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移設された三鬼隆像の前で演奏する釜石中・釜石高生

三鬼隆の石像を移設、釜石地域の振興に貢献〜見つめた昭和園グラウンドは警察署に

移設された三鬼隆像の前で演奏する釜石中・釜石高生

移設された三鬼隆像の前で演奏する釜石中・釜石高生

 

 東日本大震災後に仮設住宅の用地に充てられた釜石市中妻町の昭和園グラウンドの一角にある三鬼隆(1892~1952年)の石像が同グラウンドに隣接する新日鉄住金釜石製鉄所の接客施設「楽山荘」の近くに移設され、27日に完成を祝う記念式が行われた。昭和園グラウンドは長く、スポーツや地域の祭りなどで使われ、市民に親しまれた。仮設住宅はすでに撤去。今後、津波で被災した釜石警察署などが建設されることになっている。

 

 釜石のスポーツ振興に尽力した三鬼隆の石像は、遺徳をしのび市民ら有志で結成された「三鬼会」が53年3月に同グラウンドに建立。釜石署などが建設されることに伴い、楽山荘前にある広場の一角に先月、移設された。

 

 市が主催した記念式には85人が出席した。野田武則市長は「地域に貢献した三鬼氏とグラウンドの歴史を振り返りながら新しいまちの姿を目指し、市民とともに歩んでいきたい」とあいさつ。釜石中、釜石高生によるフルート演奏で移設を祝った。この日は楽山荘を一般開放。釜石茶道協会によるお茶会も催された。

 

 中妻地域会議の佐藤力議長は「住民にとって欠かせないグラウンドで、数々のドラマが生まれた場所だった。新たな運動場の整備など今後のまちづくりがより良い方向に進んでほしい」と願った。

 

 三鬼は、33年の昭和三陸津波で被災した釜石に心を痛め、住民の救済や復興にも尽力したと言われている。2011年の震災から復興に歩む釜石をどう思うか。新日鉄住金釜石製鉄所の米田寛所長は「グラウンドを見つめる位置に三鬼さんの像があるが、その視線の先には鵜住居が見えていると思う。復興の歩みを後押しするものとなる2019年ラグビーワールドカップに向け一致団結し、成功を願っているのでは」と話した。

 

 ■三鬼隆(みき・たかし)
 盛岡市出身。大学を卒業後、田中鉱山に入社し、戦後、日本製鉄社長、八幡製鉄初代社長、日経連会長を歴任した。

 

 釜石との関わりは1920年、田中鉱山釜石製鉄所に赴任したのが始まり。1年足らずで離任するも、28年に釜石鉱山釜石鉱業所の庶務課長として再び赴任する。当時製鉄所では労働争議があり、働く環境を整えるとともにスポーツを通じて従業員の融和を図ろうと考えた三鬼が率先して取り組んだのが同グラウンドの整備で、30年に開場。「正しく強く朗らかなスポーツ精神」との持論のもと、野球、剣道、陸上、水泳など各部の創設にも助力した。町議会議員も務め、地域全体の振興にも貢献したが、1952年4月9日、日航機「もく星号」の墜落事故で犠牲となった。

 

(復興釜石新聞 2017年5月31日発行 第592号より)

 

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文部科学大臣表彰を受け、読書環境づくりにさらなる意欲を燃やす「颯・2000の会」のメンバーら

読み聞かせ活動で文科大臣表彰、ボランティア「颯・2000の会」優秀実践団体に〜あせらずあきらめず、子どもを読書にいざなう

文部科学大臣表彰を受け、読書環境づくりにさらなる意欲を燃やす「颯・2000の会」のメンバーら

文部科学大臣表彰を受け、読書環境づくりにさらなる意欲を燃やす「颯・2000の会」のメンバーら

 

 釜石市内外の図書館などで読み聞かせのボランティア活動に取り組む読書サポーター「颯(かぜ)・2000の会」(浅沼和子代表、会員11人)が、本年度の子どもの読書活動優秀実践団体として文部科学大臣表彰を受けた。伝達式が22日、釜石市役所で行われ、会員らは「子どもたちのおかげで得られた賞。これからも楽しい物語を伝えていきたい」と意欲を新たにした。

 

 同表彰は、子どもの読書推進に貢献した学校や図書館、団体・個人を対象に文部科学省が行っている。本年度、表彰されたのは全国で134校、50図書館、54団体・個人。表彰式は4月23日に東京で行われた。

 

 同会は、絵本の読み聞かせ活動を通じて子どもたちの読書環境づくりを支援していこうと2000年の「子ども読書年」に創立。釜石市、大槌町、山田町の図書館、学校、学童クラブなどでさまざまな読書推進活動を実践してきた。

 

当面は20年を目標に

 

 震災後は活動先が被災するなどして活動を縮小。会員3人が犠牲になり、さらに被災したことで市外への転居や退会などもあり、会員数が半減した。限られた活動の中でも読み聞かせの依頼は回復傾向にあり、創立から昨年度末までの実演は通算2358回を数える。

 

 現在は50~80代の主婦や元教員らを中心に構成。「今できることの一歩から。あせらず、あきらめず」をモットーに、市立図書館で毎月第3土曜日にお話し会を開いているほか、市が乳幼児を対象に実施するブックスタート支援への協力、3市町の学童、小学校向けの活動も継続している。

 

 伝達式には浅沼代表(76)のほか、設立発起人の後藤フクさん(83)と工藤益子さん(80)、佐々木宏子さん(76)が参加した。4人は、読み聞かせの時の子どもたちの様子や活動の成果などを紹介。工藤さんは「読む側も聞く側も帰る時に笑顔になれる時間が共有できるのがいい。楽しみや充実感があって続けられている。会員が高齢化し、颯爽(さっそう)と活動するとの意味を込めた会の名称に負けそうだが、当面は20年を目標に頑張りたい」と話した。

 

 野田武則市長が浅沼代表に賞状を手渡し、「豊かな心につながる活動を長く続けているのが素晴らしい。和気あいあいとした皆さんの雰囲気を子どもたちに伝え続けてほしい」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2017年5月27日発行 第591号より)

 

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岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム

岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラムの開催について【釜石市制施行80周年記念事業】

岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム

 

市と岩手大学は、岩手大学農学部食料生産環境学科水産システム学コース及び大学院総合科学研究科地域創生専攻の設置に伴い、市内平田地区に「岩手大学釜石キャンパス」が開設されたことを記念し、フォーラムを開催します。

 

日時

平成29年6月11日(日)13時30分~16時 受付13時~

会場

陸中海岸グランドホテル(釜石市港町1-2-3)

対象

どなたでも(定員100名)

内容

① 講演「岩手大学の産学官連携と釜石市との関わりについて(仮)」
講師:岩渕 明 氏(岩手大学学長)
② 農学部食料生産環境学科水産システム学コース及び大学院総合科学研究科地域創生専攻の概要説明
③ 所属学生からの報告

申込み

チラシ裏面に必要事項をご記入いただき、FAXまたはE-mailにて6月2日(金)までに 市総合政策課 企画調整係 宛にお申し込みください。

 

ー釜石市制施行80周年記念事業ー 岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム チラシ

ー釜石市制施行80周年記念事業ー 岩手大学釜石キャンパス開設記念フォーラム チラシ

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この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 総合政策課 企画調整係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話 0193-27-8413 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/daigaku_renkei/detail/1210156_2611.html
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設定した研究テーマの予備実験をする生徒

科学技術系人材育成を目標に、釜石高さらに5カ年〜スーパーサイエンスハイスクールに再び指定

地域課題について理解を深める講演会

地域課題について理解を深める講演会

 

 2012年度から5カ年にわたり文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)校に指定されていた県立釜石高校(佐藤一也校長、生徒510人)が本年度から再び、21年度まで5カ年の指定を受けた。2期目の目標も変わらず科学技術系人材の育成に据えているが、前年度まで5カ年にわたる活動の成果を踏まえ課題研究に取り組む対象を理数科3年生だけでなく学校全体に広げ、さらなる発展を目指す。11日には、1年生が探究活動を行うための準備として、研究課題を見つけるきっかけにしてもらう地域課題講演会を開催。2、3年生は探究活動チーム(ゼミ)に分かれ、研究テーマの設定や本格的な活動を始める準備などに取り組んだ。

 

 SSHは、将来の国際的な科学技術系人材を育成することを目指し、理数系教育に重点を置いた研究開発を行うべく、文部科学省が2002年度から実施している事業。指定期間は5年間で、現在は全国で約200の中・高校が指定されている。17年度に新規指定を受けたのは全国で約70校。県内では釜石高のほか、水沢高も指定を受けた。

 

 釜石高では、1期目は「三陸地域の科学教育中核拠点として、グローバルな視点から被災地の復興と持続的発展に寄与する科学技術人材の育成」を研究開発課題とし、理数科3年生を対象に課題研究、海外研修などに取り組み、文科省から評価を得た。

 

 同校では1期目の活動の中で、「表現力やプレゼンテーション力、論理的思考力、国際性、自分たちで取り組む姿勢」などSSHが生徒に及ぼす好影響を強く感じていたといい、2期目はこれをさらに発展させ、学校全体で取り組むことにし、「学年間連携による協働的ゼミ活動を中心とした科学技術人材育成のカリキュラム開発」との課題を設定した。探究の時間を木曜日の6・7校時とし、学年を縦割りにしてゼミを編成。一つのゼミは、生徒4人程度で編成された2~4の研究グルーブで構成される。グループは学年ごとにつくるが、上級生が研究の進め方といった手本を見せ、ノウハウを伝えることで下級生がイメージをつかみやすくし、それぞれの研究の質も高める態勢をつくった。

 

 海外の先端科学技術に触れ見識を深める研修は2年生を対象に実施予定。研修先をアジア圏にし、より多くの生徒を派遣できるようにする。

 

対象を全校に広げ、ゼミ形式で深化図る

 

 SSHは生徒への好影響がある半面、文科省への報告書作成や研究活動の準備など教諭への負担は大きいという。新年度からの継続指定については、「大学入試に向けた基礎力を付ける方がいいのでは」という声もあったが、生徒同士が学び合うことの教育効果に期待し、昨年6月に職員会議で意思統一を図った。

 

 同校SSH推進室の吉田英男教諭は「部活動のような形にすることで、答えがないものにチャレンジし、協力して解決していこうという気持ちを上級生から下級生につなげてほしい。伝統をつなげることが持続可能な取り組みになる」と期待する。

 

設定した研究テーマの予備実験をする生徒

設定した研究テーマの予備実験をする生徒

 

 地域課題講演会には1年生160人、ゼミ活動の2、3年生約20人が参加。使用した廃油を回収、精製してバイオディーゼル燃料として利用し、エネルギー循環型まちづくりにつなげる活動などを展開する一般社団法人ユナイテッドグリーンの山田周生代表を講師に、自然環境やエネルギーの自給自足などについて理解を深めた。

 

 2、3年生は8教科に分かれてゼミ活動を行った。理科・生物班の女子生徒4人のグループは「走った後、瞳孔がどれくらい開くか」をテーマに設定。音楽のゼミでは幼稚園を訪問する予定を組み、「年齢によるリズムの差」「音楽と記憶力」といったテーマで研究するための小道具づくりに取り組んだ。「ミルククラウンを牛乳以外でも作れるか」「腹持ちのいい食べ物」などをテーマにしたグループもあった。

 

 吉田教諭は「何事も研究する心を持ってほしい。課題解決に向けたプロセスが、人生で答えのない問題にぶつかったときに乗り越える力になれば」と生徒たちを見守った。

 

(復興釜石新聞 2017年5月13日発行 第587号より)

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釜石市民ホール外観予想図

釜石市民ホールの愛称を募集します。

今秋竣工予定の釜石市民ホールに、「親しみやすさと未来への希望」が伝わる愛称を付けてください。

釜石市民ホール外観予想図
 

「にぎわい創出と文化芸術に関する活動を行う市民文化の総合支援拠点」として設置される釜石市民ホールに対して、気軽に利用できる親しみやすさと、未来への希望が感じられる愛称を募集します。採用者には副賞等を贈呈します。皆様のご応募をお待ちしています。

 

応募期限 平成29年6月30日(金)必着

■下記①~③の条件を満たす愛称をご応募ください。
①「親しみやすさと未来への希望」が感じられるもの。
②言葉の意味がわかりやすく、発音しやすく、リズム感のあるもの。
③応募者自作で未発表のもの。

 

■採用者には下記の副賞等を贈呈します。
①釜石市民ホール開館記念オリジナルグッズ
②釜石市民ホール愛称命名式への出席ご案内
平成29年10月22日(日)に釜石市民ホール愛称ヘッドマークを付けた三陸鉄道南リアス線臨時列車が運行予定です。出発前にイオンタウン釜石駅で開催される釜石市民ホール愛称命名式にご出席、釜石~盛間を往復する臨時列車にご乗車いただけます(ご本人を含むグループでの乗車も可能です)。

 

■応募方法
応募の際は、必ず、愛称(ふりがな)、応募の愛称にした理由(意図)、住所、氏名(ふりがな)、性別、年齢、電話番号(携帯可)、メールアドレス(お持ちの場合のみ)、学校名と学年(高校生以下の方のみ)を記載してください。
①市内各生活応援センター、市立図書館、釜石情報交流センター、イオンタウン釜石駅等で配布する愛称募集チラシ裏面の応募用紙または任意の書式でご応募ください。
②どなたでも応募できますが、応募はお一人につき1点とさせていただきます。
③郵送、FAX、応募先への持参(応募箱投かん)、又は必要事項を記載したEメールでの応募ができます。

 

■応募先
〒026-0031 釜石市鈴子町15-2釜石市教育センター1F
釜石市生涯学習文化スポーツ課 釜石市民ホール愛称募集係
TEL0193-22-8835/FAX0193-22-3633
Eメールアドレス; syougai@city.kamaishi.iwate.jp

 

■詳細は添付のチラシおよび愛称募集要項を必ずご覧ください。
クリックすると開きます。↓
(24,308 KB pdfファイル)

 

■バス通り(釜石港線)側から北広場を経由して釜石市民ホール内に入るイメージCG動画です(容量が大きいのでご注意ください)。
クリックすると開きます。↓(MP4ファイル/88.3MB)
(90,480 KB mp4ファイル)
(動画およびCG画像提供・有限会社aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所)

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 市民生活部 生涯学習文化スポーツ課 芸術・文化係
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町15番2号
電話:0193-22-8835 / Fax 0193-22-3633 / メール
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「釜石市制施行80周年記念展」80th 1937-2017

企画展1弾「釜石市制施行80周年記念展」80th 1937-2017を開催します

「釜石市制施行80周年記念展」80th 1937-201

 

平成29年は、昭和12年の5月5日、釜石市に市制が施行されて80周年の節目です。

 

それを記念し、市制施行に関連する資料を展示することで、市勢発展の礎を市民に広く周知し、関心を深めることを目的とし、当企画展を開催いたします。

 

期間

平成29年5月3日(水・祝) ~ 平成29年6月25日(日) ※休館日は除く

時間

午前9時30分〜午後4時30分(入館は午後4時まで)

会場

釜石市郷土資料館 体験学習室

展示内容

①市制記念のコーナー
○釜石市制記念製鐵香炉・文鎮・木杯・行政文書
○釜石市役所表札
 
②鉄道コーナー
○昭和25年釜石線全線開通記念鳥瞰図(吉田初三郎画)
○山田線開通記念菓子鉢(昭和14年9月17日)
 
③一市四村合併コーナー
○唐丹村廃村記念鉄瓶、栗橋村廃村記念写真
○一市四村合併30周年記念手拭い
 
④三陸博コーナー
○三陸博記念灰皿・帽子・旗
○三陸博リアスくんの置物・マスコットリアスくん
 
⑤その他
○年表パネルA1 4枚
○解説パネルA1 4枚
○歴代市長の書籍・色紙・市民劇場パンフレット
○関係写真

問合せ先

釜石市郷土資料館 担当:栗澤・川畑
電話 0193-22-2046
e-mail k-kyoudo-s@s6.dion.ne.jp
ホームページ https://www.city.kamaishi.iwate.jp/mobile/kyoudo

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元気に駆け出す鵜住居幼稚園の園児。新園舎の完成を喜んだ

震災を知らない子ら駆け出す〜鵜住居幼稚園、待望の園舎 高台に完成

元気に駆け出す鵜住居幼稚園の園児。新園舎の完成を喜んだ

元気に駆け出す鵜住居幼稚園の園児。新園舎の完成を喜んだ

 

 東日本大震災で全壊し、仮設園舎で保育を行ってきた釜石市立鵜住居幼稚園(磯田育子園長)の新園舎が鵜住居町の高台に完成し、10日、竣工(しゅんこう)式が行われた。園児や保護者、市関係者ら約60人が参加し、本園舎の完成を喜んだ。

 

 式では、野田武則市長が「震災の教訓を生かし、二度と悲劇を起こさないよう園舎を高台に建設。命を大切にしながら、将来のまちを担う子どもたちの人材育成に貢献してほしい。子どもたちの健やかな成長を地域と共に見守っていきたい」とあいさつした。

 

 園児17人は園歌や「ちびっこ虎舞」を元気いっぱいに披露し、お祝いに花を添えた。木川田宝生(たお)ちゃん(4)は「きれいでうれしい。外で遊びたい」とにこにこ顔。早速、友達と真新しい園舎や園庭を駆け回り、歓声を響かせた。

 

 同園は今年3月、海が見える高台に完成した鵜住居小、釜石東中、鵜住居児童館と一体で整備された。新園舎は海抜18メートルにある小学校舎に隣接する敷地面積約5148平方メートルの土地に、延べ床面積約579平方メートルの木造平屋の建物、約900平方メートルの園庭を整備。主な施設は保育室3室、預かり保育室、遊戯室などを配した。保育室を園庭からの明るい日差しが届くように配置したほか、風通りを良くして快適に過ごせるよう配慮。床や壁仕上げにも木材を多用し、木のぬくもりを感じることができる温かみのある空間を完成させた。

 

木のぬくもりあふれる真新しい園舎で遊ぶ子どもたち

木のぬくもりあふれる真新しい園舎で遊ぶ子どもたち

 

 同園は1979年に創立し、鵜住居地区防災センターそばで運営してきたが、震災の津波で園舎が全壊。当時の園長を含め教諭4人が犠牲になっている。震災後は天神町にあった市立第一幼稚園で合同保育を行い、2013年は休園したが、14年から鵜住居町太田の仮設園舎で再開。15年6月から園舎建設工事をしてきた。総事業費は約3億1454万円。

 

 磯田園長は「子どもたちが安全に暮らせるのが一番。自分が住むまちを身近に感じられるような活動をしたい。震災を知らない子たちなので、小学校と連携して避難訓練の見学なども行っていければ」と話した。

 

 入園式は11日に行われ、9人が仲間入りした。

 

(復興釜石新聞 2017年4月15日発行 第580号より)

 

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少し大きめの学生服姿で写真に納まる新入生ら=釜石東中の入学式

新校舎で入学式〜釜石東中学校・唐丹中学校

 

 3月に新校舎が完成した釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)、唐丹中(千葉伸一校長、生徒35人)で6日、再建後初の入学式が行われた。春の日差しが暖かく降り注ぐなか、真新しい校門をくぐった新入生らは、希望に胸を膨らませて中学校生活をスタートさせた。

 

釜石東中学校

 

少し大きめの学生服姿で写真に納まる新入生ら=釜石東中の入学式

少し大きめの学生服姿で写真に納まる新入生ら=釜石東中の入学式

 

 釜石東中の新入生は32人。学びやへ続く約170段の階段を上って会場となる体育館に入った。

 

 佐々木校長は式辞で▽あいさつなど当たり前のことを当たり前にできるようにする▽合唱、ソーランなど東中の伝統文化に魂を入れて取り組む▽地域に貢献する学校にしよう―と呼び掛け。「中学生活は大人になるための大切な3年間。一日一日を有意義なものにし、仲間とともに切磋琢磨(せっさたくま)し成長し続けてほしい」とエールを送った。

 

 新入生を代表し、佐々木大地(りく)君は「これから始まる生活に不安もあるが、楽しみもいっぱい。多くのことを学び、吸収し成長したい。新しい校舎への初めての入学生として新しい伝統を築き上げる」と誓いの言葉を述べた。

 

 生徒会長の沼﨑壱君(3年)は「より良い学校をつくり上げよう」と激励。在校生は合唱で新入生を歓迎した。

 

 少し大きめの学生服を着た洞口優人君は中学生の自覚を実感し、部活動や震災を伝える活動に取り組む意欲を高めた。佐々木心響(しおん)さんは「まだ復興しなければいけないところも多いまちと一緒にいろんなことを頑張りたい」と新校舎での学校生活に期待を膨らませた。

 

 釜石東中は震災後、釜石中を間借りし、2012年4月から5年間を仮設校舎で過ごした。今年3月、復興するまちを見下ろせる高台に新校舎が完成。周辺で復興関連工事が続くため半数がスクールバスで通う。

 

唐丹中学校

 

1年生13人が中学校生活の目標や決意を発表した=唐丹中の入学式

1年生13人が中学校生活の目標や決意を発表した=唐丹中の入学式

 

 唐丹中の新入生は13人。入学を許可した千葉校長は「当たり前のことを当たり前にできる人間に。失敗を恐れず、校訓『不撓(ふとう)不屈』が示すように、新しいことに挑戦する意識を持ち続けてほしい」と式辞を述べた。

 

 生徒会長の上村海斗君(3年)は「生徒は少ないが、伝統を受け継いでいる。心と体を鍛え、自分に厳しく、何事にも一生懸命取り組んでほしい。私たちが応援する」と歓迎した。

 

 1年生全員が壇上に並び、色紙に書いた中学校生活への期待や決意を発表。勉強、3つの運動部(野球、バドミントン、卓球)での活躍を誓い、全員で校歌を斉唱した。

 

 新1年生は東日本大震災直後の2011年4月、小学校に入学した。校舎が津波で全壊した唐丹小は、平田小を仮校舎に授業を開始、入学式も平田小で行った。1年生3学期の12年1月、中学校と併設の仮設校舎に移転し、5年近く。やっと完成した本設の新校舎で約3週間を過ごし、卒業した。

 

 来賓として入学式に臨んだ任意団体「EEC唐丹希望基金」の高舘千枝子代表(66)は震災直後から、全国の仲間と唐丹の教育、住民生活の支援を続けている。11年4月、平田小での入学式にも参加した。「初めて唐丹、平田を訪れた。雨でした。みなさんの表情は沈み、厳しく、『おめでとう』という言葉をはばかりました。1年生はかわいかったですが…。(6年後の)きょうは、心からおめでとうと言えます」と、成長した中学1年生を頼もしげに見やった。

 

(復興釜石新聞 2017年4月8日発行 第578号より)

 

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新しい児童館の完成を喜ぶ子どもたち

鵜住居小、新校舎に「児童館」〜仮設(コンテナハウス)から本設へ

新校舎の一角に整備された鵜住居児童館

新校舎の一角に整備された鵜住居児童館

 

 釜石市鵜住居町の高台に建設された鵜住居小の新校舎内に3月27日、鵜住居児童館が開所し、利用する児童や関係者らが完成を祝った。

 

 施設は校舎1階東側の一角に整備。広さ323平方メートルのスペースに、遊戯室、創作活動室、図書室、相談室、トイレなどを配置した。窓が大きく設けられ明るいのが特徴。木のぬくもりも感じられる造りになっている。

 

 開所式では野田武則市長ら関係者5人がテープカットし、完成を喜んだ。野田市長は「学校で学び、児童館で友達と交流を深めてほしい」とあいさつ。同校の村上清校長は「ぴかぴかの施設に負けないよう、ぴかぴか明るく元気に過ごしてほしい」と願った。

 

 同児童館は震災後、上中島町の企業が提供したスペースを臨時児童館として1年間利用。2012年3月からは鵜住居町の同校仮設校舎敷地内に、財団法人児童健全育成推進財団の支援により設置されたコンテナハウスを仮設児童館として使ってきた。太田忠館長は「震災から6年目で本設の児童館が完成。ここまでの間に多くの温かい応援があったことを忘れないでほしい。感謝し、大事に使いましょう」と児童に呼び掛けた。

 

新しい児童館の完成を喜ぶ子どもたち

新しい児童館の完成を喜ぶ子どもたち

 

 二本松柚君(5年)は「今日は僕たちの初めの一歩の日。高い所にあり、安心して過ごせると思うので、うれしい。4月からは最高学年として下級生の面倒を見たり、新しく入ってくる1年生に児童館の楽しさを伝えていきたい。勉強、スポーツなどいろいろなことにも挑戦していきたい」と新しい生活に期待を膨らませた。

 

 釜石市内の児童館は市社会福祉協議会が市の委託で4館、7施設を運営している。鵜住居の登録児童は現在50人で、4月以降若干増加する見込み。児童厚生員は3人を配置した。

 

 この日から通常の学童保育が始まり、式後には子どもたちが思い思いに新施設の感触を楽しんだ。市社協の丸木久忠会長は「広くて大きいし、明るくきれいで良かったね。遊びも勉強も思いっ切り頑張って」と児童を激励していた。

 

(復興釜石新聞 2017年4月1日発行 第576号より)

 

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新校舎の外観。左側に入る中学校と右側の小学校を中央の階段棟がつなぐ

釜石東中・鵜住居小、待望の新校舎公開〜高台から一望、復興のシンボルに

待ちに待った校舎の見学に訪れた大勢の地域住民。明るく広々とした教室に新生活への期待を膨らませた

待ちに待った校舎の見学に訪れた大勢の地域住民。明るく広々とした教室に新生活への期待を膨らませた

 

生徒・児童 仮設で6年 やっと本設へ

 

 東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市の釜石東中と鵜住居小の新校舎、鵜住居幼稚園の新園舎が鵜住居町の高台にほぼ完成。4月からの授業開始を前に18日、地域住民に公開された。震災後、市内の小・中学校の間借り、仮設校舎での授業を続けて6年、やっと本設の校舎へ移る。高台から鵜住居の町並みを一望する校舎は、災害時の避難場所としての機能も併せ持ち、地域に開かれた復興のシンボルになるものと期待も大きい。引っ越し作業は23、24日に行われた。

 

子どもたちが登下校する姿を見てもらおうと作られた大階段

子どもたちが登下校する姿を見てもらおうと作られた大階段

 

 旧鵜住居駅近くにある山を切り崩し、海抜15~26メートルの位置に造成した約7万7千平方メートルの敷地に、鉄骨4階建て校舎や体育館、プール棟、木造平屋の園舎などを整備。緊急時の避難所になることから、炊き出しができるよう体育館のそばに調理室を配置したほか、食糧や毛布を収納する防災備蓄庫も設置。敷地のり面には8カ所の避難階段も設けた。造成工事を含めた事業費は約90億円。外構工事が残っているが、4月までに完成する予定だ。

 

 新校舎の公開には地域住民ら約350人が訪れ、木のぬくもりや開放感のある校舎を「きれい」「すごい」と喜びの声を上げながら見て回った。「自分の教室に行きたい」と駆け出す子どもたちは、大きな窓の明るい教室やカラフルなテーブルといすが置かれた広い廊下などに、にこにこ顔。「迷路だ。広すぎて迷う」と戸惑いも見えた大人たちだったが、校舎に響く子どもたちの声に「いいね」と笑顔が広がった。

 

白を基調とした空間にたくさんの本棚、カラフルないすが並んだ図書室

白を基調とした空間にたくさんの本棚、カラフルないすが並んだ図書室

 

 小笠原羽美佳さん(釜石東中1年)は「鉄骨がむき出しのままなのが面白い。広いし、海も見えてきれい」と喜んだ。町内の仮設住宅からスクールバスで仮設校舎に通っていたが、4月からは徒歩に。この日も歩いてきて疲れたというが、新しい生活が楽しみなようで「ま、いいか」と笑った。

 

 前川亜希さん(鵜住居小5年)は「たくさん勉強する」と待ち遠しそう。祖父母の公二さん(67)、みえ子さん(64)は「これまで狭い所で生活してきたので楽しんでほしい。広い校庭や体育館で運動不足の解消にもなる」と見守った。

 

新校舎の外観。左側に入る中学校と右側の小学校を中央の階段棟がつなぐ

新校舎の外観。左側に入る中学校と右側の小学校を中央の階段棟がつなぐ

 

 仮設校舎での卒業式を終えたばかりの櫻井ことみさん(釜石東中3年)、洞口留伊さん(同)は「仮設校舎には愛着があるが壊されてしまうので、やっぱり残る方で生活したかったとも思う。(後輩たちには)大切に使ってほしい」と願った。

 

 栗林町の仮設住宅で暮らす館鼻春雄さん(64)は仕事帰り、学校建設工事の明かりに安心感をもらってきたという。「立派過ぎなくらい。津波も大丈夫でしょうね。完成は、まちの活気にもなる」と話す一方、自宅の再建は土地の引き渡しが延びるなど、いまだめどが立たない状況。「早く戻りたい」との気持ちが強く、復興住宅の入居申し込みをすればよかったかと頭をよぎることもあると話した。

 

 目の前にある復興住宅に入居する釜石フクさん(82)、駒林トシ子さん(73)は「学校に行く子どもの元気な姿が楽しみだね」と顔を見合わせて笑った。

 

(復興釜石新聞 2017年3月25日発行 第574号より)

 

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通算5年間を過ごした仮設校舎から巣立った釜石東中卒業生

釜石東中、仮設校舎で最後の卒業式〜唐丹小中とともに4月から新校舎へ

通算5年間を過ごした仮設校舎から巣立った釜石東中卒業生

通算5年間を過ごした仮設校舎から巣立った釜石東中卒業生

 

 東日本大震災の津波で校舎が全壊した釜石東中(佐々木賢治校長)で15日、プレハブの仮設校舎で最後となる卒業式が行われた。今月中に新校舎が完成し、4月から授業を始める。

 

 卒業生47人(男子28人、女子19人)を前に佐々木校長は、学校行事や岩手国体の応援などで中心となった健闘をたたえ、「信頼される人間を目指し学び続けてほしい」と式辞。

 

 伊藤千尋さん(2年)の送辞に、卒業生代表の佐々木千芽さん(14)は「多くの支援、教えに感謝する気持ちを行動で示していく。在校生は新校舎でがんばってほしい」と答辞。在校生と合唱で歌声を交換し、学びやに別れを告げた。

 

 卒業生の大半は、震災時には鵜住居小の3年生。校舎3階まで押し寄せた大津波にも、校内にいた児童は避難して全員無事だった。1カ月後の新年度は、高学年が小佐野小、4年生以下は双葉小を間借りして授業を再開。小中同居の仮設校舎に移ったのは12年2月(小)と4月(中)。中学生の全期間を含む5年間を過ごした。

 

 学区内の被災地域では住宅再建が動き始めたが、新校舎への通学はしばらくバスに頼る。

 

 釜石市内の中学校5校では15日までに卒業式が行われ、合わせて280人が9年間の義務教育を修了した。小学校9校では18日までに240人が卒業。それぞれ新しい生活に向け巣立った。

 

 校舎が再建された唐丹小・中、鵜住居小・釜石東中では4月に新校舎の完成記念式典が予定される。

 

(復興釜石新聞 2017年3月18日発行 第572号より)

 

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日比野克彦さん(前列左から3人目)や応援者らに囲まれ、笑顔を見せる寺崎幸季さん(中央)

新たな一歩へ仲間がエール、寺崎さん(釜石高)まちづくり模索し進学〜マグネットぬりえプロジェクト

日比野克彦さん(前列左から3人目)や応援者らに囲まれ、笑顔を見せる寺崎幸季さん(中央)

日比野克彦さん(前列左から3人目)や応援者らに囲まれ、笑顔を見せる寺崎幸季さん(中央)

 

 仮設住宅などの外壁を、ハートマークをあしらったカラフルなマグネット飾りで彩る「マグネットぬりえプロジェクト」。発案した釜石高3年の寺崎幸季さん(18)が今春、進学のため釜石を離れることから、これまでの活動を振り返る報告会が釜石市大町の釜石情報交流センターで開かれた。同プロジェクトに協力してきたアーティストの日比野克彦さん、市内の”寺崎応援団”も駆け付け、新たな歩みを進める寺崎さんにエールを送った。

 

 寺崎さんは2015年秋から日比野さんと仮設住宅の壁を、ハート模様のマグネットで飾る活動を展開。「仮設」を「家」と呼べる雰囲気を作り、愛着を持って暮らしてほしい―との思いに共感した有志からマグネットが寄せられるという全国的な取り組みに広がり、飾りは6千枚を超えた。

 

 仮設住宅の集約が始まり、役目を終えた飾りは市内を飛び出し、熊本地震の被災地でも活用。”まちを彩る”版として、同センターに隣接する釜石市民ホール建設工事の防護壁にも利用されている。

 

 報告会には約20人が参加。寺崎さんは協力者に感謝を伝え、「釜石のことを知り、気に掛けてくれる人が増えたことが何よりうれしい」と喜んだ。慶応大に進み、まちづくりを学ぶといい、「活動を通してあんなに嫌いだった釜石が大好きになった。外から釜石を客観視する機会をもらったので、この6年で見てきたものを見つめ直し、釜石で必要とされる新しい形を持って戻ってくる」と意気込みを話した。

 

 日比野さんは「寺崎さんは大災害に立ち向かい、アートという形で自分を表現した。一つの文化が生まれる現場に立ち会えた」とたたえた。寺崎さんの思いをくみ取り、活動を支えてきた三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤聡代表理事も「若い世代が育っていることを心からうれしく思う。どんどんのし上がって」と激励した。

 

 同センターラウンジでは20日まで、同プロジェクトの活動を紹介するパネルや写真を展示。マグネットを寄せた全国の人たちのメッセージも紹介している。

 

(復興釜石新聞 2017年3月15日発行 第571号より)

 

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