タグ別アーカイブ: 防災・安全

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歩いて確認!地域の危険箇所 命を守る手作り防災マップで共有 釜石小で発表会

釜石小で開かれた「ぼうさい安全マップ」発表会

釜石小で開かれた「ぼうさい安全マップ」発表会

 
 釜石市大渡町の釜石小(五安城正敏校長、児童62人)で10日、地震や大雨、台風などの災害ごとの危険場所をまとめた「ぼく・わたしのぼうさい安全マップ」の発表会が開かれた。通学路、遊び場など自分たちが住む地域で見つけた気になるポイントを児童同士で共有。自分の命を守る意識を高め合った。
 
 全校児童が参加。発表は6年生(11人)が中心となり、中高学年も加わった。学区内の5地区(浜町、天神・只越、大只越、大町、大渡)の子ども会ごとに発表。マップには「土砂崩れの可能性」「クマが出る」「排水が大雨であふれるかも」などと危険内容を記した付箋が貼られ、発表者は写真も示しながら津波の指定緊急避難場所と併せて説明した。
 
マップに示した危険箇所について発表する児童

マップに示した危険箇所について発表する児童

 
危険な点を書いた付箋や写真が貼られた手作りマップ

危険な点を書いた付箋や写真が貼られた手作りマップ

 
注意が必要な場所をスライドで示しながら説明した

注意が必要な場所をスライドで示しながら説明した

 
 東日本大震災について、家族らから聞いたことも紹介した。釜石を襲った津波の高さは9.3メートル。襲来時に家屋などを巻き込みバキバキという音が響き渡り、ものすごい勢いだった。2波、3波と繰り返し押し寄せると伝え聞いた天神・只越地区の児童は「絶対に戻らないということを大切にしなければいけません」と強調。大只越地区の児童も「地震が来たら逃げ道を作ることも大事。大津波がくる前に逃げ、絶対に引き返さないこと」と重ねて訴えた。
 
児童は家族らから聞いた東日本大震災のことも伝えた

児童は家族らから聞いた東日本大震災のことも伝えた

 
東日本大震災の津波浸水区域を知ってもらう工夫も

東日本大震災の津波浸水区域を知ってもらう工夫も

 
 マップには、震災の津波浸水区域がひと目で分かるような工夫も。山と川に挟まれた大渡地区は震災時、津波が川をさかのぼり、あふれる水が逆流して大きな被害を受けた。説明した児童は災害発生時、さまざまな危険が重なることに触れながら、「大渡地区にいたら釜石小に避難して命を守ってください」と呼びかけた。
 
 浸水区域の表示は今回初めての試み。マップをまとめた5、6年生が「次に大きな災害、津波がきた時、『ここまでだったから大丈夫』ではなく、より高く、もっと上、もっと上の方へ逃げてほしい」と願いを込めたのだという。
 
東日本大震災の津波浸水区域を示して注意を促す

東日本大震災の津波浸水区域を示して注意を促す

 
 発表を聞いた1年生は「津波が怖い」と感想を話した。そのほかの学年の児童は「川が近く心配なので、早く避難したい」「5地区の避難場所や危険な箇所が分かった。遊びに行ったり、一人の時には気をつけて行動したい」などと受け止めた。菊池浩央さん(3年)は「自分の家が震災の時に流されたところに入っていた。より早く避難場所に着けるようにしたい」と学びを深めた。
 
発表を聞いて学んだことや感想を話す児童

発表を聞いて学んだことや感想を話す児童

 
 釜小ぼうさい安全少年団長の山﨑良菜さん(6年)は「きょうの発表を通して、自分の命は自分で守るということを意識し、本当の災害が起きた時に生かしてほしい。登下校の時、危険な場所を確認しながら歩いて、日ごろから気をつけて生活してもらえたら」と願いつつ、自身も行動への心構えを新たにする機会にした。
 
 マップ作りは震災前から続けられている活動。今年も全児童が取り組み、6月上旬から中旬に自宅周辺の危険な場所を地図に記入。その後、持ち寄った情報を5、6年生が大きな地図にまとめた。避難場所や危険箇所、震災の津波の高さを示す看板などの写真も撮ったり、「みんなに分かりやすく伝わるよう」にした。昇降口に掲示する。
 
月に1回取り組む「釜小ぼうさいの日」。防災に関するメッセージを発信する

月に1回取り組む「釜小ぼうさいの日」。防災に関するメッセージを発信する

 
 震災発生日の3月11日にちなみ、同校では毎月11日を「釜小ぼうさいの日」として総合的な学習に取り組む。五安城校長は「命を守るため、きょうの勉強を大事にした上で、いざという時には自分の目で見て、音を聞いて判断できるようになってほしい」と期待。発表を聞いて「危険」「怖さ」を感じる子もいたようだが、「どこにいても危険はある。自分が住むまちのいろんな面を知ることで、いいところ、危ないところが見えてくると思う。だけど、みんなには今いる場所を好きになってほしい」と見守る。

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警察協力者に感謝状 釜石署 2団体12個人、気持ち一心「励みに」「もっと真面目に」

警察活動への協力で感謝状を受けた釜石市や大槌町の住民、団体の代表者ら

警察活動への協力で感謝状を受けた釜石市や大槌町の住民、団体の代表者ら

 
 釜石市中妻町の釜石警察署(日山良則署長)で1日、警察協力者感謝状贈呈式があり、犯罪や交通事故の防止活動などで警察業務に尽力した2団体、11人に署長感謝状を贈った。小佐野交番連絡協議会員として長年にわたり地域安全、交通安全などの活動に協力している佐々木伸一さん(81)=釜石市=には岩手県警本部長感謝状が伝達された。
 
 日山署長はあいさつの中で管内の治安状況に触れ、わいせつ犯罪の認知件数や多額の現金をだまし取られる特殊詐欺被害が増加傾向にあること、高齢者の交通事故率も高くなっていることを説明。「早急な対策が必要な情勢。警察として地域の人が安全で安心して暮らせるまちづくりを目標に各活動を推進していく。引き続き、それぞれの立場で力添えを」と協力者に呼びかけた。
 
警察業務への協力に対し感謝を伝える釜石署の日山良則署長

警察業務への協力に対し感謝を伝える釜石署の日山良則署長

 
日山署長が一人一人に感謝状を手渡して気持ちを伝えた

日山署長が一人一人に感謝状を手渡して気持ちを伝えた

 
 県警本部長感謝状を受けた佐々木さんは、小佐野交番の開所当初から地域安全活動に協力。「こんなうまい話 あるわけねぇ」などと特殊詐欺被害防止の標語を考えたりしている。交通安全協会野田分会長として事故防止の啓発活動にも尽力。「特段、褒められるようなことはやっていないけどなあ。もっと真面目にやれ、とプレッシャーをかけられたのだろう」と前向きに捉え、気を引き締めた。
 
岩手県警察本部長感謝状を受けた佐々木伸一さん

岩手県警察本部長感謝状を受けた佐々木伸一さん

 
 釜石署長感謝状を受けた八幡幸子さん(75)=大槌町=は大槌交番連絡協議会員として各活動を支援。今年4月に町内で発生した大規模山林火災では避難所や同交番で炊き出しを複数回行い、警察官の火災対応を後押しした。下校時の子どもたちを見守るボランティアにも仲間とともに取り組み中。「(活動を)見てくれている人がいると感じられ、うれしい気持ち。『ただいま』と声をかけてくれる子どもたちの姿を励みに、できるうちは頑張りたい」とほほ笑んだ。
 
出席者は互いの活動をたたえ合い、継続へ気持ちを新たにした

出席者は互いの活動をたたえ合い、継続へ気持ちを新たにした

 
 感謝状を受けた個人、団体は次の通り。
【県警察本部長感謝状】▽地域安全=佐々木伸一さん(釜石市)
【釜石警察署長感謝状】▽交通安全=エノモト岩手工場(大槌町)▽地域安全=釜石山正福寺(釜石市)、箱石忠男さん(同)▽犯罪捜査協力=青木健一さん(同)▽交通安全活動・地域安全=及川節雄さん(同)、佐々木民生さん(同)、三浦一志さん(同)▽生活安全・地域安全=佐々木成子さん(大槌町)、佐藤秀富さん(釜石市)、谷藤ミキ子さん(大槌町)、八幡幸子さん(同)▽生活安全=藤原貞志さん(釜石市)▽生活安全・交通安全=三浦文雄さん(大槌町)

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釜石、遠野の消防団7チーム 操法競技で訓練成果発揮 釜石7分団1部の2選手個人賞獲得

小型ポンプの部(写真上)とポンプ車の部(同下)で競い合った第14回遠野釜石地区支部消防操法競技会=釜石市鈴子町

小型ポンプの部(写真上)とポンプ車の部(同下)で競い合った第14回遠野釜石地区支部消防操法競技会=釜石市鈴子町

 
 公益財団法人岩手県消防協会遠野釜石地区支部主催の第14回消防操法競技会は6月28日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎東側防災空地で開かれた。遠野、釜石、大槌3市町持ち回りで2年に一度開かれる競技会。釜石市が会場となるのは東日本大震災後、初めてとなる。2市の消防団から計7チーム(出場登録38人)が出場し、「ポンプ車」と「小型ポンプ」の2種目で、訓練習熟の成果を競い合った。両種目の優勝チームは7月26日に県消防学校(矢巾町)で開かれる県大会に出場する。
 
 同競技会は消防団員の消火技術向上と士気高揚を図るのが目的。開会式で大会長の菊池録郎支部長(釜石市消防団長)は「積み重ねてきた訓練の成果を十分に発揮してほしい。競技を通じて互いの技術を高め合い、消防団活動のさらなる充実につなげてもらえれば」とあいさつ。開催地の釜石市から、ポンプ車の部に出場する第7分団第1部の指揮者小林悟班長が選手宣誓をした。
 
菊池録郎大会長(釜石市消防団長)が出場選手を激励(写真右上)。釜石市の第7分団第1部指揮者の小林悟班長が選手宣誓した(同左上)

菊池録郎大会長(釜石市消防団長)が出場選手を激励(写真右上)。釜石市の第7分団第1部指揮者の小林悟班長が選手宣誓した(同左上)

 
ポンプ車の部は3チームが競技。釜石大槌地区、遠野市の両消防本部職員が審査員を務め、隊員一人一人の動作を採点

ポンプ車の部は3チームが競技。釜石大槌地区、遠野市の両消防本部職員が審査員を務め、隊員一人一人の動作を採点

 
ポンプ車の部に出場した遠野市の第9分団第2部。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮

ポンプ車の部に出場した遠野市の第9分団第2部。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮

 
 ポンプ車の部には3チーム(遠野2、釜石1)、小型ポンプの部には4チーム(遠野3、釜石1)が出場。両種目交互に競技が行われた。ポンプ車は5人、小型ポンプは4人で操作。指揮者の操作開始の号令から、水利の確保、ホースの延長(3本結合)、放水、収納、点検報告、解散まで全ての動作が審査対象。各隊員の行動審査得点(持ち点からの減点方式)、計時審査(タイム)得点、総合審査得点の合計で順位が決まる。審査では士気・規律、動作の迅速さ・確実さ、チームワーク、安全性などが見られる。
 
 釜石市からの同競技会出場は2018年以来8年ぶり。ポンプ車の第7分団第1部(栗林町)、小型ポンプの第5分団第4部(甲子町一の渡)ともに競技順1番での出場となり、緊張もあったが、駆け付けた仲間や地域住民の声援を受けながら全力で競技に挑んだ。
 
ポンプ車の部に釜石市から出場した第7分団第1部。5月から訓練を重ねてきた

ポンプ車の部に釜石市から出場した第7分団第1部。5月から訓練を重ねてきた

 
釜石の7分団1部は2人が競技会初出場。先輩団員の指導を受け機器操作技術や規律を高めてきた

釜石の7分団1部は2人が競技会初出場。先輩団員の指導を受け機器操作技術や規律を高めてきた

 
小型ポンプの部に出場した釜石市の第5分団第4部はトップバッターで競技

小型ポンプの部に出場した釜石市の第5分団第4部はトップバッターで競技

 
釜石の5分団4部は新人1人を含むチーム編成。仲間の応援を受け全力を尽くす

釜石の5分団4部は新人1人を含むチーム編成。仲間の応援を受け全力を尽くす

 
 大会の結果、ポンプ車の部は遠野市の第9分団第2部、小型ポンプの部は遠野市の第10分団第5部が優勝。同支部代表として県大会に出場することになった。小型ポンプ優勝の10分団5部は前回大会に続き2連覇。指揮者の佐藤永治班長(41)は「5月下旬からほぼ毎日練習してきた。体に染み付いていて、それがしっかり発揮できたと思う」と成果を確信。前回の県大会では3位に入っており、「細かい規律の部分などをさらに強化し、目標としてきた県大会優勝を成し遂げたい。メンバーは全員経験者。後はどれだけ自分に自信を持ってやれるか。迷いがあるとその分遅くなるので」とさらなる高みを目指す構え。
 
ポンプ車の部で優勝した遠野市の第9分団第2部。表彰を受け笑顔を見せる

ポンプ車の部で優勝した遠野市の第9分団第2部。表彰を受け笑顔を見せる

 
小型ポンプの部で優勝した遠野市の第10分団第5部の競技。他チームを引き離す高得点をマークした

小型ポンプの部で優勝した遠野市の第10分団第5部の競技。他チームを引き離す高得点をマークした

 
前回大会に次ぐ優勝を果たし、県大会出場を決めた遠野の10分団5部。県大会でもトップを狙う

前回大会に次ぐ優勝を果たし、県大会出場を決めた遠野の10分団5部。県大会でもトップを狙う

 
 また、今大会から「優秀選手賞」が設けられ、ポンプ車は指揮者と1~4番員、小型ポンプは指揮者と1~3番員それぞれの成績優秀者が表彰された。釜石市からは7分団1部の2人が受賞した。1番員で出場した小笠原雄光さん(31)は「8年ぶりということで体が追いつくか」と心配もあったが、「任命されたからにはやるしかない」と動画で復習を開始。1カ月半余りの訓練で感覚を取り戻しつつ、さらなる技術向上に取り組んできた。個人賞受賞に「まさか自分がとれるとは」と驚きと感謝を口にし、「これを励みに日頃の団活動に一層精進していきたい。操法をはじめ消防団の魅力をアピールしながら、減少傾向にある団員を増やすことも意識してやっていきたい」と今後の活動を見据えた。
 
「優秀選手賞」を受賞した釜石市の第7分団第1部、1番員の小笠原雄光さん(右)と4番員の三浦仁班長(左)

「優秀選手賞」を受賞した釜石市の第7分団第1部、1番員の小笠原雄光さん(右)と4番員の三浦仁班長(左)

 
チームとしては3位ながら、努力の跡を見せた釜石の7分団1部メンバー。充実感をにじませる

チームとしては3位ながら、努力の跡を見せた釜石の7分団1部メンバー。充実感をにじませる

 
 もう一人の受賞は4番員の三浦仁班長(51)。競技会出場は3回目で、「先輩方の教えを忠実に守り実践したことで、いい結果につながったと思う」と指導してくれた先輩団員に感謝。これまでの努力が報われたことにも喜びを表した。今回は新人2人を迎えての競技。「部全体のレベルアップの機会になった。今後起こりうる災害にも団員の力を結集して対応していきたい」と気を引き締めた。
 
 今回の競技会ではもう一つ、初の試みがあった。開会式や表彰式で指揮者の号令とともに吹鳴するラッパ隊はこれまで開催地の隊が担ってきたが、今回初めて3市町の隊員が合同で演奏。総勢21人が団員の士気高揚に一役買った。
 
3市町のラッパ隊が合同吹鳴するのは初の試み。21人が心を一つに高らかな音を響かせた

3市町のラッパ隊が合同吹鳴するのは初の試み。21人が心を一つに高らかな音を響かせた

 
 大槌町消防団は4月に発生した大規模山林火災の影響で競技の出場は断念したが、「セレモニーを一緒に盛り上げたい」とラッパ隊員8人が合同吹鳴に参加。小笠原純一隊長(54)は「人数が増えると音色に幅やボリュームが出て一味違う」と初の機会を喜んだ。競技中は出場チームの頑張りを見守った。
 
大槌町消防団のラッパ隊メンバーも参加。団の誇りを音色に乗せて…(写真上)

大槌町消防団のラッパ隊メンバーも参加。団の誇りを音色に乗せて…(写真上)

 
 ポンプ車で出場の釜石市の7分団1部は同山林火災発生当日、6分団とともに吉里吉里の現場に駆け付け、夜通しの消火活動で民家への延焼を食い止めた。小笠原隊長は消火協力への感謝の気持ちも込めて応援。「操法訓練で身に付けた基礎的技術があってこそ、火災現場で事故なく迅速に対応できる」とその意義を強調し、2年後の大槌町開催の競技会には「ぜひ、当団からも出場チームを出せれば」と願った。

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市道松倉堤防線 視界良好に! 釜石大槌の建設業青年部が3年連続の草刈り奉仕 通行の安全確保へ

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

 
 一般社団法人岩手県建設業協会釜石支部青年部(小澤二郎部会長、27社)は1日、地域貢献活動として、釜石市甲子町の市道松倉堤防線の草刈りを行った。同所での活動は3年連続。初夏を迎え、路肩の草が生い茂る季節。車両通行や歩行に支障が出ないようにと、会員企業の社員らが約3時間にわたって汗を流した。
 
 同青年部は釜石市と大槌町の建設会社で働く、おおむね50歳以下の人たちで組織。この日の活動には、日頃から業務で関わりのある協賛会社の社員を含む33人が参加した。活動開始にあたり小澤部会長(46)=小澤組代表取締役社長=が「今年度の青年部活動は今日がスタート。作業場所は道幅が狭く車両通行が多いので、交通安全に気を付けて。熱中症対策も忘れずに」と呼びかけた。
 
作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

 
準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

 
草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

 
 草刈りを行うのは甲子川沿いを走る同市道約2.5キロの区間。住民の生活道路、釜石高生の通学路として利用されているほか、春には桜並木を愛でる花見客、夏から秋にかけてはアユ釣り客が訪れる場所だ。参加者は4班に分かれ、割り当てられた区間に散らばった。車道の両側には伸び放題の草が生い茂り、川側は路肩の境界が分かりづらい状態。参加者は草刈り機で作業し、道路に散らばった草もよけて景観にも配慮した。
 
甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

 
建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

 
道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

 
 会員には自治体から委託を受け、道路維持管理業務にあたる社も。県道や町道の作業を請け負う小松組(大槌町)の小松康朗代表取締役社長(38)は「今の時期、道路沿いの草刈りは欠かせない。夏にかけ、さらに伸びると視界が悪くなってしまうので」とその必要性を十分に認識。同活動にも毎年参加しており、「住民の皆さんの安全通行に役立てば。このような活動が業界のイメージアップにもつながれば」と作業に精を出した。
 
 同青年部が長年続ける地域貢献活動は年に数回実施。草刈り作業のほか、県や市が主催するイベントへの協力、小中学校に出向いての重機体験などの出前授業を継続している。小澤部会長は「建設業は地域に関わる仕事。青年部活動を通じて建設業への理解を深めてもらうとともに存在意義も知ってもらえれば」と期待する。

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震災後初の釜石開催 支部消防操法競技会に釜石市から2チーム出場 28日の本番へ訓練大詰め

遠野釜石地区支部消防操法競技会・ポンプ車の部に出場する釜石市消防団第7分団第1部の団員

遠野釜石地区支部消防操法競技会・ポンプ車の部に出場する釜石市消防団第7分団第1部の団員

 
 第14回県消防協会遠野釜石地区支部消防操法競技会(同支部主催)は28日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎東側防災空地で開かれる。同競技会は遠野、釜石、大槌3市町持ち回りで2年に一度開催されるが、釜石市が会場となるのは東日本大震災後初めて。新型コロナウイルス感染症の影響などで2018年以来の大会出場となる釜石市消防団からは、ポンプ車の部に第7分団第1部(前川英之部長、25人)、小型ポンプの部に第5分団第4部(三浦一雄部長、7人)が出場する。両チームは8年ぶりに挑む競技会に向け、一致団結して訓練に励む。
 
 消防操法は実際の火災消火で必要な基本技術の習得を目的としたもので、競技会では機器操作の正確さや速さ、規律を競う。釜石市消防団では以前、市予選の大会を行い、遠野釜石地区支部大会への出場チームを決めていたが、コロナ禍による中止以降、実施体制が整わずにいた。本年度の支部大会が2011年の震災以降、初めて釜石市を会場に開かれることになり、団本部は各分団に出場を打診。名乗りを挙げたのが7分団1部(栗林町)と5分団4部(甲子町一の渡)だった。
 
実際の火災現場を想定し、ホースの延長や結合、放水まで一連の動作を迅速・確実に行うための「消防操法」

実際の火災現場を想定し、ホースの延長や結合、放水まで一連の動作を迅速・確実に行うための「消防操法」

 
14日午前、競技会に向けた訓練に励む「第7分団第1部」

14日午前、競技会に向けた訓練に励む「第7分団第1部」

 
小型ポンプの部に出場する「第5分団第4部」。14日は7分団1部とともに競技会会場で訓練

小型ポンプの部に出場する「第5分団第4部」。14日は7分団1部とともに競技会会場で訓練

 
 両チームは出場メンバーを選定し、5月の大型連休明けから競技会に向けた訓練を開始。仕事を終えた平日夜や日曜日の午前中に集まり、先輩団員の指導や消防職員の助言を受けながら練習を重ねてきた。メンバーには震災後に入団し、初めて競技会に挑む団員も。基本動作を体で覚え、正確さと速さを意識しながら習熟度を高めている。
 
大会経験のある先輩団員から指導を受ける7分団1部の出場メンバー=11日夜、釜石消防庁舎前

大会経験のある先輩団員から指導を受ける7分団1部の出場メンバー=11日夜、釜石消防庁舎前

 
筒先交代時の体勢について消防職員からアドバイスを受ける5分団4部の団員

筒先交代時の体勢について消防職員からアドバイスを受ける5分団4部の団員

 
 ポンプ車の部は指揮者(班長以上)を含め5人で操作する。点呼、車両の乗降車後、水利(防火水槽)を確保。53メートル前方に、競技用20メートルホース3本を継いだ2線を延長し、火点の的を目がけて放水する。7分団1部は小林悟班長(49)が指揮者。1番員小笠原雄光(31)、2番員小笠原聡士(40)、3番員藤原直之(45)、4番員三浦仁(51、班長)の4団員で編成する。
 
車両右後方の防火水槽が水利(写真上)。吸管の操作後、3番員はホースの延長へ

車両右後方の防火水槽が水利(写真上)。吸管の操作後、3番員はホースの延長へ

 
火点の的を目がけて放水する1、2番員と、とび口を構える3番員。とび口は江戸時代から使われる伝統的な破壊器具

火点の的を目がけて放水する1、2番員と、とび口を構える3番員。とび口は江戸時代から使われる伝統的な破壊器具

 
 初出場は2人。一昨年10月に入団した2番員の小笠原さんは「指名されたからにはやるしかない」と熱心に訓練。「走る距離が長いので体力勝負」と笑う。先輩から教えられている“消火の基本”を肝に銘じ、「大会を機にしっかり習得していきたい」と意気込む。3番員の藤原さんは今年4月に入団したばかり。初の大役に緊張もあるが、「一つ一つの動きを確実に。基本操作を覚え、最後までみんなと頑張りたい」と話す。応援してくれる家族のためにも全力を尽くす構えだ。指揮者の小林さんは「新人2人は覚えるのが早く、どんどん上達している。流れもできてきているので、後は細かい部分」と期待を寄せる。
 
競技会初出場の2番員小笠原聡士さん(左)と3番員藤原直之さん(右)

競技会初出場の2番員小笠原聡士さん(左)と3番員藤原直之さん(右)

 
練習もいよいよ大詰め。細かい部分の修正を行う

練習もいよいよ大詰め。細かい部分の修正を行う

 
仕事を終えて集まる団員ら。平日夜は週2回ほど練習を重ねてきた

仕事を終えて集まる団員ら。平日夜は週2回ほど練習を重ねてきた

 
 7分団のチームは過去の県大会で好成績を収めた経験がある。1部の前川部長(55)は「先輩たちの意志を継いでやっていきたいと思っていたので」と、釜石からの大会参加復活を好機と捉える。4月には隣の大槌町で大規模山林火災が発生し、7分団も応援消火に駆け付けた。「山のような伝達が伝わりづらい場所では、けがの危険も高まる。現場での対応力を上げるには基本操作の精度を高める必要がある」と大会出場の意義を強調。「メンバーの士気も上がっている。先日の消防演習よりもワンランク上の姿を見せられれば」と指導にも熱が入る。
 
 小型ポンプの部は指揮者(班長以上)を含め4人で操作する。持ち運び可能なポンプを使った競技で、ポンプ車同様、水利を確保し、3本のホースを延長する。ホース延長は第1線のみ。途中で筒先員の交代がある。5分団4部の指揮者は三浦一雄部長(58)。1番員藤井大介(34)、2番員高橋寿(50)、3番員藤井諒(42)の3団員で挑む。
 
小型ポンプも吸管をつないで防火水槽へ。先端には異物が入らないよう網状の器具を装着

小型ポンプも吸管をつないで防火水槽へ。先端には異物が入らないよう網状の器具を装着

 
小型ポンプのホース延長は1線(3本)のみ。ポンプ車同様53メートル先まで延ばす

小型ポンプのホース延長は1線(3本)のみ。ポンプ車同様53メートル先まで延ばす

 
放水開始後、途中で指揮者から1番員に筒先を交代(左下)

放水開始後、途中で指揮者から1番員に筒先を交代(左下)

 
 メンバー唯一の初出場、1番員の藤井さんは「ホースを担ぎながらで走りづらい。難しさはあるが、できる範囲で最大限頑張っていきたい」と決意。先輩団員の教えをしっかり受け止め、「とにかくけがをしないように」と本番を見据える。チームをまとめる三浦部長は指揮者としては3回目の出場。久しぶりの大会にやりがいを感じ、「操法は消防の一番の肝。自分も年を重ね、今度は下の人たちに教える立場になってきた」と技術伝承も意識する。練習をサポートしてくれる先輩団員の協力に深く感謝し、他メンバーとともにベストを尽くすことを誓う。
 
これまでの訓練の成果を確認する5分団4部の団員。本番でもベストを尽くすことを誓う

これまでの訓練の成果を確認する5分団4部の団員。本番でもベストを尽くすことを誓う

 
菊池録郎団長から支援金を受け取る両チームの指揮者(写真上)。激励を受け、大会への意欲を高める

菊池録郎団長から支援金を受け取る両チームの指揮者(写真上)。激励を受け、大会への意欲を高める

 
 大会を2週間後に控えた14日は、菊池録郎団長が両チームに支援金を贈呈。「震災から15年。コロナ禍を経て、今年からまた操法競技に取り組むことができた。体調に気をつけながらぜひ頑張ってほしい」と出場者を激励した。同市では2016年に震災後初の市予選(35チーム参加)を開催。18年に復活2回目の大会(10チーム参加)が開かれて以降、競技から遠ざかっていた。
 
 同地区支部競技会には遠野市から5チーム、釜石市から2チームの計7チームが出場。ポンプ車の部は3チーム、小型ポンプの部は4チームで競う。4月に発生した山林火災の影響で大槌町消防団は出場を断念。ラッパ隊のみ参加する。各部の優勝チームは7月26日に県消防学校(矢巾町)で行われる県大会に出場する。

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地域の安全安心 守る心意気示す 釜石市消防団が演習 子どもらも応援「みんなヒーロー」

小型ポンプ操法などの訓練できびきびとした動きを見せる団員ら

小型ポンプ操法などの訓練できびきびとした動きを見せる団員ら

 
 消防団員が日ごろの訓練の成果を披露する消防演習が7日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎駐車場などで行われた。市消防団(菊池録郎団長、団員501人)が火災防御訓練や一斉放水などで磨いている技能を見せながら、有事に備え気を引き締めた。
 
 団員ら約460人、車両38台が参加した。統監の小野共市長は「自然災害が頻発しており、地域における共助の力、消防団の役割の重要さは増している。一方で、団員の確保は課題。活動しやすい環境づくりに努めていくので、引き続き尽力を」と訓示した。
 
日ごろの練習成果を見せる演習に臨む釜石市消防団

日ごろの練習成果を見せる演習に臨む釜石市消防団

 
 災害現場や火災予防で優秀な活動をした団員や部をたたえる市長表彰では、功績者として団員5人を賞賛し、5つの部に竿頭綬(かんとうじゅ)を授与。在職3年以上で職務精励、消防技能に優れた8人を市消防団長表彰の精勤者として高く評価した。
 
市長表彰、消防団長表彰で優れた活動を続ける団員や部をたたえた

市長表彰、消防団長表彰で優れた活動を続ける団員や部をたたえた

 
新入団員を代表し、宣誓する小笠原玲瑠さん(左)

新入団員を代表し、宣誓する小笠原玲瑠さん(左)

 
 2026年度の新入団員は6人。代表して第6分団第2部の小笠原玲瑠さん(20)が菊池団長から辞令を受け、「良心に従って誠実に消防の義務を遂行する」と誓った。
 
 統監や団長らによる観閲の後、職務遂行に必要な行動を確かめる通常点検(隊列での移動など)や機械器具点検(消防車両の装備確認など)、きびきびとした動きで小型ポンプ操法、ポンプ車操法訓練を展開。千鳥町の甲子川河川敷では、川からくみ上げた水を天高く放水した。
 
観閲や機械器具点検などに臨み、基本行動を実践する団員ら

観閲や機械器具点検などに臨み、基本行動を実践する団員ら

 
日ごろの訓練で身につけた技術を披露した消防操法訓練

日ごろの訓練で身につけた技術を披露した消防操法訓練

 
空に向けた一斉放水で防火や職務遂行へ士気を高めた

空に向けた一斉放水で防火や職務遂行へ士気を高めた

 
 地域の安全を守る団員らへ心あたたまるひと時を届けようと、栗林小の伊藤晴喜さん(3年)、ひなたさん(2年)兄妹が感謝のメッセージを発表。両親ともに団活動に励んでおり、「お母さんは困っている人がいたらすぐに駆け付けるスーパーヒーロー。消防団にはそんなヒーローが集まっているのだと思う。僕も大きくなったらみんなを助けるヒーローになりたい」「いつもありがとう。お父さんが頑張っている姿を見るのが大好きです」などと応援の気持ちを伝えた。
 
消防団員への応援の気持ちを発表する子どもたち

消防団員への応援の気持ちを発表する子どもたち

 
 菊池団長は、操法訓練などに臨む団員らの姿を見つめて「緊張していたようだが、見事に力を発揮してくれた。心強い」と評価した。人口減少の中、団員の確保は厳しさを増す一方だが、今回取り入れられた子どもたちからの作文発表が「団員の励みになれば」と期待。頼られる団であるため若手への技能継承、組織の充実強化を続ける考えを示した。
 
 釜石市では昨年、建物など3件の火災があった。今年はこれまでに2件発生。また、4月に大槌町で発生した山林火災では釜石消防団も素早く出動し、民家への延焼を最小限に食い止め、住民の命や財産を守る活動を支えた。

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災害時の要救護・支援を上空に発信 「SOSシート」を釜石市へ 地域医療連携推進法人が寄贈

地域医療連携推進法人「釜石スクラムメディカルネット」がSOSシート(災害時施設状況伝達横断幕)を釜石市に寄贈=2日

地域医療連携推進法人「釜石スクラムメディカルネット」がSOSシート(災害時施設状況伝達横断幕)を釜石市に寄贈=2日

 
 釜石市の地域医療連携推進法人、釜石スクラムメディカルネット(佐藤滋代表理事)は2日、災害時に孤立した施設や避難所の状況を伝える横断幕「SOSシート」5セットを釜石市に寄贈した。東日本大震災の教訓をもとに開発されたもので、情報通信インフラが途絶した場所から、上空のヘリコプターやドローンに必要な救護や支援を伝達する手段として活用が期待される。
 
 寄贈式は中妻町の釜石医師会館で行われた。佐藤代表理事は「大規模災害時に電気や通信などのインフラが使用不能となった場合、こういう基本的なツールが役立つと考えられる。ぜひ有効活用を」と述べ、小野共市長に現物を手渡した。
 
法人の佐藤滋代表理事(医療法人楽山会理事長)が小野共釜石市長に贈呈

法人の佐藤滋代表理事(医療法人楽山会理事長)が小野共釜石市長に贈呈

 
 同シートはテントなどに使われるターポリン素材で、横3.9メートル、縦1.78メートル。地色は自然界にないオレンジ色を採用している。情報を発信した日付、施設の収容者数、傷病者数を、ひもが付いた数字部分(白、オレンジ両面)をひっくり返すだけで簡単に更新できる。施設の状況を知らせる6種のピクトグラム(視覚記号)も表示可能。▽建物倒壊▽通信不通▽飲料水等不足▽食料不足▽医薬品等不足▽電気・燃料等不足―を伝えられ、不要な項目はマジックテープを外して折りたたむ仕様。シートは組み立て式のパイプフレームで固定する。重量は13.5キロ。
 
会場に展示されたSOSシート。数字は左側が日付(6月2日)、右下が収容者数(1034人)、右上が傷病者数(56人)を示す。真ん中はピクトグラム表示

会場に展示されたSOSシート。数字は左側が日付(6月2日)、右下が収容者数(1034人)、右上が傷病者数(56人)を示す。真ん中はピクトグラム表示

 
数字は白とオレンジの両面があるパーツをひっくり返すだけで変更可能

数字は白とオレンジの両面があるパーツをひっくり返すだけで変更可能

 
ピクトグラムは必要なものだけを表示。不要なものは折りたたんで非表示に

ピクトグラムは必要なものだけを表示。不要なものは折りたたんで非表示に

 
 東日本大震災で医療施設が孤立した宮城県気仙沼市で、教訓を生かそうと地元企業や医療関係者により2015年に開発された。同メディカルネットに参画する独立行政法人国立病院機構釜石病院の名誉院長・特任参与の成田德雄医師が開発に関わっていたこともあり、釜石地域の災害対応力向上につながればと今回の寄贈に至った。「アナログな情報伝達手法は、災害が大規模であればあるほど必要になってくる。毎日更新される情報を日付を示して発信することは極めて重要」と成田医師。気仙沼市では避難所となる学校などに配備されているという。本県での導入は釜石市が初めて。
 
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SOSシートの開発に関わった成田德雄医師(左、同法人理事)が寄贈の経緯などを説明

 
 シートの寄贈を受けた小野市長は「災害時、取り残された住民にとって貴重な役に立つツールとなる」と感謝。「どこに配置するかを考え、実際の災害時に効果をしっかり発揮できるよう、市の避難訓練などで使い方を実践してみたい」と述べた。東日本大震災では、半島部の住民がヘリコプターで救助される事例もあった。同市の猪又博史危機管理監は「情報網が途絶された中では、こういうものが情報になる。孤立が想定される半島部を念頭に配備場所の検討を進めていきたい」と話した。

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「違和感」で架空料金請求詐欺防ぐ 釜石警察署、セブンイレブン中妻町1丁目店に感謝状

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

 
 釜石警察署(日山良則署長)は19日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして釜石市中妻町のコンビニ、セブンイレブン釜石中妻町1丁目店(中澤英樹オーナー)に署長感謝状を贈った。電子ギフトカードの購入金額が高額だったことに加え、常連客のいつもと違う買い物に「あれ?」と“違和感”を覚えたのが奏功。詐欺の手口が多様化する中、こうした店頭や窓口を通した異変への気づきが被害拡大の防止に貢献している。
 
 贈呈式は同店で行われ、当時対応した店員の真壁香利さん(32)に日山署長が感謝状を手渡した。日山署長は「的確な判断と迅速な声かけが水際の被害防止につながった。被害の恐れを把握するのは、警察だけでは難しい。これからも協力を」と期待した。
 
日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

 
 同署によると、4月15日夜のはじめ頃、常連の50代男性が来店し、総額3万3000円分の電子ギフトカードを購入しようとした。特に慌てた様子もなく普段通りだったと振り返る真壁さん。「高額だし、カードを買うのを見たことがない」と不審に思った。
 
 扱い方も分からない様子だったことから使用目的を尋ねると、男性はスマートフォンに届いた「多額の支援金を受け取れる。そのためには手数料が必要」といった内容が記されたメールを見せたという。真壁さんは「これ絶対に危ない。詐欺だ」と疑いを強め通報した。
 
 同店に急行した署員が真壁さんと客とのやりとりを確認し、詐欺の疑いを説明。購入を思いとどまった男性からさらに詳細を聞き出し、捜査する中で、架空料金請求詐欺と判断した。
 
電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

 
 真壁さんは「自分の力で防ぐことができ、安心できたなというのが正直な気持ち」と表情をやわらげた。日ごろの客との会話や交流が異変を察知するのにつながったと改めて感じたようで、「これからも勇気を出して声かけしたい」と背筋を伸ばした。
 
 今回の声がけ対応や通報の流れは店内ですでに共有している。同店ではこれまでも複数回、詐欺被害を阻止しているといい、中澤オーナーは「(詐欺は)コンビニで食い止めなきゃ。最後のとりでだと思って」と力を込めた。
 
レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

 
なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

 
 岩手県内でみると、今年の特殊詐欺認知件数は4月末現在で94件(前年同期比35件増)、被害額は6億1617万円(同比2億7023万円増)。SNSのやりとりで架空の投資話などに引き込む「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」、電子ギフトカードを使うケースも増えている。
 
 釜石署管内で今年認知された特殊詐欺の発生件数は1件(SNS型ロマンス詐欺被害)。また、「公共料金(電気代やガス代など)が安くなると勧誘された」といった相談は、詐欺の可能性があるものを含め日々寄せられているという。同署は「電話やメールでお金の話が出てきたら詐欺。一人で悩まず、不安な時は迷わず警察に相談を」と呼びかけている。

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新築整備の「橋野地区消防屯所」落成 地域防災へ機能強化 住民の安心安全に団員ら決意新た

テープカットで「橋野地区消防屯所」の完成を祝う関係者=19日、橋野町38地割(太田林)

テープカットで「橋野地区消防屯所」の完成を祝う関係者=19日、橋野町38地割(太田林)

 
 施設の老朽化に伴い、新築整備された釜石市橋野町の「橋野地区消防屯所」のお披露目会が19日、現地で開かれた。過疎、高齢化で消防団員が減少する地域の消防力を維持するため、町内の3屯所を合築する形で、市が町中心部の県道釜石遠野線沿いに新施設を整備。管轄する市消防団第7分団(菊池浩分団長、団員53人)の本部機能も担う。出動体制の充実が図られ、地域防災力強化に期待が寄せられる。
 
 お披露目会は同第7分団、橋野町振興協議会(菊池郁夫会長)、消防団第7分団後援会(洞口政伸会長)が主催。団員と来賓、地域住民ら約100人が集まった。菊池分団長は「3集落の屯所の統合は市の新たな試みでもあり、消防力を向上させる狙いがある。居住地域に屯所がなくなることに不安を感じる人もいるかと思うが、従来と変わらない装備で一気呵成(かせい)に対処し、駆け付けた消防署員と役割分担しながらしっかり対応していく」とあいさつ。施工した山長建設(大只越町)の山﨑寛代表取締役社長に感謝状を贈った。テープカットの後、橋野鹿踊りの舞で新屯所落成を祝い、餅まきが行われた。
 
新屯所のお披露目会であいさつする市消防団第7分団の菊池浩分団長(右上)

新屯所のお披露目会であいさつする市消防団第7分団の菊池浩分団長(右上)

 
施工した山長建設の山﨑寛代表取締役社長(左)に感謝状を贈呈

施工した山長建設の山﨑寛代表取締役社長(左)に感謝状を贈呈

 
地元郷土芸能の橋野鹿踊り(右)は「館褒め」などの踊りで会を盛り上げた

地元郷土芸能の橋野鹿踊り(右)は「館褒め」などの踊りで会を盛り上げた

 
餅まきでは餅のほか、産直・橋野どんぐり広場の名物菓子も宙を舞った

餅まきでは餅のほか、産直・橋野どんぐり広場の名物菓子も宙を舞った

 
 新屯所は912平方メートルの敷地に建設。木造平屋の建物は床面積288平方メートルで市内最大。同分団第2部、第3部の各詰め所(和室・土間)、本部の和室、消防車両3台分の車庫、資材置き場などを備える。昨年8月に着工、本年3月に完成した。4月から同所を拠点とした業務が始まっている。
 
隣り合う2部、3部の詰め所(左上)。本部の和室は42畳(右上)。屯所は県道に面し、迅速な出動が可能

隣り合う2部、3部の詰め所(左上)。本部の和室は42畳(右上)。屯所は県道に面し、迅速な出動が可能

 
新屯所の車庫。本部、2部、3部の各車両が収納される。奥には資材置き場も

新屯所の車庫。本部、2部、3部の各車両が収納される。奥には資材置き場も

 
 第7分団は栗林町と橋野町を管轄。4部体制を維持してきたが、約5年前に団員不在で4部(橋野町横内)を廃止。2、3部が橋野町全域の消防活動を担う。2部(町中心部)の屯所は築42年、3部(同中村)の屯所は築37年が経過。市内で最も古く、老朽化が進んでいたため、建て替えが急務だった。同町太田林に用地を選定したが、縄文時代の集落遺跡があったため記録保存の発掘調査が必要となり、同調査(2022、23年度)の終了を待って用地造成が行われた。
 
 菊池分団長(61)は屯所の合築整備について、「地元在住の団員が減っていることもあり、県道沿い1カ所に集約したのは、団員の参集、迅速な出動にはむしろ好都合。機能性も高まると思う。毎年1人でも団員を確保しながら、火災予防の啓発を強化していきたい」と話す。

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三陸沖地震で津波警報 釜石市内1451人避難 後発地震注意情報発表「すぐに逃げられる態勢を」

津波警報発表で、高台の薬師公園に避難した人たち。奥が釜石湾。不安そうに見つめる

津波警報発表で、高台の薬師公園に避難した人たち。奥が釜石湾。不安そうに見つめる

 
 20日午後4時52分ごろ発生した三陸沖を震源とするマグニチュード7.7の地震で、北海道から本県にかけての太平洋沿岸に津波警報が発表された。釜石市では震度4の地震、20センチの津波(釜石港、午後6時41分)が観測された。この地震で「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が出されていて、日頃の地震への備えを再確認するとともに、1週間程度は社会活動を維持しつつ、すぐに避難できる態勢を整えておくことが求められる。
 
 市は午後4時55分の津波警報発表(最大予想3メートル)を受け、同58分、避難指示を発令。津波浸水想定区域では、住民らが市指定緊急避難場所など近くの高台に避難した。午後5時50分までに市内小中学校体育館や寺など9カ所に市が避難所を開設。その他の場所への避難者を含め、最大で1451人が避難した。
 
薬師公園頂上広場に駆け上がる避難者。あたりが暗くなり始めると津波の状況を確認しながら市開設の避難所に移動した

薬師公園頂上広場に駆け上がる避難者。あたりが暗くなり始めると津波の状況を確認しながら市開設の避難所に移動した

 
 「緊急放送、避難指示発令。津波警報です。高い津波がきます。すぐに高いところに逃げてください」。津波への警戒を促すサイレンとともに、防災無線から繰り返し避難の呼びかけが続く中、市中心部・大町の高台にある薬師公園には近くに住む人や働く人らが足早に向かった。大型商業施設などから避難する人の姿も。スマートフォンで連絡を取ったり、携帯ラジオを持参した避難者に地震や津波の状況を聞いたりした。
 
 公園の頂上広場に続く階段に座り、遠巻きに海を眺めていた70代女性は「15年前の東日本大震災ほどではなかったけど、強い揺れだった。あの時も、ここから海の方を見ていた。なんか思い出すよね」と不安げに話した。震災の津波で被災した自宅を修繕して生活。この日は地震後、貴重品をリュックサックに入れて避難し、「あのサイレンの音も、スマホがビービーと鳴るのも本当に怖い」と肩をすくめた。
 
 午後6時前、夜の冷え込みを避けるため市職員の指示で、薬師公園から市が釜石小体育館(大渡町)に開設した避難所に移動。近くの商店で働く40代女性は「早く帰りたいけど、警報が解除にならないと…。安全が確保されるまでは心配だから」と身を寄せた。
 
避難所が開設された釜石小体育館に身を寄せた人たち

避難所が開設された釜石小体育館に身を寄せた人たち

 
 釜石小には160人以上が車や徒歩で避難。同校体育館で、テレビのニュースを心配そうに見つめた。食品加工会社で働くインドネシア人女性5人は仕事を終え在宅中に揺れに見舞われ、職場からの指示で避難。釜石での生活は3年目だというが、避難所に駆け込んだのは初めてのようで、「安心するために避難した」と声を合わせた。
 
 学童保育中の小学5年の長女、同3年の長男を迎えに来て、そのまま避難した只越町の会社員の父親(40代)は「(子どもたちが)運よく学童の時間で良かった。安全な場所にいるのは分かっていたが、顔を見てほっとした」と力を抜いた。水や簡易トイレ、ラジオ付きの手回し電灯などが入った防災リュックを持参。「災害は本当に怖いから!」と話す長女の強い希望で車に常備しているのだという。「命を守るために逃げる。その気持ちを持ち続けてもらいたい」。そう願う父親は、長期戦を見越してリュックに仕込んだぬいぐるみなどの玩具で遊ぶ子どもたちを後方から見守っていた。
 
避難者の受け入れや物資の配布を行う市職員ら。校庭には避難車両が並び、車内で待機する人にも水などを配った

避難者の受け入れや物資の配布を行う市職員ら。校庭には避難車両が並び、車内で待機する人にも水などを配った

 
配られたパンや水でお腹を満たす避難者。甘いものの差し入れも

配られたパンや水でお腹を満たす避難者。甘いものの差し入れも

 
 避難所運営に関わる大渡町内会は、同校の敷地にある備蓄倉庫を間借りする形で水や毛布などを保管している。この日も町内会役員らが市職員と協力し、避難者の受け入れや物資の配布、様子をうかがったりした。冨谷親雄副会長(78)は15年前の震災当時を思い浮かべたようで、「あの時よりは避難者は少ない。水は備蓄しているが食料はなく、限りもあるから『足りなくなったら』と考えたりする」と館内を見渡した。心配事はあっても災害発生時には人が参集する避難所であり、「市の動きに合わせて、やれる範囲で対応できるようにしたい」と気を引き締めた。
 
避難所が開設された鵜住居小・釜石東中体育館に向かう地域住民ら

避難所が開設された鵜住居小・釜石東中体育館に向かう地域住民ら

 
校庭には県交通バスを含む避難車両約120台が並んだ。震災後に整備された市道箱崎半島線や恋の峠付近の高台(右枠写真上部)にも複数の車両が避難

校庭には県交通バスを含む避難車両約120台が並んだ。震災後に整備された市道箱崎半島線や恋の峠付近の高台(右枠写真上部)にも複数の車両が避難

 
 鵜住居町の高台にある鵜住居小・釜石東中には、地震発生直後から地元住民や車両通行中の人などが次々に避難してきた。両校の児童生徒らは下校後で、自宅や遊んでいた公園などから声をかけ合って避難。昨年1月に自主防災組織を結成している東中の生徒らは、体育館に避難した人たちが休めるよう、床に敷くシートや毛布、椅子などを準備した。同校を卒業したばかりの高校生らも率先して動き、避難者の受け入れにあたった。同所には最大で200人が避難した。
 
 体育館や入り口には大型テレビが設置された。各地の海面の状況が映し出される映像や観測された津波の高さなどの情報を、避難者が食い入るように見つめた。東日本大震災を経験し、町内の復興住宅に暮らす91歳女性は「今回は揺れが大きかった。明るいうちに避難しなきゃと思って急いで出てきた。なかなか(警報が)解除にならないべな」と心配そうな表情を浮かべた。
 
鵜小・東中体育館の入り口付近に受付を設け、避難者名簿を作成

鵜小・東中体育館の入り口付近に受付を設け、避難者名簿を作成

 
体育館内で必要な人にパイプ椅子を配る東中出身の大槌高生

体育館内で必要な人にパイプ椅子を配る東中出身の大槌高生

 
校内の備蓄倉庫から運び出した飲料水を避難者に配る釜石東中生

校内の備蓄倉庫から運び出した飲料水を避難者に配る釜石東中生

 
 今回の地震発生時刻は高校生の帰宅時間に重なった。大槌高から県交通のバスで帰宅途中だった生徒らは、スマートフォンの緊急地震速報で地震発生を感知。運転手の判断で、バスは乗客を乗せたまま高台の両校校庭に向かった。バスに乗っていた大槌高1年の藤井珀空さんは「車内にいたので最初、揺れに気付かなくて。スマホの速報で(最大)震度5と知ってびっくり」。東中出身で、到着後は出身同級生らと避難所運営に協力した。「自然に体が動く感じ。すぐにみんなでやろうと」。東中防災教育担当の佐々木伊織教諭は卒業生の協力に「涙が出るくらいうれしかった。今の高校1年生は自主防を立ち上げた子どもたち。災害時の行動がしっかり身に付いている」と実感を込めた。
 
 同じくバスで、甲子町の自宅に帰る途中だった大槌高3年の小岩波月さんは初めて津波避難を経験。「地震発生時、鵜住居に差しかかるところだったのでひやひやしたが、冷静に行動できた」。避難所では釜石高生らを含め、多くの高校生が活躍。避難者の誘導、備蓄品の水や非常食の配布など積極的に活動した。「東中出身者に教えてもらいながらやったが、中学校時の訓練の成果が表れていてすごいと思った。高齢者の方も安心できるように自分でも動けたかな」と小岩さん。
 
非常食のカレーを湯を沸かした鍋で温め、避難者に配布。手際の良さは自主防の訓練のたまもの

非常食のカレーを湯を沸かした鍋で温め、避難者に配布。手際の良さは自主防の訓練のたまもの

 
帰宅途中に避難した高校生らが避難所運営に力を発揮。東中出身者を中心に率先して行動する姿が見られた

帰宅途中に避難した高校生らが避難所運営に力を発揮。東中出身者を中心に率先して行動する姿が見られた

 
避難者対応が一段落すると高校生も食事タイム

避難者対応が一段落すると高校生も食事タイム

 
 津波警報は同日午後8時15分に注意報に切り替えられ警戒が続いたが、午後11時45分に解除された。釜石市では21日時点で、地震や津波によるけが人、物的被害は確認されていない。避難所となった鵜住居小、釜石東中は21日を臨時休校とした。
 
 この地震で気象庁と内閣府は、大規模地震発生の可能性が平常時と比べ相対的に高まっているとして、北海道から千葉県まで7道県182市町村に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。避難場所・経路、家族との連絡手段、非常食などの備蓄、家具の固定と、日頃の地震への備えを再度確認するとともに、1週間程度は特別な備えとして「すぐに逃げられる態勢の維持」「非常持ち出し品の常時携帯」などを呼びかける。同注意情報の発表は2022年の運用開始以降、昨年12月の青森県東方沖地震時に続いて2回目。

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命、財産守ろう!交通安全・地域安全 大切なのは「心がけ」 春の運動 釜石で呼びかけ

自転車の運転者にチラシを配布し、青切符制度を周知する警察官=8日

自転車の運転者にチラシを配布し、青切符制度を周知する警察官=8日

 
 「春の全国交通安全運動」「春の地域安全運動」は6日から10日間にわたり、全国で実施された。新年度のスタートに合わせ、釜石市内でも関係機関が各種活動を展開。新入学児童への交通安全グッズの配布や自転車安全利用の呼びかけなどで、市民の意識や地域の安全安心の向上へ力を合わせた。
 
春の全国交通安全運動と地域安全運動の合同出発式=6日

春の全国交通安全運動と地域安全運動の合同出発式=6日

 
 交通安全の面で今年、岩手県は交通死亡事故が多発している。県警によると、事故による死者数は5日現在で15人。前年度期の3倍に上る。
 
 釜石市内では昨年11~12月に交通死亡事故が2件発生し、計3人が亡くなっている。6日にあった両運動の合同出発式で、釜石警察署の日山良則署長が説明。「尊い命、大切な財産を失うのを1件でも減らすには市民一人一人の心がけが重要。現状を認識してもらい、安心して生活できる地域をつくるため関係機関で連携し活動を」と激励を受け、関係団体が15日まで各種活動に取り組んだ。
 
釜石小の入学式で新入学児童に交通安全グッズが贈られた=8日

釜石小の入学式で新入学児童に交通安全グッズが贈られた=8日

 
 市交通安全対策協議会(会長=小野共市長)などは市内の9小学校の入学式に合わせ、新入学児童112人全員に交通安全グッズを配布。通学かばんなどに付けるリフレクター(反射材)、交通安全あいうえお表・クリアファイル、黄色いワッペンの4種類を用意した。
 
 8日、大渡町の釜石小(五安城正敏校長)で入学式があり、同協議会や釜石地区交通安全協会、釜石署の関係者が出席。グッズ一式を詰め込んだ封筒を手にした同署交通課の三浦優樹課長が「交通ルールを守って元気に登校してください」と、新1年生6人に呼びかけた。
 
新1年生を見守る釜石警察署の三浦優樹交通課長(奥左)

新1年生を見守る釜石警察署の三浦優樹交通課長(奥左)

 
 代表して受け取った菅原一華さんは初々しい声で「はい」と返事。「ルールを守って頑張ります。みんなと一緒に勉強するのが楽しみ」とはにかんだ。
 
自転車通学をする中学生に啓発チラシを渡す警察官

自転車通学をする中学生に啓発チラシを渡す警察官

 
 同日夕方、新町の沿岸広域振興局周辺で自転車安全利用の啓発活動を行った。毎月8日の県自転車安全指導の日に合わせ、今月始まった自転車の交通反則切符(青切符)制度を周知するチラシを自転車の運転者らに配った。
 
 活動場所は国道283号沿いの自転車が走行できる歩道で、登下校時に中高生らも利用する。釜石署の署員に声をかけられた釜石中の1年生はこの日、安全走行の講習を受けたばかりで、同制度を認識。テレビなどニュース報道で耳にしていたこともあり、「自転車で車道の右側を走る(逆走)のは危ないから、やらないようにする」「イヤホンは耳が聞こえなくなるのもあるから、使うのは注意する」「また伝えてもらえてよかった。事故を無くすことにつながるから。気を引き締めたい」などと受け止めた。
 
国道283号沿いの歩道に立ち手持ち看板を掲げて啓発

国道283号沿いの歩道に立ち手持ち看板を掲げて啓発

 
 また、県警では毎月第2水曜日を「横断歩道の日」としており、新町のジョイス釜石店前の横断歩道近くでも活動。数年前に死亡事故が発生しており、釜石署と連携した交通安全・防犯関係団体の関係者らが手持ちの看板を掲げて注意喚起した。
 
自転車の交通ルールや青切符制度を知らせるチラシ

自転車の交通ルールや青切符制度を知らせるチラシ

 
 同制度は16歳以上の自転車の交通違反に、反則金納付を通告できる。青切符の対象となる違反は113種類。口頭指導や警告が基本で、従わない場合は反則金を科す。交通事故の原因となるような悪質、危険なケースは摘発対象となる。
 
 釜石署交通課の三浦課長は「自転車利用のルールが変わったわけではい。形骸化したルールを青切符制度の導入により思い出すきっかけにしてほしい。ルールを守れば、命を守れることがたくさんある。自分自身の意識づけが大事で、周知、浸透させるため指導を中心に行っていく」と強調した。
 
交通安全や防犯の呼びかけは運動期間にかかわらず継続する

交通安全や防犯の呼びかけは運動期間にかかわらず継続する

 
 交通安全運動の重点項目は▽通学路・生活道路の歩行者の安全確保▽走行中に携帯電話を使う「ながらスマホ」の根絶や安全運転の意識向上▽自転車などの交通ルールの理解や順守の徹底。「交通事故死ゼロを目指す日」(10日)に合わせた「ドーナツ運動」なども行った。
 
 地域安全運動は▽子どもや女性、高齢者の犯罪被害防止▽鍵かけの励行-が重点。関連で、釜石署は8日に釜石市や大槌町の4町内会へ「鍵かけモデル地区」指定書を交付、防犯意識を高めてもらい施錠の習慣化を図った。

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作業現場のクマ対策 青紀土木社員らが寄せ付けない工夫、遭遇時の対処学ぶ 一般にも公開

クマ撃退スプレー(練習用)の噴射を体験する青紀土木の社員=1日、大町広場

クマ撃退スプレー(練習用)の噴射を体験する青紀土木の社員=1日、大町広場

 
 釜石市鵜住居町の建設業、青紀土木(青木健一代表取締役社長)は1日、作業現場でのクマ対策を学ぶ座学と実習を行った。鉄道や県道の路線維持を請け負い、山間部に入っての作業も多い同社。春を迎え、冬眠明けのクマが動き出す時期に入ることから、例年開く新年度の安全衛生大会の中に組み込む形で初めて実施した。昨年は各地でクマの目撃情報が相次ぎ、重大な人身被害も発生。社員らは講師からクマの生態や寄せ付けない対策、いざという時に身を守る方法などを学び、作業時の安全意識を高めた。
 
 同大会は釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。クマ対策講習は一般にも公開。同社と協力企業の社員、興味のある市民ら約70人が参加した。講師として招かれたのは農林水産省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーで雫石町職員の谷崎修さん(48)。始めに本州に生息するツキノワグマ(以下クマ)の生態について説明した。
 
クマ対策の座学。講師の谷崎修さんは自作のクマパネル(ツキノワグマ成獣、体長1メートル)を示し、「大きさをぜひ覚えておいて」と話した(左下写真)

クマ対策の座学。講師の谷崎修さんは自作のクマパネル(ツキノワグマ成獣、体長1メートル)を示し、「大きさをぜひ覚えておいて」と話した(左下写真)

 
 クマは学習能力が高く、目、耳、鼻は人間の能力を上回る。嗅覚は人間の2400倍、夜間視力は50倍にもなるとされ、「暗くても餌を探すことができる」という。雄と雌では体の大きさが違い、雌は成長が遅いため、「子イヌ(体長40~50センチ)より少し大きい程度でも成獣の可能性がある」。雌は妊娠期間がわずか2カ月で、冬眠中に巣穴の中で出産。子どもが外敵に襲われにくい大きさになってから巣穴を出るため、冬眠明けは雄より遅く、5月上旬ごろ。子グマの近くには必ず母グマがいるので、絶対に近づかないことが肝心。
 
クマ対策について学ぶ青紀土木、協力企業の社員、一般市民ら

クマ対策について学ぶ青紀土木、協力企業の社員、一般市民ら

 
 谷崎さんはクマと出会わないための対策として、▽自分(人間)の存在を知らせる▽クマの生態や行動をよく知る▽目撃・出没情報があった場所には近づかない▽新しい痕跡(ふん、食痕、爪痕など)があった際は十分気をつける―ことを挙げた。
 
 存在を知らせる方法としてはクマ鈴やラジオの携帯があるが、「鈴は高い音が鳴るものを選んで。ラジオは音量が大きすぎるとクマの接近に気付かない可能性があるので要注意」と助言した。他に定期的に手をたたく、大声を出すことも推奨。特に沢沿いや見通しの悪い場所ではしっかり音を発し、人間が近づいていることをクマに知らせることが大事。大きな音を出すクマよけ用品にはガス式、USB充電式のホーン、爆音クラッカーもあり、「作業に入る前、また、作業中も休憩時間などに合わせて何回か鳴らすと効果的」と谷崎さん。
 
クマと出会わないためには、人間の存在(近づいていること)をクマに知らせることが大事。また、クマの食べ物や新しい痕跡がある場所には近寄らないのが一番

クマと出会わないためには、人間の存在(近づいていること)をクマに知らせることが大事。また、クマの食べ物や新しい痕跡がある場所には近寄らないのが一番

 
クマ鈴や追い払い用花火(大きな音と火薬臭が出るもの)なども紹介

クマ鈴や追い払い用花火(大きな音と火薬臭が出るもの)なども紹介

 
 だが、対策を講じていても、不意に出会ってしまう可能性もある。その場合、どう対処すべきか?「20メートル以上離れていれば、こちらが刺激しない限り、クマの方から逃げていく。クマから目を離さず、ゆっくりと静かに後ずさりし、建物や車まで避難して」と谷崎さん。予期せぬ鉢合わせなどでクマが突進してきたら、「クマの顔(目や鼻)を目がけて『クマ撃退スプレー』を噴射する」。スプレーがないなど最悪の場合は命を守るため、「うつ伏せになり、顔や首を守って、体をひっくり返されないよう足を広げる」防御姿勢を取る。これで、致命傷となる顔面への攻撃を防ぐ。谷崎さんは「スプレー噴射も身を守る姿勢も実際にやったことがないとなかなかできない。練習しておくことが必要」と話した。
 
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座学の後に行われたクマ撃退スプレーの操作実習。谷崎さんがポイントを解説

 
 座学の後は大町広場に移動し、練習用クマスプレーで噴射までの操作を体験した。腰に装着したホルダーからスプレーをはずし、ロックを解除。5メートル先に置いたクマのパネル目がけてスプレーを噴射した。スプレー使用時はクマから目を離さないことが大切。購入する際は「噴射までの動作が少なく、片手でも操作できるものを選んでほしい」とのこと。谷崎さんは射程距離について「強風の時は良くて5メートルほど。噴射体勢を取りつつ後ずさりし、5メートルに近づいた瞬間に噴射できれば効果的」とした。クマがいなくなっても噴き続け、中身は全部使い切る。
 
クマスプレーをホルダーごと腰に装着。いざという時にすぐ使えるように…

クマスプレーをホルダーごと腰に装着。いざという時にすぐ使えるように…

 
ホルダーからはずし、ロックを解除。クマの顔をめがけて噴射する。操作する時はクマから目を離さない

ホルダーからはずし、ロックを解除。クマの顔をめがけて噴射する。操作する時はクマから目を離さない

 
クマのパネルまで5メートル。奥のカラーコーンまで10メートル。距離感をつかんでおくことも大事

クマのパネルまで5メートル。奥のカラーコーンまで10メートル。距離感をつかんでおくことも大事

 
 同社の倉澤久美土木課長(55)はスプレー操作を体験し、「もっと素早くできるイメージだったが、ちょっと時間がかかった。クマスプレーを使うのはあくまで最終手段。まずは寄せ付けないことが重要」と実感。作業現場でクマを目撃したことがあるが、その時は20~30メートル離れていて、クマはそのまま逃げていった。昨年の出没増で、「やはり不安は大きい。自分もですが、作業員さんの身も守らないといけないので、しっかり対策をしていかなければ」と気を引き締める。
 
実際に操作してみないと感覚がつかめない。スムーズに使えるよう練習用スプレーなどで噴射までの動作を練習しておくことが必要

実際に操作してみないと感覚がつかめない。スムーズに使えるよう練習用スプレーなどで噴射までの動作を練習しておくことが必要

 
 同社はJRの在来線(釜石線、山田線など)、東北新幹線、三陸鉄道のほか、県道の路線管理を担う。峠など山間部に入っての作業が多く、必然的に野生動物との接点も増える。作業員は現場に向かう際、クマ鈴とクマスプレーを装備しているが、実際のスプレー噴射はほぼ初体験。「“知っている”と“できる”は違う。学んだことを実践し、正しく使えるようになることが大事。空スプレーでの操作練習も対策の一環として取り入れたい」と青木社長。講習の一般公開について、「クマ問題は地域住民にも関わること。同じ課題の解決につながるような事案は、今後も共に学べる場を提供したい」と地域貢献も望んだ。