タグ別アーカイブ: 地域

kyodogeinou01

釜石市郷土芸能祭 9団体が熱い演舞 次世代への継承に思い新た 子どもたちも生き生きと

市民ホールTETTOで開かれた「第27回釜石市郷土芸能祭」

市民ホールTETTOで開かれた「第27回釜石市郷土芸能祭」

 
 第27回釜石市郷土芸能祭(市、市教委主催)は8日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。隔年開催で2年ぶりのステージとなった今回は市内の8団体が出演したほか、特別出演として平泉町から1団体が招かれた。各地に伝わる多彩な芸能が披露され、約1千人が楽しんだ。
 
 同市では神楽、虎舞、鹿踊、手踊りなどさまざまな郷土芸能が伝承され、同祭にはこれまでに59団体が出演している。現在、県の無形民俗文化財に1団体(神楽)、市の同文化財に13団体(神楽4、鹿踊4、虎舞5)が指定される。同祭は市内の豊富な芸能を市民に知ってもらうとともに、活動団体に発表の機会を提供することで、次代への継承、担い手育成につなげようと開催される。1977(昭和52)年度に第1回目が開かれ、回を重ねてきた。
 
 今回は市内から市指定文化財の尾崎町虎舞、錦町虎舞、砂子畑鹿踊、東前太神楽のほか、平田神楽、外山鹿踊、只越虎舞、田郷鹿子踊が出演した。各団体は地域の祭りなどで披露している各種演目を舞台上で見せ、観客から盛んな拍手を送られた。
 
市指定文化財の「錦町虎舞」。錦町は現浜町3丁目の前町名。錦町青年会が継承する

市指定文化財の「錦町虎舞」。錦町は現浜町3丁目の前町名。錦町青年会が継承する

 
虎頭による舞のほか甚句も披露。錦町虎舞は刺鳥舞、おかめ漫才、御祝なども伝承している

虎頭による舞のほか甚句も披露。錦町虎舞は刺鳥舞、おかめ漫才、御祝なども伝承している

 
 栗林町砂子畑地区に伝わる「砂子畑鹿踊」は、江戸時代の元禄・宝永(1688~1711)年間に栗林村(当時)に移り住んだ房州(現千葉県南部)生まれの唯喜伝治という人物から伝えられたとされる。礼儀をただし、勇壮、活発な踊りが特徴。地区内の丹内神社の祭りで奉納される。郷土芸能祭への出演は第23回以来4回目。この日は家々を回って踊る門打ちの演目から▽念仏入羽▽回向(二句)▽庭踊り(両入羽、こぎり…など)▽角かけ―の演目を披露した。
 
市指定文化財の「砂子畑鹿踊」。写真の演目は庭踊りの一つ「両入羽」

市指定文化財の「砂子畑鹿踊」。写真の演目は庭踊りの一つ「両入羽」

 
 踊りの師匠である太夫の小笠原成幸さん(75)は「広く市民に見てもらえるのは張り合いがある。鹿頭の踊り手は今、30~40代のメンバーが担っているが、今後は10~20代につなぎ、伝統ある舞を踊り継いでいきたい」と話す。内陸部の同地区には東日本大震災後、被災地域などから約30世帯が移り住んだ。鹿踊の“刀振り”や“金子”という役は主に子どもたちが担うが、今回出演した子の半数は移住家庭の子たち。金子で参加した鈴木葵衣さん(7)もその一人で、「踊りは初めてやったので難しかった。いっぱい練習した」と話す。被災後、同地区に新居を構えた父勇さん(39)は「地域の人に声をかけていただき(娘が)参加できた。先人が紡いできたものを大事に引き継いでいる。少しでも携われて良かった」と喜び、「鹿踊を続けたい」と話す葵衣さんを温かく見守った。
 
「金子」で躍動する子どもたち。本番に向け、一生懸命練習を重ねてきた

「金子」で躍動する子どもたち。本番に向け、一生懸命練習を重ねてきた

 
クライマックスは1頭の雌鹿を2頭の雄鹿が奪い合う様子を表現した「角かけ」。激しい戦いが見どころ

クライマックスは1頭の雌鹿を2頭の雄鹿が奪い合う様子を表現した「角かけ」。激しい戦いが見どころ

 
 同祭には平成以降、市外の団体も特別出演している。今回は平泉町指定無形民俗文化財「達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門神楽」が出演。坂上田村麻呂が801(延暦20)年に創建したと伝えられる同毘沙門堂に奉納された由緒ある神楽だ。この日は式舞の最初に舞う、五穀豊穣、子孫繁栄などを願う「御神楽」に加え、平泉とゆかりが深い源義経(牛若丸)が武蔵坊弁慶に出会った場所として有名な京都「五條の橋」の場面を再現した舞が披露された。
 
特別出演した平泉町の「達谷窟毘沙門神楽」。若手メンバーが源義経関連の演目を披露

特別出演した平泉町の「達谷窟毘沙門神楽」。若手メンバーが源義経関連の演目を披露

 
東前太神楽の代名詞、子どもたちによる「七福神」。市民が楽しみにする演目の一つ

東前太神楽の代名詞、子どもたちによる「七福神」。市民が楽しみにする演目の一つ

 
「通り舞」「クリ(狂い獅子)舞」などを継承する市指定文化財の「東前太神楽」。熟練の舞で観客を魅了

「通り舞」「クリ(狂い獅子)舞」などを継承する市指定文化財の「東前太神楽」。熟練の舞で観客を魅了

 
 同祭に初めて足を運んだ釜石市内の女性(66)は「祭りで郷土芸能は見ているが、舞台で見るとまた違っていいですね。東前の神楽など小さい頃から聞いているお囃子(はやし)のリズムが心地いい。郷土芸能は地域の宝。いつまでも続けば」と願った。ホール入り口のロビーには、出演団体を紹介するポスターが掲示された。釜石高の2年生5人が郷土芸能の担い手育成をテーマに取り組んだゼミ活動で作成したもので、各芸能の歴史、活動情報、参加条件、団体からのメッセージなどを記載。来場者に発信した。
 
釜石高2年生の郷土芸能ゼミが作成した出演団体のポスターに来場者も興味深げに見入った

釜石高2年生の郷土芸能ゼミが作成した出演団体のポスターに来場者も興味深げに見入った

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

idaten01

震災15年― 誓う!「津波時は高台へ」 避難の教訓 新春韋駄天競走で釜石から再発信

第13回新春韋駄天競走。震災後に生まれた小学生も津波避難の教訓を学ぶ

第13回新春韋駄天競走。震災後に生まれた小学生も津波避難の教訓を学ぶ

 
 未曽有の被害をもたらした東日本大震災からまもなく15年―。津波で多くの尊い命が奪われた大災害を教訓に、迅速な高台避難を啓発する「新春韋駄天競走」が今年も釜石市で行われた。同市大只越町の日蓮宗仙寿院(芝﨑恵応住職)が主催。2歳から81歳まで計122人が、高台の寺につながる急坂を懸命に駆け上がった。震災の記憶が薄れていく一方で、国内外では自然が猛威をふるう大規模災害が多発。参加者は地震津波以外にも通じる“命を守る行動”の大切さを改めて心に刻んだ。
 
 同寺の節分行事と連携し13回目を迎える韋駄天競走。開催日となった1日は一時、雪がちらつくなど、厳しい寒さとなった。参加者が駆け上がるのは震災時、津波で浸水したエリアから市指定津波避難場所となっている同寺までの286メートル。高低差は約26メートルあり、急坂や急カーブが連続する。スタート前には運営責任者から参加者に「競走はするが、一番の目的は津波避難の練習」との開催趣旨が伝えられた。
 
 年代別に6部門に分かれてスタート。親子の部では幼い子どもの手を引いて高台避難を疑似体験する姿が見られた。小中学生は日頃、運動の機会があるだけに坂道もなんのその。元気にゴールまで走り切った。
 
小学生以下の子どもが父母と参加する親子の部。手をつないで元気にスタート

小学生以下の子どもが父母と参加する親子の部。手をつないで元気にスタート

 
ゴールまであと少し。沿道の声援を受けながら仙寿院境内を目指す親子

ゴールまであと少し。沿道の声援を受けながら仙寿院境内を目指す親子

 
中高生の部は釜石の硬式野球チームの中学生が多数参加。激しいトップ争いを繰り広げる

中高生の部は釜石の硬式野球チームの中学生が多数参加。激しいトップ争いを繰り広げる

 
 一方、大人は…。男女とも先頭では“競走”らしいトップ争いを見せたほか、勢い余って最後の最後に転倒する人も。後続も力の限りを尽くし、それぞれのペースでゴールを目指した。沿道では声援を送ったり、拍手で出迎えたりと参加者を後押し。ゴール近くでは地元の只越虎舞がお囃子(はやし)を響かせて盛り上げた。
 
女性の部は過去の1位経験者らがトップ争い。余裕の表情で駆け上がる

女性の部は過去の1位経験者らがトップ争い。余裕の表情で駆け上がる

 
ゴール前では勢い余って転倒する参加者も…

ゴール前では勢い余って転倒する参加者も…

 
「きっつー!」。最後の上り坂で顔をゆがめる男性参加者

「きっつー!」。最後の上り坂で顔をゆがめる男性参加者

 
 「大変かなと思ったけど、意外に走れた」と笑顔を見せたのは、釜石市の最年少震災語り部、鵜住居小6年の佐々木智桜さん(11)。3年時に母と研修を受け、「大震災かまいしの伝承者」として語り部活動を始めた。震災の教訓を伝える同行事に「こういう経験をしていれば、津波警報や注意報が出た時にすぐ逃げられる。すごくいいと思う」と共感。「中学生になっても語り部を続け、もっと分かりやすくみんなに伝えていきたい」と伝承への思いを強くした。一緒に参加したのは弟の智琉さん(9)。「楽勝っす!」と余裕の訳は、同小で続けられる「てんでんこマラソン」で3年男子の1位になった自慢の脚力。「いざという時は必ず逃げる。この行事でみんなも覚えていてくれると思う」と話した。
 
初参加の行事を楽しんだ佐々木智桜(ちさ)さん、智琉(さとる)さん姉弟。津波から命を守る行動を再確認した

初参加の行事を楽しんだ佐々木智桜(ちさ)さん、智琉(さとる)さん姉弟。津波から命を守る行動を再確認した

 
 昨年から団体参加するのは釜石市国際外語大学校で日本語を学ぶ留学生ら。今年は昨年来日したミャンマー、ネパール出身の1年生男女17人が参加した。釜石に来てから学校の津波避難訓練で震災のことも学んだ学生ら。ミャンマー出身のター トー テイ ザさん(20)は急な坂と厳しい寒さに体力を奪われたようで、「疲れた」と一言。それでも「個人的に練習してきた」という成果を発揮し、男性34歳以下で上位に入る健闘を見せた。同じくミャンマー出身のシュエー ウェー ヤン トゥッさん(20)は「走るのは得意。楽しかった」とにっこり。母国では海のない所にいたため、「津波は怖い。慌てないで避難場所に早く逃げることが大切だと思う」と釜石での学びを脳裏に刻んだ。
 
釜石市国際外語大学校の留学生も必死に坂を駆け上がった。全員無事完走!

釜石市国際外語大学校の留学生も必死に坂を駆け上がった。全員無事完走!

 
女性の留学生からは笑みも…。津波防災を学ぶとともに釜石生活の思い出を作った

女性の留学生からは笑みも…。津波防災を学ぶとともに釜石生活の思い出を作った

 
写真上:各部門で1位になった参加者ら。「福○○」で良き年に期待! 同下:今年も只越虎舞が協力。表彰式の前に演舞し、参加者を楽しませるのが恒例

写真上:各部門で1位になった参加者ら。「福○○」で良き年に期待! 同下:今年も只越虎舞が協力。表彰式の前に演舞し、参加者を楽しませるのが恒例

 
 各部門の1位には「福男」「福女」「福親子」の認定書が贈られた。男性34歳以下で1位となった奥州市の団体職員、田代優仁さん(28)は10年ぶり2回目の参加で2回目の「福男」。山田町出身で震災時は中学1年生。家族は無事だったが、津波で自宅が流失し、盛岡市に転居した。韋駄天競走には高校3年生の時に初参加。陸上競技部で鍛えた足で、男性29歳以下(当時の部門)で1位となった。今回は、転職で地元岩手に戻ってきたこともあり、「大船渡の山火事や能登の地震などさまざまな災害が起こる中で、(震災を経験した身として)避難の意識付けを啓発していく立場でありたい」と参加を決めた。「災害はいつどこで何が起こるが分からない。どんな状態でも逃げられるよう、常に意識を持っておかないと。県人のDNAとして受け継いでいきたい」と後世に伝えたい思いを口にした。
 
10年ぶりの参加で2度目の「福男」となった田代優仁(まさひと)さん(中央)。「いつでも逃げられるように…」と教訓伝承へ思いを強くする1

10年ぶりの参加で2度目の「福男」となった田代優仁(まさひと)さん(中央)。「いつでも逃げられるように…」と教訓伝承へ思いを強くする

 
しっかりと手をつなぎ、ゴールを目指す女性参加者。気持ちを一つに一歩一歩前へ…

しっかりと手をつなぎ、ゴールを目指す女性参加者。気持ちを一つに一歩一歩前へ…

 
 同行事は兵庫県西宮市、西宮神社の新年開門神事「福男選び」を参考に2014年にスタート。同神社開門神事講社の平尾亮講長(49)が釜石を訪れ、運営に協力する。交通事故の後遺症で右足が不自由ながら、毎回、松葉づえをついて参加者と一緒に坂を駆け上がる。起源は鎌倉時代とされる歴史ある同神事に携わるが、「釜石に来ると、皆さんの熱意に『負けとるやないか』と悔しい思いになる。僕らも負けてられへん!」。西宮市は阪神・淡路大震災の被災地でもあり、両震災の教訓継承に思いを同じくする。
 
西宮神社開門神事講社の平尾亮講長。誰もが直面する避難への意識を持ってほしいと毎回、この坂を駆け上がる

西宮神社開門神事講社の平尾亮講長。誰もが直面する避難への意識を持ってほしいと毎回、この坂を駆け上がる

 
海の方角に向かって黙とう。この行事の最後に必ず行う震災犠牲者への祈り

海の方角に向かって黙とう。この行事の最後に必ず行う震災犠牲者への祈り

 
 来月で東日本大震災から15年となる中、仙寿院の芝﨑住職は「(参加者の)皆さんのように津波のことを考えてくれる人たちは少なくなってきた。被災者がつらい思いからまだ抜けきっていないことも多くの人は忘れてしまっている」と警鐘を鳴らし、「津波はいつくるか分からない。『大震災を忘れてはならない』『身を守るには逃げるしかない』ということを声高に伝えてほしい」と願った。

kotsu01

暮らしと地域社会支えるバス路線維持へ 釜石市が第3期地域公共交通計画案に意見募集

kotsu01
 
 釜石市は2026年度から5年間の第3期市地域公共交通計画の策定に向け、同計画案に対する市民の意見を3月2日まで募集している。同市では持続可能な公共交通維持のため、2019年から市内路線バスの幹線部を岩手県交通、支線部を市の委託事業者が運行する体制をとるが、支線部の利用者数は減少傾向が続く。同計画では、高齢者や子どもなど移動手段を持たない市民の暮らし、地域社会を支える基盤として、将来にわたって利用され続ける公共交通体系の再構築を図る。寄せられた意見を踏まえ、3月中の計画策定を目指す。
 
 現在、市が委託運行する支線部バスは、マイクロバスによる北部(青ノ木・中村方面)と南部(大石・荒川方面)のコミュニティバス、ハイエースによる箱崎白浜方面と尾崎白浜方面のにこにこバスの計4路線。1月23日に開かれた市地域公共交通活性化協議会(委員32人、会長:平松福壽副市長)で示された直近1年間(2024年10月~25年9月)の事業評価によると、目標利用者数に対する実績で達成率80%を超えたのは、にこにこバス(尾崎白浜方面)の88.7%のみ(B評価)。他3路線は80%未満(C評価)で、定額運賃のサブスク実証実験を行った南部コミュニティバスでも利用者拡大には至らなかった。要因として、実施事業がニーズにマッチしていないことが考えられ、ニーズの分析・掘り起こし、ダイヤ改正など利用促進への施策が必要とする。
 
支線部を運行するコミュニティバス(上)とにこにこバス(下)=資料写真

支線部を運行するコミュニティバス(上)とにこにこバス(下)=資料写真

 
 地域公共交通の利用者減少は人口減少の影響で一層顕著となっている。特に北部コミュニティバスの利用者は過去5年間で約半数近くにまで減少。長期化する物価高騰や人件費上昇などもあり、厳しい収支状況が続く。それでも市民生活の基盤となる公共交通の維持・確保は不可欠で、限られた交通資源を効率的かつ効果的に活用し、利便性と生産性を高めることが求められる。
 
 市は第3期計画の基本理念に「未来へ続く、暮らしとコミュニティを支える地域公共交通の実現」を掲げる。買い物や通院、通学・通勤といった日常の移動手段確保のほか、地域イベントへの参加や交流機会につながる公共交通環境を整えたい考え。基本目標として▽持続可能な公共交通ネットワークの維持・強化▽地域のニーズに応じた多様な移動手段の確保▽公共交通利用促進と市民意識の醸成―を定める。外出環境の満足度、市民1人当たりの乗り合いバス年間利用回数など各指標で、2030年度までの目標値を設定する。
 
「第3期釜石市地域公共交通計画(案)」などを協議した2025年度第3回釜石市地域公共交通活性化協議会=1月23日

「第3期釜石市地域公共交通計画(案)」などを協議した2025年度第3回釜石市地域公共交通活性化協議会=1月23日

 
 計画には具体的な取り組みとして13項目を示す。収益率が低い支線部バスは一体的に見直しを行い、利用の少ない区間は予約型乗り合いタクシーなどへ段階的に切り替える。学校統合に合わせた支線部バスへの児童生徒の乗り合い化など、通学時の路線バス活用を検討。高齢者の移動手段確保、閉じこもり予防などのため、バス・タクシー共通利用券の交付、予約型乗り合いタクシーの運行を検討し、運転免許返納による交通事故抑止に寄与する。市街地から遠く、交通事業者による運行が困難なエリアでは、「交通空白地自家用有償運送制度」を活用した運行も検討。ドライバーを募り、運行・車両管理をタクシー事業者が担うことで、効率性や安全性を確保する。この他、鉄道事業者との連携、多様な媒体を活用した情報発信で地域公共交通の利用促進を図ることも盛り込む。
 
 計画案は市ホームページのほか、市市民課、各地区生活応援センターなどで閲覧できる。意見は文書にし、持参、郵送、ファックス、メールなどで提出を。
 
kotsu01
 
 1月の同協議会では他に、世界遺産「橋野鉄鉱山」への観光客の移動手段確保のため、新たに「事業者協力型自家用有償運送」の導入が提案され、承認された。
 
 同有償運送は、自家用車を使って旅客から対価を受けて行う移動支援制度のうち、地元タクシー事業者などが運行管理に協力するもの。今回の事業では運営主体(ドライバー)が釜石観光物産協会、釜石観光ガイド会。交通空白地有償運送等運転者講習を受講した人が運行する。運行・車両整備管理で協力するのは市内のタクシー事業者スクー。
 
 運行は原則、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの営業時間内(の発着)。釜石駅や鵜住居駅、市内宿泊施設などから客を乗せ、同鉄鉱山(橋野町青ノ木地区)に向かう。鵜住居町寺前交差点~青ノ木間の観光地や店舗などへの立ち寄りも可能。モデルコースを設定し、客に選択してもらう。タクシーよりも割安で利用でき、道中、ガイドの話も聞ける。
 
「事業者協力型自家用有償運送」導入についても協議。事業者協力型は東北初

「事業者協力型自家用有償運送」導入についても協議。事業者協力型は東北初

 
 鉄路などで釜石を訪れた観光客が同鉄鉱山に行くには現状、タクシーやレンタカーしかない。本年度は釜石観光物産協会と県タクシー協会釜石支部が連携し、土日祝日限定で、釜石駅からの相乗りタクシー3時間プランを実施したが、利用は少なかった。新たな制度の導入で、客の選択肢が増え、利便性向上につながるものと期待される。事業は2026年度からスタートする予定。

mochitsuki01

つきたてー!モチモチ食感「おいしいね」 親子で楽しく餅つき 釜石・栗林小PTA

きねと臼を使って昔ながらの餅つきを楽しむ栗林小児童ら

きねと臼を使って昔ながらの餅つきを楽しむ栗林小児童ら

 
 釜石市の栗林小(高橋昭英校長、児童25人)で1月31日、同校PTA(栗澤敬太会長)が主催する恒例の餅つき会が開かれた。親子で協力して餅をつき、おいしく味わった。
 
 児童や保護者ら約50人が参加。例年、餅つきに使う道具(臼ときね)は住民から借りていたが、今年は趣向を変え、陸中海岸青少年の家(山田町)の力を借りた。もち米3.3升(約5キロ)はPTAで用意。いつも通り、地元農家から提供された地域米を使った。
 
ふかしたてのもち米を使って餅つきがスタート

ふかしたてのもち米を使って餅つきがスタート

 
 PTAがもち米をふかして準備。粒の形が残る状態からスタートし、大人がある程度ついたあとで、子どもたちにバトンタッチ。低学年は小ぶりで軽いきね、高学年は大人と同じく重たいきねを懸命に持ち上げ、周囲の「よいしょー」「よし!いいぞー」の掛け声に合わせて振り下ろした。
 
豪快、優しく、懸命に…独自のスタイルで餅をつく

豪快、優しく、懸命に…独自のスタイルで餅をつく

 
大人からアドバイスを受けながら餅つきに挑む子どもたち

大人からアドバイスを受けながら餅つきに挑む子どもたち

 
親子で息を合わせたり、友達や保護者に見守られたり

親子で息を合わせたり、友達や保護者に見守られたり

 
仕上げに大人が再登場。子どもたちは掛け声で盛り上げる

仕上げに大人が再登場。子どもたちは掛け声で盛り上げる

 
 「粒がなくなってるね」と児童が確認して完成。あんこや、きな粉を付けて味わった。「つきたての餅はおいしい」と頬張ったのは佐々叶真さん(2年)。「おいしい食べ方、知ってる?」と友達に声を掛けていた子は、あんこときな粉の合わせ技を発見したことを誇らしげに話しながら笑顔を広げていた。
 
みんなでついた、おいしいお餅「いただきまーす」

みんなでついた、おいしいお餅「いただきまーす」

 
お餅「どこまで伸びる⁉」。目線、くぎ付け

お餅「どこまで伸びる⁉」。目線、くぎ付け

 
 餅つき会はコロナ禍の影響を考えつつ、一昨年から再開。昨年までは会食を控えていたが、今年はみんなでモチモチ食感を楽しんだ。児童会長の遠野姫瑠さん(6年)は初めての参加。「一人ではできないこともみんなで協力すればできるからうれしい。地域の人と一緒に楽しむ行事が多くて、いいと思う。いつまでも残ってほしい」と、仲間との友情や地域との関係性を育んだ。
 
ピースサインで気“もち”を合わせる子どもたち

ピースサインで気“もち”を合わせる子どもたち

 
餅つきを通して喜びを共有する栗林小児童と保護者ら

餅つきを通して喜びを共有する栗林小児童と保護者ら

 
 栗澤会長は「餅つきや、もち米、つきたてを食べる機会は少ないから、とても大事にしている行事」と価値を強調する。同校は2027年度に鵜住居小との統合が計画されるが、「統合後も地区ごとにPTAのような形は残るはず」と推測。「栗橋地域ならではの行事を続けていきたい」と先を見据える。子どもたち同様、自身も「生まれも育ちも栗林」。地域に根づく活動を通して積んだ経験を次の世代に伝えていく構えだ。

michinoku01

人気急上昇!みちのく潮風トレイル 釜石ルートを内外にアピール 第3弾は唐丹 お楽しみグルメも

唐丹町で行われた「第3回みちのく潮風トレイル釜石グルメウオーク」

唐丹町で行われた「第3回みちのく潮風トレイル釜石グルメウオーク」

 
 青森県八戸市から福島県相馬市まで4県29市町村にまたがる太平洋沿岸のトレイルルート「みちのく潮風トレイル」。東日本大震災からの復興の一助にと、環境省が整備した全長約1000キロの自然歩道は、雄大な海景や土地の歴史、文化などに触れることができると国内外から注目を集める。同ルートの一部となっている釜石市では本年度、トレイルと地元の食を組み合わせた「釜石グルメウオーク」(全5回)というイベントを開催中。1月25日、その第3弾として、唐丹町のコースを歩く企画が行われた。
 
 同イベントは地元の観光地域づくり法人かまいしDMCが主催。同市が共催する。昨年4月に市中心市街地の桜スポットなどを巡る約4.7キロ、7月には鵜住居町根浜周辺の約6キロを歩き、それぞれ、釜石ジオ弁当、天然ウニの殻むき・試食が“釜石グルメ”として提供された。
 
 3回目となる今回のコースは唐丹町片岸から本郷を巡る約6キロ。市内外から21人が参加し、釜石観光ガイド会の藤原信孝副会長の案内で歩いた。三陸鉄道唐丹駅を出発した一行は、震災の津波被害を受け、再建された小白浜漁港の防潮堤(高さ14.5メートル)を進んだ。ルートの途中で寄り道したのは盛岩寺。境内には1896(明治29)年、1933(昭和8)年の三陸大津波を伝える石碑が建ち、付近には東日本大震災の津波到達地点も示されている。
 
発着点は三陸鉄道唐丹駅。駅近くの片岸川(写真右下)には以前、サケが大量遡上していた

発着点は三陸鉄道唐丹駅。駅近くの片岸川(写真右下)には以前、サケが大量遡上していた

 
小白浜漁港の防潮堤内側を歩く。進行方向左手の高台には民家が並ぶ

小白浜漁港の防潮堤内側を歩く。進行方向左手の高台には民家が並ぶ

 
盛岩寺境内には明治29年と昭和8年の大津波記念碑がある(大きいのが昭和)。近くには東日本大震災津波の到達点を示す標柱も(右上写真)

盛岩寺境内には明治29年と昭和8年の大津波記念碑がある(大きいのが昭和)。近くには東日本大震災津波の到達点を示す標柱も(右上写真)

 
 参加者を楽しませたのは小白浜と本郷を結ぶ「桜峠」。高低差約30メートル、距離約500メートルの山道で、同トレイルルートであることを示すタグが道なりに取り付けられている。やぶの中を進み、頂上から本郷側に下ると旧国道45号に出た。国道ができる前は、参加者が通ってきた桜峠が人々の往来路。同町で3年に一度、開催される天照御祖神社式年大祭の名物“大名行列”もこの道を通っていたという。
 
今回の目玉「桜峠」を行く。道沿いの木に“みちのく潮風トレイル”のルートであることを示す青タグが取り付けられている

今回の目玉「桜峠」を行く。道沿いの木に“みちのく潮風トレイル”のルートであることを示す青タグが取り付けられている

 
もうすぐ峠の頂上。最後の上り坂を進む。参加者はまだまだ元気

もうすぐ峠の頂上。最後の上り坂を進む。参加者はまだまだ元気

 
本郷側に下る坂道は一部急斜面も。落ち葉のじゅうたんは滑らないよう慎重に…

本郷側に下る坂道は一部急斜面も。落ち葉のじゅうたんは滑らないよう慎重に…

 
 次に向かったのは、祭り行列のルートにもなっている本郷の桜並木。昭和8年の津波後に植樹され、当時の村長が残した「並木より下(低地)に家を建てるな」という教訓が継承される。並木を抜けた先には明治、昭和、平成の大津波の記憶を後世に伝える石碑群がある。参加者はガイド会の藤原副会長の説明を聞きながら、間もなく発災から15年を迎える東日本大震災に思いをはせた。
 
天照御祖神社式年大祭“大名行列”のルートにもなっている本郷の桜並木。古木ながら春には美しい花風景を見せる

天照御祖神社式年大祭“大名行列”のルートにもなっている本郷の桜並木。古木ながら春には美しい花風景を見せる

 
高台から臨む本郷地区。桜並木は当時の柴琢治村長が残した昭和8年の津波の教訓も伝える

高台から臨む本郷地区。桜並木は当時の柴琢治村長が残した昭和8年の津波の教訓も伝える

 
明治、昭和、平成の大津波を伝える石碑群が並ぶ一角。東日本大震災の津波記憶石(2012年6月建立)には地元小中学生のメッセージが刻まれる

明治、昭和、平成の大津波を伝える石碑群が並ぶ一角。東日本大震災の津波記憶石(2012年6月建立)には地元小中学生のメッセージが刻まれる

 
 津波石碑群の背後の高台には、江戸時代に全国を測量して歩き、日本地図の原形を作った伊能忠敬の業績を刻んだ石碑、唐丹の緯度と星座名を刻んだ星座石がある。地元の天文学者葛西昌丕(1765-1836)が残したもので、県指定文化財となっている。参加者のリクエストで市指定文化財の「本郷御番所跡」も巡り、2006年に開通した唐丹さくらトンネルを通って小白浜に戻った。
 
県指定文化財の「星座石」(右上写真)、「測量の碑」も見学。刻まれた文字に興味津々(右下同)

県指定文化財の「星座石」(右上写真)、「測量の碑」も見学。刻まれた文字に興味津々(右下同)

 
「仙台藩本郷御番所跡」を見学後、さくらトンネル、小白浜漁港岸壁を通ってグルメ会場へ…

「仙台藩本郷御番所跡」を見学後、さくらトンネル、小白浜漁港岸壁を通ってグルメ会場へ…

 
 唐丹地区生活応援センターでは今回の釜石グルメ「うにしゃぶ」が提供された。三陸産ウニを使った濃厚でクリーミーなスープに新鮮な魚介類をくぐらせて味わう同市の新名物鍋料理で、この日は唐丹産の生ワカメも具材に。参加者は初めての味わいを楽しみ、地元の食にも理解を深めた。
 
 今回の参加者の半数は市外から訪れた。登山仲間という岩泉町の畠山秀樹さん(61)、大船渡市の伊藤英さん(31)は会話も弾ませながら軽快な足取りで歩みを進めた。畠山さんは「県北のルートはよく行くが、県南はほぼ初。今回はうにしゃぶ目当てで。最後にうどんが欲しかった」とスープのおいしさを堪能。伊藤さんは釜石のルートは別の場所で何回か経験。「いろいろな年代の人が参加するにはちょうどいいコース。歩きやすい。新たな発見も」と初のルートを楽しんだ。
 
魚介類をウニスープで“しゃぶしゃぶ”。初めてのメニューに舌鼓!

魚介類をウニスープで“しゃぶしゃぶ”。初めてのメニューに舌鼓!

 
後半は青空がのぞく時間帯も。冬枯れの景色も眺めつつ一歩一歩前へ…

後半は青空がのぞく時間帯も。冬枯れの景色も眺めつつ一歩一歩前へ…

 
 宮城県仙台市から訪れた女性(68)は同企画2回目の参加。一昨年から同トレイルの面白さにハマり、各地のイベントに足を運ぶ。「いろいろな人に会えるし、地域の歴史や見どころを聞けるのがすごく楽しい。こっちのガイドさんはいろいろなことを説明してくれるので」と声を弾ませる。南から踏破を続け、今のところ最北が釜石。昨年4月の釜石ウオークで知り合った女性と仲良くなり、今回も共に参加。帰り際、「次も来ようね」と約束し、笑顔で別れた。
 
 東京から釜石市内の実家に帰省した大内愛子さん(26)は家族4人で参加。同トレイルは初体験で、「自分では行かないような所を歩けて面白かった。星座石とか、新たに知れたこともあり、歴史ある土地なんだなと感じた。違うコースも歩いてみたい」と興味をそそられた様子。父勇二さん(72)は「距離的にはどうってことないが、ちょっと寒かったね。前から歩いてみたかったので、娘の帰省のタイミングで参加できて良かった」と家族で過ごす休日を喜んだ。
 
唐丹の海をバックに記念撮影。この後、発着点の唐丹駅に向かった。全員完歩!

唐丹の海をバックに記念撮影。この後、発着点の唐丹駅に向かった。全員完歩!

 
 同トレイルは2024年の英タイムズ紙で、「日本で訪れるべき場所14選」に選ばれた。釜石市内では根浜キャンプ場や御箱崎の宿(箱崎白浜)などで、同トレイル目的の外国人客の宿泊が増えているという。市商工観光課の髙橋優哉主事は「地元住民との交流が楽しいというアンケート結果もあり、市民には積極的にコミュニケーションを取ってほしい。今回のような機会を通じてトレイルについて知ってもらい、魅力発信やさらなる誘客につなげられれば」と話す。
 
 本年度残り2回は2月22日、3月14日に実施予定。2月は両石町水海公園から鏡海岸を経て浜町に向かう「鳥谷坂峠」を主とした約12キロのコースを設定。同日行われるサン・フィッシュ釜石の屋台村での飲食を計画する。詳細が決まり次第、ホームページなどで広報。参加者を募集する。

kakizome01

「うま」書けたよ! 正福寺幼稚園年長児が書き初め 日本古来の風習を体験

「ウマ(午)く書けた~!」。初めて“書き初め”を体験した正福寺幼稚園の年長児ら

「ウマ(午)く書けた~!」。初めて“書き初め”を体験した正福寺幼稚園の年長児ら

 
 日本の新年に欠かせないワードと言えば「初○○」「○○始め」。初詣、初日の出、初売り、仕事始め、稽古始め…とさまざまあるが、伝統的な風習の一つが「書き初め」。釜石市内では昭和の時代に、“小川(こがわ)体育館”の愛称で親しまれた新日鉄釜石体育館(後の市民体育館)で大々的な書き初め大会が行われていたことを記憶する市民もいるのではないか? そんな日本の伝統「書き初め」を市内の幼稚園児が体験した。
 
 書き初めをしたのは、甲子町の正福寺幼稚園(松岡公浩園長、園児24人)の年長児9人。23日、園舎に隣接する正福寺(須藤寛人住職)に足を運び、新年&人生?初の書道に挑戦した。教えるのは、同園を運営する学校法人釜石学園の理事長でもある須藤住職。「お正月がきて初めて書く習字を書き初めと言います。みんなは小学校に行くと習字を始めます。今日は(その前に)少し勉強しましょう」と話し、書き方の指導が始まった。
 
書道用の筆や墨汁に興味津々。「どうやって書くのかな?」

書道用の筆や墨汁に興味津々。「どうやって書くのかな?」

 
 園児が書くのは、今年のえと「うま」の平仮名2文字。始めに点や横線、縦線などの書き方を新聞紙で練習した。仕上げは“ま”の縦線を左にぐるっと回す練習。園児たちは、筆先に墨汁を付けて字を書くという初めての感覚にワクワク、ドキドキ。「難しいねー」などと声を上げながら筆を運んだ。
 
「先生、書けたよ!」。初めての筆文字に笑顔を広げる園児

「先生、書けたよ!」。初めての筆文字に笑顔を広げる園児

 
お題は今年のえと「うま」。須藤住職がお手本を見せる

お題は今年のえと「うま」。須藤住職がお手本を見せる

 
 そしていよいよ、真っ白い半紙に清書。ちょっぴり緊張しながらも、のびのびと筆を動かし、練習の成果を表した。子どもらしいダイナミックな作品のほか、書道家のような味わいのある作品も。見守った先生方も驚く素敵な作品に仕上がった。最後は細い筆に持ち替え、自分の名前も書き入れた。
 
 鍵寧花ちゃん(5)は「点、書くところが面白かった。うまく書けたので、お父さんに見せたい。お習字はまたやってみたい」とにっこり。残り少ない幼稚園生活の楽しい思い出をまた一つ増やした。
 
真剣なまなざしで半紙に向かう。ゆっくりと慎重に筆を動かす

真剣なまなざしで半紙に向かう。ゆっくりと慎重に筆を動かす

 
清書2枚目に挑戦。「う」の点の書き始めを見定めながら…

清書2枚目に挑戦。「う」の点の書き始めを見定めながら…

 
個性あふれる「うま」文字に大人たちも顔をほころばせる

個性あふれる「うま」文字に大人たちも顔をほころばせる

 
 須藤住職は「みんな、想像以上に上手に書けていた。こういう風習が日本にずっとあったことを覚えていてもらえれば」と期待。同寺では東日本大震災後、被災者が写経にいそしむ場を提供したこともあった。「書道は集中できて、書いている間は嫌なことも忘れられる」と心の安定効果を挙げ、「大きくなっても書道に触れる機会を持ってもらえれば」と望んだ。
 
 仏教の教えを保育に取り入れる同園では、日本の伝統文化に触れる機会を大事にする。書き初めはコロナ禍でしばらく休止していたが、昨年から復活。松岡園長は「初めてやることは(子どもが成長する上での)一つの経験として大切。いろいろな視野を広げることにもつながる。正月にちなんだ催しなどと抱き合わせで、園の新春行事として発展させていければ」と継続実施を願う。
 
園児からは「楽しかった」「面白かった」「墨がちょっとこわかった」など、さまざまな感想が…。小学校でもがんばるぞー!

園児からは「楽しかった」「面白かった」「墨がちょっとこわかった」など、さまざまな感想が…。小学校でもがんばるぞー!

tetsukentei01

第18回鉄の検定 難問突破、成績優秀小中学生13人を表彰 1級認定は3人

第18回鉄の検定で成績優秀者として表彰された小中学生と学校関係者ら

第18回鉄の検定で成績優秀者として表彰された小中学生と学校関係者ら

 
 “鉄のまち釜石”を深く知ることができる「鉄の検定」が、昨年12月に行われた。18回目となる本年度は釜石市内の小中学生133人が挑戦。中学生の部では90点以上の1級に3人、80点以上の2級に7人が認定された。小学生の部上位3人を含む13人が表彰対象となり、今月17日、大平町の鉄の歴史館で表彰式が行われた。
 
 同検定は“近代製鉄発祥の地”釜石市で続けられるご当地検定。盛岡藩士大島高任が釜石・大橋で国内初の鉄鉱石を原料とした鉄の連続出銑に成功した日に由来する「鉄の記念日(12月1日)」の前後に実施される。鉄のふるさと釜石創造事業実行委員会(会長:小野共市長)が主催。近代製鉄発祥150周年となった2008年から行われている。
 
 本年度は小学生の部に平田小の5年生、中学生の部に釜石中、釜石東中の1年生が団体受検。小中共通の問題50問に挑んだ。出題は大きく分けて▽鉄と釜石に関わる歴史、文化財▽大島高任と田中製鉄所に関わった偉人▽世界遺産―の3分野。答えは4つの中から正解を選ぶ方式で、制限時間は30分。100点満点中、小学生の最高得点は72点、中学生は96点だった。
 
鉄の歴史館で行われた表彰式。対象者9人が出席した=17日

鉄の歴史館で行われた表彰式。対象者9人が出席した=17日

 
小学生の部1位(72点)で表彰された田中玲那さん(平田小5年)

小学生の部1位(72点)で表彰された田中玲那さん(平田小5年)

 
 表彰式には対象となった13人中9人が出席。家族や学校関係者が見守る中、同実行委会長の小野市長から賞状と副賞(文房具、世界遺産記念グッズ、鉄鉱石など)を受け取った。表彰を受けた小中学生からは「鉄についてたくさん勉強できた」「もっと知識をつけたい」「次は1級を目指して頑張る」などの声が聞かれた。
 
 全受検者で最高の96点をマーク、1級に認定された中学生の部1位の佐々木朋哉さん(釜石中1年)は同検定初挑戦。「まさか1位になれるとは」と驚きと喜びを表した。「過去問題を隙間時間にひたすら解いていた。かなり難しかったが、量をこなしていくうちに覚えていった」と勉強法を明かした佐々木さん。「もっと勉強して、次はアイアンマスター(100点に贈られる称号)を目指したい」と意気込んだ。釜石が近代製鉄発祥の地であることに、「誇らしい。知らない人にも釜石の鉄の魅力を伝えたい」と頼もしい言葉も。
 
中学生の部1位(96点)で表彰された佐々木朋哉さん(釜石中1年)

中学生の部1位(96点)で表彰された佐々木朋哉さん(釜石中1年)

 
式には表彰を受けた小中学生の家族らも出席。頑張りをたたえた

式には表彰を受けた小中学生の家族らも出席。頑張りをたたえた

 
 市内の小中学校では郷土学習の一環で、児童生徒が釜石の製鉄の歴史を学ぶ。鉄の歴史館や釜石鉱山展示室Teson、世界遺産になっている橋野鉄鉱山などの見学のほか、市や県から講師を招いて座学を行う学校も。2022年度からは中学校全5校で1年生による「鉄づくり体験」がスタート。本年度から小学校全9校で5年生が「鋳造体験」を行うなど、小中一貫の教育が進む。

 
一人一人、鉄の検定の感想を発表。「もっと勉強してみたい」などの声が聞かれた

一人一人、鉄の検定の感想を発表。「もっと勉強してみたい」などの声が聞かれた

 
表彰式後は親子で館内を見学。各種展示資料に見入った

表彰式後は親子で館内を見学。各種展示資料に見入った

 
 検定の問題を作成した市教委文化財課の加藤幹樹主査は「80点以上はかなり勉強しないと取れないレベル。過去問題やパンフレットでの学習以外に、体験学習や鉄関連イベントへの参加など自ら学びにいかなければ正解できない問題もちりばめた」と明かす。その上で「鉄に関する問題は釜石に特化したものがほとんど。(検定を通じて)子どもたちが知識として蓄えてくれるのはうれしい。地元のことを知る機会をさらに充実させ、やる気を持って取り組めるようにしたい」と今後を見据える。
 
 本年6月には大島高任生誕200年の節目を迎える。市教委の髙橋勝教育長は「鉄を通して古里釜石を大切に思う心を持ち続けてほしい。さらに学びを深め、鉄の魅力を発信できる人になってほしい」と期待した。

akumabarai03

幸多き1年へ― 荒川熊野権現御神楽「悪魔払い」 豊漁豊作、火伏せ、無病息災…願い地域巡行

荒川町内会が年始に続ける「悪魔払い」。家々などを回り1年の無事を祈る

荒川町内会が年始に続ける「悪魔払い」。家々などを回り1年の無事を祈る

 
 釜石市唐丹町の荒川町内会(雲南幹夫会長、80世帯)は11日、新年恒例の伝統行事、“荒川熊野権現御神楽”による悪魔払いを行った。神楽衆約40人が地域の家々や海岸、点在する複数の神社を回り、舞を奉納。厄を払い、新しい年が災難のない穏やかな1年になるよう祈願した。
 
 同市最南端に位置する荒川地区は海岸部から山間部に集落が連なる。住民が信仰する荒川鎮座熊野神社は1187(文治3)年、紀州熊野から分霊を勧請して建立。海上安全、火伏せ、五穀豊穣の守護神として熊野大権現を祭る。この地で古くから受け継がれる年始の行事が、御神楽(権現舞)による“悪魔払い”。新しい年を迎えた家々などを回り、厄払いを行う門打ちだ。
 
 別当の鈴木剛さん(48)宅で天照御祖神社(唐丹町片岸)の河東直江宮司によるおはらいを受けた一行は、熊野権現を化した獅子頭3体を携え出立。海岸部にある熊野神社で舞を奉納後、荒川海岸で「御水(塩)取り」と呼ばれる神事を行った。海水を付着させた笹竹で頭を清め、お神酒、塩を供えて拝礼。海と海神を祭る高台の湊神社に向かって舞を奉納し、海上安全、豊漁を祈願した。
 
荒川海岸で行われた「御水(塩)取り」。海神をあがめる伝統の神事

荒川海岸で行われた「御水(塩)取り」。海神をあがめる伝統の神事

 
海に向かって舞を奉納する「荒川熊野権現御神楽」。海上安全、豊漁を祈願

海に向かって舞を奉納する「荒川熊野権現御神楽」。海上安全、豊漁を祈願

 
 この後、地区内に点在する各神社、班長宅などを回った。自宅裏に八幡神社がある鈴木賢一さん(80)方では、孫の悠真君(5)が獅子頭に頭をかんでもらい、健やかな成長を祈願。「かみかみしてもらって、うれしかった」と笑顔を広げた。姉の紬心さん(7)は父や中学生の兄が参加する神楽で小学生の女の子が踊る姿を目にし、「自分もいつか踊ってみたい」と目を輝かせた。
 
下荒川、鈴木賢一さん方で厄払いの門打ち。家内安全、無病息災などを祈る

下荒川、鈴木賢一さん方で厄払いの門打ち。家内安全、無病息災などを祈る

 
獅子頭に頭をかんでもらう子ども。邪気を吸い取ってくれるとされる

獅子頭に頭をかんでもらう子ども。邪気を吸い取ってくれるとされる

 
地区内には山の神(左上)、五葉神社(右上)など複数の神社がある。神楽衆は各所を回り舞を奉納

地区内には山の神(左上)、五葉神社(右上)など複数の神社がある。神楽衆は各所を回り舞を奉納

 
 三陸最高峰「五葉山」の赤坂峠に続く県道沿いでは、山間部にある「山の神」神社まで足を延ばし、舞を奉納。帰路の荒金集会所では、一行を迎えるために食事を準備していた町内の女性11人の前で複数の演目を踊った。同神楽は熊野神社の信仰とともに伝承され、神の使いである御獅子が悪魔を退散させ、安寧の世に導く意味が込められる。現在は同町内会が4演目を継承し、年始の同巡行のほか、3年に一度の天照御祖神社式年大祭「釜石さくら祭り」で踊りを披露している。
 
 豚汁などのお振る舞いのため前々日から準備にあたった小野寺未徳さん(79)は「年に1回のお祭り。若い衆が頑張って踊ってくれた。きっとご利益があると思う」と晴れの笑顔。同地区山間部では農林業従事者も多い。「クマやイノシシ被害もあるが、頑張っている。今年1年、みんな元気で、秋には豊作になれば」と期待した。
 
笛や太鼓のお囃子(はやし)を響かせながら、荒金集会所に向かう一行

笛や太鼓のお囃子(はやし)を響かせながら、荒金集会所に向かう一行

 
集会所では舞を披露した後、女性たちが準備したお振る舞いをいただいた。室内には小正月のみずき団子飾りも…

集会所では舞を披露した後、女性たちが準備したお振る舞いをいただいた。室内には小正月のみずき団子飾りも…

 
 4班班長の久保正勝さん(69)方の庭には近隣住民も訪れ、御神楽を楽しんだ。「昔からずっと続いている行事。ありがたい」と久保さん。自身も神楽に長年携わってきた。「昔は若い人たちがもっと多かったが、今は後継者不足で。何とかつないでいってほしいが…」と未来を案じる。神楽衆をまとめる世話人長の久保直人さん(45)は「これ(悪魔払い)がないと1年が始まらない。御神楽は地区住民の団結の証し」と誇りを示す一方で、やはり人材不足を課題に挙げる。「荒川から出ている人たちの協力もあって、今はできているが…。激しい踊りなので、若い人たちの参加が不可欠。地元に残る若者が少しでも増えてほしい。地域の伝統はなくしたくない」と願う。
 
上荒川、久保正勝さん方で舞を披露。近隣住民も集まり、新年のあいさつを交わしながら交流

上荒川、久保正勝さん方で舞を披露。近隣住民も集まり、新年のあいさつを交わしながら交流

 
威勢のいい舞に太鼓をたたくメンバーも笑みがこぼれる

威勢のいい舞に太鼓をたたくメンバーも笑みがこぼれる

 
「元気に育て!」。御神楽は子どもたちの健やかな成長も祈る

「元気に育て!」。御神楽は子どもたちの健やかな成長も祈る

 
 荒川地区は2011年の東日本大震災津波で、国道45号東側エリアから今の三陸沿岸道路(震災後に建設)橋脚付近まで浸水。約50戸が被災し、住民数人が犠牲になった。同震災から今年で15年―。町内会の雲南会長(73)は「山に囲まれる荒川地区は沢が多く、豪雨による土砂災害の危険もある」とし、地震津波だけではない自然災害への備えの必要性を認識。地区内には防災士の有資格者が11人いて、「現在、自主防災組織の充実強化を図っているところ」と明かした。町内会は郷土芸能や地域の伝統文化を通じて住民のつながりをより強固にし、コミュニティーの力を防災にも生かしていきたい考えだ。

hatachi01

輝く未来へ 釜石で「はたちのつどい」 若者自ら盛り上げ 笑顔晴れやか

晴れやかな笑顔が並んだ釜石市の「はたちのつどい」

晴れやかな笑顔が並んだ釜石市の「はたちのつどい」

 
 12日の成人の日を前に釜石市では11日、市と市教育委員会主催の「はたちのつどい」が開かれた。節目を迎えた若者たちが華やかな振り袖やスーツ姿で式典に臨んだ。「困っている人に寄り添える人になりたい」「社会人としてしっかりと」「育ててもらった恩返しをしたい」。夢や目標に向けて確かな一歩を踏み出した出席者に抱負や古里への思いを聞いた。
 
 同市大町の市民ホールTETTOで式典があり、対象者250人中203人が出席した。東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげて開式。小野共市長が「20歳は人生の大きな節目。自分の持つ可能性を信じて夢に挑戦し、自分の道を切り開いてほしい」とエールを送った。
 
「実に濃い20年間」を振り返り、夢を語った及川佳倫さん

「実に濃い20年間」を振り返り、夢を語った及川佳倫さん

 
 対象者を代表して抱負を発表したのは、釜石中出身で岩手県立大で学ぶ及川佳倫(よしとも)さん(19)。5歳の時に体験した震災に触れながら「不自由さを感じることなく、元気に育つ環境をつくってくれた」と地域への感謝を口にした。将来の夢は「誰かの未来のために必死に頑張れる教師になること」。教師をしている父親の背中を見て「憧れた」という。「これから先の人生には数え切れないほどの困難があるだろう」と想像しつつ、「支えてくれた地域の皆さんや友人の顔を思い出し強く生きていく」と力を込めた。
 
 対象者から募った有志が進行役を担い、実行委6人が作成した恩師らのビデオメッセージを鑑賞。過ぎし日を懐かしんだ。市民憲章・防災市民憲章の唱和、市民歌斉唱なども行い、社会の一員として気持ちを引き締めた。
 
「未来へ進むための糧に」。式典を進行した実行委メンバーら

「未来へ進むための糧に」。式典を進行した実行委メンバーら

 
恩師から届いたメッセージに笑顔を広げる出席者

恩師から届いたメッセージに笑顔を広げる出席者

 
 有志13人が郷土芸能の虎舞を披露。地域への感謝や、20歳の門出の景気づけになるよう威勢よく舞った。「最高っす!」。鳥居睦樹さん(20)は式典後も同ホールのロビーなどでおはやしを響かせ、元気に跳ね回っていた。子どもの頃から続ける虎舞は「誇り」ときっぱり。市内の広域ごみ処理施設で働き、「大変だけど、頑張っている。立派な大人になりたい」と胸を張った。
 
軽快で若々しい虎舞が式典を盛り上げた

軽快で若々しい虎舞が式典を盛り上げた

 
「虎舞は誇り」。息を合わせた演舞で魅せたメンバー

「虎舞は誇り」。息を合わせた演舞で魅せたメンバー

 
 家族と記念写真を撮っていた佐々木ここみさん(20)は短大での学びを生かし、4月から保育士として働く。「社会人としてしっかりしなきゃ」と、自分に言い聞かせるように話した。新たな生活の舞台に選んだのは埼玉県。「離れて暮らす家族に会いたくなるかも。育ててくれた恩返しができるよう頑張りたい」とうなずいた。
 
両親や祖父母に囲まれ、ほほ笑む佐々木ここみさん(前列中)

両親や祖父母に囲まれ、ほほ笑む佐々木ここみさん(前列中)

 
 そんなかわいい孫の門出を祝おうと会場に駆け付けた佐々木かつ子さん(76)は「何事もなく、すくすく育って、うれしい限り。あっという間の20年」としみじみ。食べ物に気をつけて、病気にならないようにと祈りつつ、「帰る場所があるからね」と見守った。
 
「釜石は安心する場所」と話す久保翔太さん(左)と友人の佐々木悠斗さん

「釜石は安心する場所」と話す久保翔太さん(左)と友人の佐々木悠斗さん

 
 着流しスタイルの久保翔太さんに20歳になって思うことを聞くと、「何となく…ちょっと大人になったかなという感じ」と言って笑った。鍼灸(しんきゅう)師を目指し、盛岡の医療系専門学校に通う。理由は「つぼが好きだから」。釜石市外の高校に進学し、部活動でバドミントンに打ち込む中で、自身の体調を整える方法を探して興味を持った。学校は3年制で、残り1年で知識や技術にさらに磨きをかけるつもり。「困っている人に寄り添い、手助けできたら」と未来を描く。
 
日本語を学ぶ仲間と一緒に「うれしい」思い出を増やすブダトキ ルパさん(右)

日本語を学ぶ仲間と一緒に「うれしい」思い出を増やすブダトキ ルパさん(右)

 
 釜石で日本語を学ぶネパールやミャンマーからの留学生8人も、母国の民族衣装で参加した。水色のサリーに身を包んだブダトキ ルパさん(20)は日本ならではの行事に「とてもおもしろい。みんなとお祝いして、うれしいです」とにっこり。「義務を果たせる人になりたい」と続けた。この春、介護を学ぶ専門学校へ進学。将来は日本で働くことを希望する。釜石に暮らし約1年半。「住みやすいまち」と感じたようで「(釜石に)戻って働きたい。お年寄りのお世話をしたい」と望んだ。
 
色鮮やかな振り袖姿の女性陣。笑顔で写真に納まる

色鮮やかな振り袖姿の女性陣。笑顔で写真に納まる

 
「20」。節目の一日を思い出として刻む若者たち

「20」。節目の一日を思い出として刻む若者たち

 
スマホ片手にパチリ。再会した友人と記念撮影を楽しむ

スマホ片手にパチリ。再会した友人と記念撮影を楽しむ

mizukidango01

小正月の風習 末永く後世に 松倉町内会「みずき団子祭り」 子どもたちと地域つなぐ機会にも

松倉町内会の小正月行事「みずき団子祭り」=10日、松倉地区コミュニティ消防センター

松倉町内会の小正月行事「みずき団子祭り」=10日、松倉地区コミュニティ消防センター

 
 1月15日は小正月。本県では、ミズキ(水木)の枝に色とりどりの団子を飾り、新しい年の五穀豊穣や家内安全などを祈る風習が各地で受け継がれる。釜石市内では、古くは農家や商家など家々で行われたが、今は公民館や幼児施設で季節行事として開催されることが多くなった。甲子町の松倉町内会(佐野賢治会長、580世帯)もその一つ。10日、同地区コミュニティ消防センターで、みずき団子祭りを開き、子どもから高齢者まで約40人が伝統行事で交流を深めた。
 
 同センター2階の集会室には、縁起が良いとされる3段の枝ぶりが見事なミズキが据えられた。始めに団子を刺しやすいように、枝に出ている芽を取り除いた。枝に飾り付ける団子は町内の女性らが下準備し、小学5、6年児童が手伝って仕上げたもの。4色の団子は四季を表すとされる。子どもたちは丸い団子を手に取り、枝の先に刺していった。背の高い部分は、お父さん方が担当。団子のほかミカンや菓子袋、願い事や目標を記した短冊も飾った。
 
ミズキの芽を摘み取る「芽かき」からスタート

ミズキの芽を摘み取る「芽かき」からスタート

 
4色の団子をミズキの枝に飾り付ける子どもら。「うまくできるかな?」

4色の団子をミズキの枝に飾り付ける子どもら。「うまくできるかな?」

 
枝の高い所はお父さん方が担当。カラフルな団子で枯れ木に花が咲いたよう…

枝の高い所はお父さん方が担当。カラフルな団子で枯れ木に花が咲いたよう…

 
 野田紗也佳さん(甲子小5年)は花が咲いたようなミズキに「きれい」と感激。短冊には「勉強で頑張りたいことを書いた。苦手な算数を克服して得意になりたい」と今年の目標を掲げた。鳩岡柚さん(同)は、みずき団子について「知っていたけどやるのは初めて。楽しかった」とにっこり。春には小学校生活最後となる6年生になる。「低学年の子たちにやさしくしたい」と最上級生への自覚を高めた。
 
菓子やミカン、短冊も飾ると、さらに華やかに…

菓子やミカン、短冊も飾ると、さらに華やかに…

 
短冊にはそれぞれの夢や願い事が記された。2026年が「良い年になりますように」との願いも込めて…

短冊にはそれぞれの夢や願い事が記された。2026年が「良い年になりますように」との願いも込めて…

 
 会場には紅白の幕や子どもたちが書き初めをした書道作品も飾られ、華やかなミズキ飾りとともに新年の祝いムードを盛り上げた。その中で、子どもたちは羽子板や福笑いなど昔ながらの正月遊びを楽しんだ。
 
 地元の正福寺住職、須藤寛人さん(61)の講話もあった。今年のえと「午(ウマ)」の話では、5500万年前のウマは中~大型犬ぐらいの大きさしかなく、長い年月をかけて今の大きさになったこと、日本では元々、耕作や運搬など農家の力仕事を手伝ってくれる農耕馬が主流で、競走馬のような足の速いウマは後に外国から入ってきたものであることを教えた。また、みずき団子に込められる実りや成長への願いにも触れ、「みんなも1年の目標を定め、今年の終わりにはそれを達成できるように頑張って」とエールを送った。
 
松倉のみずき団子祭りでは毎年、正福寺の須藤寛人住職(右)が講話。新年にあたり、ためになる話をいただける

松倉のみずき団子祭りでは毎年、正福寺の須藤寛人住職(右)が講話。新年にあたり、ためになる話をいただける

 
正月遊びの定番「福笑い」や「羽子板」は昔も今も変わらず人気。ミズキ団子には子どもたちの健やかな成長への願いも込められる

正月遊びの定番「福笑い」や「羽子板」は昔も今も変わらず人気。ミズキ団子には子どもたちの健やかな成長への願いも込められる

 
竹とんぼを飛ばしてみる親子。この日はお手玉などの昔遊びも用意され、楽しい時間を過ごした

竹とんぼを飛ばしてみる親子。この日はお手玉などの昔遊びも用意され、楽しい時間を過ごした

 
 同町内会のみずき団子祭りは、甲子公民館が1982年から行ってきた行事を受け継ぐ形で今に至る。コロナ禍で5年間中断したが、昨年から再開。以前は100人以上が参加していた時期もあったが、少子化の影響などで、近年はピーク時の半数ほどになっている。
 
 市内では人口減や少子高齢化で町内会活動が難しくなっている地域もある。そんな中で松倉町内会では、子どもたちとその保護者が親子で参加して楽しめるような行事を積極的に導入。子ども会やPTAと連携し、古里の良さを感じながら幅広い年代が交流を図れる機会を設けている。「何か接触がないと(若い世代が)どんどん離れてしまう。こうした行事を通して町内会に参加してもらうことで一体感を高めたい。地域全体で子どもたちを見守っていければ」と佐野会長。この日は集まった保護者らに、子どもたちが楽しめるような企画の提案も呼びかけた。

hagoita01

正月彩るミニ羽子板作り ぼく、わたしだけの一枚に笑顔 冬休みの思い出 まちづくり会社が後押し

オリジナルの飾り付けを楽しんだ「羽子板作りワークショップ」

オリジナルの飾り付けを楽しんだ「羽子板作りワークショップ」

 
 釜石まちづくり会社主催の羽子板作りワークショップが昨年12月27日、釜石市大町の情報交流センターで開かれた。正月飾りや冬休みの工作に活用してもらおうと、初めて開催。帰省した親子を含む市内外の15人が参加し、レーザー加工機や豊富な装飾パーツを使ったミニ羽子板作りに挑戦した。同社は長期休み中の子ども応援企画第2弾として、あす10日には「冬休み 市内いっせいしゅくだいの日」イベントを市民ホールTETTOなどで開く(詳細は同社インスタグラムで)。
 
 レーザー加工機を使った製品の製作販売を行う大槌町吉里吉里のNRC(細川恵子代表取締役社長)が協力。同社取締役企画部長の井上藍さん(37)が持ち込んだ小型加工機を使って、下地作りからスタートした。羽子板の形にカットしたヒバ材(縦20センチ、横9センチ)に、参加者が選んだ年号やえとの図柄を配置。タブレットでデータ入力し、同加工機で刻印した。
 
羽子板の形、表面に施す図柄を選び、タブレットで配置場所や大きさを調整

羽子板の形、表面に施す図柄を選び、タブレットで配置場所や大きさを調整

 
入力されたデータ通りにレーザー加工機が図柄を刻印。機械の動きに子どもたちも興味津々

入力されたデータ通りにレーザー加工機が図柄を刻印。機械の動きに子どもたちも興味津々

 
 機械の稼働中に、参加者は板に貼り付ける装飾パーツを選んだ。井上さんが準備した木製パーツのほか、まちづくり会社社員が手作りした水引、手芸用の飾りなど豊富な種類が用意され、完成形をイメージしながら好みのものを集めた。木製パーツにはマジックで色付けも。子どもたちはレーザーで模様が刻まれていく様子も見学し、普段あまり見ることのない作業に目がくぎ付けになった。
 
えとの“ウマ”にちなんだ木製パーツや手作りの水引など種類豊富な飾りが用意された。「どれにしようかな?」

えとの“ウマ”にちなんだ木製パーツや手作りの水引など種類豊富な飾りが用意された。「どれにしようかな?」

 
 刻印が終わると最後の仕上げ。選んだ装飾パーツをバランスを考えながら板に並べ、木工用ボンドやグルーガンで接着した。幼児は保護者に手伝ってもらいながら作業。小学生は冬休みの宿題の工作にも応用しようと、それぞれに創造力を発揮した。完成品を手にした子どもたちは、うれしそうな表情を浮かべ、間もなく迎える正月を心待ちにした。
 
着色したパーツを木工用ボンドやグルーガンで貼り付け。ベースデザインとのバランスも考えながら…

着色したパーツを木工用ボンドやグルーガンで貼り付け。ベースデザインとのバランスも考えながら…

 
 小佐野小の前田瑛里さん(4年)、陸仁さん(1年)姉弟(きょうだい)は、ものづくりが大好きで、今回も自ら参加を希望。製作後、感想を聞くと、「楽しかった~」と声をそろえた。陸仁さんは木製パーツを組み合わせ、“雪だるま”や“ミカン”の形に。「頭で想像して形を作るのが楽しかった」と声を弾ませた。瑛里さんは「レーザーで模様が浮かび上がってくるところを初めて見た」と目を輝かせ、オリジナルの“デコ”羽子板を「自分の部屋に飾りたい」と楽しみにした。 2人を見守った母梨沙さん(35)は「一生懸命考えながら、頑張って作っていた。ものづくりを通して、いろいろな発想が豊かになっていけば」と期待した。
 
前田さん姉弟の作品。右が姉瑛里さん、左が弟陸仁さん作。出来は「100点満点!」だそう

前田さん姉弟の作品。右が姉瑛里さん、左が弟陸仁さん作。出来は「100点満点!」だそう

 
「すてきな羽子板ができました!」。大満足の子どもたち(前)と主催者ら(後)

「すてきな羽子板ができました!」。大満足の子どもたち(前)と主催者ら(後)

 
 NRCの井上さんは、東日本大震災後の緊急雇用制度を活用した一般社団法人の活動で、レーザー加工機の操作技術を習得。現会社ではオリジナル雑貨の製作販売のほか、企業や個人からの依頼で記念品などの受注製作を行っている。今回のようなワークショップは「子どもたちが喜んでくれるのがうれしい。レーザー加工機に興味を持ってくれる子もいる。将来、ものづくりに携わる仲間が増えてくれれば」と期待。釜石市ではこれまでにも製作実演会などを行っていて、今後も機会があればイベント協力していきたい考え。まちづくり会社の下村達志事業部長は「楽しんでもらえて良かった。これからも季節に応じたワークショップを開催していきたい」と話した。

hatsumoudewalk01

みんなで歩ける喜び感じながら… 新年恒例 釜石「初詣ウオーク」 “健歩”で1年スタート

新年初歩きを楽しむ市内外のウオーキング愛好者ら=2日、初詣ウオーク

新年初歩きを楽しむ市内外のウオーキング愛好者ら=2日、初詣ウオーク

 
 釜石市ウオーキング協会(遠野健一会長、会員46人)の歩き初め、「初詣ウオーク」は正月2日に行われた。市内の神社や寺を詣でながら歩く新年恒例の行事で、21回目の開催。同協会のほか、大船渡市と遠野市の各団体から計20人が参加した。中妻町から浜町まで約10キロの道のりを歩いた参加者は、心地よい疲れとともに笑顔を広げ、「今年もみんなで元気に歩こう!」と誓い合った。
 
 スタート地点は中妻町の昭和園クラブハウス駐車場。開会式で遠野会長は「仲間と歩くことは健康にも効果がある。今年も、より楽しいウオーキング活動を目指していきたい。今日は歩けることに感謝しながら、1年を無事に過ごせるように神社、仏閣で祈願していこう」と呼びかけた。軽いストレッチで体をほぐした後、最初の詣で地、八雲神社(八雲町)に向けて出発した。
 
八雲神社には西側の山道から上って参拝。霜柱が立つ地面を踏みしめ一歩一歩前へ…

八雲神社には西側の山道から上って参拝。霜柱が立つ地面を踏みしめ一歩一歩前へ…

 
鳥居の下の「茅の輪」くぐりも体験。厄を払い、無病息災を祈願

鳥居の下の「茅の輪」くぐりも体験。厄を払い、無病息災を祈願

 
 この日の市内は晴れて気持ちのいい青空が広がったものの、風が強めに吹き、底冷えの一日に…。日陰の土の地面には霜柱が立ち、真冬らしい寒さとなった。それでも、高台にある寺社への坂道や石階段を上り下りするうちに体は温まってきた。参加者は2カ所目の八幡神社(大渡町)でお参りした後、市保健福祉センターに立ち寄りトイレ休憩。水分補給などもして、後半のコースに向かった。
 
駒木町の甲子川河川敷遊歩道を進む。対岸ではシカ2頭がごあいさつ(写真左下)

駒木町の甲子川河川敷遊歩道を進む。対岸ではシカ2頭がごあいさつ(写真左下)

 
大渡町の八幡神社に到着。急な石階段は手すりにつかまって慎重に上る

大渡町の八幡神社に到着。急な石階段は手すりにつかまって慎重に上る

 
薬師山観音寺入り口の樹木にはクマのものとみられる爪痕も。まだまだ注意が必要

薬師山観音寺入り口の樹木にはクマのものとみられる爪痕も。まだまだ注意が必要

 
 同センターに隣接する薬師山観音寺(大町)で参拝後は、中心市街地の県道を進んだ。商店やホテルの門松、正月飾りで新年の始まりを実感しながらウオーキング。道行く人ともあいさつを交わしながら歩き、ゴールとなる尾崎神社(浜町)を目指した。午前9時半前に出発した参加者らは、正午前には同神社に到着。最後の参拝を無事終えた。
 
 釜石協会の大沢寿礼さん(72)は「風は冷たいがピリッとしていいね。新年の初歩きはやはり気持ちが引き締まる」とすがすがしい表情。協会に入って5年ほどになるが、今は月1回発行する「ウオーキングだより」の編集を担当。「手間はかかるが、みんなが楽しみに読んでくれるのがうれしい」と話す。今年は「まだ行ったことがない県外への遠征ウオークにも参加したい。昨年は厄年だったので、今年は“ウマ”くいくように」と願った。
 
 釜石の初詣ウオークは初めてという遠野協会の鈴木幸枝さん(59)は「今年1年、元気で過ごせるようにと拝んで歩いた」。3年ほど前から健康づくりのために始めたウオーキング。「歩くのが苦じゃなくなり、外に出たいという気持ちになった」と心身の変化を実感する。今は他市町の協会が主催する行事にも参加し、「知らない所に行って歩くのが、ちょっとした旅行気分で楽しい。知り合いも増えた」と喜ぶ。2026年に望むのは「体も心も健康に、穏やかに…」。
 
今年3月で東日本大震災から15年―。中心市街地には複数の復興住宅が建ち並ぶ

今年3月で東日本大震災から15年―。中心市街地には複数の復興住宅が建ち並ぶ

 
釜石港を臨む浜町に到着。ゴールの尾崎神社まであと少し。初詣に向かう車列も続く(左)

釜石港を臨む浜町に到着。ゴールの尾崎神社まであと少し。初詣に向かう車列も続く(左)

 
無事に完歩! 感謝の気持ちを込め、尾崎神社で最後の参拝

無事に完歩! 感謝の気持ちを込め、尾崎神社で最後の参拝

 
 昨年は全国的にクマの出没が相次ぎ、これまで気軽にできたウオーキングも「1人では怖い」「コースや時間帯も見直さざるを得ない」状況に陥った。前述の鈴木さんも「クマが怖いので、ジムで運動するようにしていた」と話す。危険回避の観点からも、大人数で歩く協会行事は運動機会確保の一助にもなるものと思われる。
 
 釜石協会は今年も、市内や周辺市町での月2回の例会ウオーキングのほか、県内外のイベントにも参加予定。各地の自然や歴史、文化に触れながら歩き、仲間との交流も深める。会員以外の参加も大歓迎。次回は1月17日、市内平田地区を散策する。10キロのほか5キロでも参加可能。希望者は午前9時に上平田ニュータウン集会所に集合とのこと。一般の参加料は300円。