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大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

郷土資料館リニューアル〜展示室拡充 震災・復興専用コーナーに、企画展を11月18日まで開催

大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

大震災と復興、防災の専用展示室は新たに拡充したスペースに配置

 

 2カ年にわたる釜石市郷土資料館(村上修館長)の改修事業が完了し、展示の見直しと整備が行われた。施設規模が拡大し、空調設備が整い、照明も改善された。管理する市教育委員会は「市民、入場者の便益向上が図った」と説明する。

 

 同資料館の前身は1984年5月に大町の旧青葉ビルに開設された「郷土資料展示室」。2005年、鈴子町の現施設に移転し14年が経過した。鉄骨造り2階建ての1階部分(延べ床面積1337平方メートル)のうち471平方メートルを展示スペースに充て、事務室、図書資料室などを配置した。

 

 17、18年度に行われた改修工事では、専用トイレの設置、空調設備の導入、天井や壁面の整備が行われたほか、新たな展示室(77平方メートル)の拡充も行われた。入り口右手の企画展示室(47平方メートル)も室内を一新、照明、空調も整備した。郷土芸能室では、多様な資料映像をモニターでゆっくり鑑賞できる。

 

 新たな展示室は東日本大震災、津波と復興の専用コーナーに充てた。震災の被災状況と復興の写真やパネル、写真集や新聞などメディアの縮刷版、釜石の津波被災の歴史、関連書籍や資料がある。

 

 映像設備は65インチモニターと、2台の32インチタッチパネルを導入。モニターでは4種のCDを用意し、希望に応じて上映する。スチール製の丸いす30脚は、天板に尾崎半島林野火災の被災木を活用している。

 

 常設展示コーナーには英文の説明を加えた。「資料館の場所が分かりづらい」との指摘に対応し、近くの市道交差点に看板を新設した。

 

企画展示室では「釜石のヒーロー」展が

企画展示室では「釜石のヒーロー」展が

 

 改修完了に合わせ、企画展示室では企画展第3弾の「釜石のHERO(ヒーロー)展―昭和~平成を駆け抜けた人々―」を11月18日まで開催中。①北の鉄人 新日鉄釜石ラグビー部②作家井上ひさし「井上家のファミリー・ヒストリー」③日本ポップスの先駆者・大瀧詠一―の3つのテーマを取り上げ、映像、解説資料などで紹介している。

 

(復興釜石新聞 2019年10月19日発行 第834号より)

関連情報 by 縁とらんす
釜石市郷土資料館ホームページ
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台風豪雨で泥にまみれた千鳥町で、土砂の除去作業に汗を流すカナダ代表チームの選手やコーチら=13日午後

カナダ代表 土砂除去ボランティア、被災の住民 感謝で涙ぐむ〜屈強ラガーマン、台風被害に救いの手

台風豪雨で泥にまみれた千鳥町で、土砂の除去作業に汗を流すカナダ代表チームの選手やコーチら=13日午後

台風豪雨で泥にまみれた千鳥町で、土砂の除去作業に汗を流すカナダ代表チームの選手やコーチら=13日午後

 

 台風19号の影響でラグビーW杯の試合が中止となった釜石市で13日、カナダ代表チームがボランティア活動に汗を流した。泥にまみれた被災地に突然現れた、ラグビーで体を鍛え上げた屈強な男たち。水につかって重くなった畳を家の中から次々と運び出すなど、持ち前のパワーを発揮した。助けを受けた住民は「たくましいけど、やさしい心を持っている」と選手に感謝した。

 

 カナダ代表チームは釜石でのナミビア戦に備え、今月10日から市内で合宿していた。市民の応援やもてなしに対する感謝の気持ちを示したいと、市社会福祉協議会を通して支援を申し出。台風による豪雨で多くの住宅が浸水した千鳥町で、土砂を片付ける清掃ボランティアに取り組んだ。

 

 試合に出場する予定だった選手やコーチなど17人が参加。冠水した現場には土砂やがれきがたまっていたが、地元の住民と一緒にスコップやブラシを使ってかき集め、用意した袋に次々と詰めていった。

 

ラガーマンの救いの手に感謝する地元住民と記念撮影

ラガーマンの救いの手に感謝する地元住民と記念撮影

 

 チーム広報を担当するギャレス・リースさん(52)は「釜石が(東日本大震災の)被災地であることは知っていた。少しでも地元の人々のお役に立てば」と思いを寄せた。

 

 タイラー・アードロン主将(28)は「試合ができなかったことは残念だが、自然災害には勝てない。でも、日本での体験はすごく楽しいものだった」。日本代表の快進撃にも触れ、「日本でラグビー人気が高まっていることも分かった。カナダは残念な成績に終わったが、今後は日本と同じ道をたどりたい」と前を向いた。

 

 泥で汚れた家の中をきれいに片付けてもらった野田敬子さん(86)は「神の救い。本当に信じられない」と涙ぐみ、ラガーマンに手を合わせた。

 

 選手が清掃ボランティアに奮闘する姿を見守った八幡のり子さん(66)は、経営する宅配弁当店でカナダチームにおにぎりを届ける予定だったという。「すごい、感謝だよね。まさか、ここまで手伝ってくれるとは…」。思わぬところで実現した国際交流を喜んだ。

 

(復興釜石新聞 2019年10月16日発行 第833号より)

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豪雨で沢から押し出された土砂や流木で埋まった釜石鵜住居復興スタジアムの駐車場

ラグビーワールドカップ釜石第2戦(ナミビア―カナダ)無念の中止〜台風影響 苦渋の決断、野田市長「命を守る教訓」発信

豪雨で沢から押し出された土砂や流木で埋まった釜石鵜住居復興スタジアムの駐車場

豪雨で沢から押し出された土砂や流木で埋まった釜石鵜住居復興スタジアムの駐車場

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の釜石第2戦、ナミビア―カナダが中止となった。台風19号の影響で釜石市に大きな被害が出たことを受け、W杯日本大会組織委員会が決定した。W杯開催に向け、さまざまな準備を重ねてきた釜石市。先月25日に行われたフィジー―ウルグアイ戦で、その夢は実現したが、残る1試合が台風で打ち砕かれてしまった。大会招致に取り組んできた関係者の間に失望感が広がる一方、ラグビーファンや市民の間には「安全第一。やむを得ない」と理解を示す声も多く聞かれた。

 

 激しい風雨に見舞われた釜石。台風に備えて仮設の施設を補強するなどした鵜住居町の復興スタジアムに損傷は見られなかったものの、周囲の沢から押し出された土砂や流木で西側駐車場が埋まるなど大きな影響が出た。

 

 国際統括団体ワールドラグビーと大会組織委員会は、安全性を優先する観点から試合の中止を決定したと発表した。前日の12日から市の幹部職員らとともに市役所に詰め、徹夜で台風の行方に気をもんだ野田武則市長。W杯釜石開催を共催する県を通して大会組織委に現地の状況を伝え、試合実施の可能性を探り続けたが、願いはかなわなかった。

 

 13日に市役所で記者会見した野田市長は「津波を想定して備えてきたが、台風にやられた。これも被災地の定めか…」と無念の思いを口にした。その上で、「楽しみはなくなったが、命は守られた。被災地から命を守る行動の大切さを発信することができた」と強調。「ファンゾーンでのイベントを再開し、W杯を盛り上げていきたい」と前を向いた。

 

 東京都杉並区の公務員藤野彰人さん(31)は台風に伴う列車の計画運休発表を受け、試合前日の12日朝、新幹線で東京を出発。釜石線に乗り継ぎ、前倒しで釜石入りした。

 

 試合中止の決定に「(釜石開催の意義からも)やってほしい気持ちはあったが、台風被害への対応など諸事情を考えると仕方ないのかなと。安全には代えられない」と、主催者の苦渋の決断を思いやった。

 

 2年前に復興事業の仕事で1年間、釜石に暮らした。7月には同スタジアムで行われたW杯前哨戦の日本―フィジー戦を観戦。「本番も釜石で」と楽しみにしてきたが、自然の猛威が願いを阻むことに…。

 

 台風一過の青空が広がった13日午前、藤野さんは友人と釜石が誇る世界遺産「橋野鉄鉱山」に足を延ばした。「少し観光を楽しんで帰ろうと思う。機会があればあのスタジアムでまた観戦したい」と望んだ。

 

(復興釜石新聞 2019年10月16日発行 第833号より)

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猛烈台風19号 沿岸襲う〜釜石も各地で土砂災害

猛烈台風19号 沿岸襲う〜釜石も各地で土砂災害

天神町仮設団地の敷地内で土砂に埋もれた車

天神町仮設団地の敷地内で土砂に埋もれた車

 

 猛烈な勢いに発達して東日本を縦断した大型の台風19号が最接近した13日、本県は記録的な豪雨に見舞われた。釜石市では各地で土砂災害が発生。13日未明に片岸町で、裏山が崩れ民宿を直撃した土砂で50代の男性が重傷を負った。同日午後9時半ごろには、鵜住居町の市道の路盤崩落で転落した車2台の男性1人、女性2人が救急車で搬送されたが、3人とも意識はあった。浸水、土砂の流入などの被害は大小の沢の流域、河川に近く排水しにくい住宅地などで多数発生。住宅を含む建物、車両の被害は市の調査が進むごとに規模が拡大している。15日、平田小と大平中では尾崎白浜、佐須地区の児童・生徒15人のうち複数が道路の途絶により登校できなかった。唐丹小・中は休校した。

 

建物を突き抜けた土砂が流れ出た片岸町室浜の民宿(左)、水につかった大町の目抜き通り。バス停の看板も倒れ(右)

建物を突き抜けた土砂が流れ出た片岸町室浜の民宿(左)、水につかった大町の目抜き通り。バス停の看板も倒れ(右)

 

(復興釜石新聞 2019年10月16日発行 第833号より)

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「にゃん鉄(にゃんりく鉄道動物ふれあい列車)の運行について

「にゃん鉄(にゃんりく鉄道動物ふれあい列車)の運行について

「にゃん鉄(にゃんりく鉄道動物ふれあい列車)の運行について

 

岩手県釜石保健所 環境衛生課では、保護猫の譲渡を促進するため、「にゃん鉄」を運行します。
※『にゃん鉄』とは、保護猫とふれあえる貸切列車のことです。

 

日時

令和元年11月16日(土)
(釜石駅 10:00集合、13:00頃解散)

行程

釜石駅発(10:25)⇒盛駅(折り返し)⇒釜石駅着(12:50)

募集人員

20名
※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます

申込期限

令和元年10月20日(日)まで

申込方法・問合せ先

「参加申込書」に必要事項を記入の上、FAXまたはメールにてお申し込みください。
○FAX 0193-25-2294  ○メール BI0002@pref.iwate.jp
【沿岸広域振興局保健福祉環境部/岩手県釜石保健所 環境衛生課】
TEL 0193-27-5523(内線249)(土日祝を除く、平日9:00~17:00)
 
にゃん鉄チラシ(332KB pdfファイル)
にゃん鉄参加申込書(294KB pdfファイル)
 

三陸鉄道

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 環境課 環境保全係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8453 / Fax 0193-22-2199 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/kankyo/oshirase/detail/1222392_2179.html
釜石市

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野田氏 次期市長選に出馬表明〜復興完遂へ4選目指す

野田氏 次期市長選に出馬表明〜復興完遂へ4選目指す

4選を目指し出馬を表明する野田氏

4選を目指し出馬を表明する野田氏

 

 釜石市長の野田武則氏(66)は3日、市内のホテルで記者会見し、任期満了に伴い11月3日に告示される市長選に立候補することを表明した。次期市長選に出馬を表明したのは野田氏が初めて。他に立候補の動きは見られず、6日に市選管が開いた立候補手続き説明会には野田氏陣営の関係者だけが出席。野田氏の無投票4選の公算が高まっている。

 

 野田氏は「一連のラグビーワールドカップ(W杯)の取り組みが着実に市民の中に定着している。受け入れられている姿を見ながら、徐々に立候補の決意を固めた」と経緯を説明。「震災からの復興完遂が一番の使命。市民一人一人が夢と希望を持ち、生き生きと暮らせるまちづくりに全力を尽くしたい」と4選への意欲を示した。

 

 「当初は2期8年を目安としていた。その途中で震災があり、復興に向けて取り組む中で、また次も―という形になった。まずは復興計画に盛り込まれた事業を完成させ、来年から10年間の新しい総合計画に取り組みたい」とし、「いまだに仮設住宅で暮らしている被災者がいるが、最後の一人まで住まいを再建し、復興を完遂させることが私に課せられた使命」と強調した。

 

 釜石市長選は小沢和夫前市長から無投票当選が続く。市政の停滞にもつながりかねない現状について、野田氏は「残念なことではあるが、市の施策が市民に受け入れられているものと受け止める」との認識を示した。

 

 基本政策には▽復興完遂▽W杯を契機とした交流人口の増加▽新設した釜石鵜住居復興スタジアムなど施設の維持管理▽防災の教訓伝承▽地域包括ケアの充実▽雇用創出と産業振興―などを掲げる。

 

 野田氏は市内野田町出身で専修大卒。県議を経て07年11月、小沢市長の死去に伴う市長選に初出馬し、無投票で当選。震災後の11年、15年の前回選も無投票で当選した。今回の選挙も後援会(川畑辰会長)を軸に活動し、政党などの推薦は要請しない方針だ。

 

(復興釜石新聞 2019年10月9日発行 第831号より)

 

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広報かまいし2019年10月15日号(No.1722)

広報かまいし2019年10月15日号(No.1722)

広報かまいし2019年10月15日号(No.1722)

 

広報かまいし2019年10月15日号(No.1722)

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【P1】表紙
【P2〜7】ラグビーワールドカップ2019 釜石開催情報
【P8〜9】釜石市長選挙/防災行政無線の戸別受信機貸し出し/市内支線部バスのダイヤの見直し/空き家バンク
【P10〜13】まちのお知らせ
【P14〜15】まちの話題
【P16〜17】保健案内板/保健だより
【P18〜19】復興情報
【P20】使用料・手数料などの変更について

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三鉄平田駅近くの市道沿いの石柱(左)、津波到達点の石柱は平田小前にも(右)

「津波到達地点記憶碑」建立〜高台に逃げろ 次代に教訓残す、平田海浜地共有組合

組合員が久保組合長宅前に建立した津波記憶碑を除幕。未来の安全を願った

組合員が久保組合長宅前に建立した津波記憶碑を除幕。未来の安全を願った

 

 釜石市平田の平田海浜地共有組合(久保知久組合長、会員91人)は「東日本大震災津波到達地点記憶碑」を地区内に建立し、9月20日に除幕式を行った。記憶碑のほか2カ所に「津波到達地点」の石柱を建て、地域住民に津波避難の大切さを末永く伝える。

 

 同組合は戦前、平田湾などで採取する海藻類、雑魚などの干場(かんば=磯など海浜地)の管理団体として発足した。現在は干場の需要がほとんどないが、組合は共有地の管理や運営を続けている。

 

 津波記憶碑の建立は昨年夏に発議。役員会などで内容を検討、協議し、今年6月の総会で決定した。監事の佐藤増雄さん(73)、会計の髙澤貞樹さん(72)によると、「震災の津波について、住民が日々の生活で目にする場所に到達地点を明示し、津波への警戒を忘れず、後世に伝えるのが目的」という。

 

 「復興まちづくり、住宅再建が進み、これからも町並みが変化する。震災の記憶はあいまいになる恐れがある。特に将来を担う子どもたちには、しっかりした心の備えを持ってほしい」と久保会長(71)。「私たち組合の立場で地域防災に貢献できることは、慰霊碑ではなく、津波の記憶碑の建立だろう―と意見がまとまった」と経緯を話す。

 

三鉄平田駅近くの市道沿いの石柱(左)、津波到達点の石柱は平田小前にも(右)

三鉄平田駅近くの市道沿いの石柱(左)、津波到達点の石柱は平田小前にも(右)

 

 記憶碑の用地は久保組合長の自宅敷地、石柱2基の用地は組合員が所有地を提供した。石柱が建てられたのは平田小の正門前20メートル付近と三陸鉄道平田駅の市道ガード付近で、いずれも津波の到達点。記憶碑の標高は11・3メートルとした(9メートルという説もある)。

 

 記憶碑には発災日と建立期日を和洋で表記。組合、役員名を添え、「これより高台に逃げろ」とメッセージを刻んだ。碑は台座を含め高さ約1・5メートル。石柱も市道、通学路に面し、通行を邪魔することなく、周囲の景観も損なわず、さりげなく通行者の目に触れる位置にある。

 

(復興釜石新聞 2019年10月2日発行 第829号より)

 

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ラグビーワールドカップが釜石にやってきた〜「今日の1日が未来につながる」招致活動関係者 感動の本番

ラグビーワールドカップが釜石にやってきた〜「今日の1日が未来につながる」招致活動関係者 感動の本番

「釜石の夢」が実現したW杯フィジー対ウルグアイ戦

「釜石の夢」が実現したW杯フィジー対ウルグアイ戦

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)が釜石にやってきた。東日本大震災の津波で大きく姿を変えた鵜住居の地に建設された復興スタジアムは、国内外から訪れた約1万4千人の観客で埋まった。絶好の青空が広がる晴れ舞台。対戦するフィジー、ウルグアイを応援する大歓声が沸き上がり、満員のスタンドに応援のウエーブが何度も広がった。感動的なこのシーンを夢見て招致活動に取り組んできた関係者は感激に浸る間もなく、「さあ次の試合だ」と準備に取りかかった。

 

桜庭吉彦さん

 

スタジアムから帰る観戦客と感謝のハイタッチを交わす桜庭吉彦さん(中央)

スタジアムから帰る観戦客と感謝のハイタッチを交わす桜庭吉彦さん(中央)

 

 「イエーイ!」「ありがとー」「サンキュー」――。W杯アンバサダーとして活動する釜石シーウェイブス(SW)RFCゼネラルマネジャーの桜庭吉彦さん(53)は、釜石開催を縁の下で支える会場ボランティアらとともに、スタジアムから出てきた観戦客と感謝のハイタッチを重ねた。

 

 国内外から訪れた1万4025人がスタジアムを埋めた。「こうやって、みんなが笑顔で帰ってくれる。そのことが本当にうれしい」。桜庭さんは涙をこらえながら、この日を迎えた感慨をかみしめた。

 

 新日鉄釜石ラグビー部が日本一7連覇を達成した翌年に入社し、クラブチームへの移行など苦難の時代の主力として活躍した。釜石SWのヘッドコーチも務めるなど、「釜石ラグビー」のDNAを引き継いできた。1986年からラグビー日本代表に選ばれ、キャップ43を獲得。W杯にも3大会に出場した。

 

 この日はあえてスタジアムの外で、会場案内や、おもてなしなどのボランティアに徹した。「きょうの一日が未来につながる。いや、つなげていかねばならない」「手を携え、こんな思いを経験することがW杯のレガシー(遺産)につながっていく」と確信。13日のナミビア対カナダ戦も会場ボランティアとして汗をかくつもりだ。

 

豪快なトライシーンに沸く観戦客

豪快なトライシーンに沸く観戦客

 

大友信彦さん

 

「本当に夢のよう」とスポーツライターの大友信彦さん

「本当に夢のよう」とスポーツライターの大友信彦さん

 

 「本当に夢のよう」。スポーツライターの大友信彦さん(57)はスタジアムの前で、多くの知人とW杯開催実現の握手を交わした。

 

 気仙沼市出身で、スポーツ紙や雑誌などにラグビー記事を多数寄稿する国内有数のラグビーウオッチャー。「釜石ラグビー」の歩みを丹念に刻み続け、震災後は釜石のV7メンバーらと立ち上げた「スクラム釜石」(石山次郎代表)の一員として活動。W杯招致活動を広報面で支えてきた。

 

 2015年には、実現不可能といわれたW杯釜石開催を可能にしたラガーマンや市民の取り組みをまとめた「釜石の夢」(講談社文庫)を出版。福島県から釜石まで自転車で走破する「スクラムライド」にも加わり、被災地が復興へと進む姿を国内外に発信し続けてきた。

 

 「多くの観戦客が訪れたこの光景とスタジアムのとけ込み具合はイメージできていなかった。盛り上がりは想像以上」と大友さん。「W杯に向けた取り組みを通して、子どもたちが大きく成長したことがうれしい。世界中から多くの人がやってくるワクワク感には特別な思いがある」と喜びを膨らませた。

 

片桐浩一さん

 

 「両国の選手がピッチに出てきた瞬間が一番感動した。涙が出そうになりましたよ」。大町で美容店を営む片桐浩一さん(49)はスタジアムに広がる光景をしみじみと見回した。

 

 震災の津波で妻理香子さん(享年31)を失って8年半。スタジアムは、理香子さんが勤務先の幼稚園で命を落とした鵜住居に建設された。W杯招致にも初めは反対だったという。

 

 両国の国歌斉唱のときは複雑な思いも重なり、立ち上がることができなかった。「でも、もう後ろ向きになることはないかもしれない」。天国にいる妻に向かって、そうつぶやいた。

 

(復興釜石新聞 2019年10月2日発行 第829号より)

 

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復興記録誌「釜石復興の軌跡」

復興記録誌「釜石復興の軌跡」

復興記録誌「釜石復興の軌跡」

 

東北大学の皆様には東日本大震災の発災以降、当市の復興に多大なるご支援を賜っておりますが、このほど、建築空間学研究室の皆様に当市復興の過程などが取り纏められた復興記録誌「釜石復興の軌跡」を制作していただきました。
貴重な資料を制作していただきまして、心より感謝申し上げます。(※英語訳も併記されております)

 

復興記録誌「釜石復興の軌跡」

復興記録誌 「釜石復興の軌跡」( Trajectory of Kamaishi’s Reconstruction )

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釜石市 復興推進本部 都市整備推進室
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