アクシデントも成長の糧!?フランス派遣で得た学び 釜石の中学生、ユーモア交え報告

フランスでの体験学習に参加した釜石市の中学生
釜石市の中学生海外体験学習事業でフランスに派遣された生徒6人の帰国報告会は7日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。海外での生活や異文化交流を楽しんだ一方、慣れない異国の地で想定外のアクシデントも発生。体験活動はまちまちとなる中、それぞれが見いだした豊かな学びを、ユーモアを交えて発表した。
この事業は同市の国際化に貢献できる人材の育成を図るため実施。昨年度、姉妹都市提携30周年を迎えた同国ディーニュ・レ・バン市との親交を深めることも目的にする。希望者を募り、6人を選考。7回の事前研修でフランス語や文化、現地で注意すべきことなどを確認しながら準備を進めた。

フランスに派遣された中学生の帰国報告会
派遣期間は1月5日から13日までの9日間。フランスで活動できるのは実質4日半程度で、生徒らはディーニュ市のほかマルセイユ、パリを巡って体験活動に取り組んだ。ディーニュ市では、児童生徒らが放課後の時間を過ごす「学生の家」や中学校、ホームステイ先で同年代の子や現地の人らと交流。姉妹都市提携のきっかけとなったジオパーク資産のアンモナイト化石群、ジオパーク博物館なども見学した。
ディーニュ市に入り、初日の活動を終えた頃に体調不良者が出て、現地の病院を受診。回復した生徒もいれば、新たに体のだるさを伝える子が出たりし、半数は十分な活動ができなくなった。スケジュールを変更しながら、不調がない生徒は活動を継続。歴史的建造物も多い市街地の散策などを楽しんだ。

現地で撮った写真を示して印象に残ったことや学びを語る
派遣された6人はいずれも2年生で、報告会には全員が参加した。全日程で積極的に行動した内川愛優さん(唐丹)は、ホームステイ先で気づいた日本との暮らしや文化の違いを紹介し、学びを得る喜びを言葉にした。体調に不安を抱えつつ活動した川端俐湖さん(釜石)は世界の広さを実感し「違いを認め、受け入れることの大切さを改めて学んだ」と伝えた。
菊池すずさん(釜石)は「インフルエンザになり、思い描いたキラキラした日々を過ごせなかった」と明かしながら、宿泊先のホテルや病院の「窓」から見つめた多様な人種の往来、やりとりを通して考えたことを説明。自身の生活に当てはめ、「現地の小学生の心と、人が持つ回復力を信じた医療がすてきと思えた自分の気持ちを忘れずに人と向き合いたい」と背筋を伸ばした。

「プラスになった」。独自の視点で得た学びを伝える生徒
佐々木茜さん(釜石)は旅の後半で体調を崩したが、滞在先や病院の待合室での触れ合いを振り返った上で、「人の温かさや笑顔はどこでも通じる。経験を胸に、これからも新しい世界に踏み出していきたい」と力を込めた。音楽を通した交流を楽しんだ一方で、多くの時間が休息に変わってしまった菅原梨花さん(甲子)もたくさんの支えがあったと感謝。「どんな場面でも周りの人に寄り添えるよう視野を広く持ち、日々を過ごしたい」と前を向いた。
ラグビー競技に励む鈴木秋音さん(甲子)にとっては、出会いにあふれた特別な旅になった。2023年にフランスで開催された第1回ワールドアマチュアラグビーフェスティバルで大会実行委員長を務めたジェレミー・テシエさん宅に滞在し、現地の生活を満喫。「一つの共通点だけで楽しく国際交流ができる幸せ」をかみしめた。同大会には釜石から特設チームが派遣されたが、「いつか釜石で開催してもらうこと」が夢になった。19年ラグビーワールドカップが開催された時のように「釜石をラグビーで活気ある街にしたい」と未来を想像した。

ホームステイ先での触れ合いなど充実した交流を紹介
報告を聞き終えた人たちは、異国での苦い経験や帰国後の気持ちの変化、成長した点などについて質問。生徒たちは「出国検査で戸惑った」「かばんが開いていて、すられそうになった。危機感を持つよう気を引き締めた」「コミュニケーション力が向上した」などと答えていた。

会場からの要望に応えてフランス国家を歌う場面もあった

「メルC」と手でサインを示し笑顔を見せる生徒たち
小野共市長は「特異な経験を将来に役立ててほしい」と激励。高橋勝教育長は「みんなは自分の力でドアを開けたから、今回の学びにつながった。その力を持ち続けてほしい。そして、誰かのためにドアを開けられるような力も持ってもらえたら」と、さらなる成長を期待した。

釜石新聞NewS
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