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佐伯悠さんの指導が行われた釜石高、釜石商工高ラグビー部の合同練習=11日

釜石市ラグビー人財育成専門員・佐伯悠さん 市内の高校生に指導開始

ラグビー人財育成専門員として高校生への指導を始めた佐伯悠さん(後列右)

ラグビー人財育成専門員として高校生への指導を始めた佐伯悠さん(後列右)

 

 釜石市のラグビー人財育成専門員として1日付けで着任した元釜石シーウェイブス(SW)RFC選手の佐伯悠さん(36)が、10日から市内2高校のラグビー部の指導を開始した。佐伯さんは「スポーツをやるからには絶対勝ってほしい。自分が培ってきた技術や経験をしっかりと伝え、試合に勝つための準備に全力を尽くしたい」と意気込む。

 

 釜石高ラグビー部(9人)と釜石商工高同(10人)は本年度、試合に必要な選手数を確保できないため、合同チームとして大会に出場する。佐伯さんは、毎週土・日曜日に両校部員が集まる合同練習で指導にあたることになり、10、11の両日、商工高グラウンドで行われた練習から専門員としての指導を開始した。

 

 11日は両校から14人が指導を受けた。佐伯さんはプレーの基本となるパスやキック、タックルに加え、フォワードの選手らにスクラムやラインアウトのリフティングを指導。約2時間半の練習後、「試合の相手を意識して練習することが大切。その先には勝つこと。釜石でラグビーをやる誇りを持ち、頑張っていこう」と呼び掛けた。

 

佐伯悠さんの指導が行われた釜石高、釜石商工高ラグビー部の合同練習=11日

佐伯悠さんの指導が行われた釜石高、釜石商工高ラグビー部の合同練習=11日

 

タックルの基本を実践する部員ら

タックルの基本を実践する部員ら

 

平日練習のキーポイントなどを伝える佐伯さん

平日練習のキーポイントなどを伝える佐伯さん

 

 釜石高の川﨑瞭主将(3年)は「1つ1つのプレーが実際の試合でどんな意味を持つのかなど、より深く教えてもらえるので勉強になる。勝たなきゃという気持ちが生まれる」と刺激を受けた様子。合同チームのゲームキャプテンを務める商工高の三浦一真主将(3年)は「(2日間で)みんなうまくなってきている。パスをつなげたいので、効果的な練習法を教えてほしい」と意欲的。8月27日に開幕する全国高校ラグビー選手権県予選に向け、「個々が実力を発揮し、みんなで支え合えるチームに」と力を込めた。

 

 商工高同部顧問の稲生太貴教諭は佐伯さんの指導を「本当に心強い。足りない所、基本的な部分で最初から教えてもらえるのはありがたい。部員たちも言われたことを考えながら実践している」と歓迎。今後の実力向上に期待を寄せた。

 

ラインアウトのジャンパーの姿勢を佐伯さん自ら手本を示す 

ラインアウトのジャンパーの姿勢を佐伯さん自ら手本を示す 

 

フォワード陣によるラインアウト練習

フォワード陣によるラインアウト練習

 

 佐伯さんは関東学院大卒業後の2007年に釜石SWに加入。11年に主将となり、3年間チームをけん引した。20年に退団し、出身地神奈川県に戻ったが、釜石市が始めた「ラグビー人財育成プロジェクト」を知り、同専門員に応募。指導者として再び釜石で手腕を発揮することになった。日本ラグビー協会やワールドラグビーが認定するコーチ資格を持つ。

 

 「部員たちはすごく真っすぐ。成長が楽しみ」と佐伯さん。ラグビーが土壌としてある釜石で、小・中・高と続けられる環境の必要性を強く感じてきた。「一貫性を作れる機会が得られてうれしい。子どもたちの特性を伸ばしていきたい」と今後を見据える。小・中学生への指導も順次、行っていきたい考えだ。

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

「すげー」ジャガイモごろごろ~甲東こども園 収穫体験

真剣な表情でイモ堀りに取り組む園児たち。最初はイモの茎だけが手に残って残念がる子もいた

真剣な表情でイモ堀りに取り組む園児たち。最初はイモの茎だけが手に残って残念がる子もいた

 

 釜石市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児145人)は14日、近くにある同園の「ちびっこ農園」でジャガイモ堀りを行った。年長児38人が約30キロを収穫。「すげー、とれたねー」と大はしゃぎだった。

 

 「でっかいイモ、ほるぞー。エイエイオー」との掛け声で気合いを入れ、畑に入った園児たち。イモの茎をつかみ、ありったけの力で引き抜いた。最初は茎だけが手に残って「なかった」と気を落としたり、勢い余って尻もちをつく子も。めげずに手で土を掘り出すとジャガイモが次々と顔を出し、「わー、大きい」「まだ出てくるー」などと歓声を上げた。

 

「みてみてー」と自慢したり、収穫の楽しさを体感する子どもたち

「みてみてー」と自慢したり、収穫の楽しさを体感する子どもたち

 

 平野志磨ちゃん(5)は「大きいの、とった。小さいのも、かわいかった。たくさんとって楽しかった。ポテトチップにして食べたい」と笑った。

 

 ジャガイモ栽培体験は食育の一環。恵まれた自然環境を保育に取り入れ、子どもたちに食べ物や植物への関心を持ってもらおうと実施している。年長児は4月に約1アールの畑にキタアカリの種イモを植え付け、草取りなど手入れをしたり、成長の様子を観察してきた。

 

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

 

 収穫したジャガイモは園行事のお泊り会でカレーの具材となり、みんなで味わった。

海図第1号の複製パネルを手にする松吉慎一郎部長(右)と山陰宗真君

広く深く海に関心を~「海図第1号」複製寄贈 釜石市に第2管区海保本部

海図第1号の複製パネルを手にする松吉慎一郎部長(右)と山陰宗真君

海図第1号の複製パネルを手にする松吉慎一郎部長(右)と山陰宗真君

 

 船が安全に航行できるよう、海岸の地形や水深、灯台などの目標物を分かりやすく示した海の地図「海図」。150年前に近代的技術を用いた日本単独の海図づくりが始まり、最初の作成地となったのは釜石市だった―。12日、「陸中國釜石港之圖(りくちゅうのくにかまいしこうのず)」と題された海図第1号の複製パネルが市に贈られた。海上保安庁の海図150周年記念事業の一環。市では教育委員会を通じ市内全14小中学校に届け、海との関わりや歴史を学ぶ機会に活用してもらう。

 

 国内では1871(明治4)年、兵部省海軍部に水路局(現同庁海洋情報部)が設置され、日本人の手だけで海洋調査から海図作成までを一貫して行う「水路業務」がスタート。今年は150年の節目に当たる。72(同5)年、水路局によって初めて刊行されたのが、釜石港の海図だった。当時の釜石は、東京―函館間航路の中間補給地点として重要な港であったことに加え、官営製鉄所が建設される直前だったこともあり、船舶の安全性や利便性を確保するために作成された。

 

 贈呈式は釜石市役所で行われ、第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)や市の関係者、代表校の児童らが出席。釜石海上保安部の松吉慎一郎部長が双葉小児童会長の山陰宗真君(6年)にパネルを手渡した。

 

 贈られたのは原物(縦25・3センチ、横31・7センチ)を約2倍に拡大したもの。「第1号になった土地の海を誇りに、興味を持っていきたい」と山陰君。釣りが好きで釜石港も釣り場の一つと言い、「海の深さとかが細かく書かれていて、必要で大切なものだと思う」とうなずいた。

 

海保本部の関係者が海図に書かれた文字などを解説した

海保本部の関係者が海図に書かれた文字などを解説した

 

 松吉部長は「日本が近代化を図っていく時に選ばれ、当時から重要な要衝であった証し。海図を通じ、広く深く海に関心を持ってもらえたら。地域の誇りとして受け継いでほしい」と期待。同席した野田武則市長は「脈々と続く歴史の重み、誇りを大切に、海とともに生活していく中で新しい発展を目指していく」と港湾の重要性を再認識した。

 

 記念事業の一環として、29日まで盛岡市の県立図書館でパネル展を実施している。10月には釜石市鈴子町のシープラザ釜石でも同様の展示を開催する予定。複製パネルは市内の高校2校にも贈られた。

いのちをつなぐ未来館で震災学習プログラムを体験する参加者

教育旅行誘致へ策探る~南いわて連携連絡会議、鵜住居で視察・研修

いのちをつなぐ未来館で震災学習プログラムを体験する参加者

いのちをつなぐ未来館で震災学習プログラムを体験する参加者

 

 教育旅行誘致を図る「南いわて連携型教育旅行推進連絡会議」の視察・研修は8日、釜石市鵜住居町内で行われた。津波伝承施設「いのちをつなぐ未来館」で学習プログラムを体験したほか、修学旅行の受け入れ状況など情報を交換。広域連携で効果的な教育旅行の提案につなげる考えだ。

 

 同会議は、北上市を除く県南広域振興局管内7市町と、大槌町以南の沿岸5市町の行政機関、観光協会など関係28団体によって2019年度に立ち上げられた。県南振興局経営企画部が事務局となり、沿岸部の震災学習と平泉の世界遺産を柱にした教育旅行推進体制の構築や修学旅行の受け入れなどを進め、地域観光の魅力創出について認識を深めている。

 

 約30人が参加。未来館では、東日本大震災の被災状況や釜石の子どもたちの避難行動などに関する施設スタッフの説明に耳を傾けながら展示物を見て回った。実際に児童生徒が体験する学習プログラムに触れ、施設に理解を深めた。

 

 会議は鵜住居公民館に会場を移して開催。県の観光統計によると、20年度の教育旅行客の入り込みは学校数が延べ4243校(19年度比30・8%増)、児童生徒数は22万5480人回(同5・5%増)で、震災前の10年度以降では最多となっている。

 

鵜住居公民館では修学旅行の受け入れ状況などをもとに意見交換した

鵜住居公民館では修学旅行の受け入れ状況などをもとに意見交換した

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で行き先を近場に変更する傾向があり、県内や東北地方からの入り込みが増加。各市町や団体による受け入れ状況の報告でも、その傾向を実感する声が多かった。現状を「特需」で終わらせないため、震災・防災学習のほか、「SDGs(持続可能な開発目標)をキーワードにした学びを売りにすべき」といった意見も出た。

 

 県南振興局観光商業・食産業課の荒濱清一課長は「市町の単独では対応できないこともある。近隣市町や、沿岸、内陸という広域で連携を進め、より良い旅行プランづくりにつながっていけば」と期待した。

環境大臣表彰を受けた加藤直子さん(前列中央)と伝達式に出席した県、市の職員ら

甲子町の加藤直子さん 長年の環境保全活動で「環境大臣表彰」受賞

環境大臣表彰を受けた加藤直子さん(前列中央)と伝達式に出席した県、市の職員ら

環境大臣表彰を受けた加藤直子さん(前列中央)と伝達式に出席した県、市の職員ら

 

 身近な生き物観察による環境学習や地球温暖化防止活動で環境保護意識の普及啓発に尽力してきた釜石市甲子町の加藤直子さん(74)が、環境大臣から表彰を受けた。自らの経験を踏まえ、自然との共生、地球環境に目を向ける大切さを訴え続ける加藤さん。表彰は「共に活動してきた仲間たちを代表していただいたもの」と感謝し、活動継続に意欲を示す。

 

 加藤さんは、環境省が6月の環境月間に合わせて行う環境大臣表彰3部門のうち、「地域環境保全功労者」として、本年度の受賞者に選ばれた。同部門では本県から唯一の受賞。2日、表彰伝達式が新町の釜石地区合同庁舎で行われ、県沿岸広域振興局の森達也局長から表彰状が手渡された。小泉進次郎環境大臣のメッセージも伝えられた。

 

 加藤さんは北九州出身。3歳の時に釜石に移住し、自然豊かな甲子川流域で育った。子どものころからカエルや昆虫が大好き。自身の子育てでも、「子どもには自然と触れ合う経験が必要」と強く感じてきた。49歳から環境に関わる取り組みを本格化。「身近な生き物に触れる感動を味わってほしい」と、市内3カ所にビオトープ(生物生息空間)を整備し、環境教育に役立ててきた。

 

加藤さんが講師を務めた鵜住居小児童の環境学習(2006年)を記録したアルバム=加藤さん所有

加藤さんが講師を務めた鵜住居小児童の環境学習(2006年)を記録したアルバム=加藤さん所有

 

片岸町のビオトープで生き物探しをする鵜小児童。この場所は震災の津波で流失した

片岸町のビオトープで生き物探しをする鵜小児童。この場所は震災の津波で流失した

 

鵜住居小の教室で事前学習を行う加藤さん

鵜住居小の教室で事前学習を行う加藤さん

 

 1997年から釜石市のこどもエコクラブ「アースレンジャーかまいし」のサポーターを務める。生き物観察を通じて子どもたちに命の尊さを教え、人間も自然環境の中で生かされていること、その自然を自分たちで守っていかなければならないことを伝え続けてきた。

 

 2005年には同市地球温暖化対策地域協議会の発足に関わり、代表に。エコドライブや環境家計簿の普及活動を推進し、ごみ減量や二酸化炭素排出削減に取り組む。同振興局土木部の「甲子川の明日を語る会」委員(96年~)、県環境アドバイザー(03年~)としても活躍する。

 

 志を同じくする仲間と03年に立ち上げた民間団体「かまいし環境ネットワーク」(加藤代表)では、河川や海辺の清掃活動を通して市民の環境理解、保護意識高揚を促す。東日本大震災後は、津波で流失した絶滅危惧植物「ミズアオイ」の復活に子どもたちと取り組み、注目を集めた。

 

ミズアオイ復活への取り組みを紹介する新聞記事=復興釜石新聞(2012年9月)

ミズアオイ復活への取り組みを紹介する新聞記事=復興釜石新聞(2012年9月)

 

ミズアオイを育成する田んぼで行われたこどもエコクラブの生き物探し(2013年7月)

ミズアオイを育成する田んぼで行われたこどもエコクラブの生き物探し(2013年7月)

 

 長年にわたる活動で一番心に残るのは「ビオトープ」。加藤さんは「卵を産んで次の世代に命をつないでいく姿を繰り返し見られるのはうれしい。その営みを子どもたちにも見てほしい。小さな生き物との出会いによって、命を守っていける能力を身に付けてもらえれば」と期待。一方で、カエルやトンボ、チョウなど子どもたちに身近な生き物が確実に減ってきている現状も危惧し、「多様な自然が失われている。いろいろな生き物が住めるような環境を取り戻したい」と新たなビオトープ構想に夢を描く。

フルートの佐々木勤子さんらと届けた「ユーミン・オールディーズ」。女声合唱でよみがえる名曲の数々に観客も大喜び

アンサンブル・ル・シエル 歌い込んだハーモニー2年ぶりに披露

合唱用の飛沫(ひまつ)防止マスクを着用して歌うアンサンブル・ル・シエルのメンバー

合唱用の飛沫(ひまつ)防止マスクを着用して歌うアンサンブル・ル・シエルのメンバー

 

 釜石市の女声合唱グループ「アンサンブル・ル・シエル」(中村玲代表)は6月20日、大町の市民ホールTETTOで7回目のコンサートを開いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年は中止したため、2年ぶりの開催。観客約50人が美しい歌声とハーモニーに酔いしれ、コロナ禍を忘れる心潤うひとときに笑顔を広げた。

 

 指導者の木下佳子さんの指揮で、賛助出演を含む12人のメンバーが1年間温めてきたプログラムを届けた。オープニングを飾ったのは、髙田三郎作曲の「雅楽の旋法による聖母賛歌」。クリスチャンで、女声合唱のための典礼聖歌を数多く残している髙田氏の代表作をア・カペラで歌い上げた。

 

 ア・カペラは相澤直人作品選集からも。谷川俊太郎、工藤直子、みなづきみのり作詩の7曲を聞かせ、祈りや希望が染み入る曲に観客が聞きほれた。最後は松任谷由実のヒット曲をメドレーで送る「ユーミン・オールディーズ」(信長貴富編曲)。ゲストの佐々木洋子さんのピアノ、佐々木勤子さんのフルートと共演し、にぎやかなステージで締めくくった。佐々木さんらは合唱の合間に楽器演奏でも魅了した。

 

フルートの佐々木勤子さんらと届けた「ユーミン・オールディーズ」。女声合唱でよみがえる名曲の数々に観客も大喜び

フルートの佐々木勤子さんらと届けた「ユーミン・オールディーズ」。女声合唱でよみがえる名曲の数々に観客も大喜び

 

素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

 

 大渡町の女性(69)は「よくここまで練習されて。聞いていて涙がにじんだ。やっぱりコーラスっていいなあと思ってね」。自身も合唱団体に所属しており、「コロナが落ち着いたら、自分たちも活動していきたい」と心待ちにした。

 

 2013年に結成した同グループは年に1回のコンサートを継続してきた。昨年はコロナ禍で中止の判断を下したが、今年は観客、出演者、会場形態とあらゆる面を考慮した感染防止策を講じて開催。振り付け、衣装替えなどの演出もなくし、公演時間も通常より短縮した。

 

 「直前まで開催できるか不安だったが、無事にできて何より。音楽を聞く機会がなかったお客様が少しでも楽しみ、鬱々(うつうつ)とした気分を晴らしてもらえたなら幸い」と中村代表(38)。メンバーの約半数は市外在住のため、全員そろっての練習がなかなかできなかったというが、発表できた喜びにメンバーは充実の表情を見せた。

全国の支援者のリモート参加動画を上映しながら演奏した「ひょっこりひょうたん島」主題歌

フルートがつなぐ絆強く 震災から10年の釜石で約束のコンサート

県内外のプロ、アマチュア奏者で結成したフルートオーケストラ。小学5年生から70代までが集った

県内外のプロ、アマチュア奏者で結成したフルートオーケストラ。小学5年生から70代までが集った

 

 フルートがつなぐ約束~10年と100日コンサート~(同実行委主催)が6月19日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。東日本大震災から10年を機に、県内外のフルート奏者がオーケストラを結成。次の10年を見据え、歩み始めた被災地に音楽の力で希望をもたらした。6月20日は北上市のさくらホールでも演奏した。

 

 同コンサートを発案したのは、花巻市在住のフルート奏者・牧野詩織さん(37)。子どものころから師事してきた釜石市の山﨑眞行さん(70)が2011年3月11日の同震災で被災。力になりたいと、同年6月18、19日、山﨑さんを招いたチャリティーコンサートを遠野、花巻両市で開催したことがきっかけだった。

 

 当時、コンサートが開かれたのは発災から100日目。「現地が落ち着いたら、もう一度コンサートをやろう」。10年後という目標を立てた牧野さん。4人で演奏したコンサートは10年の時を経て、牧野さんら県内のプロ奏者10人にアマチュア奏者などが加わった総勢約30人のオーケストラでよみがえった。

 

 山﨑さんのソロ、牧野さんと山﨑さんの2重奏などアンサンブルのステージに続き、音域の異なる大小さまざまなフルートを用いたオーケストラの演奏が披露された。注目は、この日が初演となった「それは不死鳥のごとく~2本のフルートとオーケストラの為の~」。作曲家岩岡一志さんが実行委から委嘱され、同コンサートのために書き下ろした作品で、震災犠牲者の慰霊、復興への畏敬の念、未来への願いなどが込められた。

 

岩岡一志さん作曲の「それは不死鳥のごとく」では山崎鮎子さん(釜石市)と大泉穂さん(久慈市)がソリストを務めた

岩岡一志さん作曲の「それは不死鳥のごとく」では山崎鮎子さん(釜石市)と大泉穂さん(久慈市)がソリストを務めた

 

 オーケストラは、岩岡さんが編曲した連作交響詩「我が祖国」第2曲モルダウ(スメタナ)も演奏。最後は復興支援ソング「花は咲く」で観客115人と心を通わせた。

 

 一関市の小山健一さん(66)は「フルートの音色で表現されたモルダウの世界観が素晴らしかった。震災10年目にして、こういう形でコンサートが聞けるのは感慨深い。釜石まで来たかいがありました」。オーケストラには高校生の孫小山颯矢君(17)が参加しており、「孫の成長も見られて良かった」と喜んだ。

 

 実行委はコンサート実現のためのクラウドファンディングも実施。釜石の特産品プレゼントを絡めた支援企画に213人が協力した。エンディングでは支援者からのメッセージを上映。アンコールの「ひょっこりひょうたん島」主題歌は、全国のリモート参加者の動画を背景に演奏した。

 

全国の支援者のリモート参加動画を上映しながら演奏した「ひょっこりひょうたん島」主題歌

全国の支援者のリモート参加動画を上映しながら演奏した「ひょっこりひょうたん島」主題歌

 

 牧野さんは「この10年で音楽仲間の輪が広がり、今回のコンサートにも多くの人たちが共感し参加してくれた。これを機に県内の子どもたちが音楽や芸術に触れられる場が増え、新たな可能性が開かれていけば」と願う。

劇中場面のイメージを伝える山﨑理事長

井上マスさん「人生はガタゴト列車に乗って」釜石で今秋ミュージカルに

ミュージカル公演に向け始動したキャストら=12日

ミュージカル公演に向け始動したキャストら=12日

 

 人気作家井上ひさしさんの母、井上マスさん(共に故人)が釜石での生活など波乱万丈の生涯をつづった自叙伝「人生は、ガタゴト列車に乗って…」が今秋、釜石市でミュージカルとしてよみがえる。市内のNPO法人ガバチョ・プロジェクト(山﨑眞行理事長)が劇団くろがね(平田裕彌会長)と共催し、10月31日、大町の市民ホールTETTOで上演する。同作はプロによる舞台化はあるが、市民手作りのミュージカルで公演するのは初めて。演劇と歌やダンスで繰り広げられる舞台に期待が高まる。

 

 同NPOは、釜石とつながりの深い井上ファミリーの記念館建設などを目指し、2012年10月に設立。10年目に入るのを機に同公演を企画した。脚本を書いたのは山﨑理事長(70)。マスさんの著作を基に3幕(約2時間)の舞台に仕上げ、劇中歌も制作した。主題歌は釜石出身のシンガーソングライターあんべ光俊さんが手がける。

 

ミュージカルの脚本、音楽を手がけたガバチョ・プロジェクトの山﨑眞行理事長

ミュージカルの脚本、音楽を手がけたガバチョ・プロジェクトの山﨑眞行理事長

 

 井上マスさん(1907―91)は神奈川県小田原生まれ。東京で出会った夫と山形県の実家に駆け落ち同然に移り住み、人生が激変していく。病弱の夫は若くして他界。残された3人の息子(長男滋、次男ひさし、三男修佑)を女手1つで育てるため、あらゆる仕事に従事する。事業の失敗、愛する息子たちとの別れなど多くの辛苦も経験。戦後、たどり着いた釜石では、製鉄業や漁業で栄えるまちの勢いを背景に焼き鳥屋台を繁盛させ、多くの市民の記憶に残ることとなる。

 

晩年の井上マスさん(左)。次男ひさしさん(中)、長男滋さんと釜石の自宅で

晩年の井上マスさん(左)。次男ひさしさん(中)、長男滋さんと釜石の自宅で

 

 母としてたくましく生きる姿、家族の絆、何事にも臆せず挑戦するバイタリティー。山﨑理事長は「幾多の困難を乗り越えてきたマスさんの人生は、震災復興と重なる部分がある。震災から10年を経た今、舞台を通してマスさんの勇気や努力、力強さを感じ、またここで『よし、頑張るぞ』と元気を出してもらえたら」と願う。

 

 キャストは子どもと大人合わせ15人ほど。市内の合唱3団体がコーラスで協力する。オーケストラはムジカ・プロムナード(東京都)と釜石市民吹奏楽団有志約30人で結成予定。山﨑理事長が作った曲のほか、時代を象徴する流行歌などを織り交ぜながら舞台が進行する。

 

市民ホールで行われたキャストの本読み稽古。7月からは歌の練習も始まる
市民ホールで行われたキャストの本読み稽古。7月からは歌の練習も始まる

 

劇中場面のイメージを伝える山﨑理事長

劇中場面のイメージを伝える山﨑理事長

 

 キャストは6月5日から始動。演劇初挑戦の鹿内翔英君(釜石高1年)は「マスさんのことは初めて知った。昔の釜石を知る機会にもなる。役柄を理解し、物語の世界に入り込めるよう全力で頑張りたい」と意気込む。演出は震災後、仲間と劇団を立ち上げ活動する小笠原景子さん(37)。「歌あり生オケありで、いろいろな面白さを感じてもらえると思う。出演者に舞台の楽しさを知ってもらい、観客にも伝えられたら」。配役は7月上旬に決定する予定。

 

 公演、キャストの問い合わせは同NPO(電話0193・55・4471)へ。

個性豊かな作品が並ぶ「サムディ45」の55回記念展

第55回記念 美術集団「サムディ45」力作並ぶ

個性豊かな作品が並ぶ「サムディ45」の55回記念展

個性豊かな作品が並ぶ「サムディ45」の55回記念展

 

 釜石市の美術集団「サムディ45」(小田島凌一代表)の第55回記念展が、大町の市民ホールTETTOギャラリーで開かれている。日本画、洋画、デザイン、切り絵、色鉛筆画、写真、工芸など幅広いジャンルの力作約80点が並ぶ。27日まで。

 

 同集団は1967年に結成。メンバーが最初に集まったのが土曜日だったことからフランス語の土曜日「サムディ」と、沿岸の美術愛好家をつなぐ意味で国道45号にちなんだ名称にした。講師を置かず、個々に創作活動に取り組んでいるのが特徴で、現在の会員は30代から80代まで20人。さまざまな分野の人が集まり、地元釜石のほか、北上、仙台、鹿児島など県内外に広がっている。

 

 平田の橘内道子さんが出展する「夢追い人」は銅板を使った彫金風の作品。よく見ると銅板ではない別の素材を使っているようで、「だまされに来て」と楽しみにしている。新型コロナウイルスの感染収束を願うフェルト作品「アマビエ様」、話題の漫画「鬼滅の刃」にちなんだ切り絵もある。

 

 米朝中の危うい三角関係を表現したデザイン画や「福紙」と題した遊び心たっぷりの立体作品などを出品した小田島代表(82)は「何でもありが特徴。見る人に楽しんでもらえたら」と期待する。

 

 入場無料。時間は午前9時~午後6時(最終日は同5時まで)。

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

「みんなで海の環境を守ろう!」 釜石海保が子ども向けに教室

釜石海上保安部が開いた海洋環境保全教室

釜石海上保安部が開いた海洋環境保全教室

 

 6月は海上保安庁が定める「海洋環境保全推進月間」。釜石海上保安部(松吉慎一郎部長)は11日、釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児72人)で海洋環境保全教室を開き、きれいな海を守る大切さを園児らに教えた。

 

 同海保の若手職員4人が訪問。4、5歳児約50人を前に警備救難課の岡安健太さん(鑑識官)が、紙芝居「うみがめマリンの大冒険」を読み聞かせた。ウミガメのマリン君は好物のクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまい、命の危険にさらされる。海上保安官に助けられ、手術を受けて元気になるが、これは人間がごみを捨てなければ起きなかったこと。実際の海でも生き物たちが生死に関わる被害を受けており、「一人一人が海を大切にする気持ちを持つことが大事」と呼び掛けた。

 

紙芝居できれいな海を守る大切さを教えた

紙芝居できれいな海を守る大切さを教えた

 

 坂本心優(みひろ)ちゃん(5)は「マリン君が大変なことになって、寂しい気持ちになった。夏になると海で泳いだりする。遊びに行ってごみがあったら拾う」と誓った。

 

 教室では海上保安官の仕事についても紹介した。職員が「何の仕事をしていると思う?」と問うと、園児からは「海の安全を守る人!」と元気な答えが。「海のお巡りさん(警察官)、消防士さん両方の仕事をしている。海のものを盗む人を捕まえたり、溺れている人を助けたりする。きれいな海を守ることも仕事の一つ」と説明した。

 

 最後は同庁のマスコットキャラクター「うみまる」が登場。園児たちと触れ合い、キャラクター入りのファイルやマスクケースなどをプレゼントした。園児からは教室のお礼にと、絵や写真を貼った「ありがとう」カードが4人それぞれに手渡された。

 

海上保安庁のマスコット「うみまる」との触れ合いに笑顔満開!

海上保安庁のマスコット「うみまる」との触れ合いに笑顔満開!

 

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

 

 同教室は幼いころから海を大切にする意識を育んでもらおうと、市内の幼児施設に出向いて毎年実施。海保職員によると、昨年来のコロナ禍で自然志向のレジャーが注目され、管内でも釣り客などが増加。同時に海上を漂うごみも増えているという。「海でのレジャーを楽しんだ後は、必ずごみを持ち帰って」とマナー徹底を呼び掛ける。

大石漁港付近で採取した貝と出土品を照らし合わせてみる参加者=8日

屋形遺跡(唐丹町大石)が国史跡に~古代の釜石の姿に思いはせ 記念の史跡めぐり、企画展

屋形遺跡の全景(2015年発掘調査当時の釜石市の空撮資料)

屋形遺跡の全景(2015年発掘調査当時の釜石市の空撮資料)

 

 東日本大震災の復興事業で初めて発掘調査された縄文時代の集落跡とされる釜石市唐丹町大石地区の「屋形遺跡」が今年3月に国史跡に指定された。これを記念し、市内では遺跡見学や出土品を紹介する企画展が開かれている。貝塚と集落が一体となった同遺跡は、当時の自然環境と生活の営みの変遷がわかる貴重な史料。現在は保存のため埋め戻されていて見ることはできないが、現地に残される形跡や企画展に並ぶ出土品から、古代の釜石の姿に思いをはせることができる。

 

 屋形遺跡は唐丹湾南側半島部の大石地区、標高26~30メートルの海岸段丘にある縄文時代から近世までの痕跡が残る集落。震災で高さ16・8メートルの津波に襲われ、建物20棟が被災したが、人的被害はなく、遺跡も被害を免れた。

 

 2015年、市が津波に備えて高台に向かう避難経路を建設する際に発掘調査を実施。縄文時代中期末から後期初頭(4000~3800年前)を主体とする竪穴住居や貯蔵蔵の遺構とともに、三陸沿岸では数少ない希少な事例の貝塚が発見され、市は避難経路の計画を変更し、遺跡の保存を決めた。

 

 三陸沿岸のなりわいの実体を示す遺跡として重要であることなどが評価され、今年3月26日、国史跡に指定された。市内では国指定史跡名勝天然記念物の史跡分野で2件目、1957年の橋野高炉跡以来、64年ぶりとなるという。

 

遺跡めぐりで地域の歴史を知る 釜石公民館

 

 国史跡指定を祝い、釜石公民館は6月8日、みなとかまいし歴史講座「屋形遺跡めぐり」を開催。市文化振興課文化財係主任の加藤幹樹さん(36)が市民ら約10人を案内した。

 

 同遺跡の範囲は約2万平方メートル。貝塚は遺跡頂上部の平場から南の斜面に広がり、広さ約140平方メートル、深さ1・2~1・4メートルの厚さがある。現在、遺跡周辺には民家が建ち、畑として利用されていたりして見ることはできない。ただ、整備された避難道路を歩き、ふと脇にある草地などに目をやると、縄による模様付けをされた土器のかけらが転がっていたりする。

 

「持ち出し厳禁」。遺跡周辺に転がる土器のかけらに参加者は興味津々=8日

「持ち出し厳禁」。遺跡周辺に転がる土器のかけらに参加者は興味津々=8日

 

 加藤さんは大石地区の地形や自然環境を解説し、「海、山に囲まれ、住むのに適した場所。今ある生活の営みを続けてもらうことが遺跡を守り、次代に残すことにつながる」と説明した。文化財は敷居が高いと思われがちだが、「知れば面白い」と強調。普段から地形や周辺環境を気にして歩くと、「面白い釜石の姿が見えてくる」と教えた。

 

大石漁港付近で採取した貝と出土品を照らし合わせてみる参加者=8日

大石漁港付近で採取した貝と出土品を照らし合わせてみる参加者=8日

 

 現地を歩いて、足元に眠る歴史に思いを巡らせた大平町の佐久間司さん(72)は「まだ知らない、いい部分が釜石にはあるようだ」と好奇心をくすぐられた様子だった。

 

海に関わるモノに焦点当て企画展 市郷土資料館

 

 鈴子町の市郷土資料館では企画展「国史跡屋形遺跡展~縄文漁撈集落から見つかったモノたち」が開かれている。同遺跡から見つかった出土品やパネル展示を通して、遺跡の概要や当時の生活の様子を紹介している。

 

屋形遺跡から出土した土器や貝殻などが並ぶ市郷土資料館の企画展=14日

屋形遺跡から出土した土器や貝殻などが並ぶ市郷土資料館の企画展=14日

 

 会場には、土器、石器類(石鏃・石斧・耳飾りなど)、土偶、骨角器(釣り針・へらなど)など生活道具、発掘作業の様子を紹介する写真パネルなど244点が並ぶ。顔のようなものが施された「人面装飾付深鉢」(縄文時代前期)は、見る方向によって異なる表情や動きが感じ取れるユニークな出土品。貝塚から見つかった貝殻、魚や動物の骨からは、縄文人の食生活を知ることができる。

 

 常設展示されている「貝塚パネル」も見どころ。貝塚の断面の一部をはぎ取ったもので、土器や骨などの遺物がそのまま残っている。同館では「豊かな海洋資源、海に関わる遺物が多く出土し、魚のまち釜石が縄文時代までさかのぼることを示す」としている。

 

縄文時代の食生活を知ることができる「貝塚パネル」は常設展示されている=14日

縄文時代の食生活を知ることができる「貝塚パネル」は常設展示されている=14日

 

 14日は平田地区の住民ら12人が見学。事前に現地を訪れていた80代の女性は「昔からの集落の暮らし、海の生活に理解が深まった。目新しく、不思議な感じ」と展示品に目を凝らした。

 

 企画展は7月4日まで。開館時間は午前9時半~午後4時半まで。火曜休館。6月27日午前10時から、市文化財調査員でもある加藤さんによる特別解説が行われる。

ゲストを迎え、2年ぶりにコンサートを開いた「トキドキクインテット」

木管5重奏団「トキドキクインテット」2年ぶりのコンサートで観客魅了

ゲストを迎え、2年ぶりにコンサートを開いた「トキドキクインテット」

ゲストを迎え、2年ぶりにコンサートを開いた「トキドキクインテット」

 

 釜石市民吹奏楽団の団員有志で活動する木管5重奏団「トキドキクインテット」は6日、釜石市大町の市民ホールTETTOで4回目のコンサートを開いた。初の試みとしてソロや2~4重奏も披露。各楽器の個性が光る演奏を約50人が楽しんだ。コンサートの模様はユーチューブで生配信された。

 

 2014年に結成した同グループは、17年から独自のコンサートを開始。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を見送ったが、今年は各種感染症対策を講じ、観客を迎えた。

 

 3部構成のプログラムは3人のゲストと共に届けた。1部は5楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、イングリッシュホルン)を組み合わせた2~4重奏で、オペラやクラシック曲を演奏。木管5重奏には通常ホルンが入るが、今回はホルンパートをオーボエの仲間「イングリッシュホルン」が担当。一味違った音色で魅了した。

 

 2部のソロはピアノゲストの佐々木洋子さんと共演し、メンバー3人が好みの1曲を演奏。ファゴットの渡辺律さんは、自作のわらべうたメドレーの1部分「あんたがたどこさ」で観客の手拍子とコラボ。徐々にテンポアップし、観客を楽しませた。3部の5重奏はオーボエパートをフルートに替えて、ディズニー作品など映画音楽を中心に6曲を聞かせた。

 

自作のわらべうたメドレーで楽しませたファゴット奏者の渡辺律さん(右)

自作のわらべうたメドレーで楽しませたファゴット奏者の渡辺律さん(右)

 

手拍子で演奏を楽しむ観客。会場のホールBはロビー側を開け放ち、気軽に立ち寄れる空間に

手拍子で演奏を楽しむ観客。会場のホールBはロビー側を開け放ち、気軽に立ち寄れる空間に

 

 北上市の佐藤直子さん(64)は「木管の温かい音色が好き。ソロはメンバーのカラーが出たり、選曲も良くて楽しいプログラムだった。沿岸はフルートコンサートなど木管の演奏会が盛ん。今日も素敵な演奏に感動しました」と大喜び。この日が結婚記念日、夫の誕生日という佐藤さんは夫婦で鑑賞。サプライズで「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」の演奏も贈られ、感激しながら会場を後にした。

 

 クラリネットの佐々木義成さん(46)はメンバーになって初めてのコンサート。「得意な部分と苦手な部分がはっきりと分かれた」と自己分析しながら、「課題も見つかったので、次のコンサートまでに力をつけていきたい。次回は余裕を持って演奏できるように」と願った。フルートの佐々木勤子さん(64)は「月2回の練習も5人全員がそろうことはなかなかできなくて。それでも何とか本番にこぎ着けた」と安堵(あんど)の表情。コロナ禍でじかに演奏を聞いてもらう機会が減る中、「お客様の拍手や〝ブラボー〟は何よりの励み。次また頑張ろうという気持ちになる」と感謝した。