第32回釜石市民劇場、新市民ホールで初公演へ〜伝説「浜の孝子〜両石村庄助と鐘」海に生きる人々の姿を描く
本格的な劇場公演の復活に意気込むスタッフら
11月10日と11日の2回、釜石市民ホールTETTOで上演される第32回釜石市民劇場「伝説 浜の孝子(こうし)~両石村庄助と鐘」(同実行委員会主催、市、市教委、市芸術文化協会後援)に向けたスタッフやキャストの初顔合わせが24日、大町の青葉ビルで開かれた。市民劇場は東日本大震災後、鈴子町の大型テント・シープラザ遊を会場に5回を重ねてきたが、市民ホールの完成を受けて「劇場公演」が復活する。初顔合わせでは実行委のメンバーら約30人が役割を確認し、本格的な舞台設備を駆使した上演へ期待を高めた。
「浜の孝子―」は2幕9場で、上演は約2時間。第12回公演の「漁(すなどり)の孝子」を実行委の久保秀俊会長(70)が書き直したリメーク作品だ。原作は、岩手県小学校国語教育研究会編に収録されたうちの1作で、釜石市の元教員、故石関正男さんが採収した。
江戸時代中期、両石村に住む漁師の息子庄助は、親孝行で知られた。出漁して嵐に遭遇、岩場に沈んでいる美しい鐘を発見し、持ち帰った。庄助の誠実さ、孝行ぶりは南部藩にも伝わり…。さまざまな人間模様を織り交ぜ、海を頼り、漁を糧に生きる人々の姿を描く。
久保会長は「大震災を経験し、海を恐れる心情が広まった。それでも、海を糧に生きる人は多い。(釜石と)海との長く、深い絆を考える機会になれば」と願いを込める。
顔合わせでは、事業の日程、役割、作業工程などの大枠を協議した。演出は久保会長が担当する。舞台に船を登場させるなど、大道具は大掛かりになる。小道具を含めた工房、組み立て、保管場所の手当て。また、時代劇とあって、かつら、衣装を準備する必要もある。
公演は初回が11月10日午後6時、2回目は11日午後1時の開演。
引き続きスタッフ、キャストを募集している。問い合わせ・申し込みは久保会長(電話090・7798・2307)へ。
(復興釜石新聞 2018年8月29日発行 第718号より)
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