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優良幼年消防クラブ表彰を受けた鵜住居幼稚園の園児たち

防災の誓い新たに、鵜住居幼稚園幼年消防クラブ〜県幼少年婦人防火委員会会長表彰受賞

優良幼年消防クラブ表彰を受けた鵜住居幼稚園の園児たち

優良幼年消防クラブ表彰を受けた鵜住居幼稚園の園児たち

 

 釜石市鵜住居町の鵜住居幼稚園の全園児で組織する鵜住居幼稚園幼年消防クラブ(代表・磯田育子園長、20人)は18日、県内の火災予防活動の取り組みを対象とする本年度の県幼少年婦人防火委員会会長表彰(優良幼年消防クラブ表彰)を受けた。

 

 伝達式は同園で行われ、園児18人が参加。釜石大槌地区行政事務組合消防本部の金野裕之消防長が表彰状と記念品を贈り、「火事や災害のないまちになるよう、これからもみんなで力を合わせて頑張っていこう」と呼び掛けた。

 

 園児は大切なものが火事で無くならないよう、▽火遊びはしない▽火のそばで遊ばない▽火事を出さないよう気を付ける―と防火の誓いを宣言した。

 

 同園の幼年消防クラブは1984年5月の結成以来、幼年消防フェスティバルへの参加、火災や地震、津波を想定した避難訓練(月1回)を継続。東日本大震災後の2017年から防災教室を開催し、日頃から園児、職員ともに防災意識の向上に努めている。

 

 磯田園長は「(受賞は)今までみんなが懸命に取り組んで頑張ったしるし。これからも安全に逃げること、命を守ることを勉強していきたい」と見守った。

 

 同クラブ表彰は結成して5年以上経過し、火災予防意識の高揚、啓発に貢献、模範となる取り組みが認められる団体に贈られる。本年度は同園を含め3団体が選ばれた。

復興釜石新聞

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いのちをつなぐ未来館の名誉館長に就任した加藤孔子さん(右)

元釜石小校長の加藤さん、鵜住居・いのちをつなぐ未来館名誉館長に〜釜石の防災教育を広く発信、「聴く力を磨いて」と訴える

いのちをつなぐ未来館の名誉館長に就任した加藤孔子さん(右)

いのちをつなぐ未来館の名誉館長に就任した加藤孔子さん(右)

 

 東日本大震災当時、釜石市立釜石小の校長だった加藤孔子(こうこ)さん(62)=盛岡市在住=が、鵜住居町の津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」の名誉館長に就任した。現在、岩手大教員養成支援センター特命教授を務めており、同館では不定期に活動。展示やガイド内容の充実など助言を行う。18日には修学旅行で同館を訪れた小学生を特別ガイド。日頃から防災意識を高めておくために大切なこととして「聞く力を磨いてほしい」と訴えた。

 

 加藤さんは岩大教育学部卒業後、平田小で教員生活をスタート。2008年4月に校長として初めて着任したのが釜石小だった。12年3月まで勤務し、滝沢東小、見前小校長を歴任、18年3月に退職。19年4月から同特命教授を務めている。

 

 釜石小での勤務時、授業で「津波てんでんこ」の言い伝えをくり返し教えた加藤さん。通学路にある危険箇所、避難場所を知るため児童自らが歩いて探る防災安全マップづくり、災害時に児童が自らの判断で命を守ることを目標として下校時避難訓練に取り組んだ。

 

 震災発生時、全校児童184人の多くがすでに下校。学校の管理下になかったものの、一番近い避難場所や高台に避難するなど自分たちで判断、行動し、全員が各自で命を守った。

 

 学校で学んだことを思い出して行動しただけ―。子どもたちの言葉から、加藤さんは「友達や先生の話を普段から聞くことで命を救うことができる」と感じた。

 

 この日、一戸町立一戸南小(飯岡竜太郎校長、児童94人)の6年生14人らに対し、釜石小の事例を説明した加藤さん。「学校での話をよく聞いて、覚えていたから命が助かった。普段から話を聞くことが自分やたくさんの人を守ることにつながる」と呼び掛けた。

 

 同館で加藤さんの主な役割は防災学習や展示・企画展の助言、支援。これまで同館では鵜住居の子どもたちの避難行動を中心に伝えてきたが、今後は釜石小の事例も発信し、釜石の防災教育の成果と教訓を明らかにする取り組みに力を入れる考えだ。

 

 「防災教育というと避難訓練だけがピックアップされがちだが、普段から、当たり前に教育されていることが大切」と加藤さん。伝承活動に加え、地震のメカニズムなど専門的な要素を取り入れた体験プログラム、ワークショップの実施などを視野に入れている。

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9月1日~7日は地震・津波避難訓練週間です(知ってて欲しい防災情報)

9月1日~7日は地震・津波避難訓練週間です(知ってて欲しい防災情報)

<縁とらんすより>
本記事は、 釜石市公式サイト 知ってて欲しい防災情報(保存版) 内に記載されている「2020年8月15日号 広報かまいし掲載」の情報を転載しています。

一人一人が避難行動を実践してみましょう
地震・津波避難訓練週間

 

9月1日~7日に地震・津波避難訓練週間を設定します。期間中に必ず1回は、自主避難訓練を行いましょう。なお、新型コロナウイルス感染予防のため、例年、9月1日(防災の日)に実施している「地震・津波避難訓練」は中止します。

期間

9月1日(火)~7日(月)
※都合にあわせて実践する日時を設定しましょう

訓練対象者

市内に居住または勤務している人

想定内容

日本海溝沿いでマグニチュード9.1の巨大地震が発生。釜石では震度6弱の揺れを観測。地震発生から3分後に気象庁から大津波警報が発表された。
【釜石への津波到達時間を地震発生から15分後と想定】

訓練時の津波到達想定時間

内閣府が公表した「日本海溝(三陸・日高沖)モデル」によると、震源は東日本大震災時のすべり分布よりも釜石に近いため、東日本大震災時よりも津波が早く到着する可能性があります。
また、平成15年~16年に岩手県が行った津波浸水想定では、釜石への津波影響開始時間が、早い所で15分~17分と想定されていることから、迅速な避難行動の目安として地震発生後「15分」と設定しました。

訓練内容

① 個人や家族、職場の仲間とともに、そのときいる場所で大きな地震が発生したと想定して、「身を守る」行動を行いましょう
② 自宅や職場、学校、幼稚園などから、近くの津波災害緊急避難場所や高台など、危険を回避できる場所への避難訓練を行いましょう
③ 避難開始までの手順や緊急持ち出し品などの確認を行いましょう

注意事項

① 避難するときは、徒歩避難が原則です
② 訓練用の緊急地震速報の警報音やサイレンは鳴らしません

問い合わせ

釜石市防災危機管理課 ☎︎0193-27-8441

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 危機管理監 防災危機管理課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-27-8441 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2019091500021/
釜石市

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講義に聞き入り、震災を語り継ぐための工夫を学ぶ参加者

伝承者の意義を考える、ステップアップ研修〜広島原爆体験から学ぶ、世代を超えた語り継ぎへ

講義に聞き入り、震災を語り継ぐための工夫を学ぶ参加者

講義に聞き入り、震災を語り継ぐための工夫を学ぶ参加者

 

 釜石市の「大震災かまいしの伝承者」のステップアップ研修会は2月29日、鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で開かれた。テーマは「時間や世代を超えた語り継ぎの可能性―被災者から未災者への記憶の継承」。広島で展開される原爆体験の伝承活動から工夫を学び、後世に伝える意義をかみしめた。

 

 東日本大震災を語り継ぐ人材育成のため市が昨年スタートさせた取り組みの一環。基礎研修を終えた54人のうち希望した22人が受講した。

 

 立教大社会学部の小倉康嗣准教授が「原爆体験の継承の現場から」と題し講義。原爆投下から75年を迎える広島では被爆者や戦争体験者が少なくなる中、「記憶の風化はもちろん、原爆体験が呼び起こす意味や警告の形骸化、陳腐化といった課題も浮き彫りになっている」と指摘した上で、解決の一つの工夫、事例として、広島県の高校生が取り組む活動「原爆の絵」を紹介した。

 

 高校生が被爆者と一対一で向き合い、何度もその経験を聴き取った上で、それぞれ一枚の絵に仕上げる。2007年に始まった取り組み。原爆の非体験者である高校生が、被爆者も驚くような絵を描くという。

 

 小倉准教授は、絵を描く前や制作過程、仕上げた後の生徒たちにインタビューを重ね、心の変化を調査。原爆のことを「分かっているつもり」でいた生徒らが被爆者との対話を重ねることで「全然分かっていなかった」と気付いたり、「戦争は分断された過去ではなく、今の自分につながっている出来事」として当時の悲惨な情景に理解を深めていく過程を、完成した絵と生徒自身の言葉を引用しながら説明した。

 

 大きな災禍を後世へ伝えられるのは経験者だけなのか―。小倉准教授は「継承とは単なる伝達ではなく、コミュニケーション。対話によって共同形成され積み重なっていくことで、記憶は希薄化するのではなく濃密化し、歴史の重さが増していく。体験の非共有性を乗り越えていくきっかけとなり得る」と強調した。

 

 参加者は講義を踏まえ、伝承の意味や価値について意見交換。研修終了後に市から修了証が交付された。

 

 釜石観光ガイド会の川崎孝生副会長(78)=栗林町=は「何を残し、どう伝えるか。伝承は難しい。だが、大事なこと。言葉だけでなく、広島の絵のように形として残すことも必要ではないか」と考えを深めていた。

 
 ステップアップ研修は3月15日にも実施予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止することとなった。

 

(復興釜石新聞 2020年3月7日発行 第873号より)

 

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子ども、家庭の交通安全を願いマンガ読本を学校に寄贈した釜石安協の菊地会長(右)

「マンガで学ぼう交通安全」〜釜石・大槌の小学校に読本贈る、釜石地区交通安全協会

子ども、家庭の交通安全を願いマンガ読本を学校に寄贈した釜石安協の菊地会長(右)

子ども、家庭の交通安全を願いマンガ読本を学校に寄贈した釜石安協の菊地会長(右)

 

 釜石地区交通安全協会(菊地次雄会長)は20日、釜石・大槌地域の小学校11校(釜石市9校、大槌町2校)にマンガ形式の交通安全読本を各2冊、計22冊を贈った。贈呈式は釜石市中妻町の釜石警察署で行われ、菊地会長と仲谷千春署長が市教育委員会の高橋康明教育部長、町教委の沼田義孝教育長に託した。

 

 菊地会長は「約50年に及ぶ交通安全活動で、子どもやお年寄りの事故を減らそうと取り組んできた。無事故への特効薬はない。16日には釜石市内で、お年寄りが交通事故で亡くなった。『雀百まで踊り忘れず』という。子どもたちがこの本に触れて事故防止を考え、安全に暮らすよう願う」と期待を述べた。

 

 仲谷署長も「夜間の外出時に白い服装や反射材を身に着けることは安全効果があり、巻き込まれ事故や、停止した車の急なドアの開閉による危険などにも触れている。震災では、津波防災を学んだ小学生の子どもが率先避難者として祖父母を救った実例がある。子どもの安全意識が高まり、家庭、お年寄りに波及するよう期待する」と願った。

 

 両教委は各学校の図書館に常備して読書に提供するとともに、児童の安全指導などに活用を図るという。

 

釜石地域の11小学校に贈られた読本

釜石地域の11小学校に贈られた読本

 

 この読本は、公益財団法人自転車駐車場整備センターが編集・発行した「自転車交通ルールを学ぼう」。2011年から同じタイトルで発行を続け、25刊目となる。約300ページには、交通安全の多様なテーマに対応したストーリーがマンガで描かれ、子どもが理解しやすい構成となっている。

 

 釜石署管内では昨年、子ども(中学生以下)の人身事故は2件で、歩行中の車との接触事故と、車に同乗中の赤ちゃんの負傷。いずれも軽傷だった。

 

(復興釜石新聞 2020年2月22日発行 第869号より)

 

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ポスターセッションでは来場者が興味深い研究に聞き入った

釜石の実践知を手がかりに、東大社研が報告会〜危機対応と希望との関係考える

釜石での調査研究について話すプロジェクトの参加者

釜石での調査研究について話すプロジェクトの参加者

 

 国立大学法人東京大学社会科学研究所が行った「危機対応学」釜石調査の成果報告会は15日、釜石市大町の釜石PITと市民ホールTETTOで開かれた。同研究所のプロジェクトに参加した各大学の教授らがポスターセッションで成果を発表。県内外からの来場者約110人が耳を傾け、地域の未来を創造するためのヒントを学んだ。

 
 東大社研が2016年度から取り組んできた危機対応学の成果は、全4冊の書籍として刊行。うち1冊が釜石市の研究で、「地域の危機・釜石の対応~多層化する構造」というタイトルで今春発売される。

 

 同著の編集を担当した玄田有史、中村尚史両教授は報告会で、釜石調査の狙いや研究活動の経過、本の内容などを説明。震災前の「希望学」釜石調査も踏まえた地域再生の多面的考察、震災をめぐる危機対応の検証を柱にした研究について紹介した。

 

 調査研究には東大社研のほか、首都圏や関西、岩手県の各大学から、法、政治、経済、歴史など社会科学諸分野の研究者総勢30人が参加。11の調査班が3回の大規模現地調査や、釜石から東京にゲストを招いての調査研究会(11回)などを実施。釜石ではシンポジウムや公開セミナー、トークイベントも開催した。

 

 調査の過程で注目したのは「危機の多層化」。▽突発的な危機(自然災害、戦災など)▽段階的に進む危機(産業構造の変化など)▽慢性的な危機(人口減少、高齢化など)―という複数の危機が、折り重なるように出現してきた釜石の歴史に着目。「時間軸の異なる危機に同時に対応するのはとても難しい。さまざまな危機をトータルに考える必要がある」とし、多くの危機に直面してきた釜石ならでは危機対応の研究意義を強調した。

 

 ポスターセッションでは8つの調査班が研究成果を公開。来場者との意見交換も行われた。総括討論では同著に論文を寄せた11人が登壇し、研究の視点や論文内容、今後必要な議論について語った。

 

ポスターセッションでは来場者が興味深い研究に聞き入った

ポスターセッションでは来場者が興味深い研究に聞き入った

 

 地方政治班の佐々木雄一氏(明治学院大)は震災前後の市の予算規模の変化に注目。平時に戻る中での予算縮小による影響などを考察し、「人口減少を考慮しつつも地域が縮小しないように行政はどうすべきか、研究者の立場から議論の必要性を書いた」と説明。

 

 地域防災班の佐藤慶一氏(専修大)は消防関係者らに話を聞き、「印象に残ったのは気持ちの問題。災害発生時に後悔しないよう、今できることをする。備えへの心構えが大事」と実感。

 

 地域漁業班の高橋五月氏(法政大)は「魚のまち釜石」を切り口に、自ら漁業体験しながら地元漁業者の思いを聞き取り。「(水産業の危機に向き合い)海と一緒に生きていく人々が今後、どのような魚のまちを作っていくのか、さらに研究を深めたい」と話した。

 

 玄田、中村両教授は同著のあとがきで「津波、艦砲射撃、鉄鋼不況―など多様な危機に直面してきた釜石には、危機への向き合い方とでもいうべきものが脈々と受け継がれている。危機が多層ならば、対応を総合化させていく。それが同時進行の危機への、いかにも釜石らしいダイナミックな実践知としての対応なのだ。釜石の実例から、危機対応のヒントを見出していただければ」と結んでいる。

 

(復興釜石新聞 2020年2月19日発行 第868号より)

 

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1年間の防災学習の集大成として命を守る取り組みを提案する児童

災害に強いまち提案 避難意識が命を守る、鵜住居小学習発表〜防災文化の広がりに期待、台風19号の教訓も生かす

1年間の防災学習の集大成として命を守る取り組みを提案する児童

1年間の防災学習の集大成として命を守る取り組みを提案する児童

 

 鵜住居小(中軽米利夫校長、児童158人)の6年生36人による防災学習発表会は1月31日、釜石市鵜住居町のいのちをつなぐ未来館で開かれた。「みんなの命を守ることができる町にしよう」をテーマに、1年間進めてきた学びの成果を披露。東日本大震災や台風19号の教訓を生かした、災害に強いまちづくりへの取り組みを提案した。

 

 僕たちの話を聞いてください。私たちの描いた未来の姿はこれです―。地域住民、市関係者ら約60人を前に訴える児童。▽災害からの避難▽気象災害▽防災意識の課題―の3つの視点について、7グループが他県の取り組み事例や学びから得た地域の課題と解決のためのアイデアを示した。

 

 「一人一人が避難訓練に『参加しよう』という意識があるまち」を思い描いたグループは、大阪府堺市で行われている大声コンテストや防災脱出ゲームを事例として紹介。「もし津波が来たら大きな声で『逃げろ!』と伝えられるようになる」「クイズやゲームをしながら身の守り方や非常時持ち出し品など防災知識を学ぶことができる」「子どもからお年寄りまで楽しみながら参加してもらえる」と利点を説明した。

 

 これを受け、避難訓練を行う際はポスターで呼び掛けるとともに、イベントの開催を提案。「避難訓練に参加する意識があれば命は守れる」と強調した。
 このほか、自由に持ち出せる土のうの保管場所の設置などの対策、会員制交流サイト(SNS)やアプリを通じた情報発信の強化など命を守るための取り組みといった提案もあった。

 

 この発表会は、6年生の国語「町の未来をえがこう」と総合的な学習「鵜住居の防災を広げよう」をまとめた学びの集大成。テーマについて子どもの視点で考え、発信することで、まちの未来を主体的に考える人材の育成につながると実践した。

 

 武田愛美さん、植田弥桜(みお)さんのグループは「避難所のプライベートを確保するためにテントを導入する」などと提案した。武田さんは「伝えたい気持ちで頑張った結果をしっかり届けることができた」と満足げ。将来、同館で働きたいと夢を思い描く植田さんは「釜石が大好き。ここで起こったことを知らない人に伝えられるよう、これからも防災を学び続けたい」と意欲を見せた。

 

 発表を聞いた住民らは「初めて聞く知識、知る取り組みがあった」「互いに学び合う姿勢を大切にしたい」などと子どもたちに刺激を受けた様子だった。

 

 児童の取り組みを見守った片山直人教諭は「子どもたちの活動に触れ、考えを理解し、発信を受け止め、大人はどうするか、考えるきっかけになれば。防災文化の広がり、定着につながる取り組みになれば」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2020年2月5日発行 第864号より)

 

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釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

津波からの復興共有、インドネシア・アチェ関係者 釜石視察〜防災教育に理解深める

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

 

 インドネシア・スマトラ島最北端にあるアチェ州のバンダ・アチェ市にあるアチェ津波博物館の関係者らが7日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」を視察した。アチェ市では来年度から、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業を活用し、地域住民参加型津波防災活動の導入プロジェクトがスタート。この活動に一般社団法人根浜MIND(マインド)が協力し、釜石での研修が計画されていることから、事前訪問で復興まちづくりへの住民の関わりや防災教育の取り組みについて理解を深めた。

 

 同博物館のハフニダール館長(43)、同州観光文化局のズルキフリ・ダウ次官(48)ら6人は祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館を見学。復興事業の着手までに約4年かかっているが、復興まちづくりに市民が関わり協議する場がいくつも設けられたことに関心を示した。

 

いのちをつなぐ未来館も見学した

いのちをつなぐ未来館も見学した

 

 同州は2004年12月のスマトラ沖大地震・インド洋津波で、死者・行方不明者が約24万人に上るなど甚大な被害を受けた。発災から15年を経て、地域住民の防災意識の低下が課題。09年に開館した同博物館も震災伝承や資料のデジタル化などに課題があるという。

 

 日本は地震や津波被害が多いが、同州ではスマトラ沖地震以前の災害は80年前。一部の地域に津波の教訓を盛り込んで歌い継がれている叙事詩「スモン(津波)」があるが、多くの住民は忘れているという。

 

 「だから同じ被害を繰り返す。だからこそ語り継ぐことが大事」。防災市民憲章に明記された「語り継ぐ」の文字の前で、6人は「これ、いいね」と口をそろえた。

 

 ハフニダール館長は「てんでんこ、スモン。短い言葉で人々が思い出し、素早い避難につながるという共通性を感じる。この事業を通じ、教訓伝承、防災を学ぶ場としての機能を充実させたい」と期待した。

 

 同プロジェクトで、同法人は最長3年間、教育現場の取り組みや伝承活動のノウハウを同州の防災関係者に伝える。ズルキフリ次官は「津波に対する意識がしっかりしている釜石と連携し、防災を指導する側への教育や伝承という弱い部分を補いたい。住民の普段の心がけ、防災意識の向上、主体的な取り組みについて学びを持ち帰りたい」と意欲を高めた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月11日発行 第849号より)

 

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「てんでんこ」忘れない、復興きねんマラソン大会〜鵜住居小全校児童、スタジアム駆け抜ける

「てんでんこ」忘れない、復興きねんマラソン大会〜鵜住居小全校児童、スタジアム駆け抜ける

釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた鵜小のマラソン大会

釜石鵜住居復興スタジアムで開かれた鵜小のマラソン大会

 

 鵜住居小(中軽米利夫校長、児童158人)は7日、全校児童による「復興きねん てんでんこマラソン大会」を開いた。東日本大震災前に同校があった場所に整備された釜石鵜住居復興スタジアムを会場にし、2回目の実施。児童らはスタジアム周辺を走り、青々とした芝が広がるメイングラウンドにゴールするコースを懸命に駆け抜けた。

 

 コースは同スタジアムを中心に設定。距離は低学年が1キロ、中学年1・5キロ、高学年は2キロ。低学年は同スタジアム西側駐車場入り口、中学年は成ケ沢橋、高学年は高齢者介護施設「ございしょの里」付近でそれぞれ折り返す。

 

 午前9時、暖かい日差しが感じられる空模様の下、まず中学年が先頭を切ってスタート。他の学年の児童や応援に駆け付けた保護者らの「頑張れ」「ラスト!前へ」などの声援を受けながらゴールを目指した。

 

 このあと約30分おきに低学年、高学年がスタート。全員が完走した。

 

 3年生男子の1位は澤本真維(まなと)君。「校庭を1日5周走る練習の成果が出た。うれしい。気持ちよく走れた。『てんでんこ』という言葉を忘れないようにしたい」と喜びをかみしめた。

 

 同大会は、基礎体力の強化・向上、互いの頑張りを認め合うのが目的。同スタジアムで行うことで防災、復興への意識を高める狙いもある。

 

 「懸命に頑張る、苦しいけど最後まで走り抜くことが大切。諦めず挑戦する気持ちを忘れないでほしい」と見守る中軽米校長。この大会が「中学生、地域住民、市民が参加するような行事になれば」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2019年11月9日発行 第840号より)

 

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釜石初の女性地域防災対策官に、釜石海上保安任命〜星 晴日さん、新たな挑戦に意欲

釜石初の女性地域防災対策官に、釜石海上保安部任命〜星 晴日さん、新たな挑戦に意欲

地域防災対策官の職務に奮闘する星さん

地域防災対策官の職務に奮闘する星さん

 

 東日本大震災を契機に、海上保安庁が出先機関に順次配置を進めている「地域防災対策官」。釜石海上保安部(渡辺博史部長)はこのほど、管理課の星晴日(はるか)さん(22)を任命した。同海保では初の女性登用だ。星さんは「希望したポジション。先輩に学ぶ日々ですが、新たな挑戦」と意欲的に職務に取り組んでいる。

 

 星さんは宮城県登米市出身。迫桜高校を卒業し、専門学校を経て海上保安学校(兵庫県舞鶴市)に入学。2018年3月、航海コースを卒業した。初任は釜石海保巡視船「きたかみ」の航海士補。1年半の乗船勤務を経て、10月の異動で管理課、地域防災対策官の辞令を受けた。

 

 海上保安官を志したのは専門学校で。「中学1年の時に発生した大震災。母の実家が南三陸町志津川にあり、親族も亡くなりました。海保の仕事はまったく未知の分野でしたが、震災の記憶が影響したと思います。『挑戦』でした」

 

 海上保安学校の生活は「学ぶ内容、実技なども驚くことばかり。それも楽しかった」。小・中学校でバレーボール、高校は弓道に親しんだが、「体力不足を痛感し、時間を見つけては必死にランニングしました」

 

 着任した巡視船の現場は「想像とは大きく異なり、座学や頭で考えたことだけでは通用しない。船の派遣業務でも、いい経験を積むことができました」

 

 上司の鳥居敏治管理課長らは、「初めて知ることばかり」と戸惑いながらも「驚きは楽し」と新たな職務に挑戦する星さんの積極的な姿勢を見守り、厳しくバックアップする。

 

 地域防災対策官は管理課長の指示で職務に当たる。主に自治体の防災機関の会議や訓練への参加、臨海部の危険施設への安全防災指導などを通じ、海上保安庁の人的資源と巡視船艇、航空機などの災害対応機能も周知する。海上保安庁機関の力を地域の防災力向上、被害の軽減、救難や復旧の効率化に結び付ける期待がある。

 

 同対策官は12年10月以降、全国20カ所の出先機関に配置される。第2管区海上保安本部(東北地方)管内では震災の被災地域(太平洋岸)を管轄する釜石と八戸、宮城、福島の4海上保安部、宮古、気仙沼、石巻の3海上保安署の7カ所で活動する。

 

(復興釜石新聞 2019年11月2日発行 第838号より)

関連情報 by 縁とらんす
釜石海上保安部ホームページ
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