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釜石の2026年、本格始動 仕事始めで各業界トップ「変化に対応、発展を」

2026年の仕事始め。釜石市魚市場に漁船が入港し活気づいた

2026年の仕事始め。釜石市魚市場に漁船が入港し活気づいた

 
 2026年の仕事始めとなった5日、釜石市内では各業界のトップが年頭のあいさつを行った。市役所(同市只越町)では小野共市長が「地域力を生かした発展のストーリーをつくっていこう」と訓示。一方、早朝の市魚市場(魚河岸)の初売り式で市漁業協同組合連合会の木村嘉人会長は急変する海洋環境に対応しながら「水揚げ増強を進める」と飛躍を誓った。
 

市役所で仕事始め式

 
釜石市の仕事始め式で幹部職員を前に訓示する小野共市長

釜石市の仕事始め式で幹部職員を前に訓示する小野共市長

 
 市の仕事始め式は市役所議場で行われ、幹部職員ら約40人が参加。小野市長は、市政のかじ取り役として2年目となった昨年を「地域力、つまり地域が持つ本来の力が表に見えてきた1年だった」と振り返った。憩いの場の環境整備やにぎわい創出のイベント企画など市内各業界の事業者らが力を結集し、自発的に取り組んだことを挙げ、「まちを良くしたい、盛り上げたいという市民一人一人の気概、力をどう引き出すかが、行政の手腕となる」と指摘した。
 
 4月には市政運営の指針となる第6次市総合計画の後期基本計画(5カ年)がスタートする。「釜石発展のストーリー」と強調し、▽交流人口の拡大▽地域力の活用▽人材育成―という3本の柱を絡ませた取り組みを進める考えを示した。まち発展のきっかけとなった製鉄、水産業の歴史を踏まえ、「釜石は外からの力を発展の力に変えてきた。外部の人を受け入れるフレンドリー性が釜石人の基礎でもある」と見解を説いた。
 
訓示に耳を傾け、気を引き締める幹部職員ら

訓示に耳を傾け、気を引き締める幹部職員ら

 
 課題は人口減。近年、年間800人以上のペースで減っているというが、「その一面だけを見るのではなく、住まう人たちが誇りと自信、満足感を持って生きていけるまちになればいい」とした。その上で、行政マンとして「釜石の良いところ、面白い取り組み、人材を生かすことをまち発展の基礎にすべく、全力でまい進してほしい」と奮起を促した。
 

市魚市場で初売り式

 
2026年の初漁日。漁船から陸上へ次々と水揚げする漁業者

2026年の初漁日。漁船から陸上へ次々と水揚げする漁業者

 
 市魚市場では午前6時半頃から定置網漁船や陸送で魚が運び込まれ、活気づいた。スルメイカを中心に約5トンを水揚げ。初競りに臨んだ買い受け人は魚を熱心に見定め、次々と取引を進めた。
 
水揚げされた魚を見定め、競りに臨む買い受け人ら

水揚げされた魚を見定め、競りに臨む買い受け人ら

 
 5日の水揚げは、マイワシが豊漁だった25年初日と比較すると、約90トン減った。「厳しい状況が続いている」と硬い表情だったのは、新浜町の水産加工会社「平庄」(平野隆司代表取締役)の菊池幸一本部長(59)。「買い受け人、漁師もだが魚が来ないと商売にならない」とため息交じりに話した。この日は、カレイ類やアイナメなど200キロを仕入れ、切り身や刺し身にして市内スーパーの店頭へ。「扱ったことのない魚種も受け入れたり柔軟に対応して、あがったものでやるしかない」と苦労をにじませた。
 
釜石市魚市場の初売り式で鏡開きをする関係者

釜石市魚市場の初売り式で鏡開きをする関係者

 
 初売り式も行い、漁業関係者らが鏡開きや手締めで一年の活況を願った。あいさつに立った木村会長によると、市魚市場の25年4~12月の水揚げ量は4892トン(24年同期比22%減)、金額は19億4400万円(同19%増)。サンマ棒受け網漁業は好調を維持し、釜石湾で展開するサクラマス、ギンザケの海面養殖事業も増産体制となり「地元漁業者の力で水揚げの増強が図られる」との明るい兆しが見られた。
 
関係者は手締めで1年間の豊漁や安全航海を祈願した

関係者は手締めで1年間の豊漁や安全航海を祈願した

 
 一方、主力の定置網漁業では数量、金額ともに落ち込んでいるという。気候変動による海洋環境の変化が水揚げされる魚種や時期に影響し、水産業を取り巻く状況は不透明感を増す。木村会長は「秋サケの不漁は続くと思われ、海面養殖の増産、増強へシフトしていくだろう。サンマ船の積極的な誘致活動にも取り組み、地域経済の発展に貢献していく」と前を向いた。

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みんなで歩ける喜び感じながら… 新年恒例 釜石「初詣ウオーク」 “健歩”で1年スタート

新年初歩きを楽しむ市内外のウオーキング愛好者ら=2日、初詣ウオーク

新年初歩きを楽しむ市内外のウオーキング愛好者ら=2日、初詣ウオーク

 
 釜石市ウオーキング協会(遠野健一会長、会員46人)の歩き初め、「初詣ウオーク」は正月2日に行われた。市内の神社や寺を詣でながら歩く新年恒例の行事で、21回目の開催。同協会のほか、大船渡市と遠野市の各団体から計20人が参加した。中妻町から浜町まで約10キロの道のりを歩いた参加者は、心地よい疲れとともに笑顔を広げ、「今年もみんなで元気に歩こう!」と誓い合った。
 
 スタート地点は中妻町の昭和園クラブハウス駐車場。開会式で遠野会長は「仲間と歩くことは健康にも効果がある。今年も、より楽しいウオーキング活動を目指していきたい。今日は歩けることに感謝しながら、1年を無事に過ごせるように神社、仏閣で祈願していこう」と呼びかけた。軽いストレッチで体をほぐした後、最初の詣で地、八雲神社(八雲町)に向けて出発した。
 
八雲神社には西側の山道から上って参拝。霜柱が立つ地面を踏みしめ一歩一歩前へ…

八雲神社には西側の山道から上って参拝。霜柱が立つ地面を踏みしめ一歩一歩前へ…

 
鳥居の下の「茅の輪」くぐりも体験。厄を払い、無病息災を祈願

鳥居の下の「茅の輪」くぐりも体験。厄を払い、無病息災を祈願

 
 この日の市内は晴れて気持ちのいい青空が広がったものの、風が強めに吹き、底冷えの一日に…。日陰の土の地面には霜柱が立ち、真冬らしい寒さとなった。それでも、高台にある寺社への坂道や石階段を上り下りするうちに体は温まってきた。参加者は2カ所目の八幡神社(大渡町)でお参りした後、市保健福祉センターに立ち寄りトイレ休憩。水分補給などもして、後半のコースに向かった。
 
駒木町の甲子川河川敷遊歩道を進む。対岸ではシカ2頭がごあいさつ(写真左下)

駒木町の甲子川河川敷遊歩道を進む。対岸ではシカ2頭がごあいさつ(写真左下)

 
大渡町の八幡神社に到着。急な石階段は手すりにつかまって慎重に上る

大渡町の八幡神社に到着。急な石階段は手すりにつかまって慎重に上る

 
薬師山観音寺入り口の樹木にはクマのものとみられる爪痕も。まだまだ注意が必要

薬師山観音寺入り口の樹木にはクマのものとみられる爪痕も。まだまだ注意が必要

 
 同センターに隣接する薬師山観音寺(大町)で参拝後は、中心市街地の県道を進んだ。商店やホテルの門松、正月飾りで新年の始まりを実感しながらウオーキング。道行く人ともあいさつを交わしながら歩き、ゴールとなる尾崎神社(浜町)を目指した。午前9時半前に出発した参加者らは、正午前には同神社に到着。最後の参拝を無事終えた。
 
 釜石協会の大沢寿礼さん(72)は「風は冷たいがピリッとしていいね。新年の初歩きはやはり気持ちが引き締まる」とすがすがしい表情。協会に入って5年ほどになるが、今は月1回発行する「ウオーキングだより」の編集を担当。「手間はかかるが、みんなが楽しみに読んでくれるのがうれしい」と話す。今年は「まだ行ったことがない県外への遠征ウオークにも参加したい。昨年は厄年だったので、今年は“ウマ”くいくように」と願った。
 
 釜石の初詣ウオークは初めてという遠野協会の鈴木幸枝さん(59)は「今年1年、元気で過ごせるようにと拝んで歩いた」。3年ほど前から健康づくりのために始めたウオーキング。「歩くのが苦じゃなくなり、外に出たいという気持ちになった」と心身の変化を実感する。今は他市町の協会が主催する行事にも参加し、「知らない所に行って歩くのが、ちょっとした旅行気分で楽しい。知り合いも増えた」と喜ぶ。2026年に望むのは「体も心も健康に、穏やかに…」。
 
今年3月で東日本大震災から15年―。中心市街地には複数の復興住宅が建ち並ぶ

今年3月で東日本大震災から15年―。中心市街地には複数の復興住宅が建ち並ぶ

 
釜石港を臨む浜町に到着。ゴールの尾崎神社まであと少し。初詣に向かう車列も続く(左)

釜石港を臨む浜町に到着。ゴールの尾崎神社まであと少し。初詣に向かう車列も続く(左)

 
無事に完歩! 感謝の気持ちを込め、尾崎神社で最後の参拝

無事に完歩! 感謝の気持ちを込め、尾崎神社で最後の参拝

 
 昨年は全国的にクマの出没が相次ぎ、これまで気軽にできたウオーキングも「1人では怖い」「コースや時間帯も見直さざるを得ない」状況に陥った。前述の鈴木さんも「クマが怖いので、ジムで運動するようにしていた」と話す。危険回避の観点からも、大人数で歩く協会行事は運動機会確保の一助にもなるものと思われる。
 
 釜石協会は今年も、市内や周辺市町での月2回の例会ウオーキングのほか、県内外のイベントにも参加予定。各地の自然や歴史、文化に触れながら歩き、仲間との交流も深める。会員以外の参加も大歓迎。次回は1月17日、市内平田地区を散策する。10キロのほか5キロでも参加可能。希望者は午前9時に上平田ニュータウン集会所に集合とのこと。一般の参加料は300円。

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2026年幕開け 「何事もウマ(午)くいくように…」それぞれに願い込め、新たな年へ踏み出す一歩

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 2026年、「午(うま)年」の令和8年が始まった。釜石市内は元日早朝から雪が降り出し、冬本番の気候の中、新たな年を迎えた。正月三が日も気温が低い状態が続いたが、晴れの天気に恵まれ、各地の神社や寺は多くの初詣客でにぎわった。充実の1年へ希望を抱く一方で、昨年相次いだ津波警報やクマによる人的被害など、平穏な日常を脅かす事態への不安は尽きない。東日本大震災から15年となる本年―。改めて災害への備えの強化、継続的な危機意識が必要となりそうだ。
 

年越しは冷え込み緩む中で 釜石総鎮守・八雲神社 地元の家族連れらが続々と参拝

 
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 年越しの時間帯を前にした、おおみそか午後11時27分ごろ、岩手県沖を震源とする地震があり、盛岡市で最大震度4、釜石市では震度3を観測。一時、緊張が走ったが、津波の心配はないとのことで、釜石市内の神社や寺には例年通り、新年初のお参りをしようという人たちが足を運んだ。
 
 八雲町の高台に位置する八雲神社(成瀬幸司宮司)には、日付が変わる午前0時を前に参拝客が集まり始め、境内に列を作った。新年を告げる太鼓が打ち鳴らされると、順にさい銭をあげて参拝。昨年の加護に感謝し、新しい年の無事、多幸を願って手を合わせた。本殿では成瀬宮司が「歳旦祭」の祭儀を行い、今年1年の地域の平穏、繁栄を祈願。地元の家族連れらの家内安全、商売繁盛などの祈祷も行った。境内では同神社氏子神和会のメンバーが甘酒を振る舞った。
 
新しい年への願いを込め、神前に手を合わせる参拝客=八雲神社、元日午前0時すぎ

新しい年への願いを込め、神前に手を合わせる参拝客=八雲神社、元日午前0時すぎ

 
境内では氏子神和会のメンバーが参拝客に甘酒をお振る舞い

境内では氏子神和会のメンバーが参拝客に甘酒をお振る舞い

 
 中妻町の友人宅でおおみそかを過ごし、友人家族と連れ立って参拝に訪れた平田の藤原光輝さん(26)は昨年を振り返り、「子どもたちは自我が芽生えて、自分で行動に起こすことが多くなった」と、愛息(4歳、3歳)の著しい成長を実感。今年は「まだやったことがないこととか、いろいろな経験をさせてあげたい」と親心をのぞかせた。自身は社会人野球の選手でもあり、「子どもたちも野球に興味を持ってくれれば」と期待した。
 
 同神社のお膝元、中妻町に暮らす榊原修さん(66)は帰省した娘らと家族4人で初詣。「昨年は病気をしたので、今年は健康第一で」と無病息災を祈願した。毎年、年越しの時間帯に同神社を訪れるが、「参拝客もだいぶ少なくなったね」としみじみ。同地域は人口減や高齢化が顕著だといい、「空き家も多い。若者も高校を卒業して市外に出るとなかなか戻ってこないしね」と寂しさをにじませた。
 
ちょうちんがともされた神社の参道(右)。複数の石段を上った先に社殿がある

ちょうちんがともされた神社の参道(右)。複数の石段を上った先に社殿がある

 
新しい年を迎え、1年の無事を祈るご祈祷(きとう)を受ける家族連れら

新しい年を迎え、1年の無事を祈るご祈祷(きとう)を受ける家族連れら

 
 八雲神社は鎌倉時代の1193(建久4)年の創建。釜石総鎮守として800年以上の歴史を誇り、江戸時代に盛岡藩主となった南部家から与えられた御紋(向かい鶴)が今に受け継がれる。春の例祭(例祭日:4月17、18日)では、みこし渡御が行われてきたが、コロナ禍以降、祭典関係者の高齢化などもあり、行列は見送られている。
 
 新年の恒例行事としては、氏子神和会による元旦のみそぎ(水ごり)や大寒の裸参りもあったが、こちらも担い手不足などで休止中。同会の釜道浩さん(67)は「人材や資金不足などで神社関連の行事は以前のような形が難しい状況が続いている。新たに移り住んだ住民を含めたコミュニティーの再構築が課題。いつかまた“春”が訪れるよう期待したい」と話した。
 

雪降る中、初日の出に願い込め 湾内にのびる“光の道”に見物客から感嘆の声

 
雪模様となった元日早朝。両石港で初日の出を待つ人たち=午前7時前

雪模様となった元日早朝。両石港で初日の出を待つ人たち=午前7時前

 
 深夜から早朝にかけて急激に冷え込んだ釜石市内。日の出前は雪が降り続き、路面を白く染めるほどだったが、夜が明けるにつれ、水平線上では雲の隙間から赤みを帯びた空色が見え始めた。釜石市の日の出時刻は午前6時52分。市内でも数少ない海面から昇る朝日を拝める両石港では、国道沿いの空き地などに車を止め、日の出を待つ人の姿が多く見られた。
 
 今年も水平線上には雲がかかり、海面から直接顔を出す姿は拝めなかったが、時間の経過とともに雲の上からまばゆい光が湾内に差し込んだ。漁港の堤防、震災後かさ上げされた国道の路肩、さらに高い住宅地の一角と、思い思いの場所で御来光を拝み、その美しい光景を映像や写真に収めた。
 
雲の切れ間から太陽が顔を出し、まばゆい光が湾内に差し込む

雲の切れ間から太陽が顔を出し、まばゆい光が湾内に差し込む

 
美しい光景に笑顔を広げる見物客(左)。雲のかかり具合でさまざまな表情を見せる日の出風景(右)

美しい光景に笑顔を広げる見物客(左)。雲のかかり具合でさまざまな表情を見せる日の出風景(右)

 
 埼玉県から鵜住居町の実家に帰省した古川隆功さん(39)、慶雲さん(11)親子は、防潮堤の階段の踊り場で「きれいだねー。見られて良かったね」と笑顔を広げた。正月の帰省は3年ぶり。慶雲さんは小学校生活最後となる今年、「パソコンのタイピングを頑張りたい。勉強と空手を両立させ、空手の一段を取りたい」と目標を掲げた。実家は東日本大震災の津波で被災。現在は前の場所より内陸部に再建した自宅で両親が暮らす。隆功さんは「最近また地震が多いので心配。自分たち家族も2年前から、飲料水や非常食などの防災グッズを備えている。大きな災害のない1年になれば」と願い、「これから初詣して親戚とかにあいさつに行きたい」と久しぶりの再会を楽しみにした。
 

沿岸有数の初詣スポット 釜石大観音 市内外からの初詣客で三が日にぎわう

 
観音像の入り口で新年初のお参りをする人たち=元日午前、釜石大観音

観音像の入り口で新年初のお参りをする人たち=元日午前、釜石大観音

 
 大平町の釜石大観音は例年通り、おおみそか午後10時に開館。年越しの午前0時前後、初日の出時刻の午前7時前後、元日日中は午前10時から午後2時ごろにかけて参拝客がピークを迎えた。朝方の雪の影響はほとんどなく、日の出の時間帯は午前6時ごろから客が一気に増え始め、市営プール前の臨時駐車場まで車両で埋まった。正月三が日の参拝者数は計約7800人。
 
 県内各地のほか、県外から帰省した人たちが地元の家族と一緒に参拝に訪れる姿が多く、中には市内で働く外国人のグループも。幅広い年代が足を運び、それぞれの願いを胸に観音様に手を合わせた。参拝を終えると、おみくじを引いたり、縁起物の熊手や破魔矢、各種お守り、お札を買い求める人たちで境内はにぎわいを見せた。各所で記念写真を撮る人たちも多く、新しい年への期待感を高めた。
 
高さ48.5メートルの大観音。胸元には釜石湾を一望できる展望台がある(右)。浄土橋から観音像を見上げる家族連れ(左)

高さ48.5メートルの大観音。胸元には釜石湾を一望できる展望台がある(右)。浄土橋から観音像を見上げる家族連れ(左)

 
「良き年に…」。拝礼し祈りをささげる参拝客

「良き年に…」。拝礼し祈りをささげる参拝客

 
釜石大観音は2016年に「恋人の聖地」に選ばれた。ハート型のモニュメントは人気の記念撮影スポット

釜石大観音は2016年に「恋人の聖地」に選ばれた。ハート型のモニュメントは人気の記念撮影スポット

 
 大船渡市の嶋鈴子さん(71)は娘や孫ら6人で参拝。昨年は同市で大規模山林火災が発生。クマの出没も多く、心落ち着かない日々が続いた。「(火災で)浜関係の人たちは水揚げが減るなど大変な思いをしている。今年は被災した人たちの暮らしが少しでも良くなればいい」と心を寄せる。自身は今年「年女」。えとの“うま”にかけ、「あちこち飛び回って元気に過ごせれば。旅行にも行きたい」と笑った。孫の金野幸歩さん(21)は仙台市から帰省した。「ばあばのおいしいご飯が食べられるのと、なかなか会えない親戚と話をするのが楽しい」と正月休みを満喫。昨年、保育士となり、今年は社会人2年目に入る。「まずは病気にかからないように…。仕事では自分のやりたいことに挑戦できれば。子ども心を忘れず、寄り添える保育士になりたい」と理想を描いた。
 
 東京都から宮古市の実家に帰省した会社員の男性(19)は、家族と大観音に初詣。おみくじで「大吉」を引き当て、幸先の良い新年のスタートを切った。社会人1年目の昨年は、施工管理技士などの資格を取得し、公私ともに充実。「今年も右肩上がりで生活できれば」と順風満帆な1年に期待する。20歳を迎える年でもあることから、「今までお世話になった人たちに恩返しができれば。感謝を伝えたい」と思いを込めた。
 
おみくじ、お守りなどの販売コーナー、キッチンカーの出店で境内は終日、にぎわいを見せた

おみくじ、お守りなどの販売コーナー、キッチンカーの出店で境内は終日、にぎわいを見せた

 
 境内にはキッチンカーなど飲食の5店が出店した。厳しい寒さの中、温かいコーヒー販売で人気を集めたのは、釜石ではおなじみの移動販売車「HAPPIECE COFFEE(ハピスコーヒー)」。店主の岩鼻伸介さん(48)は今年3月、釜石大観音仲見世通りの空き物件を利用し固定店舗を開く予定で、現在、店内の改装など開店準備を進めている。新店舗は、2024年に発生した能登半島地震の被災地に通い続ける岩鼻さんが継続支援のために構想。能登と釜石をオンラインでつなぎ、コーヒーの入れ方をレクチャーしたり、両地域の住民が交流できるような場として整備する。
 
釜石大観音仲見世通りに新店舗を構える予定のハピスコーヒー店主、岩鼻伸介さん(右)

釜石大観音仲見世通りに新店舗を構える予定のハピスコーヒー店主、岩鼻伸介さん(右)

 
 「能登と釜石の架け橋になる…」。発災から2年となった元日、新たな挑戦に意欲をみなぎらせた岩鼻さん。「コーヒー好きの方に楽しんでもらえるような“とがった”店にしたい。ワクワクしながら待っていてください!」。釜石発のフェアトレードコーヒー専門店に期待が高まる。

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広報かまいし2026年1月1日号(No.1871)

広報かまいし2026年1月1日号(No.1871)
 

広報かまいし2026年1月1日号(No.1871)

広報かまいし2026年1月1日号(No.1871)

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【P1】
市長年頭あいさつ

【P2-3】
市政懇談会
釜石市消防出初式に伴う交通規制 他

【P4-5】
新しい民生委員・児童委員を紹介します

【P6-7】
JR釜石線新型車両(HB-E220系)出発式
まちのお知らせ 他

【P8】
かまいし冬あそび

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 オープンシティ・プロモーション室
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8463 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2025122200075/
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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釜石SW ホーム初戦の初勝利に歓喜 日野に36-14 激しいディフェンスで失点防ぐ

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

今季ホーム初戦で日野レッドドルフィンズに勝利し、笑顔を輝かせる日本製鉄釜石SWの選手、スタッフら=21日

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は21日、今季2戦目を釜石鵜住居復興スタジアムで戦い、日野レッドドルフィンズ(昨季2部5位)に36-14(前半19-0)で快勝した。5季目を迎えるリーグワンで、釜石SWがホーム初戦を勝利で飾るのは初めて。今季就任したトウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)も「結果には大変満足している」と喜びを表し、選手らの“仕事ぶり”をたたえた。2試合を終え1勝1敗、勝ち点5で現在4位。次節は27日、福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわきで、九州電力キューデンヴォルテクス(昨季2部6位)と対戦する。
 
 気温22度超えの異例の暖かさの中で始まった試合。序盤からテンポのいい攻撃を見せる釜石は前半6分、ハーフウェイライン付近でボールを受けたフランカー、アンガス・フレッチャーが絶妙なステップとハンドオフで相手をかわし中央に独走トライ。SOミッチェル・ハントがきっちりゴールを決め先制した(7-0)。その後、スクラムで反則を取られるなどし、自陣での防御の時間が続いたが、攻撃の好機は逃さなかった。22分、敵陣22メートルライン内でのラインアウトから右に展開。フレッチャーの背面パスがバウンドし、後方でフォローしていたナンバー8サム・ヘンウッドに渡ると、勢いそのままにトライに持ち込んだ(ゴール成功、14-0)。
 
前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

前半6分、センターを破って独走し先制トライを決めたフランカー、アンガス・フレッチャー

 
この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

この日も正確なゴールキックでチームに貢献したSOミッチェル・ハント

 
 この日の釜石はターンオーバーも光った。前半30分すぎ、釜石のキックボールをキャッチした日野の選手をWTB小野航大が背後から倒し、ヘンウッドがボールを奪取。SH南篤志から3人がつないだパスを受けたフルバック落和史は、右サイドのディフェンスの隙を狙いキックパスでボールを転がし、最後はWTB阿部竜二が拾って余裕のトライ。ハントのキックは惜しくもゴールポストに跳ね返されるが19-0。前半終了間際に自陣深く攻め込まれる場面もあったが、耐えて守り切った。
 
前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

前半36分、フルバック落和史(後)が蹴ったボールをWTB阿部竜二(前)が追いかけて拾い上げ、トライにつなげた

 
前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

前半、自陣に攻め込まれながらも気迫のディフェンスで抑え、ゴールを守った釜石SW

 
 後半は日野が最初のトライを決めた。釜石は相手ディフェンスラインが整う前にボールを出し、一気に展開する形を継続。18分には相手の反則からPGを選択し22-7。直後の19分には、ハーフウェイライン付近でCTBヘルダス・ファンデルヴォルトがインターセプト。そのまま、右サイドを突破し、チーム4本目のトライを決めた(ゴール成功、29-7)。後半もスクラムで苦戦する場面が多々あったものの、33分には敵陣5メートルラインでのラインアウトからモールを形成しインゴールへ。後半途中出場のフランカー髙橋泰地がねじ込み、ハントは難しい角度のゴールキックを決めて観客を沸かせた。試合終了間際に1トライを返されたが、36-14で待望のホーム勝利を成し遂げた。
 
後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

後半途中出場のフランカー髙橋泰地(写真右下)がモールの中でチーム5本目のトライを決めた(後半33分)

 
最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

最も活躍した選手に贈られる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」は釜石SWのフルバック落和史選手が受賞

 
 プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、前半のトライアシストのキックや前半終了間際の相手の攻撃を抑えたタックルなど、攻守の活躍が光った釜石のフルバック落和史選手に贈られた。
 
 試合後の会見。ケフHCは「セットプレーが良く、いいゲインラインを切れたことで、勢いが生まれていった。この一勝は自信につながる」とチームの今後に期待。課題は「ラインアウトとスクラム」とし、さらなる修正を誓った。フランカー河野良太主将はスクラムの反則を取られるなどうまくいかない場面にも、「常に次の仕事をしようと声がけしていた。ミスを引きずらず、全員が切り替えてプレーできたところが連続失点を防げた要因」と勝利のポイントを明かした。主将としての初白星に「チームを勝利に導くことができ、ほっとしている」と表情を緩める場面も。27日の第3節に向け、ミスや反則が起こった原因を究明し、「次も勝てるように準備したい」と気を引き締めた。
 
チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

チームを率いる河野良太主将。今季リーグ戦初勝利を仲間とともに喜び合った

 

国内通算キャリア50キャップ達成 チームの要 ナンバー8サム・ヘンウッド選手

 
国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

国内通算50キャップを達成した釜石SWのサム・ヘンウッド選手。坂下功正総監督(右)から記念の盾が贈呈された

 
 試合後のピッチで駆け寄った2歳の愛娘を抱き上げ、満面の笑みを広げた釜石SWのナンバー8サム・ヘンウッド選手(34)。この日の試合で、国内キャリア通算50キャップを達成し、自身のラグビー人生の節目を本拠地釜石での勝利で飾った。
 
 ニュージーランド出身で在日6年目。スーパーラグビーを経て、2019-20シーズンにNECグリーンロケッツ(当時トップリーグ)に入団し、20年1月の宗像サニックス戦が初出場。同年7月、釜石SWに移籍した。ボールキャリーとフィジカリティを武器に、昨季はディフェンス突破で2部トップ5に入る活躍を見せた。今季も開幕2試合連続でスタメン出場し、強力な突破力でチームをけん引。この日もパワーあふれるプレーで観客を沸かせた。
 
の日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

この日も活躍が光ったサム・ヘンウッド選手。前半22分のトライ

 
 「50キャップの記念すべき日に勝てたのはうれしいこと」とヘンウッド選手。チームとしてフォーカスしてきたディフェンスがうまく機能した要因として「自分たちの力を信じる、フィジカルに行こうというマインドセットのスイッチオンが大半の選手でできていたからだと思う」と、相手に立ち向かう気持ちの強さを強調。「今日のようなディフェンスができれば次からの試合も勝てる。うちのアタックは絶対、得点できるようにできているので」と自信をのぞかせた。
 
釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

釜石SWホーム初戦には本県沿岸部の中学生以下の子どもたち先着100人を無料招待した

 
釜石高の生徒有志でつくる「夢団」メンバーは、今季もSWの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムで東日本大震災の語り部活動を展開

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会場には本県沿岸市町村のご当地キャラクターが大集合。ハーフタイムには市内の園児らとラグビー体操を踊った

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海×鉄は…“釜石っぽい”脱炭素社会の実現!? 製鉄会社と漁協タッグ、藻場再生へ

脱炭素、藻場再生の取り組みに活用される鉄鋼スラグ製品

脱炭素、藻場再生の取り組みに活用される鉄鋼スラグ製品

 
 環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている釜石市では、再生可能エネルギーの導入や脱炭素をテーマにした企業研修受け入れなど、産学官29の共同提案者による各種事業が展開されている。その中で、「釜石ならでは」として挙げられる事業の一つが「鉄鋼スラグ」を使った「藻場再生」。地域資源を活用し、水産資源を守ろうとする取り組みだ。日本製鉄(東京)が釜石東部、唐丹町の両漁業協同組合と連携し、昨年から挑戦を継続。11月14日に市や同社担当者らによる事業の説明があった。
 
 釜石市新浜町の岸壁の一角。鋼製のかごの中に石などが詰め込まれた2つの物体が並んでいた。重さは1つ約9.5トン。鉄鋼スラグと腐植土を配合し人工的に鉄分を供給する施肥材「ビバリーユニット」と、スラグの微粉末などを練り混ぜたもので藻類など生物が着生する基質材となる「ビバリーロック」がぎっしり入っている。
 
鉄鋼スラグが含まれた石がぎっしり。袋に入った施肥材が下部に敷き詰められている

鉄鋼スラグが含まれた石がぎっしり。袋に入った施肥材が下部に敷き詰められている

 
 藻場再生に役立てようと、同社が開発した鉄鋼スラグ製品だ。昨年、両漁協の意向を聞きながらそれぞれの藻場再生希望地に計約50トンを設置。同社によると、その一部で海藻の再生を確認しているという。
 
釜石海域の様子。日本製鉄では一部で海藻の再生を確認する

釜石海域の様子。日本製鉄では一部で海藻の再生を確認する

 
 海と鉄?…近年、漁業関係者を悩ませる磯焼けの原因の一つとされるのが、鉄をはじめとする栄養分の不足。そこで同社は海藻類の鉄分不足解消に向け、鉄鋼スラグを混ぜた施肥材を製品化した。自然にもどせる生分解性の袋に入れることで、スラグ中の鉄分が溶け出し海藻類の成長を促すという流れ。これまで森から川を通じて海へと届けられてきた鉄分を人工的に生成するもので、磯焼け地域に設置して藻場の再生につなげる「海の森づくり」として2004年から全国各地で展開する。
 
 20年以上続く取り組みが、今、鉄の町釜石で進む。鉄は鉄鉱石を主原料に、石炭や石灰石を加えて生産されるが、その過程で副産物として生成されるのが鉄鋼スラグ。鉄1トンあたり300キログラムほどの鉄鋼スラグが生成されるのだという。
 
 鉄鋼スラグは道路やダム、トンネルなどのコンクリート用骨材、護岸工事、軟弱地盤の改良などの用途で使用される。同社北日本製鉄所で生成されるスラグは東日本大震災の津波で破壊された釜石湾口防波堤などの復旧・復興工事や、がれき(災害廃棄物と津波堆積物)を再生資材に変える改質材として利用されたりした。そして今、海を育む事業へと活用の幅を広げている。
 
鉄鋼スラグ製品を説明する日本製鉄の小野本憲人さん

鉄鋼スラグ製品を説明する日本製鉄の小野本憲人さん

 
 同社スラグ事業・資源化推進部スラグ営業室の小野本憲人さんは「釜石は鉄づくりが始まった地。産業としてだけでなく、環境面でも地域に貢献できる取り組みだ」と意義を強調する。また、「鉄の会社と海はあまり関係がないように思えるかもしれないが…」と前置きしつつ、「海がないと仕事ができない。製品を輸送するため海を使うから」と加えた。
 
 今年度、釜石海域への設置は昨年度と同規模になる見込み。小野本さんは一定の効果を感じながらも、「波があったりする中で、『一年やったからすぐに』と結果がつながるものでもない。継続していくことが重要になる。漁業者のみなさんの声を聞きながら、われわれの持つ資材を生かす形で取り組み、製品をアップデートさせていきたい」と先を見据える。
 
唐丹漁港の様子。藻場再生の取り組みははるか沖合で進む

唐丹漁港の様子。藻場再生の取り組みははるか沖合で進む

 
 取り組みに協力する唐丹町漁協の柏直樹総務課長は「資源回復に期待」と見守る。ウニやアワビなどの魚介類が豊富に採れていた釜石海域では近年、「餌となる海藻が生えていない。魚介類を育む藻場が失われる状態の磯焼けが深刻だ」との認識。現在進められているのは試験的ものと考えており、「費用対効果がどれほどか」「スポット的でもいいのか」と手探りだが、「何か手立ては必要。続ける価値はあると思う」と表情を引き締めた。
 
 脱炭素先行地域の事業期間は29年度まで。鉄鋼スラグを使った藻場再生の取り組みでは、ブルーカーボンクレジット(海洋植物の二酸化炭素吸収量を数値化し取引する仕組み)の創出につなげるほか、ウニ食害対策モデルの可能性も探る。
 
 太陽光発電の導入拡大に向けた取り組みなども進行中。市企業立地港湾課ゼロカーボンシティ推進室の担当者は、市が掲げる50年度の「温室効果ガス排出量実質ゼロ(ゼロカーボンシティ)」の目標達成に向け「各種事業を着実に進めていきたい」とした。

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元プロ選手の指導に目キラキラ! 釜石で野球教室 4市町のスポ少団員レベルアップへ気合十分

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釜石リアスライオンズクラブなど5クラブが開いた野球教室=8日、平田公園野球場

 
 元プロ野球選手がスポ少団員を指導する野球教室が8日、釜石市の平田公園野球場で開かれた。釜石リアスライオンズクラブ(LC、大澤賢一会長、会員20人)が青少年健全育成事業として初めて企画。釜石、遠野、大槌、陸中山田4LCが共催した。講師として招かれたのは現役時代、読売ジャイアンツ(巨人)や横浜DeNAベイスターズに所属し、現在はジャイアンツアカデミーコーチを務める東野峻さん(39)と大田泰示さん(35)。4市町から6チーム計80人が参加し、憧れのプロ経験者からの指導を受けた。
 
講師として招かれたジャイアンツアカデミーコーチの東野峻さん(左)と大田泰示さん

講師として招かれたジャイアンツアカデミーコーチの東野峻さん(左)と大田泰示さん

 
 教室は午前と午後の2時間ずつ行われ、午後からは釜石野球団Jrとおおつちタイガース(大槌町)の計35人が参加した。教室は投球、捕球、打撃の3本立て。2人は各フォームの良い例と悪い例を示して、どれが正解かを団員らに問いかけながら、正しい姿勢を保つために意識すべきポイント、練習方法などを教えた。3球団で投手として活躍した東野さんは、肘のけがを防ぐためのボールの投げ方を指導。「トップの形をつくる時は肩の位置より肘が高くなるように。ボールは外側に向けて。肘が下がるとけがをしやすくなる」とし、意識しながらのキャッチボールを促した。
 
投球フォームを学び、実践してみる釜石野球団Jrの団員

投球フォームを学び、実践してみる釜石野球団Jrの団員

 
トップの形を意識しながらキャッチボールに励むおおつちタイガースの団員

トップの形を意識しながらキャッチボールに励むおおつちタイガースの団員

 
 大田さんはゴロの捕球について、「グローブは必ずボールの真正面に出して。送球に移る時はグローブの真下に右足を出してステップ」と教えた。団員らは捕って投げる一連の動作を繰り返し練習。大田さんと東野さんが足の開き具合や体の向き、ステップの良し悪しをチェックした。来季の巨人二軍打撃コーチ就任が発表されたばかりの大田さんはバッティングも指導。構え→テイクバック(力をためる予備動作)→トップと動作の流れを示し、弓矢をたとえに「手の位置が後ろにあるほうがいい。トップの形を大きく取って大きく振って」と呼びかけた。素振りの練習の一つとして、歩きながらスイングする方法を紹介。「1、2、3」の掛け声に合わせ、団員らが実践した。「練習から相手ピッチャーをしっかりイメージし、タイミングを取って振ることが大事」と大田さん。
 
大田さん(左)から捕球の仕方を学ぶ。基礎習得の重要性も伝えられた

大田さん(左)から捕球の仕方を学ぶ。基礎習得の重要性も伝えられた

 
大田さんと東野さんが見守る中、捕球の実践練習。コツをつかむと動作もスムーズに

大田さんと東野さんが見守る中、捕球の実践練習。コツをつかむと動作もスムーズに

 
スムーズな体重移動など打撃力向上に有効なトレーニング「ウオーキングスイング」に挑戦

スムーズな体重移動など打撃力向上に有効なトレーニング「ウオーキングスイング」に挑戦

 
 2人の特別講師の話に熱心に耳を傾けた団員ら。短時間の指導ながら、コツをつかんで改善につなげる子も多く、今後の成長への期待が高まる貴重な時間となった。釜石野球団Jrに所属する佐々木耀太さん(鵜住居小5年)は「分かりやすく教えてもらった。守備の基礎練習で、今までできていなかったところも改善できた」と満足げ。「歩きながら素振りをするとか、家でもできる練習を教わったのでやってみたい」と上達への意欲を見せ、「野球は長く続けたい」と願った。
 
 同団Jrコーチの阿部駿さん(32)も2人の教え方に感動。「子どもたちを引き付ける力がすごい。まとめるのもうまい」と、指導者目線でも多くの学びがあったよう。野球人口が減っている中でも「まずは楽しく。野球の楽しさを感じながら、どんどん打ち込んでいってほしい」と期待を寄せた。
 
「うまくなりたい」と熱心に練習する団員。元プロ選手からの学びは大きな糧に…

「うまくなりたい」と熱心に練習する団員。元プロ選手からの学びは大きな糧に…

 
 閉会式で、父母ら家族や一緒にプレーする仲間への感謝の気持ちを持つことの大切さを説いた2人。「プロ野球選手になりたい人!」との問いには複数の団員が手を挙げた。同地域からは30年ぐらいプロ野球選手が出ていない。東野さんは「震災があったことも忘れずに、誰よりも努力してプロ選手を目指してほしい」。大田さんは「プロ野球に憧れを持ってほしい。ドラフトにかかるような選手が1人でも多く輩出されることを願う」とし、野球選手の輩出がまち自体の活力を生むことも示した。
 
大田さんのバッティングを見学。その飛距離に驚きの声を上げた

大田さんのバッティングを見学。その飛距離に驚きの声を上げた

 
希望者は東野さんからトスされたボールを打ってみた

希望者は東野さんからトスされたボールを打ってみた

 
 釜石リアスLCの大澤会長(45)は紫波町出身。2001~17年度まで、母校の不来方高(当時)で野球部のコーチをしていた。その間、11年度から3年間、同部のマネジャーをしていたのが本年度、釜石市地域おこし協力隊に着任した佐々川有妃さん(日本製鉄釜石シーウェイブス広報担当)。2人の釜石での再会が今回の野球教室実現のきっかけとなった。LCの奉仕活動として「未来ある子どもたちに何かできれば」と考えていた大澤会長に、前職でDeNAの二軍場内アナウンスをしていた佐々川さんが東野さんを紹介し、同クラブ初の企画に至った。
 
 大澤会長は「子どもたちがキラキラした目で教わっていたのが印象的。指導者からも感謝の声をいただき、やって良かった」と肩の荷を下ろした。野球指導の経験者の立場から「野球を選んでくれた子たちが高校までやってくれるようなきっかけを作ってあげたい」とも話し、今後、教室の継続開催への道も探っていきたい考えだ。