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宇宙を旅した復興横断幕 いのちをつなぐ未来館(釜石・鵜住居町)で展示公開

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いのちをつなぐ未来館で展示中の「東北復興宇宙ミッション2021」横断幕

  
 東日本大震災発生から10年の節目に被災地の復興を発信する「東北復興宇宙ミッション2021」で、国際宇宙ステーション(ISS)から帰還した横断幕が、釜石市鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で展示公開されている。同館を指定管理する「かまいしDMC」の社員有志でつくる天文部が市内各所で撮った星空の写真も紹介。「宇宙を身近に感じながら震災を考え、知るきっかけに」と期待する。11月4日までを予定する。
 
 宇宙ミッションは震災の記憶と教訓、復興支援への感謝を伝えるメッセージや写真、植物の種などを宇宙に送り、被災地の現状を発信するもの。一般財団法人ワンアース(茨城県龍ケ崎市)が企画し、東北被災3県の約50自治体が参加した。
 
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被災自治体が復興の姿や支援への感謝を伝える画像とメッセージを寄せた

 
 横断幕は2021年3月11日にISSで感謝のメッセージを読み上げた野口聡一宇宙飛行士のバックに掲示されていたもの。福島県川俣町特産の川俣シルクで制作され、ミッションに参画した各自治体が復興への思いなどを画像とともに記している。縦1・2メートル、横7メートル。同年2月20日にロケットで打ち上げられ、4カ月余り宇宙を〝旅〟し、7月10日に地球に帰還した。参加した各自治体で巡回展示されている。
 
 釜石が発信した画像は、市内小中学生が中心となって世界中に感謝を伝える活動「#Thank You From KAMAISHI 」を紹介。2019年に地元で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げるための準備や試合会場での応援の様子、復活した三陸鉄道などを散りばめている。この横断幕のほか、市の花ハマユリの種もISSに〝滞在〟し、無事帰還した。
 
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釜石の子どもたちの笑顔で感謝を伝える。「ありがとう」

 
 同館職員の佐々学さん(43)は「宇宙を旅した特別な旗を見に来てほしい。震災を知らない子どもたちが増えているので、次世代への伝承にもつながれば」と期待する。
 
 天文部の活動で、市内の星空を収めた写真約20点も掲示。昨年の冬から今年の夏にかけて世界遺産・橋野鉄鉱山、根浜海岸などで見られたオリオン座や「天の川」を写した。「星」をテーマに、三陸ジオパークの箱崎半島を紹介するパンフレットも作成、同館で配布する。「釜石は星がきれい。そんな星空を楽しむことができる素晴らしい環境がある。宇宙を身近に感じることで地元の魅力を知ってほしい」と佐々さん。きらめく夜空を楽しみ続けるため環境を守っていこうと思いを強めている。
  
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宇宙ミッションのメッセージ集と星空ガイドブックを紹介する佐々さん

 
 

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釜石の秋味といえば? 甲子柿!出荷始まる 豊作傾向で色・形・味バランスよし

釜石の秋を象徴する甲子柿。目揃会で生産者らが出来を確かめた

釜石の秋を象徴する甲子柿。目揃会で生産者らが出来を確かめた

  
 釜石市の秋の味覚「甲子柿」の今季出荷が始まった。20日、甲子柿の里生産組合(佐々木裕一組合長、21人・5団体)は組合員が品質を確認する「目揃(めぞろえ)会」と、消費者目線で出来栄えを評価する審査会を開催。今年は病害や天候の影響が少なく豊作傾向で、生産者らは収穫・出荷作業と忙しい日々が続く。「色や形、つや、食味のバランスがいい」とのお墨付きをもらい、伝統の味を全国に届けようと一層作業に熱を込める。
  
 甲子柿は、渋柿の一種の小枝柿を「柿室(かきむろ)」と呼ばれる暗室に入れ1週間ほどいぶし、渋を抜く地域伝統の製法で作られる。完熟トマトのような色味とぷるんとした食感、凝縮された甘味が特長。近年は豊富な栄養素も注目され、2021年には国の2つの制度(地理的表示[GI]保護制度、機能性表示食品)で特性が認められた。
  
 目揃会は甲子町の洞関コミュニティ消防センターで開かれた。関係者ら約20人が参加。生産者8人が化粧箱に詰めた柿を持ち寄り、色つやや大きさなど仕上がりを確認した。今年は夏場に雨量が多く、気温も高めだったが、台風による被害がなく、順調に成育。落葉病など病害の影響も少なかったが、最近ちらほらと葉などに斑点ができる農家もあり、防除について情報共有した。
  
実を手に取って色つや、重さを確認

実を手に取って色つや、重さを確認

  
豊作に顔をほころばせる生産者ら

豊作に顔をほころばせる生産者ら

  
 同町洞泉地区で10年前から生産に励む菊池永人さん(47)は「実が採りきれないほど。これまでで最高になりそう。糖度が高くて、おいしさも期待できる」と手応えを実感。ブランド化を進める中で、摘果など栽培管理に力を入れる生産者が多いが、「うちはほとんど手入れをせず自然任せ。昔ながらの小ぶりな実で季節の味を届けたい」と意欲を見せる。
  

3年目の審査会 「いぶしの製法」継承を期待

  
出品された甲子柿の見た目を審査する委員

出品された甲子柿の見た目を審査する委員

  
 審査会は大町の市民ホールTETTOで開かれ、9人の組合員が出品した。食や農業に関わる企業や団体の関係者らが委員(12人)となり、消費者目線で▽見た目(色、つや、傷の多少)▽味(甘さ、いぶし風味の有無、脱渋具合)▽食感―を審査。結果、9品全てが地方発送や各種販売会への出荷に値する品質と判断された。
  
柿を食べ比べ、甘さや食感などを確かめた

柿を食べ比べ、甘さや食感などを確かめた

  
 市農政推進協議会長で県食の匠の佐々木かよさん(71)は「味、形、つやがそろっているし、甘くて甲乙つけがたい。優秀で立派なものばかり。釜石の特産品、秋の味を楽しんでもらえる」と高評価。審査委員長の黒田博幸さん(51)=麻生三陸釜石工場総料理長=も「バランスよし」と太鼓判を押し、「いぶすという独自の製法を守り、継承してほしい」と期待した。
  
柿室でいぶす伝統の製法で作られ、真っ赤に色づいた甲子柿

柿室でいぶす伝統の製法で作られ、真っ赤に色づいた甲子柿

  
 この審査会は甲子柿の品質向上と品質統一化に向けた取り組みで、3年目の実施。佐々木組合長(72)は「凶作の昨年に比べると出来が良く、豊作にほっとしている。みなさんの声を糧にさらに頑張っていく」と力をもらった。出荷作業は例年通り11月中旬ごろまで続く見込みで、「気温の寒暖差が大きく、天気予報とのにらみ合いは続く。柿室の温度や湿度管理に気を配り、ハイレベルな品質、収量を確保したい」と気を引き締めた。
  
 市内では道の駅釜石仙人峠(甲子町)や一部スーパーなどで販売中。市外への認知度向上、販路拡大に向け、▽らら・いわて盛岡店対面販売会(10月25日、11月4、5日)▽伊丹空港「空の市」(10月29、30日)▽仙台藤崎百貨店GI産品フェア(11月11、12日)―への参加を予定している。

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2基のみこし、曳き船に市民ら感涙 3年ぶりの釜石まつり コロナ禍からの復活に力

釜石まつり(尾崎神社、日本製鉄山神社合同祭)=16日、薬師公園御旅所

釜石まつり(尾崎神社、日本製鉄山神社合同祭)=16日、薬師公園御旅所

 
 釜石市浜町の尾崎神社と桜木町の日本製鉄北日本製鉄所釜石地区山神社の合同祭「釜石まつり」(同実行委主催)は14日から3日間にわたって行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた同市最大の秋祭りが3年ぶりに復活。15日は釜石湾内で曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)、16日は市中心市街地で両神社のみこし渡御を繰り広げ、まちに活気をもたらした。参加者、観客ともに大きな喜びに包まれ、地元の宝を再認識。コロナ禍からの脱却に大きな弾みをつけた。
 
曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)は4年ぶりの開催=15日、釜石港

曳き船まつり(尾崎神社海上渡御)は4年ぶりの開催=15日、釜石港

 
 尾崎神社奥宮のご神体をみこしに迎え、海上を渡御する曳き船まつりは、江戸時代から続く伝統神事。海上安全や豊漁などを祈願する。コロナ前の2019年も悪天候で中止されたため、今回は4年ぶりの開催。魚河岸の市魚市場前から出港した14隻の船団は尾崎半島青出浜にある奥宮にご神体を迎えに行き、午後0時半ごろ帰港。大漁旗をなびかせた各船は港内を3周した。船には神楽や虎舞の郷土芸能団体が乗り込み、にぎやかなおはやしや舞を披露。みこしを乗せた御召船第18宝生丸(釜石湾漁協)が岸壁に近づくと、見物客が手を合わせた。
 
色とりどりの大漁旗をなびかせ進む漁船=釜石市魚市場前

色とりどりの大漁旗をなびかせ進む漁船=釜石市魚市場前

 
船首でちょうちんを掲げ、舞を見せる錦町虎舞

船首でちょうちんを掲げ、舞を見せる錦町虎舞

 
船が岸壁に近づくと、互いに手を振ったり声を掛け合ったりした

船が岸壁に近づくと、互いに手を振ったり声を掛け合ったりした

 
 北上市の川﨑千鶴子さん(61)は「震災前に見て以来。コロナで気持ちが落ちている時だけに気分が上がる。浜ならではの威勢の良さも魅力」と大喜び。釜石・甲子町に暮らす義母妙さん(84)は「いい天気に爽やかな海風。最高の祭り日和。若いころは自分も船に乗った。その時のことが懐かしく思い出される」と息子夫婦と心を躍らせた。
 
 第18宝生丸の乗組員大向孝哉さん(60)は久しぶりの高揚感を味わい、「毎年のことだから、やっぱりこれがないとね。コロナを吹き飛ばすような活気」と復活を歓迎。サケ、サンマ、イカと不漁続きで漁業は厳しい状況に置かれるが、「とにかく魚がとれることを願うばかり。尾崎の神様に海の環境回復を祈る」と思いを込めた。
 
海上渡御を終えたみこしは浜町の尾崎神社里宮へ

海上渡御を終えたみこしは浜町の尾崎神社里宮へ

 
 両神社の合同みこし渡御には郷土芸能9団体を含む約800人が参加。鈴子町の釜石消防署脇駐車場で合同祭の神事を行った後、午後0時半ごろ行列が出発。大渡町から魚河岸まで市中心部の目抜き通りを2基のみこしが練り歩いた。先導した郷土芸能団体は大町から只越町間の路上で演舞を披露。沿道に詰めかけた大勢の観客の前で魂のこもった舞を見せた。
 
大渡町を練り歩くみこし渡御行列(右下拡大:平田神楽)=16日

大渡町を練り歩くみこし渡御行列(右下拡大:平田神楽)=16日

 
東前太神楽も頭をつけて舞いながら進む

東前太神楽も頭をつけて舞いながら進む

 
親子虎共演!幼児の舞い手も活躍した尾崎町虎舞

親子虎共演!幼児の舞い手も活躍した尾崎町虎舞

 
 薬師公園御旅所で神事を行った両神社のみこしは、並んで通りをゆっくりと進んだ。出迎えた観客はさい銭をあげてみこしに手を合わせ、地域の守り神に感謝。家内安全、商売繁盛、コロナ禍で落ち込んだ景気回復などそれぞれの願いを胸に、異彩を放つみこしを見つめた。
 
尾崎神社(右)と日本製鉄山神社のみこし。3年ぶりの合同渡御が実現

尾崎神社(右)と日本製鉄山神社のみこし。3年ぶりの合同渡御が実現

 
沿道では大勢の市民らが行列を見守った=大町

沿道では大勢の市民らが行列を見守った=大町

 
 小佐野町の佐々木興子さん(78)は「例年より人出も多いよう。お祭り女だからわくわくする」と笑顔満開。いつもは釜石芸能連合会の手踊りで参加するが、今年は同会の参加見送りで観客側に。「人口減少、高齢化も進むが、祭りで釜石が元気になってほしい。次回、参加できるように自分も元気でいたい」と願った。
 
 8月に北九州市から転勤してきたテツゲンの早田大輔さん(36)は初めて同山神社のみこし担ぎに参加。震災やコロナの苦境から立ち上がってきた釜石人の底力に感動し、「皆さんの笑顔が印象的。よそから来た人間も温かく迎えてくれる市民性がありがたい。釜石にいる間はぜひ参加したい」と声を弾ませた。
 
虎舞、神楽の参加団体は山車を引きながら移動

虎舞、神楽の参加団体は山車を引きながら移動

 
 行列は市役所御旅所を経て午後2時半ごろ、魚市場御旅所に到着。神楽、虎舞の6団体が最後の踊りを奉納し、祭りはクライマックスを迎えた。例年行う「大盃の儀」はコロナ感染予防のため取りやめ、代わりに参加者の3本締めで締めくくった。尾崎神社のみこしはご神体を奥宮にかえすため船に乗せられ、神楽、虎舞団体がはやし立てる中、岸壁を離れた。見送りは船が見えなくなるまで続いた。
 
 2歳から祭りに参加する錦町虎舞の阿部龍雅君(16)は「みんなで盛り上がれる祭りはめっちゃ最高。今年はいつも以上」と祭り復活の喜びをかみしめた。踊りの練習は厳しいが、「どんどん頑張ってうまくなりたい。大人になったら踊りを教えられるような、みんなを引っ張っていけるような人になりたい」と夢を描いた。
 
魚市場御旅所ではみこし還御式が行われ、年行司太神楽など6団体が演舞

魚市場御旅所ではみこし還御式が行われ、年行司太神楽など6団体が演舞

 
「白虎」で躍動する只越虎舞

「白虎」で躍動する只越虎舞

 
奥宮にかえるご神体を神楽、虎舞の団体がおはやしで見送った

奥宮にかえるご神体を神楽、虎舞の団体がおはやしで見送った

 
 尾崎神社の佐々木裕基宮司は「沿道でみこしに手を合わせ、ずっと頭を下げられている方もいて胸が熱くなった。震災の年に涙を流して拝んでくださった姿と重なる。祭りを待ち望んだ皆さんの喜びがあふれていた」と目を潤ませた。同神社は300年以上の歴史を誇る六角大みこしを70年ぶりに修復、19年の渡御で初披露した。今回はコロナ禍で担ぎ手の確保が難しいことや、大人数による密回避を考慮し、大みこしの渡御は見送った。「来年こそはコロナが終息し、大みこしが練り歩ければ」と佐々木宮司。
 
 同まつり委はコロナ感染状況や市内経済などへの影響を総合的に判断し、規模縮小、各種感染防止策を講じた上での開催を決めた。事務局によると曳き船まつりは約3千人、みこし渡御は約1万2千人の人出があった。両日とも混乱や事故もなく無事終了した。

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盛り上げたい!釜石大観音仲見世通り 釜石商工高生、チャレンジショップ 「バイクねこ」をアイテムに

チャレンジショップを通じ交流を楽しんだ釜石商工生ら

チャレンジショップを通じ交流を楽しんだ釜石商工生ら

 
 釜石市大平町の県立釜石商工高(伊東道夫校長)総合情報科の3年生5人は9日、学校近くの釜石大観音仲見世通りで開かれた「えんむすびプチマルシェ」に参加。同通りの暮らしにちなんで手作りした土産品や市内事業者の商品を並べ、元気な笑顔で販売に臨んだ。同通りのにぎわい再生と交流の場創出を目指し活動する釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト(宮崎達也代表)が取り組みをバックアップ。人のつながりや縁を広げる機会を通じ、生徒たちは将来への意欲を高めた。
 
 マルシェへの参加は、課題研究の一環。「仲見世を盛り上げたい」と集まった5人は、同通りの印象や特徴などを住民や生徒、教職員らから聞き取り、「猫をよく見かける」「バイク利用者が多い」との情報を入手。バイクにまたがった猫をモチーフにしたイラストを作成し、観光客らをターゲットにした土産物として交通安全祈願のお守り、ステッカーを作ることにした。販売については同プロジェクトに話を持ち掛け協議を重ね、当日を迎えた。
 
仲見世通りに多い猫(写真右下)をモチーフに作製したオリジナル土産品

仲見世通りに多い猫(写真右下)をモチーフに作製したオリジナル土産品

 
 この日、5人は宮崎代表(50)が運営するシェアオフィス1階にあるギャラリースペースの一角に手作り品を並べ、販売を体験した。木製のお守りに施された「バイクねこ」のイラストは全て生徒の手描き。ストラップ部分となるミサンガも13色の糸を使って手作りし、生徒たちは各色に込めた願い(赤は情熱、青は勉強、黄緑は友情など)などを紹介しながら接客した。ステッカーは5枚一組で販売。バイクねこのほか、「しいたけネコ」「まんじゅうネコ」などがデザインされた。
 
 地元の菓子製造販売・卸業小島製菓(上中島町)の協力を得て、同社が製造するパンや団子も並べて販売。売り手として商品を宣伝し、多くの客を呼び込んだ。
 
地元事業者が手掛けた商品の売り手としても活躍した

地元事業者が手掛けた商品の売り手としても活躍した

 
高校生が考案した「バイクねこ」が仲見世通りを盛り上げる⁉

高校生が考案した「バイクねこ」が仲見世通りを盛り上げる⁉

  
 グループリーダーの尾形麗(うらら)さんは「明るく元気に笑顔で接することを意識した。多くの人に足を止めてもらい、うれしい。盛り上げにつながったかな」と充実した表情を見せた。これまでの取り組みを振り返り、「自分の考えに、ほかの人の意見を加えて改良し、希望に合ったものづくりが大切」と実感。教員という夢に向かい進学する予定で、「誰かのためにということを常に心がけて、人の役に立てることをしたい」と胸を張った。
 
釜石大観音仲見世通りで開かれた「えんむすびプチマルシェ」

釜石大観音仲見世通りで開かれた「えんむすびプチマルシェ」

 
 同校が参加したマルシェでは、釜石ゆかりの作家や菓子店などが手作りした雑貨、スイーツを販売したほか、フリーマーケットも行われた。主催の同プロジェクトは「釜石○○(まるまる)会議」から生まれた市民グループで、空き店舗が目立つ同通りを再生させようと、同様のマルシェ開催など人の流れを生み出す取り組みを行ってきた。新型コロナウイルス禍でイベントの実施は控えていたが、同校からの提案を受け、コラボレーション企画として3年ぶりの開催を決めた。
 
 宮崎代表は「人との触れ合いは楽しい。イベントを行うと活気が生まれる。商店を増やすとの目標に向け、店も来訪者にもすてきな縁が生まれるような場をつくっていきたい」と意欲を見せた。

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釜石・和山高原 かつての絶景を再び 地元橋野町振興協がレンゲツツジ200本植樹

植樹作業にあたった橋野町振興協議会、栗橋地域振興社の会員ら

植樹作業にあたった橋野町振興協議会、栗橋地域振興社の会員ら

 
 釜石市の橋野町振興協議会(和田松男会長)は2日、地元の観光資源である和山高原長鼻地区にレンゲツツジ200本を植樹した。牧場用地を所有する一般社団法人栗橋地域振興社(旧・栗橋牧野農業協同組合、栗澤稔代表理事会長)の協力を得て実施。同地区には2013年以降、八重桜の植樹も行われており、今後、世界遺産「橋野鉄鉱山」と連動した地域の観光振興に期待が寄せられる。
 
 植樹が行われたのは、市指定文化財(天然記念物、1969年指定)の巨木「和山のシナの木」の東側に広がる平地。両団体から27人が作業にあたり、すでに植えられている八重桜とのバランスを考えながら、レンゲツツジの苗木を植えた。事業には県企業局と、健康食品の製造販売を行う毎日元気(本社札幌市、瀧澤潤賜社長)から計80万円の助成を受けた。
 
和山高原長鼻地区にレンゲツツジの苗木を植樹

和山高原長鼻地区にレンゲツツジの苗木を植樹

 
苗木の根元には元から自生する草を戻した

苗木の根元には元から自生する草を戻した

 
 和山高原は同市北西部に位置する標高約800メートル、広さ約1500ヘクタールの高原地帯。過去には、釜石製鉄所の合理化で落ち込む地域経済の活性化策として、1986年から6年間、和山フェスティバル(釜石青年会議所など主催)が開かれた経緯がある。その後は目立った観光振興策は行われずにきたが、2015年の「橋野鉄鉱山」世界遺産登録を契機に、市指定文化財のシナの木周辺を同振興社が整備。車両通行が可能な道路と駐車スペースを確保した。一帯にはこれまでに約300本の八重桜が植樹されており、大きいものでは高さ3メートルほどに育った木が花を咲かせ始めている。
 
レンゲツツジ(手前)と八重桜(後方)。色鮮やかな花が咲く春が楽しみ!

レンゲツツジ(手前)と八重桜(後方)。色鮮やかな花が咲く春が楽しみ!

 
苗木が元気に育つことを願って作業に汗を流す

苗木が元気に育つことを願って作業に汗を流す

 
 同振興協の和田会長は「元々ここはレンゲツツジが豊富な場所。30年以上前の景観を取り戻し、再び市民の憩いの場にできれば」と期待。山と海の環境の関連性にも着目し、「山で蓄えられた栄養が川から海に流れ込むことによって豊かな海産物が育つ。山が持つ本来の力をよみがえらせることで自然の好循環が生まれていけば」と、環境保全活動に意を強くする。
 
和山高原は「風車」のある景観も見どころの一つ

和山高原は「風車」のある景観も見どころの一つ
 
サクラとツツジが植えられた平原から望む風力発電用の風車

サクラとツツジが植えられた平原から望む風力発電用の風車

 
 和山高原を中心とした釜石、遠野、大槌3市町にまたがる丘陵地帯では、2004年から風力発電事業(ユーラス釜石広域ウインドファーム)が行われている。現在43基の風車が稼働するが、今後、既存設備を撤去し、新たな設備に建て替える事業が計画される。同振興協では「更新工事が完了する28年を見据え、長鼻地区の環境整備を続けていきたい。以前、可能だった太平洋を見下ろせる景観の復活も模索していければ」としている。
 
和山高原はススキが風に揺れ秋の装い。天然記念物のシナの木(左下写真)の紅葉も今後進む

和山高原はススキが風に揺れ秋の装い。天然記念物のシナの木(左下写真)の紅葉も今後進む

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赤い羽根募金に協力を 釜石市内でも街頭活動 ラグビー選手や高校生らが呼びかけ

イオンタウン釜石前で行われた共同募金の街頭活動では高校生らも呼びかけに協力した

イオンタウン釜石前で行われた共同募金の街頭活動では高校生らも呼びかけに協力した

 
 「じぶんの町を良くするしくみ」で知られる赤い羽根をシンボルとした共同募金運動が1日から全国で一斉にスタート。釜石市では行政連絡員、民生児童委員ら約50人が市内5カ所で街頭募金を行い、市民に協力を呼びかけた。運動は12月31日まで実施。本年度の目標額を447万円とする。
 
 港町のイオンタウン釜石前では野田武則市長、地元ラグビーチーム・釜石シーウェイブス(SW)RFCの村田オスカロイド選手、ダリエス・トマス選手、セルジオ・モレイラ選手も協力を呼びかけ。募金箱を首から下げ、善意を投じた買い物客らに赤い羽根を差し出し感謝を表した。
 
野田市長(中央)とともに街頭に立った人たちも互いに募金し合った

野田市長(中央)とともに街頭に立った人たちも互いに募金し合った

 
釜石SW選手の呼びかけに応じて募金する子ども

釜石SW選手の呼びかけに応じて募金する子ども

 
 釜石商工高ボランティア委員会の鈴木葵さん、田鎖夢生(めい)さん(ともに総合情報科2年)も街頭に立ち、「赤い羽根共同募金です。ご協力をお願いします」と声を上げた。「入れてくれた人の思いがまちのためになると思うとうれしい」。市内のどこかにいる誰かのために役立つ活動に携わり、やりがいを感じた2人は「高校生もできることがあるはず。いろんなことに積極的に挑戦、活動していきたい」とすがすがしい表情を見せた。
 
 共同募金は戦後間もない1947(昭和22)年に市民主体の民間運動として始まった。現在は誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、さまざまな地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する仕組みとなっている。
 
子どもから大人まで多くの市民らが善意を寄せた

子どもから大人まで多くの市民らが善意を寄せた

 
 釜石の活動は市共同募金委員会(会長・野田市長)と市社会福祉協議会(丸木久忠会長)が戸別、街頭、法人、学校、職場などで展開する。例年、寄せられた善意は福祉施設などの運営資金として活用。東日本震災後は、ボランティア活動の支援や地域コミュニティーの活性化事業などにも役立てられている。
 
 今年も昨年に続き新型コロナウイルスの感染を防ぐため、街頭で呼びかける人員を絞り、時間を短縮して実施した。各種イベントの中止などで募金を呼びかける機会が減り、目標額に達するのは厳しい状況だが、丸木会長は「社会や防災関係などに役立つ貴重な募金。震災後に増えた独居高齢者や困っている方の助けにもなる」と協力を求めている。

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世界をめぐる釜石の写真家・岩間幸司さん 郷愁を呼び起こす作品展「原点アジアの旅」

釜石市民ホールTETTOギャラリーで開催中の写真展「原点アジアの旅」

釜石市民ホールTETTOギャラリーで開催中の写真展「原点アジアの旅」

 
 釜石市中妻町のフォトグラファー岩間幸司さん(60)の作品展「原点アジアの旅」が、大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。「旅」をテーマに世界中をめぐってきた岩間さんが、ライフワークとして四半世紀、撮影を続ける東南アジアのインドシナ半島で生きる人々を独自の視点で切り取った作品約30点を展示。「どこか懐かしい風景の中に息づく人々の生活を感じてもらえたら」と来場を呼びかける。10日まで、入場無料。
 
 岩間さんは大学卒業後、写真事務所のアシスタントを経て20代後半に独立。フランス・パリを拠点に活動した。1995年に帰国。東京を拠点に欧州やアフリカなどを旅しながら撮影を続け、旅行誌や雑誌、広告などの仕事を請け負ってきた。東日本大震災を機に地元にUターン。写真家として活躍していたが、新型コロナウイルの流行で海外での撮影が難しくなり、現在は国内を中心に活動する。
 
「昔懐かしい原風景を思い出してもらえたら」と作品を紹介する岩間幸司さん

「昔懐かしい原風景を思い出してもらえたら」と作品を紹介する岩間幸司さん

 
 フォトグラファーとして「何か一つをテーマで撮りたい」と考えていた頃、インドシナのラオスが旅行者の受け入れを始め、「写真集も少なく、仕事のチャンスがある」と96年に撮影のため初めて訪れた。「生活感があふれ出す街々。妙に懐かしく、少年時代の記憶がよみがえってくるようで、五感がうずいた」。その後もインドシナ各国に通い続け、98年に東京で初個展。その時に展示した作品を今回、地元釜石で紹介した。
 
インドシナ半島で暮らす人々の生活を写した作品が並ぶ

インドシナ半島で暮らす人々の生活を写した作品が並ぶ

 
岩間さんは訪れた人に撮影時の裏話なども伝えたりした

岩間さんは訪れた人に撮影時の裏話なども伝えたりした

 
 当時主流だったフィルム写真をパネルにした作品が中心。ラオス、ベトナム、カンボジアで生活する人々の笑顔、雄大な自然風景が並ぶ。長屋のように連なる家々と干された洗濯物、路地でゴム跳びをする子どもたち、家族総出での豆腐作り、川で水浴びしたり洗濯したり…。自然の色をそのまま写し出すフィルム写真の持つ独特の風合いが、岩間さんがファインダー越しに感じた「ノスタルジー」を追体験させてくれる。
 
 デジタルに移行し、コロナ禍前に撮影した作品6点も展示。時の移ろいはあるが、変わらぬ信仰、郷愁を呼び起こすような風景が残る。山田町の50代女性は「子どものころの暮らしと似ているところがあり、懐かしい感じ。行ったことのない場所なのに」とじっくりと見入っていた。
 
コロナ禍前に訪ねたインドシナを写した作品も並んだ

コロナ禍前に訪ねたインドシナを写した作品も並んだ

 
 1日は、スマートフォンを使った写真教室を開催。スマホで写真を撮る時のこつ、無料の画像加工アプリ「Fotor(フォター)」の使い方などを伝えた。参加者はパンやカップ・ソーサーなどを題材に撮影と画像加工に挑戦。上中島町の美容師菊池りささん(50)は「インスタグラムで写真の投稿を始めたばかりで、魅力的な見せ方を覚えたい。少し手を加えると、写真の雰囲気が変わるのが分かった。知ったことを生かして、早速投稿したい」と喜んだ。
 
1日限定の写真教室ではスマートフォン撮影のこつを伝えた

1日限定の写真教室ではスマートフォン撮影のこつを伝えた

 
 「旅行が好き。写真は2番手」と岩間さん。写真は旅を楽しむ手段だが、カメラを持たずに旅することはできないという。これまでに100カ国余りを旅し、今はひと休み中。撮りためた写真を整理し、「1冊にまとめたい」と思い描く。そして、「写真を撮りたいと思える時に旅したい」とも。カメラを手に再び世界に飛び出す日を楽しみにする。
 
 釜石・大槌地域で活動する作家を紹介する同ホール自主事業「art at TETTO」の一環。午前9時から午後9時まで鑑賞できる。

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秋恒例の味覚フェス復活! 釜石絆の日イベントと同時開催で3年ぶりのにぎわい

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された「釜石まんぷくフェス2022」=25日

釜石鵜住居復興スタジアムで開催された「釜石まんぷくフェス2022」=25日

 
 新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた釜石市の味覚イベントが3年ぶりに復活―。釜石まんぷくフェス2022(釜石観光物産協会主催)は9月24、25の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで開かれ、多くの来場者でにぎわった。同スタジアムでは、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承する「釜石絆の日」イベントを同時開催。25日は秋晴れの下、食とラグビーを楽しむ人たちの笑顔があふれた。
 
 同イベントは「釜石まるごと味覚フェスティバル」として毎年秋に開催してきたが、新型コロナの影響による2年の中止を経た今年は、名称を「釜石まんぷくフェス」と改称。絆の日イベントとの共催により、初めて同スタジアムが会場となった。市内外の食に関わる業者を中心に22店が出店。各地の特産品やご当地自慢のソウルフードを求めて、多くの人たちが足を運んだ。
 
 地元の人気は「釜石ラーメン」。極細縮れ麺と琥珀色に透き通ったしょうゆ味スープが特徴のご当地ラーメンは近年、多くのメディアでも取り上げられ、同市を代表する名物に。同フェスの提供店にも続々と客が訪れた。地元海産物も好評で、ホタテやイカ焼きの香ばしい匂いが来場者の食欲をそそった。
 
大人気の“釜石ラーメン”を求める客が並んだ「川喜」のブース

大人気の“釜石ラーメン”を求める客が並んだ「川喜」のブース

 
焼きホタテやイカ焼きを提供した「松坂商店」

焼きホタテやイカ焼きを提供した「松坂商店」

 
釜石「Kojima Cafe」の巨大綿あめに子どもたちもびっくり!

釜石「Kojima Cafe」の巨大綿あめに子どもたちもびっくり!

 
 釜石市と交流のある県外各市区町からの出店も。同じ製鉄のまちで、東日本大震災以降、名物の焼うどん販売に訪れる福岡県北九州市のブースは今回も長蛇の列が続いた。復興支援で同市から釜石市に派遣された経験を持つ竹内邦彦さん(71)は「この味を求めて何度も足を運んでくれる方もいる」と感激。コロナ禍からの脱却の動きに「縮こまってばかりではいられない。こういうイベントで明かりをともし、まちの活性化につなげていければ」と期待を込めた。
 
北九州市は名物の焼きうどんを提供。大学生ボランティアも奮闘した

北九州市は名物の焼きうどんを提供。大学生ボランティアも奮闘した

 
北九州市のブースには常時、長い列ができた

北九州市のブースには常時、長い列ができた

 
 友好都市(1984年提携)の富山県朝日町も同フェスの常連。昆布かまぼこ、バタバタ茶、翡翠ようかんなど町の特産品を販売した。両市町の縁は、明治から昭和にかけ漁場開拓のため、同町出身者が釜石に移り住んだことが発端。会場では、朝日町出身者やルーツを持つ人たちが懐かしがる様子も見られたという。同町健康課の岩村耕二課長は「(物産交流などは)お互いにいい取り組みを勉強し合える機会。釜石とのご縁は大切にしていきたい」と願った。
 
富山県朝日町の職員らは自慢の特産品を販売。かまぼこの試食も

富山県朝日町の職員らは自慢の特産品を販売。かまぼこの試食も

 
 同フェス初出店となったのは北海道室蘭市。製鉄所、震災復興支援のつながりで、今年の同市市制施行100年、室蘭港開港150年を記念した港まつりに釜石市が出店した縁で実現した。カレーラーメン、豚肉とタマネギを使う“室蘭やきとり”のたれ、鐵(てつ)の素クッキーなどの名産品を販売。室蘭観光協会の矢元宗一郎業務係長は「スタジアムもすごくきれいで、イベント会場としてもいい。今後も物産交流を継続していきたい」と話した。
 
北海道室蘭市は初出店。観光関係者がさまざまな地元名産品をPR!

北海道室蘭市は初出店。観光関係者がさまざまな地元名産品をPR!

 
 紫波町から訪れた佐々木麻衣さん(35)は「テレビの宣伝を見て来た。沿岸部に足を延ばすのは久しぶり。釜石ラーメンは、あっさりスープがおいしくて全部いただいた」とイベントを満喫。長女ららさん(14)は2年前に小学校の修学旅行で訪れて以来の釜石。「海が近くて、おいしい海鮮物があるのが魅力。今日は家族と一緒で楽しい」とほほ笑んだ。
 
おいしいものを食べて笑顔いっぱいの子どもたち

おいしいものを食べて笑顔いっぱいの子どもたち

 
子どもも大人も興味津々!「働く自動車展」

子どもも大人も興味津々!「働く自動車展」

 
 会場では自衛隊、警察、消防の車両や、建設工事で使う重機などに試乗できる「働く自動車展」も開催。家族連れなどでにぎわい、絶好の写真スポットとなった。海上保安庁のヘリコプターはスタジアム上空を展示飛行し、来場者を楽しませた。特設ステージでは地元ゆかりの音楽アーティストによるライブも行われた。主催者によると、2日間の来場者は約4千人。

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広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)
 

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

広報かまいし2022年10月1日号(No.1793)

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【P1-2】
釜石まつり開催

【P3】
幼稚園児募集 他

【P4-5】
元市職員の情報漏えいに関する市の対応

【P6-7】
新型コロナワクチン接種のお知らせ 他

【P8-11】
狂犬病予防接種
まちのお知らせ

【P12】
2022ラグビッグドリーム 開催

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022092900028/
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ヒト・モノ・コト…いろんな「であい」を「つなぐ」 TETTOオープンフェスタ【釜石】

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

初開催の「きっとてっと」で買い物を楽しむ来場者

 
 釜石市大町の市民ホールTETTO(谷澤栄一館長)で23日、オープンフェスタ「きっとてっと」が初開催された。地域内のすてきな人、店、もの、体験などに「であう」「つながる」きっかけにしてもらおうと企画。音楽、食、ものづくり、ショッピング…多様な楽しみを味わえる催しが用意され、大人も子どもも幅広い年代が地域の魅力を再発見した。
 
 ロビーやギャラリー、屋根のある広場などホール1階を一体的に使用して開放。釜石市や大槌町を拠点に活動するアーティストと触れ合いながら芸術に親しむワークショップ、衣料品や日用品などを安価で販売するフリーマーケット、大ホールでのカラオケ体験、ベリーダンサーによる公演、ストリートピアノ演奏会といった多彩な催しが繰り広げられた。衣料・雑貨を取り扱う市内事業者、黒豚を使ったギョーザなど飲食のキッチンカーも出店。地元の駄菓子屋と谷澤館長がコラボした縁日は子どもたちに人気だった。
 
掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

掘り出し物探しを楽しむフリーマーケット

 
縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

縁日遊びのコーナーは子どもたちに大人気

 
特設ステージではベリーダンスなどが披露された

特設ステージではベリーダンスなどが披露された

 
 大槌町の佐々木やよえさん(69)と千葉左登子さん(68)は以前から興味があった鹿皮のキーホルダー作りに挑戦。三つ編みの形が少しゆがんで手作り感たっぷりの出来栄えだったが、「夢中になった。機会があったら、またやりたい」と喜んだ。もう一つ楽しんだのが、フリーマーケットでのモノとの「出合い」。手作りアクセサリーやブランド品の服などに目を留め、「キラキラしたものが大好き。女の子だから」と笑顔を重ねた。
 
鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

鹿皮で作ったキーホルダーの出来栄えに満足げな参加者

 
 人との「出会い」を楽しんだのは、フリマでハンドメイド作品を並べた鵜住居町の小林翔子さん(35)。対面販売は客の声を聞いたり、表情を見ることができ、作品作りのヒントになるという。釜石で実施されるイベントへの参加は今回が初めて。「『初めまして』の人が多く、作品を紹介する機会、情報交換の場になった」と手応えを得た。
 
 イラストレーター西川真央さん(26)=活動名・mao=はポストカードや粘土細工などを販売したほか、似顔絵を通じた交流を提供した。京都出身で、1年前に釜石に移住。観光地域づくり会社で働く傍ら、制作活動に取り組む。対面で似顔絵を描きながら会話を楽しみ、「ものづくりが人とのつながりを生み出す」と実感。同じ会場では日本独自の紡績技術「ガラ紡」で紡いだ糸を使った小物作り、ひも状にした粘土を積み重ねる土器作りも行われていて、親子で参加する姿に「クリエイティブなことに挑戦できて、いい街だな~」と目を細めた。
 
モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

モデルと会話を弾ませながら似顔絵を描くmaoさん

 
 同イベントには、同ホールの阿部美香子さん(43)の実体験が反映された。東日本大震災後にUターンした際、地域になじもうと参加したフリマでの出会いが今も続いていて、「そんな出会いを体験してほしい」と企画。「新しい店は気になるが入りづらい」との声を聞き、「店の人とのつながれば、店舗を訪れるきっかけになる」と催しに盛り込んだ。子育て世代へのリサーチも行い、「いろんな形の出合い」をひとまとめにして開催。多様な人が入り混じる様子を見つめ、「人と直接話しながら、目的外のものに出合う機会になったら、うれしい」と思いを明かした。

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喜寿、米寿をお祝い 「釜石市敬老会」3年ぶり開催 65歳以上は1万2千人

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

喜寿、米寿を迎える市民を郷土芸能などで祝った釜石市敬老会=17日

 
 釜石市敬老会(市、市社会福祉協議会主催)は17日、大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたため、3年ぶりの開催。本年度、喜寿(77歳)、米寿(88歳)を迎える招待者637人のうち、108人が出席した。感染防止対策で規模を縮小しての開催となったが、地元芸能団体の踊りなどを楽しみ、節目の祝い事を心に刻んだ。
 
 式辞に立った野田武則市長は、戦後の激動の時代を生き、釜石発展に尽力してきたことへ敬意と感謝を表し、「人生100年時代は現実のものとなっている。健康や介護、家族の問題など、皆さんが抱える悩みや不安を少しでも解消できるよう相談の窓口を強化していきたい。豊かな人生に必要な人と人とのつながりを持ちながら、今後も社会の一員としてご活躍を」と願った。
 
108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

108人が元気な顔をそろえ、敬老会を楽しんだ

 
 釜石芸能連合会から柳家細川流舞踊が祝いの舞を披露。鵜住居青年会は郷土芸能の虎舞、釜石中3年生は学校で取り組む釜中ソーランで長寿を祝った。コロナ禍で地域の芸能などを楽しむ機会が減っていた出席者らは、久しぶりの華やかなステージに笑みを広げ、心躍るひとときを満喫した。
 
柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

柳家細川流舞踊は祝いの舞で敬老者の長寿を祝福

 
釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

釜石中3年生はソーランでパワーをプレゼント!

 
 同市の敬老会は近年、喜寿、米寿、卒寿(90歳)の敬老者を対象とするが、今年は新型コロナの感染状況などを踏まえ、卒寿の招待を見送った。式典では、例年行う出席者代表への敬老祝い金贈呈を取りやめ、接触回避と時間短縮で感染リスク低減を図った。対象となる88歳の敬老者には振り込みで祝い金を贈った。出席者には記念写真のサービスが行われたほか、紅白まんじゅうや飲料水が贈られた。
 
 鵜住居町の川﨑ヨリ子さん(76)、川崎スメ子さん(76)はご近所同士、誘い合って会に出席。「開催してもらいありがたい。踊りなどもとても良かった」と顔をほころばせた。喜寿を迎えることにヨリ子さんは「気持ち的にはまだまだと思っているが、体はなかなかね。これ以上弱くならないよう頑張りたい」、スメ子さんは「離れて暮らす子どもたちにも元気な姿を見せられるよう長生きしたい」と健康長寿への思いを込めた。
 
敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

敬老会に出席した中小川地区の皆さん。これからもお元気で!

 
 甲子町(中小川)の松本佳輝さん(87)は喜寿に続いての同会参加だが、「同級生の姿が少なくなり寂しい」とぽろり。若いころからスポーツに親しみ、年を取ってからはグラウンドゴルフやゲートボールを楽しむが、競技人口の減少やコロナ禍で大会がなくなり、出歩く機会が減ってしまった。今は「野球やラグビーなど球技の試合をテレビ観戦するのが専らの楽しみ」だという。「人生は泣き笑い。長生きすればいいこともある」と松本さん。
 
 同市の総人口約3万1千人のうち、65歳以上は約1万2千人。高齢化率は40・3%。100歳以上は女性29人で、市内最高齢者は106歳(9月1日現在)。

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砂防工事現場 釜石の中学生が見学 沿岸振興局、担い手不足解消へ建設業の魅力紹介

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

砂防工事の現場見学で建設業に理解を深めた生徒たち

 
 釜石市平田尾崎白浜地区で進められている砂防堰堤(えんてい)の工事現場を14日、大平中(蛸島茂雄校長、101人)の2年生33人が見学した。岩手県沿岸広域振興局土木部が主催したもので、生徒たちは土砂災害を予防する砂防事業や建設業への理解を深めた。
  
 生徒たちは、2019年の台風19号豪雨で発生した土石流などの被害を受けて沿岸振興局が同地区で手掛ける事業の現場2カ所を見学。1年余りかけて今年6月に完成したばかりの砂防堰堤では、大雨時、大量に流れてくる土砂をため込み下流に流れ出るのを防いだり、勢いを弱めたりする機能について説明を受けた。
  
砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

砂防工事の現場見学会に参加した大平中生

  
 来年3月中旬までの工期で整備が進む砂防堰堤(堤長64メートル、高さ9・5メートル)では、工事を担う及川工務店(新浜町)の現場責任者らが概要や進ちょく状況を説明。生徒らはショベルカーなど重機に試乗したり、現場で実際に使われている測量機器を使って測量を体験したりもした。
  
建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

建設現場で活躍する重機の試乗体験を楽しむ生徒

 
子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

子どもたちは普段見慣れない測量機器に興味津々

  
 学校に戻って座学。沿岸振興局土木部の職員が土砂災害の種類、全国・県内の発生状況、災害対策などを解説した。近年の発生件数は増加傾向にあり、梅雨や台風など雨が多い時期に発生確率が高くなっていて注意が必要とした上で、砂防堰堤などの構造物整備により被害を防いだ県内の事例を紹介。ただ、自然災害は人の想像を超えることがあり、身を守るためには▽家の周りや避難経路などにある危険な場所を事前に確認▽いざという時は、勇気を持って早めに避難する―ことが大切だと強調した。
  
砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

砂防事業の出前講座に臨む大平中の2年生

  
 模型を使って、土石流が勢いよく家や橋を押し流す様子、流出する土砂の勢いを弱める堰堤の対策の効果も試した。阿部愛華(あゆは)さんは「工事現場を見学するのは初めて。被害が起きないよう高い費用を使っていたり、いろんな人が関わっていることが分かった。災害に対しての備えも大事だとあらためて感じた」と学びを深めた。
  
砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

砂防堰堤の設置の効果を模型で試す実習もあった

  
 工事現場の見学会は建設業の担い手不足解消に向けた取り組みの一環で、中学生に建設業へ興味を持ってもらうのが目的。道路や橋などの社会基盤をつくる「土木」、住宅など建物をつくる「建築」の2種類があり、構造物の維持・修繕や災害復旧など「みんなが安心して暮らせるよう地域を守る」という役割があると魅力、やりがいも伝えた。砂防工事の現場を通じ、土砂災害とその対処の方法を知ってもらう狙いもある。東日本大震災後、釜石・大槌地区では初めての実施。本年度は1校のみだが、次年度以降も継続していく予定だ。