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釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

釜石港に「RORO船」試験寄港、定期就航復活に期待〜課題は安定集荷と岸壁整備

釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

釜石に試験寄港しトレーラーシャーシーを陸揚げするRORO船=1日午後4時

 

 国内海上輸送の主軸となるRORO(ローロー)船が1日、東日本大震災後初めて釜石港に寄港した。今回は釜石市内の物流企業などでつくる釜石港湾振興協議会(会長・野田武則釜石市長)の働きかけに応じて試験的に寄港した。釜石市はこれを契機に、東日本大震災以降途絶えたままになっている定期就航の復活を目指す。

 

 寄港したのは、RORO船を運航するプリンス海運(神戸市)の「デイブレイクス・ベル」(7971トン)。空積みのトレーラーシャーシー(長さ13メートル)4台を陸揚げした。

 

 同社は京浜―仙台―八戸―苫小牧間に週3便、RORO船を運航している。今回の試験寄港には、メーカーや物流企業など県内外の約10社が協力。8日に再び釜石に寄港し、北上プライウッドの合板や三菱製紙の紙製品、日本製鉄の線材などを積み込み、苫小牧に運ぶ。

 

 RORO船は「ロールオン・ロールオフ船」の略でトレーラーのシャーシー(荷台)や自動車などをそのまま積み込むことができる。釜石港には1993年から4日おきに1便が運航していたが、震災で貨物置き場などの港湾施設が被災して以降は運航が途絶えている。震災前は主に金ケ崎町の関東自動車工業(現トヨタ自動車東日本)岩手工場の製造車を運ぶため寄港していたが、現在は仙台港から輸送している。

 

 試験寄港の模様を確認するため釜石に駆け付けたプリンス海運仙台営業所の取違(とりちがい)真人所長は「釜石港は県内各地をつなぐ復興道路も整備され、線材を生産する日鉄釜石など貨物のポテンシャルもある」と期待する。

 

 今回の試験寄港には費用の一部を釜石港湾振興協議会が負担するなど航路復活を後押し。市国際港湾産業課の中平貴之課長補佐は「安定した集荷と貨物置き場を備えた専用埠頭(ふとう)の整備が課題となる」とした上で、「北海道や西日本と結ぶ定期航路開設に向けてポートセールスを強化するとともに、県や国に岸壁拡張など環境整備を求めていく」と述べた。

復興釜石新聞

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8月6日から発売される「かまいしエール券」

コロナ禍の市内事業者支援、8月6日から「かまいしエール券」発売〜プレミアム率100%、釜石観光物産協会

8月6日から発売される「かまいしエール券」

8月6日から発売される「かまいしエール券」

 

<縁とらんす編集部より>
本記事でのプレミアム率の%表示が、釜石市と復興釜石新聞の紙面とで異なっておりました。正しい表記はプレミアム率100%となります。転載元となる釜石新聞社様にも確認のうえ、本記事では、100%に修正しております。(7月30日 14時25分掲載)

 

 釜石観光物産協会(澤田政男会長)は8月6日から、食事券と商品券をセットにしたプレミアム率(割り増し分)100%の「かまいしエール券」を発売する。釜石市の委託事業で、市内で使えるお得なクーポン券。飲食店や宿泊施設に市民を呼び込み、観光交通事業者の利用を促し、新型コロナウイルス感染症の影響で客足が落ち込む事業者の支援につなげる。

 

 エール券は、500円の食事券12枚(6千円分)、商品券8枚(4千円分)がセットなっていて、1冊1万円相当を5千円で購入できる。販売は1世帯1冊まで。全世帯に送付される購入引き換えはがきを、販売場所(釜石地区を除いた市内7カ所の生活応援センター、市商工観光課、釜石観光総合案内所)に持参すると入手できる(10月20日まで)。

 

 利用期間は発売当日から10月31日まで。約1万6千冊が発行される。

 

 市内の飲食業、小売業、タクシー業(運転代行業含む)、宿泊業のほか、感染症の影響を受けた生活関連サービス業などで利用可能とする。現在取扱店を募っており、これまでに96店が申請。店に掲げるポスター、のぼり、ステッカーが目印となる。

 

 取扱店の募集は7月31日まで。市ホームページか、同協会ホームページ「かまなび」から登録申請書と振込口座登録書を取得し、必要事項を記入して同協会へ。ファクス(0193・27・8173)、郵送(〒026・0031釜石市鈴子町22の1 シープラザ釜石内)、持参のいずれかで申し込む。

 

 同協会の佐々木一伸事務局次長(50)は「打撃を受けている市内の事業者の手助けになれば。お盆の帰省シーズンでもあり、エール券を活用して釜石の新たな魅力を発見してほしい」と期待する。

 

 利用に当たっては「新たな生活様式」を取り入れた感染対策の徹底を要望。市や同協会職員になりすまし、口座番号やクレジット番号などを聞き出す特殊詐欺への注意も呼び掛ける。

 

 問い合わせは同協会(電話0193・27・8172)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年7月25日発行 第896号より)

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定食で出された料理のレシピを見せながら地元産乾シイタケの魅力をアピール

地域特産シイタケ、食感やうま味アピール〜釜石地方林業振興協議会、日替わり定食提供

定食で出された料理のレシピを見せながら地元産乾シイタケの魅力をアピール

定食で出された料理のレシピを見せながら地元産乾シイタケの魅力をアピール

 

 釜石・大槌地域特産の高品質な原木乾(ほし)シイタケを知ってもらおうと、4日から7日まで大槌町の産直「母ちゃんハウスだぁすこ沿岸店」食堂で、同シイタケを使った日替わり定食(650円)が提供された。7月7日の「乾しいたけの日」に合わせ、釜石地方林業振興協議会(会長=伊東栄悦・県沿岸広域振興局農林部長)が主催。同地域が県内有数の産地であること、食感やうま味を広くアピールした。

 

 地元産原木乾シイタケを使った定食メニューは▽しいたけフリッター(4日)▽しゃべこと汁(5日)▽酢豚風いため(6日)▽ヘルシーバーグ(7日)─の4種。各日限定30食で、午前11時から提供された。同食堂のスタッフがメニュー開発を手がけ、レシピも配られた。

 

 シイタケ好きの夫と連れ立って初日に来店した大槌町の女性(69)は、夫婦でフリッター定食を注文。「どんこのシイタケは肉厚でおいしかった。かけるソースによって味の変化も楽しめる」と初めての料理を堪能。「家ではシイタケをメインのおかずで食べることがない。苦手な孫も食べられそうなメニューがあるので、挑戦してみたい」と、もらったレシピを持ち帰った。

 

どんこの乾シイタケを丸ごと使ったフリッターはカレー風味。食感も抜群

どんこの乾シイタケを丸ごと使ったフリッターはカレー風味。食感も抜群

 

 本県のシイタケは、春に気温の低い状態が続くことで、かさが開かずにゆっくり成長。丸みを帯び、肉の締まった“どんこ”は「食感が良い」とバイヤーの評価が高い。一関市東部や釜石以北の沿岸部が産地で、釜石・大槌地域からは、中央の乾シイタケ品評会で農林水産大臣賞などを受賞する生産者も出ている。

 

 現在、釜石・大槌地域の生産者は十数人。ピーク時には100人を超えた時期もあったが、東日本大震災後、栽培をやめてしまった人も多く、生産量は震災前の1割ほどに減少。同振興局農林部の上席林業普及指導員、中村文治さんは「生産者は減っているが、質の良さは全国に誇れる。産地であることを積極的にPRし、新規参入を含む後継者育成に努めていきたい」と話す。

 

 今回、定食を出した同店は、三陸自動車道大槌インターチェンジ入り口交差点に位置する。「地域の特産品を味わえるメニューが定着すれば、産直への誘客にもつながる。高速道利用者に立ち寄ってもらえる魅力の一つとしても貢献できれば」と中村さん。

 

 本県はシイタケ栽培の原木となる広葉樹資源が豊富なことも強み。広葉樹は切っても芽が出て再生するため、山を荒らすことがない。植菌したほだ木は山の斜面に並べることが多いが、これは森林空間の有効活用にもなっている。

 

 「乾しいたけの日」は、七夕の“星”と乾シイタケの“乾(ほし)”を掛け、生産・流通関係者らで組織する「日本産・原木乾しいたけをすすめる会」が2013年に制定。おいしさや栄養豊富であることを知ってもらい、消費拡大を図る狙いがある。

 

(復興釜石新聞 2020年7月11日発行 第894号より)

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番屋風の店構えのショップでバリエーション豊富なジェラートを販売。試食した女性たちも大満足の笑顔♡

釜石の魅力 ジェラートで発信、季節の味を限定で「魚河岸テラス」1階に開店〜酒かす・みそ・果実など素材に、地域の事業者と連携開発

番屋風の店構えのショップでバリエーション豊富なジェラートを販売。試食した女性たちも大満足の笑顔♡

番屋風の店構えのショップでバリエーション豊富なジェラートを販売。試食した女性たちも大満足の笑顔♡

 

 釜石の特産品をジェラートで発信!! 釜石市のにぎわい創出施設「魚河岸テラス」1階に5月30日、地元の味とコラボしたジェラート店がオープンした。指定管理者のかまいしDMCが運営する。市内の事業者の協力で開発した商品は、材料に各社製造の飲料や加工品を用いた、ご当地感あふれる一品。釜石の新たな食の魅力を内外にアピールする。

 

 「魚河岸ジェラート部」の名称で営業を開始した同店は、施設来館者からのカフェタイム(午後2時~夕食時)営業を望む声を受け、同社が直営店として開設。「地域の事業者とできるだけ接点を持ちたい」との思いから、地元の特産品を味のベースにしたジェラート販売に乗り出した。

 

 商品は常時、約10種類を用意。浜千鳥の酒かす、藤勇醸造の甘糀(こうじ)、味噌(みそ)おこし、橋野果実のブルーベリージュース、ルバーブ(野菜)ジャム―などを使った個性豊かなメニューがそろう。季節限定メニューとして今は、春の「ばっけ味噌(藤勇みそ使用)」、夏の「はまゆりエール(釜石振興開発・特産ビール入り)」も並ぶ。

 

 29日は報道向けの発表会が開かれ、関係者が試食した。中村家の「いくら醤油(じょうゆ)」味を試食した同市地域おこし協力隊の山崎緑さん(29)は「イクラが弾けた後の濃厚な香りや風味が感じられる。甘塩っぱさがマッチし、さわやかな味わい」と好評価。

 

 自社の「大吟醸」「梅酒(酒入り)」がジェラート商品になった浜千鳥の佐々木敬統括部長(61)は「大吟醸らしいやさしい香りと酒かすのコクが出ている。梅酒は漬け込んだ後の梅の実も刻んで入れてもらった。イメージ以上の仕上がり。大人のデザートとして楽しんでほしい」と喜んだ。

 

右が「大吟醸」と「梅酒」、左が「いくら醤油」と「味噌おこし」

右が「大吟醸」と「梅酒」、左が「いくら醤油」と「味噌おこし」

 

 かまいしDMCの河東英宜取締役事業部長は「試食会を重ねてきたが非常に評判がいい。今後は季節ごとに新たな味も加えていきたい。釜石観光の名物にもなっていけば」と期待を込める。

 

 ジェラートの価格はいずれもシングル280円、ダブル480円、トリプル680円(税込み)。コーヒーメニューも販売する。開店時間は午後2時から同4時まで(月曜定休)。

 

(復興釜石新聞 2020年6月6日発行 第889号より)

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要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

タクシー事業者も支援求める、県協会釜石支部〜買い物代行利用券など提案

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

要望書を手渡す釜石タクシーの小澤社長

 

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による外出自粛などで利用者が大きく減っている釜石市内のタクシー業者らが16日、タクシーを活用して高齢者向けの新たな事業を立ち上げるなどの支援策を講じるよう市に求めた。要望に対し野田武則市長は「タクシーを含め市独自に市内の事業者への支援策を急いでとりまとめたい」などと応えた。

 

 要望したのは県タクシー協会釜石支部(岩松松生支部長、10事業者)に所属する5つの事業者と乗務員が加盟する連合岩手釜石・遠野地域協議会などの労働団体。苦境にあえぐタクシー事業者の支援を視野に、外出の機会が減っている高齢者の生活を支える取り組みとしてタクシーや買い物代行の利用券を配布する事業などを立案。これをまとめた要望書を釜石タクシー(大町)の小澤伸之助社長が代表して野田市長に手渡し、実現するよう求めた。

 

 市内タクシー5社の3月の利用実績は前年と比べて3割から4割減っているという。4月はさらに減る見込み。事業者らは「このままではコロナの影響が収束する前に地元企業が倒産などで消えてしまう。市独自の支援策を実行してほしい」と訴える。

 

 釜石タクシーの小澤社長は「乗る人がいないと事業は成り立たない。新しい取り組みの具体策はこれからだが、新しいことにチャレンジしなければ事業を継続することはできない。地域のニーズに応える新しい形のサービスを一緒に考えたい」と話す。文化タクシー(中妻町)の平松篤社長は「タクシー業者と労働団体が連携、協力して難局を乗り越え、事業を継続していきたい」と危機感を募らせる。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

客足止まり飲食店悲鳴、新型コロナウイルス影響〜市の独自支援策要望

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

要望書を手渡す釜石飲食業組合の平松組合長

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大で釜石市内の飲食店も大きな打撃を受けている。政府の会食自粛要請もあり、「客足がガックリと落ちた」と悲鳴が上がる。こうした窮状を受け、市内の飲食業者らが15日、市役所を訪ね、野田武則市長に支援策を要望。「このままでは店がつぶれてしまう。待ったなしの状況。一刻も早く市独自の支援策を」などと訴えた。

 

 要望に訪れたのは、釜石地区生活同業組合連絡協議会の藤井和幸会長のほか、釜石すし組合の細田勝夫組合長、釜石社交飲食組合の山崎公平組合長、釜石中華組合の坂本倉蔵組合長、釜石飲食業組合の平松正浩組合長。代表して平松組合長が野田市長に要望書を手渡した。

 

 コロナウイルスの影響で市内の飲食業者や宿泊業者(約90店)は利用者が激減、宿泊のキャンセルも相次いでいるという。要望書では「事業者の多くは東日本大震災で甚大な被害を受け、昨年10月の台風19号で再び被災。コロナウイルスの影響で二重、三重の苦難を強いられている。政府の救済策が不透明な中、事業継続か廃業かで揺れ動いている」とし、テナントの家主に賃貸料の支払い延期を求めるなど市の救済策を訴える。

 

 連絡協議会の藤井会長は「戦う相手は見えない敵。コロナの出どころが飲食店という風評被害もある。40年も店をやっているが、こんなに苦しい状況に追い込まれるのは初めて」と窮状を漏らす。

 

 「客がゼロの日もある。災害の一つと捉えてほしい」「自助努力ではどうにもならない。我慢にも限りがある。このままでは休業、廃業の道をたどるしかない」と嘆く事業者もあった。

 

 野田市長は「今月末にも県の支援策が発表されると聞いている。足りない部分を補う形で市独自の支援策を考えたい」などと回答。平松福寿産業振興部長は「スピード感を持ち、できる限りのことをやっていきたい」との姿勢を示した。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

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受賞報告した小山専務(右から2人目)。震災の被災を乗り越えつかんだ栄冠を喜んだ

『五穀甘糀』農林水産大臣賞、ふるさと食品中央コンクール〜「まさかの最高賞」喜ぶ、被災の藤勇醸造 全国の支援を力に

受賞報告した小山専務(右から2人目)。震災の被災を乗り越えつかんだ栄冠を喜んだ

受賞報告した小山専務(右から2人目)。震災の被災を乗り越えつかんだ栄冠を喜んだ

 

 釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)が製造する甘酒「五穀甘糀(あまこうじ)」が、2019年度優良ふるさと食品中央コンクール(一般財団法人食品産業センター主催)の国産農林産品利用部門で最高賞の農林水産大臣表彰に輝いた。同社の小山和宏専務(55)が3月27日、野田武則市長を訪ね、受賞を報告。「思いがけず、まさかの最高賞」と喜びを語った。

 

 同コンクールは、地域で生産される農林水産物の加工利用や、食品の品質向上に取り組んでいる優良事例を毎年表彰。今回は4部門に、全国から25点が出品された。

 

 五穀甘糀は、同社の米こうじに県産ひとめぼれと5種類の雑穀(赤米、大麦、たかきび、あわ、ひえ)をブレンド。砂糖やアルコールを使わず、すっきりとした自然の甘みを引き出した。あえて米や雑穀の粒を残し、食感を楽しめるのも特徴となっている。

 

 県産の米と雑穀100%で造った豊かな味わいが評価され、農林産物の製造・加工を通じて地域活性化に寄与したとして同部門のトップに輝いた。表彰式は3月4日に東京都で行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となった。

 

 本県の食品が大臣賞を受賞するのは3例目。15年度に川喜(定内町)が製造する「いわて南部地粉(じごな)そば」が選ばれている。

 

 藤勇醸造は東日本大震災で被災したが、全国から寄せられた応援や支援を力に事業を継続。自社製品の糀みそを使った加工品や菓子の開発も積極的に進めている。

 

 小山専務は「地場にお世話になって事業を続けられている。商品を通じて恩返しをしたい。地域の素材を使い、知ってもらえる、ものづくりを続けていく」と、発酵食ブームを追い風に意欲を高めている。

 

 野田市長は「釜石の特産にしたい。生産体制を整え、どんどん売り出してほしい」と期待した。

 

 五穀甘糀は、160ミリリットル入り1本230円(税込み)。市内では道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)などで販売。盛岡市のイオンモール盛岡、クロステラス盛岡、イオンスーパーセンター盛岡渋民店でも購入できる。問い合わせは、藤勇醸造(電話0193・22・4177)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年4月1日発行 第880号より)

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藤勇醸造株式会社
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甑(こしき)から冷却機へ蒸米を移す作業を体験する参加者

もろみ造り作業に挑戦、浜千鳥で仕込み体験会〜参加者「味わいも増しそう」、国際的評価を実感

甑(こしき)から冷却機へ蒸米を移す作業を体験する参加者

甑(こしき)から冷却機へ蒸米を移す作業を体験する参加者

 

 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は2月29日、3月1日の両日、同社の酒蔵で仕込み体験会を開いた。地酒への理解と消費拡大を狙いに1998年から続けられている「酒造り体験塾」の一環。29日は市内と近隣市町から15人が参加し、もろみ造りのための各種作業に挑戦した。

 

 本年度の体験塾は昨年5月に田植え、9月に稲刈りを実施。今回の第3弾は▽高温の蒸気で蒸した大槌産酒米「吟ぎんが」を掘り起こし、冷却機に移す▽冷ました米を2人1組で仕込み場のタンクまで運ぶ▽酒母が入ったタンクに米を投入し、発酵を促すよう櫂(かい)棒で混ぜる(櫂入れ)▽翌日の仕込み用の洗米―の4工程で、代わる代わる作業を体験した。

 

 参加者は蔵人の手ほどきを受け、昔ながらの酒造りの技や苦労の一端を味わった。昨年4月、千葉県香取市から本県山田町に復興支援の派遣職員として赴任した林光一さん(63)は「日本酒が好きなので」と初参加。「蒸米掘りと櫂入れは(力が要り)大変。今は機械化される作業もあるが、酒造りの基本、本質を知れて良かった。浜千鳥の酒のイメージは切れのある甘さ。工程が分かると味わいも増しそう」と喜んだ。

 

肉体労働の後はさわやかな笑顔。仕込んだ純米酒の出来上がりが楽しみ!

肉体労働の後はさわやかな笑顔。仕込んだ純米酒の出来上がりが楽しみ!

 

 体験会には、同社でインターン中の宮城大1年、池田綾花さん(19)も参加。日本酒造りについて「職人の勘に頼る部分が大きいのかなと思っていたが、実際は数値などを厳しく計測していて科学だなと思った」。1カ月の予定の研修は残り半月。「杜氏さんから何でも聞ける環境は貴重。たくさん吸収していきたい。お酒を飲める20歳になるのが楽しみ」と目を輝かせた。

 

 同社の今期の酒造りは昨年10月から開始。暖冬の影響について奥村康太郎杜氏(39)は「元々寒い所なので真冬の時期は問題ないが、その前後は苦労する。仕込み庫の温度が10度を超えると、もろみの管理も難しくなるが、現在は順調に進んでいる」と話した。

 

 同社は昨年、ラグビーワールドカップ(W杯)開催を機に、外国人に日本酒を正しく理解してもらう取り組みを実施。作業場に外国語表記を増やし、外国人向けに酒造りの紹介ビデオを制作するなどし、受け入れ体制を整えた。W杯前後には約80人の外国人が酒蔵見学に訪れたという。

 

 同社の酒は国際的日本酒コンテストで2年連続高い評価を受け、日本酒ブームが起こる海外への情報発信に一役買っていたが、そんな中での新型コロナウイルスの発生。新里社長は「会社としても衛生管理を一層徹底している。催し物の中止が相次ぎ、売り上げへの影響も出始めている。消費経済への打撃は東日本大震災よりも大きくなるかも。早く収束してほしい」と強く願った。同社は3月末まで酒蔵見学の受け入れを中止する。

 

(復興釜石新聞 2020年3月4日発行 第872号より)

 

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ポート・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した釜石港。ガントリークレーンの導入で物流が飛躍的に伸びている

ポート・オブ・ザ・イヤーに釜石港〜震災はねのけ 物流躍進

ポート・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した釜石港。ガントリークレーンの導入で物流が飛躍的に伸びている

ポート・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した釜石港。ガントリークレーンの導入で物流が飛躍的に伸びている

 

 公益社団法人日本港湾協会(東京都港区、宗岡正二会長)が、全国の港湾の中から話題づくりや物流で地域の活性化に最も貢献した港に贈る「ポート・オブ・ザ・イヤー2019」に釜石市の釜石港が選ばれ、22日に東京都内のホテルで開かれた表彰式で表彰された。県内で同賞を受けるのは、2004年の大船渡港に続き2港目。市は今回の受賞を受け、釜石港の認知度が向上し、地域経済の発展につながることを期待している。

 

 表彰式では、宗岡会長から野田武則市長に表彰状と盾が手渡された。野田市長は「東日本大震災の逆境をばねとしながら、港湾関係者が努力を重ねた結果が飛躍的な成長につながった。釜石自動車道の開通や三陸沿岸道の整備進ちょくも大きな力となった。今回の受賞を、さらなる飛躍につなげたい」などと述べ、受賞に感謝した。

 

宗岡正二会長(左)から賞状を受けた野田武則市長

宗岡正二会長(左)から賞状を受けた野田武則市長

 

 同賞は同協会の情報誌「港湾」の読者投票で決定。全国の約1千港の中から、「みなと」に関する話題づくりにその年で最も優れた港湾を顕彰する。

 

 釜石港は東日本大震災で被災した釜石港湾口防波堤の復旧事業が完了。ガントリークレーンの導入など港湾機能の向上、東北横断自動車道釜石秋田線の全線開通などによるアクセス性の向上が奏功し、コンテナ物流が急成長。2010年に20フィートコンテナ換算で114個だった取扱量が19年には9292個に達し、同港が前年記録した県内最多記録を更新した。

 

 同港を利用する荷主企業はコンテナ定期航路開設当初の8社から84社に拡大。昨年は、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれたラグビーワールドカップ(W杯)の建設資材の輸送にも貢献した。昨年4月に魚河岸地区にオープンしたにぎわい施設「魚河岸テラス」が同9月、国土交通省港湾局が「みなとオアシス」に登録。11月には入館10万人を達成するなど、地域経済の活性化やにぎわいづくりに大きな成果を上げている点も評価された。

 

(復興釜石新聞 2020年1月25日発行 第861号より)

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「ほやバル」

珍しいホヤの缶詰を商品化、津田商店「ほやバル」開発〜酒のつまみ、料理用におすすめ

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

釜石市内で販売が始まった「ほやバル」

 

 釜石市鵜住居町の水産加工業津田商店(津田保之社長)はこのほど、地場産のホヤを使った缶詰「ほやバル」を開発した。9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)開催や三陸鉄道リアス線全線開通で観光客の増加が見込まれており、市場でも珍しいホヤの缶詰で三陸の味覚をアピール。市内の道の駅などの物販コーナーで販売している。

 

 三陸の海で育まれ、古くから食されてきたホヤは、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの味を楽しめるといわれている珍しい食材。鮮度が命で、従来は採れたてを刺し身で味わうのが主だったが、近年では調理したものもお目見えし、ホヤの評価が高まっているという。

 

 同社では三陸の海の恵みを食卓に届けようと、地元のホヤを使った缶詰の開発を2017年に始めた。ひと手間加えることでさらにおいしく、手軽に家庭でバル(スペイン語で「食堂」との意)気分を楽しんでもらう「ほやバル」シリーズを商品化。県沿岸広域振興局の地域経営推進費「いわて三陸農林水産物知名度向上・新商品開発事業」を活用した。

 

 ほやバルは塩味のみでシンプルに仕上げた「プレーン」(ホヤ水煮)、ピリ辛トマトソースをからめた「アラビアータ」、スパイスを利かせたオリーブオイルに漬けた「アヒージョ」の3種類。いずれも90グラム入りで税込み500円。道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)、鵜の郷交流館「汐折」(うのすまい・トモス)で販売している。

 

ほやバル

ほやバル

 

 同社では、酒のつまみとしてそのまま楽しんでもらうのを期待。さらに、プレーンを使った炊き込みご飯やパスタなど料理用としての活用も薦めている。

 

 市内では10日から店頭に並んだ。道の駅釜石仙人峠の佐々木雅浩副駅長は「調理することで食べる年代の幅が広がる。資源の有効活用は三陸にとっていいことで、地元で愛される味になってほしい」と期待。地元の水産加工業者は他社ブランドの缶詰生産などを行っていることが多く、「津田商店の名で商品を届けることで、釜石の製造者が頑張っているとの発信にもなる」と歓迎した。

 

(復興釜石新聞 2019年8月17日発行 第816号より)

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