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梅雨の晴れ間に水しぶき!釜石市営プール 屋外プールが夏季利用スタート

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

 
 釜石市営プール(同市大平町)の屋外50メートルプールが11日、今季の利用をスタートさせた。水泳に親しむ子どもたちが“泳ぎ初め”。中総体など大会を控えた子らは練習に熱を入れた。小中学校の夏休み期間に合わせ、8月16日まで開放する予定だ。
 
 プール開きに合わせ安全祈願の神事が行われ、指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)や釜石水泳協会(山崎達会長)の関係者ら約20人が出席。代表者が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈願した。市文化スポーツ課の清藤美穂係長は「関係者と連携を密にし、快適で安心して利用できる施設運営、維持管理に努めていく」とあいさつした。
 
屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

 
快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

 
 泳ぎ初めは、同プールで練習する「かまいしスイミングクラブ」の小中学生11人。平泳ぎやクロールなど模範泳法をリレー形式で披露した。この時のプールサイドの気温は30度、水温は27度。熊谷凜音さん(14)は「水が少し冷たかったけど、外が暑いから気持ちよかった。水がきれいで泳ぎやすい」と涼しげな水の感触を楽しんだ。
 
 中学生は1週間後に岩手県中総体(水泳競技は18~20日)を控え、「ベストを尽くせるように」と練習に集中。熊谷さんは個人、リレーを合わせて計4種目に出場予定で、「リレーでは優勝し東北大会へ、個人では8位入賞を」と目標を定め、仲間とともに挑む意欲を見せた。
 
泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

 
「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

 
「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

 
 屋外プールの利用に当たり、協立管理工業の藤澤正明総務主任は「水分補給をしっかりと。ドリンク持参で」と呼びかける。プールサイドは高気温になりうるが、日陰になる場所が少ないため。暑さ軽減にと、通路となる場所には水を流すなどの対策をとる。施設内外の掃除、救助法の訓練にも取り組み、環境を清潔に保ち、安全な利用を支えられるよう態勢を整える。市営プールには通年で利用できる屋内25メートル、幼児用プールもあり、昨年度の施設全体の利用者数は約1万5000人だった。
 
開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

 
 営業は火曜日から金曜日が正午~午後8時、土・日・祝日は午前10時半~午後6時。通常、月曜日は休館だが、市内小中学校の夏休み期間は無休(開場は正午)。期間中は市内中学校の生徒は生徒手帳の提示で無料となり、学校プールの開放がない市内小学校の児童も無料で利用できる。

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地域産業の理解へ 釜石商工高2年生 水産加工の津田商店を見学 地域経済支える企業姿勢学ぶ

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

 
 釜石市大平町の県立釜石商工高(小松了校長、生徒160人)の2年生50人は3日、県の「いわて高校魅力化推進事業(探究共創事業)」の一環で、地元水産業への理解を深める学習を行った。研究施設や水産加工品製造の工場を見学。地域の魅力や可能性を知り、古里の将来を支える一員として考えを巡らせた。
 
 地元就職を希望する生徒が多い同校では、地域に貢献できる人材育成を目指し、地場産業への理解や地域課題に目を向ける探究学習の機会を設けている。本年度、2年生は平田の三陸水産研究センター(岩手大釜石キャンパス内)と鵜住居町の津田商店を訪れ、地域と関わりの深い水産業への学びを深めた。
 
 午後に訪問した津田商店(小笠原正勝代表取締役社長、従業員190人)では、同社の歴史や事業の説明を聞き、工場内を見学した。水産加工品の製造販売を行う同社は1933(昭和8)年創業。2011年の東日本大震災津波で大槌町安渡にあった工場が被災し、翌12年、釜石市浜町にあった本社事務所と共に同市鵜住居町に移転再建した。主に学校給食で提供される業務用冷凍食品(調理済み煮魚)と、大手ブランドの缶詰(サンマ、サバ、サケの中骨など)を製造。自衛隊員が災害派遣や訓練時に食するレトルト食品の製造も手がける。3年前には個食用に開発した自社ブランド「子どもようおさかなさん」(冷凍煮魚)のオンライン販売も開始した。
 
津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

 
メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

 
 担当者からは、衛生管理を徹底し安全安心な食品を提供していること、残物(魚の頭や尾など)の飼料加工や微生物による水浄化処理で環境負荷軽減を図っていることも説明された。近年は海水温の変化などで三陸産魚の水揚げが減少。原料確保のため、全国に足を運んでいる現状も伝えられた。同社は「地域共存」を理念とし、釜石湾で養殖されるサクラマスや地元酒造会社の梅酒製造過程で出る漬梅を活用した商品開発にも取り組んできた。
 
 全国に販路を持つ同社。得られた利益は従業員や外部の委託業者の収入となり、さらには地域内消費を生む。「地域内でお金が回る。地域経済を支えることが自社の目的の一つ」と担当者。10~70代の幅広い年代の雇用、外国人技能実習生の受け入れでも貢献する。
 
工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

 
初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

 
 電気電子科の岩﨑春燈さんは、同社の見学は小学校時代に続き2回目。高校生になり新たな視点での見学となったようで、「金属探知機やX線検査機などの設置が多い印象。それだけ消費者の食の安全に対し徹底しているのが伝わる」と感心。同社製造の缶詰を目にする機会も多く、「それが地元で作られているのはすごい」と郷土の誇りも実感。地元就職を考える上での判断材料にした。
 
「魚が大好き。ずっと(工場見学を)楽しみにしてきた」と目を輝かせたのは総合情報科の門﨑愛生さん。「気軽に食べている缶詰がこのような多くの工程を経て私たちの食卓に届いていると知って驚いた。多くの人の努力が詰まっていることを思いながら大切に食べたい」と感謝の気持ちも芽生えた様子。高校卒業後は県外就職を考えているが、「地元も大好きなので、いずれは戻ってくることも」とUターンも選択肢の一つに考えた。
 
地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

 
 生徒たちの見学をサポートした同社管理部総務経理課の小倉敦美主任(30)は「地元の企業を知ってもらえるいい機会。地域への理解が進むのは大変ありがたい」と感謝。生徒たちが説明にうなずいたり、真剣なまなざしで話に聞き入る姿を頼もしく感じ、「若い方々の今後の力に期待したい。地元の魅力を感じてもらい、将来の就職の選択肢の一つに考えてもらえれば」と話した。

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夜を彩る「七夕あかり」 ココイロこすもすファーム(釜石・甲子) 幻想的な雰囲気に

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

 
 釜石市甲子町洞泉のココイロこすもすファーム(石塚佳那子代表)で4日、竹灯籠のライトアップや音楽、食を楽しむ「七夕あかり」と題したイベントがあった。東日本大震災後に同じ場所で行われていた「キャンドルナイト」を新たな形で復活。鎮魂、未来への希望を込めた明かりに包まれた幻想的な光景は訪れた幅広い世代の心を癒やした。
 
 イベントは午後5時に始まった。流しそうめんのお振る舞いがあり、近くの山から切り出した竹を割って作った流し台の脇に子どもたちが整列。流れてくる麺を箸やフォークで上手にすくい上げ、ひんやりとした味わいを堪能した。おにぎり、かき氷、から揚げ、玉こんにゃくなどの軽食も販売。緑豊かな敷地内で家族連れらはピクニック気分も満喫した。
 
流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

 
シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

 
七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

 
 「3、2、1」。カウントダウンの後に、敷地内に設置された約60本の竹灯籠や天の川をイメージして飾り付けられたイルミネーションがともると、「わー」と歓声が上がった。ハンドベル演奏、ダンスとピアノ演奏を組み合わせたミニコンサートもあり、来場者はやわらかい光と音の中でゆるやかな時間を過ごした。
 
竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

 
光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

 
七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

 
来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

 
 大槌町の加賀心湊さん(7)は「キラキラしていて面白い。ダンスもよかった。新しい友達もできた。楽しすぎる」と大はしゃぎ。母親の典子さん(41)は「以前の公園のように自然に触れながら楽しく遊べる場所なので、わざわざ来たくなる。優しい心を育み、自分らしいペースで伸び伸びと成長してほしい」と見守った。
 
 このファームの前身は、地域内外の人に親しまれた「こすもす公園」。藤井了さん(80)、サヱ子さん(81)夫妻が、震災で遊び場をなくした子どもたちが自由に遊べる空間にしようと2012年に整備した。夏至(6月)と冬至(12月)の時期に世界中で展開される「電気を消して、ろうそくの明かりで思い思いの夜を過ごす」スローライフ運動にちなみ、キャンドルナイトを毎年実施。復興や犠牲者の安寧を祈り、地域の交流を促す機会にもなっていたが、22年に閉園し、明かりも消えた。
 
 石塚代表(38)が跡地を受け継ぎ、25年にファームを開業。多世代の笑顔をつなぐ遊べる空間をつくる中で、「またキャンドルナイトやりたいね」「明かりや音楽をゆったり楽しめたらいいよね」というスタッフの声もあり、イベントを企画した。
 
あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

 
 実施に当たり、これまでとは違った形を検討。公園の時はろうそくに火をともしていたが、山火事の懸念もあることから代わりにイルミネーションを選んだ。「イルミネーションでまちを明るく、人を笑顔に」と光を使った活動を展開する「かまいし灯り実行委員会」とコラボレーションすることに。竹灯籠も半数は自前で手作りしたほか、震災犠牲者の追悼や命を守る活動の意識啓発のために鵜住居町根浜地区で使われたものを一部借り受けた。
 
 日が落ちるにつれて、やわらかい明かりが園内を照らした。次々と人が訪れ、その数約150人。そのにぎわいに、石塚代表は「子どもたちの笑い声が響くと大人も元気になる。それが『こすもす』の原点」と感慨深げに話した。「久しぶり」という顔や声に出合ったのも感激。「やり方は変わっても、鎮魂、祈り、地域交流、癒やしを願う思いは受け継いでいきたい」と力強くうなずいた。
 
七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

 
これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

 
 会場には、藤井さん夫妻の姿も。元気に駆け回る子どもたち、幅広い年代の人たちの笑顔が広がる様子を見つめ、「やっぱり子どもたちがたくさんいるのはいいね。若い人に引き継いで、雰囲気が違っているのもまたいい。素朴であたたかい空間がずっと続きますよに」と笑顔を重ねていた。
 
 七夕あかりのライトアップは3日から7日まで行われた。

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甲子、鵜住居両河川でアユ釣り解禁 愛好者 待望のシーズン到来に心躍る 天然魚増え楽しみ倍に

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

 
 釜石市の2大河川、甲子川と鵜住居川で5日、今季のアユ釣りが解禁された。早朝は水温が低く、アユの活性が低調だったものの、時間の経過とともに復調傾向に。大きいものでは20センチほどに成長したものも釣れ、市内外から訪れた釣り客らは待望のシーズン到来に顔をほころばせた。梅雨で曇りの天気が続く市内だが、「太陽が顔を出し気温、水温が上がっていけば、例年並みの釣果が期待できるのでは」と釣り人ら。
 
 5日は沿岸南部4河川の解禁が重なったこともあってか、早朝の甲子川の人出は例年より少なめ。それでも人気エリアの一つ、甲子町松倉の県立釜石病院裏では、水面の上にアユ釣り特有の長竿(さお)が並ぶ初夏の風景が広がった。釜石地方は6月下旬にまとまった降雨があり川の水量は十分ながら、解禁日前は曇り空が続き、水温が上がりにくい状態。アユ釣りはアユの縄張り特性を利用した「友釣り」が多く、おとりアユを追う野アユの動きが活発化するには適度な水温が必要。釣り人らは「まだ水温が低く、動きが鈍いようだ」と話し、気長に構えた。
 
甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

 
1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

 
 「毎年解禁日はここで」と、釜石の釣り仲間と竿を繰り出した宮古市の小川司さん(61)。「昨年より出だしは低調」としつつ、午前6時前には2ケタに突入。「結構いい型が釣れている」と1年ぶりの“引き”の感触を楽しんだ。シーズン中は沿岸河川を中心に足を運ぶといい、「土日は家にいないで川にいる。甲子川は水がきれいでアユの味もいい。今年も何回か来たい」と笑顔を見せた。
 
開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

 
 野田橋近くで楽しんだのは大槌町の芳賀浩亨さん(63)。前日は気仙川で今季の“初日”を迎えた。「まだ(午前)5時。今は慣らしの状態」と、あえて流れが緩やかな“トロ場”に糸を垂れ、活性前の群れを狙った。「季節、天候、時間を見極めながら竿を出す。そこがアユ(釣り)の難しさ」。昨年の解禁日は午前7時から午後2時ごろまでに68匹を釣り上げたという。「8時、9時ごろになれば活性が良くなり、釣れてくるだろう」と見通した。4月の大規模山林火災では、震災で高台移転した自宅の裏山50メートルまで火の手が迫った。やっと落ち着きを取り戻しつつあり、釣った魚は「楽しみに待っている親戚に配りたい」と腕をまくった。
 
早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

 
 河川漁協のない甲子川では遊漁料の徴収は行っておらず、自主的に資源保護活動を展開する甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市、企業などの助成金で稚魚の放流を維持している。協力金は甲子町の釣り具店「釣具オヤマ」などで受け付けている。
 
 同じく解禁日を迎えた鵜住居川。こちらもシーズンを待ちわびた人たちが各ポイントで釣り糸を垂れた。鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長)の組合員のほか遊漁券を購入した市内外の愛好者が足を運んだ。同河川も渇水状態から一変。6月に2日間降り続いた雨のおかげで水量が回復した。「久しぶりの大雨で川底の石が洗われ、今がちょうど(アユの餌となる)いいコケが生えてきている時期。新鮮な餌を食べているので、(アユの)香りもいいと思う」と地元組合員。
 
巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

 
 鵜住居町の長持橋上流で弟と釣りを楽しんだのは地元の澤本幸夫さん(80)。午前7時前の水温は15度。「どんなに寒くても17~18度は欲しいところ。水温が上がれば背がかりも増えてくるが…。動きが鈍い」と、おとりを替えて再チャレンジ。それでも午前5時の解禁から2時間で約10匹を釣り上げた。アユ釣り歴は51年。組合にも長く加入してきたが、人口減や高齢化で組合員数は減少傾向にある。「組合維持のためにも釣り人を育てていかないと。子どもたちの体験会とかでアユ釣りの面白さを知ってもらい、将来につなげていければ。この鵜住居川を守っていくためにも」と新たな取り組みの必要性を示した。
 
長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

 
 解禁から約3時間。たも網に釣果を見せてくれたのは甲子町から足を運んだ吉田光夫さん(64)。数えてみると35匹に達していた。「解禁日としてはいい方かな」。体長は平均18センチで、“おとり”に適した天然(遡上)アユも。「きれいでしょ。(背)ヒレが違う。これがかかった時の引きがたまらない」と心を躍らせた。栗林町に知り合いがいる縁で解禁日には毎年、道々橋下流で釣りを楽しむ。周辺に木々がなく、釣りやすいという。「鵜住居川にはシーズン中、10回は来るかな。8月になると(アユが)また大きくなって面白い」。釣ったアユは経営する居酒屋でも振る舞い、甲子川協力金への募金も呼びかけているそう。
 
道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

 
“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

 
 「天然アユが3割ぐらいかな」と同漁協の藤原信孝事務局長。昨年は特に、産卵時期の9月半ばから10月にかけて魚影が多く見られ、産卵場所には異常なくらい(産卵後のアユを狙う)シロサギが群がっていたという。「産卵アユの多さは翌年の天然アユ遡上につながる。今日、釣れている魚を見ると例年より天然ものが多い。泳ぎのスピードが速い天然アユは釣りの醍醐味(だいごみ)になるので、うれしい傾向」と喜びを表す。これから夏本番を迎え、気温、水温がさらに上がればアユも成長。「8月には24~25センチぐらいになる。ぜひ、多くの皆さんに足を運んでほしい」と期待を寄せる。
 
道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

 
立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

 
 鵜住居川での釣りには組合員証か遊漁券の携帯を。同漁協の遊漁券は年券7000円、日券1500円。遊漁券は市内釣具店や流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所、スマホアプリ「フィッシュパス」で購入できる。

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釜石市新庁舎が完成 「夢と希望を持てるまちに」市民有志、絵画寄贈 見学会も

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

 
 釜石市が天神町に整備していた新庁舎が6月30日に完成した。これに合わせ、市民有志が新庁舎に飾ってもらおうと寄付金を募って購入した絵画「釜石の四季」の贈呈・除幕式が、新庁舎1階の市民交流の場「みんなのホール」であった。同日は市民向けの見学会も。明るい彩りの絵画がお出迎えをし、さっそく来庁した人たちの目を楽しませた。落成は7月25日。新庁舎での業務開始は9月24日を予定する。
 
 釜石の四季は縦1メートル、横6メートルのアクリル画。大きくて明るい太陽と穏やかに光を放つ月に見守られる街の風景を表現した作品で、タイ・バンコク在住の画家、阿部恭子さん(59)が制作した。東日本大震災後、子どもたちの笑顔のためにと甲子町につくられた「こすもす公園」に隣接する工場の外壁に描かれた「希望の壁画」を手がけており、制作のため通う中で出会った人々、見つめた春夏秋冬の景色を散りばめたという。桜並木、SL、虎舞、柿の木、曳(ひ)き船…。描かれている“釜石っぽさ”を見つける楽しさもある一作だ。
 
「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

 
人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

 
 公園をつくった藤井了さん(80)は、壁画が多くの人に希望を与えたのを実感。数年後に制作された釜石の四季を目にした際に「釜石の宝ものに」と思ったという。掲示する場所は「新しい市庁舎がぴったり」と考え、購入を模索。釜石ロータリークラブや釜石リアスライオンズクラブなどに呼びかけ、実行委員会を立ち上げて購入資金などに充てるため寄付金を募った。
 
 藤井さんが実行委員長となり、昨年3月から今年4月末まで活動。市内外の313人、70の企業・団体から目標の440万円を上回る502万円余りが集まった。
 
「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

 
関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

 
 式には関係者約100人が参加。阿部さん、藤井さん、小野共市長ら12人で除幕した。かまいしこども園の園児による「ちびっこ虎舞」が元気に舞い飛び、良き日を祝福。小野市長は「大切な財産として未来に継承する」とし、実行委、阿部さん、協力団体に感謝状を贈った。
 
左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

(左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

 
 阿部さんは「釜石に通う中で見つけた景色、まちの力強さ、共に過ごしたあたたかな人たち、そして未来への希望を描いた。これからも釜石の絵を描き続けたい」と話した。藤井さんは「目を引く明るさに元気が出るような作品。多くの方に夢や希望をもたらす絵になってほしい」と願った。
 
釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

 
 見学会には約90人が参加。鉄筋コンクリート造り4階建て(延べ床面積は約8000平方メートル)の庁舎の各課窓口、市長室、議場を見て回った。近くに建つ災害公営住宅(復興住宅)で暮らす80代の夫婦は工事の様子を見守ってきたことから「完成を楽しみにしていた」と訪れ、「立派だね」「明るくていいね」と感想を口にした。
 
スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学

スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学
 
市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

 
 庁舎は、災害時に避難所としても活用される。4階の大会議室を中心に共有スペースなどを含めて約3000人の受け入れを想定。「最近、地震が多いから心配でね。事前に見ておきたくて」と話していた浜町の男性は、避難場所から移動にかかる時間を確かめる機会にもした。
 
 市内に分散(現在は8カ所)する保健福祉や教育などの部署が一部を除いて集約され、市民や来庁者にとって利便性は向上するはずだ。甲子町の瀬川容子さん(92)、平田の川﨑陽子さん(87)は「今まではあちこちに行って手続きをしていたから、1カ所で済むのは便利になると思う。エレベーターがあるのもいい」と歓迎。ともに元市職員で「すてきな建物。環境もいいところで働けるのね」と現職員をうらやましがり、「張り切って仕事をしてほしい。案内をしっかり、いいサービスを」と期待を込めた。

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市道松倉堤防線 視界良好に! 釜石大槌の建設業青年部が3年連続の草刈り奉仕 通行の安全確保へ

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

 
 一般社団法人岩手県建設業協会釜石支部青年部(小澤二郎部会長、27社)は1日、地域貢献活動として、釜石市甲子町の市道松倉堤防線の草刈りを行った。同所での活動は3年連続。初夏を迎え、路肩の草が生い茂る季節。車両通行や歩行に支障が出ないようにと、会員企業の社員らが約3時間にわたって汗を流した。
 
 同青年部は釜石市と大槌町の建設会社で働く、おおむね50歳以下の人たちで組織。この日の活動には、日頃から業務で関わりのある協賛会社の社員を含む33人が参加した。活動開始にあたり小澤部会長(46)=小澤組代表取締役社長=が「今年度の青年部活動は今日がスタート。作業場所は道幅が狭く車両通行が多いので、交通安全に気を付けて。熱中症対策も忘れずに」と呼びかけた。
 
作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

 
準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

 
草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

 
 草刈りを行うのは甲子川沿いを走る同市道約2.5キロの区間。住民の生活道路、釜石高生の通学路として利用されているほか、春には桜並木を愛でる花見客、夏から秋にかけてはアユ釣り客が訪れる場所だ。参加者は4班に分かれ、割り当てられた区間に散らばった。車道の両側には伸び放題の草が生い茂り、川側は路肩の境界が分かりづらい状態。参加者は草刈り機で作業し、道路に散らばった草もよけて景観にも配慮した。
 
甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

 
建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

 
道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

 
 会員には自治体から委託を受け、道路維持管理業務にあたる社も。県道や町道の作業を請け負う小松組(大槌町)の小松康朗代表取締役社長(38)は「今の時期、道路沿いの草刈りは欠かせない。夏にかけ、さらに伸びると視界が悪くなってしまうので」とその必要性を十分に認識。同活動にも毎年参加しており、「住民の皆さんの安全通行に役立てば。このような活動が業界のイメージアップにもつながれば」と作業に精を出した。
 
 同青年部が長年続ける地域貢献活動は年に数回実施。草刈り作業のほか、県や市が主催するイベントへの協力、小中学校に出向いての重機体験などの出前授業を継続している。小澤部会長は「建設業は地域に関わる仕事。青年部活動を通じて建設業への理解を深めてもらうとともに存在意義も知ってもらえれば」と期待する。

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釜石でゼミ合宿 東海大観光学部の学生 潮風トレイルで自然体感 地域活性化へ取り組み探る

釜石市の箱崎半島で自然を体感する東海大学の学生たち=6月28日
 

釜石市の箱崎半島で自然を体感する東海大学の学生たち=6月28日

 
 釜石市で6月27日〜29日、東海大学観光学部の学生8人がゼミ合宿を行い、同市内にある「みちのく潮風トレイル」のコースの一つになっている箱崎半島を歩き、地域住民らと交流する中で、資源を生かした地域活性化について考えた。
 
 この合宿は、同学部講師の遠藤晃弘さん(45)=観光学=による遠藤ゼミが昨年から実施。今年も同市箱崎白浜地区の民泊施設「御箱崎の宿」を拠点に、3年のゼミ生が観光メニューのトレイル体験や住民との交流、聞き取り調査に取り組んだ。
 
 27日は、交流会で住民から地域の歴史や東日本大震災での被災、復興の歩みなどを聞いた。同市箱崎町内にある佐々栄商店も訪問。ハイカーと住民の交流拠点となりうる場所として、活用のアイデアを検討した。
 
「御箱崎の千畳敷」のトレッキングに挑んだゼミ生ら

「御箱崎の千畳敷」のトレッキングに挑んだゼミ生ら

 
 28日は、箱崎半島部のトレッキングを体験。潮風トレイルの本コースから外れているが、半島先端部に位置する岩石海岸「御箱崎の千畳敷」に足を延ばした。スタート地点の大沢遺跡駐車場から始まる散策路はアップダウンが続く険しいコース。半島突端の御箱崎灯台までの道のりには、地元住民が漁業繁栄や家内安全を祈願する御箱崎神社があり、学生らは「実は参道」ということを受け止めながら歩を進めた。
 
樹木が生い茂る森の中の散策路を歩く一行

樹木が生い茂る森の中の散策路を歩く一行

 
複数の赤鳥居をくぐり御箱崎神社を参拝。さらに進むと御箱崎灯台

複数の赤鳥居をくぐり御箱崎神社を参拝。さらに進むと御箱崎灯台

 
 半島先端部南側には断崖を下った先に、三陸ジオパークのジオサイトの一つにもなっている千畳敷が広がる。散策路からは崖伝いに急峻、極狭の遊歩道があるが、下りるには十分な注意が必要。学生らは体力、安全を考慮しつつ慎重に下って岩場に立った。
 
散策路から太平洋の絶景を眺め、千畳敷へ向かう学生たち

散策路から太平洋の絶景を眺め、千畳敷へ向かう学生たち

 
展望スポットでの眺めも圧巻。慎重に崖下へ。さらに岩場を進んだ

展望スポットでの眺めも圧巻。慎重に崖下へ。さらに岩場を進んだ

 
壮大な景色を体感する学生。達成感、充実感に笑顔を広げた

壮大な景色を体感する学生。達成感、充実感に笑顔を広げた

 
 見所は満載で、学生はトレイルの魅力を認識した一方で、課題も把握した。駐車場からの往復は約8キロと、なかなかの距離。千畳敷の荒々しい岩場は不安定な場所もある。また散策路は樹木が生い茂る森となっており、動物との遭遇など考えなければいけない要素が増えていることを確認。その上で、地域住民と国内外からのハイカーをつなぐアイデアをそれぞれが思考していた。
 
 トレッキングの後は、箱崎町の桑ノ浜地区に移動。町内会長の小西勝見さん(76)から震災前後の地区の変化、なりわいの漁業など話を聞いた。トレイルの話題では「リアス海岸の景観のすばらしさを生かした観光を歓迎する」と小西さん。ハイカーらしき人を見かける機会が増えていることも話した。
 
潮風トレイルについて感じていることを学生に伝えた小西勝見さん(左の写真)

潮風トレイルについて感じていることを学生に伝えた小西勝見さん(左の写真)

 
 住民は半島部を歩くことの大変さを分かっているが、「ハイカーは十分に理解していないのでは」と不安を口にした小西さん。外国人、一人歩きの人が多いのも心配し、「地域の事情、情報交換ができる立ち寄り場所を設けたらいいのでは」との考えを打ち明けた。そもそもハイカーが地元住民との交流を望んでいるのか、と学生に質問を投げかける場面もあった。
 
 観光を生かしたまちづくりや地域創生に関心が高いゼミ生の宮城侑里さん(20)は「ここでしかできないような体験を大切にしたい」と熱心に活動した。震災復興に取り組んだ住民の地域力、団結力に感心し、漁師と同じ目線となって地域を見つめることも実践。静岡市出身で、Uターンを必須として大学で深めている「地域に密着した観光」への学びをさらに掘り進めた。
 
 学生たちは魚さばき体験などのフィールドワークも展開。29日の活動報告会で気づいたことなどを住民らと共有した。
 
 同ゼミでは、10月に第2弾の合宿を予定。今回の活動を他のゼミ生にも伝え、潮風トレイルを通した地域活性化策を探る。箱崎半島区間はトレイルの中では「難所」と言われるというが、その魅力を多くのハイカーに届け、受け入れる地域の機運醸成にもつながる形を検討。再来する秋にトレイルイベント開催を目指しており、企画立案にも取り組む。
 
学生を見守る東海大講師の遠藤晃弘さん(左)、かまいしDMCの平澤果鈴さん

学生を見守る東海大講師の遠藤晃弘さん(左)、かまいしDMCの平澤果鈴さん

 
 合宿の受け入れは、地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが担った。スタッフの平澤果鈴さん(25)が同ゼミの出身で、後輩たちに実践的な学びを提供できると提案。遠藤さんによると、同学部の学生の半数は観光業界を志望するが、希望に沿った道に進むのは難しいのが現状だという。その中で、同法人は草分け的な事業を展開し全国から注目されていることもあり、学生がその取り組みにじかに触れてもらう好機と捉えた。
 
 遠藤さんは「ここはいろんなチャレンジができる学びのフィールド。この小さな集落で若者たちがどんな観光の力を見いだし広げられるか、楽しみ。歩くという基本的なアクティビティで日ごろ活性化していないものを存分に動かしてほしい。五感を開放して」と、学生たちを見守った。平澤さんは「学生目線で新しい釜石PRを」と期待する。

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心躍らせ77歳 喜寿祝う同級会 釜石一中・1964年度卒業生 古里での集い「最後かな」

乾杯!喜寿同級会を楽しむ釜石一中の1964年度卒業生ら

乾杯!喜寿同級会を楽しむ釜石一中の1964年度卒業生ら

 
 2006年に学校統合で閉校した釜石市立釜石第一中学校の1964(昭和39)年度卒業生らによる「喜寿」記念同級会は6月28日、同市鵜住居町根浜の宿「宝来館」で開かれた。卒業生ら34人が出席。懐かしい顔ぶれとの再会に心を躍らせ、満77歳の節目にたくさんの笑顔の花を開かせた。
 
 喜寿を迎えるのは49(昭24)年から50(昭25)年に生まれた世代。相当する一中卒業生らが開いた同級会には、北は岩手県から南は神奈川県まで各地に散らばる同期の仲間が集った。
 
各地から古里に集った同級生はピースサインで集合写真に納まる

各地から古里に集った同級生はピースサインで集合写真に納まる

 
 開会にあたり病気や東日本大震災で亡くなった約70人に黙とうをささげ、校歌を斉唱。同級会を「やろう」と“熱いプッシュ”で働きかけをした葛西(旧姓・菊池)育子さん(76)=東京都江戸川区=が幹事を代表し、「皆さんの元気な顔を見ることができた。やっぱりやってよかった」とあいさつした。
 
 共に幹事を務め、幼なじみで“命の恩人”と話す木村(旧姓・渥美)美智子さん(76)=釜石市=との“あの頃”の秘話も紹介。葛西さんは「皆さんにもたくさんの思い出があるでしょう。きょうはそんな思い出話にたくさんの花を咲かせて、笑顔になってもらえたら幸いです」と思いを伝えた。
 
「♪太平洋の高潮の 寄せては返す矢の浦や~」。校歌で声を合わせる

「♪太平洋の高潮の 寄せては返す矢の浦や~」。校歌で声を合わせる

 
 元生徒会長の横塚孝さん(77)=東京都北区=の音頭で乾杯し、懇親に移った。「私の顔、分かる?白髪になったけど」「○○ちゃん!△△年ぶり」。そんな声をあちらこちらから上げながら、昔の中学時代に戻って思い出話や近況を報告し合った。幹事の今入大介さん(76)=釜石市=は「誰?という感じの人もいる。恥ずかしいことではないから、ちゃんと聞くこと。『誰ですか』とか『昔、好きだったよ』とかさ。勝手にやって」と呼びかけ、再会の場を盛り上げていた。
 
久しぶりの再会を喜び、グラスを合わせて笑顔を広げる

久しぶりの再会を喜び、グラスを合わせて笑顔を広げる

 
 出席者らが中学生のころは、釜石製鉄所の全盛時代。人口は9万1000人台を記録し、一中は多数の生徒が通うマンモス校だった。64年度卒業生は9クラスもあり、学年生徒数は400人超。古い木造校舎の教室で生徒らはひしめき合うように机を並べた。64年は東京五輪が開催された年で、都会と同じように釜石も人口、スポーツ、商業などあらゆる面で街ににぎやかさがあった。生徒たちも勉強、学校行事に一致団結して取り組み、「パワーがあった」。
 
「元気だった?」。懐かしい顔を発見して笑顔を重ねる

「元気だった?」。懐かしい顔を発見して笑顔を重ねる

 
 「古里に来るための機会。それと生存確認に」と言いながら、ほろ酔い気分で楽しんでいた主浜友季さん(76)=東京都稲城市=は「知らない顔もあるけど、話をすれば、あの頃に戻る」とにっこり。中学時代は勉強も部活動も「そこそこ」と話す一方、当時、世界を席巻していたビートルズに憧れて音楽にハマり、「新しい友達が広がっていったな」と青春時代に思いをはせた。
 
 その横でにこやかな笑みを浮かべていた佐々木剛さん(76)=東京都東大和市=は、小学時代からの友人。中学校では同じクラスになることはなかったが、現在も東京で時折、顔を合わせたりする仲だという。佐々木さんは「勉強が好きだった」と励んだ結果、教育者に。当時の恩師に理科への能力を認められたことが「子どもの好きなことを伸ばす」という自身の指導姿勢につながったと回想した。「そうだったんだ」とうなずく主浜さん。それぞれが持つ記憶を伝え合う機会にもなったようだ。
 
参加者は酒を酌み交わしながら話に興じ旧交を温めた

参加者は酒を酌み交わしながら話に興じ旧交を温めた

 
 同卒業生らが集まるのは、50歳、60歳、70歳に続き4回目。幹事で司会も務めた小池喜八郎さん(76)=神奈川県相模原市=は「私たちは団塊の世代のピーク。釜石にとって最高の時代を経験した。思い出もぎゅっと詰まっているから、顔を合わせると一気に若返る」と笑った。
 
 中学を卒業し60年余り。歳を重ね、喜寿の集まりを最後とすることにした。「次回は東京で」。そんな声が「自然に発生するかも」と、小池さんはひそかに考えている。古里で思いを共有、絆を再認識した仲間たち。地域単位の集まりなど形は変わろうとも、「元気で、また会おう」という気持ちは変わらないようだ。

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梅酒の原料に!青々としたウメの実を集荷 釜石地方梅栽培研究会 漬梅活用も進行

生産者が持ち込んだウメの実を計量する浜千鳥の社員ら

生産者が持ち込んだウメの実を計量する浜千鳥の社員ら

 
 釜石、大槌のウメ生産者や酒造会社、食品製造業者などでつくる釜石地方梅栽培研究会(前川訓章会長、33会員)は15日、本年度総会と集荷会を釜石市栗林町の砂子畑集会所さんあいセンターで開いた。今年は春先の開花期に気温が高く、ウメの生育は順調。梅酒の原料として地元の酒造会社浜千鳥(新里進社長)に提供しており、最終的な集荷量は約3トンを見込んでいる。
 
総会で情報交換しながら生産の安定化を図ることを確認した

総会で情報交換しながら生産の安定化を図ることを確認した

 
 総会には約20人が出席。事務局を務める浜千鳥によると、昨年度の青梅の集荷(期間:6月14日~7月10日)は2475キロで、前年度との比較では96%とほぼ同数だった。出荷者は13人。漬梅は1927キロ発生し、県内外で1072キロが再利用された。廃棄率は46%。会員の食品加工業、麻生三陸釜石工場(同市片岸町)でペースト状に加工し利用しているものの、全量を活用するには至っていない。研究会が「廃棄ゼロ」を目指す方針は変わらず、策を模索する。
 
 そうした中、昨年秋頃から会員の釜石振興開発(同市鈴子町)が「梅こうじ甘酒」(200グラム、税込み700円)を新たに発売。こうじ専門店(八幡平市)の甘酒と漬梅ペーストを組み合わせた一品で、漬梅特有の奥深い甘みと酸味、こうじが生み出す優しい味わいが売りだ。1.5倍~2倍に希釈し、冷たいドリンクとして楽しむのがお薦め。道の駅釜石仙人峠、特産店(シープラザ釜石2階)などで販売している。
 
釜石振興開発が販売する「梅こうじ甘酒」。夏場の熱中症対策にも「いい塩梅(あんばい)⁉」

釜石振興開発が販売する「梅こうじ甘酒」。夏場の熱中症対策にも「いい塩梅(あんばい)⁉」

 
 釜石振興開発の下川原繁夫さん(かまいし特産店店長)は「漬梅の消費につなげるのは、なかなか難しい。年に一つずつでも商品を開発したり、何かしら取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せた。
 
 役員改選もあり、前川会長(80)=栗林町、山崎元市副会長(76)=鵜住居町=が再選された。任期は2年。事業計画としては例年通り、来年1月にせん定や病害虫防除の講習会を開く。
 
丸々、青々。梅酒用に集荷された釜石市産のウメ

丸々、青々。梅酒用に集荷された釜石市産のウメ

 
 総会後はウメの実を集荷。丸々とした青緑の実でいっぱいになったかごが次々と軽ワゴン車に積み込まれた。この日、約70キロを持ち込んだ山崎副会長は「今年は雨が少なく生育が心配だったが、実りは順調」と感触を話す。昨年20本増やしたという鵜住居町の澤本昇太郎さん(73)は「(実が)つく木とつかない木があり、育てるのは本当に難しい。昨年は10キロだったが、それよりはよさそう」との見立て。浜千鳥では、こうした集荷を両市町で7月上旬まで続ける。
 
ウメの実の出来栄えを確かめる生産者「順調かな」

ウメの実の出来栄えを確かめる生産者「順調かな」

 
 ウメの実の収量はその年の気候のほか、地域によっても差がみられるようだ。降水量が平年よりやや少ないこともあってか、前川会長のほ場では実が大きくなる前に落下してしまったものも。自然相手の大変さに四苦八苦する。
 
 それでも前川会長は「育てたものを一手に買ってもらえるのは助かる」と話し、「できるうちは頑張る」と腕まくりする。遊休農地を活用した動きはみられるが、就農者の高齢化もあって進行度はゆっくりめ。「まずは現状維持。良いものをつくりながら、実の消費や活用についてみんなと知恵を出し合いたい」と先を見据えた。

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わいわい思い出づくり!閉校予定の釜石・白山小 統合前に深める 友達、地域との絆

じゃんけん列車」の遊びで交流を深める白山、平田小の児童たち=6月2日

「じゃんけん列車」の遊びで交流を深める白山、平田小の児童たち=6月2日

 
 2026年度末に閉校を予定している釜石市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童27人)で、同年代の友達や地域との新たな関係づくりにつながる取り組みが進められている。6月に行われた統合先の小学校との交流、地元の大先輩との触れ合い活動をのぞいてきた。
 

交流学習で仲良く 来春から通う平田小で

 
都道府県に関するクイズを楽しむ2校の4年生=6月2日

都道府県に関するクイズを楽しむ2校の4年生=6月2日

 
 76年の歴史を刻む白山小は、市が学校規模の適正化として平田小(同市平田町)と統合する計画を発表している。来年4月に統合されるのを前に、児童同士が顔を合わせ、スムーズな合流につなげることを目的に交流活動を計画。6月2日、白山小児童が平田小(布田貢校長、児童144人)を訪れて交流学習を楽しみ、仲良くなった。
 
 1年生から6年生までが学年ごとに分かれて活動。2時間目の授業と中休みを共に過ごした。1年生26人はじゃんけんの勝者を先頭に列をつくっていく遊びや好きなものを絵で描いたりしながら、自分のことを伝え合った。4年生36人はドッジボールで歓声を上げ、平田小児童が考えた都道府県クイズで頭を働かせながら共に学ぶ楽しさを味わった。
 
ボール遊びやお絵描きをしながら仲良くなる1年生

ボール遊びやお絵描きをしながら仲良くなる1年生

 
白山小の友達を歓迎して会話を楽しむ平田小の児童たち

白山小の友達を歓迎して会話を楽しむ平田小の児童たち

 
 平田小1年の久保梓さんは、就学前に一緒のこども園に通った白山小の佐々木洸慎さんと再会し大感激。そばで気にかけてくれる存在がいることを感じた佐々木さんは「うれしい」とうなずき、「ありがとう」と伝えていた。
 
 白山小4年の平野玄晟さんは「みんな優しかったし、話しやすかった。新しい友達ができた。来年からここで勉強したりするのが楽しみ」とワクワク感を漂わせた。相手が分かりやすいように伝えようと交流学習の準備を進めたと話す平田小の鎌田多(もあ)さんは「緊張したけど、一緒に体を動かしたりして楽しくなった。分からないことがあったら進んで教えたい」と心待ちにしていた。
 
大好きな友達との再会を喜ぶ顔もあったり

大好きな友達との再会を喜ぶ顔もあったり

 
「またなー」と約束をし合ったりする姿も

「またなー」と約束をし合ったりする姿も

 
 帰り際には「またなー」と声をかけ合い、ハイタッチする子どもらの姿も。次回の直接対面は9月を予定し、その間にはオンラインでの授業交流も続ける。5、6年生は修学旅行の日程や行き先が同じだったことから、交流の時間を設けて友好を深めた。
 
 子どもたちの明るい雰囲気を見守った両校の校長にも笑顔が伝ぱ。白山小の鈴木校長(56)は「少人数の学校だった子たちがスムーズに打ち解けられるか、正直不安もあったが、受け入れの準備を整えてくれていたのが感じられ、うれしかった。子どもたちにとっても互いに、いい意味で刺激になっただろう」と相好を崩した。平田小の布田校長(55)も「一緒になるという意識をつくる機会。平田の子たちが受け入れるという気持ちを持てたのも大きい成果」と実感を込めた。
 
「子どもたちのために」と力を合わせる白山小の鈴木慎校長(左)、平田小の布田貢校長

「子どもたちのために」と力を合わせる白山小の鈴木慎校長(左)、平田小の布田貢校長

 
 「子どもたちにとって、いい形の統合となるのが一番」。2人の校長は思いを同じくする。ともに大船渡で中学、高校時代、野球に打ち込んだ先輩後輩の間柄。「気心を知れる仲」「言いたいことを伝えられる関係」は今も変わらぬようで、両校で連携しながら新たな学校生活に向けた関係づくりを深めていく。
 

白山の好きなところは…「トークフォークダンス」で住民と語り合い

 
27のお題で、児童と大人がそれぞれ熱心に語り合った=6月15日

27のお題で、児童と大人がそれぞれ熱心に語り合った=6月15日

 
 白山小の児童と近隣住民が輪になって向かい合い、相手を変えながらお題を踏まえて語り合う「トークフォークダンス」という催しは15日、同校体育館であった。地域との関わりが深いのが特徴だったが、閉校により来春には対面活動はなくなる。そこで、地域に住む人同士として交流することで「仲良くなるきっかけに」と学校側が企画した。
 
 トークフォークダンスは、対面した人が1対1でそれぞれ1~2分間、お題をもとに語り合うのが定型スタイルという。この日は同校の全校児童27人と、60~80代の近隣住民21人に教職員が加わって向き合い、「休みの日に何をしているか」「宝物は」などのお題について答えを伝え合った。
 
懸命に伝え、話を聞いたり子どもたちの姿に大人の顔はほころぶ

懸命に伝え、話を聞いたり子どもたちの姿に大人の顔はほころぶ

 
 児童にとっては初対面という人も多く、初めは緊張した様子だったが、徐々に打ち解け、フォークダンスのように相手を変えて語り合うことを楽しんでいた。「白山小の好きなところ」というお題では「みんな仲良し」と子どもが答えると、「そうだね」と大人も同調。27個目のお題は「『ありがとう』を一番伝えたい人」についてだった。友達や家族といった声が多い中、「白山小」と返した子がいたようで、聞いた大人たちは感慨にふけった。
 
 5年の小山結凪さんは「いろんな話を聞けて楽しかった。地域の人との関わりをこれからも大事にしたい」とはにかんだ。同校のすぐそばで暮らす小原みよしさん(83)は「子どもたちから元気をもらっている。学校から聞こえる声、毎日見ていた姿が見えなくなると思うと、少し不安な気持ちになる。でも、きょうはいろいろと話せてうれしかった。みんなは変わらず、元気のもと」と目尻を下げた。
 
トークフォークダンスで世代を超えた語り合いを楽しんだ児童と地域の大人

トークフォークダンスで世代を超えた語り合いを楽しんだ児童と地域の大人

 
 閉校に向けた活動は今後も続く。各年代の卒業生の話を聞いて学校の歴史を振り返り、全校で取り組む遠足やマラソン大会などで学区内をめぐり改めて地元を知る機会にする。友達との絆、学校や地域への感謝を届ける学習発表会も予定。「最後の一年」も、「魅力ある白山小学校」を発信する。

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震災後の子ども支援 BS岩手連盟が報告書に 釜石第2団の末永正志さん 自費出版で関係先に寄贈

ボーイスカウト(BS)が行った東日本大震災の支援活動を報告書にまとめた日本BS岩手連盟前副連盟長の末永正志さん

ボーイスカウト(BS)が行った東日本大震災の支援活動を報告書にまとめた日本BS岩手連盟前副連盟長の末永正志さん

 
 東日本大震災後に子どもの遊び場などを提供し、心のケアに努めてきた日本ボーイスカウト(BS)岩手連盟(南部利文連盟長)は、県内で実施した活動を報告書にまとめ、このほど関係先に寄贈した。沿岸被災地での活動を主導した前副連盟長の末永正志さん(76、釜石市)が、震災15年を機に自費出版。災害時に対応が遅れがちな「子どもの心のケア・居場所づくり」が、将来にわたって効果的に進むようにとの願いが込められている。
 
 報告書は全36ページ。発災直後から復旧・復興期に至る支援活動について、末永さんが持つ資料を基に10年間の活動記録を掲載した。青少年の健全育成に取り組むBSは組織の横のつながりを生かし、発災直後から衣類や文房具、辞書などの支援物資を被災地に届ける活動を展開。地元で募金活動を継続し、長期にわたり被災地に支援金を届ける県連盟もあった。
 
震災から10年間のBSによる支援活動を写真やデータを交えて掲載した報告書

震災から10年間のBSによる支援活動を写真やデータを交えて掲載した報告書

 
BS埼玉県連盟は各地で募金活動を行い、被災3県の連盟に支援金を届けた。写真は2012年11月、釜石市で行われた贈呈式

BS埼玉県連盟は各地で募金活動を行い、被災3県の連盟に支援金を届けた。写真は2012年11月、釜石市で行われた贈呈式

 
 2011年夏、被災の悲しみを乗り越える一助となるようにと、被災地域から離れた県内陸部で野外キャンプを行う「アウトドアチャレンジ」事業がスタート。釜石、大槌両市町の小学4~6年生を対象に1泊2日の日程で、野外ゲームや乗馬、小動物との触れ合いなどを通じて心身のリフレッシュを図ってもらった。実施前には県実行委のメンバー、ボランティアの大学生らが臨床心理士や小児科医から“グリーフケア”を学ぶ事前研修も行い、受け入れ体制を整えた。BS日本連盟が主催した同キャンプは後に岩手連盟や県内の自然活動団体で組織する実行委に移管され、計10回行われた。
 
滝沢市で行ったグリーフケアキャンプ。自然と親しみながら心身のリフレッシュを図るプログラムが用意された=写真提供:末永正志さん

滝沢市で行ったグリーフケアキャンプ。自然と親しみながら心身のリフレッシュを図るプログラムが用意された=写真提供:末永正志さん

 
 沿岸被災地では釜石第2団が被災から2カ月後の5月に始動。仮設住宅に入居した人たちに花苗をプレゼントしたほか、津波被害を受けた釜石駅前の花壇に花苗を植える活動を行った。同年10月には遊び場を失った子どもたちのために、釜石市のシープラザ遊に「遊びの広場」を開設。BSが得意とする野外活動をアレンジしたさまざまな遊びを提供し、訪れた子どもたちが楽しい時間を過ごした。同広場は山田町や大槌町などでも開催され、2019年まで続けられた(計13回)。「子どもの心のケアはもちろんだが、私たちが一定時間子どもを預かることで、親たちは用足しや被災家屋の片づけなどができた。子どもの楽しそうな様子や笑顔を見られることは家族の喜びにもつながった」と末永さん。
 
釜石市のシープラザ遊に開設した「遊びの広場」。BS活動を生かした丸太切り(左上)、ツイストパンづくり(左下)、ツリークライミング(右)=2012、13年5月

釜石市のシープラザ遊に開設した「遊びの広場」。BS活動を生かした丸太切り(左上)、ツイストパンづくり(左下)、ツリークライミング(右)=2012、13年5月

 
竹馬などの昔遊びコーナーも。多くの子どもたちが遊びに夢中になった

竹馬などの昔遊びコーナーも。多くの子どもたちが遊びに夢中になった

 
 釜石第2団では震災津波で13世帯が被災。元団員1人が犠牲になった。末永さんも自宅や車を流されたが、BSの誓いにある「いつも他の人々を助けます」という率先援助の精神に突き動かされ、被災した子どもたちの支援活動に奔走してきた。その中で感じたのは、震災で負った心の傷の深さ。「発災直後は自分の気持ちを抑えておとなしくしていた子どもが、時間の経過とともに(ストレスなど)背負っているものを抱えきれなくなり、思いも寄らぬ行動や体調不良に陥るケースがあった」。災害時の心のケアの難しさ、継続的な支援の必要性を痛感する瞬間だった。
 
 近年、各地で多発する大規模災害。昨年10月、BS日本連盟は都道府県連盟に対し、「災害対応タスクチーム」に関する指針を出した。平時から人材確保や活用可能な資機材のリスト化、連絡網の整備を進め、災害発生時には被災状況の把握や発生規模に応じた対応の検討、応援受け入れなどをスムーズに行えるよう通達した。こうした背景もあり、末永さんは報告書作成を決断。「自分たちの経験を広く伝えることで、災害時の子ども支援がより良い形で進めば。国もようやく災害時の子どもの居場所づくりに取り組み始めた。国や自治体、災害ボランティア団体などにより早期にシステム化を図ってほしい」と願う。
 
支援への感謝を示し、報告書を「今後の参考にしてほしい」と話す末永正志さん。災害時の「子どもの居場所づくり」のシステム化を願う

支援への感謝を示し、報告書を「今後の参考にしてほしい」と話す末永正志さん。災害時の「子どもの居場所づくり」のシステム化を願う

 
 報告書は釜石第2団OBの印刷協力、末永さんの製本で140部を作成。支援を受けた他県連盟や各団体、自治体などに配布している。

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ホタル舞う里 復活願い 釜石・小川川の支流水路で餌のカワニナ放流 地道に、成果も

釜石市甲子町(中小川)に整備された水路にカワニナを放流する子どもたち

釜石市甲子町(中小川)に整備された水路にカワニナを放流する子どもたち

 
 釜石市の中小川町内会(佐々木正雪会長)は14日、ゲンジボタルの生息地を守ろうと地域を流れる小川川支流の水路で、餌となる巻き貝「カワニナ」の放流会を開いた。参加者は多くのホタルが舞ったかつての美しい風景の復活を願い、手分けして緩やかな流れの中に放った。
 
 小川川の支流から分岐させる形で、同町内会が旧小川小の敷地の一角に整備した水路で開催し、親子連れら約40人が参加した。かまいしホタル友の会の臼澤良一会長(77)がカワニナとホタルの生態や自然環境の重要性を説明。「どちらもきれいな水、土、空気、草がなければ育たない」と強調し、「1匹のホタルがいる。それは自然が残っていることで貴重なこと。地域の人たちが守る宝を一緒に大切にしてほしい」と呼びかけた。
 
放流の前に活動紹介やホタルの話を聞き、地域の歌で声を合わせた

放流の前に活動紹介やホタルの話を聞き、地域の歌で声を合わせた

 
参加者は中小川町内会の会員からカワニナを分けてもらい放流の準備

参加者は中小川町内会の会員からカワニナを分けてもらい放流の準備

 
 カワニナは、町内会の会員たちが事前に小川川上流で採集。子どもらは小さなバケツに入れてもらったカワニナを興味深そうに触ったり観察してから、約1800匹を澄んだ水の中に放った。
 
ホタルの餌なの?興味津々にカワニナを触る子どもたち

ホタルの餌なの?興味津々にカワニナを触る子どもたち

 
カワニナを放って観察。「ホタル、見られるといいね」

カワニナを放って観察。「ホタル、見られるといいね」

 
 生き物が好きな同市の小学生、澤田紡希さん(9)は友達に誘われて初めて参加した。「ここでホタルが見られることを知らなかった。カワニナを食べて増えたらいい。飛んでいるところを見に来たい」と期待。母の友紀さん(42)は「(ホタルが)どう成長し、光るのか、イメージができた。参加することで子どもたちが自然を大事にする気持ちを育んでくれたらいい」と目を細めた。
 
 放流会は5回目。同町内会によると、かつて小川川流域では走行中の車のフロントガラスに当たるほど無数のホタルが乱舞し、多くの見物客が訪れる「ホタルの里」として知られた。しかし、東日本大震災後は仮設住宅整備など環境変化の影響を受けたのか、ホタルの生息数が減少。カワニナ自体が減っていることも分かった。そこで、再び増やそうと地域ぐるみで活動を開始。佐々木会長(76)の自宅などでカワニナを繁殖し、小川川本流の通称「ワッカラ淵」と呼ばれる中流域で放流を続けてきた。
 
放流も採取も!参加者は生き物との触れ合いを楽しんだ

放流も採取も!参加者は生き物との触れ合いを楽しんだ

 
 この日の放流地について、地元では「ホタル水路」と呼ぶ人もいるとか。数年前からカワニナを放ち、湿地などで見られるショウブやクリンソウなども持ち込み、ホタルが生育しやすい環境づくりに力を注ぐ。そのかいもあってか、6月下旬頃からホタルが見せる淡い光を確認することができ、その数は「年々増えている」と住民らは声をそろえる。
 
 佐々木会長は「人の生活の近くで見られるのは珍しい」と、地道な活動の確かな手応えを仲間と共有する。放流会に子どもが多く参加してくれたとうれしそうに話し、「震災前の光景を復活させたい。ホタルの里をもっと地域にしみ込ませ、みんなの取り組みとして絶やさずに続けたい」と望む。
 
カワニナを放流した水路(左)と並行して小川川の本流(右端)がある

カワニナを放流した水路(左)と並行して小川川の本流(右端)がある

 
 この水路では、想定外のヘイケボタルが出現しているのだとか。目当てのゲンジボタルは、水路に並行し流れる小川川本流で多く見られるという。ゲンジとヘイケ、2種の共演を楽しめる可能性も加わり、流域の魅力が向上。飛び方や光り方などの違いを話す佐々木会長は「両方をぜひ見に来て」とニヤリと笑った。
 
 ホタルの発光は例年6月下旬~7月上旬。イベントとして観察会は行っていないが、近くの住民が様子を見守る。7月5日には「ほたるの里まつり」を予定。地元芸能団体による歌や舞踊、しし踊りが披露され、餅まきも行う。