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祝・釜石市新庁舎落成 市民の安心安全守る拠点、交流の場にも 9月24日業務開始

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新市庁舎落成記念式典で祈念演舞を披露する釜石市の「南部藩壽松院年行司支配太神楽」=25日

 
 釜石市が天神町に建設を進めてきた新庁舎が完成し、25日、現地で落成記念式典が開かれた。新市庁舎には分散していた行政機能が集約され、市民の利便性が向上するほか、災害時に一時避難場所として利用可能な機能を備える。東日本大震災の教訓を生かした防災拠点、市民交流やにぎわい創出の場として期待される。新庁舎での業務開始は9月24日を予定する。
 
 式典には市内外から約210人が出席。県指定無形民俗文化財の「南部藩壽松院年行司支配太神楽」が地固めの祈念演舞で開式を彩った。式辞に立った小野共市長は建設の経緯を振り返るとともに新庁舎が果たす役割を説明。「新庁舎の完成は釜石が積み重ねてきた復興の歩みの一つの到達点。市民にとって頼れる場所、釜石の未来を支える拠点となるよう、全力で市政運営に取り組んでいく」と決意を示した。
 
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落成記念式典は1階の「みんなのホール」で開かれた

 
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釜石市民歌を歌って開式。小野共市長(写真右上)は完成までの道のりを示し、関係者に感謝の気持ちを伝えた

 
 来賓の鈴木俊一衆議院議員は「東北の産業経済をリードしてきた歴史とイノベーションは釜石市の底力。新庁舎落成を機に、世界とつながる釜石市がさらに大きく前進することを祈念する」と祝辞を述べた。達増拓也県知事は「新庁舎が釜石市の新たな顔として市民に親しまれ、未来に向かって歩みを進める象徴として新しい機能を発揮することを期待する」とのメッセージを寄せた。建設工事に携わった共同企業体や付帯物品を寄贈した団体の代表10人に小野市長から感謝状が贈られた。
 
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市から感謝状を贈られた工事関係者や各種寄贈者ら

 
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天神町に整備された釜石市役所新庁舎。鉄骨鉄筋コンクリート造り4階建て

 
 新市庁舎は旧釜石小跡地で、震災時は仮設住宅用地となった約1万2千平方メートルの敷地に建設。庁舎棟は鉄骨鉄筋コンクリート造り4階建て。車庫棟(鉄筋コンクリート造り)を含めた延べ床面積は約9千平方メートル。只越町や大渡町など7カ所に分散する各部署を同所に集約した。
 
 1階には市民課と並んで保健福祉部の各課が窓口を配置。窓口カウンターには間仕切りを設置し、プライバシーに配慮する。エントランスホールに隣接する「みんなのホール」は市民の休憩や交流の場として利用できるほか、イベント開催にも対応する。
 
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1階には市民課や保健福祉部の各課窓口が並ぶ(玄関入って左手)

 
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1階と2階は吹き抜けでつながり、開放的な印象

 
 吹き抜けスペースを囲む2階には教育委員会、税務課、生活環境課のほか、産業振興部、建設部の各課を配置。相互に関わりの深い業務を担う部署が同じフロアに集まることで日常的な情報共有や連携を円滑にする。
 
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教育委員会が入る2階。事務フロアの奥には個別対応の相談室も

 
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2階には市民生活に深く関わる部署を集めた

 
 3階には文化スポーツ課、オープンシティ・プロモーション室、財政課、総務課などを配置する。防災危機管理課と隣接する2つの会議室は間仕切りに可動式の壁を採用。災害発生時には間仕切りを移動させることで広い空間を確保し、警察や消防、自衛隊などの関係機関が一堂に会する災害対策本部として活用することができる。市長室や応接室も同フロアにある。
 
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防災危機管理課と隣接する2会議室(写真白枠)は可動式の壁を採用。災害発生時には広い空間を確保し対策本部機能を担う=3階

 
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市長室や応接室(写真右下)も3階に。災害対策本部となる会議室とも隣り合う

 
 4階は議場や議会事務局、大小の4会議室を設ける。傍聴席は防音ガラスで区切った特別傍聴席も設け、乳幼児を連れた人も安心して傍聴できる環境を整えた。カーペット敷きの会議室は災害時の一時避難スペースにも活用される。庁舎には非常用発電設備や耐震型受水槽、非常用汚水槽に加え、マンホールトイレ、太陽光発電・蓄電設備などを備えており、庁舎全体で約3300人の避難者受け入れを想定する。
 
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市議会が開かれる4階の議場。議員席の背後には傍聴席があり、防音ガラスで区切られた特別傍聴席も

 
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災害時の一時避難場所としても活用される4階の大会議室。4階フロアはカーペット仕様

 
 窓口カウンターや市長室、議場などの机や椅子には市産木材(アカマツ)を使用。壁材には県産木材も採用し、木の温もりあふれる空間を実現する。各階には男女のトイレのほか、オストメイト対応設備やベビーチェアなどを備えた優先トイレを設置。エレベーターで車いす利用者も楽に移動できる。駐車場は112台分(バリアフリー3台を含む)を確保。庁舎前にバス停を設け、路線バスが乗り入れる。
 
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一部のフロアでは職員が自由に席を利用できる「フリーアドレス」を導入(写真右上)。各階にはさまざまなニーズに対応した優先トイレを配置(同右下)

 
旧釜石小の校庭にあったイチョウの大木を使って作られた市民憲章と防災市民憲章のパネル。釜石地方森林組合が寄贈した

旧釜石小の校庭にあったイチョウの大木を使って作られた市民憲章と防災市民憲章のパネル。釜石地方森林組合が寄贈した

 
 釜石市の現庁舎は只越町と天神町にある第1~第5庁舎のほか、大渡町の保健福祉センター、鈴子町のシープラザ釜石、嬉石町の市民交流センターに各部署が分散する。1954(昭和29)年建設の第1庁舎など建物の老朽化、行政機能の分散が長年の懸案で、2011年の東日本大震災を機に新庁舎整備の検討が加速。その過程で国、県から最大クラスの津波浸水想定が公表され、敷地のかさ上げなど計画の見直しを余儀なくされた。資材価格の高騰や労務不足など社会情勢の変化も重なり、工期の延伸や費用の増額が必要となり、当初計画から約3カ月遅れての竣工となった。事業費は約73億3417万円。実施設計時から約20億円増加した。
 
 1986(昭和61)年の検討開始から40年―。式典後の会見で小野市長は「歴代市長、市民の皆さまの期待が込められた大切な庁舎。市民の安心安全な生活を守ると同時に、行政としての役割、リーダーシップを発揮し、市勢発展へ導いていく機能を果たせる場所にしていかなければ」と述べた。

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また旅に行きたくなる!?「またたび書店」 釜石大観音仲見世通りで営業中 朗読会も

旅や地域、場所にまつわる本が並ぶ「またたび書店」

旅や地域、場所にまつわる本が並ぶ「またたび書店」

 
 釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りに、旅をテーマにした本が並ぶ小さな書店がある。その名は「またたび書店」。店主は、同通りでコワーキング・シェアオフィスを運営する一級建築士の宮﨑達也さん(54)。「読むとまた旅に行きたくなる。そんな本を集めた書店」と言って笑う。
 
 書店は、コワーキング・シェアオフィス「co-ba kamaishi marudai(コーバ・釜石・マルダイ)」の1階にあるギャラリースペースを活用する。広さは約30平方メートル。国内外のさまざまな土地の紀行やエッセー、小説など新刊、古本を合わせて計約600冊がずらりと並ぶ。
 
釜石大観音仲見世通りの一角で営業している小さな本屋さん

釜石大観音仲見世通りの一角で営業している小さな本屋さん

 
本選びを楽しむ女性。旅に出たような気分になれるかも!?

本選びを楽しむ女性。旅に出たような気分になれるかも!?

 
 店内はこぢんまりとしているが、ソファーや椅子が置いてあり、「座り読みOK!」との貼り紙も。マスコットキャラクターの「本屋のねこ」をデザインしたトートバッグなどのグッズや、同通りにあるカフェのドリップバッグコーヒーも販売する。
 
店主のおすすめ本やドリップコーヒー、本屋オリジナルグッズも並ぶ

店主のおすすめ本やドリップコーヒー、本屋オリジナルグッズも並ぶ

 
 オープンは今年の3月11日。三重県出身の宮﨑さんは東日本大震災の復興に携わるため来釜したのを縁に、2018年にコーバ釜石をオープンさせた。同通りはかつて20店舗以上が軒を連ねたが、震災後には稼働ゼロに。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた。大観音は市内の観光スポットでもあり、「このエリアのにぎわいを取り戻そう」と思い立ち、三重に建築事務所を構えつつ、釜石との二地域居住(二拠点生活)を続ける。
 
「本を読みながらゆっくりしていって」と店主の宮﨑達也さん

「本を読みながらゆっくりしていって」と店主の宮﨑達也さん

 
 同通りで生活しながら、再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手がけ、約10年見つめている宮﨑さん。大観音を訪れる観光客や、近くにある「みちのく潮風トレイル」のコースをたどるハイカーらの姿を見かけることもあり、「この地を訪ねてくれた人たちが立ち寄れる場所をつくりたい」と、書店の開業に踏み切った。
 
 「旅先や移動中に本を読むと、あとから旅と読書の思い出がリンクする。旅で訪れたことのある土地の本を読むと、その時の思い出がよみがえることも。本を読むと旅に行きたくなるのは、そんな記憶の作用かも」と宮﨑さん。
 
 7月18日には、詩人で作家のドリアン助川さんによる朗読会をコーバ釜石で開いた。震災後に釜石であったある企画展示を通じて親交を深めたドリアンさんと宮﨑さん。書店オープンを聞き、お祝いも兼ねて快く来釜してくれたのだという。ドリアンさんは、最新刊「動物哲学物語 ナイス実在」(6月26日刊行)の中からインド水牛をテーマにした自然の摂理や思想を盛り込んだ物語「寄り添う心」などを情感たっぷりに聞かせた。
 
書店が入る建物の2階で開かれた朗読会

書店が入る建物の2階で開かれた朗読会

 
朗読会の参加者と交流するドリアン助川さん

朗読会の参加者と交流するドリアン助川さん

 
 地元釜石のタレント養成所のレッスン生や、宮﨑さんも参加する劇団もしょこむの団員らによる朗読も。もしょこむが披露したのは、またたび書店のキャラ、本屋のねこ・コーシローを主人公とした物語で、宮﨑さんが脚本を手がける。この日は、1話目をプレ公開。今後、全10話(予定)で仕上げ、秋頃にラジオドラマ風にユーチューブで配信することにしている(らしい)。
 
 店名は「また旅に」という思いを込めた言葉遊び的な名づけだが、諸国を歩きまわることを意味する「股旅」という要素も含む。さらに、同通りでは「猫に出合う」ことも“たびたび”。猫が夢中になるという植物マタタビも、その一部分になるのだとか。この場所にちなんだいくつもの視点を組み合わせた命名に宮﨑さんのユーモアがあふれる。
 
本を通した交流が芽吹き中!「えんむすびのタネ」もどうぞ

本を通した交流が芽吹き中!「えんむすびのタネ」もどうぞ

 
 大観音は「恋人の聖地」に選定されていて、人のつながりや縁を広げる場所として魅力が上乗せ。宮﨑さんは「気軽にお立ち寄りを。そして、ゆっくり本を読んでもらえたら。良い本とのご縁がありますように」と期待を込める。朗読会のようなイベントも「たまには」。本業の傍らでの書店運営なので、「気が向いたら」と目を細めた。
 
味わいのあるキャラクター「本屋のねこ」がお出迎え

味わいのあるキャラクター「本屋のねこ」がお出迎え

 
 またたび書店は「店員が旅に出がちなので」として、無人販売が基本。気になった本を選び、設置されているセルフレジ機で支払う仕組みとなっている。支払いはキャッシュレス決済のみ。営業時間は午前9時~午後7時で、年中無休。詳しくはサイト(https://matatabibooks.hp.peraichi.com/)で確認を。

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手軽においしく!釜石はまゆりサクラマス 料理教室で普及へ、地元食材の良さ再認識

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

釜石はまゆりサクラマスを使った巻きずしを作る参加者

 
 釜石市が力を入れている養殖サーモンのブランド魚種「釜石はまゆりサクラマス」を使った料理を学ぶ体験教室が14日、同市鵜住居町の根浜シーサイドレストハウスで開かれた。市の委託で、地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが主催。市民8人が参加し、地元の食材の良さを確かめながら旬の味わいを楽しんだ。
 
 釜石湾で養殖されているサクラマスは6~7月が水揚げシーズン。市内飲食店が限定メニューを提供するフェアを行っているが、どちらかと言えば観光やビジネスなど市外来訪者が食す機会が多くなっている。そんな旬の食材を市民にこそ知ってもらい、「家庭の食卓で手軽に味わってもらおう」と企画。講師として、家庭料理の魅力を広める「母めし研究所」代表の大久保久江さん(71)と、巻きずしの普及に取り組む民間団体の「巻寿司特任大使」を務めるやはためいこさん(50)を東京から招いた。
 
「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

「母めし研究所」代表の大久保久江さん(右)の話に参加者は興味津々

 
 この日のメニューは塩こうじ焼き、みそと混ぜ合わせた「なめろう」、蒸したサクラマスを混ぜ込んだ酢飯を使ったのり巻きなど。大久保さんは「日々の料理は『手間なし』が楽しく続く秘訣(ひけつ)」と話し、せいろを使った調理法を紹介した。「食材をポンポン入れて蒸しただけ。そのまま出せて、おしゃれじゃないですか、せいろって。華やかで、おもてなし料理にもなる」と手軽さをアピール。市販の調味料に「漬けて焼くだけ」、薬味と「混ぜるだけ」といった「頑張りすぎない」けど、おいしく調理できるアイデアも実演した。
 
料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

料理の楽しさを伝える大久保さんが提案するサクラマス料理

 
 やはたさんは「のり巻きは巻くのではなく『合わせる』のがポイント。ごはんで具材を巻き込んだら、最後はご飯とご飯をくっ付ける感じで」などと作り方を教えた。今回、サクラマスと合わせる具材として選んだのは蒸したキャベツとニンジン、すき昆布。「具材は何でも入れちゃえばいい。恐れずにいろいろ入れて巻いてみて」と助言した。サクラマスのなめろうを使い、すしの断面が花柄になるような巻き方も紹介。切り方のコツも伝え、「巻きずしは断面が醍醐味(だいごみ)」と魅力を語った。
 
のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

のり巻きの作り方を丁寧に教える「巻寿司特任大使」のやはためいこさん

 
 参加者は、のり巻き作りに挑戦。普段から料理を作る人たちがほとんどで、「なるほど」と感覚をつかんで手際よく調理した。同市甲子町のパート福士明美さん(64)は食べることが大好きで、魚食に関心があり参加。最近店頭で生のサクラマスを見かけ、料理したいと思っていたタイミングだったこともあり、「どれも簡単にできそう。家族に振る舞うのが楽しみ。機会があったら、また参加したい」と笑顔で話した。
 
サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

サクラマスの飾り巻きを作る参加者。目指す図案は花柄

 
のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

のり巻きが完成し笑顔を見せる参加者。きれいな断面に「おいしそう」

 
のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

のり巻きの出来栄えに満足げな参加者。うれしさは周りに伝わる

 
 市水産農林課地域プロジェクトマネジャーの齋藤孝信さん(64)は、はまゆりサクラマスの特徴や味力を説明。市内スーパーの店頭にも並んでいるはずだが、「見かけない」「買えない」といった声も聞かれているとし、「市民にどう届けるかが課題」と認識する。
 
 市は認知度を高めるため、さまざまな施策を主導している。2022年度からは市内の全小中学校の給食で食材として使用。23年からは市内飲食店での「釜石はまゆりサクラマスフェア」を行っている。飲食店以外での普及活動として今年6月に開催された、みちのく潮風トレイルを舞台に市内を巡るグルメウォークでも振る舞った。
 
サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

サクラマスを刺し身にして教室の参加者に振る舞った齋藤孝信さん

 
 このほか、24年度から同市平田にある岩手大学釜石キャンパスの学生が地元の漁協女性部の力を借りてフライや照り焼きなどのメニューを開発し、盛岡市上田のキャンパスにある学生食堂で期間を限定し提供。県庁の食堂、さらに今年度は岩手県立大学でも提供される予定だ。
 
 通年で養殖サクラマスを楽しんでもらおうと、今年度から「釜石はまゆりサクラマス認定店舗」という取り組みがスタート。市内の鮮魚店や飲食店、スーパーなど、現在約20店舗が参加する。
 
教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

教室参加者をサポートした母めし研究所のメンバーらと料理談義!?

 
 普及という面では「やはり家庭」と考える齋藤さん。「はまゆりサクラマスを市民の魚として身近な食卓で食べてもらえるようにしたい。きょうのように家庭、仲間で料理してもらえたら」と期待しながら、さらに知恵を絞る。

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夏だ!海だ! 1年ぶりの水の感触に歓声 根浜海岸海開き 初日は各種アクティビティも

18日に海開きした根浜海岸海水浴場。事故防止を呼びかける啓発活動も行われた

18日に海開きした根浜海岸海水浴場。事故防止を呼びかける啓発活動も行われた

 
 釜石市の海水浴場、根浜海岸は18日に海開きした。午前中は小雨がぱらつく曇り空だったが、午後からは晴れ間ものぞき、夏を待ちわびた家族連れらが次々に来場。海で泳いだり、海遊びイベントとして用意された体験無料の各種アクティビティを楽しんだりした。海水浴場は8月23日まで開設。遊泳時間は午前10時から午後4時まで。
 
 今季の海水浴場開設にあたり、午前9時から一般社団法人釜石観光物産協会主催の安全祈願式が行われた。関係者約40人が出席。鵜住神社の花輪宗嗣宮司が祝詞をささげ、出席者の代表が玉串を供えてシーズン中の無事故を祈った。協会の新里進会長は同海岸について、「近年では三陸ジオパークとしての魅力が加わり、みちのく潮風トレイルのゲートウェイの役割も担っている。シーカヤックやサップなどの各種体験も可能。ぜひ、多くの皆さんに来ていただきたい」と話した。
 
海水浴シーズン中の無事故を祈る安全祈願式

海水浴シーズン中の無事故を祈る安全祈願式

 
遊泳開始時刻を前に監視体制などを確認する地元ライフセーバーら

遊泳開始時刻を前に監視体制などを確認する地元ライフセーバーら

 
午前10時すぎ、さっそく海に入り遊ぶ子どもら

午前10時すぎ、さっそく海に入り遊ぶ子どもら

 
 午前10時の時点で気温30.4度、水温21度。海に入った子どもたちは「水、ちょっと冷たーい」と言いながらも、浮き輪などで波に揺られる心地良さを楽しんだ。市内の小学生木村渚彩さん(8)は大きなイルカの浮き輪に乗ってぷかぷか。「海は広いところで泳げるのがいい。気持ちいいし、嫌なことも全部海が吹き飛ばしてくれる感じ。根浜にはあと3回ぐらい来たい」とにっこり。母裕美さん(47)は「根浜海岸は小さい子から大人まで幅広く楽しめる。海のあるまちで育っているので海のリスクも知りながら、遊びも楽しんでくれれば」と子どもたちを見守った。
 
 海に関わる団体でつくる実行委は海開きのイベントとして、各種無料体験を用意。シーカヤック、サップ、シュノーケリングのほか、海の安全を守る水上オートバイやレスキューボートの乗船体験もあり、多くの人が根浜の魅力を体感した。緑地帯では岩手大の海の生き物タッチプール、文京学院大のシャボン玉ワークショップなどもあり、学生らが海開きを盛り上げた。
 
海開きを記念し、サップやシーカヤックなどの体験メニューは無料で提供

海開きを記念し、サップやシーカヤックなどの体験メニューは無料で提供

 
水の出るエアー遊具は大人気。震災復興支援を機に釜石とつながる文京学院大生はシャボン玉で楽しませた

水の出るエアー遊具は大人気。震災復興支援を機に釜石とつながる文京学院大生はシャボン玉で楽しませた

 
 海水浴場開設期間中は一般社団法人根浜MIND、釜石ライフセービングクラブが監視業務で協力する。同クラブの佐々木良衡副代表(45)によると、昨年の期間中は救助に至るような事案はなく、海水浴客のマナーも良かったという。ただ、海のレジャーは危険と隣り合わせ。「海中は急に深くなる場所もあるので、水の深さを確認しながら入っていってほしい。コンクリート部分や岩場には貝殻が張り付いているため、厚いマリンシューズを履くなどしてけがの防止を」と呼びかける。また、近年は夏の気温が非常に高いため、熱中症への警戒も必要。「こまめに水分を取り、塩分補給も忘れずに。適度に水の中に入って体を冷やすことも大事」と佐々木副代表。この日は安全祈願式の後に、同クラブによる救助のデモンストレーションや釜石海上保安部による海水浴の安全啓発活動も行われた。
 
救助のデモンストレーションを行った釜石ライフセービングクラブ。遊泳中に危険を感じたら早めに助けを求めるよう呼びかける

救助のデモンストレーションを行った釜石ライフセービングクラブ。遊泳中に危険を感じたら早めに助けを求めるよう呼びかける

 
釜石海上保安部職員はチラシやキャラクター入りカードを配り、海のレジャーの安全対策を呼びかけた

釜石海上保安部職員はチラシやキャラクター入りカードを配り、海のレジャーの安全対策を呼びかけた

 
 根浜海岸の昨年度の入り込み客数は約6700人。今年は8月2日に10回目を迎える長距離泳の大会「釜石オープンウオータースイミング2026根浜」、8月8日には昨年に続き2回目となる障害者対象の「ユニバーサルビーチ」が開催される予定。

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梅雨の晴れ間に水しぶき!釜石市営プール 屋外プールが夏季利用スタート

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

今季オープン初日の屋外プールで水の感触を楽しむ子どもたち

 
 釜石市営プール(同市大平町)の屋外50メートルプールが11日、今季の利用をスタートさせた。水泳に親しむ子どもたちが“泳ぎ初め”。中総体など大会を控えた子らは練習に熱を入れた。小中学校の夏休み期間に合わせ、8月16日まで開放する予定だ。
 
 プール開きに合わせ安全祈願の神事が行われ、指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)や釜石水泳協会(山崎達会長)の関係者ら約20人が出席。代表者が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈願した。市文化スポーツ課の清藤美穂係長は「関係者と連携を密にし、快適で安心して利用できる施設運営、維持管理に努めていく」とあいさつした。
 
屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

屋外プールの利用開始に合わせ行われた安全祈願の神事

 
快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

快適で安全な利用環境を整える気持ちを一つにする関係者

 
 泳ぎ初めは、同プールで練習する「かまいしスイミングクラブ」の小中学生11人。平泳ぎやクロールなど模範泳法をリレー形式で披露した。この時のプールサイドの気温は30度、水温は27度。熊谷凜音さん(14)は「水が少し冷たかったけど、外が暑いから気持ちよかった。水がきれいで泳ぎやすい」と涼しげな水の感触を楽しんだ。
 
 中学生は1週間後に岩手県中総体(水泳競技は18~20日)を控え、「ベストを尽くせるように」と練習に集中。熊谷さんは個人、リレーを合わせて計4種目に出場予定で、「リレーでは優勝し東北大会へ、個人では8位入賞を」と目標を定め、仲間とともに挑む意欲を見せた。
 
泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

泳ぎ初めに笑顔を見せるスイミングクラブの子どもたち

 
「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

「50メートル、長い!つらかった」と小学生。でも楽しそう

 
「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

「レベルアップを」「ベストを出すぞ」と熱心に練習に励む

 
 屋外プールの利用に当たり、協立管理工業の藤澤正明総務主任は「水分補給をしっかりと。ドリンク持参で」と呼びかける。プールサイドは高気温になりうるが、日陰になる場所が少ないため。暑さ軽減にと、通路となる場所には水を流すなどの対策をとる。施設内外の掃除、救助法の訓練にも取り組み、環境を清潔に保ち、安全な利用を支えられるよう態勢を整える。市営プールには通年で利用できる屋内25メートル、幼児用プールもあり、昨年度の施設全体の利用者数は約1万5000人だった。
 
開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

開放された屋外50メートルプール。水温、気温などチェックもしっかり

 
 営業は火曜日から金曜日が正午~午後8時、土・日・祝日は午前10時半~午後6時。通常、月曜日は休館だが、市内小中学校の夏休み期間は無休(開場は正午)。期間中は市内中学校の生徒は生徒手帳の提示で無料となり、学校プールの開放がない市内小学校の児童も無料で利用できる。

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地域産業の理解へ 釜石商工高2年生 水産加工の津田商店を見学 地域経済支える企業姿勢学ぶ

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

 
 釜石市大平町の県立釜石商工高(小松了校長、生徒160人)の2年生50人は3日、県の「いわて高校魅力化推進事業(探究共創事業)」の一環で、地元水産業への理解を深める学習を行った。研究施設や水産加工品製造の工場を見学。地域の魅力や可能性を知り、古里の将来を支える一員として考えを巡らせた。
 
 地元就職を希望する生徒が多い同校では、地域に貢献できる人材育成を目指し、地場産業への理解や地域課題に目を向ける探究学習の機会を設けている。本年度、2年生は平田の三陸水産研究センター(岩手大釜石キャンパス内)と鵜住居町の津田商店を訪れ、地域と関わりの深い水産業への学びを深めた。
 
 午後に訪問した津田商店(小笠原正勝代表取締役社長、従業員190人)では、同社の歴史や事業の説明を聞き、工場内を見学した。水産加工品の製造販売を行う同社は1933(昭和8)年創業。2011年の東日本大震災津波で大槌町安渡にあった工場が被災し、翌12年、釜石市浜町にあった本社事務所と共に同市鵜住居町に移転再建した。主に学校給食で提供される業務用冷凍食品(調理済み煮魚)と、大手ブランドの缶詰(サンマ、サバ、サケの中骨など)を製造。自衛隊員が災害派遣や訓練時に食するレトルト食品の製造も手がける。3年前には個食用に開発した自社ブランド「子どもようおさかなさん」(冷凍煮魚)のオンライン販売も開始した。
 
津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

 
メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

 
 担当者からは、衛生管理を徹底し安全安心な食品を提供していること、残物(魚の頭や尾など)の飼料加工や微生物による水浄化処理で環境負荷軽減を図っていることも説明された。近年は海水温の変化などで三陸産魚の水揚げが減少。原料確保のため、全国に足を運んでいる現状も伝えられた。同社は「地域共存」を理念とし、釜石湾で養殖されるサクラマスや地元酒造会社の梅酒製造過程で出る漬梅を活用した商品開発にも取り組んできた。
 
 全国に販路を持つ同社。得られた利益は従業員や外部の委託業者の収入となり、さらには地域内消費を生む。「地域内でお金が回る。地域経済を支えることが自社の目的の一つ」と担当者。10~70代の幅広い年代の雇用、外国人技能実習生の受け入れでも貢献する。
 
工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

 
初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

 
 電気電子科の岩﨑春燈さんは、同社の見学は小学校時代に続き2回目。高校生になり新たな視点での見学となったようで、「金属探知機やX線検査機などの設置が多い印象。それだけ消費者の食の安全に対し徹底しているのが伝わる」と感心。同社製造の缶詰を目にする機会も多く、「それが地元で作られているのはすごい」と郷土の誇りも実感。地元就職を考える上での判断材料にした。
 
「魚が大好き。ずっと(工場見学を)楽しみにしてきた」と目を輝かせたのは総合情報科の門﨑愛生さん。「気軽に食べている缶詰がこのような多くの工程を経て私たちの食卓に届いていると知って驚いた。多くの人の努力が詰まっていることを思いながら大切に食べたい」と感謝の気持ちも芽生えた様子。高校卒業後は県外就職を考えているが、「地元も大好きなので、いずれは戻ってくることも」とUターンも選択肢の一つに考えた。
 
地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

 
 生徒たちの見学をサポートした同社管理部総務経理課の小倉敦美主任(30)は「地元の企業を知ってもらえるいい機会。地域への理解が進むのは大変ありがたい」と感謝。生徒たちが説明にうなずいたり、真剣なまなざしで話に聞き入る姿を頼もしく感じ、「若い方々の今後の力に期待したい。地元の魅力を感じてもらい、将来の就職の選択肢の一つに考えてもらえれば」と話した。

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夜を彩る「七夕あかり」 ココイロこすもすファーム(釜石・甲子) 幻想的な雰囲気に

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

 
 釜石市甲子町洞泉のココイロこすもすファーム(石塚佳那子代表)で4日、竹灯籠のライトアップや音楽、食を楽しむ「七夕あかり」と題したイベントがあった。東日本大震災後に同じ場所で行われていた「キャンドルナイト」を新たな形で復活。鎮魂、未来への希望を込めた明かりに包まれた幻想的な光景は訪れた幅広い世代の心を癒やした。
 
 イベントは午後5時に始まった。流しそうめんのお振る舞いがあり、近くの山から切り出した竹を割って作った流し台の脇に子どもたちが整列。流れてくる麺を箸やフォークで上手にすくい上げ、ひんやりとした味わいを堪能した。おにぎり、かき氷、から揚げ、玉こんにゃくなどの軽食も販売。緑豊かな敷地内で家族連れらはピクニック気分も満喫した。
 
流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

 
シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

 
七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

 
 「3、2、1」。カウントダウンの後に、敷地内に設置された約60本の竹灯籠や天の川をイメージして飾り付けられたイルミネーションがともると、「わー」と歓声が上がった。ハンドベル演奏、ダンスとピアノ演奏を組み合わせたミニコンサートもあり、来場者はやわらかい光と音の中でゆるやかな時間を過ごした。
 
竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

 
光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

 
七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

 
来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

 
 大槌町の加賀心湊さん(7)は「キラキラしていて面白い。ダンスもよかった。新しい友達もできた。楽しすぎる」と大はしゃぎ。母親の典子さん(41)は「以前の公園のように自然に触れながら楽しく遊べる場所なので、わざわざ来たくなる。優しい心を育み、自分らしいペースで伸び伸びと成長してほしい」と見守った。
 
 このファームの前身は、地域内外の人に親しまれた「こすもす公園」。藤井了さん(80)、サヱ子さん(81)夫妻が、震災で遊び場をなくした子どもたちが自由に遊べる空間にしようと2012年に整備した。夏至(6月)と冬至(12月)の時期に世界中で展開される「電気を消して、ろうそくの明かりで思い思いの夜を過ごす」スローライフ運動にちなみ、キャンドルナイトを毎年実施。復興や犠牲者の安寧を祈り、地域の交流を促す機会にもなっていたが、22年に閉園し、明かりも消えた。
 
 石塚代表(38)が跡地を受け継ぎ、25年にファームを開業。多世代の笑顔をつなぐ遊べる空間をつくる中で、「またキャンドルナイトやりたいね」「明かりや音楽をゆったり楽しめたらいいよね」というスタッフの声もあり、イベントを企画した。
 
あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

 
 実施に当たり、これまでとは違った形を検討。公園の時はろうそくに火をともしていたが、山火事の懸念もあることから代わりにイルミネーションを選んだ。「イルミネーションでまちを明るく、人を笑顔に」と光を使った活動を展開する「かまいし灯り実行委員会」とコラボレーションすることに。竹灯籠も半数は自前で手作りしたほか、震災犠牲者の追悼や命を守る活動の意識啓発のために鵜住居町根浜地区で使われたものを一部借り受けた。
 
 日が落ちるにつれて、やわらかい明かりが園内を照らした。次々と人が訪れ、その数約150人。そのにぎわいに、石塚代表は「子どもたちの笑い声が響くと大人も元気になる。それが『こすもす』の原点」と感慨深げに話した。「久しぶり」という顔や声に出合ったのも感激。「やり方は変わっても、鎮魂、祈り、地域交流、癒やしを願う思いは受け継いでいきたい」と力強くうなずいた。
 
七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

 
これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

 
 会場には、藤井さん夫妻の姿も。元気に駆け回る子どもたち、幅広い年代の人たちの笑顔が広がる様子を見つめ、「やっぱり子どもたちがたくさんいるのはいいね。若い人に引き継いで、雰囲気が違っているのもまたいい。素朴であたたかい空間がずっと続きますよに」と笑顔を重ねていた。
 
 七夕あかりのライトアップは3日から7日まで行われた。

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甲子、鵜住居両河川でアユ釣り解禁 愛好者 待望のシーズン到来に心躍る 天然魚増え楽しみ倍に

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

 
 釜石市の2大河川、甲子川と鵜住居川で5日、今季のアユ釣りが解禁された。早朝は水温が低く、アユの活性が低調だったものの、時間の経過とともに復調傾向に。大きいものでは20センチほどに成長したものも釣れ、市内外から訪れた釣り客らは待望のシーズン到来に顔をほころばせた。梅雨で曇りの天気が続く市内だが、「太陽が顔を出し気温、水温が上がっていけば、例年並みの釣果が期待できるのでは」と釣り人ら。
 
 5日は沿岸南部4河川の解禁が重なったこともあってか、早朝の甲子川の人出は例年より少なめ。それでも人気エリアの一つ、甲子町松倉の県立釜石病院裏では、水面の上にアユ釣り特有の長竿(さお)が並ぶ初夏の風景が広がった。釜石地方は6月下旬にまとまった降雨があり川の水量は十分ながら、解禁日前は曇り空が続き、水温が上がりにくい状態。アユ釣りはアユの縄張り特性を利用した「友釣り」が多く、おとりアユを追う野アユの動きが活発化するには適度な水温が必要。釣り人らは「まだ水温が低く、動きが鈍いようだ」と話し、気長に構えた。
 
甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

 
1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

 
 「毎年解禁日はここで」と、釜石の釣り仲間と竿を繰り出した宮古市の小川司さん(61)。「昨年より出だしは低調」としつつ、午前6時前には2ケタに突入。「結構いい型が釣れている」と1年ぶりの“引き”の感触を楽しんだ。シーズン中は沿岸河川を中心に足を運ぶといい、「土日は家にいないで川にいる。甲子川は水がきれいでアユの味もいい。今年も何回か来たい」と笑顔を見せた。
 
開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

 
 野田橋近くで楽しんだのは大槌町の芳賀浩亨さん(63)。前日は気仙川で今季の“初日”を迎えた。「まだ(午前)5時。今は慣らしの状態」と、あえて流れが緩やかな“トロ場”に糸を垂れ、活性前の群れを狙った。「季節、天候、時間を見極めながら竿を出す。そこがアユ(釣り)の難しさ」。昨年の解禁日は午前7時から午後2時ごろまでに68匹を釣り上げたという。「8時、9時ごろになれば活性が良くなり、釣れてくるだろう」と見通した。4月の大規模山林火災では、震災で高台移転した自宅の裏山50メートルまで火の手が迫った。やっと落ち着きを取り戻しつつあり、釣った魚は「楽しみに待っている親戚に配りたい」と腕をまくった。
 
早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

 
 河川漁協のない甲子川では遊漁料の徴収は行っておらず、自主的に資源保護活動を展開する甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市、企業などの助成金で稚魚の放流を維持している。協力金は甲子町の釣り具店「釣具オヤマ」などで受け付けている。
 
 同じく解禁日を迎えた鵜住居川。こちらもシーズンを待ちわびた人たちが各ポイントで釣り糸を垂れた。鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長)の組合員のほか遊漁券を購入した市内外の愛好者が足を運んだ。同河川も渇水状態から一変。6月に2日間降り続いた雨のおかげで水量が回復した。「久しぶりの大雨で川底の石が洗われ、今がちょうど(アユの餌となる)いいコケが生えてきている時期。新鮮な餌を食べているので、(アユの)香りもいいと思う」と地元組合員。
 
巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

 
 鵜住居町の長持橋上流で弟と釣りを楽しんだのは地元の澤本幸夫さん(80)。午前7時前の水温は15度。「どんなに寒くても17~18度は欲しいところ。水温が上がれば背がかりも増えてくるが…。動きが鈍い」と、おとりを替えて再チャレンジ。それでも午前5時の解禁から2時間で約10匹を釣り上げた。アユ釣り歴は51年。組合にも長く加入してきたが、人口減や高齢化で組合員数は減少傾向にある。「組合維持のためにも釣り人を育てていかないと。子どもたちの体験会とかでアユ釣りの面白さを知ってもらい、将来につなげていければ。この鵜住居川を守っていくためにも」と新たな取り組みの必要性を示した。
 
長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

 
 解禁から約3時間。たも網に釣果を見せてくれたのは甲子町から足を運んだ吉田光夫さん(64)。数えてみると35匹に達していた。「解禁日としてはいい方かな」。体長は平均18センチで、“おとり”に適した天然(遡上)アユも。「きれいでしょ。(背)ヒレが違う。これがかかった時の引きがたまらない」と心を躍らせた。栗林町に知り合いがいる縁で解禁日には毎年、道々橋下流で釣りを楽しむ。周辺に木々がなく、釣りやすいという。「鵜住居川にはシーズン中、10回は来るかな。8月になると(アユが)また大きくなって面白い」。釣ったアユは経営する居酒屋でも振る舞い、甲子川協力金への募金も呼びかけているそう。
 
道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

 
“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

 
 「天然アユが3割ぐらいかな」と同漁協の藤原信孝事務局長。昨年は特に、産卵時期の9月半ばから10月にかけて魚影が多く見られ、産卵場所には異常なくらい(産卵後のアユを狙う)シロサギが群がっていたという。「産卵アユの多さは翌年の天然アユ遡上につながる。今日、釣れている魚を見ると例年より天然ものが多い。泳ぎのスピードが速い天然アユは釣りの醍醐味(だいごみ)になるので、うれしい傾向」と喜びを表す。これから夏本番を迎え、気温、水温がさらに上がればアユも成長。「8月には24~25センチぐらいになる。ぜひ、多くの皆さんに足を運んでほしい」と期待を寄せる。
 
道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

 
立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

 
 鵜住居川での釣りには組合員証か遊漁券の携帯を。同漁協の遊漁券は年券7000円、日券1500円。遊漁券は市内釣具店や流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所、スマホアプリ「フィッシュパス」で購入できる。

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釜石市新庁舎が完成 「夢と希望を持てるまちに」市民有志、絵画寄贈 見学会も

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

 
 釜石市が天神町に整備していた新庁舎が6月30日に完成した。これに合わせ、市民有志が新庁舎に飾ってもらおうと寄付金を募って購入した絵画「釜石の四季」の贈呈・除幕式が、新庁舎1階の市民交流の場「みんなのホール」であった。同日は市民向けの見学会も。明るい彩りの絵画がお出迎えをし、さっそく来庁した人たちの目を楽しませた。落成は7月25日。新庁舎での業務開始は9月24日を予定する。
 
 釜石の四季は縦1メートル、横6メートルのアクリル画。大きくて明るい太陽と穏やかに光を放つ月に見守られる街の風景を表現した作品で、タイ・バンコク在住の画家、阿部恭子さん(59)が制作した。東日本大震災後、子どもたちの笑顔のためにと甲子町につくられた「こすもす公園」に隣接する工場の外壁に描かれた「希望の壁画」を手がけており、制作のため通う中で出会った人々、見つめた春夏秋冬の景色を散りばめたという。桜並木、SL、虎舞、柿の木、曳(ひ)き船…。描かれている“釜石っぽさ”を見つける楽しさもある一作だ。
 
「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

 
人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

 
 公園をつくった藤井了さん(80)は、壁画が多くの人に希望を与えたのを実感。数年後に制作された釜石の四季を目にした際に「釜石の宝ものに」と思ったという。掲示する場所は「新しい市庁舎がぴったり」と考え、購入を模索。釜石ロータリークラブや釜石リアスライオンズクラブなどに呼びかけ、実行委員会を立ち上げて購入資金などに充てるため寄付金を募った。
 
 藤井さんが実行委員長となり、昨年3月から今年4月末まで活動。市内外の313人、70の企業・団体から目標の440万円を上回る502万円余りが集まった。
 
「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

 
関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

 
 式には関係者約100人が参加。阿部さん、藤井さん、小野共市長ら12人で除幕した。かまいしこども園の園児による「ちびっこ虎舞」が元気に舞い飛び、良き日を祝福。小野市長は「大切な財産として未来に継承する」とし、実行委、阿部さん、協力団体に感謝状を贈った。
 
左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

(左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

 
 阿部さんは「釜石に通う中で見つけた景色、まちの力強さ、共に過ごしたあたたかな人たち、そして未来への希望を描いた。これからも釜石の絵を描き続けたい」と話した。藤井さんは「目を引く明るさに元気が出るような作品。多くの方に夢や希望をもたらす絵になってほしい」と願った。
 
釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

 
 見学会には約90人が参加。鉄筋コンクリート造り4階建て(延べ床面積は約8000平方メートル)の庁舎の各課窓口、市長室、議場を見て回った。近くに建つ災害公営住宅(復興住宅)で暮らす80代の夫婦は工事の様子を見守ってきたことから「完成を楽しみにしていた」と訪れ、「立派だね」「明るくていいね」と感想を口にした。
 
スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学

スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学
 
市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

 
 庁舎は、災害時に避難所としても活用される。4階の大会議室を中心に共有スペースなどを含めて約3000人の受け入れを想定。「最近、地震が多いから心配でね。事前に見ておきたくて」と話していた浜町の男性は、避難場所から移動にかかる時間を確かめる機会にもした。
 
 市内に分散(現在は8カ所)する保健福祉や教育などの部署が一部を除いて集約され、市民や来庁者にとって利便性は向上するはずだ。甲子町の瀬川容子さん(92)、平田の川﨑陽子さん(87)は「今まではあちこちに行って手続きをしていたから、1カ所で済むのは便利になると思う。エレベーターがあるのもいい」と歓迎。ともに元市職員で「すてきな建物。環境もいいところで働けるのね」と現職員をうらやましがり、「張り切って仕事をしてほしい。案内をしっかり、いいサービスを」と期待を込めた。

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市道松倉堤防線 視界良好に! 釜石大槌の建設業青年部が3年連続の草刈り奉仕 通行の安全確保へ

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

県建設業協会釜石支部青年部が行った市道松倉堤防線の草刈り奉仕=1日、甲子町

 
 一般社団法人岩手県建設業協会釜石支部青年部(小澤二郎部会長、27社)は1日、地域貢献活動として、釜石市甲子町の市道松倉堤防線の草刈りを行った。同所での活動は3年連続。初夏を迎え、路肩の草が生い茂る季節。車両通行や歩行に支障が出ないようにと、会員企業の社員らが約3時間にわたって汗を流した。
 
 同青年部は釜石市と大槌町の建設会社で働く、おおむね50歳以下の人たちで組織。この日の活動には、日頃から業務で関わりのある協賛会社の社員を含む33人が参加した。活動開始にあたり小澤部会長(46)=小澤組代表取締役社長=が「今年度の青年部活動は今日がスタート。作業場所は道幅が狭く車両通行が多いので、交通安全に気を付けて。熱中症対策も忘れずに」と呼びかけた。
 
作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

作業開始を前に小澤二郎部会長(下枠内写真右から2人目)が安全作業を呼びかけ

 
準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

準備を整えた後、草刈り機を手に各班の担当区域に移動開始

 
草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

草を刈ると路面の端がくっきりと。車両の安全なすれ違いにも貢献

 
 草刈りを行うのは甲子川沿いを走る同市道約2.5キロの区間。住民の生活道路、釜石高生の通学路として利用されているほか、春には桜並木を愛でる花見客、夏から秋にかけてはアユ釣り客が訪れる場所だ。参加者は4班に分かれ、割り当てられた区間に散らばった。車道の両側には伸び放題の草が生い茂り、川側は路肩の境界が分かりづらい状態。参加者は草刈り機で作業し、道路に散らばった草もよけて景観にも配慮した。
 
甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

甲子川は5日にアユ釣りが解禁される。同市道は釣り客の移動ルートにも

 
建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

建設業各社が力を合わせる地域貢献活動。休憩時間には交流も深めた

 
道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

道幅が狭い市道の安全確保へ。視界を良くすることはクマ被害対策にもつながる

 
 会員には自治体から委託を受け、道路維持管理業務にあたる社も。県道や町道の作業を請け負う小松組(大槌町)の小松康朗代表取締役社長(38)は「今の時期、道路沿いの草刈りは欠かせない。夏にかけ、さらに伸びると視界が悪くなってしまうので」とその必要性を十分に認識。同活動にも毎年参加しており、「住民の皆さんの安全通行に役立てば。このような活動が業界のイメージアップにもつながれば」と作業に精を出した。
 
 同青年部が長年続ける地域貢献活動は年に数回実施。草刈り作業のほか、県や市が主催するイベントへの協力、小中学校に出向いての重機体験などの出前授業を継続している。小澤部会長は「建設業は地域に関わる仕事。青年部活動を通じて建設業への理解を深めてもらうとともに存在意義も知ってもらえれば」と期待する。

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釜石でゼミ合宿 東海大観光学部の学生 潮風トレイルで自然体感 地域活性化へ取り組み探る

釜石市の箱崎半島で自然を体感する東海大学の学生たち=6月28日
 

釜石市の箱崎半島で自然を体感する東海大学の学生たち=6月28日

 
 釜石市で6月27日〜29日、東海大学観光学部の学生8人がゼミ合宿を行い、同市内にある「みちのく潮風トレイル」のコースの一つになっている箱崎半島を歩き、地域住民らと交流する中で、資源を生かした地域活性化について考えた。
 
 この合宿は、同学部講師の遠藤晃弘さん(45)=観光学=による遠藤ゼミが昨年から実施。今年も同市箱崎白浜地区の民泊施設「御箱崎の宿」を拠点に、3年のゼミ生が観光メニューのトレイル体験や住民との交流、聞き取り調査に取り組んだ。
 
 27日は、交流会で住民から地域の歴史や東日本大震災での被災、復興の歩みなどを聞いた。同市箱崎町内にある佐々栄商店も訪問。ハイカーと住民の交流拠点となりうる場所として、活用のアイデアを検討した。
 
「御箱崎の千畳敷」のトレッキングに挑んだゼミ生ら

「御箱崎の千畳敷」のトレッキングに挑んだゼミ生ら

 
 28日は、箱崎半島部のトレッキングを体験。潮風トレイルの本コースから外れているが、半島先端部に位置する岩石海岸「御箱崎の千畳敷」に足を延ばした。スタート地点の大沢遺跡駐車場から始まる散策路はアップダウンが続く険しいコース。半島突端の御箱崎灯台までの道のりには、地元住民が漁業繁栄や家内安全を祈願する御箱崎神社があり、学生らは「実は参道」ということを受け止めながら歩を進めた。
 
樹木が生い茂る森の中の散策路を歩く一行

樹木が生い茂る森の中の散策路を歩く一行

 
複数の赤鳥居をくぐり御箱崎神社を参拝。さらに進むと御箱崎灯台

複数の赤鳥居をくぐり御箱崎神社を参拝。さらに進むと御箱崎灯台

 
 半島先端部南側には断崖を下った先に、三陸ジオパークのジオサイトの一つにもなっている千畳敷が広がる。散策路からは崖伝いに急峻、極狭の遊歩道があるが、下りるには十分な注意が必要。学生らは体力、安全を考慮しつつ慎重に下って岩場に立った。
 
散策路から太平洋の絶景を眺め、千畳敷へ向かう学生たち

散策路から太平洋の絶景を眺め、千畳敷へ向かう学生たち

 
展望スポットでの眺めも圧巻。慎重に崖下へ。さらに岩場を進んだ

展望スポットでの眺めも圧巻。慎重に崖下へ。さらに岩場を進んだ

 
壮大な景色を体感する学生。達成感、充実感に笑顔を広げた

壮大な景色を体感する学生。達成感、充実感に笑顔を広げた

 
 見所は満載で、学生はトレイルの魅力を認識した一方で、課題も把握した。駐車場からの往復は約8キロと、なかなかの距離。千畳敷の荒々しい岩場は不安定な場所もある。また散策路は樹木が生い茂る森となっており、動物との遭遇など考えなければいけない要素が増えていることを確認。その上で、地域住民と国内外からのハイカーをつなぐアイデアをそれぞれが思考していた。
 
 トレッキングの後は、箱崎町の桑ノ浜地区に移動。町内会長の小西勝見さん(76)から震災前後の地区の変化、なりわいの漁業など話を聞いた。トレイルの話題では「リアス海岸の景観のすばらしさを生かした観光を歓迎する」と小西さん。ハイカーらしき人を見かける機会が増えていることも話した。
 
潮風トレイルについて感じていることを学生に伝えた小西勝見さん(左の写真)

潮風トレイルについて感じていることを学生に伝えた小西勝見さん(左の写真)

 
 住民は半島部を歩くことの大変さを分かっているが、「ハイカーは十分に理解していないのでは」と不安を口にした小西さん。外国人、一人歩きの人が多いのも心配し、「地域の事情、情報交換ができる立ち寄り場所を設けたらいいのでは」との考えを打ち明けた。そもそもハイカーが地元住民との交流を望んでいるのか、と学生に質問を投げかける場面もあった。
 
 観光を生かしたまちづくりや地域創生に関心が高いゼミ生の宮城侑里さん(20)は「ここでしかできないような体験を大切にしたい」と熱心に活動した。震災復興に取り組んだ住民の地域力、団結力に感心し、漁師と同じ目線となって地域を見つめることも実践。静岡市出身で、Uターンを必須として大学で深めている「地域に密着した観光」への学びをさらに掘り進めた。
 
 学生たちは魚さばき体験などのフィールドワークも展開。29日の活動報告会で気づいたことなどを住民らと共有した。
 
 同ゼミでは、10月に第2弾の合宿を予定。今回の活動を他のゼミ生にも伝え、潮風トレイルを通した地域活性化策を探る。箱崎半島区間はトレイルの中では「難所」と言われるというが、その魅力を多くのハイカーに届け、受け入れる地域の機運醸成にもつながる形を検討。再来する秋にトレイルイベント開催を目指しており、企画立案にも取り組む。
 
学生を見守る東海大講師の遠藤晃弘さん(左)、かまいしDMCの平澤果鈴さん

学生を見守る東海大講師の遠藤晃弘さん(左)、かまいしDMCの平澤果鈴さん

 
 合宿の受け入れは、地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが担った。スタッフの平澤果鈴さん(25)が同ゼミの出身で、後輩たちに実践的な学びを提供できると提案。遠藤さんによると、同学部の学生の半数は観光業界を志望するが、希望に沿った道に進むのは難しいのが現状だという。その中で、同法人は草分け的な事業を展開し全国から注目されていることもあり、学生がその取り組みにじかに触れてもらう好機と捉えた。
 
 遠藤さんは「ここはいろんなチャレンジができる学びのフィールド。この小さな集落で若者たちがどんな観光の力を見いだし広げられるか、楽しみ。歩くという基本的なアクティビティで日ごろ活性化していないものを存分に動かしてほしい。五感を開放して」と、学生たちを見守った。平澤さんは「学生目線で新しい釜石PRを」と期待する。

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心躍らせ77歳 喜寿祝う同級会 釜石一中・1964年度卒業生 古里での集い「最後かな」

乾杯!喜寿同級会を楽しむ釜石一中の1964年度卒業生ら

乾杯!喜寿同級会を楽しむ釜石一中の1964年度卒業生ら

 
 2006年に学校統合で閉校した釜石市立釜石第一中学校の1964(昭和39)年度卒業生らによる「喜寿」記念同級会は6月28日、同市鵜住居町根浜の宿「宝来館」で開かれた。卒業生ら34人が出席。懐かしい顔ぶれとの再会に心を躍らせ、満77歳の節目にたくさんの笑顔の花を開かせた。
 
 喜寿を迎えるのは49(昭24)年から50(昭25)年に生まれた世代。相当する一中卒業生らが開いた同級会には、北は岩手県から南は神奈川県まで各地に散らばる同期の仲間が集った。
 
各地から古里に集った同級生はピースサインで集合写真に納まる

各地から古里に集った同級生はピースサインで集合写真に納まる

 
 開会にあたり病気や東日本大震災で亡くなった約70人に黙とうをささげ、校歌を斉唱。同級会を「やろう」と“熱いプッシュ”で働きかけをした葛西(旧姓・菊池)育子さん(76)=東京都江戸川区=が幹事を代表し、「皆さんの元気な顔を見ることができた。やっぱりやってよかった」とあいさつした。
 
 共に幹事を務め、幼なじみで“命の恩人”と話す木村(旧姓・渥美)美智子さん(76)=釜石市=との“あの頃”の秘話も紹介。葛西さんは「皆さんにもたくさんの思い出があるでしょう。きょうはそんな思い出話にたくさんの花を咲かせて、笑顔になってもらえたら幸いです」と思いを伝えた。
 
「♪太平洋の高潮の 寄せては返す矢の浦や~」。校歌で声を合わせる

「♪太平洋の高潮の 寄せては返す矢の浦や~」。校歌で声を合わせる

 
 元生徒会長の横塚孝さん(77)=東京都北区=の音頭で乾杯し、懇親に移った。「私の顔、分かる?白髪になったけど」「○○ちゃん!△△年ぶり」。そんな声をあちらこちらから上げながら、昔の中学時代に戻って思い出話や近況を報告し合った。幹事の今入大介さん(76)=釜石市=は「誰?という感じの人もいる。恥ずかしいことではないから、ちゃんと聞くこと。『誰ですか』とか『昔、好きだったよ』とかさ。勝手にやって」と呼びかけ、再会の場を盛り上げていた。
 
久しぶりの再会を喜び、グラスを合わせて笑顔を広げる

久しぶりの再会を喜び、グラスを合わせて笑顔を広げる

 
 出席者らが中学生のころは、釜石製鉄所の全盛時代。人口は9万1000人台を記録し、一中は多数の生徒が通うマンモス校だった。64年度卒業生は9クラスもあり、学年生徒数は400人超。古い木造校舎の教室で生徒らはひしめき合うように机を並べた。64年は東京五輪が開催された年で、都会と同じように釜石も人口、スポーツ、商業などあらゆる面で街ににぎやかさがあった。生徒たちも勉強、学校行事に一致団結して取り組み、「パワーがあった」。
 
「元気だった?」。懐かしい顔を発見して笑顔を重ねる

「元気だった?」。懐かしい顔を発見して笑顔を重ねる

 
 「古里に来るための機会。それと生存確認に」と言いながら、ほろ酔い気分で楽しんでいた主浜友季さん(76)=東京都稲城市=は「知らない顔もあるけど、話をすれば、あの頃に戻る」とにっこり。中学時代は勉強も部活動も「そこそこ」と話す一方、当時、世界を席巻していたビートルズに憧れて音楽にハマり、「新しい友達が広がっていったな」と青春時代に思いをはせた。
 
 その横でにこやかな笑みを浮かべていた佐々木剛さん(76)=東京都東大和市=は、小学時代からの友人。中学校では同じクラスになることはなかったが、現在も東京で時折、顔を合わせたりする仲だという。佐々木さんは「勉強が好きだった」と励んだ結果、教育者に。当時の恩師に理科への能力を認められたことが「子どもの好きなことを伸ばす」という自身の指導姿勢につながったと回想した。「そうだったんだ」とうなずく主浜さん。それぞれが持つ記憶を伝え合う機会にもなったようだ。
 
参加者は酒を酌み交わしながら話に興じ旧交を温めた

参加者は酒を酌み交わしながら話に興じ旧交を温めた

 
 同卒業生らが集まるのは、50歳、60歳、70歳に続き4回目。幹事で司会も務めた小池喜八郎さん(76)=神奈川県相模原市=は「私たちは団塊の世代のピーク。釜石にとって最高の時代を経験した。思い出もぎゅっと詰まっているから、顔を合わせると一気に若返る」と笑った。
 
 中学を卒業し60年余り。歳を重ね、喜寿の集まりを最後とすることにした。「次回は東京で」。そんな声が「自然に発生するかも」と、小池さんはひそかに考えている。古里で思いを共有、絆を再認識した仲間たち。地域単位の集まりなど形は変わろうとも、「元気で、また会おう」という気持ちは変わらないようだ。