内直衛さん(左)と松岡マヨ子さん(右)。年齢を感じさせない健脚ぶりに拍手!

「最高齢者賞」を贈られた花巻市の仙内直衛さん(左)と松岡マヨ子さん(右)。年齢を感じさせない健脚ぶりに拍手!

 
 仙内さんは、女子の最年長松岡マヨ子さん(77、花巻市)とともに「最高齢者賞」を受賞。最も遠くからの参加者に贈られる「遠来賞」は鹿児島県南さつま市から参加の中村貴子さん(45)が受賞した。
 
 同大会は2010年にスタート。翌11年に東日本大震災が発生したが、「復興への峠を駆け上がれ」の合言葉のもと、大会は途切れることなく続けられた。12年の第3回大会で参加者数1011人と最多を記録している。今大会は3年間のブランクを経ての開催ということで、運営体制などを考慮し規模を縮小した。参加者からは大松コースの復活を望む声もあり、実行委では来年以降の形態を再度、検討していく。
 
ハロウィーン仕様のカラフル衣装で選手を応援。力をもらったランナーが急勾配の坂を駆け上がる

ハロウィーン仕様のカラフル衣装で選手を応援。力をもらったランナーが急勾配の坂を駆け上がる

 
仮装ランナーは今年も健在。沿道の人たちを楽しませた

仮装ランナーは今年も健在。沿道の人たちを楽しませた

colorgard3783

釜石に「富来旗チアチームを」カラーガード体験会初開催/SWプレシーズンマッチホーム最終戦結果

釜石で初めて開かれた「カラーガード体験会」=TETTO前広場

釜石で初めて開かれた「カラーガード体験会」=TETTO前広場

 
 色とりどりの旗や木製ライフルなどを用いて音楽に合わせて演技する「カラーガード」の体験会が10月22日、釜石市大町の市民ホールTETTO前広場で開かれた。企画したのは、ラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)オフィシャルサポーターを務めるモデル、フリーリポーターの葛巻舞香さん(39)。SWの応援でもおなじみの大漁旗=地元では富来旗(フライキ)ともいう=を使った釜石ならではのチアチームを作ろうと、初めて開催した。今後、体験会を重ねながらチーム発足を目指す。
 
 盛岡市を拠点に活動する本県唯一のカラーガードチーム「arbre(アルブル)」から出戸亨子代表とメンバーの小学、高校生4人が来釜。映画やアニメ作品で使われた3曲に合わせて短い演技を披露し、集まった市民らにカラーガードについて紹介した。
 
 カラーガードは軍隊に由来する団体競技。マーチングでフラッグ(旗)、ライフル(銃)、セイバー(剣)などの手具を用いて演技し視覚的効果を担うほか、大会で技を競う。アルブルはマーチングの東北大会出場、地域イベントへの出演、バスケットボールの岩手ビッグブルズのハーフタイムショーでの演技披露など多彩に活動する。
 
岩手のカラーガードチーム「arbre」が音楽に合わせた演技を披露

岩手のカラーガードチーム「arbre」が音楽に合わせた演技を披露

 
指導にあたったarbreの出戸亨子代表(左)と体験会を企画した葛巻舞香さん(右)

指導にあたったarbreの出戸亨子代表(左)と体験会を企画した葛巻舞香さん(右)

 
最初は旗の持ち方や回し方など基本的動作を練習

最初は旗の持ち方や回し方など基本的動作を練習

 
 本体験会は葛巻さんらが進める「釜石富来旗チアチーム発足プロジェクト」の第一歩として開催。カラーガードを知ってもらうところから始め、参加者が簡単な振り付けに挑戦した。30分ほどの練習で旗を回したり掲げたりする一連の動きができるまでに…。最後はアルブルのメンバーと一緒に演技し、2チームに分かれて客観的に演技を見合う体験もした。
 
 昨年11月から同市の地域おこし協力隊として活動する竹中伸明さん(35)は「音楽に合わせて体を動かしたり、みんなの動きがバシッとそろったりするところが楽しい。扱いやすい旗の持ち方も教わり、重さもあまり感じない」と笑顔で体験。ラグビー関連の活動に力を入れていて、「試合の応援だけでなく、こういう演技がスタジアムに足を運ぶ要素になれば。うのスタに新たな景色が生まれるといい」と期待する。
 
 市内で働く会社員女性(36)は「今、体験したぐらいの運動量なら子どもから年配の方までできそう。大勢でやれたら、きっとすごい迫力。釜石SWのいい力にもなれるのではないか。ぜひ、市民の皆さんと一緒にやってみたい」とチーム発足を願った。
 
体験会の最後は全員で短い演技を披露。カラフルな旗が華やかに舞う

体験会の最後は全員で短い演技を披露。カラフルな旗が華やかに舞う

 
うのスタの釜石SW戦での披露を目指し、富来旗チア発足のためのプロジェクトがスタート!

うのスタの釜石SW戦での披露を目指し、富来旗チア発足のためのプロジェクトがスタート!

 
 自身も初めて体験するという葛巻さんは「旗がはためいたり、きれいに開いたりするとすごく気持ちがいい。これが大漁旗だったら、かっこいいだろうなぁ…」。同市で頑張る人たちとのつながりも期待し、「地元のいろいろな踊りともコラボ可能。釜石をさらに盛り上げていければ」とチーム発足へ思いを強くする。来年3月に釜石鵜住居復興スタジアムで行われる釜石SW戦での披露を目標に掲げる。
 

釜石SWプレシーズン第4戦 トヨタヴェルブリッツと 課題のスクラム改善 プレーの質向上目指す

 
プレシーズンマッチでトヨタヴェルブリッツと対戦した釜石SW(赤ジャージー)

プレシーズンマッチでトヨタヴェルブリッツと対戦した釜石SW(赤ジャージー)

 
 ジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は10月21日、釜石鵜住居復興スタジアムで同1部のトヨタヴェルブリッツと対戦した。プレシーズンマッチ4戦目で、ホームでは開幕前最後の試合。21-57の大差で敗れたが、課題のスクラムなどで相手にプレッシャーを与える場面も見られ、着実に力をつけていることをうかがわせた。
 
 釜石は前半、ブレイクダウンでのプレッシャー、速いテンポの攻撃などトヨタの強さに押され、5トライを奪われた。28分にラインアウトモールから認定トライ、36分にもモール攻撃でナンバー8セタ・コロイタマナがトライ(SO落和史ゴール成功)を決め、14-31で折り返した。後半もトヨタ選手の質の高いプレー、堅いディフェンスに阻まれ、苦しい時間が続いた。釜石の得点は14分、後半出場のナンバー8サム・ヘンウッドの中央へのトライ(落ゴール成功)。トヨタにさらに3トライを重ねられた釜石は21-57で敗れた。
 
後半14分、サム・ヘンウッドが相手をかわして走り込み、中央にトライ

後半14分、サム・ヘンウッドが相手をかわして走り込み、中央にトライ

 
後半は一時的に雨と風が強まり、観戦客は屋根のある場所などに避難

後半は一時的に雨と風が強まり、観戦客は屋根のある場所などに避難

 
 試合後、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「負けてしまったが、(強化してきた)スクラムは低さという部分で改善が見られ、今後の自信につながる」。WTB小野航大主将は「セットではある程度ボールを確保できていたが、ラインスピードを上げてプレッシャーをかけたいディフェンスが思うようにできなかった」と反省。自分たちの強み、目指すべきところを明確にする必要性を示した。
 
 プレシーズンマッチは残り2試合が確定。次回は11月11日、NEC我孫子グラウンドでNECグリーンロケッツ東葛と、同18日は夢の島競技場で清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
 これまでは昨季、出場機会が少なかった選手、若手選手らを中心に起用し、チームの底上げを図ってきた釜石SW。12月のリーグ開幕に向け、須田HCは「昨季、いいパフォーマンスを見せたメンバーも含め、今後SWとしてのトップチームを作りあげていく予定。コミュニケーション、プレーの質も向上し、一段違うSWが見られるのではないか」と期待。小野主将は「選手にとってはさらに競争意識を高め、トップチームに入っていくことが焦点になる。今年、やろうとしていることをどれだけ表現できるかがポイント。今季の開幕に向け、見通しのたつような試合にしたい」と意気込んだ。
 
 釜石SWの開幕戦は12月10日。釜石鵜住居復興スタジアムで豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦する。
 
この日は『黄金の國、いわて。』Presents招待試合として行われ、トヨタチームに県産米などが贈られた

この日は『黄金の國、いわて。』Presents招待試合として行われ、トヨタチームに県産米などが贈られた

rugbigdream1682

ラグビーで地域活性化を「ラグビッグドリーム」今年も 釜石SWプレシーズン3戦目はBR東京と

釜石ラグビッグドリームでプレシーズンマッチ3戦目を戦う釜石SW(白×グレージャージー)

釜石ラグビッグドリームでプレシーズンマッチ3戦目を戦う釜石SW(白×グレージャージー)

 
 2023釜石ラグビッグドリーム~RWC MEMORIAL~(同実行委主催)は8日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会釜石開催から4年―。大会レガシー(遺産)を受け継ぎ、「ラグビーのまち釜石」の一層の定着、情報発信を図ろうと官民が協力して今年も実施した。2日付けで、釜石シーウェイブスRFCから「日本製鉄釜石シーウェイブス」にチーム名を変更した釜石SW(略称は従来通り)は、同イベントでプレシーズンマッチ3戦目を迎え、リコーブラックラムズ東京(BR東京)と対戦した。
 
 昨年同様、中学生の交流試合で幕開け。特設ラグビー部を結成している釜石中と甲子中が参加した。市内の中学校は例年、他競技の中総体が終わるころに特設ラグビー部を結成。10月の県中総体同競技大会に挑む。40回記念の今年の大会は28、29日に、初めて会場となる同スタジアムで開催される予定で、市内から釜石、甲子、釜石東の3校が出場する。
 
釜石中、甲子中の特設ラグビー部による交流試合

釜石中、甲子中の特設ラグビー部による交流試合

 
“ラグビーのまち釜石”の中学生が4年前のW杯会場となったスタジアムで奮闘

“ラグビーのまち釜石”の中学生が4年前のW杯会場となったスタジアムで奮闘

 
試合は3週間後の中総体の前哨戦にもなった

試合は3週間後の中総体の前哨戦にもなった

 
 大会に向けチームの力を試す場にもなった交流試合で、釜石中のキャプテン八幡玲翔さん(3年)は「練習期間は短いが攻守でサインプレーもでき、いい試合だった」と手応えを実感。市内のイベントで試合機会を得られることを喜び、「釜石はラグビーのまち。こういう場をもっと増やしてもらえたら」と期待した。自身は釜石SWアカデミーにも所属しており、「ラグビーはこれからも続けてSWに入ることが目標」と夢を描いた。
 
 メインゲームは、ジャパンラグビーリーグワン2部の釜石SWが同1部のBR東京と対戦した。両チームの交流戦は2010年以来13年ぶり。釜石はチームの底上げを図るため、今試合も昨季出場機会の少なかった若手選手を中心に先発。前半は格上の相手に攻め込まれる場面が続き、6トライを奪われた。前半終了間際の39分、釜石は敵陣でのマイボールラインアウトを起点に、ナンバー8セタ・コロイタマナの強力な突破などでゴール前へ運び、ライン際の攻防で再びボールを手にしたコロイタマナがトライ。SO落和史のゴールも決まって7-36で折り返した。
 
ナンバー8セタ・コロイタマナ(左)が相手を振り切り前へ。最後は自らトライを決めた

ナンバー8セタ・コロイタマナ(左)が相手を振り切り前へ。最後は自らトライを決めた

 
 後半、釜石は選手を大幅に入れ替え。開始直後に1トライを許したが、その後は失点を抑え、攻撃のリズムもテンポアップ。敵陣に切り込むたび、スタンドから歓声が上がった。32分には、後半から出場したWTBキャメロン・ベイリーが相手のロングパスをインターセプト。自陣から独走し、そのままトライに持ち込んだ(落ゴール成功)。最後の得点のチャンスは43分。WTB吹越大清が敵陣22メートルライン付近までボールを運んだ後、ゴール前のマイボールスクラムをしっかり押し込み、最後は後半出場のナンバー8サム・ヘンウッドがトライ。19-43で試合を終えた。
 
WTB吹越大清が相手の動きをよく見て抜け出し敵陣へ

WTB吹越大清が相手の動きをよく見て抜け出し敵陣へ

 
FW陣がスクラムを押し切り、試合終了間際に1トライを返した

FW陣がスクラムを押し切り、試合終了間際に1トライを返した

 
 ゲームキャプテンを務めたフッカー王野尚希選手は「前半はリコーのブレイクダウン周りの激しさ、セットピースの圧力に押されてしまった部分が多くあった。細かいスキルの精度、密集の寄りの速さなど、もっと突き詰めていかねば」と反省。須田康夫ヘッドコーチは「流れを持って行かれた。それでもスクラムやタックルは向上してきている。強いプレッシャーの中でも自分たちのラグビーをしっかり遂行できるようにしたい」と話した。
 
 釜石SWのプレシーズンマッチ4戦目は、21日に同スタジアムで行われる「黄金の國、いわて。」招待試合、対トヨタヴェルブリッツ戦。王野選手はターンオーバーされてからの攻守の切り替えの早さ、コミュニケーションの質向上、セットプレーでのFWの安定したボール供給を課題に挙げ、「チーム全体で方向性を一つにして取り組んでいく」と気を引き締めた。
 
 釜石SWは今月4日の定例記者会見で、6人の新加入選手(FW4人、バックス2人)を発表。この日の試合にはプロップ山田裕介選手(25、日本製鉄)が先発出場した。
 
加入後の初試合で先発したプロップ山田裕介(左から2人目)

加入後の初試合で先発したプロップ山田裕介(左から2人目)

 
 会場内にはフードコーナーが設けられたほか、震災復興に尽力した自衛隊、警察、消防の車両展示、音楽ライブ、ラグビー体験、餅まきも行われた。
 
方言を交えた楽曲で観客を楽しませた「ナンダ★モンセ」のステージ

方言を交えた楽曲で観客を楽しませた「ナンダ★モンセ」のステージ

 
釜石SW、BR東京のマスコットもイベントを盛り上げた

釜石SW、BR東京のマスコットもイベントを盛り上げた

 
うのスタ餅まきは今年も大好評。幅広い世代が手を伸ばした

うのスタ餅まきは今年も大好評。幅広い世代が手を伸ばした

kizunanohi8178

9/25・釜石絆の日 ラグビーW杯2019開催うのスタで各年代が交流 支援継続の静岡BRに感謝

「釜石絆の日」イベントで交流試合を行った釜石シーウェイブス(赤)と静岡ブルーレヴズ(青)

「釜石絆の日」イベントで交流試合を行った釜石シーウェイブス(赤)と静岡ブルーレヴズ(青)

 
 4年に一度のラグビーワールドカップ(W杯)がフランスで開催される中、前回2019年の日本大会会場地の一つとなった釜石市では、大会レガシー(遺産)を後世につないでいくためのイベントが17日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた。官民でつくる釜石ラグビー応援団(中田義仁団長)が主催。11年の東日本大震災後、同市の復興支援を続ける静岡ブルーレヴズ(BR)が釜石シーウェイブス(SW)RFCと対戦。小中学生の交流試合も行われ、ラグビーがつなぐ“絆”を深めた。
 
 釜石市は震災復興の加速と世界中からの支援に対する感謝を伝えるため、19年のラグビーW杯日本大会の試合を誘致。翌年以降、大会で生まれた多くの支援者との絆を継承するため、試合(フィジー対ウルグアイ戦)が行われた9月25日を「釜石絆の日」として、ラグビーの交流試合を軸とした記念イベントを行っている。 
 
 昨年に続き、小学生チームの釜石SWジュニアが愛知県の東海ラグビースクールと対戦。東海市は製鉄所のつながりで古くから釜石市と交流があり、姉妹都市提携(2007年)を結ぶ関係。スポーツ交流も続けられていて、震災後は多くの支援を寄せている。
 
釜石SWと静岡BRは中学生チームも試合を行い、交流の輪を広げた

釜石SWと静岡BRは中学生チームも試合を行い、交流の輪を広げた

 
中学生は釜石SWと弘前サクラオーバルズの合同チーム(白)が県内友好チームとも対戦した

中学生は釜石SWと弘前サクラオーバルズの合同チーム(白)が県内友好チームとも対戦した

 
 中学生の試合では、釜石SWアカデミーと弘前サクラオーバルズ(青森県)の合同チームが岩手県内友好チームと対戦した。2年目の参加となる弘前の指導にあたるのは元釜石SWの選手、コーチで、退団後、市職員として19年のラグビーW杯釜石開催を支えた長田剛さん(40)。「私自身も育ててもらった釜石に今、教えている選手たちを連れて帰ってこられたことが非常に感慨深い」と長田さん。09年にSWに入団。釜石の地で歩んだ激動の13年―。復興の象徴“うのスタ”ににぎわいが生まれている様子に「建設から見ているので、人の笑顔でいっぱいになるのはすごくうれしい」と目を細めた。
 
弘前サクラオーバルズを指導する長田剛さん(右から3人目、下:黒長ジャージー)

弘前サクラオーバルズを指導する長田剛さん(右から3人目、下:黒長ジャージー)

 
午後1時キックオフの絆マッチ「釜石SW対静岡BR」

午後1時キックオフの絆マッチ「釜石SW対静岡BR」

 
 メインゲームはジャパンラグビーリーグワン2部の釜石SWと1部の静岡BRとの対戦。釜石にとっては今季プレシーズンマッチの初戦となった。釜石は昨季、出場機会の少なかった選手を中心に先発。前半20分ごろまではディフェンスもいい形で互角の戦いだったが、22分に静岡に先制されると、セットプレーなどのほころびが出始め、27分以降、立て続けに3トライを許した。子どもたちの“釜石”コールが響く中、前半終了間際の39分、釜石はフッカー王野尚希が待望の初トライ。5-28で折り返した。
 
前半39分、釜石はフッカー王野尚希(右から2人目)のトライで初得点

前半39分、釜石はフッカー王野尚希(右から2人目)のトライで初得点

 
 後半は相手陣内に攻め込む時間帯が増えた釜石。11分に静岡にトライを奪われるも、直後の15分には静岡ボールのラインアウトからボールを奪い、WTB吹越大清からパスを受けたSH東海林拓実が相手を振り切りトライ。23分にはロック、セルジオ・モレイラがゴールポスト中央に飛び込み追い上げたが、後半3トライを重ねた静岡との点差を縮めることはできず、17-47で敗れた。
 
後半15分、WTB吹越大清からボールを受け取り、インゴールを目指すSH東海林拓実(右から3人目)

後半15分、WTB吹越大清からボールを受け取り、インゴールを目指すSH東海林拓実(右から3人目)

 
後半23分、相手ディフェンスを突破し独走。中央にトライを決めたロック、セルジオ・モレイラ

 後半23分、相手ディフェンスを突破し独走。中央にトライを決めたロック、セルジオ・モレイラ

 
課題のディフェンスでは激しいタックルで押さえ込む場面も

課題のディフェンスでは激しいタックルで押さえ込む場面も

 
 「(1部チーム相手に)自分たちがどれだけやれるか―」。今季最初の力試しとなった試合を終え、須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「一番重視しているコリジョン(接点)で、選手たちがしっかり体を張り、激しいディフェンスを見せてくれた。やれる手応えはつかめた感じ」と評価。初のゲームキャプテンを任されたSH東海林拓実選手も「点差はついたが、感覚としてはそれほど(大きな差)ではないと感じた。セットプレーでやられたり、コミュニケーションミスで点数を取られる場面が多かったので、そこを直していけばもっと近づけると思う」と話した。
 
ゲームキャプテンとして仲間を鼓舞した東海林拓実選手。トライを決めた選手にもいち早く駆け寄り、喜びを分かち合った(左)

ゲームキャプテンとして仲間を鼓舞した東海林拓実選手。トライを決めた選手にもいち早く駆け寄り、喜びを分かち合った(左)

 
 静岡ブルーレヴズは、11年の震災後、初めて釜石市内で開催された対外試合で釜石SWが対戦したチーム(当時のチーム名はヤマハ発動機ジュビロ)。以来、交流試合などで釜石支援を継続していて、この日は復興応援募金も届けた。
 
 当時、入団2年目の選手だった須田HCは「このまちのために戦おうと頑張ってこられたのは、大勢の人たちが駆け付けたあの時の試合があったからこそ。いつかレヴズさんに勝って恩返ししたい」と思いを込める。
 
ハーフタイムには釜石SWと静岡BRの絆を示すコラボ大漁旗を掲げた

ハーフタイムには釜石SWと静岡BRの絆を示すコラボ大漁旗を掲げた

 
当日は釜石まんぷくフェスも同時開催。絆マッチは約630人が観戦した 

当日は釜石まんぷくフェスも同時開催。絆マッチは約630人が観戦した 

 
 前日の全体ミーティングで、釜石でプレーする意味や12年の歴史を選手、スタッフで再認識し、当日に臨んだという静岡。堀川隆延アシスタントコーチは「ブルーレヴズになってからはアカデミー(中学生)の子たちも一緒に来て、さまざまな学びを得ている。そういう記憶に残る時間は素晴らしい。これからも継続していただき、互いの成長、発展性につなげていければ」と望んだ。

kaigai1

釜石-フランス架け橋に 中学生6人、出発前に結団式 姉妹都市交流・ラグビーW杯観戦にワクワク

フランスでの体験学習事業に参加する釜石市の中学生

フランスでの体験学習事業に参加する釜石市の中学生

  
 釜石市の中学生がフランスを訪問する海外体験学習事業の結団式が15日、市役所であり、4校から参加する1~3年生6人が決意を表明した。24日~10月1日の8日間の日程で、姉妹都市ディーニュ・レ・バン市の学校訪問やホームステイ、同時期に同国で開催される2つのワールドラグビーの試合観戦などを行いながら現地の人たちと交流し、友好を深める。
 
 同事業はオーストラリアを訪問先に行っていたが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で中断していた。本年度は、来年4月にディーニュ市との姉妹都市提携30周年を迎えることから、交流を深めるのが狙い。東日本大震災の復興支援として多くの後押しもあったことから、感謝を伝える機会にもする。
 
 釜石も舞台となった2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。今、同国で熱戦が繰り広げられているのに加え、初開催のワールドアマチュアラグビーフェスティバルに「いわて釜石チーム」も出場することから、2つの大会の観戦、応援を通して、2019W杯のレガシー(遺産)継承にもつなげる。
 
 一行は、25日にフランス入りし、ディーニュ市のホストファミリー先へ。27日まで滞在して現地の中学校で生徒との交流や市長表敬、施設見学を楽しむ。マノスク市にある化粧品メーカー「ロクシタン社」も訪問。震災で被災した大町の青葉ビル再建に向けた支援などへの感謝を伝える。28日は同フェスティバルの試合を観戦し、ラグビースクールの子どもたちと交流。トゥールーズ市に移動し、W杯の日本とサモアの戦いを見る。29日はリヨンに移動し、帰国の途に就く。
 
結団式で決意や抱負を語る中学生たち

結団式で決意や抱負を語る中学生たち

 
 結団式では参加メンバーが紹介され、それぞれ決意表明。佐々木渚央さん(釜石中3年)、佐藤威伸さん(大平中3年)、津田紗良さん(唐丹中2年)は異文化交流を楽しみに「積極的にコミュニケーションをとる」と意欲を見せ、前川航紳さん(釜石中3年)はフランスの文化や言語を学ぶ貴重な機会を得たと感謝した。
 
 ラグビー好きで経験もある三浦心友姫さん(甲子中3年)は「W杯を見てレガシーやラグビー意欲を高めたい。新しい考え方や視野を広げられたら」と期待。白石恋菜さん(同1年)は「選手たちが最高のパフォーマンスをできるよう精いっぱい応援してくる。たくさん学んで、吸収できるよう頑張る」と意気込んだ。
 
派遣中学生を市や学校の関係者が激励した

派遣中学生を市や学校の関係者が激励した

 
 野田武則市長は、▽復興応援の感謝を伝える▽2つの大会に関わる人や選手たちが持つ情熱に触れる―といった任務を示しながら、「フランス訪問というまたとないチャンス。自分たちの次なる活動につながるよう楽しみながら学んできてほしい」と激励。高橋勝教育長も、心を弾ませている6人に「もっとワクワクして。体験や学びを通していろんなことを考え、気づきを得てきてほしい」と期待した。派遣団フラッグ、同フェスティバルに関連した事業で同国の子どもたちと交流する平田小と鵜住居小の児童がメッセージを書き込んだペナントを渡して送り出した。
 
 6人は7月から事前研修(全9回)に取り組んできた。フランス出身者による語学講座のほか、ディーニュ市との姉妹都市交流のきっかけや経緯、釜石の復興の歩み、W杯釜石開催のレガシーを学習。その学びを生かし、現地の青少年との交流プログラムで感謝の気持ちや釜石の魅力をPRしてくる。