不審者発見、適切な通報…夫婦で協力、窃盗犯逮捕に貢献 釜石警察署が感謝状


2025/07/02
釜石新聞NewS #防災・安全

松本一夫署長から感謝状を受けた洞口忠さん(右)

松本一夫署長から感謝状を受けた洞口忠さん(右)

 
 夫婦の連携プレーが窃盗事件の容疑者逮捕につながったとして、釜石警察署(松本一夫署長)は6月25日、釜石市浜町の自営業・洞口忠さん(56)、陽子さん(50)夫妻に感謝状を贈った。贈呈式は同市中妻町の釜石署であり、松本署長から感謝状を受け取った洞口さんは「犯人が捕まって良かった。これからも協力して見守っていければ」と、淡々と話した。
 
「夫婦で協力し適切な通報で被疑者逮捕に貢献した」と謝意を伝える

「夫婦で協力し適切な通報で被疑者逮捕に貢献した」と謝意を伝える

 
 窃盗事件は5月21日深夜に発生した。洞口さんは同日午前0時頃、暑さから自宅2階の窓を開けた際に、道路向かいの工事現場事務所付近に人影を発見。「こんな時間帯に歩くなんて、不思議な人がいるな」と目を凝らすと高齢の男性のようで「徘徊(はいかい)」とも思ったが、同じところを行ったり来たりする不審な動きに「おかしい…迷い込んだのではない。怪しい」と感じた。
 
 そんな様子を陽子さんに伝えると、自発的に「近所に不審者がいる」と署に通報した。その間も洞口さんは男性を目で追い、10分ほど経った頃、男性が移動し始めたため、「見失わないように」と家の外に出て追跡。その約5分後に駆け付けた署員が、通報の際に伝えられた服装などの情報をもとに容疑者を見つけて緊急逮捕した。
 
 釜石署によると、男性(80代)は窓ガラスを割って事務所に侵入し、ノートパソコンなど数点(計十数万円相当)を盗んだ、建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕された。
 
状況を振り返る洞口さん。「地域で協力し見守りを」との思いを強くする

状況を振り返る洞口さん。「地域で協力し見守りを」との思いを強くする

 
 発見後に追跡という行動もとった洞口さんは「怖さは感じず、『何とかなるさ』と体が動いた」と振り返った。全国的に「治安が悪くなってきている」と感じる事件を耳にすることもあり、「地域には高齢者や子どももいるので、今まで通り、地域のみんなで協力しながら見守っていきたい」と背筋を伸ばした。
 
 今回の窃盗事件の早期解決に対して松本署長は「見て、気づいて通報。夫妻の素晴らしい連携があったからこそ」と強調し、「通報がなければ、被害が拡大する恐れもあった」とあらためて感謝の言葉を伝えた。そして、「今回は泥棒だったが、徘徊する高齢者などの場合もある。怪しい人、気になる人を見かけたら迷わず通報してほしい」と呼びかける。

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