タグ別アーカイブ: 文化・教育

釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

鵜住居「お盆野球」復活を絵本に、浜のたくましさを生き生きと〜大人の姿を子どもの視点で、児童文学作家の指田和さん

釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

釜石を舞台にした3冊目の絵本「ぼんやきゅう」を手にする指田和さん

 

 東日本大震災で被災した釜石市鵜住居町で昨夏、7年ぶりに復活した「お盆野球」を題材にした絵本「ぼんやきゅう」(ポプラ社)が出版された。制作を企画し、文も担当した児童文学作家の指田和さん(50)=埼玉県鴻巣市=は「被災して大変な中でも日常には笑いがあり、浜のたくましさを表現したかった。野球に一生懸命で子どものように無邪気なおじちゃんたちの奮闘記です」と話す。

 

 指田さんは6日、市教育委員会を訪れ、絵本の出版を報告。20冊を寄贈することにしており、「たくさんの人に見てほしい」と思いを託した。

 

 鵜住居地区では戦後、地域のお盆恒例行事として「水野旗争奪お盆野球大会」が続いてきた。同大会は地元の開業医、水野勇さんが、戦後の荒廃した若者の生活態度に心を痛め、地区対抗の野球大会を提案したのが始まり。1948年に第1回大会が開かれ、55年に水野さんが寄贈した優勝旗が今に受け継がれる。

 

 お盆中に行われることで帰省者らも多く参加し、旧交を深め合う場になっていたが、震災の影響で大会休止を余儀なくされた。「伝統ある大会をなくしてはならない」「地域コミュニティー再生にも大会は必要」。地元への愛着と復興への思いから、大人たちが大会復活に向け動き出した。

 

 2017年8月15日、高台に再建された釜石東中グラウンドで、震災後初の大会が実現した。64回目となった大会には中学生チームを含め6チームが参加。復興に向かう地域に野球仲間の歓声が7年ぶりに響き渡った。

 

 絵本は、震災後途絶えていた盆野球の復活に情熱を燃やす大人たちの姿を子どもの視点で描いた。指田さんは市内の地域おこし活動を通じて親交のあった鵜住居地区主任児童委員の市川淳子さん(54)=箱崎町=から盆野球の存在を教えられ、「おもしろい」と絵本作りを企画。2016年夏から約1年半かけて取材し、大会の歴史や住民の思い、7年ぶりに開かれた大会の盛り上がりを伝える絵本に仕上げた。絵は絵本作家の長谷川義史さんがユーモアあふれる独特のタッチで描いた。

 

 これまでにも震災後の釜石を舞台に絵本2冊を出版している指田さん。「絵本を通じて釜石の文化の発信ができたらいいな。地域の一員として、一緒に笑って泣きながらこれからも本を作りたい」と話した。

 

 絵本はB4変形判、40ページ。全国の書店で販売(1404円、税込み)している。

 

(復興釜石新聞 2018年7月11日発行 第705号より)

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釜石市民体育館の完成イメージ図

新たなスポーツ拠点に〜釜石市民体育館、鵜住居で着工

釜石市民体育館の完成イメージ図

釜石市民体育館の完成イメージ図

 

 東日本大震災で被災し、釜石市が再整備を進める市民体育館の建設工事安全祈願祭が6月29日、鵜住居町の現地で行われた。鵜住居地区のまちなか再生に向けた中核施設の一つ。来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として同地区に建設が進むスタジアムとともに、新たなスポーツ拠点となる。来年7月末の完成を目指し、使用開始はW杯終了後の12月ごろを見込む。

 

 桜木町にあった同体育館は震災の地震で天井を支える鉄骨部分が壊れるなど被害を受けたのに加え、旧耐震基準で建てられていたこともあり、2013年に解体され、鵜住居地区での再整備に向けた準備が進められていた。

 

 新しい体育館はJRから三陸鉄道に移管される鵜住居駅西側の敷地約6700平方メートルに建設される。鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約3510平方メートル。観客席は車いす用6席を含む776席を設ける。多機能トイレやエレベーター、赤ちゃん休憩室を備えるなどバリアフリーに配慮。タカヤ・山長建設特定共同企業体が施工する。

 

 事業費は約21億円。災害復旧費補助金や震災特別交付税でほぼ賄う。

 

建設予定地の全景

建設予定地の全景

 

 安全祈願祭には関係者約40人が出席。神事を行った後、野田武則市長が「鵜住居駅周辺は大きく様変わりする。スポーツの拠点として、市民の期待に応えられる場所にしたい」とあいさつした。

 

 同駅周辺には震災犠牲者の慰霊・追悼の場となる「祈りのパーク」や津波伝承施設などが整備中。商業施設の建設も計画されており、中心市街地の再生が進められている。

 

(復興釜石新聞 2018年7月4日発行 第703号より)

 

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ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座開催のお知らせ

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座

 

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座開催!

この夏、「ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座」を開催いたします。
このイベントは、来年に迫ったラグビーワールドカップが開催される12都市が会場となり、ここ釜石市は8月1日(水)開催となります。

 

主催は全国外大連合(関西外国語大学、神田外語大学、京都外国語大学、神戸市外国語大学、東京外国語大学、長崎外国語大学、名古屋外国語大学)、共催は公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会。

 

この講座の特徴は、二つの柱を持っていることです。
その一つが、「ラグビーの楽しみ方」「ラグビーワールドカップ理解」「ラグビー基礎知識講座」といったラグビーを一層身近なものに感じられるような講座です。

 

そして二つ目が、【おもてなし】をキーワードにした講座です。
おもてなし?なぜ、おもてなし?

 

答えはこうです。 来日する海外選手や観光客との異文化交流、国際交流を図るには、英語などの外国語でのコミュニケーションが求められます。そのような光景には、きっと真心が添えられます。真心で対応する、もてなしの心を忘れない。「おもてなし」の心は欠かせないということなのです。

 

そこで、「おもてなしの英語」「緊急時の英語対応」「世界の英語」「ネイティブから学ぶ英会話のコツ」といった講座も設けます。それだけではなく、ラグビーワールドカップ出場チームにちなんだ「ゼロから学ぶ人のためのフランス語入門」という英語以外の言語も学べるようになっています。

 

ラグビーと外国語、ぜひこの二つを体感しに来てください。

 

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座チラシ

ラグビーワールドカップ2019™国際交流入門講座チラシ

ファイル形式: PDFファイル
データ容量: 2MB
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日時

2018年8月1日(水) 9:30〜17:00

会場

釜石市民ホールTETTO

入場料

無料

対象

中学生・高校生・一般の方

プログラム

9:30〜9:45 オープニング挨拶
9:45〜10:45 ラグビー基礎知識講座
10:45〜11:15 英語でのアイスブレイキング・アクティビティ
11:30〜12:20 コース別講義(1)
12:20〜13:10 ランチタイム
13:10〜14:00 コース別講義(2)
14:10〜15:00 コース別講義(3)
15:10〜16:00 コース別講義(4)
16:10〜16:25 クロージング
16:25〜17:00 懇親会・修了証発行

お問い合わせ先

講座事務局(神田外語大学)
〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉1-4-1
TEL. 090-1126-5324 (10時~17時 ※土・日・祝・休校日を除く)
MAIL. event@kandagaigo.ac.jp
URL. https://www.kandagaigo.ac.jp/s_summer/

主催

全国外大連合(関西外国語大学、神田外語大学、京都外国語大学、神戸市外国語大学、東京外国語大学、長崎外国語大学、名古屋外国語大学)
 
共催:公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会、釜石市、釜石市教育委員会
後援:岩手県、岩手県教育委員会、スポーツ庁、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会

 

全国外大連合

全国外大連合(講座事務局:神田外語大学)

問い合わせ: TEL 090-1126-5324 (10時~17時 ※土・日・祝・休校日を除く) / Mail event@kandagaigo.ac.jp / 公式サイト

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原綾香さんと歌声重ねる、復興スタジアム 8月19日に共演へ〜釜石東中をサプライズ訪問

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

 

 代表曲「ジュピター」などで知られる歌手の平原綾香さん(34)が27日、釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)を訪れ、生徒らと交流。同校で歌い継いでいる合唱曲「いつかこの海をこえて」などで歌声を重ねた。平原さんは、来年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」で8月19日に行われるオープニングイベントに応援ゲストとして出演。「ジュピター」を披露するのに加え、同校生徒たちと一緒に「いつか~」を合唱することが決まった。

 

 震災後、コンサートなどで復興支援を続けてきた平原さん。日本代表戦で国歌斉唱を務めるなどラグビーとの縁もあり、8月の同スタジアムオープニングイベントへの出演が決まっている。そんな中、W杯釜石開催のPR映像の中で流れる「いつか~」を耳にし、歌に込められた思いやの曲づくりの背景を知り、「一緒に歌いたい」と希望。「復興に向けて歩む姿や音楽のすばらしさを届けるステージを一緒に作ろう」と思いを伝えるため、来釜した。

 

 期末テスト期間中だったが、体育館に全校生徒が集合。3年生(47人)が練習を重ねてきた「ジュピター」を歌い始めると、平原さんがサプライズで登場した。平原さんが生「ジュピター」を披露すると、生徒らは表現力や声量、歌唱力に感激。少し緊張気味に「いつか~」で声を合わせた。

 

 生徒たちの歌声を聴いた平原さんは「まっすぐ素直なきれいな歌声。天使に見えた」と評価。互いに練習を重ねることを約束し、「みんなの十八番(おはこ)、自信を持って。本番、お願いします」と呼び掛けた。

 

 小笠原羽美佳(うみか)さん(3年)は「(平原さんは)空気が振動するような、響き渡る歌声だった。本番は合唱の完成度を高めて歌いたい」と気合十分。高清水享妥(きょうた)君(同)は「いつか~」を校歌と同じくらい大切にしているといい、「震災があった時に先輩が思いを伝えようと作った曲。思いを受け継いで歌わなければ。平原さんとしっかり合わせられるよう練習したい。8・19が楽しみ」と声を弾ませた。

 

 「いつか~」は、震災を経験した同校生徒が考えた復興への思いをもとに作られた曲。歌詞の歌い出しをつなげると「鵜住居で生きる、夢抱いて生きる」とのメッセージが浮かび上がる。

 

 平原さんは2番の歌詞にある「いつの日もそばにいる/たとえ離れていても」が心に強く響いているという。「生きている人が天に向かい亡くなった人を思う、天国からは亡くなった人が見守っているよと呼び掛けているように感じ、胸が熱くなる」。震災被災地で活動を続ける中で出会った人たちの思いに寄り添えるようなこの歌詞に、「思いをのせたい」と本番へ気持ちを高める。

 

 津波で破壊された同校旧校舎の跡地に建設されるスタジアムについて「地域の希望の光で夢の集まる場所だが、夢をかなえる場所であってほしい。震災を忘れない場所にもなると思う。いろんな思いが世界中に届くようお手伝いしたい」と話した。

 

 同スタジアムのイベントには平原さんのほか、ダンス・ボーカルグループEXILE(エグザイル)のUSAさん、TETSUYAさんも応援ゲストとして出演することになっており、同校生徒と一緒にダンスを披露する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月30日発行 第702号より)

関連情報 by 縁とらんす

 

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浅葉克己さん(前列中央左)と佐藤可士和さん(同右)を囲んで記念撮影する市民ら

釜石の魅力 アートで発信〜デザイン界をけん引する浅葉克己さん・佐藤可士和さん、「夢」を描く高校生にアドバイス

浅葉克己さん(前列中央左)と佐藤可士和さん(同右)を囲んで記念撮影する市民ら

浅葉克己さん(前列中央左)と佐藤可士和さん(同右)を囲んで記念撮影する市民ら

 

 日本のデザイン界をけん引するアートディレクターの浅葉克己さん(78)、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さん(53)による「ふるさとポスター教室」が23日、釜石市大町の情報交流センター・釜石PITで開かれた。2人は地元高校生らが描いた釜石の魅力を発信するポスターを講評したほか、それぞれが手がける仕事などについて語り、多くの人々に影響力を与える創作の魅力を伝えた。

 

 同教室は、一般社団法人チームスマイル(東京都渋谷区)が行う東日本大震災復興支援活動「“わたしの夢”応援プロジェクト」の一環で企画。釜石市内の高校や一般から事前に公募した作品を浅葉さんと佐藤さんが講評する貴重な機会が設けられた。

 

 ポスター作品はB3版、「釜石の魅力を市外に訴求する」「“釜石”の文字を使い、自由なキャッチコピーを考案して盛り込む」などの条件で募集。釜石高から15点、釜石商工高から10点、一般から3点の作品が寄せられ、2人が全28点について出品者を前に講評やアドバイスを行った。

 

 銀賞、金賞として各14点を選出。金賞作品は、一般客も入れた会場内で公開講評が行われた。出品者が作成意図を説明。各作品には虎舞、釜石大観音、SL銀河、サケやアユ、ハマユリなど、釜石を代表するさまざまなモチーフが描かれ、独創的なロゴデザインとともに個々の感性が光った。2人は作者の視点や構図、デザイン性、色使いなどについてコメント。金賞作品の中からグランプリなど3点を選んだ。

 

 「グランプリ」に輝いたのは、釜石高2年の髙木悠さんの作品。海や山の自然、大漁旗がはためく船、ラグビー、食など数多くの釜石の自慢を、波をイメージした「かまいし」のロゴと合わせ、バランス良い構図で仕上げた。浅葉さんは「すごく丁寧で絵がうまい」と絶賛。佐藤さんは見応えのある完成度の高さを示し、「アイデアがあっても表現し切れなければ思いは伝わらない。やり切ると自分の考えもまとまり、人前できちんとコンセプトを説明できるようになる。これはどんな仕事でも大事なこと」と話した。

 

 髙木さんは「夢のお2人から評価され、自信がついた。とてもうれしい。自分自身も釜石の魅力を再発見できた。将来はグラフィックデザイナーになりたい」と希望を膨らませた。

 

「グランプリ」を受賞した髙木悠さん(釜石高2年)の作品

「グランプリ」を受賞した髙木悠さん(釜石高2年)の作品

 

 「浅葉克己賞」を受賞した釜石商工高2年の藤井隆稀君は、全応募者の中で唯一、モノクロ作品を出品。大観音をバックにそびえ立つガントリークレーン、世界遺産の橋野鉄鉱山・高炉跡などを黒の濃淡で描いた。「まだ実感がない」と受賞の驚きにとまどう藤井君。「得意分野で勝負しようと思い、鉛筆画にした。講評で指導されたように、今後は苦手な“色”にも挑戦し、作品の幅を広げたい」と意欲を見せた。

 

「浅葉克己賞」を受賞した藤井隆稀君

「浅葉克己賞」を受賞した藤井隆稀君(釜石商工高2年)の作品

 

 「佐藤可士和賞」は曳(ひ)き船まつりの虎舞を題材にした釜石商工高3年の會田紫月さんが受賞。虎頭が海上から見上げる構図の迫力や独自の視点で捉えた顔のフォルム、全体の色構成などデザイン的に上手にまとめられている点が評価された。

 

「佐藤可士和賞」を受賞した會田紫月さん(釜石商工高3年)の作品

「佐藤可士和賞」を受賞した會田紫月さん(釜石商工高3年)の作品

 

 浅葉さんは有名企業の広告作品を数多く手がけ、紫綬褒章なども受章。津波で大きな被害を受けた鵜住居町根浜海岸に建立された「津波記憶石」のデザインも行った。佐藤さんは衣料ブランドやコンビニ、美術館などのロゴデザインに加え、幼稚園や地方の特産品のトータルデザインも行い、国内外に活躍の場を広げる。この日は2人のトークショーもあり、約80人が楽しんだ。

 

 各界の著名人が東北被災地の子どもたちや若者の夢を応援する同プロジェクトは今回で15回目。釜石では2016年の布袋寅泰さん、川淵三郎さん、17年の倍賞千恵子さん、熊本マリさんに続き5回目のイベント開催となった。

 

(復興釜石新聞 2018年6月27日発行 第701号より)

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「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録3周年記念事業in鉄歴 橋野鉄鉱山を知ろう!

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録3周年記念事業in鉄歴 橋野鉄鉱山を知ろう!

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録3周年記念事業in鉄歴 橋野鉄鉱山を知ろう!

 

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録3周年記念事業 in 鉄歴

 

特別企画展 近代製鉄発祥の地 橋野鉄鉱山を知ろう!

 

平成30年7月8日は、国内では19番目、県内では平泉の文化遺産に続いて2番目の世界遺産である橋野鉄鉱山を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産一覧表に登録された日です。今回、世界遺産登録3周年を記念して、特別企画展を開催します。

 

展示内容

橋野鉄鉱山の世界遺産登録までの経緯や発掘調査資料などを展示

期間

平成30年7月4日(水)~16日(月・祝)

場所

釜石市立 鉄の歴史館 2階 会議室

問い合わせ

鉄の歴史館 ☎0193-24-2211

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 産業振興部 世界遺産課
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-8846 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/kanko/detail/1219695_2430.html
釜石市

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「水のいのち」を演奏する混声部門の合唱講習会参加者

音楽一家 辻ファミリーが釜石へ、TETTOで祝意の熱演〜復興支援コンサート、全国の歌う仲間のエール届ける

「水のいのち」を演奏する混声部門の合唱講習会参加者

「水のいのち」を演奏する混声部門の合唱講習会参加者

 

 音楽一家として全国的に知られる「辻ファミリー」を釜石に迎えた復興支援コンサート「歌おう!共に!㏌かまいし」は2日、釜石市民ホールTETTOで開かれた。県内外から合唱愛好者ら約160人が参加。丁寧なコーラス指導やコンサートでの熱演を通じ、釜石の復興に心から応援する辻ファミリーの思いを受け取った。

 

 釜石市合唱協会(菊池征毅会長)が組織する実行委員会が主催。テノール歌手で全日本合唱指揮者協会副理事長の辻秀幸さん、佐竹由美さん(ソプラノ歌手)夫妻、秀幸さんの弟でテノール歌手・指揮者の辻裕久さん、なかにしあかねさん(作曲家・ピアニスト)夫妻が来演した。

 

 午前中は混声、女声のパート別で合唱講習に取り組んだ。混声部門は釜石とゆかりのある作曲家、髙田三郎の「水のいのち」を題材に秀幸さんが指導。女声部門は、なかにしさんが作曲した「悲しみの意味」を祐久さんが指揮。なかにしさん自らピアノ伴奏を担当し、曲に込めた思いを伝えた。

 

 コンサートの前半で、講習参加者が成果を披露。このあと辻ファミリーが独唱やデュエット、コミカルな動きを加えたオペラなど多彩なプログラムで観客を楽しませた。市民ホール完成への祝意を込め、即興で「tetto tetto」のフレーズを加えた曲も。遊び心たっぷりの粋なサービスが、客席を埋めた市民を喜ばせた。

 

市民ホール完成に祝意の歌声を届ける辻ファミリー

市民ホール完成に祝意の歌声を届ける辻ファミリー

 

 辻ファミリーは東日本大震災後、盛岡市、大船渡市、宮古市でそれぞれ復興支援の合唱講習会・コンサートを開催。市民ホールの完成を待って、釜石で実現した。

 

 コンサートは、震災で被災した地域の合唱活動に特化して支援する一般社団法人Harmony for JAPANが支援。“舞台回し”を担ったなかにしさんは「壁がウエーブした感じの新ホールは、響きがとてもすばらしい」と好感を示した上で、「コンサートを通じて全国の歌う仲間の支えを感じてもらえれば」と願った。

 

(復興釜石新聞 2018年6月9日発行 第696号より)

 

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親子は珍しさを満喫、高齢者は懐かしさと共に田植え

世代間交流促す田植え体験、唐丹・平田・釜石公民館が合同で〜豊作に期待ふくらませ、子どもら60人参加

親子は珍しさを満喫、高齢者は懐かしさと共に田植え

親子は珍しさを満喫、高齢者は懐かしさと共に田植え

 

 唐丹、平田、釜石の釜石市内3公民館合同の田植え体験会は27日、唐丹町川目の水田で行われた。地元住民や市内の子どもら60人が参加。初夏を思わせる、さわやかな好天の下、素足の子どもらが家族とともに田植えを楽しんだ。

 

 地域の農家が広さ約450平方メートルの休耕田を体験のために提供。世代間交流を狙いとする唐丹公民館の「とうに寺子屋教室」に2公民館が応援、広域的な事業とした。JAいわて花巻釜石支店も農業をアピールするとともに、若手職員の農業体験、地域との交流を図る機会として参加させ、苗(いわてっこ)や昼食を提供。唐丹町の営農組合、農家組合は田の整備、土づくりなどの準備、当日の実技指導で協力した。

 

 片岸川沿いの田んぼに約30人が横一列に並び、目印の付いたロープを追う形で苗を植えた。素足の子どもは微妙な泥の感触に笑顔を弾けさせ、大人やお年寄りは長靴の“抜き差し”に四苦八苦した。

 

 去年の体験会にも参加したという川原悠翔君(唐丹小5年)は「うまく植えられたと思う。イネがしっかり育つといい。刈り取りもしたい。田んぼの中はムニョムニョして変な感じだったけど、楽しかった」と満足そう。

 

 地元で生まれた木村ヨミ子さん(78)は「田植えは60年ぶりですが、体が覚えていた。昔は田植えすると、田の神様の祝いだといって、アズキ入りの大きな大きなおにぎりを持たされた。秋には、植えた米の味見をしたい」と語った。

 

 この日の「田の神様の祝い」はノリおにぎり、お茶と、地元の農協女性部員らが作り慣れた豚汁。参加者は水田周辺の草地や川の土手に腰を下ろし、“遠足気分”で昼食を味わった。

 

 今後、公民館職員や地元農家が水田を管理し、子どもは水田と周辺の生物観察、稲刈りを行う。唐丹公民館は秋に、参加者による収穫祭も計画する。農協職員は「このブランド米は早生、耐冷、多収穫種。もし豊作なら、社会福祉活動に分けてもらえるかもしれない」と期待する。

 

(復興釜石新聞 2018年5月30日発行 第693号より)

 

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やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

ミドル級王者 世界の村田選手、約束の再訪〜鵜住居小児童と交流、ベルト披露 挑戦する大切さを伝える

やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

 

 初防衛を果たしたばかりの世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者で2012年ロンドン五輪金メダルの村田諒太選手(32)=帝拳=が23日、鵜住居小(中軽米利夫校長、児童138人)を訪れ、運動会の練習をしていた児童と交流。光り輝くチャンピオンベルトを披露し、子どもたちに諦めずに挑戦する大切さを伝えた。

 

 村田選手は奈良市出身。中学生でボクシングに出会い、高校、大学と国内トップの座を占めた。東洋大在学中の04年に全日本選手権で初優勝。08年に同大に就職し、選手活動を継続。全日本選手権で09年から3連覇を達成。円熟ぶりはロンドン五輪の金メダルで証明された。

 

 13年にプロに転向し、17年10月に世界王座を獲得。五輪金メダルとプロの世界王座獲得という、国内史上初の快挙を果たした。今年4月、初防衛に成功。日本選手が同級の世界王座防御を果たすのも初めてだという。

 

 村田選手が釜石を訪れるのは今回で3回目となる。1回目は後援会岩手会員の菊池紫登美さん(58)=橋野町=の手紙がきっかけで、12年12月に仮設校舎だった同校を訪問。金メダルを披露し、被災地を元気づけた。2回目は14年6月で、「また来るね」と約束したことを守るため来釜。栗林小で市内の小中学生らと交流した。

 

村田選手(右)のチャンピオンベルトを手に笑顔を見せる児童

村田選手(右)のチャンピオンベルトを手に笑顔を見せる児童

 

 「世界チャンピオンになってまたベルトを見せに来るから」。ミドル級王者となり、ベルトを守った村田選手。子どもたちとの約束を果たすため、再び釜石にやって来た。

 

 この日、全校児童が校庭で運動会の総練習をしているところに村田選手が登場。「子どものころを思い出し、元気になる」と、児童らに交じって玉入れなどを楽しんだ。

 

 昼食後は教室で児童と交流した。ベルトやメダルを手にした児童はその重みや輝きを体感。写真を撮ったり握手したり、爽やかな笑顔が光る世界チャンピオンとの触れ合いに、金野琥珀君(2年)は「かっこいい。僕も大人になったヒーローになる」と目を輝かせた。

 

 児童から「どうしたら強くなれるの?」と聞かれた村田選手は「教えてくれる人(先生)の言うことをよく聞くことが大切」と強調。毎日の練習も大事で、「強くなりたかったら練習しないといけない。みんなが勉強するのと一緒。やれることを一生懸命やれば強くなるし、道も開ける」と力を込めた。

 

 夢をかなえる方法について、スポーツ界で活躍している人たちに共通するのは「負けず嫌い」と指摘した。「苦しい時も諦めなかったから今の自分がいる。しんどい中にも何か楽しみがあり、楽しくなると好きになる。それがチャンス。チャレンジしたら最後まで諦めない気持ちを持って」と助言。人との競争は重要でなく、「大事なのは自分の成長。懸命に取り組めることを見つけ、自分として成長できるよう頑張ってほしい」とエールを送った。

 

 川﨑拓真君(5年)は「テレビで見ている人が来てくれてうれしい」と感激。走ることなどが苦手だというが、「悔しくても諦めず頑張りたい。いろんなことを勉強して知って、自分だけの夢を選んでいけたら」とパワーをもらった様子だった。

 

 菊池さんによると、今回の訪問を前に村田選手から復興の進み具合についての問い合わせがあった。被災地に寄せる思い、子どもたちとのつながりを大切にする気持ちを感じ、「(村田選手は)優しさにあふれている。熱い信念を持った人だからこそチャンピオンなんだと実感。来てもらって、まちも楽しくなる」と感謝した。

 

 村田選手は今秋に2回目の防衛戦を予定している。「勝って」。今度は児童らが鵜住居からパワーを送ることを約束した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月23日発行 第691号より)

 

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威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

さくら祭り、唐丹に春〜大名行列 華やかに、時代絵巻 勇壮に

威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

威厳を漂わせ、古来の所作で歩む侍役

 

 釜石市唐丹町で3年に一度行われる天照御祖神社(河東直江宮司)式年大祭「釜石さくら祭り」(川原清文大祭執行委員長、木村嘉人実行委員長)は4月29日、好天の下で華やかに繰り広げられた。すでに桜は散ってしまったものの、沿道には主催者発表で約1万6千人が詰めかけ、大名行列の時代絵巻と勇壮華麗な郷土芸能を楽しんだ。

 

 大名行列には7地域の住民ら約650人が参加。「金紋先箱」、ひげ奴(やっこ)の先導で悠然と進み、郷土芸能は太鼓や笛、衣装もあでやかに演じた。

 

 最高気温28・2度と真夏並みの暑さの中、観客は熱演する多くの子どもに拍手を送った。美声自慢のひげの先箱は「あれはどこへとなー」「唐丹いいとこなー」の決まり文句を唱えながら行進。本郷の並木では「葉桜もいいもんだなー」「あれは美人だなー」とアドリブを加え、沿道の観衆を沸かせた。

 

美声と言葉で行列の進行を周囲に知らせる「奴さん」も花形

美声と言葉で行列の進行を周囲に知らせる「奴さん」も花形

 

 折り返し点の「御旅所」は、新しい唐丹漁港(本郷)の広場に設けられた。岸壁には満艦飾の漁船が並び、華やぎを加えた。用意した弁当を広げ、久しぶりに会う知人とコップを傾ける家族もあった。

 

 津波で唐丹町荒川の家が流され、片岸に新築した小川原テルさん(91)は「きょうは子や孫の家族12人が集まった。秋田(県)から嫁に来て、宵宮で踊ったこともある。昔から比べると人は少ないが、子どもたちも一生懸命でかわいい」と目を細めた。

 

 荒川の熊野権現御神楽で小頭を振って喝采を浴びたのは盛岡市の黄川田宗幸ちゃん(4)。祖父雲南幹夫さん(66)、父泰幸さん(40)もあきれるほどの熱中ぶりだった。宗幸ちゃんは「神楽が大好き。楽しかった。また出たい」と、やる気満々だ。

 

3基のみこしは、時に猛然と駆け出した

3基のみこしは、時に猛然と駆け出した

 

 震災以降、初めてさくら祭りに登場した小白浜の伊勢太神楽と虎舞。太神楽のおかめ(女形)を“サブ”で演じた唐丹中1年の佐々木悠斗君(12)は「中腰での踊りは疲れた。着物は乱れるし、うまくいかない。でも、続けたい」と意欲を見せた。

 

 片岸の常龍山御神楽で子鶏を担った唐丹小6年の大坂凜さん(11)は「踊りは覚えていたけど、暑く、歩く距離も伸びたので疲れました。でもがんばりました」と汗をぬぐった。

 

子ども、若手のがんばりが祭りを支えた

子ども、若手のがんばりが祭りを支えた

 

 唐丹小、唐丹中の教職員も行列に加わった。中学校で理科を担当する鈴木健久教諭(46)は「朝4時半に起き、駆け付けた。生徒の表情も新鮮だ」と満足そうだった。

 

 行列とともに歩いた野田武則市長は「子どもたちのエネルギーを感じた。郷土芸能を伝承し、唐丹を元気にしてほしい」と激励した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月2日発行 第686号より)

 

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金メダルに触って笑顔を見せる児童

金メダリスト 三ケ田さんとスポーツ交流〜ストリートラグビーを楽しく、栗林小の児童とパス交換

ラグビー教室に参加した三ケ田礼一さん(右)。パス回しなどで児童と交流した

ラグビー教室に参加した三ケ田礼一さん(右)。パス回しなどで児童と交流した

 

 栗林小(佐藤勉校長、児童43人)で23日、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催にちなんだストリートラグビー教室と、アルベールビル冬季五輪のノルディック複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん(51)=県スポーツ振興課=による講演会が開かれた。スポーツを通じた子どもたちの健全育成、ラグビーへの理解を深めW杯への機運を高めるのを目的に、地元の任意団体「エンジョイライフ」(中島俊介代表)と釜石青年会議所(佐々木雅広理事長)が主催した。

 

エンジョイライフ、釜石青年会議所主催

 

 ストリートラグビーは誰でも気軽に体験できるよう、ルールを簡単にした競技。タックルではなく体にタッチして止めるなど、子どもをはじめ幅広い世代が競技の特性を感じつつ、安全に楽しめる。教室は校庭で開かれ、3~6年生約30人が参加。新日鉄釜石ラグビー部OBで釜石シーウェイブス(SW)RFCでもプレーした篠原洋介さん(40)と吉田一行さん(41)が指導した。

 

 児童らはパス回しなどで楕円(だえん)のボールに親しんだ。小笠原暖人(はると)君(6年)は「みんなで一緒にやるのが楽しい」とにっこり。体を動かすのが大好きな小笠原早紀さん(3年)は「試合を見に行きたい」と地元開催のW杯に期待を膨らませた。

 

 篠原さんは「W杯に関わるイベントが増えてくると思うので、顔を出しボールに触れて楽しさを体感してほしい」と期待。仲間の動きをしっかり見ること、声を出して伝え合うことなど、普段の生活にも生かせるラグビーのポイントをアドバイスした。

 

「夢に向かって」三ケ田さん講演 挑戦、努力重ねオリンピック出場

 

 「夢に向かって」と題した三ケ田さんの講演には全校児童が耳を傾けた。幼いころからスキーに親しんでいた三ケ田さんは小学5年生の時にあこがれの金メダリストと出会ったことで、夢は「オリンピック選手」になったという。中学時代はいい結果を残せなかったが、高校に進学し、「スクワットを毎日1千回」と自分の意思で設定した練習をやり続け、高校2年のインターハイで優勝。「あきらめず続けたことが精神的な強さ、いい結果につながった」と振り返った。

 

金メダルに触って笑顔を見せる児童

金メダルに触って笑顔を見せる児童

 

 アルベール五輪への4枚の切符を5人で争うことになった時、「4番目に入ればいい」との気持ちの切り替えが夢の実現につながった。「夢は挑戦と努力という事前準備によってかなえられる。かなえるためには何かしなければいけない」と三ケ田さん。特別なことをするのでなく、普段の生活習慣をしっかり行って誰よりも「なりたい」と強い気持ちを持ち続け、普段の練習を一生懸命やり続けることの大切さを強調した。

 

 三ケ田さんの夢の実現には15年かかった。「みんなにも金メダルを取るチャンスはある。自分なりの目標とする金メダルをもらえるよう頑張れ」とエール。世界で活躍するスポーツ選手に共通するのは「笑顔」と指摘し、「笑顔は自分に力を与えてくれるものであり、周りに元気を与えるもの。みんなも笑顔を忘れず生きてほしい」と願った。

 

 児童会長の佐々木健心君(6年)は「笑顔を忘れず夢に向かって進んでいきたい」と感謝。今年は水泳を頑張って市内1番を目指し、将来は医療・福祉関係の仕事をしたいと夢を膨らませていた。

 

(復興釜石新聞 2018年4月28日発行 第685号より)

 

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男子生徒と軽やかに跳ね上がるTETSUYAさん(右)

EXILE サプライズ ダンス指導、釜石東中生と「ライジング・サン」〜8月新スタジアムで披露、ラグビーW杯へ

EXILEの2人を囲んで「東中イエーイ」と笑顔を広げる生徒たち

EXILEの2人を囲んで「東中イエーイ」と笑顔を広げる生徒たち

 

 来年のラグビーワールドカップ(W杯)に向け釜石市鵜住居町で整備が進む「釜石鵜住居復興スタジアム」(仮称)で8月に行われるオープニングイベントを盛り上げるプロジェクトが24日、釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)で始動した。元気なダンスでW杯を盛り上げる――。そんな生徒たちをサポートしようと、人気ダンス・ボーカルグループEXILE(エグザイル)のUSA(ウサ)さんとTETSUYA(テツヤ)さんが同校をサプライズ訪問。大喜びの生徒らにダンスを指導した。生徒はこれから約3カ月間、インストラクターの訪問指導や体育の授業で練習に取り組み、8月のイベントで踊る。

 

 EXILEメンバーが東日本大震災被災地を回り、子どもたちに元気と夢を届ける「ダンスで日本を元気に!夢の課外授業」の一環。新スタジアムのこけら落としとなる8月19日のイベントで同校生徒たちと一緒にパフォーマンスを披露する。

 

 24日、体育祭に向けて「東中ソーラン」の練習を終えた全校生徒の前に、EXILEの2人がサプライズで登場した。驚きの声を上げる生徒たちに、佐々木校長が種明かし。「みんな、新しいスタジアムでライジング・サンを踊れー!踊るぞー!」と気勢を上げた。

 

 復興支援曲として制作されたEXILEの「Rising Sun」に合わせたダンスパフォーマンス。2人は生徒たちの間に入って振り付けを指導。EXILEのメンバーでも難しいというステップに苦戦する生徒たちに、踊って見せながらアドバイスをした。

 

 ダンスレッスンの後には、2人を囲んでトークセッションも行われた。

 

男子生徒と軽やかに跳ね上がるTETSUYAさん(右)

男子生徒と軽やかに跳ね上がるTETSUYAさん(右)

 

 三浦花音(かのん)さん(1年)は「テレビでしか見たことのない人が突然来てびっくり。本物は迫力があってかっこいい。ダンスはすごく難しいし不安だけど頑張りたい」、小笠原羽美佳(うみか)さん(3年)は「努力しないとできない踊り。練習に励む」と気合十分。中澤天馬君(2年)は「新しくできるスタジアムは地域の誇りになると思う。本番は集まった人が喜ぶような踊りにしたい」、高清水享妥(きょうた)君(3年)は「夢のような時間を過ごせた。本番で全国の人に釜石が元気だと伝えられるよう特訓したい」と声を弾ませた。

 

 「スタジアムで一緒に踊るのを楽しみにしている」と生徒たちに呼び掛けたUSAさん。「振り付けを覚えるのは難しいが、できた時の気持ち良さ、一つの曲で全員とつながれた時の感動はすごい。みんなで踊れるよう頑張ろう」と励ました。

 

 TETSUYAさんは「ダンスと向き合い練習してもらえれば絶対できる。大事なのは途中であきらめないこと」と強調。「震災でつらい思い、いろんな経験をしたまちには葛藤が混在していると思う。そこに復興のシンボル的存在になるスタジアムができる。世界中の人たちに日本はこんなに元気になったんだということを伝えなければ。まちを盛り上げるべく、気持ちを込めて一緒に頑張りたい」と力を込めた。

 

 同プロジェクトは、人材育成に関連した事業を展開する二十一世紀倶楽部(東京)と、EXILEが所属する芸能事務所LDH JAPANなどによる震災の復興支援事業。EXILEメンバーが学校を訪問してダンスを指導し、イベントなどで発表している。12年に始まり、釜石市の大平中など、これまでに3千人超が参加している。

 

野田市長(左)に意気込みを伝えたEXILEメンバーら

野田市長(左)に意気込みを伝えたEXILEメンバーら

 

 USAさん、TETSUYAさん、主催する二十一世紀倶楽部の一木広治事務局長らは同校訪問を前に、釜石市役所の野田武則市長を訪ね、「たくさんの笑顔が生まれるようにみんなと一緒に作り上げていきたい」などと同プロジェクトへの思いを伝えた。

 

 野田市長は「子どもたちがたくましく人生を頑張れるような励ましになる」と力添えに感謝。「W杯開催が決まり、ラグビーのまち釜石のレガシーを次の世代につなげる、大切で大きな機会をもらった。子どもたちと一緒になって元気な釜石を発信してほしい」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2018年4月28日発行 第685号より)

 

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