食の秋だから!山海グルメ堪能 釜石まんぷくフェス 体験、ステージ、遊びも満喫

多くの人でにぎわう釜石まんぷくフェス=11月23日
交流物産展、水産まつり、農業祭、軽トラ市-。釜石市の食の魅力をPRする催しが一度に楽しめる「釜石まんぷくフェス」(釜石観光物産協会主催)が22、23の両日、同市鈴子町のシープラザ釜石周辺で開かれた。サンマ、甲子(かっし)柿など釜石の海や山の幸のほか、釜石と交流がある自治体の自慢の味も集合。子ども向けの電動自動車の試乗体験やステージイベントもあり、連日、家族連れらでにぎわった。
フェスは2022年から開催。これまでは9月に同市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムを会場にしていたが、今回は特産品や食材の“旬”を味わってもらおうと時期を変更し、会場も市中心部に移した。
最終日の23日、開始早々に人だかりができたのは鈴子公園。農業祭恒例の餅まき、シイタケまきで老若男女が手を伸ばした。続いて長蛇の列ができたのは、水産まつりの焼きサンマのお振る舞い。地元で水揚げされた500匹(2日間で計1000匹)は大人気で、来場者の食欲をそそった。軽トラ市では“オール釜石産スープ”を提供。市が栽培促進中のトマト「すずこま」(愛称・かまとまちゃん)、オヤマ(一関市)のブランド鶏「奥州いわいどり」のうち釜石の養鶏農場で生産された鶏肉などが使われた。

恒例行事で開幕した農業祭。餅やシイタケが宙を舞う

ピーマン釣り、甲子柿販売、スープお振る舞いで山の幸堪能

軽トラ市で人気を集めるのは新鮮な地元野菜
炭火で香ばしく焼き上げられたサンマを頬張る陸前高田市の小学生菅野湊也さん(10)は「めっちゃ、おいしい」と箸を進めた。サンマを提供したのは釜石の漁業会社濱幸水産。旬の味を求める人の波を見つめていた同社船舶部長の大和田暢宏さん(53)は「地元の船が水揚げしたものを地元で味わってもらい、うれしい。サンマ漁は終盤戦。いいものを届けられたらいい」と目を細めた。

長い列ができたサンマ焼きのお振る舞い

サンマを頬張る親子連れ「焼きたて、おいしい」
シープラザ釜石西側駐車場を使った交流物産展には釜石市内の飲食店のほか、同市の姉妹都市・愛知県東海市の商工会議所、友好交流都市の富山県朝日町や東京都荒川区などから約50団体が出店。浜焼きや肉料理、スイーツなど多彩なグルメが並んだ。

出店、キッチンカーがずらりと並んだ交流物産展

自慢の味を提供した盛岡市の「花どんたく」の出店
来場者は「熱々でおいしい」などと声を弾ませ、食を堪能した。盛岡市の「酒飲み処 花どんたく」が持ち込んだイチ押しメニューは「博多牛もつ鍋」。本場の味(具材はキャベツ、ニラ、肉)に地元の食材(豆腐)を加えた“博多生まれ、盛岡育ち”のこだわりの一品が食欲を刺激した。店主の長谷川さんは「対面で売るのは会話を楽しめていい。『また食べたい』と思ってもらえたら」と腕をまくった。
サン・フィッシュ釜石では、マグロの解体ショーやカキの釣り体験が行われ、大にぎわい。狙いを定めてカキを釣り上げた中妻町の小学生木下真由さん(10)は「難しかったけど、面白かった。ずっしり重たいのが釣れた。焼いて食べたい」と笑った。

カキに狙いを定める家族連れ。「やったー、釣れた!」

興味津々!人だかりができたマグロの解体ショー
長崎産の養殖ホンマグロ(体長約150センチ)を前に「丸っとして迫力あるし、ギラギラしてきれいだ」と驚いていたのは、仙台市の相原幸雄さん(60)。切り分けられた赤身の“サク”を手に入れ、「食べるのが楽しみ」と声を弾ませた。東日本大震災前に仕事で釜石に来たことがあるといい、「まちがきれい。歩きやすく整備されている。タイミングよく紅葉も見られて気持ちいい。いい思い出になった」と、隣に立つ愛妻と笑顔を重ねていた。
シープラザのステージイベントには、釜石市国際外語大学校の学生有志が登場。日本語学科のネパール、ミャンマーの留学生はそれぞれ民族衣装に身を包み、伝統の踊りを披露した。同科2年生で、ネパール人のガウタム・サンチさん(20)は「私たちの国の文化を伝えられた。うれしい」と笑顔を見せた。日本人学生は外語観光学科の特色を紹介した。

笑顔を弾かせながら踊るネパール人留学生

「心を込めて踊ります」とミャンマー人留学生
来場者は食、遊び、体験を楽しみながら鈴子町を周遊。主催の同協会関係者は「一度に楽しめるのがポイント。いくつかの企画を組み合わせることで人を呼び込める」と手応えを話した。

釜石新聞NewS
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