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展示室一新! 橋野鉄鉱山インフォセンター 世界遺産価値より分かりやすく 大型スクリーンで遺産巡りも

展示を更新した橋野鉄鉱山インフォメーションセンター。「明治日本の産業革命遺産」の理解が深まる=8日

展示を更新した橋野鉄鉱山インフォメーションセンター。「明治日本の産業革命遺産」の理解が深まる=8日

 
 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」のインフォメーションセンターが、新たな展示で生まれ変わった。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(8県11市23資産)の構成資産の一つとして、2015年に世界文化遺産登録されている同鉄鉱山。リニューアルした展示室には遺産全体への理解が深まる共通展示(パネル、映像)を導入。橋野鉄鉱山の解説パネルも内容がより分かりやすく整理され、登録後の発掘調査の成果なども盛り込まれた。映像は従来の5倍の大きさの大型スクリーンで見ることができる。世界遺産登録日の7月8日から公開している。
 
 8日は関係者約20人が出席して、リニューアルオープンのセレモニーが行われた。髙橋勝教育長が小野共市長のあいさつを代読。「これを機に橋野鉄鉱山の世界遺産価値の理解増進を図れれば。観光、生涯学習、学校教育とも連携し、鉄の歴史と文化を生かしたまちづくりに一層取り組む」と決意を述べた。代表者のテープカットで新展示室の完成を祝った。
 
セレモニーに出席した市の教育関係者、工事監理・施工業者ら

セレモニーに出席した市の教育関係者、工事監理・施工業者ら

 
 約80平方メートルの展示室は視覚的に大きく変わった。入ってすぐ左側には「明治日本の産業革命遺産」の共通パネルが並ぶ。全構成資産が一貫した説明で全体の世界遺産価値を示すもので、同遺産の中の橋野鉄鉱山の位置付けも分かる。
 
明治日本の産業革命遺産の共通展示。23資産で構成する遺産の全体像が分かる

明治日本の産業革命遺産の共通展示。23資産で構成する遺産の全体像が分かる
 
日本の近代化を推し進めた3つの産業分野を説明するパネル

日本の近代化を推し進めた3つの産業分野を説明するパネル

 
 対面には、共通パネルとデザインを合わせた橋野鉄鉱山のパネルを配置。三陸ジオパークのジオサイトでもあることから地質の説明も入れ、同鉄鉱山の歴史、資産を構成する「採掘場、運搬路、高炉場」跡、高炉のしくみ・特徴、製品の輸送経路まで、写真と説明文で分かりやすく解説する。高炉場跡で計画的に進められている発掘調査の成果など、登録後の10年間で得られた知見も盛り込む。パネルの下には専門用語の解説も。
 
橋野鉄鉱山を解説するパネルも充実。山の緑を基調としたデザイン

橋野鉄鉱山を解説するパネルも充実。山の緑を基調としたデザイン

 
高炉場跡の発掘調査の成果(写真右下)も盛り込んだ展示。パネルの下には専門用語の解説が添えられる(同左下)

高炉場跡の発掘調査の成果(写真右下)も盛り込んだ展示。パネルの下には専門用語の解説が添えられる(同左下)

 
 パネルは日本語と英語で表記され、中国語、韓国語はQRコードで説明文を読み取れるよう準備中(8月末までに導入)。多言語表示で外国人客の見学をサポートする。
 
 映像は展示室左奥に設置された縦約1.2メートル、横約3メートルの大型スクリーンで見ることができる。明治日本の産業革命遺産世界遺産協議会(事務局:鹿児島県)が作成した共通映像システムで、23構成資産の解説を視聴可能。釜石独自のものとして、待機画面に市郷土資料館(鈴子町)で展示される同鉄鉱山高炉場跡のジオラマを採用したほか、鉄鉱山操業時(1860年代前半)に描かれた絵巻「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図(しほんりょうてっこうざんおやまうちならびにこうろのず)」(市立鉄の歴史館所蔵)のスクロール画像、岩手県の3世界遺産の紹介画像も盛り込む。タッチパネル操作で見学者が見たいものを選択できる。
 
従来の5倍の画面サイズで映像が見られる大型スクリーン。写真画像は待機画面の「橋野鉄鉱山高炉場跡のジオラマ」

従来の5倍の画面サイズで映像が見られる大型スクリーン。写真画像は待機画面の「橋野鉄鉱山高炉場跡のジオラマ」

 
鉄鉱山稼働時の様子が描かれた絵巻はスクロール画像で。本物は12月1日の「鉄の記念日」に合わせ鉄の歴史館で毎年公開

鉄鉱山稼働時の様子が描かれた絵巻はスクロール画像で。本物は12月1日の「鉄の記念日」に合わせ鉄の歴史館で毎年公開

 
タッチパネル操作で全23資産の紹介映像を見ることができる。産業革命遺産巡りをお気軽に!

タッチパネル操作で全23資産の紹介映像を見ることができる。産業革命遺産巡りをお気軽に!

 
 同センターは2013年にオープン。2年後の15年、世界遺産登録決定に伴う展示リニューアルはあったが、今回のような大規模更新は初めて。センター施設や史跡周辺の維持、管理業務を担う橋野町振興協議会の菊池郁夫会長は「オープンから13年が経過し、従来の展示では飽きがきている状況もあった。今回のリニューアルでまた多くのお客さまが来てくれることを願う。市とともに各種イベントも開催しながら誘客に努めていきたい」と話した。
 
 「明治日本の産業革命遺産」の共通展示整備は世界遺産登録時に勧告され、内閣官房の整備計画により2020年度以降、8つのエリアごとに順次導入されてきた。釜石では24年度に設計業務を行い、本年2月から工事が進められてきた。総事業費は約4千万円。
 
橋野鉄鉱山の紹介映像。普段は非公開の「採掘場跡」も映像で(写真下)

橋野鉄鉱山の紹介映像。普段は非公開の「採掘場跡」も映像で(写真下)

 
セレモニー終了後、世界遺産室の森一欽室長が新たな展示について出席者に説明した

セレモニー終了後、世界遺産室の森一欽室長が新たな展示について出席者に説明した

 
 市教委文化財課世界遺産室の森一欽室長は「(共通展示の導入で)世界遺産全体の中での橋野鉄鉱山の位置付けが明確になった。大画面のスクリーンで各地の資産も見られる。他エリアと連携しながら明治日本の産業革命遺産の価値を発信していければ」と話す。

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「釜石艦砲」学ぶ 紙芝居、体験者の生の声に 戦後生まれ「平和」「思い」語り継ぐ

釜石小学校で行われた釜石艦砲射撃や戦争の歴史を学ぶ授業=7月3日

釜石小学校で行われた釜石艦砲射撃や戦争の歴史を学ぶ授業=7月3日

 
 太平洋戦争終戦直前、釜石市が連合軍艦隊による艦砲射撃を受けてから、7月14日で81年を迎えた。8月にも砲撃があり、その2度の「釜石艦砲射撃」の記憶と向き合う取り組みが市内で進められている。記憶のかけらを残す人、経験した親世代から伝え聞いた人たちが、戦争を知らない子どもたちに伝え継ぐ活動をこつこつと継続。その活動に今年は釜石高校の生徒が加わった。同市大渡町の釜石小学校(五安城正敏校長、児童62人)で7月3日に行われた戦禍を語り継ぎ、次世代に平和のバトンを託す授業を紹介する。
 
 釜石小では、市教委が推進する「いのちの教育」の一環で戦災という地元の歴史を学び、命を尊重する心を育む。今年も、市内の小学校などで活動する読書サポーター「颯(かぜ)・2000」(千田雅恵代表)による紙芝居や絵本の読み聞かせがあり、6年生11人が耳を傾けた。
 
 釜石への艦砲射撃は1945(昭和20)年7月14日と8月9日の2度あり、計5300発以上の砲弾が撃ち込まれ、少なくとも782人が亡くなった。「なぜ、釜石は狙われたのか」。概要を説明したメンバーの中嶋るみさん(67)が問いかけた。児童の答えは「鉄を作っていたから」。製鉄所があり、工業都市だった街。「武器をつくらせず、戦えないようにするため」に標的にされたことを改めて理解した。
 
釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える中嶋るみさん

釜石が受けた艦砲射撃の被害状況などを教える中嶋るみさん

 
 砲弾の大きさを実感してもらうため、中嶋さんは紙の模型を用意した。最も大きな直径40センチの16インチ砲は重さ約1トン。その重さを想像してもらおうと、メジャーリーガー大谷翔平選手の名を挙げ、「体重はほぼ100キロ。何人分かな?」と質問。艦船の全長については同校の校舎(横幅約80メートル)の2.5倍もあったことを説明に加えた。
 
 攻撃は海上からだけではなかった。艦載機が飛来、機銃掃射を繰り返した。「布団をかぶって逃げた。逃げる人を空から狙い撃ちする機銃掃射も怖かった。弾から逃れるために布団を持って逃げた」。中嶋さんは、かつて父から聞いたことを話した。「両親が亡くなっていたら、私は生まれていない。子ども、孫にも会えなかった。おじいちゃん、そのずっと前の代からつないできた大事な命、そして未来の命も奪うようなひどいことは絶対にしてはいけない」。強い気持ちを込めて訴えた。
 
颯・2000代表の千田雅恵さんの語りに聞き入る釜石小児童

颯・2000代表の千田雅恵さんの語りに聞き入る釜石小児童

 
 読み聞かせで取り上げた紙芝居「私の昭和20年7月14日」は、艦砲射撃で教え子を失った石橋巌さん(故人)が制作したもの。代表の千田さん(63)は「石橋さんが18歳の時に経験したこと、逃げ惑う人、防空壕(ごう)での様子が描かれている。凄惨(せいさん)な表現…怖かったり、気持ちの悪い表現があるかも。気分が悪くなったら耳をふさいでもいいから。無理のないように」と児童に寄り添いながら、ゆっくりと感情の込もった声で朗読した。
 
 「怖い、怖いと言って防空壕に向かって走りました。死ぬ、死ぬと言って逃げた記憶があります」。そう切り出したのは元メンバーで、4歳の時に艦砲射撃を体験した浅沼和子さん(85)。最近、退会したが「じかに経験したことを話すことで伝わることがあると思うから」と語り部は続けることにし、この日も同行した。
 
釜石艦砲射撃から逃れた記憶を伝える浅沼和子さん

釜石艦砲射撃から逃れた記憶を伝える浅沼和子さん

 
体験談に聞き入る児童。地元の歴史や平和に思いを巡らせた

体験談に聞き入る児童。地元の歴史や平和に思いを巡らせた

 
 「4歳の記憶って、特別なことがないと覚えていられないと思う。私は、これ(戦争)で本当に死ぬんじゃないかという思いをしました」
 「夏には花火がありますよね。ヒュー、ヒューと上がる花火。弾が飛んでくると、似たような音がするの。そして短時間でガラスが壊れて、いろんなものが倒れてきて…」
  
 脳裏に焼きついて離れることはない当時の記憶をたどった浅沼さん。太平洋戦争時の南の海の小さな島を舞台に特攻隊の若い兵士と小学生の交流を描いた絵本「すみれ島」の読み聞かせもした。「若い人たちには夢があったはず。かなえられず命を散らせる。戦争はむごい。絶対にしてはダメ。願い、希望がかなう世の中であってほしい」。口調は穏やかながらも、言葉には切なる思い、力が込もっていた。
 
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紙芝居を通して平和の尊さを伝えた(左から)古川明弥さん、川崎夏織さん、川崎由花梨さん

 
 釜石高3年の川崎夏織さん、古川明弥さん、川崎由花梨さんは、釜石艦砲をテーマにした探究活動の学びの成果を発表した。さまざまな文献を調べる中で、戦時中に釜石の捕虜収容所の所長を務めた故稲木誠さんの手記「降伏の時」を知り、「次世代につなぐ必要がある」と実感。手記を元にデジタル紙芝居を制作した。
 
 収容所の管理、捕虜の扱いに最善を尽くしたと考えていた稲木さんだが、終戦後、戦犯とされた。葛藤、苦悩し続けたというが、戦後30年がたったある日、元捕虜のオランダ人から1通の手紙が届いた。その手紙は稲木さんにとって“光”となり、その後、2人は文通を通じて友情を育んだ。
 
 「どんな時でも、人を人として扱うこと。それが戦争をなくす一歩なんだ」
 「戦争は人の心を曇らせ、人を傷つける」
 「だから、あなたたちは戦争を繰り返してはいけない。相手を思いやり、話し合うことを忘れないでほしい」
 
 戦時中、敵国の捕虜であっても大切に扱おうとできる限りのことをした。終生「人を守る心」を語り続けたという稲木さんが残した言葉を「平和のメッセージ」として子どもたちに届けた。
 
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戦時中の写真や戦争を題材にした本などに関心を示す児童

 
 さまざまな視点から戦争の歴史に触れた及川義規さんは「(戦争が)実際に起こったら怖い。『なんで戦争をする必要があるんだろう』ってなる。争いのない世界になってほしい」と強く願った。佐々木結音さんは「教科書だけでは分からないことをたくさん知れた。これからの勉強に生かしたい」と刺激を受け、感謝を口にした。
 
 颯・2000の協力もあって小学生に伝承する機会を得た高校生3人は「戦争の事実を情報として知るだけでなく、そこには人々の生活や気持ちがあったことが伝わればいい」「悲惨な証言もあったが、子どもが負担にならないような言葉を選んだ。前向きになるような表現を」「児童が真剣に受け止めてくれて、頑張ったかいがあった」と感想を話した。今回の学びを高校の後輩にも伝えたいと思っているようで、「さらに深めてもらえたら」と期待していた。
 
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歴史を語り継ぐ思いを強めた颯・2000のメンバー、釜石高の生徒

 
 釜石小では「戦争を身近に考えてもらう機会」として、颯・2000を招いた授業を継続したい考えだ。6年生は今年の市戦没者追悼・平和祈念式(8月9日)で献唱する予定。高校生3人も式の中で、今回の活動を踏まえ成果を発表する。

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地域産業の理解へ 釜石商工高2年生 水産加工の津田商店を見学 地域経済支える企業姿勢学ぶ

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

水産加工品製造の工場を見学する釜石商工高の2年生=3日、津田商店(鵜住居町)

 
 釜石市大平町の県立釜石商工高(小松了校長、生徒160人)の2年生50人は3日、県の「いわて高校魅力化推進事業(探究共創事業)」の一環で、地元水産業への理解を深める学習を行った。研究施設や水産加工品製造の工場を見学。地域の魅力や可能性を知り、古里の将来を支える一員として考えを巡らせた。
 
 地元就職を希望する生徒が多い同校では、地域に貢献できる人材育成を目指し、地場産業への理解や地域課題に目を向ける探究学習の機会を設けている。本年度、2年生は平田の三陸水産研究センター(岩手大釜石キャンパス内)と鵜住居町の津田商店を訪れ、地域と関わりの深い水産業への学びを深めた。
 
 午後に訪問した津田商店(小笠原正勝代表取締役社長、従業員190人)では、同社の歴史や事業の説明を聞き、工場内を見学した。水産加工品の製造販売を行う同社は1933(昭和8)年創業。2011年の東日本大震災津波で大槌町安渡にあった工場が被災し、翌12年、釜石市浜町にあった本社事務所と共に同市鵜住居町に移転再建した。主に学校給食で提供される業務用冷凍食品(調理済み煮魚)と、大手ブランドの缶詰(サンマ、サバ、サケの中骨など)を製造。自衛隊員が災害派遣や訓練時に食するレトルト食品の製造も手がける。3年前には個食用に開発した自社ブランド「子どもようおさかなさん」(冷凍煮魚)のオンライン販売も開始した。
 
津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

津田商店の会社概要や製品について学ぶ。学校給食用の魚は45都道府県に供給しているという

 
メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

メモを取りながら担当者の話を聞く機械科の生徒ら

 
 担当者からは、衛生管理を徹底し安全安心な食品を提供していること、残物(魚の頭や尾など)の飼料加工や微生物による水浄化処理で環境負荷軽減を図っていることも説明された。近年は海水温の変化などで三陸産魚の水揚げが減少。原料確保のため、全国に足を運んでいる現状も伝えられた。同社は「地域共存」を理念とし、釜石湾で養殖されるサクラマスや地元酒造会社の梅酒製造過程で出る漬梅を活用した商品開発にも取り組んできた。
 
 全国に販路を持つ同社。得られた利益は従業員や外部の委託業者の収入となり、さらには地域内消費を生む。「地域内でお金が回る。地域経済を支えることが自社の目的の一つ」と担当者。10~70代の幅広い年代の雇用、外国人技能実習生の受け入れでも貢献する。
 
工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

工場内の各部屋を回り、製品ができるまでの工程に理解を深める

 
初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

初めて見る工場内の作業に目がくぎ付け(写真下)。身近な魚の缶詰が地元釜石で作られていることを知り興味津々(同上)

 
 電気電子科の岩﨑春燈さんは、同社の見学は小学校時代に続き2回目。高校生になり新たな視点での見学となったようで、「金属探知機やX線検査機などの設置が多い印象。それだけ消費者の食の安全に対し徹底しているのが伝わる」と感心。同社製造の缶詰を目にする機会も多く、「それが地元で作られているのはすごい」と郷土の誇りも実感。地元就職を考える上での判断材料にした。
 
「魚が大好き。ずっと(工場見学を)楽しみにしてきた」と目を輝かせたのは総合情報科の門﨑愛生さん。「気軽に食べている缶詰がこのような多くの工程を経て私たちの食卓に届いていると知って驚いた。多くの人の努力が詰まっていることを思いながら大切に食べたい」と感謝の気持ちも芽生えた様子。高校卒業後は県外就職を考えているが、「地元も大好きなので、いずれは戻ってくることも」とUターンも選択肢の一つに考えた。
 
地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

地元企業の素晴らしさを実感する生徒。今後の進路の参考に…

 
 生徒たちの見学をサポートした同社管理部総務経理課の小倉敦美主任(30)は「地元の企業を知ってもらえるいい機会。地域への理解が進むのは大変ありがたい」と感謝。生徒たちが説明にうなずいたり、真剣なまなざしで話に聞き入る姿を頼もしく感じ、「若い方々の今後の力に期待したい。地元の魅力を感じてもらい、将来の就職の選択肢の一つに考えてもらえれば」と話した。

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夜を彩る「七夕あかり」 ココイロこすもすファーム(釜石・甲子) 幻想的な雰囲気に

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

竹灯籠やイルミネーションの明かりを楽しむ「七夕あかり」

 
 釜石市甲子町洞泉のココイロこすもすファーム(石塚佳那子代表)で4日、竹灯籠のライトアップや音楽、食を楽しむ「七夕あかり」と題したイベントがあった。東日本大震災後に同じ場所で行われていた「キャンドルナイト」を新たな形で復活。鎮魂、未来への希望を込めた明かりに包まれた幻想的な光景は訪れた幅広い世代の心を癒やした。
 
 イベントは午後5時に始まった。流しそうめんのお振る舞いがあり、近くの山から切り出した竹を割って作った流し台の脇に子どもたちが整列。流れてくる麺を箸やフォークで上手にすくい上げ、ひんやりとした味わいを堪能した。おにぎり、かき氷、から揚げ、玉こんにゃくなどの軽食も販売。緑豊かな敷地内で家族連れらはピクニック気分も満喫した。
 
流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

流しそうめんに夢中になる子どもたち。ウキウキ顔で待ち構える

 
シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

シャボン玉をつくって遊ぶ子どもたち。大人にも笑顔が連鎖

 
七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

七夕にちなんだ飾り付けも。願い事が書き込まれた短冊が揺れる

 
 「3、2、1」。カウントダウンの後に、敷地内に設置された約60本の竹灯籠や天の川をイメージして飾り付けられたイルミネーションがともると、「わー」と歓声が上がった。ハンドベル演奏、ダンスとピアノ演奏を組み合わせたミニコンサートもあり、来場者はやわらかい光と音の中でゆるやかな時間を過ごした。
 
竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

竹灯籠が点灯。光で彩られた遊具で遊ぶ子どもたち

 
光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

光で彩られた園内でダンスやピアノ演奏を楽しむ

 
七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

七夕にちなんだ曲をハンドベルで奏でた子どもたち

 
来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

来場者は光に包まれた園内で思い思いの時間を過ごした

 
 大槌町の加賀心湊さん(7)は「キラキラしていて面白い。ダンスもよかった。新しい友達もできた。楽しすぎる」と大はしゃぎ。母親の典子さん(41)は「以前の公園のように自然に触れながら楽しく遊べる場所なので、わざわざ来たくなる。優しい心を育み、自分らしいペースで伸び伸びと成長してほしい」と見守った。
 
 このファームの前身は、地域内外の人に親しまれた「こすもす公園」。藤井了さん(80)、サヱ子さん(81)夫妻が、震災で遊び場をなくした子どもたちが自由に遊べる空間にしようと2012年に整備した。夏至(6月)と冬至(12月)の時期に世界中で展開される「電気を消して、ろうそくの明かりで思い思いの夜を過ごす」スローライフ運動にちなみ、キャンドルナイトを毎年実施。復興や犠牲者の安寧を祈り、地域の交流を促す機会にもなっていたが、22年に閉園し、明かりも消えた。
 
 石塚代表(38)が跡地を受け継ぎ、25年にファームを開業。多世代の笑顔をつなぐ遊べる空間をつくる中で、「またキャンドルナイトやりたいね」「明かりや音楽をゆったり楽しめたらいいよね」というスタッフの声もあり、イベントを企画した。
 
あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

あたたかな光に包まれるココイロこすもすファーム

 
 実施に当たり、これまでとは違った形を検討。公園の時はろうそくに火をともしていたが、山火事の懸念もあることから代わりにイルミネーションを選んだ。「イルミネーションでまちを明るく、人を笑顔に」と光を使った活動を展開する「かまいし灯り実行委員会」とコラボレーションすることに。竹灯籠も半数は自前で手作りしたほか、震災犠牲者の追悼や命を守る活動の意識啓発のために鵜住居町根浜地区で使われたものを一部借り受けた。
 
 日が落ちるにつれて、やわらかい明かりが園内を照らした。次々と人が訪れ、その数約150人。そのにぎわいに、石塚代表は「子どもたちの笑い声が響くと大人も元気になる。それが『こすもす』の原点」と感慨深げに話した。「久しぶり」という顔や声に出合ったのも感激。「やり方は変わっても、鎮魂、祈り、地域交流、癒やしを願う思いは受け継いでいきたい」と力強くうなずいた。
 
七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

七夕あかりを企画した石塚佳那子代表(左)、活動を見守る藤井了さん(右から3人目)とサヱ子さん(右)夫妻ら

 
これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

これからも…思いをつなぐ明かりがともり続きますように

 
 会場には、藤井さん夫妻の姿も。元気に駆け回る子どもたち、幅広い年代の人たちの笑顔が広がる様子を見つめ、「やっぱり子どもたちがたくさんいるのはいいね。若い人に引き継いで、雰囲気が違っているのもまたいい。素朴であたたかい空間がずっと続きますよに」と笑顔を重ねていた。
 
 七夕あかりのライトアップは3日から7日まで行われた。

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甲子、鵜住居両河川でアユ釣り解禁 愛好者 待望のシーズン到来に心躍る 天然魚増え楽しみ倍に

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

愛好者待望のアユ釣り解禁日。楽しみなシーズンが始まった=5日、鵜住居川

 
 釜石市の2大河川、甲子川と鵜住居川で5日、今季のアユ釣りが解禁された。早朝は水温が低く、アユの活性が低調だったものの、時間の経過とともに復調傾向に。大きいものでは20センチほどに成長したものも釣れ、市内外から訪れた釣り客らは待望のシーズン到来に顔をほころばせた。梅雨で曇りの天気が続く市内だが、「太陽が顔を出し気温、水温が上がっていけば、例年並みの釣果が期待できるのでは」と釣り人ら。
 
 5日は沿岸南部4河川の解禁が重なったこともあってか、早朝の甲子川の人出は例年より少なめ。それでも人気エリアの一つ、甲子町松倉の県立釜石病院裏では、水面の上にアユ釣り特有の長竿(さお)が並ぶ初夏の風景が広がった。釜石地方は6月下旬にまとまった降雨があり川の水量は十分ながら、解禁日前は曇り空が続き、水温が上がりにくい状態。アユ釣りはアユの縄張り特性を利用した「友釣り」が多く、おとりアユを追う野アユの動きが活発化するには適度な水温が必要。釣り人らは「まだ水温が低く、動きが鈍いようだ」と話し、気長に構えた。
 
甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

甲子町松倉、県立釜石病院裏では早朝から太公望が繰り出した=5日、甲子川

 
1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

1年ぶりのアユ釣りにこの笑顔!友釣りの“引き”の感触は最大の魅力

 
 「毎年解禁日はここで」と、釜石の釣り仲間と竿を繰り出した宮古市の小川司さん(61)。「昨年より出だしは低調」としつつ、午前6時前には2ケタに突入。「結構いい型が釣れている」と1年ぶりの“引き”の感触を楽しんだ。シーズン中は沿岸河川を中心に足を運ぶといい、「土日は家にいないで川にいる。甲子川は水がきれいでアユの味もいい。今年も何回か来たい」と笑顔を見せた。
 
開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

開始2時間で10匹以上。解禁日としては大きめサイズのアユが釣れた

 
 野田橋近くで楽しんだのは大槌町の芳賀浩亨さん(63)。前日は気仙川で今季の“初日”を迎えた。「まだ(午前)5時。今は慣らしの状態」と、あえて流れが緩やかな“トロ場”に糸を垂れ、活性前の群れを狙った。「季節、天候、時間を見極めながら竿を出す。そこがアユ(釣り)の難しさ」。昨年の解禁日は午前7時から午後2時ごろまでに68匹を釣り上げたという。「8時、9時ごろになれば活性が良くなり、釣れてくるだろう」と見通した。4月の大規模山林火災では、震災で高台移転した自宅の裏山50メートルまで火の手が迫った。やっと落ち着きを取り戻しつつあり、釣った魚は「楽しみに待っている親戚に配りたい」と腕をまくった。
 
早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

早朝は水温が低く苦戦したが、時間の経過とともにアタリの頻度もアップ

 
 河川漁協のない甲子川では遊漁料の徴収は行っておらず、自主的に資源保護活動を展開する甲子川鮎釣協力会(安久津吉延会長)に寄せられる協力金や市、企業などの助成金で稚魚の放流を維持している。協力金は甲子町の釣り具店「釣具オヤマ」などで受け付けている。
 
 同じく解禁日を迎えた鵜住居川。こちらもシーズンを待ちわびた人たちが各ポイントで釣り糸を垂れた。鵜住居川漁業協同組合(川崎公夫代表理事組合長)の組合員のほか遊漁券を購入した市内外の愛好者が足を運んだ。同河川も渇水状態から一変。6月に2日間降り続いた雨のおかげで水量が回復した。「久しぶりの大雨で川底の石が洗われ、今がちょうど(アユの餌となる)いいコケが生えてきている時期。新鮮な餌を食べているので、(アユの)香りもいいと思う」と地元組合員。
 
巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

巡回中の漁協監視員と情報交換。今年の解禁日の状況は? =鵜住居川、5日午前8時前

 
 鵜住居町の長持橋上流で弟と釣りを楽しんだのは地元の澤本幸夫さん(80)。午前7時前の水温は15度。「どんなに寒くても17~18度は欲しいところ。水温が上がれば背がかりも増えてくるが…。動きが鈍い」と、おとりを替えて再チャレンジ。それでも午前5時の解禁から2時間で約10匹を釣り上げた。アユ釣り歴は51年。組合にも長く加入してきたが、人口減や高齢化で組合員数は減少傾向にある。「組合維持のためにも釣り人を育てていかないと。子どもたちの体験会とかでアユ釣りの面白さを知ってもらい、将来につなげていければ。この鵜住居川を守っていくためにも」と新たな取り組みの必要性を示した。
 
長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

長持橋上流、板割バス停付近も人気の釣り場。水流の幅が広い

 
 解禁から約3時間。たも網に釣果を見せてくれたのは甲子町から足を運んだ吉田光夫さん(64)。数えてみると35匹に達していた。「解禁日としてはいい方かな」。体長は平均18センチで、“おとり”に適した天然(遡上)アユも。「きれいでしょ。(背)ヒレが違う。これがかかった時の引きがたまらない」と心を躍らせた。栗林町に知り合いがいる縁で解禁日には毎年、道々橋下流で釣りを楽しむ。周辺に木々がなく、釣りやすいという。「鵜住居川にはシーズン中、10回は来るかな。8月になると(アユが)また大きくなって面白い」。釣ったアユは経営する居酒屋でも振る舞い、甲子川協力金への募金も呼びかけているそう。
 
道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

道々橋下流で竿を出した人たちはかなりの釣果。型のいいアユがかかった

 
“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

“ザ・天然”アユ! 大きくて張りのある背びれにスマートな体型が特徴

 
 「天然アユが3割ぐらいかな」と同漁協の藤原信孝事務局長。昨年は特に、産卵時期の9月半ばから10月にかけて魚影が多く見られ、産卵場所には異常なくらい(産卵後のアユを狙う)シロサギが群がっていたという。「産卵アユの多さは翌年の天然アユ遡上につながる。今日、釣れている魚を見ると例年より天然ものが多い。泳ぎのスピードが速い天然アユは釣りの醍醐味(だいごみ)になるので、うれしい傾向」と喜びを表す。これから夏本番を迎え、気温、水温がさらに上がればアユも成長。「8月には24~25センチぐらいになる。ぜひ、多くの皆さんに足を運んでほしい」と期待を寄せる。
 
道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

道々橋(右写真)から下流域は木々などの障害物が少なく、川の近くまで車が乗り入れ可能な場所が多い

 
立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

立派に成長したアユがいっぱい!今年も夏の食卓を彩る

 
 鵜住居川での釣りには組合員証か遊漁券の携帯を。同漁協の遊漁券は年券7000円、日券1500円。遊漁券は市内釣具店や流域の赤いのぼり旗を掲げた販売所、スマホアプリ「フィッシュパス」で購入できる。

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釜石市新庁舎が完成 「夢と希望を持てるまちに」市民有志、絵画寄贈 見学会も

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

釜石市役所新庁舎1階に飾られた絵画「釜石の四季」。かわいい虎舞でお祝い

 
 釜石市が天神町に整備していた新庁舎が6月30日に完成した。これに合わせ、市民有志が新庁舎に飾ってもらおうと寄付金を募って購入した絵画「釜石の四季」の贈呈・除幕式が、新庁舎1階の市民交流の場「みんなのホール」であった。同日は市民向けの見学会も。明るい彩りの絵画がお出迎えをし、さっそく来庁した人たちの目を楽しませた。落成は7月25日。新庁舎での業務開始は9月24日を予定する。
 
 釜石の四季は縦1メートル、横6メートルのアクリル画。大きくて明るい太陽と穏やかに光を放つ月に見守られる街の風景を表現した作品で、タイ・バンコク在住の画家、阿部恭子さん(59)が制作した。東日本大震災後、子どもたちの笑顔のためにと甲子町につくられた「こすもす公園」に隣接する工場の外壁に描かれた「希望の壁画」を手がけており、制作のため通う中で出会った人々、見つめた春夏秋冬の景色を散りばめたという。桜並木、SL、虎舞、柿の木、曳(ひ)き船…。描かれている“釜石っぽさ”を見つける楽しさもある一作だ。
 
「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

「釜石の四季」は移り変わる季節の中で見える街の表情を記録した作品

 
人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

人々の営みを感じさせる情景が生き生きと描かれている

 
 公園をつくった藤井了さん(80)は、壁画が多くの人に希望を与えたのを実感。数年後に制作された釜石の四季を目にした際に「釜石の宝ものに」と思ったという。掲示する場所は「新しい市庁舎がぴったり」と考え、購入を模索。釜石ロータリークラブや釜石リアスライオンズクラブなどに呼びかけ、実行委員会を立ち上げて購入資金などに充てるため寄付金を募った。
 
 藤井さんが実行委員長となり、昨年3月から今年4月末まで活動。市内外の313人、70の企業・団体から目標の440万円を上回る502万円余りが集まった。
 
「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

「釜石の四季」が飾られた新庁舎1階にある「みんなのホール」

 
関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

関係者が除幕し「釜石の四季」をお披露目

 
 式には関係者約100人が参加。阿部さん、藤井さん、小野共市長ら12人で除幕した。かまいしこども園の園児による「ちびっこ虎舞」が元気に舞い飛び、良き日を祝福。小野市長は「大切な財産として未来に継承する」とし、実行委、阿部さん、協力団体に感謝状を贈った。
 
左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

(左から)実行委の藤井了さん、画家の阿部恭子さんらに釜石市から感謝状が贈られた

 
 阿部さんは「釜石に通う中で見つけた景色、まちの力強さ、共に過ごしたあたたかな人たち、そして未来への希望を描いた。これからも釜石の絵を描き続けたい」と話した。藤井さんは「目を引く明るさに元気が出るような作品。多くの方に夢や希望をもたらす絵になってほしい」と願った。
 
釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

釜石市天神町に完成した市役所新庁舎

 
 見学会には約90人が参加。鉄筋コンクリート造り4階建て(延べ床面積は約8000平方メートル)の庁舎の各課窓口、市長室、議場を見て回った。近くに建つ災害公営住宅(復興住宅)で暮らす80代の夫婦は工事の様子を見守ってきたことから「完成を楽しみにしていた」と訪れ、「立派だね」「明るくていいね」と感想を口にした。
 
スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学

スマートフォンで撮影したりしながら新庁舎を見学
 
市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

市長室に興味津々の見学者。木のぬくもりを感じさせる造りが特徴

 
 庁舎は、災害時に避難所としても活用される。4階の大会議室を中心に共有スペースなどを含めて約3000人の受け入れを想定。「最近、地震が多いから心配でね。事前に見ておきたくて」と話していた浜町の男性は、避難場所から移動にかかる時間を確かめる機会にもした。
 
 市内に分散(現在は8カ所)する保健福祉や教育などの部署が一部を除いて集約され、市民や来庁者にとって利便性は向上するはずだ。甲子町の瀬川容子さん(92)、平田の川﨑陽子さん(87)は「今まではあちこちに行って手続きをしていたから、1カ所で済むのは便利になると思う。エレベーターがあるのもいい」と歓迎。ともに元市職員で「すてきな建物。環境もいいところで働けるのね」と現職員をうらやましがり、「張り切って仕事をしてほしい。案内をしっかり、いいサービスを」と期待を込めた。

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釜石、遠野の消防団7チーム 操法競技で訓練成果発揮 釜石7分団1部の2選手個人賞獲得

小型ポンプの部(写真上)とポンプ車の部(同下)で競い合った第14回遠野釜石地区支部消防操法競技会=釜石市鈴子町

小型ポンプの部(写真上)とポンプ車の部(同下)で競い合った第14回遠野釜石地区支部消防操法競技会=釜石市鈴子町

 
 公益財団法人岩手県消防協会遠野釜石地区支部主催の第14回消防操法競技会は6月28日、釜石市鈴子町の釜石消防庁舎東側防災空地で開かれた。遠野、釜石、大槌3市町持ち回りで2年に一度開かれる競技会。釜石市が会場となるのは東日本大震災後、初めてとなる。2市の消防団から計7チーム(出場登録38人)が出場し、「ポンプ車」と「小型ポンプ」の2種目で、訓練習熟の成果を競い合った。両種目の優勝チームは7月26日に県消防学校(矢巾町)で開かれる県大会に出場する。
 
 同競技会は消防団員の消火技術向上と士気高揚を図るのが目的。開会式で大会長の菊池録郎支部長(釜石市消防団長)は「積み重ねてきた訓練の成果を十分に発揮してほしい。競技を通じて互いの技術を高め合い、消防団活動のさらなる充実につなげてもらえれば」とあいさつ。開催地の釜石市から、ポンプ車の部に出場する第7分団第1部の指揮者小林悟班長が選手宣誓をした。
 
菊池録郎大会長(釜石市消防団長)が出場選手を激励(写真右上)。釜石市の第7分団第1部指揮者の小林悟班長が選手宣誓した(同左上)

菊池録郎大会長(釜石市消防団長)が出場選手を激励(写真右上)。釜石市の第7分団第1部指揮者の小林悟班長が選手宣誓した(同左上)

 
ポンプ車の部は3チームが競技。釜石大槌地区、遠野市の両消防本部職員が審査員を務め、隊員一人一人の動作を採点

ポンプ車の部は3チームが競技。釜石大槌地区、遠野市の両消防本部職員が審査員を務め、隊員一人一人の動作を採点

 
ポンプ車の部に出場した遠野市の第9分団第2部。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮

ポンプ車の部に出場した遠野市の第9分団第2部。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮

 
 ポンプ車の部には3チーム(遠野2、釜石1)、小型ポンプの部には4チーム(遠野3、釜石1)が出場。両種目交互に競技が行われた。ポンプ車は5人、小型ポンプは4人で操作。指揮者の操作開始の号令から、水利の確保、ホースの延長(3本結合)、放水、収納、点検報告、解散まで全ての動作が審査対象。各隊員の行動審査得点(持ち点からの減点方式)、計時審査(タイム)得点、総合審査得点の合計で順位が決まる。審査では士気・規律、動作の迅速さ・確実さ、チームワーク、安全性などが見られる。
 
 釜石市からの同競技会出場は2018年以来8年ぶり。ポンプ車の第7分団第1部(栗林町)、小型ポンプの第5分団第4部(甲子町一の渡)ともに競技順1番での出場となり、緊張もあったが、駆け付けた仲間や地域住民の声援を受けながら全力で競技に挑んだ。
 
ポンプ車の部に釜石市から出場した第7分団第1部。5月から訓練を重ねてきた

ポンプ車の部に釜石市から出場した第7分団第1部。5月から訓練を重ねてきた

 
釜石の7分団1部は2人が競技会初出場。先輩団員の指導を受け機器操作技術や規律を高めてきた

釜石の7分団1部は2人が競技会初出場。先輩団員の指導を受け機器操作技術や規律を高めてきた

 
小型ポンプの部に出場した釜石市の第5分団第4部はトップバッターで競技

小型ポンプの部に出場した釜石市の第5分団第4部はトップバッターで競技

 
釜石の5分団4部は新人1人を含むチーム編成。仲間の応援を受け全力を尽くす

釜石の5分団4部は新人1人を含むチーム編成。仲間の応援を受け全力を尽くす

 
 大会の結果、ポンプ車の部は遠野市の第9分団第2部、小型ポンプの部は遠野市の第10分団第5部が優勝。同支部代表として県大会に出場することになった。小型ポンプ優勝の10分団5部は前回大会に続き2連覇。指揮者の佐藤永治班長(41)は「5月下旬からほぼ毎日練習してきた。体に染み付いていて、それがしっかり発揮できたと思う」と成果を確信。前回の県大会では3位に入っており、「細かい規律の部分などをさらに強化し、目標としてきた県大会優勝を成し遂げたい。メンバーは全員経験者。後はどれだけ自分に自信を持ってやれるか。迷いがあるとその分遅くなるので」とさらなる高みを目指す構え。
 
ポンプ車の部で優勝した遠野市の第9分団第2部。表彰を受け笑顔を見せる

ポンプ車の部で優勝した遠野市の第9分団第2部。表彰を受け笑顔を見せる

 
小型ポンプの部で優勝した遠野市の第10分団第5部の競技。他チームを引き離す高得点をマークした

小型ポンプの部で優勝した遠野市の第10分団第5部の競技。他チームを引き離す高得点をマークした

 
前回大会に次ぐ優勝を果たし、県大会出場を決めた遠野の10分団5部。県大会でもトップを狙う

前回大会に次ぐ優勝を果たし、県大会出場を決めた遠野の10分団5部。県大会でもトップを狙う

 
 また、今大会から「優秀選手賞」が設けられ、ポンプ車は指揮者と1~4番員、小型ポンプは指揮者と1~3番員それぞれの成績優秀者が表彰された。釜石市からは7分団1部の2人が受賞した。1番員で出場した小笠原雄光さん(31)は「8年ぶりということで体が追いつくか」と心配もあったが、「任命されたからにはやるしかない」と動画で復習を開始。1カ月半余りの訓練で感覚を取り戻しつつ、さらなる技術向上に取り組んできた。個人賞受賞に「まさか自分がとれるとは」と驚きと感謝を口にし、「これを励みに日頃の団活動に一層精進していきたい。操法をはじめ消防団の魅力をアピールしながら、減少傾向にある団員を増やすことも意識してやっていきたい」と今後の活動を見据えた。
 
「優秀選手賞」を受賞した釜石市の第7分団第1部、1番員の小笠原雄光さん(右)と4番員の三浦仁班長(左)

「優秀選手賞」を受賞した釜石市の第7分団第1部、1番員の小笠原雄光さん(右)と4番員の三浦仁班長(左)

 
チームとしては3位ながら、努力の跡を見せた釜石の7分団1部メンバー。充実感をにじませる

チームとしては3位ながら、努力の跡を見せた釜石の7分団1部メンバー。充実感をにじませる

 
 もう一人の受賞は4番員の三浦仁班長(51)。競技会出場は3回目で、「先輩方の教えを忠実に守り実践したことで、いい結果につながったと思う」と指導してくれた先輩団員に感謝。これまでの努力が報われたことにも喜びを表した。今回は新人2人を迎えての競技。「部全体のレベルアップの機会になった。今後起こりうる災害にも団員の力を結集して対応していきたい」と気を引き締めた。
 
 今回の競技会ではもう一つ、初の試みがあった。開会式や表彰式で指揮者の号令とともに吹鳴するラッパ隊はこれまで開催地の隊が担ってきたが、今回初めて3市町の隊員が合同で演奏。総勢21人が団員の士気高揚に一役買った。
 
3市町のラッパ隊が合同吹鳴するのは初の試み。21人が心を一つに高らかな音を響かせた

3市町のラッパ隊が合同吹鳴するのは初の試み。21人が心を一つに高らかな音を響かせた

 
 大槌町消防団は4月に発生した大規模山林火災の影響で競技の出場は断念したが、「セレモニーを一緒に盛り上げたい」とラッパ隊員8人が合同吹鳴に参加。小笠原純一隊長(54)は「人数が増えると音色に幅やボリュームが出て一味違う」と初の機会を喜んだ。競技中は出場チームの頑張りを見守った。
 
大槌町消防団のラッパ隊メンバーも参加。団の誇りを音色に乗せて…(写真上)

大槌町消防団のラッパ隊メンバーも参加。団の誇りを音色に乗せて…(写真上)

 
 ポンプ車で出場の釜石市の7分団1部は同山林火災発生当日、6分団とともに吉里吉里の現場に駆け付け、夜通しの消火活動で民家への延焼を食い止めた。小笠原隊長は消火協力への感謝の気持ちも込めて応援。「操法訓練で身に付けた基礎的技術があってこそ、火災現場で事故なく迅速に対応できる」とその意義を強調し、2年後の大槌町開催の競技会には「ぜひ、当団からも出場チームを出せれば」と願った。

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釜石PIT 2026年7月のスケジュール

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フェリアス釜石

釜石まちづくり株式会社

釜石まちづくり株式会社(愛称 フェリアス釜石)による投稿記事です。

問い合わせ:0193-22-3607
〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 公式サイト