タグ別アーカイブ: 文化・教育

第21回女性文化賞を受賞した千田ハルさん(中)。贈呈した米田佐代子さん(右)と

千田ハルさんに女性文化賞、艦砲記録に力を尽くす〜米田さん(女性史研究家)釜石を訪れ受賞祝う

 第21回女性文化賞を受賞した千田ハルさん(中)。贈呈した米田佐代子さん(右)と

第21回女性文化賞を受賞した千田ハルさん(中)。贈呈した米田佐代子さん(右)と

 

 終戦間際に釜石を襲った2度の艦砲射撃を体験し、詩人集団「花貌(かぼう)」の活動などで平和の尊さを訴え続けてきた釜石市中妻町の千田ハルさん(93)が、第21回女性文化賞(詩人・高良留美子さん創設)を受賞した。27日、地元有志が開いた受賞を祝う会で、今回から同賞を引き継いだ女性史研究家の米田佐代子さん(83)=NPO法人平塚らいてうの会(東京都)会長=が、賞金と記念品を贈呈。千田さんは「これまで一緒にやってきた仲間といただいた賞。大変ありがたい」と感謝の気持ちを表した。

 

 同賞は、女性の文化の担い手を支援し、その活動に感謝しようと、1997年に高良さん(東京)が個人で創設。20回継続後、健康上の理由などで後継者を望んでいた高良さんの思いを、第13回受賞者でもある米田さんが継いだ。

 

 受賞者選定にあたり米田さんは、2015年に本県で開かれた「第12回全国女性史研究交流のつどい」にゲスト出演し、自身の人生を語った千田さんに着目。昨年9月、釜石入りし、その功績や作品の素晴らしさに触れ、贈呈の意思を強くした。

 

 米田さんは「花貌の活動で多くの戦争体験記録を集め世に伝えてきたことに加え、千田さんの生活実感、平和への願いが込められた文章や短歌に、自分の精神を強く持ち現実に立ち向かおうとする気持ちが見える」と選定理由を説明。千田さんが戦後、戦争の本質を知ろうと一生懸命勉強し、自ら考え行動に移してきた姿勢も高く評価した。

 

 祝う会には、千田さんと共に平和運動に取り組んできた地元関係者ら24人が出席。米田さんから賞金と副賞のリトグラフ(版画)、写真立てが千田さんに贈られ、全員で喜びを分かちあった。

 

 千田さんは1924(大正13)年、釜石市鈴子町生まれ。戦時中、釜石製鉄所にタイピストとして勤務し、45年7月14日、8月9日の米英連合軍による艦砲射撃を体験した。21歳の時だった。戦後、職場に労働組合が結成され、学習会や文化活動に参加。47年、文学や憲法を学んできたサークル仲間で詩人集団「花貌」を立ち上げ、同人誌を創刊。詩や短歌、随想などを発表し続けた。

 

千田さんらが刊行した「花貌」の冊子

千田さんらが刊行した「花貌」の冊子

 

 71年からは分冊として釜石艦砲記録集を刊行。95年までの20分冊に延べ300人以上の戦争体験証言を掲載し、合本は全国から反響があった。千田さんは92年から花貌の編集責任者となり、2004年、73号で終刊するまで、文芸によるメッセージ発信に情熱を傾けた。

 

 並行してさまざまな反戦、平和運動にも参加。戦争を知らない子どもたちに戦争体験を語り伝える活動も行ってきた。15年には“卒寿記念”として、絵本「あぁ、わが街に砲弾の雨が降る―釜石を二度も襲った艦砲射撃で千人の命が!」を自費出版。今も「艦砲から助かった命だから」と、平和を守る活動を続ける。

 

 「何も分からず戦争に協力した悔しさが自分の活動の原点。そういう過ちを繰り返さぬよう、今の子どもたちには、よく勉強してもらいたい」と千田さん。自衛隊や憲法に関する国会審議にも触れ、「戦争は絶対ダメ。憲法を守るために今が大事な時。これからの人たちに頑張ってほしい」と願った。

 

(復興釜石新聞 2018年1月31日発行 第660号より)

 

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卒業制作も兼ねたCM撮影で使う大漁旗を完成させ、笑顔を見せる鵜住居小の6年生

釜石の魅力発信CMを制作、鵜住居小プロジェクト〜ラグビーW杯盛り上げ映像化

卒業制作も兼ねたCM撮影で使う大漁旗を完成させ、笑顔を見せる鵜住居小の6年生

卒業制作も兼ねたCM撮影で使う大漁旗を完成させ、笑顔を見せる鵜住居小の6年生

 

 釜石市は2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催に向け、鵜住居小(中軽米利夫校長、142人)で「釜石の魅力発信CM制作プロジェクト」を進めている。6年生30人の卒業制作も兼ねた活動で、W杯や地域の魅力を映像化するのに加え、東日本大震災からの復興の取り組みも表現した3分程度の作品を制作する予定。3月初旬の完成、お披露目を目指す。25日にはCMの中で使う大漁旗づくりを実施。大会成功や震災支援への感謝、地域再生への願いなどさまざまな思いを込めながら、白布を色鮮やかに染めた。

 

 CM制作は大会の機運醸成、復興のPR、市のイメージアップによる釜石ファンの拡大、試合観戦や来訪の促進を図るとともに、児童の郷土に対する愛着と誇りの醸成、次代を担うものづくり人材育成の一助にと企画。建設中の釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)を眼下に望む児童の思い、震災を含め幾多の災害を乗り越えてきた地域や復興に尽力する人の姿を盛り込んで国内外に発信する。

 

 6年生は地域を考える総合学習の時間を利用し、CMづくりを進める。昨年11月から再建した企業やスタジアム建設現場を訪ね、復興にかかわる大人たちの思いを聞き取ったり、CMの内容やキャッチコピーを考えるなど準備。この活動にはプロジェクト運営事務局で、教育関連事業を展開するヒーローズエデュテイメント(東京都、長谷川英利社長)が協力した。

 

 4回目の活動となったこの日、プロジェクトが本格的に始動。「想いを描く、染める」をテーマに、児童が大漁旗づくりに取り組んだ。講師は、東京都国立市の画家で復興支援で絵はがきなどを製作している長友心平さん(40)と、釜石市内の郷土芸能団体の団旗や法被なども作る伊藤染工場(花巻市、伊藤純子代表取締役)の職人らが務めた。

 

 震災時、幼稚園や保育園児だった6年生。「震災について理解を深める」「支援への感謝を伝えたい」「釜石のためにできることは」「にぎやかな町になってほしい」。そんな思いを詰め込んだ大漁旗の下絵は、長友さんが担当した。

 

 縦170センチ、横240センチの旗に描かれたのは、太陽がさんさんと輝く海に船出する子どもたちの姿。「未来に向かっていろんな夢を描いて突き進んでほしい」と願いを込めた。

 

 長友さんは「みんなの気持ちがいろいろあるように、色もさまざまある。色に思いを込めて描くことが大事」とアドバイス。児童は、はけの使い方や色の塗り方を教わりながら作業を進めた。「はけの使い分けや色分けが大変だけど楽しい」と黒澤優愛さん(11)。「W杯にはいっぱいの人が集まってほしい。家が建って人がいっぱい集まる町になってほしい」と願いながら手を動かした。

 

 この旗は2月中旬に予定されている撮影で使用。このほか、学校内での撮影やBGMとなる歌の収録なども進める。

 

(復興釜石新聞 2018年1月27日発行 第659号より)

 

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市民吹奏楽団員や一般客を招き入れ演奏会を締めくくる佐渡さん

佐渡裕さん指揮、市民ホール開館祝うブラスサウンド〜被災地支援の思い込め、釜石市民吹奏楽団が共演

市民吹奏楽団員や一般客を招き入れ演奏会を締めくくる佐渡さん

市民吹奏楽団員や一般客を招き入れ演奏会を締めくくる佐渡さん

 

 釜石市民ホールの開館を記念し、世界的指揮者の佐渡裕さんが指揮する「シエナ・ウインド・オーケストラ」の演奏会(市など主催)が16日、大町の同ホールで開かれた。約800人が真新しいホールに響くプロの吹奏楽サウンドを楽しみ、芸術文化の殿堂の誕生に心を躍らせた。

 

 吹奏楽の名曲「アルメニアン・ダンス」(全4楽章)、テレビ番組「題名のない音楽会」で佐渡さんが司会をしていた当時のテーマ音楽「キャンディード序曲」などを演奏。ゲスト出演した韓国出身の人気バリトン歌手キュウ・ウォン・ハンさんは、豊かな歌声でオペラやクリスマス曲を届けた。

 

 釜石市民吹奏楽団が共演し「アフリカン・シンフォニー」を演奏するステージも。フィナーレでは佐渡さんの呼び掛けで、同団員や楽器を持って集まった観客がステージに上がり、「星条旗よ永遠なれ」を高らかに響かせた。鳴りやまない拍手に、ホールは大きな感動に包まれた。

 

 佐渡さんは、震災の津波で大きな被害を受けた鵜住居町根浜の宝来館おかみ岩崎昭子さんからの手紙をきっかけに2011年8月、同海岸での鎮魂演奏を開始。指導するスーパーキッズ・オーケストラ(兵庫県)の団員と釜石・大槌を毎年訪れ、演奏会や中・高吹奏楽部、市民吹奏楽団との交流を重ねてきた。佐渡さんらの支援で、子どもたちのバイオリン教室「くらぶ海音(うみのおと)」も立ち上げられた。

 

 新ホールの完成に佐渡さんは「素晴らしい音響のホール。さまざまな人が集い、皆さんの心の広場になることを願う」と地域の音楽活動の活発化に期待。本演奏会の益金から、同教室へ寄付を行う意向も示した。

 

 約2時間の演奏を堪能した中妻町の千葉智子さん(57)は「何を聴いても涙があふれてね…。震災から今日までのことが走馬灯のように思い出された」と感激しきり。市民ホールの今後にも夢を膨らませ、「文化の育成は市の発展につながる。子どもたちも足を運ぶ機会が増えれば」と願った。

 

 市民吹奏楽団でトランペットを吹く山陰勝さん(50)は「佐渡さんと共演できて非常に光栄。ホールは響きが良く、吹いていても気持ちがいい」と喜びの笑顔。村井大司団長は「やっぱりホールでの演奏は最高。来年の定演が楽しみ。この場所が、日常的に音楽が聞こえるようなまちの拠点になれば」と思いを込めた。

 

(復興釜石新聞 2017年12月20日発行 第649号より)

 

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釜石小学校6年生が新巻鮭づくりに挑戦! 〜次世代に引き継ぐさかなのまち文化〜

先生から教わりながら新巻鮭づくりに挑戦する児童

先生から教わりながら新巻鮭づくりに挑戦する児童

 

 みなさん、はじめまして。今日から不定期で活動内容を紹介する「魚援隊(ぎょえんたい)」です。

 

 魚援隊は、釜石市のさかなのまち事業として、市内水産会社等の有志でつくられた団体で、昨年から活動をスタートしています。

 

 主な活動としては、定置船の水揚げや魚市場見学を通して海に関わる職業を知り、魚に触れてその魅力を知るイベントの開催や、釜石で取れた海の食材を使った学校給食を通しての食育を実施しています。
特に子どもたちには魚を身近に感じてもらい、釜石の海や魚に親しみをもってもらうことを目標としています。キーワードは「食・職・触」です。

 

 第1回目となる今回は11月28日(火)に釜石小学校の児童を対象に実施した「新巻鮭づくり体験」の様子をレポートします!

 

 今回新巻鮭づくりに挑戦したのは、釜石小学校の6年生の児童19名です。

 

水産技術センターに集合した釜石小学校6年生

水産技術センターに集合した釜石小学校6年生

 

 もちろん、どの児童も新巻鮭を作ったことはなく、サケに触れるのも初めてでした。今回も昨年に引き続き、新巻鮭つくりの先生として魚援隊の平野会長にお願いしました。

 

 まず始めに、平野会長から児童の皆さんに釜石のサケについてお話をしました。

 

 岩手県は、北海道に次いでサケの水揚げ量が多く、釜石は県内でもサケ漁が特に盛んな地域です。

 

 平成25年には年間で290万本のサケが釜石で揚がりましたが、昨年は145万本、今年は130万本程度に落ち着くとされています。近年不漁が続いている大きな要因として、震災によってサケのふ化場が被災し、サケの稚魚の放流数が減ったことが挙げられます。岩手で放流されたサケの稚魚は北に向かい、アラスカやベーリング海を回遊して帰ってきます。

 

 岩手県では2015年からサケの漁獲量が大きく減少していますが、これはサケが回帰するまでに大体3〜5年の年数を必要とするからであり、ふ化場被災の影響がこの2〜3年で顕著に現れ始めています。平野会長は児童に現状を分かりやすく説明しながら「ぜひ家に帰ってお父さんお母さんとサケの話をしてみてください。」と伝え、親子で地元の魚を考えるきっかけにしてほしいとお話していました。

 

平野会長の話を聞く児童の皆さん

平野会長の話を聞く児童の皆さん

 

次に平野さんが新巻鮭の作り方を実演した後、児童のみなさんで新巻鮭づくりを行いました。

 

新巻鮭を作るには、
1. 腹を割く
2. 内臓やエラを取り除く
3. 水洗い(血合いをきれいに取り除く)
4. 塩をすり込む → 塩蔵(重しをして1週間程度)
5. 塩抜き
6. 乾燥
という作業をする必要があります。今回児童のみなさんには魚援隊スタッフのアドバイスで、1から4までを体験していただきました。

 

児童の中には魚の加工や、そもそも魚が苦手だという子もいるのではないかと懸念していましたが、実際の作業ではとても真剣に向き合いみんな興味を持ってやっているように見受けられました。

 

えらの切り方を教わる児童

えらの切り方を教わる児童

 

全員が1本目を作り終えたところで平野さんが「2本目を作りたい人はいますか?」と呼びかけると、なんと全員が手をあげ、2回目の新巻鮭つくりに挑戦しました。

 

 参加した児童たちからは
「簡単にできると思っていたが、意外に難しかった」
「大変だったので仕事として毎日やることはすごいと思った」
といった感想が寄せられました。普段目にする魚が、人の手によって丁寧に加工をされて私たちの食卓に並ぶ有りがたみを実感した様子でした。

 

さばいたサケに塩をすり込む生徒

さばいたサケに塩をすり込む生徒

 

 今回作られた新巻き鮭は塩蔵・塩抜きがされた後、乾燥させて生徒の皆さんにお配りされました。自分たちで作った新巻き鮭を食べながら、家族で魚について話す機会が生まれると嬉しいですね。

 

全員で記念撮影

全員で記念撮影

 

 1週間後、塩蔵した新巻鮭を取り出して一晩塩抜きをしました。

 

塩抜き中の新巻鮭

塩抜き中の新巻鮭

 

 その後に屋外で数日寒風にさらして完成です。完成した新巻鮭は釜石小学校に納入しました。

 

完成間近の新巻鮭

完成間近の新巻鮭

 

 想像してみてください。ランドセルを背負った小学生が新巻鮭をぶらさげて下校する風景が釜石にはあります。嬉しくなりますね。
 豊かな海がすぐそばにある証です。いつまでも続いてほしい光景です。

 

 魚援隊は、今後も様々なイベントを通じて「さかなのまち」の盛り上げに貢献していきます。どうぞよろしくお願いいたします!

 

○今回ご協力いただいた皆様
(有)リアス海藻店様 岩手県水産技術センター様 岩手大学釜石キャンパス様

 

[gyoentai]

「ことばの教室」開設50周年を歌声で祝う釜石小の児童ら

旧大渡小〜釜石小「ことばの教室」開設50周年〜先駆の歩み振り返る、関係者130人が記念式典

 「ことばの教室」開設50周年を歌声で祝う釜石小の児童ら

「ことばの教室」開設50周年を歌声で祝う釜石小の児童ら

 

 釜石小(高橋勝校長、児童127人)に設置されている「ことばの教室」の開設50周年を記念する式典が22日、釜石市大渡町の同校体育館で行われた。「ことば」や「きこえ」の発達に課題がある子どもの相談や指導をする教室が県内で初めて、旧大渡小に開設されたのは1967年。以来半世紀にわたり、「ことば教育」の先駆けとして歩んできた足取りを振り返り、教室のさらなる発展、充実を誓った。

 

 関係者約130人が参加した式典では、記念事業実行委員長の高橋校長が50年の歩みを紹介。教室開設に奔走した関係者の尽力に触れ、「声に出したことばが心をつなぐ。親の会の力がなければ今日の発展はなかった」と感謝した。

 

 野田武則市長は「子どもを思う親の願い、画期的な精神は今も脈々と流れている。その原点に立ち返り、教室のさらなる充実を期待する」と祝辞を述べた。

 

 教室の開設、運営に尽力した5人1団体に感謝状を贈呈。同校の児童が虎舞や校歌を披露して50周年に花を添えた。

 

 開設当初から現在までの歩みを映像や写真で振り返ったあと、大渡小ことばの教室初代担任の菊池義勝さん(81)、県ことばを育む親の会の佐々木信孝前会長(67)、同会初代会長・故落合新作さんの妻ハルさん(84)が対談。

 

 現在は千葉県木更津市で暮らすハルさんは「息子のためにと、夫とともに必死の思いで動いた50年前を思い出す。支援してくださったみなさんの思いが今日につながっている」と振り返り、「教室がここまで長く続いて本当にうれしい」と目を潤ませた。

 

 児童の歌声に拍手を送る落合ハルさん(前列左)

児童の歌声に拍手を送る落合ハルさん(前列左)

 

 盛岡市から駆け付けた菊池さんは「自分でペンキを塗った教室からスタートしたが、現在の教室はホテルみたいに立派」と感慨深げ。「今後はコミュニケーション能力も養う教室として発展してほしい」と期待を託した。

 

 大渡小ことばの教室は8人の児童からスタート。2003年に釜石小と統合した後も引き継がれ、50年間で900人余りの幼児・児童が学んできた。現在は県内全市町村にことばの教室が開設されている。

 

(復興釜石新聞 2017年11月25日発行 第642号より)

 

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テント劇の日中公演という制約を逆手に取った演出を、キャストの熱演、観客の好反応が支えた

第31回釜石市民劇場、テント劇は今回が最後〜ケアハウス舞台に「認知症と生きがい」コミカルに描く、合唱シーンで大団円

テント劇の日中公演という制約を逆手に取った演出を、キャストの熱演、観客の好反応が支えた

テント劇の日中公演という制約を逆手に取った演出を、キャストの熱演、観客の好反応が支えた

 

 第31回釜石市民劇場「心に翼を、希望を胸に~てんやわんやケアハウス」(実行委員会主催)は12日、鈴子町のシープラザ遊で上演された。「認知症と生きがい」という現代社会が抱える問題をテーマに、高齢者施設の日常と人々の交流をコミカルに表現。力を合わせ、希望を持って生きる姿を描いた。客席では約260人が舞台を見守り、「翼をください」を合唱するフィナーレでは、出演者の熱演に温かく大きな拍手が送られた。市民劇場は東日本大震災で活動拠点の市民文化会館が被災し、2年の中断を経て再開。大型テントでの上演は今回が最後となる。

 

 ケアハウスのホールを舞台に、「1場」で物語を展開。キャストを兼ねて演出を担当した小笠原景子さん(33)は「客席との一体感と舞台の立体感を目指した」と話す。室内での動きと同時に別の空間で物語が進行。回想シーンが客席の通路も使って演じられ、舞台と観客が一つになった。

 

 出演者の最年少、5歳の久喜愛菜子ちゃんはハウスを退所したお年寄りの孫役を演じた。屈託のない明るさで客席の笑顔を誘い、大きな拍手も沸いた。

 

 主役の若いヘルパーを演じた岡道美咲さん(23)は、入所者に合唱コンクールへの参加を呼び掛けるシーンで、「受け身の人生ではなく、挑戦する気持ちを、苦難に立ち向かう勇気を」とアピール。フィナーレにつながる長いモノローグでは、「人はみな、心の中に見えない翼を持っている」と語りかけた。

 

 1回目からスタッフとして舞台を支えて来た川端州一さん(66)=大渡町=は初めてキャストに挑戦。「本(脚本)を読んで、震災の直前(2011年2月)に亡くなった父を思った。父は認知症を患っていた。その経験が舞台に役立つはず」と思いを込めた。しかし、舞台に立つと、なかなか演技の流れに乗れず、セリフも飛んでしまう。「心臓はバクバク。キャストはもういい」。次回はスタッフに戻るという。

 

 ホームの副長を演じた会社員木川田光成さん(35)は、2004年の舞台から市民劇場にかかわる。震災を機に職場のある遠野市に転居、遠野市民劇場にも参加する。「テントでの復活に思い入れがあった。場面転換のない舞台を、知恵を出し合いながらつくるのは芝居の原点。市民劇は地域の大事な文化」と熱い思いを語った。

 

カーテンコールのあいさつは、テント劇へのお別れでもあった

カーテンコールのあいさつは、テント劇へのお別れでもあった

 

 家族4人で観劇した鵜住居町の石垣邦子さん(76)は「娘が市民劇場に出演したこともあり、何度か見ています。きょうは身近な内容でもあり、心を打たれました。釜石弁のやりとりも良かった。みなさん、上手に演じていました」と拍手を送った。

 

 市民劇場実行委員会の久保秀俊会長(69)は「『先人に学ぶ』をテーマに掲げる市民劇場も、テント劇は今回で最後になる。来年は新しい市民ホールの舞台で再会しましょう」と客席の市民や舞台を支えたスタッフに呼び掛けた。

 

 釜石市民劇場は1986年にスタート。震災後2年の中断を経て2013年からシープラザ遊で再開し、従来の昼夜2回公演を昼の1回公演に縮小し、継続して来た。

 

(復興釜石新聞 2017年11月15日発行 第639号より)

 

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明治初期に再稼働したとみられる鍛冶場遺構は石垣に拡充の痕跡

橋野鉄鉱山 鍛冶場の遺構確認、台風被害の復旧発掘調査で〜一貫生産を裏付け、「フルヒストリー」の一部を埋める

明治初期に再稼働したとみられる鍛冶場遺構は石垣に拡充の痕跡

明治初期に再稼働したとみられる鍛冶場遺構は石垣に拡充の痕跡

 

 釜石市橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」で10月から発掘調査が行われ、これまで関係史料に記載がなかった明治時代初期の鍛冶場とみられる遺構が初めて確認された。橋野で鉄鉱石の採掘から製鉄、加工まで一貫して行われていたことを改めて裏付ける証しとなりそうだ。

 

 今回の調査は、昨年夏の台風10号被害に対応した復旧発掘調査事業で、本年度に現地調査を行い、来年度は報告書を作成する。現場は史跡の入り口から約100メートル、北端(高炉群の最下部)に残る三番高炉跡の南側にあり、御日払所も近い。大雨で表土層の一部が流失した約70平方メートルの範囲を調べた。

 

 発見された遺構には、高熱で焼けた土の跡や鍛造作業をした痕跡があった。耐火レンガ片や「羽口(はぐち)」と呼ばれるふいごの先端も見つかった。食器とみられる陶器片、貨幣とした鉄銭が木の葉状にまとまった「銭竿(ぜにさお)」と、その鋳型もあった。

 

 出土品の一部。羽口と銭竿、生活感を伝える食器片も

出土品の一部。羽口と銭竿、生活感を伝える食器片も

 

 調査を進める市教育委員会総務課文化財保護係の森一欽係長によると、1858年から稼働した橋野高炉に付随し、鍛冶場は何度か造られた。当時の鉱山や製鉄風景を伝える県指定文化財の絵図「紙本両鉄鉱山御山内並高炉之図」(新日鉄住金釜石製鉄所所蔵)に「鍛冶屋敷」はあるが、発掘場所に関する記載はない。

 

 現場では68(明治元)年まで鉄の生産とともに鉄銭の鋳造も続けられた。翌年、明治政府は公認されない貨幣の鋳造を禁止したが、橋野ではひそかに継続。しかし、71年、県(江刺県)の摘発を受け、一番、二番高炉の解体命令が出された。唯一残された三番高炉は94年まで稼働した。

 

 今回確認された鍛冶場では、三番高炉跡側の石積みに拡充された痕跡があった。また、深さ70センチまで掘った土には粘土と盛り土の層が重なっていた。森係長は「以前に使われた鍛冶場の設備を広げ、造成、再利用したと推察できる」とした上で、「今回の発見は史跡のフルヒストリー(歴史全体)の一部を埋める一つとなる」と成果を強調する。

 

 発掘現場は今月6日から10日まで一般に公開された。調査は間もなく終了、遺構は埋め戻される。

 

(復興釜石新聞 2017年11月11日発行 第638号より)

 

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釜石市民ホールTETTO

釜石市民ホールTETTOの開館記念式典を開催します

釜石市民ホールTETTO

 

開館記念式典では、一番太鼓、ピアノ演奏、施設見学なども実施します。皆さんのお越しをお待ちしています。

 

日時

2017年12月8日(金) 10時~

場所

釜石市民ホールTETTO(大町1-1-9)

プログラム(予定)

10時~ オープニングセレモニー(屋根のある広場)
10時10分~ 開場
10時30分~11時30分開館記念式典(ホールA)
一番太鼓(藤舎(とうしゃ)千穂さん)
ピアノ演奏(小井土文哉さん)
釡石市民歌斉唱 他
※式典終了後~14時までは施設を見学できます。

 

■入場無料(満席の場合は入場をお待ちいただくことがあります。)
■釜石市民ホールには駐車場がございません。公共交通機関をご利用いただくか、近隣の公共駐車場等をご利用ください。

このページに関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話: 0193-22-8835 / Fax: 0193-22-3633 メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/shisetsu/shimin_hall/detail/1214045_2466.html
釜石市

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釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
講師の助言を受けながら生け花に取り組む釜石草月会華道こども教室の子どもたち

秋を彩る市民芸文祭 19団体が作品公開、シープラザ遊では今回が最後に〜次世代へつなぐ意欲新たに、子どもたちの活動を特別企画で

 講師の助言を受けながら生け花に取り組む釜石草月会華道こども教室の子どもたち

講師の助言を受けながら生け花に取り組む釜石草月会華道こども教室の子どもたち

 

 釜石市の芸術の秋を彩る第47回釜石市民芸術文化祭(市、市教育委員会、市芸術文化協会主催)は3日から5日まで鈴子町のシープラザ遊で開かれた。「ひらめく芸術・きらめく文化のまち釜石を創ろう」をスローガンに掲げる市内最大の文化の祭典は今年も作品展示とステージ発表を同じフロアで開催。市民ホールの整備などでこの会場では最後となる見込みで、参加団体や関係者らは名残惜しみながらも、日ごろの研さんの結果を発表し多彩な芸術の魅力に触れる機会を提供した。「子ども芸術文化の鑑賞~次世代を担う若い息吹に触れよう・育てよう」をテーマに、子どもたちの活動に目を向けた特別企画も。刺激を受けた参加団体は創作活動へのたゆまぬ努力を重ね、芸術文化の持つ力を次世代につなぐ意欲を新たにしていた。

 

 3日の開会式で、市芸文協の菊池征毅副会長は「文化の日にふさわしい秋晴れの中、芸術文化の薫りを存分に味わってほしい」とあいさつ。開幕を祝ってテープカット。ステージでは釜石、八雲吟詠会の会員が詩吟、バンド演奏、バレエの発表が続いた。

 

市民芸文祭の開幕を祝ってテープカットする関係者

市民芸文祭の開幕を祝ってテープカットする関係者

 

開会式で詩吟を披露した釜石、八雲吟詠会

開会式で詩吟を披露した釜石、八雲吟詠会

 

 会場では3日間にわたり19団体が作品を公開。華道、絵画、写真、書道、原色押し花、リボンフラワーなどさまざまな分野の力作が並んだ。

 

細かく丁寧な手作業のリボンフラワー作品に見入る来場者

細かく丁寧な手作業のリボンフラワー作品に見入る来場者

 

 切り絵サークル「はまゆり」(村岡芳隆会長)は会員8人の作品約30点を展示。村岡会長(78)は二十数年前に病気で右半身がまひしたのをきっかけに「退屈だから何かやってみよう」と切り絵を始めた。利き手ではない左手で作品を作り続けているが、「最高に楽しい。発表の場はやりがいになり、作る意欲も湧く。年はとっても、まだまだこれから」と意欲満々。東京・浅草の風景を題材にした「船だまり」など丁寧な作業で制作した5点を並べた。

 

 特別企画「こども芸術」では、MOA美育ネットワーク釜石が出展した釜石小、双葉小3年生による一輪挿しなどが並んだ。釜石草月会(村上マサ子会長)主催の華道こども教室は受講する小学生19人の生け花作品を展示。芸文祭初参加の濱川天海(あみ)さん(平田小1年)は「恥ずかしいけど、見てもらえたらうれしい。花を飾るのが楽しい。続けて頑張る」とはにかんだ。文化の秋を楽しむ来場者に心休まるひとときを提供した釜石茶道協会による呈茶では、裏千家茶道こども教室の受講生もお運びを手伝った。

 

 芸文祭発表部門は9月から市内外の会場で始まり、12月まで続く。展示部門と日程を同じくしたのは11団体。釜石南高の1969(昭和44)年卒業生でつくる「ふるさと復興支援グループ釜南44」は絵画や写真、リメークした布作品などの展示、琴と書のパフォーマンスなどを行った。仙台市在住の書家・支部蘭蹊さん(はせべ・らんけい、66)は来場者が選んだ文字を、その目の前で揮ごうした小作品をプレゼント。子どもたちからの「なんで字がきれいなの?」との質問に、「字が好きだから。好きになることが上手になるこつ。面白いな、好きだなと思うものを見つけて」とアドバイスした。書のパフォーマンスに「いろんな発見があった」と目を輝かせたのは濱川日和さん(平田小5年)。複数の習い事をしているが、「好きなことを見つけて頑張る」と刺激を受けていた。

 

「釜南44」による書のパフォーマンスに来場者は興味津々

「釜南44」による書のパフォーマンスに来場者は興味津々

 

岩切潤さん(9月に他界)をしのぶ展示も

 

岩切潤さんをしのぶ展示には多くの人が足を止めた

岩切潤さんをしのぶ展示には多くの人が足を止めた

 

 会場の一角には、2004年から市芸文協の会長を務め、今年9月に亡くなった岩切潤さんをしのぶ展示もあった。生前岩切さんが詠んだ句「新巻が無事を知らせる使者となり」を、釜石書道協会の千田篁甫さん(69)が短冊にしたためて紹介。釜石草友会の古舘昭吉会長(74)は海岸近くに生息する山野草イソギク、ベンケイソウの小鉢を飾り、句の世界に彩りを添えた。「この会場には(岩切さんを)思っている人ばかりがいる」と2人。古舘会長は「そこら辺に来て展示を見ている気がする。まだ頑張らなきゃ。見て喜んでもらえるものをつくりたい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2017年11月8日発行 第637号より)

 

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元ラグビー豪州代表の2人と鵜住居小児童ら

元豪州代表と釜石SW、鵜住居小学校児童と牛肉試食会〜ラグビー交流

元ラグビー豪州代表の2人と鵜住居小児童ら

元ラグビー豪州代表の2人と鵜住居小児童ら

 

 オーストラリア産牛肉の生産者団体、MLA豪州食肉家畜生産者事業団(本社・シドニー)によるプロジェクト「オージー・ビーフで元気キッズ!」が10月31日、鵜住居小(中軽米利夫校長、児童141人)で行われた。元ラグビーオーストラリア代表、釜石シーウェイブス(SW)RFCの選手らとの交流会、牛肉の試食会を開催。スポーツと食を通して子どもたちの健康で元気な体づくりを応援した。

 

 復興支援の一環として、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)が開かれる釜石の盛り上げ、子どもたちの国際感覚の醸成を願って実施。元ラグビーオーストラリア代表のジャスティン・ハリソンさん(43)、マーク・エラさん(58)らが同校を訪れ、5、6年生49人と触れ合った。

 

 2人はパスやタックルの基本を教えた。チームワークや仲間を信じる大切さを伝え、ラインアウトの飛び方を紹介。児童が授業で取り組んでいるタグラグビーでミニゲームも楽しんだ。

 

 試食会では一口大に調理された牛肉を味わい、児童らは「おいしい」と笑顔。大丸碧仁君(6年)は「食べて元気に、強くなれる気がする。(2人は)パワーやタックルの技術がすごい」と感心した様子だった。

 

 オージー・ビーフの愛称で日本の食卓にも並ぶオーストラリア産牛肉は脂が少ない赤味肉で、良質なタンパク質や鉄分、亜鉛といった子どもの成長に必要な栄養素が含まれているという。健康で元気な体をつくる食材として紹介するとともに、スポーツ分野で同国の選手が日本で多く活躍していることもあり、スポーツを通した日豪国際交流の一つとして同プロジェクトを発足。第1弾として同校での交流会を開いた。

 

 同事業団ジャパンオフィス(東京都千代田区)のアンドリュー・コックス駐日代表は「ラグビーのまちとして知られる釜石に来ることができ、うれしい。津波があった地でもあるが、W杯に向け行動しているのが素晴らしい。子どもたちも活動的。ラグビーと食を通して日本の子どもたちの元気を応援したい」と話した。

 

(復興釜石新聞 2017年11月4日発行 第636号より)

 

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音楽でつながろう!釜石ドラムサークルファシリテーター育成講座

音楽でつながろう!釜石ドラムサークルファシリテーター育成講座

音楽でつながろう!釜石ドラムサークルファシリテーター育成講座

 

「ドラムサークル」とは、参加者の年齢も、性別も、国籍も、言語も問わず、音楽経験も必要ありません。

 

参加者が輪になって、即興的に作り上げるパーカッションのアンサンブルです。

 

釜石では、ドラムサークルを通して、市内の外国人労働者との心の交流を図ることを目的に、ファシリテーター育成講座を開催します。

 

第1回

日程: 2017年10月22日(日)
時間: 13:00~16:00
講座内容:
講座①
みんなでドラムサークル
・ドラムサークル体験
・ドラムサークルとは
・概要のレクチャー
講師:ペッカー(音楽家・プロパーカッショニスト)、飯田和子(音楽教育「IIDA MUSIC SPACE 和」主宰)

第2回

日程: 2017年11月12日(日)
時間: 13:00~16:00
講座内容:
講座②
・ドラムサークルファシリテーション
基本動作の修得
・打楽器についての講座
講師:ペッカー(音楽家・プロパーカッショニスト)、菊本るり子(MIDORI~繋がる輪~作曲家、DCFA協会理事)

第3回

日程: 11月26日(日)
時間: 11:00~13:00
【実践編】 14:00~15:00 @イオンタウン釜石
講座内容:
講座③
・ドラムサークルファシリテーション
マインドの習得
・タブレットとのジョイント企画
・総括
・実践編としてイオンタウン釜石へ!
講師:ペッカー(音楽家・プロパーカッショニスト)、野田憲一(DCFA協会理事)

会場

NPO法人ガバチョ・プロジェクト(釜石市小佐野町1-4-51)

応募条件

3回の講座の全日程に参加できる方。講習会後、釜石市内でファシリテーター活動ができる方。

申込み・問合せ先

NPO法人 ガバチョ・プロジェクト
〒026-0052 釜石市小佐野町1-4-51
電話0193-27-5044 FAX0193-27-6011
メール npo☆gabacho.info(☆を@に変えて送信してください)

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 オープンシティ推進室 国際交流係
〒026-0025 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話: 0193-27-8463 / Fax: 0193-22-2686 メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/kokusai_koryu/detail/1213246_2508.html
釜石市

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照井さんは「震災を経験したことでたくさんの言葉を編むことができた」と振り返った

「震災俳句」に思い込め〜俳人 照井翠さん講演

 照井さんは「震災を経験したことでたくさんの言葉を編むことができた」と振り返った

照井さんは「震災を経験したことでたくさんの言葉を編むことができた」と振り返った

 

 7月に釜石市大町に本設店舗をオープンした桑畑書店の再出発を記念した講演会が1日、釜石PITで開かれた。講師は、店主の桑畑眞一さん(63)と親交がある俳人の照井翠さん(54)=北上市。「震災と俳句~朗読を中心に」をテーマに、震災体験などを基に詠んだ句を紹介しながら言葉の持つ力を伝えた。

 

 高校教師でもある照井さんは今年3月までの7年間、釜石高校で教べんをとった。震災時、アパートのある釜石市中心部が津波で大きな被害を受け、高校の体育館での避難生活を体験。2013年に震災をテーマにした句集「龍宮」で第12回俳句四季大賞を受賞した。

 

 講演会は市民ら約70人が聴講。照井さんは「龍宮」などから計80句を朗読しながら、五七五という17音に込めた思いを紹介した。

 

 「喪(うしな)へば うしなふほどに 降る雪よ」(龍宮より)は震災直後、何をどれだけ失うのか先が見通せない手探り状態の中で生み出した句。「さよならを言ふために咲く 桜かな」(同)は、移りゆく季節の中で変わらず咲く花も、目に映る美しさがいつもとは違ったと強く感じ、したためた。「まだ立ち直れないのか 三月来(く)」には、まちの復興は進んでいても、現実を受け止められず立ち止まったままの人、心を閉ざして声を出せない人もいる現実を伝え、「寄り添う気持ちを持ち続けてほしい」との願いを込めた。

 

 「震災のつらい、厳しい経験、現実には限度があり、虚(フィクション、空想)に支えられているところがあると感じた。虚の側に身を置き、さまざまに思いを巡らせ心で真実に迫り、大きな世界を詠んでいきたい」と照井さん。新たなスタートを切った桑畑さんに「釜石の文化活動の拠点として、ファイティングポーズを持ち続けて」とエールを送った。

 

 大平町の紺野きぬえさん(72)は自身も俳句をたしなんでおり、「句に込められた思いを聞くことができ、すっきりした。言葉に感動。今日の思いを俳句に生かしたい」と刺激を受けていた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月5日発行 第611号より)

 

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