タグ別アーカイブ: 地域

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栗林小 最後の和山植樹 統合前の橋野小から引き継ぐ森林愛護少年団活動 40年の歴史刻む

橋野町和山にミズナラの苗を植える栗林小児童=5月29日

橋野町和山にミズナラの苗を植える栗林小児童=5月29日

 
 釜石市の栗林小(高橋昭英校長、児童26人)は5月29日、全校児童で結成する橋野森林愛護少年団の活動で、橋野町和山地区にミズナラの植樹を行った。2010年に同校と統合した橋野小の活動を引き継ぎ17年。本年度で閉校する栗林小にとって最後の植樹となった。同団活動は橋野小中時代から数えて丸40年。児童らは地域の先輩が続けてきた森を守る活動の大切さを改めて実感。将来にわたって豊かな森林が育まれるよう願いを込めながら丁寧に植え付けた。
 
 植樹活動に先立ち、学校の校庭では全校児童が参加して団総会が開かれた。藤原柚夏団長(児童会長、6年)は「植樹をすると森が守られるだけでなく、空気や水がきれいになる。森や山を大切にする気持ちを持とう」と呼びかけた。続いて団のスローガンを唱和。▽木や草と友だちになり、美しい山をつくろう▽樹木や小鳥をいたわり、楽しい森をつくろう▽街をきれいにし、みどり豊かなふるさとをつくろう―と声を合わせた。
 
全校児童が参加して開かれた橋野森林愛護少年団の総会。スカーフと帽子は団結成当初からのスタイル

全校児童が参加して開かれた橋野森林愛護少年団の総会。スカーフと帽子は団結成当初からのスタイル

 
藤原柚夏団長(右上)のあいさつの後、スローガンを唱和。「あすなろ」を歌って森を守る活動に意欲を高めた

藤原柚夏団長(右上)のあいさつの後、スローガンを唱和。「あすなろ」を歌って森を守る活動に意欲を高めた

 
スクールバスで植樹場所の和山へ。入り口付近には過去に先輩たちが植えた木が大きく育つ(左)

スクールバスで植樹場所の和山へ。入り口付近には過去に先輩たちが植えた木が大きく育つ(左)

 
 この後、3~6年生18人がスクールバスで和山の植樹場所に向かった。同校が毎年植樹を続けてきたエリアは、一般社団法人栗橋地域振興社(菊池録郎代表理事会長、旧栗橋牧野農業協同組合)が管理する市道沿いの土地。今回の植樹場所の周辺には、過去に児童が植樹したミズナラが人の背丈を優に超す大きさに育っている。
 
 今回植える約60センチ丈のミズナラ苗60本は、栗橋地区まちづくり会議(洞口政伸議長)が購入費用を支援。同校PTA父親部は事前に2回にわたって、植樹場所の下草刈りなど地ごしらえを行った。準備を整えた児童らは、釜石地方森林組合事業課課長補佐の加賀洋希さん(40)から苗木の植え方を教わり作業にとりかかった。2~3人が一組となり、穴を掘って苗木を配置。準備してきた新しい土を根元にかぶせ、倒れないよう周辺を踏み固めた。最後に根元に水をかけて完了。
 
PTA父親部と教職員が植樹のために事前に整備した場所。クマ対策を含め、周辺の下草刈りなどを行った

PTA父親部と教職員が植樹のために事前に整備した場所。クマ対策を含め、周辺の下草刈りなどを行った

 
スコップやくわで、根がしっかり入る深さまで穴を掘る

スコップやくわで、根がしっかり入る深さまで穴を掘る

 
穴に苗を配置し、根元に土をかけて踏み固める。落ち葉などが入らないように注意

穴に苗を配置し、根元に土をかけて踏み固める。落ち葉などが入らないように注意

 
 3年生は栗小生として最初で最後の植樹となった。葛西陽菜さんは「土が固くて大変だったけど、穴を掘るのは面白かった。植えた木が大きく育って森になるといいな」と期待。伊藤晴喜さんは「今年最後というのはちょっと嫌だけど…」と残念な気持ちをにじませつつ、「この場所だけでなく自然をいっぱいにしたい」と緑化活動への意欲を示した。
 
 一方、6年生にとっては小学校生活を締めくくる“最後”の植樹。佐々木貫汰さんは、森で育まれた土壌の栄養が川から海に流れ、海の環境も良くすることを知ってから「植樹をやりたいという気持ちが強くなった」と自身の変化を口にした。先輩たちが植えた木が順調に育っているのを目にし、「(活動の成果が見えて)うれしく思う。今日植えた木もすくすく元気に育ってほしい。将来、見に来たい」と望んだ。
 
掘り起こした土をほぐす。けっこうな固さに苦戦!

掘り起こした土をほぐす。けっこうな固さに苦戦!

 
みんなで協力して作業。最後は大人の人にも手伝ってもらいながら…

みんなで協力して作業。最後は大人の人にも手伝ってもらいながら…

 
風は強かったものの、最高の天気に恵まれた植樹日。青空と新緑がまぶしい和山

風は強かったものの、最高の天気に恵まれた植樹日。青空と新緑がまぶしい和山

 

 橋野森林愛護少年団は、1958(昭和33)年から学校林の造成、植林活動を続けてきた橋野小中学校で87(同62)年に発足した。団結成後は鵜住居川流域の水源管理に着目した和山へのミズナラ植樹を開始。児童生徒が取り組む緑化活動は内閣総理大臣賞を受賞するなど高い評価を受けてきた。2007(平成19)年に橋野中が釜石東中に統合、10(同22)年に橋野小が栗林小に統合され、団活動は栗林小に引き継がれた。
 
 「豊かな森は豊かな海をつくる―」。団総会では同校教諭から「山や海が豊かになると、私たちが食べるものも豊かになる。自然や命が巡り巡っていることを感じながら生活してほしい」との話もあった。植樹作業後、児童らは命をつなぐ森林や活動でお世話になった和山への感謝を込めて「ありがとうございました!」と元気な声を響かせた。
 
「大きく育て!」願いを込めて水をかける。数十年後の成長を楽しみに…

「大きく育て!」願いを込めて水をかける。数十年後の成長を楽しみに…

 
釜石地方森林組合も長年、同活動に協力。苗を持ち、植え方を説明する加賀洋希さん(右上)

釜石地方森林組合も長年、同活動に協力。苗を持ち、植え方を説明する加賀洋希さん(右上)

 
 植樹のアドバイスをしながら一緒に作業した森林組合の加賀さんは、地元の子どもたちが続けてきた活動に「森を大切にしようという気持ちが一番うれしい。樹木が大きくなるには50年ほどかかる。自分たちが植えた木がどう成長していくか、その過程を時々で見に来てもらえれば」と期待した。
 
 事前準備から植え付けまでサポートに尽力した同校PTA会長の藤原央さん(41)は、栗橋地域の子どもたちが代々受け継いできた活動を「今まで続けてこられたことは大きな財産だと思う」。この経験を糧に子どもたちには「植えた木に負けないぐらい立派に成長し、地元に貢献できるような大人になってほしい。閉校までの1年は一生の思い出となるような学校生活を送ってもらえれば」と願った。
 
栗小生として最後の植樹を終えた児童。ふるさとの山や森が豊かになることを願う

栗小生として最後の植樹を終えた児童。ふるさとの山や森が豊かになることを願う

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園児の居場所「お花でいっぱいに」 釜石・上中島こども園 笑顔咲く植栽を継続

「大きくなってね」と声をかけながら花に触れる上中島こども園の園児

「大きくなってね」と声をかけながら花に触れる上中島こども園の園児

 
 釜石市上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児31人)の園児たちは5月27日、花を植えたプランターで園舎の周りを彩る植栽活動に取り組んだ。「大きくな~れ」「かわいくな~れ」と声をかけながら作業。色とりどりの花が明るい色を添えた“居場所”が出来上がり、笑顔を広げた。
 
 「お花でいっぱいにしましょう」と呼びかける活動には、中妻町の造園会社「緑仁舎」(木村仁寿代表取締役)が協力。園児たちはラベンダーやブルーノート(宿根サルビア)、テルスター(四季咲きナデシコ)、スカビオサ(和名・マツムシソウ)など10数種の花苗から1人2つずつ選び、同社スタッフ(5人)や同園の教職員らにサポートしてもらいながら、プランターに植えていった。
 
どれにしようかな!たくさんの花苗から植えたいものをチョイス

どれにしようかな!たくさんの花苗から植えたいものをチョイス

 
緑仁舎のスタッフに教わりながら花を植える園児たち

緑仁舎のスタッフに教わりながら花を植える園児たち

 
 作業を見守る同社代表取締役の木村さん(46)は「寄せ植えはバランスが大事」とアドバイスした。植物は根から水を吸い上げて大きく成長することや、人と同じように「花にも心があって、人の手を通していろんなことを感じ取る」ことも紹介。植える際には「花に声をかけてほしい。喜んで、めちゃくちゃ大きくなるし、きれいな花を咲かせるから」と、成長の“秘密”を教えた。
 
「人と一緒。心がある」と花苗の説明をする木村仁寿さん

「人と一緒。心がある」と花苗の説明をする木村仁寿さん

 
色とりどりの花をプランターに寄せ植えする子どもたち

色とりどりの花をプランターに寄せ植えする子どもたち

 
 「大きくなって」と花に話しかけたという佐々木陸翔ちゃん(5)は「ピンク色の花がかわいかった」とうなずいた。「楽しかった。うまくできた」と無邪気な笑顔を見せたのは鈴木さくらちゃん(6)。みんなで植えたプランターの花が元気に育つよう「水をあげるー」とやる気も十分だった。
 
 同園では、植物を育てる活動を通じた食育を保育に取り入れる。この植栽は、木村さんの子どもが同園に通っていたのを縁に3年前から継続。楢山園長によると、子どもたちにとって生命の尊さ、植物や昆虫といった生き物に対する優しい心を育む機会になっている。加えて、大人にとっても気づきを得る好機で、木村さんが伝える「一つひとつに心がある」「話しかけたら成長する」などの言葉をかみしめながら子どもに接する。
 
花植えを教えてくれた緑仁舎のスタッフに園児はお礼のメダルをプレゼント

花植えを教えてくれた緑仁舎のスタッフに園児はお礼のメダルをプレゼント

 
「お花でいっぱい」と満足げに写真に納まる植栽活動の参加者

「お花でいっぱい」と満足げに写真に納まる植栽活動の参加者

 
 全国各地で同様の「花育」を展開する木村さん。花を育てることで「季節を感じてほしい」と願う。花が咲き終わった後、種を取り、またまいて育てるという「繰り返しを楽しむことで、植物を好きになってほしい」と期待も。釜石市内に花畑を作ろうと取り組んでいるようで、これからも“人”を楽しませる活動を続けていく。

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もうすぐ完成の釜石市新庁舎 小学生が現場見学 「建設業に興味を」工事関係者が企画

釜石市新庁舎の建設工事現場を見学した釜石小児童ら

釜石市新庁舎の建設工事現場を見学した釜石小児童ら

 
 6月末の完成を目指し建設が進む釜石市の新庁舎の工事現場見学会が5月26日、同市天神町の現地であり、釜石小(五安城正敏校長)の5、6年生24人が「広い」「明るい」などと歓声をあげながら興味深げに見入った。建築材料となるコンクリートを使ったものづくり体験も。工事現場で働く人と触れ合いながら、“つくる楽しさ”に触れた。
 
 見学会は施工する戸田・山﨑特定建設工事共同企業体(JV)が、子どもたちに建設現場の雰囲気、ものづくりの面白さを体感してもらおうと企画。建設業界の人材不足などもあることから、小さい頃から工事現場や働く人たちの姿をじかに見てもらい、将来一緒に働いたり、地域で活躍してほしいとの願いも込める。
 
 新庁舎は鉄骨コンクリート造り4階建てで整備中。児童らはJV関係者の先導で、4階の議場や3階の市長、副市長室などを見て回った。2階では吹き抜けとなる場所で解放的な雰囲気を体感。外から見た建物の全体像に「大きい」と驚いていた。
 
工事関係者の案内で整備中の施設内を見学する児童

工事関係者の案内で整備中の施設内を見学する児童

 
窓口がずらりと並んだフロアや市長室などを見て回った

窓口がずらりと並んだフロアや市長室などを見て回った

 
完成間近の新庁舎に期待感を高める子どもたち

完成間近の新庁舎に期待感を高める子どもたち

 
 1階のエントランスホールでは、ものづくりに挑戦した。セメントと水を混ぜたものを、猫や瓶、動物の足跡など思い思いの型に流し込み、20分ほど放置。固まったのを確認して型から取り出すと、コンクリートの置き物が出来上がった。
 
コンクリートを使ってものづくりに取り組む児童

コンクリートを使ってものづくりに取り組む児童

 
材料を混ぜて型に流し込み、固まったら型から取り出す

材料を混ぜて型に流し込み、固まったら型から取り出す

 
完成した作品を手に笑顔を見せる子どもたち

完成した作品を手に笑顔を見せる子どもたち

 
 作業を終えた子どもたちは疑問に思ったことを質問。工事などで使われる実際のコンクリートにはセメント、水のほかに骨材といわれる砂利や空気も含まれること、コンクリートが固まる時間は気温や水の量などによって異なることを知った。工事で1日に使うコンクリートの量を聞いた際、返ってきた答えにあった「リューベ」に児童は興味津々。建築現場などで一般的に使われる言葉で「立方メートル」を表していて、“現場風”を体感する時間にもなった。
 
 中村妃那さん(6年)はものづくり体験で、「液体がなんで固まるの?」と不思議がった。「混ぜる作業は急いでやらないといけなかったから難しかった」と話していたが、完成品に「いい感じ」と手応え。やり方を教えてくれた工事関係者が「優しかったから、やりやすかった」と感謝した。新しい庁舎は「広くて部屋が多いと思った。明るいのもいい。完成したらまた来たい」と笑顔を見せた。
 
ものづくり体験では児童と建設業界で働く人たちが触れ合った

ものづくり体験では児童と建設業界で働く人たちが触れ合った

 
子どもたちにものづくりの楽しさを伝えた小野寺莉乃さん(右)

子どもたちにものづくりの楽しさを伝えた小野寺莉乃さん(右)

 
 見学会とものづくり体験を担当した同JV現場事務担当の小野寺莉乃さん(27)=戸田建設=は「普段の生活で建設現場を見る機会は少ないから、どういう仕事か分からない部分が多いと思う。建物がどうやってできるのか、小さい頃から学んで、身近に感じてほしい」と思いを込めた。
 
 工期は残り1カ月となり、大詰めを迎える。小野寺さんによると、新庁舎は「集まれる」がひとつのコンセプト。「市職員の皆さんが働きやすく、市民の皆さんに喜んでもらえるよう、しっかりしたものをお届けしたい」と力を込めた。
 
 新庁舎は6月末に完成予定。順次、旧庁舎からの引っ越しを進め、9月24日に業務を始める方向だ。

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多彩なバラがお出迎え 甲子町「陽子の庭」11年目のオープンガーデン 高台の楽園で心躍るひとときを

早咲きのバラが咲き出した「陽子の庭」=甲子町洞泉、5月30日

早咲きのバラが咲き出した「陽子の庭」=甲子町洞泉、5月30日

 
 釜石市甲子町洞泉の私設ガーデン「陽子の庭」が、今年もバラの開花に合わせ一般公開している。菊池秀明さん(78)、陽子さん(79)夫妻が自宅周辺の傾斜地に手作りした庭は広さ約700坪。多彩な草木や花、自然石などで和洋の空間を生み出している園内は見どころ満載で、子どもから大人まで幅広い年代が楽しめる。同庭園の代名詞となっているバラは約160種に及び、今はちょうど早咲き種が見頃。10日まで見学できる。
 
見晴らし台まで続く遊歩道のほか、植え込み内に整備された小道を通ってさまざまな植物を観賞できる園内

見晴らし台まで続く遊歩道のほか、植え込み内に整備された小道を通ってさまざまな植物を観賞できる園内

 
 釜石を代表する庭園として市内外から訪れる人たちを魅了し続ける「陽子の庭」。1年の中で最も華やぐのが、バラの花が開花する5月から6月の時期だ。早咲き種は今年、5月27日ごろから一気に咲き始めた。園内の各エリアには棚やアーチ、塔に這わせた“つるバラ”が計60本ある。花が美しく見えるよう、秀明さんが毎年、巻き直しやせん定を繰り返しているが、これが特にも手間がかかる作業。例年1月中旬から2月にかけて行うが、今年は同時期に秀明さんの入院手術が重なり、退院後、体調を見ながらの作業で大変な苦労を伴った。
 
オープンガーデンで見学者を迎える菊池秀明さん(右)、陽子さん夫妻

オープンガーデンで見学者を迎える菊池秀明さん(右)、陽子さん夫妻

 
秀明さんが毎年手入れを欠かさないつるバラ。柵に這わせたものは一枚の絵画のよう

秀明さんが毎年手入れを欠かさないつるバラ。柵に這わせたものは一枚の絵画のよう

 
 園内には6年前に設けたバラ専用エリアがある。品種によって花の大きさや形、色が異なり、目にも鮮やかな空間が広がる。バラならではの香りも魅力の一つ。公開初日となった5月30日は青空が広がり、周辺の山々の新緑も相まって、得も言われぬ美しい光景を生み出した。訪れた人たちは感嘆の声を上げながら見学。深呼吸とともに香りも堪能し、身も心も癒やされた。
 
6年前に整備したバラ専用のエリア。さまざまな色の花が咲き誇り、来園者を楽しませる

6年前に整備したバラ専用のエリア。さまざまな色の花が咲き誇り、来園者を楽しませる

 
見頃を迎えたバラ。(左上から時計回りに)ゴールデンボーダー、プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント、ダブルノックアウト、ピース。根本に表示された品種名を見るのも面白い

見頃を迎えたバラ。(左上から時計回りに)ゴールデンボーダー、プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント、ダブルノックアウト、ピース。根本に表示された品種名を見るのも面白い

 
写真撮影も思わず夢中に…。でもやっぱり一番は肉眼で見るのがサイコー!

写真撮影も思わず夢中に…。でもやっぱり一番は肉眼で見るのがサイコー!

 
 宮古市の山内正子さん(65)は「台風が来る前に…」と、おばを誘って来園。自身は数年前に一度訪れたことがあり、「楽しみで道中、ウキウキでした」と笑った。花のボリュームや、せん定など行き届いた手入れに感心しながら、「素晴らしいですね。香りもいいし、気分が高揚する」と笑顔満開。庭を管理する菊池夫妻の行動力にも驚き、「こちらもパワーをもらって、明日の活力の糧になりそう」と声を弾ませた。
 
 30日は、甲子歌う会(坂本慶子会長)による合唱ミニコンサートも開かれた。会員15人がバラや季節にちなんだ歌を披露し、観客と一緒に歌う時間も設けた。同会の出演は今年で3年目となった。
 
花々に囲まれながらの合唱は会員にとっても至福のひととき。観客も声を重ね…

花々に囲まれながらの合唱は会員にとっても至福のひととき。観客も声を重ね…

 
園内では梅雨時期の象徴的な花、アヤメ類も開花(左)。見晴らし台からは釜石道や周辺の山並みを一望できる(右)

園内では梅雨時期の象徴的な花、アヤメ類も開花(左)。見晴らし台からは釜石道や周辺の山並みを一望できる(右)

 
 同庭園の公開は6月初旬の10日間を設定し、敷地入り口に受付を設けて対応してきたが、菊池夫妻や協力者の負担軽減を図るため、今年から期間中の土日以外は受付を置かず自由見学という形に変更した。「年を重ね、体力的に頑張りがきかなくなってきているのは事実。できるだけ継続していくためにも週末限定での対応にした」と菊池夫妻。この後5日までは自由見学期間。6、7両日はこれまで通り、受付を設けての対応とする。6日は釜石ベンチャーズ(エレキバンド)の演奏が午前11時からと午後1時から、7日は「わっか」文化箏、中村ひろみ箏教室の演奏が午前11時から予定されている。8~10日も自由見学可能。見学時間はいずれも午前9時~午後4時まで。

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地域の米づくり学び46年 白山小児童が最後の田植え学習 講師の藤井さん「名残惜しい」

白山小伝統の稲作学習で田植えに挑戦した児童=26日、上小川

白山小伝統の稲作学習で田植えに挑戦した児童=26日、上小川

 
 釜石市の白山小(鈴木慎校長、児童27人)の3~6年生21人は26日、同校伝統の稲作学習で田植えを行った。本年度で閉校する同校にとって最後の体験学習。長年、苗や体験の場を提供し、児童らの学習を支えてきた農家の藤井茂さん(86)も「名残惜しいなー」としみじみ。児童らは貴重な体験を心に刻み、秋の豊作を期待した。11月に予定する収穫祭では、餅つきをして同学習を締めくくる予定。
 
 同校児童の体験学習の場は甲子町上小川、日向ダム下流域で農業を営む藤井さんの田んぼ。嬉石町の学校からバスで訪れた児童らは田んぼに入る準備を整えた後、藤井さんや、藤井さんとともに同校の学習をサポートしてきた大船渡農業改良普及センターの職員2人にあいさつした。
 
 今年、児童らが植えるのは本県オリジナル水稲品種の「どんぴしゃり」。稲が倒れにくく、冷害や病気に強い品種だ。苗を分けてもらった児童らはあぜ道から泥田に足を踏み入れた。同センター地域指導課の高橋勇気技師から「苗を3~4本取って3本指で植え付けて。奥まで入れないと根が張りにくくなってしまうので丁寧に」とアドバイスを受けた。
 
一列に並び、田植え開始。泥の感触も楽しみながら…

一列に並び、田植え開始。泥の感触も楽しみながら…

 
苗が倒れないように植え付けはしっかりと。「お米がたくさんとれるといいな」

苗が倒れないように植え付けはしっかりと。「お米がたくさんとれるといいな」

 
 児童らは藤井さんが付けてくれたます目の線に沿って苗を植え付けていった。経験を積んできた5、6年生は手慣れた様子で、徐々にスピードアップ。初めての3年生は泥に足を取られながらも懸命に作業し、約4アールの田んぼは予定時間より早く青苗で埋まった。
 
あぜ道から放られた追加の苗をキャッチ。手植えの楽しみの一つ

あぜ道から放られた追加の苗をキャッチ。手植えの楽しみの一つ

 
5、6年生はさすがの腕前!?。きれいな列の青苗が並ぶ

5、6年生はさすがの腕前!?。きれいな列の青苗が並ぶ

 
 3年の佐々木那海さんは「泥から足を抜くのが大変だった。でも、植えるの楽しい」とにっこり。農家の苦労も感じた様子で、「お米を育ててくれる人たちの気持ちも考えて大切に食べたい」と話す。同校での最初で最後の田植え体験となったが、「機会があったら、またやってみたい」と望んだ。4年の松本航汰さんは「昨年以上に楽しくできた」と2年目の余裕!?。「今年で終わるのはやっぱり寂しい。もっとやりたいな」と残念な気持ちも。農業にも興味が湧いたようで、「お米を育ててみたい」と関心を示した。
 
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新緑がまぶしい山々に囲まれた田んぼ。写真左上に見えるのが日向ダム

 
 同校の稲作学習は1979(昭和54)年にスタート。学校敷地内に“白山水田”を設け、田植えから収穫まで一連の作業を体験してきた。水の管理などが難しくなり、現6年生が3年時に学習を始めた年から藤井さん所有の田んぼに体験の場を移した。藤井さんは同校が現在地に移転する前から学習に協力。最初は苗の提供だけだったが、後に講師として招かれるようになり、田植えや稲刈り、脱穀などの実技指導を行ってきた。
 
白山小の稲作学習を支えてきた藤井茂さん(手前右)。人生の約半分を同校に協力

白山小の稲作学習を支えてきた藤井茂さん(手前右)。人生の約半分を同校に協力

 
 「40年以上もよく務まったなあと思ってね。早いもんだ」と藤井さん。学校にあった田んぼでやっていた時は「実った米をスズメに食べられて収穫できなかった年も。田んぼの水は水道で確保していたので苦労した」と振り返る。それでも子どもたちとの触れ合いは自身の元気の源にもなっていたようで、育んできた絆を宝物にする。「統合した学校でもこの伝統を引き継いでくれたらいいがねぇ」。ちょっぴり期待しつつ、まずは今秋の収穫までの栽培管理に力を注ぎたい考え、
 
 同センターの高橋技師は「地元農家の理解と協力があって続けてこられたのだと思う。農家の減少が続く中、こういう機会を通じて農業に関心を持つ人が少しでも増えれば」と願った。
 
田んぼで見つけたアカハライモリ(写真右下)を観察。田植えでは水辺の生き物との出会いも

田んぼで見つけたアカハライモリ(写真右下)を観察。田植えでは水辺の生き物との出会いも

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サイズ、脂のり手応え 「釜石はまゆりサクラマス」今季初水揚げ 養殖事業で活性化

釜石湾で養殖されたサクラマスを水揚げする泉澤水産の社員

釜石湾で養殖されたサクラマスを水揚げする泉澤水産の社員

 
 釜石市東前町の泉澤水産(泉澤宏代表取締役)は25日、釜石湾で養殖する「釜石はまゆりサクラマス」を今季初めて水揚げした。サイズ、脂のりも「よし」とPR。昨季の1.5倍以上となる約400トンの生産を見込み、地元水産業の活性化につなげる。
 
 午前5時頃、湾内に設置したいけすから約3トンを積み込んだ漁船が同市魚河岸の市魚市場に到着。同社の社員ら約20人が水揚げと選別作業を手早く進めた。体長50~60センチ、平均の重さは2キロ未満で、1キロ当たり700~880円で取引。地元の水産加工業者、県内外のスーパーやすし店に流通する。
 
漁船から釜石市魚市場に水揚げする社員

漁船から釜石市魚市場に水揚げする社員

 
仕分け作業は自動重量選別機を使って効率化

仕分け作業は自動重量選別機を使って効率化

 
 この日は魚の大きさなどを確かめる“プレ出荷”としての水揚げで、本格的にスタートするのは6月に入ってから。水温などを考慮しながら7月後半まで20回程度を予定する。
 
 「去年よりサイズが少し大きい」と感触を話したのは同社代表取締役の泉澤さん(64)。今季はいけす2基に稚魚約28万尾を入れ、密度を高めて育てている。「投入時、200グラムに満たないものだったから少し心配したが、いい誤算。高水温を見越して早めに出荷としたが、思っていたより水温は低め。低水温だと餌を食べないが、今年は食べた」と、手探りながらも順調な成育ぶりにほっとした様子。3キロほどに成熟した魚体もあり、本格化するシーズンに期待を高める。
 
市場を活気づけた釜石湾産の「はまゆりサクラマス」

市場を活気づけた釜石湾産の「はまゆりサクラマス」

 
 試食会もあり、刺し身で味わった関係者らは「うまい」「いくらでも食べられる」と評価。「脂が身全体にのっているのに、さらりとした味わいが特徴。いい仕上がり」とうなずく泉澤さん。釜石地域では「ママス」の名でなじみのある日本の在来種のサクラマスに「希少性」を見いだし、増産を計画する。将来的には500トンを目指すとし、「知名度が高まり、ニーズが広がってくれたら。刺し身でも焼いてもうまいサクラマスを全国の皆さんに食べてほしい」と話した。
 
水揚げ後に開かれた養殖サクラマスの試食会。刺し身で味わう

水揚げ後に開かれた養殖サクラマスの試食会。刺し身で味わう

 
「いい仕上がり」とPRする泉澤代表取締役(左)、小野共市長(中)ら

「いい仕上がり」とPRする泉澤代表取締役(左)、小野共市長(中)ら

 
 同社は市、岩手大などとコンソーシアムを構成し、2020年から試験養殖を開始し、22年に事業化。種苗生産を自社で賄い、安全供給を実現する。環境負荷の小さい養殖業に与えられる国際認証(ASC)も取得。水産物の高付加価値化に取り組む。
 
 小野共市長は「近年の水揚げ量はかなり厳しいと認識。そうした中で海面養殖は釜石、岩手県の漁業に弾みをつけるものだ。全力で応援、バックアップしたい」と強調した。

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隣町からいち早く駆け付け民家延焼阻止 大槌町山林火災対応の釜石市消防団に日本消防協会から支援金

日本消防協会からの災害対策支援金の目録を釜石市消防団の菊池録郎団長(前列右)に手渡す岩手県消防協会の高橋信博会長(同左)

日本消防協会からの災害対策支援金の目録を釜石市消防団の菊池録郎団長(前列右)に手渡す岩手県消防協会の高橋信博会長(同左)

 
 4月22日に大槌町で発生した山林火災現場に駆け付け、消火活動に尽力した釜石市消防団(菊池録郎団長)に、公益財団法人日本消防協会(秋本敏文会長)から災害対策支援金100万円が贈られた。同火災対応の労をねぎらい、団活動を支援するのが目的。5月21日、同市鈴子町の釜石消防庁舎(釜石消防署)で交付式が行われた。
 
 同岩手県消防協会の高橋信博会長(日本消防協会理事、北上市消防団長)、上平久浩事務局長が来庁。釜石市消防団の菊池団長、佐藤秀富、佐々幸雄、岩﨑政夫3副団長が応対した。上平事務局長は、消火活動にあたった地元消防団への敬意と感謝、早期鎮火への願いを込めた日本協会秋本会長のメッセージを代読。高橋会長が菊池団長に支援金の目録を手渡した。
 
 大槌町小鎚、吉里吉里両地区で同日、発生した山林火災。2カ所目の吉里吉里での出火後、消火応援の要請を受けた隣町の釜石市消防団は、大槌に隣接する地域の第6分団(鵜住居町、片岸町など)が吉里吉里の現場に駆け付けた。さらに第7分団(栗林町、橋野町)も加勢し、大槌消防署、消防団とともに消火活動にあたった。現場は民家が近くにある場所で、住宅など建物への延焼を防ぐため、夜通し放水を続けた。
 
4月22日、大槌町吉里吉里地区に設けた現場本部で、消火活動の指示を受ける釜石市消防団の団員ら(写真提供:釜石消防署)

4月22日、大槌町吉里吉里地区に設けた現場本部で、消火活動の指示を受ける釜石市消防団の団員ら(写真提供:釜石消防署)

 
大槌町消防団とともに放水を行う釜石市の消防団員(写真提供:釜石市消防団第6分団)

大槌町消防団とともに放水を行う釜石市の消防団員(写真提供:釜石市消防団第6分団)

 
民家など建物への延焼を阻止するため、夜を徹して放水を続けた。第6分団は約70人が翌23日朝まで吉里吉里、赤浜地区で消火活動にあたった(写真提供:市消防団第6分団)

民家など建物への延焼を阻止するため、夜を徹して放水を続けた。第6分団は約70人が翌23日朝まで吉里吉里、赤浜地区で消火活動にあたった(写真提供:市消防団第6分団)

 
 翌日(4月23日)は第1~5分団が出動。火の勢いが増し、延焼が拡大する中、懸命な消火活動が続けられた。2日間で団員111人、消防車両18台が出動。県内の相互応援消防隊のほか、県外から緊急消防援助隊が続々と到着したことで、同市消防団は役目を終えた。
 
 菊池団長(74)は「風が強く延焼拡大の危険が迫る中、団員たちは必死に消火にあたった。近くの消火栓が使えず、離れた防火水槽から水を上げ、ホースを中継させるなど、水不足で苦労した。夜を徹して(延焼を)食い止めることで民家が守られたのは団としても誇りに思う」と団員の労をねぎらった。
 
20メートルのホースを何本もつなぎ、現場に水を送る(左)。燃え上がる炎で暗闇の中に浮かび上がる山林(右)。(写真提供:市消防団第6分団)

20メートルのホースを何本もつなぎ、現場に水を送る(左)。燃え上がる炎で暗闇の中に浮かび上がる山林(右)。(写真提供:市消防団第6分団)

 
支援金交付式の後、懇談する出席者。菊池団長らが当時の現場の状況を伝えた

支援金交付式の後、懇談する出席者。菊池団長らが当時の現場の状況を伝えた

 
 県協会の高橋会長(67)は「隣町という相互関係もあって、迅速な活動ができたことは県協会としても心強く思う。訓練も含め、日頃からの連携はとても大事」と話す。懇談では、昨年2月に大船渡市で発生した大規模山林火災の教訓がかなり生かされていることが話題となった。緊急援助隊にも大船渡での活動経験者が多数いたという。
 
 高橋会長と上平事務局長はこの日、釜石市から大槌町に向かい、大槌町消防団にも同額の支援金交付を行った。

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釜石地方森林組合「大槌町林野火災相談室」開設中 被災した山林所有者の不安軽減へ対応

大槌町の2地区で発生した林野火災の被災状況を話す釜石地方森林組合の高橋幸男参事

大槌町の2地区で発生した林野火災の被災状況を話す釜石地方森林組合の高橋幸男参事

 
 釜石市と大槌町の山林所有者が加入する釜石地方森林組合(野田武則代表理事組合長、組合員1616人)は、4月22日に大槌町で発生した林野火災への対応として、被災した所有者らの相談を受け付けている。同市片岸町の組合事務所に相談室を開設。所有林の復旧に向けた手続きや被災の有無など、組合が把握する情報を提供し、所有者の不安軽減につなげたいとしている。組合員以外の相談も受け付けており、「まずは電話で問い合わせを」と呼びかける。同組合の電話番号は0193・28・4244。
 
「大槌町林野火災相談室」を開設している釜石地方森林組合の事務所(釜石市片岸町)

「大槌町林野火災相談室」を開設している釜石地方森林組合の事務所(釜石市片岸町)

 
 大槌町の林野火災は、小鎚、吉里吉里の2地区で発生し、焼損面積は約1600ヘクタールに及ぶとみられる。これは昨年2月に本県大船渡市で発生した林野火災(3370ヘクタール)に次ぐ、平成以降で国内2番目の被害規模。同組合の高橋幸男参事によると、被災したエリアは全体でみると民有林(町有、私有など)が多いという。私有林は広葉樹が多く人工林率は低めだが、「吉里吉里地区では、収入になる伐採時期を迎えた木が多く焼け、伐採後、新たに植林したばかりの木も被害を受けた」。
 
火災で焼けた大槌町吉里吉里地区の山林。葉が茶色になった木々が見える

火災で焼けた大槌町吉里吉里地区の山林。葉が茶色になった木々が見える

 
焼けて幹が黒く焦げたスギ林=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

焼けて幹が黒く焦げたスギ林=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

 
地表部から上部まで火に包まれたとみられる木々も=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

地表部から上部まで火に包まれたとみられる木々も=小鎚地区(写真提供:釜石地方森林組合)

 
 民有林の復旧に向け、県、町、同組合は20日から焼損面積の確定や被災木(人工林)のデータ取得のための現地調査を始めた。期間は5月末までを見込む。高橋参事は「国土調査が終わっていないため、所有地の境界が明確でない場所がある。被災の有無や復旧の進め方など不安を抱える所有者のために、組合員に限らず、できるだけ相談に応じたい」と話す。
 
 組合による相談室は5月7日に設置。これまでに組合員以外の所有者を含め7件の相談があり、組合の保険手続きや復旧に対する助成の有無、「被災しているかもしれないが、どうすれば?」など、さまざまな相談が寄せられている。
 
組合では森林資源管理図(林相図)で被災した組合員らの特定を進めている

組合では森林資源管理図(林相図)で被災した組合員らの特定を進めている

 
 同火災が「局地激甚災害」指定を受けられれば、災害復旧事業に対する国の補助割合が通常より上乗せされる。高橋参事は「知らずに事業の申請が終わってしまうことのないよう、組合が知り得た情報は適時、所有者にお伝えしたい。正しく情報を得て考えをまとめ、方向性を決められるようなお手伝いができれば」と話す。今回の被災エリアは同組合員以外の所有が多いとみられる。被害規模が大きいため、復旧には長い期間を要するものと考えられ、組合では同災害指定の期限後も見据えた対応をしていく構え。「出前相談会」にも応じていて、希望する場合は組合に問い合わせてほしいとのこと。

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探る!一緒にできること 釜石市長と市民「ざっくばらんに」車座トーク 協働まちづくり推進

釜石市の小野共市長と市民が直接対話する「車座トーク」=19日

釜石市の小野共市長と市民が直接対話する「車座トーク」=19日

 
 釜石市は市民参加のまちづくりを推進するため、小野共市長が市民の声を直接聞く「市長と話そう!車座トーク」を始めた。19日夕、本庁地区(新浜町~駒木町)の住民を対象に初開催。住みやすい地域づくりを考える15人が参加し、困り事や解決へのアイデア、熱い思いを伝えた。小野市長は「地域の現状を知り、行政が一緒にできることは何かを考える時間になった」と好感触を実感。この日を皮切りに、7月まで各地区で順次開催する。
 
 車座トークは、小野市長の発案。「市民参加の協働によるまちづくり」を進めるため、地域に出向いて市民と対話し地域課題を把握するとともに、これからのまちづくりを考えるのを狙いにする。これまでも地域会議や市政懇談会など市民の意見を聞く機会は設けているが、開催に当たってはテーマが定まっている場合がほとんど。市の施策を伝えるのが主で、参加者からは「市長の考えをもっと聞きたい」などの声が寄せられていたという。小野市長も市民との距離を縮め「ざっくばらんに話したい」と考えており、車座トークを実践した。
 
 会場もこれまでとは違った場所を選んだ。初回は同市浜町にある企業の研修などを受け入れる人材育成拠点「ねまるポート」で開催。集まった市民に向かい、小野市長は、4月下旬に発生した大槌町の大規模山林火災への市職員派遣などの対応や、市長選で掲げた公約の実現に向けた動きを説明した。
 
市政のかじ取り役を担う小野市長が率直に思いを話す

市政のかじ取り役を担う小野市長が率直に思いを話す

 
 公約に関し▽県立釜石病院の新築とリハビリセンターの設置▽公共ふ頭の拡張▽三陸道釜石両石インターチェンジのフルインター化―の3点を挙げ、「地方の経済状況は厳しくなるが、付け焼き刃的ではない財政支援が必要。それは社会資本を整えること、商圏を拡大することだ」と強調。実現の手応えを得るもの、めどの見当も定まらないものもあるが、国や県などに対し繰り返し働きかける考えを明かした。
 
 市政への理解を深めてもらった後、「対話型まちづくり」に向けたトークがスタート。浜町や東前町の住民たちは高齢化する地域の状況を改めて伝えたうえで、2階にある集会所の利用のしやすさを考慮した修繕への支援、住民任せとなっている市有地の市による適正管理などを求めた。千鳥町で子育て世帯の居場所づくりに取り組む女性は市が進める子育て支援策の満足度を上げるための取り組みについて質問。子ども食堂の実施を検討していたり、空き家の活用のアイデアを出す人もいた。
 
「市長に会って直接話をしたかった」と思いを伝える参加者

「市長に会って直接話をしたかった」と思いを伝える参加者

 
 クマ出没に関し、追い払いのための爆竹使用に当たっての悩みを明かす人も。火花が散ることで山火事につながる可能性もあり、「代替策を教えて」と切実に訴えた。小野市長は、市街地への侵入を早期に察知するAI(人工知能)カメラを紹介。先行する花巻市の事例を調べているところだと話し、「クマ対策は県からの予算も付きやすい」と何かしらの手を打つ考えを示した。
 
 本町地区は東日本大震災の津波で被害を受けた地域。早めの生活再建にと地区外に転居した人もいて、「子どもたちの声が少なくなった。うるさいけど、やっぱり声があるのはいいね」と寂しそうに語り合う場面もあった。住み慣れた地区をよりよい地域にとできる範囲で取り組む浜町の50代女性は「地域の人がどんなことを話すか、興味本位で参加。人が集まればいろんな思いを聞けるし、要望できるのもいい」と歓迎した。
 
 トークが盛り上がり、予定時間を少し延長。小野市長は「(市政懇談会など)これまでとは違った顔ぶれ、発言していなかった皆さんが集まってくれた」と振り返り、「マイクを通した言葉ではなく、より近くで考えや思いを伝えられた。参加者同士、横断的なクロストークみたいになったのもよかった」と手応えを実感。「自分たちのまちを自分たちでつくり上げていくことを考える機会になったらいい」と、次の開催地へ気持ちを向けた。
 
「市民との距離を近く」「広く声を」と実施される車座トーク

「市民との距離を近く」「広く声を」と実施される車座トーク

 
 今後の車座トークの日程は次の通り。時間はいずれも午後6時~1時間程度。
【5月】
◆21日(木)中妻地区/昭和園クラブハウス◆26日(火)鵜住居地区/川目集会所◆29日(金)小佐野地区/上小川・中小川集会所
【6月】
◆1日(月)松原・平田地区/上平田集会所◆3日(水)栗橋地区/さんあいセンター◆30日(火)甲子地区/洞関地区コミュニティ消防センター
【7月】
◆3日(金)唐丹地区/本郷地区コミュニティ消防センター

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感謝、感動! 白山小76年の歴史胸に最後の運動会 閉校への1年を地域とともに…

白山小最後の運動会でかけがえのない思い出を作った27人の児童=16日 

白山小最後の運動会でかけがえのない思い出を作った27人の児童=16日

 
 釜石市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童27人)で16日、運動会が開かれた。本年度で閉校する同校にとって最後の運動会。児童と保護者、教職員、卒業生、地域住民…。これまで同校に関わってきた多くの人たちが集い、思い出いっぱいの校庭で各種種目を楽しんだ。この日に向け、競技や応援練習に一生懸命取り組んできた児童らは、その成果を存分に発揮。自分たちのひたむきな姿で、支えてくれる人たちへ感謝の気持ちを表した。
 
 開会式で鈴木校長は「最後の運動会をこの場所でできることを幸せに思い、全力で競技、応援をしよう。『ありがとう』『がんばってね』と相手を思いやる言葉がたくさん飛び交う運動会に」と児童らに呼びかけた。紅白各組団長の佐々木莉愛さん(6年、赤)、藤井望夢さん(同、白)は「届け感謝! 27人の絆で すてきな思い出を」との児童会スローガンを示し、「一人一人が全力で競技に挑み、仲間と協力し本気で戦い抜く」と宣誓した。
 
1年生2人が開会のことば(左上)。紅白各組の団長(6年)が宣誓した(右上)。校舎の窓には「ありがとう白山小学校」の文字が掲げられた

1年生2人が開会のことば(左上)。紅白各組の団長(6年)が宣誓した(右上)。校舎の窓には「ありがとう白山小学校」の文字が掲げられた

 
両団長が応援団旗を交換し、互いの健闘を誓うエールを送り合った

両団長が応援団旗を交換し、互いの健闘を誓うエールを送り合った

 
 紅白のエール交換のあと、12の種目がスタート。徒競走は1、2年生が50メートル、3、4年生が80メートル、5、6年生が100メートルで競った。最後の運動会の思い出にと、初めて挑んだのが紅白対抗の“全校大縄跳び”。制限時間内に何回跳べるかを2回戦の合計で競うもので、1~6年生全員が心を一つに飛び跳ねた。結果は赤組58回、白組60回で白組の勝ち。
 
徒競走は50(1・2年)、80(3・4年)、100(5・6年)メートルで競い合った

徒競走は50(1・2年)、80(3・4年)、100(5・6年)メートルで競い合った

 
みんなで息を合わせ、大縄跳びに挑戦する赤組児童

みんなで息を合わせ、大縄跳びに挑戦する赤組児童

 
白組も負けじとジャンプ! 最後まで頑張り抜き、大縄跳び対決を制した

白組も負けじとジャンプ! 最後まで頑張り抜き、大縄跳び対決を制した

 
 過去の運動会で行われていた種目“チャンスレース”の復刻版もあった。「スパイミッション2026」と銘打ったのは、仮装と借り物レースを組み合わせた競技。スタート後、4種の服装(1年生、スポーツ選手、アイドル、ハンター)のどれかに早着替え。本部に集まった全員に指令が出され、お題に合った人を会場から探し出し、一緒にゴールするものだ。本部からは「○○に変装して」という、さらなる着替え指令も…。お題が出されると、会場にいる人たちが「こっち、こっち」とアピールし、児童と手をつないでゴールに駆け込んだ。
 
「スパイミッション2026」。最初の早着替えの後は本部前で記念写真も(左上)。その後、ミッションスタート!

「スパイミッション2026」。最初の早着替えの後は本部前で記念写真も(左上)。その後、ミッションスタート!

 
サングラス(眼鏡)をかけている人、白山小の卒業生、アイドルのようにすてきなお母さん、釜石SWの選手のようにかっこいいお父さん…などお題はさまざま

サングラス(眼鏡)をかけている人、白山小の卒業生、アイドルのようにすてきなお母さん、釜石SWの選手のようにかっこいいお父さん…などお題はさまざま

 
会場の人たちの協力で全員が無事ゴール。にぎやかな種目となった

会場の人たちの協力で全員が無事ゴール。にぎやかな種目となった

 
 今回の運動会では、しばらく歌われていなかった紅白の応援歌を復活させ、児童らが練習を重ねてきた。2回の応援合戦で応援歌やエール、三三七拍子を披露。声や動きの大きさ、態度を3人の審査員が評価し、勝った組の小旗を挙げた。応援歌復活には、同校卒業生らも記憶のすり合わせなどで協力。当日は、懐かしさを感じながら聞き入る姿もあった。
 
 全校で取り組んだ「白山ソーラン」では半てん姿の児童らが躍動した。2008年、同運動会にソーランを導入し、今回、児童の指導にもあたった元教員の髙橋道明さん(64)も駆け付けた。PTAの綱引き、地域住民や卒業生が参加しての玉入れ、パン食い競走も大盛り上がり。児童らの声援を受けながら、幅広い年代が楽しんだ。最後の全校リレーでは、各組の陣地で児童の父母らが旗を振り全力応援。接戦のレースと相まって会場の熱気は最高潮に達した。
 
地元「松原神社」の名前が入った半てんなどを身にまとい、「白山ソーラン」の演舞

地元「松原神社」の名前が入った半てんなどを身にまとい、「白山ソーラン」の演舞

 
これまでの練習の成果を発揮し、ダイナミックに踊る児童

これまでの練習の成果を発揮し、ダイナミックに踊る児童

 
PTA競技「魂の綱引き」。子どもたちに負けず全力で!

PTA競技「魂の綱引き」。子どもたちに負けず全力で!

 
地域住民参加の玉入れ。相手組の“鬼”が棒の先端の大きな手で、玉が籠に入るのをじゃまする

地域住民参加の玉入れ。相手組の“鬼”が棒の先端の大きな手で、玉が籠に入るのをじゃまする

 
 両組とも持てる力を十二分に発揮した運動会。総合得点は赤組258点、白組247点で赤組が優勝。閉会式では、互いの頑張りをたたえ合い、会場に集まった全員が同校の絆と誇りを再認識した。川﨑仁遥児童会長(6年)は「長い歴史の最後の運動会をみんなで楽しく終えることができた。今日まで支えてくれた皆さん、そして、たくさん走って泣いて笑ったこの校庭にも『ありがとう』を伝えたい」と感謝の思いを口にした。
 
 伊藤來嬉さん(5年)、喜來さん(4年)兄弟は同じ赤組で優勝し、喜びを分かち合った。兄來嬉さんは「応援歌はかなり時間を使って覚えたのでしっかり歌えた。楽しかったのはチャンスレース。いっぱい思い出ができた」とにっこり。弟喜來さんは得意の徒競走で1位に。「(兄と)同じ組で優勝できてうれしい。みんなの力が集まって応援もすごかったから勝てたと思う」と振り返った。
 
心のバトンもつなぐ全校リレー。各組陣地では父母らが旗を振って応援

心のバトンもつなぐ全校リレー。各組陣地では父母らが旗を振って応援

 
リレーは最後まで接戦。果たして勝敗の行方は?

リレーは最後まで接戦。果たして勝敗の行方は?

 
 1951(昭和26)年開校の白山小は本年度で76年の歴史を刻む。学区内には3世代が同校出身、在籍という家族も。息子2人(1、2年)が同校に通う花川由希子さん(42)は自身の小学校時代の記憶を重ねつつ、「母校がなくなるのは本当に寂しい。でも、最後に親も地域の人たちも一緒に(運動会が)でき、やり切った感がある」と充実の表情。次男蓮さん(6)は新1年生2人で「開会のことば」を担当。「練習を頑張った」という通り、暗唱で堂々の開会宣言をした。由希子さんの父與志樹さん(77)は55(昭30)年度の入学。市の人口増加期で「1学級40人、1学年3学級の時代」。運動会では地区対抗の種目があり、「あれが一番盛り上がった」と懐かしむ。閉校は「何とも言えない気持ち」と複雑な思いをにじませるが、残り1年、継続してきた児童の登下校の見守り活動で貢献していきたい考え。
 
 運動会にはさまざまな年代の卒業生も多数集まった。大平中1年の阿部琉芯さん(12)は「統合になるのは少し悲しい」と残念がるも、母校最後の運動会を盛り上げようと同級生らと足を運んだ。3種目に参加し、応援でも後輩たちを後押し。「みんな頑張っている。最後の1年、いろいろなことに挑戦し楽しんでほしい」とエールを送った。
 
卒業生も多数駆け付けた。“白山小愛”あふれる仲間たち

卒業生も多数駆け付けた。“白山小愛”あふれる仲間たち

 
校舎前には県キッチンカー協会から飲食の4台が出店。さまざまなメニューを味わいながら運動会の余韻に浸った

校舎前には県キッチンカー協会から飲食の4台が出店。さまざまなメニューを味わいながら運動会の余韻に浸った

 
 本年度、PTA会長を務める川﨑秀樹さん(40)は「子どもたちはいつもとは違う1年であることを自覚しつつ、各種活動に取り組んでいる。閉校自体は寂しいが、むしろ『こういう1年があって良かった』と(後で)思えるぐらい、楽しく充実した時を過ごしてほしい」と願う。自身も白山小出身。今回、運動会準備のため、同級生はじめOBと連絡を取り合う中で、母校への強い思いを改めて感じた。呼びかけに応え、当日、会に参加してくれた人たちもいたという。釜石を離れている同級生らにはグループLINEで運動会の様子をリアルタイムで伝え、喜ばれたとも。今後の閉校に向けた行事にも地域住民や出身者らの協力を得て取り組んでいきたいと望んだ。
 
輝く笑顔が見られた白山小運動会。思い出は一人一人の脳裏に刻まれる

輝く笑顔が見られた白山小運動会。思い出は一人一人の脳裏に刻まれる

 
 閉会式で「白山小の“閉校物語”はまだまだ続く。みんなで最高の1年にしていこう」と呼びかけた鈴木校長。校舎に掲げた「ありがとう 白山小学校」の言葉を胸に、同校最後の1年が動き出した。

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酒造り支える田んぼ(大槌)で挑戦 釜石・浜千鳥の体験塾 親子ら、田植えに歓声

浜千鳥酒造り体験塾で田植えに取り組む参加者

浜千鳥酒造り体験塾で田植えに取り組む参加者

 
 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は17日、大槌町大槌の田んぼで田植え体験会を開いた。地元の釜石や大槌のほか、盛岡、宮古、東京など岩手県内外から親子連れや学生ら約120人が参加。ぬかるむ泥の感触を楽しみつつ、酒造りの一端に触れた。
 
 体験の場は、同社に酒米を提供する佐々木重吾さん(69)の田んぼ(約7アール)。晴天の下、大人も子どもも泥まみれになりながら、酒米「吟ぎんが」の苗を横一列で手植えしていった。
 
参加者は横一列に並んで吟ぎんがの苗を植え付けた

参加者は横一列に並んで吟ぎんがの苗を植え付けた

 
 初めて体験した子どもたちは「気持ちいい」「ふにゅふにゅしてる」「ちょっとぬるい」などと、はしゃぎながら作業。大船渡市の小学生廣田千佳さん(8)は「天気がよくて気持ちいい。成長が楽しみ。おいしいお米ができたらいいな」とはにかんだ。父親の将さん(38)は「泥に触れる機会はめったになく、子どもたちの思い出になればと参加。人と触れる場でもあり、ずっと続いてほしい取り組み」と目を細めた。
 
青々とした苗を手に笑顔を見せる家族連れ

青々とした苗を手に笑顔を見せる家族連れ

 
幅広い世代が集結。苗の手植えに挑戦した

幅広い世代が集結。苗の手植えに挑戦した

 
子どもも大人も泥だらけになりながら作業を楽しむ

子どもも大人も泥だらけになりながら作業を楽しむ

 
 苗ができるだけ等間隔になるよう、スタッフが張ったロープに沿って植え付けるといった工夫も。釜石市内の銀行に勤める行員の佐藤碩人さん(24)は昨年に続いて2回目の参加で、「作業の大変さ、工夫あっての田植えを体験できるいい機会」と心地よい汗を流した。実は、日本酒に苦手意識があるというが、「浜千鳥は飲みやすい」とニヤリ。酒造りの一工程に携わったことで「より一層おいしく飲めそう」と心待ちにした。
 
 岩手大の学生団体「いわてi-Sakeプロジェクト」のメンバー5人も力を発揮した。農学部1年の桑野陽菜さん(19)、伊藤月野さん(18)は農業、米作りに関心があり、さらに酒造りの流れを知りたいと参加。「中腰の作業は腰が痛くなるし、泥に足をとられて大変だった。幅広い年代の人たちと関わりながら作業ができて楽しかった」と爽やかな笑顔を重ねた。それぞれ神奈川県横浜市、秋田県鹿角市の出身で、「いろんなことに挑戦したい」とあふれる意欲も共通。酒をたしなむのはまだ先だが、「いつか味わってみたい」と楽しみを残した。
 
手植えの大変さを実感。ひと休みして腰の筋肉を伸ばしたり

手植えの大変さを実感。ひと休みして腰の筋肉を伸ばしたり

 
力を合わせて7アールの田んぼに酒米の苗を植え付けた参加者

力を合わせて7アールの田んぼに酒米の苗を植え付けた参加者

 
 佐々木さんが会長を務める大槌酒米研究会では今年、6個人1法人が同社に供給する吟ぎんがを栽培。体験会の田んぼを含めて約20ヘクタールに作付けした。昨年より5日ほど早く進行。苗の出来もよく、「根づきが早いかも」との見立てだ。一方、今後の天候が読めない状況は例年通りのようで、佐々木さんは「やってみないと分からない」と笑う。
 
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苗の植え方を伝える佐々木重吾さん(右)。体験を通して農業や米作りへの理解が深まるのを願う

 
作業の安全や豊作を祈り行われた神事。新里進社長(右上)らが玉串をささげた

作業の安全や豊作を祈り行われた神事。新里進社長(右上)らが玉串をささげた

 
 地産地消の酒造りを目指す同社では、同研究会が栽培する吟ぎんがを使い「ゆめほなみ」などを醸造。今では同社が使うコメの半数を占める。そうした取り組みを理解してもらおうと、「酒造り体験塾」を展開。今後は稲刈りや仕込み体験も予定する。
 
 新里社長(68)は多世代の関わりについて「若い人のアルコール離れがある中で、日本の文化を見直す機会になるのでは。心強い。日本酒への親しみも感じてもらえるといい」と歓迎。「いい酒を届けたい」。これから始まる酒造りに腕まくりする。

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ゆる~く満喫!?音楽×キャンプ×脱炭素 釜石・根浜で環境配慮型イベント

根浜シーサイドキャンプ場で開かれたライブイベント

根浜シーサイドキャンプ場で開かれたライブイベント

 
 釜石市鵜住居町の根浜海岸にある観光施設「根浜シーサイド」のキャンプ場で10日、環境配慮型音楽イベント「NEBAMA MUSIC JAM ~脱炭素ライブ」が初開催された。釜石、大槌を中心に活動するバンド4組が出演。ライブで使用するアンプなど音響機材の電力供給には廃食油から精製されたバイオディーゼル燃料を採用し、CO2排出量削減に努めながら未来につながる取り組みに挑戦した。
 
 キャンプ場フリーサイトに、廃材を活用したステージがお目見え。50年近く活動するジャズバンド「トライデント」、アコースティックバンド「ブラック★かまリンズ」などジャンルを超えて独自に演奏活動を楽しむ地元ミュージシャンたちが熱い思いを音に乗せて聴かせた。
 
心地よいジャズの音色を響かせた「トライデント」

心地よいジャズの音色を響かせた「トライデント」

 
楽しい音を重ね合わせた「ブラック★かまリンズ」

楽しい音を重ね合わせた「ブラック★かまリンズ」

 
出演者も観客も開放的な空間で音楽を楽しむ

出演者も観客も開放的な空間で音楽を楽しむ

 
 来場者はリズムに乗って体を揺らし、歌ったり、手拍子を加えたりしながら楽しんだ。飲食もあり、ノンアルコール飲料を片手に耳を澄ます人も。テントを張って、楽な姿勢でゆったりとした時間を過ごす姿も見られた。
 
 小川町の団体職員新張英明さん(72)は「海が目の前に広がる根浜は夏のイメージだが、新緑を背景にした春も楽しめると思っていた。開放的で音楽を楽しむのにいい」と歓迎。自身もギターをたしなみ、「(出演者は)みんな仲間だから。次があれば、一緒にステージに立ちたいな」と笑顔を見せた。
 
野外で、芝生に座って、テントでゆったりと思い思いに楽しむ

野外で、芝生に座って、テントでゆったりと思い思いに楽しむ

 
 大槌町を拠点とするロックバンド「ムーミンズ」はイーグルスの「テイク・イット・イージー」や、東日本大震災をモチーフにしたオリジナル曲「幻の街にあの娘が」などを披露。バンドマスター(リーダー)の赤﨑潤さん(61)は「ちょっと風が強かったけど、ロケーションがよく、気持ちいい演奏ができた。天気もよくて、ピクニック気分を味わえた」と、サングラスの奥から満ち足りた雰囲気をのぞかせた。
 
春の日差しを浴びながらの演奏を楽しむ「ムーミンズ」

春の日差しを浴びながらの演奏を楽しむ「ムーミンズ」

 
他バントとの協演で熱唱する赤﨑潤さん(右から2人目)

他バントとの協演で熱唱する赤﨑潤さん(右から2人目)

 
 イベント出演の少し前に大槌で山林火災が発生した際、多くの人から心を寄せてもらったと感謝の気持ちも込めて演奏した赤﨑さん。「こうした空間で仲間と集える機会がずっと続くといい」。自身が営む喫茶店「夢宇民(ムーミン)」に集う、70年代の洋楽を愛するメンバーと結成したバンドの活動へ意欲を深めた。
 
大槌町林野火災支援の募金や飲食の販売、子どもの遊び場も用意 width=

大槌町林野火災支援の募金や飲食の販売、子どもの遊び場も用意

 
 キャンプ場で音出ししよう―。この呼びかけが、音楽イベント開催のきっかけとなった。“言い出しっぺ”は、軽音楽バンド「ザ・クロコダイル・ティアーズ」のドラマー木下義則さん(60)。「青空の下で、飲み会をやろうと思った。ミュージシャンだから合間に好きな曲演奏しながら」と、当初は仲間内で楽しむつもりだった。
 
エネルギッシュな演奏で魅せた「ザ・クロコダイル・ティアーズ」

エネルギッシュな演奏で魅せた「ザ・クロコダイル・ティアーズ」

 
野外音楽イベントにつながる企画を考えた木下義則さん(中)

野外音楽イベントにつながる企画を考えた木下義則さん(中)

 
 場所を貸してもらおうと施設を訪れると、管理・運営業務を行う観光地域づくり法人かまいしDMCのスタッフ佐藤奏子さん(47)から「イベントにしてほしい」と求められた。釜石市が環境省の「脱炭素先行地域」に選定され、同法人は推進会員として事業を展開。施設では地域から出る廃食油を回収しており、それを橋野町の一般社団法人ユナイテッドグリーン(山田周生代表理事)が燃料に精製して各種イベントで使う発電機の燃料に活用していた。
 
 佐藤さんがちょうど、キャンプ場と音楽を組み合わせた催しを構想していたのもあり、木下さんのやりたいことに“脱炭素”という要素をかけ合わせてイベント化した。会場ではバイオディーゼルカー(山田代表理事所有)の展示、太陽光発電による携帯充電ステーションの設置なども行い、来場者に「地球環境に優しいエネルギーで持続可能な社会を」という意識を持つ機会にしてもらった。
 
音響機材の電力源は廃食油を精製した燃料を使った発電機

音響機材の電力源は廃食油を精製した燃料を使った発電機

 
音楽を愛する仲間たちが集った「根浜ミュージックジャム」

音楽を愛する仲間たちが集った「根浜ミュージックジャム」

 
 所属バンドのほか、他の出演バンドのヘルプドラマーとしても盛り上げた木下さんは「やっぱり野外は心地いい。気持ちをラクにして演奏できる」と満喫。自然あふれる空間を共有する人たちを見つめ、「最近の世の中は嫌な話が多い。全部忘れて、好きなことをして過ごす時間もないとね」とうなずく。継続性については「気が向いたら。だって、飲み会だもん」。いたずらっぽく笑っていた。
 
 音楽イベントの前には、施設周辺に開設された「根浜ビオトープ」で生物観察会を開催。佐藤さんは「自然環境を守り、地域資源を生かす活動や使用済みの食用油から作ったエコ燃料で循環型社会につなげる取り組みを継続したい。その中で、地域で活動する人たちの応援もできたらいい」と展望した。