「メルC」「かまいC」と笑顔で帰国報告する中学生
釜石市の中学生海外体験学習事業でフランスを訪問した中学1、2年計9人の帰国報告会が29日、大町の市民ホールTETTOであった。保護者ら約50人を前に、生徒が外国での生活や異文化体験を振り返った。
生徒たちは14~21日、釜石と姉妹都市提携を結ぶフランス南部のディーニュ・レ・バン市などを訪問した。ディーニュ市の学校では授業に参加し同年代の子と交流。ホームステイ先で現地の生活や文化に触れた。姉妹都市提携のきっかけとなったジオパーク資産・アンモナイト化石群も見学。歴史的建造物も多い市街地の散策、地元ラグビークラブの試合観戦なども楽しんだ。復興支援に尽力した化粧品メーカー「ロクシタン社」(マノスク市)を訪ね、感謝を伝えた。
報告には、釜石中2年の虻川結空さん、阿部紗希さん、久保伶奈さん、若生彩花さん、同1年の三浦碧人さん、大平中1年の今野凛彩さん、唐丹中1年の小野寺頼さん、甲子中1年の佐々舞凪さんと米澤悠真さんの9人全員が参加した。昨年、提携30周年を迎えたこともあり、ディーニュ市では温かい歓迎を受けた。いずれも、多くの出会いや発見があり、視野が広がり、刺激ある体験をさせてもらったことへの感謝を述べた。
フランスに派遣された釜石の中学生の帰国報告会
印象に残った出来事や学びを一人一人が発表した
初めての海外という緊張感や言語に対する不安も共通だったが、現地では翻訳アプリを使いながら不慣れなフランス語や英語でコミュニケーションをとる様子に理解を示し、懸命に耳を傾けるなど親切に接してもらったと声をそろえた。「やっぱり話すことは楽しい」と小野寺さん。虻川さんも「上手に話すよりジェスチャーを交えて伝えようとする姿勢が大切」と実感を込めた。
阿部さんは壁のようなアンモナイト化石群の迫力を語り、佐々さんは同年代の子と音楽を通じた交流を振り返った。フランスの歴史や産業、文化、政策に興味を示したのは三浦さん。SDGs(持続可能な開発目標)に関心を持つ米澤さんは、環境に対する意識の高さに刺激を受けたことを話した。
モニターに写真を表示しながら思い出を振り返った
「海外にも友達ができたことが思い出」とはにかむ若生さん。国籍、出身地がさまざまな人が意見を出し合って楽しく学ぶフランスの学校生活が印象的で、「自分も積極的に意見を出していきたい」と背筋を伸ばした。日本語教師との夢を持つ久保さんも多様な価値観に触れ、「互いの文化を知り、認め合うことで考え方は変わる。広い視野を持つためにも言語学習を続ける」と思いを強めた。
聴講した人から「フランスの友達が釜石に来たら何する?」と質問されると、生徒たちは「鉄の歴史を教える」「おいしいものを一緒に食べたい」などと案を出した。今野さんは「ディーニュ市になかった海を紹介したい」と思案。地域を出たことで、自分たちが暮らす古里への関心を深めたようで、「学んだことを地域で生かせるようにしたい」と力を込めた。
海外体験で発見したことや感じた日本の良さを伝えた
「日本とフランスの架け橋に」と耳を傾けた人たちは期待する
小野共市長は「貴重な体験を楽しいだけで終わらせず、9人それぞれが次なる展開へいいきっかけになったようだ」と成長を実感。高橋勝教育長は本物に触れ続けること、勉強のほかにも打ち込めるものを見つけることへの期待を伝え、「自分自身を伸ばす行動、挑戦をどんどんして。社会との関わりを持ち、生きるための財産、失敗を含めた経験を心の中に増やしてほしい」と激励した。