タグ別アーカイブ: 防災・安全

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海中転落事故防止へ釜石海保など啓発パトロール 夜釣り楽しむ人へ「装備しっかりと」

釜石港で釣り人に注意を呼びかける釜石海上保安部の職員

釜石港で釣り人に注意を呼びかける釜石海上保安部の職員

 
 夜釣り中の事故を防止しようと、釜石海上保安部や釜石警察署などは22日夜、釜石市の釜石港と唐丹漁港で合同パトロールを行い、釣り人へ注意を呼びかけた。この時期は日暮れが早く、海水温も低下するため、転落すると発見の遅れや低体温症による危険性が高まるという。そのため、第2管区海上保安本部の管内では11月を「釣り海難防止活動期間」として注意喚起している。
 
 この日は、同保安部と同署、市、岩手県沿岸広域振興局の職員ら約10人が活動。夜間の寒さが増す冬季は気象条件が厳しい反面、漁港の街灯下にイカなどが寄ってくるため釣り人も少なくない。港内もそうした狙いを持った人たちの姿があり、釣り人一人ひとりに注意を促すチラシを手渡した。
 
海中転落事故の防止に向け、釣り人に声をかけながらチラシを配った

海中転落事故の防止に向け、釣り人に声をかけながらチラシを配った

 
 港近くで働く関渡さん(75)は、仕事終わりに釣りを楽しむのが日課。この日も顔なじみの釣り人らと岸壁から釣り糸を垂らしていた。ライフジャケットは着用していたが、事故防止の声がけに「海に落ちたら大変だからね。安全に楽しみたいし、気を付ける」と再確認。狙いのヤリイカは「久しぶりの大漁」だったようで、“いか”にして味わうか考えを巡らせた。
 
 同保安部交通課によると、県内では昨年までの5年間に釣り人の海中転落事故が18件発生。うち夜間に起きたのは12件で半数以上を占める。原因は岸壁などからの足の踏み外し、つまずきなど“不注意”が多いという。
 
 今年は既に3件発生。うち1件が夜釣り中の事案で、釜石市内で起こった。いずれの事故もライフジャケットは未着用だった。
 
多くの人が岸壁から釣り糸を垂らす。今夜の獲物はヤリイカ

多くの人が岸壁から釣り糸を垂らす。今夜の獲物はヤリイカ

 
「決まりを守って安全に夜釣りを楽しんで」と関係者ら

「決まりを守って安全に夜釣りを楽しんで」と関係者ら

 
 港内を巡った同課の美野重和課長は「救命胴衣を着けていない人が多かった。命に関わる事故に発展しかねないので、万一のために着用を心がけてほしい」と強調。加えて、▽気象や海象を確認し無理な行動はしない▽単独行動は控え複数人で行動する▽危険な場所には立ち入らない▽釣り場環境に応じた装備の選択を▽海の緊急通報は118番―といったポイントも呼びかける。

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「危機管理は災害イメージ、対処法準備、実践訓練から」 釜石市アドバイザー・越野修三さん講演

釜石市防災講演会=釜石PIT、16日

釜石市防災講演会=釜石PIT、16日

 
 地震津波、台風、集中豪雨などの自然災害により、全国各地で想定を超える被害がもたらされている昨今―。そうした中、釜石市は16日、自然災害への理解を深め、防災対策に役立ててもらうための市民向けの講演会を開いた。講師は同市の防災・危機管理アドバイザーを務める越野修三さん。「大災害から学ぶ危機管理」と題した講演で越野さんは、災害リスクを知り、具体的にイメージして対処法(戦略)を構築、実践訓練で検証する重要性を説いた。
 
 大町の釜石PITで開かれた講演会には自治会役員、消防団員、防災士を中心に約50人が参加した。講師の越野さんは陸上自衛隊出身。在任時に阪神・淡路大震災(1995年)の災害派遣を経験した。2006年に退官後、県の防災危機管理監に就任。08年の岩手・宮城内陸地震、11年の東日本大震災で県の災害対応を指揮した。釜石市では同震災検証委員会の委員長を務め、18年から防災・危機管理アドバイザーとして助言を行っている。
 
講師の越野修三さん(釜石市防災・危機管理アドバイザー)

講師の越野修三さん(釜石市防災・危機管理アドバイザー)

 
 越野さんは6000人以上が犠牲になった阪神・淡路大震災について、危機意識と事前準備が不十分で救助活動や行政対応が遅れたことを指摘。危機の認識には災害への関心や知識が必要で、「全く関心のない人にいくら情報を与えても行動は起こさない。避難を呼びかけても逃げないのも同じ。危機意識を持つか持たないかで行動は全く変わってくる」と話した。
 
 では、どうすれば危機(災害)対応がうまくいくのか。越野さんは危機管理には「事前対応」「応急対応」「事後対応」の3段階があり、危機に対し、いかに早く適切に対応できるかは事前対応(準備)にかかっていると教えた。一番大切なのは「危機をどれだけ具体的にイメージできるか」ということ。「ハザードマップなどで自分が住む地域の災害の可能性(リスク)を知り、それが起きたらどのような状況になるのかを考える」。これが危機管理の出発点だとした。
 
越野さんは「大災害から学ぶ危機管理」と題し講演した

越野さんは「大災害から学ぶ危機管理」と題し講演した

 
 越野さんが県の防災危機管理監に就任する際、「30年間に宮城県沖地震が発生する確率は99%」とされていたが、県職員の防災への問題意識は決して高くはなかったという。着手したのは、大地震、津波発生時に何が課題となり、どう対処すべきかを考えること(課題解決のための戦略の構築)。就任から1年後の07年には県総合防災訓練、08年には自衛隊と自治体の共同訓練(みちのくアラート)を行い、災害時の応急対策活動(人員・資器材の集結、情報共有、部隊配置、救出救助・医療、緊急物資輸送など)を検証した。災害対策本部機能の強化も図り、これらの取り組みは11年の東日本大震災の対応に生かされた。
 
 一方で東日本大震災では、本県で約6000人が津波の犠牲になった。なぜ、避難行動が遅れたのか。越野さんは震災後に釜石市で実施した住民アンケートから、激しい揺れを感じ津波の情報を得ていたにもかかわらず、約40%の人はすぐには避難していなかった実態を明かした。一因に「自分は大丈夫」「今まで被害がなかったから」「隣の人も逃げていない」など根拠のない理由を自分に言い聞かせ、逃げない自分を正当化しようとする、人間誰しもが持つ心理的作用があるという。
 
越野さんの話に耳を傾ける参加者。災害への関心、危機意識を持つ大切さを学んだ

越野さんの話に耳を傾ける参加者。災害への関心、危機意識を持つ大切さを学んだ

 
 近年増加する大雨、洪水、土砂災害のリスクについても説明。1時間に50ミリ以上の雨が降り続いた場合にどんなことが起こりうるかを過去の災害を例に説明した。2018年の西日本豪雨で51人が犠牲になった岡山県真備町では、合流する2河川が大雨で増水。支流の水が合流地点で流れにくくなり水位が急激に上昇、堤防が決壊し浸水する「バックウオーター現象」があった。本年9月の能登半島の大雨災害では、線状降水帯が発生するなどして1時間に100ミリ以上の降雨を記録。上流からの流木が橋でせき止められ、ダム化することで予想外の浸水被害を引き起こした。
 
全国で発生した大雨災害の事例も紹介。同様の被害は釜石市でも起こりうる

全国で発生した大雨災害の事例も紹介。同様の被害は釜石市でも起こりうる

 
 越野さんは「釜石市は平地が少なく、居住地の背後に険しい山をかかえる。大雨が降ると山から谷に流れ込むイメージ。甲子川にも支流があり、バックウオーター現象や流木による浸水被害が起こりうることをイメージする必要がある」と助言。津波同様、ハザードマップであらかじめリスクを確認しておくことが重要とした。
 
 また、土砂災害で死亡した人の90%は土砂災害警戒区域で亡くなっていること、線状降水帯は日本中どこでも発生する可能性があることも伝え、災害が起きそうな雨量の目安を知り、避難行動の基準(避難スイッチ)を決めておくよう促した。
 
「地震はいつどこでも起こりうる」。過去の地震災害の特徴も学んだ

「地震はいつどこでも起こりうる」。過去の地震災害の特徴も学んだ

 
講演の前には全員で「釜石市防災市民憲章」を唱和した

講演の前には全員で「釜石市防災市民憲章」を唱和した

 
 大規模災害では発災直後は公助(行政、警察、消防、自衛隊)の力を当てにできない。自分の命は自分で、地域は地域で守る必要がある(自助、共助、協働)。越野さんは「訓練でできなかったことは実際の危機(災害)時にできるわけがない。個人、地域、行政など、それぞれの立場で対処法を準備し実践的訓練を重ねる。最悪の場合を想定し行動することが大事」と呼び掛けた。
 
 防災士の資格を持つ鵜住居町の佐々和代さん(76)は近年増加する大雨災害を危惧。居住地前の長内川の形状や草の繁茂による大雨時の水位上昇を心配し、「氾濫や土砂災害の可能性もあることを考えておかないと。『ここは大丈夫』という意識は禁物。(講演で言われたように)日ごろから防災への意識を高めておくことが大切」とうなずいた。
 
今後の防災対策に必要なことを学んだ参加者

今後の防災対策に必要なことを学んだ参加者

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「負けるもんか!」大地震、豪雨被害の石川・珠洲で奮闘 重量挙げ指導で夢追う浅田久美さん 古里釜石で講演

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

宝樹寺で開かれた浅田(旧姓・長谷場)久美さんの講演会。釜石での講演は2010年10月以来

 
 釜石市出身で石川県珠洲市在住の重量挙げ女子日本代表元監督、浅田(旧姓・長谷場)久美さん(61)が19日、古里釜石市で講演した。本年1月の能登半島地震、9月の石川県北部豪雨と2度の大災害に見舞われる中、指導する子どもたちの競技環境の立て直しに奔走。「珠洲から世界へ」と“年中夢求”の挑戦を続ける浅田さんは、能登の復旧の現状と逆境に負けず競技に励む子どもたちの姿を映像で見せながら、「(東日本大震災から復興してきた)釜石を見習って、決してあきらめずに頑張っていきたい」と力を込めた。講演会は天神町の宝樹寺(野嶋諭住職)が主催し、約40人が集まった。
 
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重量挙げ女子日本代表監督を務め、現在は石川県珠洲市で子どもたちを指導する浅田久美さん

 
 講師の浅田さんは5歳で釜石を離れ、移住した茨城県水戸市で高校までを過ごした。体育大学に進み、陸上の砲丸投げ選手として活躍していたが、卒業後に体育教諭として赴任した埼玉栄高で重量挙げ競技の関係者の目に留まり転向。1987年、24歳で女子競技の初めての世界選手権に出場した。以降、国内第一人者となり、全日本選手権12連覇。91~93年まで3年連続で世界選手権銀メダルを獲得した。五輪種目になることを願い競技を続けたが、採用された2000年は37歳となり、けがの影響もあって出場はかなわなかった。
 
 現役引退後は指導者の道へ。日本オリンピック委員会(JOC)専任コーチ、女子日本代表監督を歴任後、結婚を機に夫の出身地珠洲市に移住。2012年、子どもたちの重量挙げチーム「スズドリームクラブ」を立ち上げ、現在に至る。
 
浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

浅田さんは1月の能登半島地震の被災状況を映像を見せながら伝えた

 
 浅田さんは始めに1月1日に発生した能登半島地震について話した。地震発生時は、帰省先の釜石から自宅に戻る途中だった。夫の両親の無事は確認できたものの、半島につながる主要道は全てストップ。金沢市までたどり着き、珠洲市に向かうことができたのは4日の昼。車中から目にしたのは「言葉にならない風景」だった。建物は上から押しつぶされたような状態。道路はひび割れ、陥没箇所も。津波から逃れる高台への避難道路までもが建物の倒壊などで寸断されたという。
 
 未曽有の被害から9カ月半―。被災地は仮設住宅が建ち、ようやく倒壊家屋などの解体工事が始まった。そうした中で襲った9月21日の豪雨災害。浅田さんは復興の勢いが停滞している現状を示し、「奥能登は高齢化率が50%を超え、独居世帯も多い。経済的に自宅再建をあきらめざるをえない人も。まちがさら地だらけになるのではと心配」と復興への課題を口にした。
 
講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

講演のタイトルは「負けるもんか! 珠洲から世界を目指す~年中夢求~」

 
 大地震の発生は、重量挙げ競技に励む子どもたちの練習環境にも大きな打撃を与えた。練習場は地震による倒壊は免れたものの、災害復旧支援者の待機場所となり、しばらく使えない状況が続いた。今年はクラブ立ち上げ時に最年少だった子どもたちが高校3年生となる年で、インターハイでの団体優勝を目標に掲げていた。主力選手6人は避難先にある金沢学院大と津幡高に分かれ、2月に練習を再開。全員一緒に練習できる場も必要なため、クラウドファンディングで支援を募り、近県で週末の合宿を行った。協力したのは本県北上市のガス製造販売業、北良(笠井健代表取締役)。練習場は3月に入り使用可能となった。
 
 各方面の支援で練習を継続できた高校生らは、3月の高校選抜大会、4月の全日本大会で自己新記録や日本新記録を出すなど培った力を発揮。インターハイでは男子団体で準優勝したほか、各階級の個人で優勝を果たした。浅田さんはクラブ立ち上げからの軌跡を、映像を見せながら紹介。子どもたちの頑張りに会場からは拍手が湧き起こった。
 
珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

珠洲市で重量挙げ競技に励む子どもたちの活躍を映像で紹介

 
 浅田さんは東日本大震災の教訓や復興に向かう釜石の状況を事あるごとに珠洲市民に伝え続けており、「釜石から学ばせていただくことはたくさんある。これからも釜石をお手本にして、少しでも幸せな日常が戻ってくるように日々、頑張っていきたい」と講演を締めくくった。
 
 市内の70代女性は「貴重な話を聞けた。釜石もそうだったが、復興への道のりは長い。能登もまだまだ大変だろうが、これから皆さんで復興を成し遂げてほしい。一生懸命頑張っている子どもたちも応援したい」と思いを寄せた。
 
浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

浅田さんの講演に聞き入る来場者。東日本大震災の経験と重ね、能登の被災者を思いやった

 
 講演後の取材に浅田さんは「今の能登の現状を知っていただきたかった。皆さんが真剣に聞いてくださりうれしい。帰ったら今の釜石の状況も伝え、珠洲もくじけずにやれば何とかなると思ってもらいたい」と話した。重量挙げ指導者としての大きな目標は「五輪選手を育てる」こと。「珠洲から出る第1号の五輪選手に」と意気込む子どもたちと今後も夢を追い続ける。

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学校以外で地震、津波に遭遇したら… 釜石小 17年目の下校時避難訓練 児童ら自ら判断し高台へ

訓練・大津波警報を受け高台の仙寿院境内に向かう釜石小児童=11日

訓練・大津波警報を受け高台の仙寿院境内に向かう釜石小児童=11日

 
 釜石小(五安城正敏校長、児童79人)は11日、学校管理下以外で地震、津波が発生した場合を想定し、全校児童の下校時津波避難訓練を行った。帰宅途中または帰宅後に、児童が自ら判断し、適切な避難行動をとれるようにするのが狙い。同校は2011年の東日本大震災時、下校していた全児童184人が迅速な避難で自らの命を守った。08年から取り組んできた同訓練の成果とされる。その “防災のDNA”を受け継ぐ現児童らは本訓練にも真剣に取り組み、いざという時の行動を体で覚えた。
 
 この日、1、2年生は午後2時20分に、3~6年生は午後3時10分に下校した。午後3時30分ごろ、市の防災行政無線で大地震発生の緊急地震速報が流れると、それぞれにいる場所で頭を守る低姿勢(シェイクアウト)をとった。下校中の児童は周りの危険を回避しながらその場でかがみ、ランドセルなどで頭を覆った。自宅など建物内にいた児童はテーブルの下などに入り、揺れがおさまるのを待った。
 
写真左:下校時の地震発生を受け、ランドセルで頭を守り低い姿勢をとる児童(訓練) 同右:大津波警報、避難指示発令の放送で高台への避難を開始(訓練)

写真左:下校時の地震発生を受け、ランドセルで頭を守り低い姿勢をとる児童(訓練) 同右:大津波警報、避難指示発令の放送で高台への避難を開始(訓練)

 
市指定津波避難場所・仙寿院に向かう階段を懸命に駆け上がる

市指定津波避難場所・仙寿院に向かう階段を懸命に駆け上がる

 
 続いて大津波警報が発表され、避難指示が発令されると、その場から最も近い高台を目指して駆け出した。転ばないように足元にも注意しながら、階段や坂道を早足で駆け上がった。市の津波避難場所に指定されている大只越町の寺、仙寿院には同町や只越町などに自宅のある児童らが次々に避難。地域住民や天神町のかまいしこども園の園児らも訓練に参加した。訓練開始から10分後、同所担当の教諭が避難した児童の名前、人数などを学校に報告した。仙寿院への避難児童は1~6年の10人。
 
頂上は間もなく… それぞれのペースで境内を目指す

頂上は間もなく… それぞれのペースで境内を目指す

 
釜石小が訓練の声掛けをした、かまいしこども園の園児も天神町側の階段から上ってきた

釜石小が訓練の声掛けをした、かまいしこども園の園児も天神町側の階段から上ってきた

 
 訓練を振り返る場では▽地震発生時、頭を守りながら周りに危険がないか見ることができたか▽津波避難場所に素早く避難できたか▽真剣に取り組むことができたか―を挙手でチェック。一連の自分の行動がどうだったかを確認した。
 
 帰宅後に防災無線が鳴った福士愛梨さん(5年)は「すぐに机の下に隠れて周りを見た。(避難路は)急坂で疲れたが、いざという時は全力を出して逃げ切りたい」と気を引き締めた。山﨑詩さん(同)は1年時から訓練を重ねてきたことで、「身を守りながら素早く行動できるようになってきた。家にいる時はここに避難すると決めている」と成長をのぞかせた。
 
 「避難の態度はとても立派だった」と話したのは、大只越2丁目町内会の柏木成一郎会長(70)。災害時に必要なものを入れた防災リュックを背負って、自身も訓練に参加した。「実際の災害時は思うように行動できないことも。周りの人や先生の言うことを聞いて逃げてください。家から避難する時はこれを持って逃げるというのを決めておくといい」とアドバイス。急傾斜という土地柄、「山や建物の崩落が心配。シカが多いのも気になる」と、避難の妨げも考えられる環境変化を指摘した。
 
避難完了後、自分たちの行動を振り返り。柏木町内会長は非常時の持ち出しについてもアドバイス

避難完了後、自分たちの行動を振り返り。柏木町内会長は非常時の持ち出しについてもアドバイス

 
 大町の薬師公園には児童約20人が避難。澤舘仁さん(6年)は、放送をしっかり聞いて行動することを意識した。目標を達成できた様子で、「津波がきた時は焦らないで、冷静に行動することを大切にしたい。高いところに避難できたら、先生たちの指示をきちんと聞く」と実際の災害時を想定した。
 
 反省会では「放送が鳴ってすぐに身を守り、素早く避難できた」「家にいた時にサイレンが鳴ってびっくりしたけど、避難場所に早く来られて良かった」などの声が聞かれた。付き添いの教諭は、「足元に気をつけて」と自分から声掛けしていた6年生を評価。スクールガードとして普段から児童を見守る地域住民は震災時の避難行動に触れ、「訓練を繰り返し、身に付いていた結果。みんなも自然に動けるようになったらいい」と訓練の重要性を示した。
 
学校に近い薬師公園に避難する釜石小児童(正面上り口)

学校に近い薬師公園に避難する釜石小児童(正面上り口)

 
薬師公園へのルートは正面以外にも。児童らは最短で上れるルートを選択

薬師公園へのルートは正面以外にも。児童らは最短で上れるルートを選択

 
落ち葉や濡れた路面で転ばないよう気を付けながら避難。頂上広場では反省会も行われた

落ち葉や濡れた路面で転ばないよう気を付けながら避難。頂上広場では反省会も行われた

 
 同校では毎月11日を「釜小ぼうさいの日」と定める。防災安全少年団の6年生が中心となり、防災や安全に関わる話を校内放送で流したり、防災市民憲章を唱和したりしながら意識を高める工夫をしている。この日に合わせて校内での避難訓練なども実施。下校時避難訓練は年1回、10月に行っている。
 
 学区内には高台の同校を含む計8カ所の市指定津波避難場所があり、訓練参加者全員が各所に避難することができた。緊急地震速報から始まった訓練で、児童らは避難の流れを確認。同校によると、シェイクアウトは多くの児童が実践できていたが、緊急地震速報を聞いてすぐに避難場所に向かった児童もいた。「まずは建物の倒壊などに巻き込まれないよう、安全な場所でシェイクアウト。ある程度、揺れがおさまった後、津波注意報や警報の発表で避難場所への避難を開始する」ことを再度、周知する。                               

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園児たち「火の用心」 防火パレードで啓発 秋の火災予防運動、一足早く釜石市民に

「火の用心」と呼びかけたかまいしこども園の園児たち

「火の用心」と呼びかけたかまいしこども園の園児たち

 
 来月の秋季全国火災予防運動週間にちなみ、釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児88人)は11日、防火パレードを行った。4~5歳児約30人が「戸締り用心、火の用心」と大きな声で歌いながら市街地を行進。道行く人に啓発物を渡して注意を促した。
 
 同園児でつくる幼年消防クラブの活動の一環。例年は釜石消防署に出向いて放水体験などに取り組んできたが、地域の防火意識の向上に一役買おうと初めてパレードを企画した。
 
 そろいの消防はんてんを着た子どもたちは、園舎前に整列。藤原園長は「だんだん寒くなって、火を使う季節になった。『使う時は気をつけて』と地域に元気に呼びかけようね」と激励した。
 
園舎の前で出発式。気合を入れる子どもたち

園舎の前で出発式。気合を入れる子どもたち

 
 釜石署の小林太署長がパレードを先導した。住宅街や目抜き通りを進むと、歌声に誘われ建物から出てくる住民も。子どもらは「火の用心」と記した紙を添えた風船をプレゼントした。
 
「火の用心」と伝える園児らを小林太署長が引っ張る

「火の用心」と伝える園児らを小林太署長が引っ張る

 
地域住民に風船を手渡して「火の用心」を呼びかけ

地域住民に風船を手渡して「火の用心」を呼びかけ

 
 大町広場で、防火の集い。市民らが見守る中で、園児らは「火遊びはしません。火のそばで遊びません」などと誓った後、防火の心構えを伝える歌を元気いっぱい歌った。小林署長は「地域の人に火の用心の心が伝わったはず」と協力に感謝した。
 
大町広場で地域の人たちに防火の誓いを伝える子どもら

大町広場で地域の人たちに防火の誓いを伝える子どもら

 
とじまりよ~じん、ひのよ~じん♪元気に歌った

とじまりよ~じん、ひのよ~じん♪元気に歌った

 
 釜石署によると、市内で今年発生した火災はこれまで5件。前年同時期と比較すると少ないという。原因として多いのは“不注意”で、「火の取り扱いに注意を徹底してほしい。使ったら離れない」と呼びかける。
 
パレードで風船を掲げてアピール「お願い!火の用心」

パレードで風船を掲げてアピール「お願い!火の用心」

 
 同運動は、11月9日から15日まで展開される。暖房器具など火器の使用が増え、空気の乾燥や強風により火災が発生しやすい時季を迎えることから、火災予防意識の高揚が目的。釜石署管内では期間中、市消防団や婦人消防協力隊による広報活動、道の駅などでの啓発活動を予定する。年間を通して行う保育施設での防災教室や事業所の立ち入り火防点検・消防訓練は継続する。

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ライフセービングを競技で 釜石・根浜海岸で大会初開催 スキル向上、次世代の人材育成へ

根浜海岸で開かれた第2回さんりくリアスカップライフセービング競技大会

根浜海岸で開かれた第2回さんりくリアスカップライフセービング競技大会

 
 海水浴シーズンを中心に水辺の事故防止活動に尽力するライフセーバー。その技術向上や活動人材育成を目的とした大会が9月29日、釜石市鵜住居町の根浜海岸で開かれた。「さんりくリアスカップライフセービング競技大会」(同実行委主催)と銘打った大会は、昨年の宮城県気仙沼市での開催に続き2回目。関係者は「未経験者にも競技に触れてもらい、東北のライフセービング活動の裾野を広げていきたい」と大会継続に意欲を示す。
 
 本大会長を務めた地元、釜石ライフセービングクラブの菊池健一会長は「今シーズンの海水浴監視活動を無事故で終えられたことに敬意を表したい。この大会は日ごろの活動成果を試すとともに各クラブ間の交流の深める場でもある。自分の力を出し切って楽しんでほしい」と参加者を歓迎した。
 
 競技には岩手、宮城両県から7~58歳の男女35人が参加。日本ライフセービング協会の派遣スタッフがコース設定や審判で協力した。競技は砂浜と海上で行うものがあり、年代、男女別に16種目が用意された。砂浜では70メートルダッシュを競う「ビーチスプリント」、ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、ゴールにあるフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」、400メートルの海岸線を走って往復する「ビーチラン」、海上では約200メートルのコースを泳ぐ「サーフレース」、救助や監視に使うボードに乗って同コースを泳ぐ「レスキューボードレース」、小中学生の「ニッパーボードレース」が行われた。リレー競技もあった。
 
70メートルの砂浜を走り、速さを競うジュニア男子ビーチスプリント

70メートルの砂浜を走り、速さを競うジュニア男子ビーチスプリント

 
小中学生対象のニッパーボード(レスキューボードの縮小版)レース

小中学生対象のニッパーボード(レスキューボードの縮小版)レース

 
一般女子レスキューボードレース。波打ち際の高波を乗り越えて沖へ。設定されたコースを回り砂浜へゴールした

一般女子レスキューボードレース。波打ち際の高波を乗り越えて沖へ。設定されたコースを回り砂浜へゴールした
 
海上で競技する選手に声援を送る釜石ライフセービングクラブのメンバーら

海上で競技する選手に声援を送る釜石ライフセービングクラブのメンバーら

 
 盛岡ライフセービングクラブに所属する宮古市の上野杏華さん(10)は体験会を機に昨年から競技を始めた。「ボードに乗って泳ぐのが楽しい」と話し、本大会のニッパーボードレースでは1位を獲得。海にたくさん通って練習を重ねているといい、9月上旬に行われたジュニアの全国大会ではボード競技で決勝に進んだ。「もっと速くなりたい。ライフセーバーの活動にも少し興味がある」と向上心を見せる。
 
 東日本大震災後、東北のライフセービング関係者は事故や災害から人命を守る同活動を根付かせようと、ジュニアの大会に着手。コロナ禍による休止を経て、幅広い年代が参加できる同大会を立ち上げた。大きな目的の一つが未経験者にも競技に触れてもらい、ライフセービングの魅力や意義を知ってもらうこと。今大会には昨年よりも多い未経験者のエントリーがあった。
 
 岩手医科大(矢巾町)に通う麻田恭大さん(26)は同大水泳部の友人と初参加。「海での競技は初めて。波に合わせて泳ぐのがきつかった」と息を切らした。実際に活動するライフセーバーと接し、「体力も体格もすごい。自分はまだ泳ぐだけで精いっぱいだが…」と苦笑い。それでも、いち早く人命救助にあたれるライフセーバーに魅力を感じ、「医師と両立できれば、救命の現場でもより役立つことができそう」と話した。
 
ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、競技者より少ない数のフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」

ゴールに背を向けたうつ伏せ体勢からスタートし、競技者より少ない数のフラッグ(バトン)を奪い合う「ビーチフラッグス」

 
日ごろから訓練を重ねるライフセーバーは迫力のスピード!

日ごろから訓練を重ねるライフセーバーは迫力のスピード!

 
競技未経験者も全力でバトンの争奪戦。ビーチ競技の面白さを体感

競技未経験者も全力でバトンの争奪戦。ビーチ競技の面白さを体感

 
 毎年、夏の海水浴シーズンは、全国各地で水辺の事故により命を落とす人が後を絶たない。気仙沼ライフガードの浦健太さん(32)は「ライフセーバーがいないところで事故が起きているというニュースも聞く。全国的に(海水浴期間中)ライフセーバーが常駐していない海岸はまだまだ多く、活動人員の拡大が望まれる。こうした大会を通して子どもたちが役割を知り、大人になった時に活動に加わってくれたら」と期待を寄せる。
 
 今回、大会開催地となった根浜海岸はトライアスロンやオープンウオータースイミング(遠泳)の大会が開かれてきた場所でもあり、ライフセーバーは競技者の安全確保にも大きな力を発揮してきた。近年は海遊びイベントへの協力などさらに活躍の場を広げている。
 
トライアスロン、オープンウオータースイミングに次ぐ新たなスポーツ大会会場となった根浜海岸

トライアスロン、オープンウオータースイミングに次ぐ新たなスポーツ大会会場となった根浜海岸

 
ライフセービングの基本的スキル「泳ぎ」を競うサーフレース。リレーも行った

ライフセービングの基本的スキル「泳ぎ」を競うサーフレース。リレーも行った

 
 釜石ライフセービングクラブの事務局を務める中田深雪さん(43)は「ライフセービングというと人命救助に目が向きがちだが、私たちの活動のメインは事故を未然に防ぐこと。出動体制は整えているが、まずはパトロールの強化や事故防止の啓発で最悪の事態にならないようにすることが大事」と活動趣旨を強調。競技大会などで敷居の高さを払拭しながら、「興味のある方は臆せず入ってきてほしい。救助技術などは訓練で身に付く。ぜひ一緒に活動を」と呼び掛ける。
 
一般男子レスキューボードレース。ゴール間近の先頭争い

一般男子レスキューボードレース。ゴール間近の先頭争い

 
砂浜の緑の旗がゴール地点。計測タイムを記録し順位が確定。力を尽くした競技者を砂浜のメンバーが温かく迎える

砂浜の緑の旗がゴール地点。計測タイムを記録し順位が確定。力を尽くした競技者を砂浜のメンバーが温かく迎える

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秋の全国交通安全運動展開中 SW選手、上中島こども園児も協力/小佐野交番は手作り反射材配布中

ラグビー体操で交通安全運動を盛り上げる上中島こども園児と日本製鉄釜石シーウェイブス選手

ラグビー体操で交通安全運動を盛り上げる上中島こども園児と日本製鉄釜石シーウェイブス選手

 
 秋の全国交通安全運動が30日まで展開される。スローガンは「反射材 光って気づいて 事故防止」。日没が早まるこの時期は特にも夕方の視野がとりづらい傾向にあり、ドライバー、歩行者ともにより一層の注意が必要。歩行者は反射材の着用で、ドライバーに自分の存在を知らせることが大切だ。釜石市では21日からの運動開始を前に19日、街頭啓発活動が行われた。活動にはラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の選手、上中島こども園の園児が協力。交通事故防止の啓発に一役買った。
 
 街頭活動に先立ち、上中島多目的グラウンドで出発式が行われた。交通安全関係団体、警察署などから約130人が参加。市交通安全対策協議会(会長=小野共市長)の菊地敏文副会長(県自家用自動車協会釜石支部長)は会長挨拶を代読し、「市内では昨年8月から交通死亡事故は発生していないが、引き続き全年齢層への事故防止対策が重要。運動期間中の取り組みを通して、交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を習慣づけていただきたい」と呼び掛けた。
 
 釜石警察署の三浦正人署長は「日没が早まるこの時期はものの色や形が識別しにくく、道路横断中の高齢者が犠牲となる交通事故が増加する傾向にある。皆さまとの連携協力で各種取り組みを進め、市民の安全意識の高揚を図っていきたい」と話した。
 
 上中島こども園(楢山知美園長、園児39人)の5歳児が交通安全宣言。「道路には飛び出しません」「車が来ないか右、左、右をしっかり見ます」「道路を渡る時には大きく手を挙げます」などと声を上げ、安全に気を付けることを約束した。3、4歳児を含め総勢22人でラグビー体操を披露。SWの山田裕介(26)、川上剛右(30)、ヘルダス・ファンデルヴォルト(29)の3選手も一緒に体を動かした。
 
上中島こども園の5歳児が元気に交通安全宣言!

上中島こども園の5歳児が元気に交通安全宣言!

 
ラグビーのプレーの動きを取り入れた「ラグビー体操」。SW選手も一緒に…

ラグビーのプレーの動きを取り入れた「ラグビー体操」。SW選手も一緒に…

 
交通安全運動参加者はかわいらしい園児らの姿に元気をもらった

交通安全運動参加者はかわいらしい園児らの姿に元気をもらった

 
 啓発活動は同グラウンド近くで実施。2商業施設の入り口では反射材や交通安全チラシが入った啓発グッズを配布。市道沿いではハンドポップを掲げて、ドライバーに安全運転を促した。同運動は▽反射材用品などの着用推進や安全な横断方法の実践などによる歩行者の交通事故防止▽夕暮れ時以降の早めのライト点灯やハイビームの活用促進と飲酒運転などの根絶▽自転車・特定小型原動機付き自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール順守の徹底―を重点に据える。
 
買い物客に反射材と交通安全チラシのセットを配り意識啓発

買い物客に反射材と交通安全チラシのセットを配り意識啓発

 
上中島町の市道ではハンドポップを掲げ、ドライバーに安全運転を呼び掛けた

上中島町の市道ではハンドポップを掲げ、ドライバーに安全運転を呼び掛けた

 
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 今季新加入のWTB川上剛右選手は「ラグビーも日常生活と一緒でルールがあり、順守が求められる。交通ルールも同じ。しっかり守って交通安全につなげてほしい」と願った。この日は自身にとって初めての地域貢献活動で、「声をかけると皆さん、SWのことを知ってくれていて、認知度の高さに驚いた。チームも毎日きつい練習を重ね、いい形でプレシーズンマッチ初戦を迎えられるのではとわくわくしている。ぜひ試合も見に来てほしい」と期待を込めた。
 
SWの選手も啓発活動に協力。10月5日から始まるプレシーズンマッチのチラシも一緒に配った

SWの選手も啓発活動に協力。10月5日から始まるプレシーズンマッチのチラシも一緒に配った

 
 釜石署によると、今年1月から8月末までの釜石市の交通事故発生件数は人身事故が10件(前年同期比5件減)、物損事故は316件(同6件増)。八重樫徹交通課長は「市内での交通事故は地元住民が日常生活の中で起こした事故が多く、駐車場以外の事故の4割は単独事故。一人一人が事故防止を意識し、安全確認を徹底すれば大きな事故も減る」と意識高揚を促す。
 

小佐野交番 署員が反射材キーホルダーを手作り 2年目の地域安全血圧手帳と合わせ活用を

 
手作りの反射材キーホルダーと地域安全血圧手帳をPRする小佐野交番の署員

手作りの反射材キーホルダーと地域安全血圧手帳をPRする小佐野交番の署員

 
 釜石警察署小佐野交番(川野正行所長、4人)は秋の全国交通安全運動に合わせ、署員が手作りした「反射材キーホルダー」を管内の希望する住民に配布している。限定300個。同交番で受け取ることが出来る。昨年から製作している「地域安全血圧手帳」も好評配布中。交通事故や犯罪から身を守るため、「ぜひ活用を」と呼び掛ける。
 
 反射材キーホルダーは小佐野交番連絡協議会(多田慶三会長)から資金援助を受け、同交番に勤務する署員4人で製作する。市販の反射テープに「小佐野交番」の文字と警察庁の広報用キャラクターをプリントしたものを貼り付け、ラミネートフィルムで加工。耐久、防水性を高めた。完成品は縦約9センチ、横約4センチ。手作りすることで費用が抑えられ、同交番オリジナルのグッズに仕上がった。
 
署員手作りの反射材キーホルダー。左は小佐野交番の署員をイメージしたプレミアムデザイン

署員手作りの反射材キーホルダー。左は小佐野交番の署員をイメージしたプレミアムデザイン

 
 同連絡協との協働で取り組むもう一つのグッズが地域安全血圧手帳。朝と夜、2回の血圧測定の値を書き込める手帳には、各ページの下に交通安全や防犯に関わる標語が記されている。「身を守り 家族も笑顔に ヘルメット」「前を見て どっちが大事 スマホと命」「留守電は あなたを守る 警察官」「本当かな 振り込む前に 110番」…。連絡協の会員から標語を募集し、各賞受賞作品を中心に掲載している。1日2回、標語を目にすることで、被害に遭わないように注意を促すのが狙い。
 
標語入り血圧手帳とキーホルダーの活用で住民の安全安心な暮らしを願う交番署員

標語入り血圧手帳とキーホルダーの活用で住民の安全安心な暮らしを願う交番署員

 
 同交番の管轄地域は上中島町から野田町までと広く、管内には約5千世帯、約9千人が生活する。川野所長は「近年は独居の高齢者も増えていて、交通事故や詐欺被害に遭わないよう、より一層の注意喚起が必要。反射材キーホルダーや地域安全血圧手帳を活用し、自分の身を守る行動を取ってほしい」と話す。
 
毎日の血圧測定で標語を確認。夕暮れ~夜の外出には反射材キーホルダーの装着を!

毎日の血圧測定で標語を確認。夕暮れ~夜の外出には反射材キーホルダーの装着を!

 
手帳とキーホルダーは小佐野交番で配布中。数に限りがあるので希望者はお早めに

手帳とキーホルダーは小佐野交番で配布中。数に限りがあるので希望者はお早めに

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鳥インフル対応訓練 万一に備え 埋却作業の手順確認 岩手県、建設業協会釜石支部など連携

鳥インフルエンザの発生を想定して行われた対応訓練

鳥インフルエンザの発生を想定して行われた対応訓練

 
 釜石市内にある肉用鶏農場で11日、鳥インフルエンザ等発生時対応訓練が行われた。岩手県沿岸広域振興局、県南家畜保健衛生所などが共催。感染時の死亡率が高い高病原性鳥インフルエンザが発生したとの想定で、防護服の着脱や埋却作業に取り組み、手順や役割を確認した。
 
 訓練は鳥インフルエンザなどの発生時に、迅速で適切な防疫活動に取り組めるよう実施。本年度、肉用鶏農場が稼働したことを受け、釜石、大槌地域では初めての本格的な訓練となった。
 
 沿岸振興局を中心にした県の各関係機関の職員のほか、県建設業協会釜石支部(八幡康正支部長)の支部員ら約50人が参加。本番に近い形の実践として、作業を担当する職員らは防護服やマスク、手袋、長靴などを順番に身につけ、袖や足首などにすき間ができないよう入念にテープを巻いた。
 
防護服の着脱訓練をする参加者。すき間がないようしっかり

防護服の着脱訓練をする参加者。すき間がないようしっかり

 
 その後、埋却作業では事前に掘削した埋却溝(深さ4メートル、下幅5メートル、上幅9メートル)に重機で消毒用の消石灰を散布した上で、ブルーシートを敷設。殺処分した鶏に見立てた土のうを投入し、さらにシートで覆い、再度、消石灰をまいた。
 
 釜石にある鶏農場では16万羽を飼育する。鳥インフルエンザが発生した場合、今回の訓練で利用した土のうで換算すると、約2500個分となる見込み。そうした説明も聞いた参加者は一連の作業の流れを確認しながら、注意点などに理解を深めていた。
 
埋却溝に消石灰を散布してシートを敷き、土のうを重機に取り付け投入準備

埋却溝に消石灰を散布してシートを敷き、土のうを重機に取り付け投入準備

 
溝に投入した土のうをシートで覆い、消石灰を散布するまでの手順を確認した

溝に投入した土のうをシートで覆い、消石灰を散布するまでの手順を確認した

 
 重機を使った作業があるため、有資格者がいる建設業協会の協力は欠かせない。訓練を見守った八幡支部長は「マニュアルで分かってはいたが、イメージだけなので、訓練への参画はいい経験になる。体で覚えると忘れないので、継続したい。役割分担など検討が必要だと感じるが、今回の内容を協会内で共有し、いざという時に動けるようにしたい」と気を引き締めた。
 
埋却作業を見守る建設業協会釜石支部の関係者ら

埋却作業を見守る建設業協会釜石支部の関係者ら

 
 沿岸振興局によると、高病原性鳥インフルエンザ発生は2023年秋~24年春にかけて、全国で10県11事例あり、85万6000羽が殺処分された。県内では22年秋~23年春に1事例が確認された。佐藤朝則副局長は「どこで起きてもおかしくないので、危機感を持った対応が必要」と強調する。
 
 埋却・消毒ポイント設置班長を担った佐々木雅章土木部長は「寒い夜間、長時間の作業も見込まれることから、平時から手順を確認することが重要。課題を見つけ、備え、万が一の時は一体となって活動することが大事だ」と参加者に呼びかけた。

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覚えて!命守る応急手当 釜石で「救急の日」イベント 一日隊長の小学生が伝えるAED蘇生法

心肺蘇生法やAEDの使い方を学んで体験できる「救急ひろば」

心肺蘇生法やAEDの使い方を学んで体験できる「救急ひろば」

 
 9月9日の「救急の日」と「救急医療週間」(2024年度は9月8~14日)にちなみ釜石消防署は8日、釜石市港町のイオンタウン釜石で救命法の体験イベント「救急ひろば」を開いた。「一日救急隊長」に任命された佐々木智桜さん(鵜住居小5年)が救急時の対処法を実演。「大切な人を守るために覚えてほしい」と、家族連れなどに自動体外式除細動器(AED)の使い方も伝えた。
 
 イベントは市民に救急業務に対する理解を深めてもらうとともに、応急手当てなどの必要性を認識してもらうのが目的。救命率向上には素早い処置が欠かせず、一般の人がAEDを使用できることから、同署では「子どものうちからスキルとして身に付けてほしい」と考え、「共感してもらえる」と佐々木さんに白羽の矢を立てた。
 
 佐々木さんは市内最年少の「大震災かまいしの伝承者」として防災に関する活動に取り組む。資格取得を目指す防災士に必要なことから、昨年12月に同署で普通救命講座(3時間)を受講。心肺蘇生やAEDの扱い方を学び、救命技能認定証を有する。
 
「一日救急隊長」としてイベントに参加した佐々木智桜さん

「一日救急隊長」としてイベントに参加した佐々木智桜さん

 
 この日、佐々木さんは救急活動をモチーフにした寸劇を披露した。下校し自宅に帰ると、父親が倒れており、駆け寄った家族らに「119番に電話して」「AEDを持ってきて」と依頼。周囲の安全を確認した後、胸骨圧迫を行ったり、AEDを使って助けた。
 
 消防署員の質問に答える形で、佐々木さんが胸骨圧迫のポイントを紹介した。胸のほぼ真ん中にある心臓を重ねた両手で繰り返し押すが、「リズムは1秒間に2回で、深さ(強さ)は5センチ。心臓が止まってから、3~4分間のうちに行うこと」と素早い処置の必要性を強調。「大切な人を助けたり、守るためにやり方を覚えてください」と、見守った買い物客らに呼びかけた。
 
AEDを使った救急活動を寸劇で披露する佐々木さんと消防署員

AEDを使った救急活動を寸劇で披露する佐々木さんと消防署員

 
 会場では人形を使った胸骨圧迫やAED操作体験、救急時に傷病者を運ぶ「ストレッチャー」の乗降体験、クイズなどが用意され、参加者は見聞きしながら救急に対する意識を高めていた。佐々木さんに教わりながら、救命活動に挑戦した小学生、澤本芽依さんは「心臓を押すのは大変だったけど、やり方が分かった。いざという時に助けられる人になりたいから、もっと勉強したい」と刺激を受けた様子。母さやかさんは「触れてみる、いい機会になった。万一ということがあるということを考える機会にもなったのでは」と見守った。
 
消防署員のアドバイスを受けながら胸骨圧迫する参加者

消防署員のアドバイスを受けながら胸骨圧迫する参加者

 
覚えた救命法を参加者に伝える佐々木さんと消防署員

覚えた救命法を参加者に伝える佐々木さんと消防署員

 
 同署によると、管内の救急に関する出動要請件数は年間約1600件で、そのうち救急搬送人員は約1500人となっている。応急手当などが必要なケースもあるが、助けるという行為は消防や救急隊、医師がやるというイメージを持つ人が多いのが現状。AEDは身近な存在になったが、いざ使用するとなると勇気がいる。
 
「みんなで救命活動を」と願いが込もった「救急の日」イベント

「みんなで救命活動を」と願いが込もった「救急の日」イベント

 
 救急係の木村一生係長は「3~4分、早いうちの対処があれば助かる命がある。それができるのは居合わせた人、家族」と話し、救命率を向上させるためにも「心肺蘇生やAEDの扱いを子どものうちから大切なスキルとして持ってほしい。智桜さんを通して『誰でもできる』ことを伝えられたら」と期待を込める。

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災害時の海上輸送 円滑に 釜石、久慈、大船渡の沿岸3市 港湾事務所と協定「備えに」

海上輸送による災害支援協定を結んだ小野共釜石市長(右から2人目)ら

海上輸送による災害支援協定を結んだ小野共釜石市長(右から2人目)ら

 
 釜石、久慈、大船渡の沿岸3市は4日、国土交通省東北整備局釜石港湾事務所(小岩利弘所長)と海上輸送による災害支援協定をそれぞれ締結した。岩手県内では宮古市が先行。地震などの災害で陸路が寸断されて孤立した際に、同事務所の港湾業務艇を使って物資や人員を輸送するもので、円滑な協力態勢づくりにつなげる。
 
 釜石市港町の同事務所で締結式があり、小岩所長、釜石市の小野共市長、久慈市の遠藤譲一市長、大船渡市の渕上清市長がそれぞれ協定書に署名し、取り交わした。
 
協定締結式であいさつする小岩利弘所長(左)

協定締結式であいさつする小岩利弘所長(左)

 
 協定締結により、災害時に孤立地域が発生した場合、自治体の要請に応じて船舶で支援物資を届けたり、被災者を孤立地域から避難させたりする。自治体が実施する防災訓練に海上輸送訓練も組み入れるなど、平時から連携態勢の確認を進めていく。
 
 締結式の後、釜石港で海上輸送のデモンストレーションを行った。同事務所や3市の防災、港湾担当の職員らが参加。同事務所の港湾業務艇「こはく」(29トン)から食料や水が入った段ボール12箱を運び出し、被災地域に向かうトラックに積み込むまでの流れを確認した。
 
港湾業務艇「こはく」から物資をトラックに運び込む関係者

港湾業務艇「こはく」から物資をトラックに運び込む関係者

 
 見守った3市の市長らは、万一の時に頼れる心強さを感じた様子。小野市長は、東日本大震災時や、ここ数年でも台風災害などで市内半島部の道路が寸断され物資輸送が課題になった事例があることから、「海から輸送、搬送ができるのは沿岸部にとって大きなメリットになる。港を最大限活用した災害対応に期待する」と述べた。
 
 近年は気候変動の影響で豪雨による洪水や土砂災害などの気象災害が全国的に多発。陸路が寸断して孤立化した被災地域で緊急物資の輸送や救援部隊の派遣、被災者の生活支援、通院の足として海上ルートの活用事例が増えている。そうした状況を踏まえ、国交省では災害時の陸路分断などを想定し、“みなと”の機能を活用した海上輸送による救助・救援、物資輸送といった災害対応支援を強化するため、「命のみなとネットワーク」の形成に向けた取り組みを全国的に進めている。
 
 協定はその一環だが、締結の有無にかかわらず以前から取り組みが始まっていて、2021年8月に青森県での豪雨や大雨を受けて物資輸送や孤立地域での住民輸送が行われた。22年3月には地震発生時に断水した福島県の相馬港で給水支援を行った事例もある。
 
釜石港で行われた災害時海上輸送のデモンストレーション

釜石港で行われた災害時海上輸送のデモンストレーション

 
 同事務所ではすでに宮古市と同様の協定を結んでおり、この日の締結で、県内の重要港湾がある4市すべてとの提携が完了したことになる。小岩所長は「備えの一助になれば。災害に強い港湾整備に努めるとともに、住民支援の態勢をとっていることを知ってもらい、いざという時に頼られる存在としての役割を担っていく」と力を込めた。

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迅速な人命救助(救急、水難)で釜石市民5人を表彰 釜石大槌地区消防本部から感謝状

人命の救急救助の功績で消防協力者感謝状を受けた(前列右から)佐藤眞紀子さん、山崎庄太郎さん、前川清史さん、臺吉克さん

人命の救急救助の功績で消防協力者感謝状を受けた(前列右から)佐藤眞紀子さん、山崎庄太郎さん、前川清史さん、臺吉克さん

 
 釜石大槌地区行政事務組合消防本部(駒林博之消防長)は24日、郷土芸能の練習中に倒れた男性と、釣り中に海に転落した男性を救助したとして、釜石市の男女5人に感謝状を贈った。いずれも迅速な対応で、救助された2人は一命をとりとめた。
 
 感謝状贈呈式は同市鈴子町の釜石消防庁舎で行われ、対象者4人が出席した。駒林消防長が感謝状を手渡し、人命救助への協力に謝意を示した。
 
贈呈式で感謝状を受け取る表彰対象者ら

贈呈式で感謝状を受け取る表彰対象者ら

 
 平田神楽保存会の佐藤眞紀子さん(54)、松澤恵里子さん(53)、山崎庄太郎さん(60)、前川清史さん(61)は、4月27日午後7時から平田集会所で神楽の練習をしていたところ、踊っていた60代男性が突然倒れ、意識と呼吸がない状態に。顔色も変わってきて緊急を要する事態に、4人が声を掛け合って救助にあたった。佐藤さんが119番通報、山崎さんは集会所に備え付けてあったAED(自動体外式除細動器)を取りに行き、前川さんは男性に呼び掛けたり顔をたたいたりして意識の回復を試みた。心臓マッサージ(胸骨圧迫)も行い、到着したAED を松澤さんが操作。1回目の除細動の直後、男性は目を開け声も発した。4人の連携で、救急隊員が到着する前に意識を取り戻した。
 
 対応した4人は職場などで心肺蘇生法の講習を受けていて、消防団員の松澤さんは教習のための講習も受けていたという。前川さんは「仲間が助かって本当に安心した。近くにAEDがあったこと、4人とも心肺蘇生の講習を受けていたことも大きい」と話した。
 
 水難事案で表彰された箱崎町の臺吉克さん(69)は6月24日午後8時50分ごろ、仮宿漁港の防波堤で釣りをしていた男性が誤って海に転落した際に自らの船を出し、男性の発見と救助に貢献した。男性は1人でいて、転落時、自分の携帯電話で警察に通報したが、途中で通話が切れた。警察からの情報で、消防指令センターから仮宿在住の非番の消防職員に状況確認を要請。臺さんは職員と一緒に捜索、救助を行った。
 
駒林博之消防長(左上)が人命救助への協力に感謝の気持ちを伝えた

駒林博之消防長(左上)が人命救助への協力に感謝の気持ちを伝えた

 
 駒林消防長は「いずれも救急隊、救助隊が到着する前に迅速に対応していただき、大事に至ることがなかった」と深く感謝。「今後も消防活動への理解と協力を」と願った。

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夏の交通事故防止を呼び掛け ドライバーはこまめな休憩を! 鵜住居町で初の街頭指導

夏の交通事故防止県民運動 街頭啓発活動=12日、鵜住居町

夏の交通事故防止県民運動 街頭啓発活動=12日、鵜住居町

 
 夏の交通事故防止県民運動が15日から始まった。釜石市では一足早く12日に、市交通安全対策協議会(会長=小野共市長)による統一街頭指導が鵜住居町で行われた。夏場は暑さで疲労がたまりやすく、居眠りや注意力低下で運転中の事故発生が懸念される。長時間運転するドライバーは特にもこまめな休憩が必要だ。24日までの運動期間中、市内では防災行政無線や車両巡回、横断幕やのぼり旗などでの広報活動を行い、事故防止を呼び掛ける。
 
 12日は街頭指導に先立ち、うのすまい・トモスで開会式が行われた。交通安全関係3団体、交通指導隊、警察署から計83人が参加。同協議会会長の小野市長は「県内では高齢者が関係する交通事故が多い現状に加え、全国的に子どもが被害に遭う事故も後を絶たず、全年齢層での交通事故対策が必要。関係機関、団体の連携を密にし、運動を推進していきたい」とあいさつした。
 
うのすまい・トモスで行われた開会式

うのすまい・トモスで行われた開会式

 
 釜石警察署の三浦正人署長は「管内では今年、人身、物損事故ともに昨年より若干増加傾向にある」とし、ドライバーや歩行者へのさらなる注意喚起の必要性を指摘。重大事故に直結する横断歩行者妨害や速度超過などの交通指導取り締まりを強化していく方針を示した。
 
 この後、鵜住居小・釜石東中前の交差点からスーパーマルイチまでの国道45号沿いの歩道に参加者が散らばり、街頭啓発活動が行われた。ハンドポップを掲げてドライバーに安全運転を呼び掛けたほか、歩行者や自転車利用者にチラシを配り、事故防止への意識を促した。
 
国道45号は小中学生の通学路。下校途中の児童にも交通安全をアピール

国道45号は小中学生の通学路。下校途中の児童にも交通安全をアピール

 
ドライバーや自転車利用者にチラシを配り安全運転を呼び掛けた

ドライバーや自転車利用者にチラシを配り安全運転を呼び掛けた

 
 同運動のスローガンは「わたるまえ わすれずかくにん みぎひだり」。運動の重点に▽暑さなどによる過労運転の防止▽高齢者と夏休み中の子どもの交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―を掲げる。同協議会では18日夜に大町青葉通り周辺の飲食店を訪問し、飲酒運転根絶への協力を呼び掛ける予定。
 
 釜石署によると、今年1月から7月15日までの管内の交通事故発生件数は人身事故が13件(うち死者1人、負傷者12人、前年同期比1件増)、物損事故が311件(同10件増)。八重樫徹交通課長は「交差点付近の車と人の事故は、安全確認をしっかりしていれば防げたであろう事故が多い。高速道路の釜石道、三陸道は東北道のようなサービスエリアなどがないので、高速道を降りての休憩も意識してほしい」と話す。
 
スーパーの買い物客にもチラシを配り、交通安全意識の高揚を願った

スーパーの買い物客にもチラシを配り、交通安全意識の高揚を願った

 
間もなく夏休みに入る子どもたち。交通ルールを守って事故に遭わないよう気を付けよう!

間もなく夏休みに入る子どもたち。交通ルールを守って事故に遭わないよう気を付けよう!

 
 同協議会は季節ごとの各種交通安全運動の街頭指導をこれまで大町や中妻町で実施してきたが、今回初めて鵜住居町で行った。今後は市中心部以外でも活動していく方針。