音楽一家 辻ファミリーが釜石へ、TETTOで祝意の熱演〜復興支援コンサート、全国の歌う仲間のエール届ける


2018/06/14
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

「水のいのち」を演奏する混声部門の合唱講習会参加者

「水のいのち」を演奏する混声部門の合唱講習会参加者

 

 音楽一家として全国的に知られる「辻ファミリー」を釜石に迎えた復興支援コンサート「歌おう!共に!㏌かまいし」は2日、釜石市民ホールTETTOで開かれた。県内外から合唱愛好者ら約160人が参加。丁寧なコーラス指導やコンサートでの熱演を通じ、釜石の復興に心から応援する辻ファミリーの思いを受け取った。

 

 釜石市合唱協会(菊池征毅会長)が組織する実行委員会が主催。テノール歌手で全日本合唱指揮者協会副理事長の辻秀幸さん、佐竹由美さん(ソプラノ歌手)夫妻、秀幸さんの弟でテノール歌手・指揮者の辻裕久さん、なかにしあかねさん(作曲家・ピアニスト)夫妻が来演した。

 

 午前中は混声、女声のパート別で合唱講習に取り組んだ。混声部門は釜石とゆかりのある作曲家、髙田三郎の「水のいのち」を題材に秀幸さんが指導。女声部門は、なかにしさんが作曲した「悲しみの意味」を祐久さんが指揮。なかにしさん自らピアノ伴奏を担当し、曲に込めた思いを伝えた。

 

 コンサートの前半で、講習参加者が成果を披露。このあと辻ファミリーが独唱やデュエット、コミカルな動きを加えたオペラなど多彩なプログラムで観客を楽しませた。市民ホール完成への祝意を込め、即興で「tetto tetto」のフレーズを加えた曲も。遊び心たっぷりの粋なサービスが、客席を埋めた市民を喜ばせた。

 

市民ホール完成に祝意の歌声を届ける辻ファミリー

市民ホール完成に祝意の歌声を届ける辻ファミリー

 

 辻ファミリーは東日本大震災後、盛岡市、大船渡市、宮古市でそれぞれ復興支援の合唱講習会・コンサートを開催。市民ホールの完成を待って、釜石で実現した。

 

 コンサートは、震災で被災した地域の合唱活動に特化して支援する一般社団法人Harmony for JAPANが支援。“舞台回し”を担ったなかにしさんは「壁がウエーブした感じの新ホールは、響きがとてもすばらしい」と好感を示した上で、「コンサートを通じて全国の歌う仲間の支えを感じてもらえれば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)

 

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