地域と共に 釜石「うのすまい・トモス」6周年 味覚に手仕事…記念マルシェにぎわう


2025/03/26
釜石新聞NewS #地域

オープンから6周年を迎えた「うのすまい・トモス」

オープンから6周年を迎えた「うのすまい・トモス」

 
 釜石市鵜住居町のうのすまい・トモスで23日、6周年記念マルシェが開かれた。東日本大震災の教訓を伝えるとともに、地域の交流拠点にもなるよう願いが込められた施設。市内外のおいしいものや雑貨などの出店、工作体験などの催しがあり、家族連れらでにぎわった。
 
 地元釜石のほか、盛岡市や遠野市などから43店が出店した。ホタテなどの浜焼き、もつ煮、ピザなど各店がこだわりの味を提供。手作りのアクセサリーや着物のリメイク小物など手仕事の技を込めた商品も紹介した。鵜住居町内会は綿あめやポップコーンをお振る舞い。陸中海岸青少年の家(山田町)は貝殻や松ぼっくりなど海と森の素材で彩るフォトフレームづくり体験で楽しませた。
 
市内外のおいしいものが並び、来場者は品定めを楽しんだ

市内外のおいしいものが並び、来場者は品定めを楽しんだ

 
食べて、体験して、会話を楽しむ人たちの笑顔が広がった

食べて、体験して、会話を楽しむ人たちの笑顔が広がった

 
 三陸鉄道鵜住居駅がすぐそばにあり、列車を利用し来場した人にはマルシェ限定の買い物券を配布するサービスも用意された。そうした後押しに応えようと、三鉄(本社・宮古市)が今回、初出店。黒字化の願いを込めたポン菓子「クロジカせんべい」や駅名板キーホルダーなどを並べた。釜石駅の山蔭康明駅長は「沿線地域のものを紹介しながら、一緒に活気づけられたらいい。ゆっくり列車に乗って旅を楽しんでもらえると、もっとうれしい」と、店先で買い物客をもてなした。
 
三陸鉄道の販売ブースに並んだ品々をのぞき込む来場者

三陸鉄道の販売ブースに並んだ品々をのぞき込む来場者

 
 家族で飲食を楽しんだ二本松勝さん(45)は「イベントがあれば訪れる」と、今回も同級生や親戚が出店していることから足を運んだ。顔を合わせる機会にもなっていて、「こういうにぎわいの機会をもっと増やしてほしい」と願った。
 
 「元気出していくぞー」。地元の釜石東中の1、2年生の有志約40人がソーラン節を披露し、会場を盛り上げた。「若い力を感じて、地域も人も元気になってほしい」。生徒会長の千葉心菜さん(2年)は法被をなびかせながら、力の入った踊りにそう思いを込めた。ソーランリーダーの花輪和穂さん(同)は練習の成果を発揮できたと満足げ。伝統の“東中ソーラン”を引き継ぎつつ、「地域の人にも踊ってもらえるようにしたり、『映(ば)える』活動を発信して活発化させたい」と目標を掲げた。
 
息を合わせソーラン節を踊る釜石東中の生徒たち

息を合わせソーラン節を踊る釜石東中の生徒たち

 
「地域に元気を」と思いを届け、満足げな笑顔を見せた

「地域に元気を」と思いを届け、満足げな笑顔を見せた

 
 うのすまい・トモスは震災の教訓伝承、地域活動や観光交流を促進する拠点として公共施設を一体的に整備し、2019年3月にオープン。釜石祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館、鵜の郷(さと)交流館などで構成され、両館の来場者数は3月22日現在で約66万人。新型コロナウイルス禍で減少した時期があったものの、修学旅行先や企業研修先として堅調に推移している。
 
 うのすまい・トモスの菊池啓統括マネジャーは「普段は防災や災害の備えを学ぶ県外からの利用が多いが、地域に根差した施設でありたいという思いがある。人が集う機会を定期的に設け、鵜住居駅前地区のにぎわいを創出し、地元を中心とした事業者の潤いにつなげていければ」と展望する。

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