釜石SW 開幕2連敗 ホーム初戦で東葛に17-59 規律修正し11日の江東戦へ


2025/01/09
釜石新聞NewS #スポーツ

リーグワン2部第2節で激しい戦いを繰り広げる釜石SW(赤)とGR東葛=釜石鵜住居復興スタジアム

リーグワン2部第2節で激しい戦いを繰り広げる釜石SW(赤)とGR東葛=釜石鵜住居復興スタジアム

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部、日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)の今季2戦目は昨年12月28日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。ホーム初戦の相手は昨季2部3位のNECグリーンロケッツ東葛。開幕戦を落とした両チームは勝利への闘志を燃やし、激しい攻防を見せた。釜石は強いフィジカルの東葛に圧力をかけ、いい形での攻撃も幾度となくあったが、反則から失点を招くなどし、17-59(前半17-31)で敗れた。次戦はあさって11日、3部から昇格した清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
会場には約1200人が訪れた。試合前、かまいしラグビー応援団はSW応援歌で選手を鼓舞

会場には約1200人が訪れた。試合前、かまいしラグビー応援団はSW応援歌で選手を鼓舞

 
 前半、先に2トライを奪われた釜石は19分、自陣10メートルライン付近でCTBヘルダス・ファンデルボルトが相手パスをインターセプト。そのままゴールまで走り切り、初トライを決めた。今季新加入のSOミッチェル・ハントは難しい角度からのゴールキックを決め、7-14。その後、連続トライを許すも、28分にはスクラムから出したボールをハントが的確な判断で絶妙な位置にショートパント。走り込んだCTBトンガ モセセがボールを確保し、後から追ってきたSH村上陽平にパス。スピードに乗ったまま、トライに持ち込んだ。ハントのゴールも決まり14-26。36分にはペナルティーゴールで追加点をあげ9点差に詰め寄ったが、前半終了間際の東葛のトライで再び離され、17-31で折り返した。
 
前半19分、相手パスをインターセプトしたCTBヘルダス・ファンデルボルトが独走し釜石初トライ

前半19分、相手パスをインターセプトしたCTBヘルダス・ファンデルボルトが独走し釜石初トライ

 
前半28分、ショートパントのボールをCTBトンガ モセセからSH村上陽平につなぎ2本目のトライ

前半28分、ショートパントのボールをCTBトンガ モセセからSH村上陽平につなぎ2本目のトライ

 
正確なキックでこの日、7得点を挙げたSOミッチェル・ハント

正確なキックでこの日、7得点を挙げたSOミッチェル・ハント

 
 後半、風下の釜石はキックによる陣地回復に苦戦。自陣で粘りのディフェンスが続いた。随所で相手に圧力をかけるタックルも見られたが、勢いに乗る東葛のペースを崩すことができなかった。後半残り10分を切り、釜石は相手ゴール前のスクラムやラインアウトから攻撃を繰り返すが、得点には至らず試合終了。後半4トライを追加した東葛に17-59で敗れた。
 
東葛の外国人選手のアタックを止める釜石

東葛の外国人選手のアタックを止める釜石

 
後半残り10分を切り、釜石は何度もゴール前に運ぶが、東葛のディフェンスに阻まれる

後半残り10分を切り、釜石は何度もゴール前に運ぶが、東葛のディフェンスに阻まれる

 
 前半は集中したディフェンス、テンポのいいアタックで一時、拮抗する展開もあったが、グラウンド中盤での反則から失点につながるなど反則の多さで課題を残した釜石。村上陽平主将は「相手のフィジカルに対し、全体的に引いてしまった、受けてしまった印象。そこでゲインラインを取られて、オフサイドなどラック周辺の不用意な反則が増えてしまった」と反省。「チームの規律をもう少し修正していかないと試合にならない」と意識徹底を課題に挙げた。
 
 開幕2戦を終え、須田康夫ヘッドコーチは「今年取り組んできた部分はいい形で出せている。修正点はコンタクトエリアの部分。自分たちの成長にフォーカスして、またしっかり準備し次戦に臨みたい」と話した。第3節の次戦は11日午後2時半キックオフ。江東区夢の島競技場(東京都)で清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
この日は子どもたちも数多く来場。小中学生限定のスタンプカード企画も

この日は子どもたちも数多く来場。小中学生限定のスタンプカード企画も

 
釜石応援フラッグチーム「ちあ釜」はハーフタイムにパフォーマンスを披露。釜石SWフラッグも初お披露目(写真左)

釜石応援フラッグチーム「ちあ釜」はハーフタイムにパフォーマンスを披露。釜石SWフラッグも初お披露目(写真左)

 

釜石高生の震災語り部(夢団)うのスタで今季も始動 率先避難呼び掛ける

 
 日本製鉄釜石シーウェイブスのホーム戦では、釜石鵜住居復興スタジアム内の震災祈念碑「あなたも逃げて」の前で、釜石高生が語り部を行っている。同校生徒有志で結成する震災伝承、防災活動グループ「夢団~未来へつなげるONE TEAM~」の活動の一環。今季も試合日に東日本大震災の経験、教訓を伝えていく。
 
 SWのホーム初戦となった12月28日は1、2年生5人が活動。同所での活動は初めてとなる1年生2人は、災害避難時に自宅玄関に掲示するオリジナル安否札を来場者に配りながら、語り部活動を紹介。2年生3人が震災の経験や教訓を伝えた。
 
釜石高「夢団」の震災伝承、防災啓発活動。1年生はオリジナル安否札を配布

釜石高「夢団」の震災伝承、防災啓発活動。1年生はオリジナル安否札を配布

 
2年生は語り部を担当。それぞれが伝えたい教訓をまとめ、来場者に防災意識の高揚を呼び掛けた

2年生は語り部を担当。それぞれが伝えたい教訓をまとめ、来場者に防災意識の高揚を呼び掛けた

 
 加藤祢音さん(2年)は同震災の津波で祖母、臨月のおば、保育園児のいとこを亡くした。車避難の渋滞に巻き込まれたとみられるという。自身は当時3歳で震災の記憶はほとんどないが、両親から聞いたことを語った。その上で、三陸地方に伝わる津波避難の教え「津波てんでんこ」について説明。「自分と大切な人を信じ、それぞれが自分の身を守る行動を取ることが多くの命を救う一つの道」とし、日ごろから災害時の行動を家族や友人と話し合う大切さを訴えた。これまでの活動で、涙をにじませながら話を聞いてくれる人の姿も目の当たりにしてきた。「ちゃんと相手の心に響いているのを感じ、やっていて良かったと思う。後輩たちにもこの活動を次の世代に伝えていってほしい」と願う。
 
来場者は釜高生らの話に熱心に耳を傾けた

来場者は釜高生らの話に熱心に耳を傾けた

 
 釜石SWの次のホーム戦(対レッドハリケーンズ大阪)は同震災命日の3日前、3月8日。同震災から今年で14年―。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を機に始まった釜石高生の震災伝承活動は今年で7年目に入る。

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