「新春!釜宴会キャンペーン」を実施します!

「新春!釜宴会キャンペーン」を実施します!

市は、新型コロナウイルス感染症の拡大、原油価格や物価高騰の影響を受ける飲食店などを支援するため、4人以上で飲食店を利用した場合の飲食代金を割引きするキャンペーンを実施します。
※予算額に達し次第、終了します。
※新型コロナウイルスの感染状況により、中止または延期する場合があります。

割引条件(いずれかを適用)

①4人以上20人未満で対象店舗を利用し、人数×5,000円以上(税込)の利用金額の場合
1人当たり  2,000円 割引
②20人以上で対象店舗を利用し、合計10万円以上(税込)の利用金額の場合
1会計当たり 50,000円 割引

割引期間

令和5年1月7日(土)~2月28日(火)
※1月4日(水)から申請受付を開始します。

対象店舗

岩手県の「いわて飲食店安心認証制度」の認証を受けている市内飲食・宿泊施設のうち、当キャンペーンに参加している店舗
参加店舗の一覧は釜石商工会議所のホームページで確認できます。

利用方法

飲食店を予約後、会食実施の14日前~3日前の15時までに利用予定のお店の名称、利用日、利用人数、1人当たりの予算を釜石商工会議所へ申請書、メールまたは申込フォーム等で申請ください。
申請がない場合、割引の適用ができません。

様式ダウンロード

利用確認書(申請書)[DOCX:31.5KB]

事務局(お問い合わせ先)

釜石商工会議所 TEL:0193-22-2434 FAX:0193-22-1600

この記事に関するお問い合わせ
産業振興部 商工観光課 商工業支援係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-22-2111 / Fax 0193-22-2762 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2022121400017/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
【コラム】釜石新聞NewS 2年目の年末にあたり

【コラム】釜石新聞NewS 2年目の年末にあたり

【コラム】釜石新聞NewS 2年目の年末にあたり

 

毎年この時期になると「今年の漢字」や「流行語」が発表され、ちょっとした賛否を含めたコミュニケーショントピックとなる様子は、もはや年末の風物詩の一つともなっている。そうした大きな話題に上るほどではないが、身の回りだけでなくおそらく全国的に多くの方々が、「3年ぶり」と言う言葉を今年は頻繁に目や耳にしたのではないかと思う。

 

新型コロナが世に広まり始めて3年が経過した。社会に大きな混沌を生み出し、今や当たり前と化なっている生活習慣も、実は3年前には無かったものだったりする。そうした感染症対策を前提に、ジャンルや規模の大小問わず、様々な行事が「3年ぶり」に復活したり、多くの大会が「3年ぶり」に有観客で開催されたりと、少しずつ“コロナ前”を取り戻してきたように感じる。

 

特にも、夏~秋にかけてのお祭りが全国各地で3年ぶりに開催されたニュースには、気持ちがホッとさせられた。釜石でも10月の「釜石まつり」が、曳舟、神輿渡御、郷土芸能の市内巡行とほぼ本来の形で開催され、いつもの活気や盛り上がりに加えて、何だか胸にジーンと来る3日間だった。郷土芸能を受け継いだり、屋台で祭りを楽しむ子供たちの姿を見ると、その子たちの3年前を想像してしまい、こうした機会が無事に戻って来たことが嬉しくなった。

 

コロナ禍への対処に出口が見えて来た一方で、今はそれ以上に混沌とした社会情勢となっている。生活範囲のあちらこちらで、これまで当たり前と思っていた価値観が大きく変わったり、安定していたものが急激に不安定になったりし、物価の上昇は光熱費を含む生活必需品にも及んでいる。

 

1年先どころか、半年先の世情の見通しすらも立てにくいが、そんな中だからこそ“釜石の今を伝える”という役割を大切に、釜石新聞NewSは今年も取材、執筆、そして発信を続けて来た。釜石市にとっては様々な意味で厳しい1年でもあったが、幅広いジャンルで市内在住や釜石出身の若い世代が活躍するニュースが印象的な1年だった。彼ら彼女らの1年後、2年後、3年後・・未来を想像してワクワクする機会がありがたい。

 

最後の最後で話が変わるが、大きな混沌の中で暮らすには、何が起きてもいいように多くの可能性を想定しておくことと、実際にいざという時に臨機応変に対応することが求められる。ほぼ相反する2つだが、それは災害対策に一致する。この機に防災への備えを呼び掛けて、2022年を締め括りたい。

 

2023年は、平穏が感じられる1年になりますように。

 

2022年12月28日
釜石まちづくり株式会社
「釜石新聞NewS」運営管理者

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「釜石新聞NewS」 プレーバック2022

 
 2022年はどんな一年だったろうか?釜石では東日本大震災の被害から脱却した発展の姿を模索する中、国や県公表の新「津波浸水想定」を受け、あらためて防災について考える機会が増えた。新型コロナウイルスの収束は見通せないものの、各種行事の「3年ぶり開催」も多かった。釜石新聞NewSが伝えた記事から主要な出来事をピックアップし、まちの変化を振り返る。
  

1月

  
震災で被災した東北電力、新社屋が完成
  
【震災で被災した東北電力、新社屋が完成】
 東北電力岩手三陸営業所と東北電力ネットワーク釜石電力センターの新社屋が中妻町に完成した。震災で被災し、仮社屋を経て待望の本設施設。20日の竣工(しゅんこう)式で、両者は「安定供給と暮らしに役立つサービスを提供していく」と気を引き締めた。
  

3月

  
震災11年、亡き人へ祈り 釜石市内各地で追悼
  
【震災11年、亡き人へ祈り 釜石市内各地で追悼】
 暮らし、営み、日常が一瞬で奪われたあの日から11年となった11日、市内各地で追悼行事が行われた。「(あの人が)いないなんて、実感がない」「平穏に暮らせるよう見守っていて」。犠牲者の芳名が掲げられる鵜住居町の「釜石祈りのパーク」では朝から、静かな祈りが続いた。
 
  
脱炭素社会実現へ 釜石市内でも官民の取り組み加速
  
【脱炭素社会実現へ 釜石市内でも官民の取り組み加速】
 地球温暖化による異常気象が原因の大規模災害の多発で、世界的な対策強化が急がれる中、釜石市内でもCO2削減への取り組みが進む。3月、釜石ガスは自社設備へのカーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)の導入を開始。市は10月、公共施設の温室効果ガス排出量可視化へ向け、民間企業と連携して取り組むことを発表した。
 

4月

 
まちなかの遊び場・鈴子広場リニューアル
 
【まちなかの遊び場・鈴子広場リニューアル】
 震災後に仮設飲食店用地となっていた鈴子町の公園「鈴子広場」。市が進めてきた復旧整備工事が完了し16日、一般利用が始まった。幅広い世代の声をくみ上げて作った「まちなかの遊び場」で、多様な人が集い地域活性化を促す拠点として期待される。
 

6月

 
ラグビーの聖地「釜石」の盛り上げに 不惑仲間が2年ぶりに集結
 
【ラグビーの聖地「釜石」の盛り上げに 不惑仲間が2年ぶりに集結】
 マスターズラグビーの交流大会が11、12の両日、釜石市で開かれた。40~60代の選手約110人が、新日鉄釜石・日本一7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)開催のレガシー(遺産)が残る同市で試合を楽しみ、「ラグビーのまち」の再びの盛り上がりを祈念した。
  
  
新たな津波浸水想定 県公表を受け説明会
 
【新たな津波浸水想定 県公表を受け説明会】

 釜石市は18日、県が今年3月に公表した最大クラスの津波浸水想定に関する住民説明会を開始。初日は震災時に浸水しなかった中妻地区の住民らが対象で、地域に被害が及ぶ可能性が示され、避難のあり方をあらためて考えた。説明会は地区別に計4回開き、緊急避難場所などの見直しに反映させた。
  

7月

  
ラグビー日本代表有志ら釜石で教室 子どもたちの夢を後押し
  
【ラグビー日本代表有志ら釜石で教室 子どもたちの夢を後押し】
 ラグビー日本代表経験者6選手によるラグビー教室が29、30の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。競技に励む小中高生、一般ファンら約300人が参加。世界を舞台に活躍する選手らの直接指導、サイン会などに参加者は大感激。子どもたちは憧れのまなざしで夢いっぱいの時間を過ごした。
  

8月

  
帰ってきた港彩る大輪の花 釜石納涼花火3年ぶりに復活
  
【帰ってきた港彩る大輪の花 釜石納涼花火3年ぶりに復活】
 新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた釜石納涼花火大会が11日、3年ぶりに開かれた。震災犠牲者の鎮魂、コロナの早期終息などを願い、釜石港で約3千発を打ち上げ。約1万人が久しぶりの夏の風物詩を楽しみ、明日への活力を得た。
  

10月

  
釜石まつりも3年ぶりに 2基のみこし、曳き船に市民ら感動
  
【釜石まつりも3年ぶりに 2基のみこし、曳き船に市民ら感動】
 尾崎神社と日本製鉄釜石山神社の合同祭「釜石まつり」は14日から3日間開催。新型コロナの影響による2年連続の中止を経ての待望の祭りとなった。海上で繰り広げられる曳き船まつり、市街地を練り歩くみこし渡御に大勢の見物客が手を合わせ、さまざまな願いを込めた。
  

11月

  
チームスマイルが年内で活動終了 釜石で布袋寅泰さんがライブ
  
【チームスマイルが年内で活動終了 釜石で布袋寅泰さんがライブ】
 東日本大震災の被災地でエンターテインメントによる復興支援活動を継続してきた一般社団法人チームスマイルが年内での活動終了を発表。拠点施設がある釜石市で20日、同活動を支援してきたギタリスト布袋寅泰さんのスペシャルライブが開かれた。法人はライブチケットの売り上げを同市などに寄付した。
  

12月

  
映画「釜石ラーメン物語」完成披露上映会
  
【映画「釜石ラーメン物語」完成披露上映会】
 麺は細いが、絆は太い。人情・根性、釜石ラーメン―。釜石が舞台の映画「喜劇 釜石ラーメン物語」が完成し、3日にTETTOで上映会が開かれた。市民ら約800人が鑑賞。監督や出演者のトークショーもあり、作品に込めた思いや撮影秘話を紹介した。
  
  
「歓喜の歌」釜石の師走に再び かまいしの第九 3年ぶりに実現
  
【「歓喜の歌」釜石の師走に再び かまいしの第九 3年ぶりに実現】
 「かまいしの第九」演奏会が11日、市民ホールで3年ぶりに開かれた。感染症対策のため合唱隊の規模を縮小。オーケストラ含め117人が心を一つにベートーベンの交響曲第9番を演奏し、復活を待ちわびた聴衆を魅了した。同演奏会は43回の歴史を重ねる。
  

後記

 市民の皆様、釜石新聞NewSをご覧頂いている全国の皆様、本年のご愛読ありがとうございました。
 WEB専門の媒体としてのご理解と認知度も着実に高まり、皆様の生活の中に受け入れていただいている手ごたえを感じる機会が多くなりました。取材依頼などについては、運営体制の変化やコロナ禍における制約などもあり、復興釜石新聞の時のようにはお応えしきれない点についてお詫び申し上げるとともに、あらためてご理解を賜れれば幸いです。
 
 皆様、どうぞよいお年をお過ごしください。
 

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釜石SWホーム初戦 昨季2位の三重に完敗 ディフェンスの課題修正し次節へ

時折、雪が吹き付ける中、行われた釜石SW―三重ホンダヒート戦。約1200人が観戦した

時折、雪が吹き付ける中、行われた釜石SW―三重ホンダヒート戦。約1200人が観戦した

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは25日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでホーム初戦を迎えた。昨季2部2位の三重ホンダヒートと対戦。12-75(前半5-42)で敗れ、開幕2連敗となった。第3節は来年1月14日、夢の島競技場(東京都)で3部から昇格した清水建設江東ブルーシャークスと対戦する。
 
 前半開始直後に連続トライを決め、勢いに乗る三重に猛攻を受けた釜石は、30分までに6トライ(6ゴール)を奪われ、0-42と大きく引き離された。初得点のチャンスは36分。ゴールポスト付近の密集からSH村上陽平がFB中村良真につなぎ、中村が左サイドにキックパス。WTB小野航大主将が確実にキャッチし、トライに持ち込んだ。ゴールは入らず、5-42で前半を折り返した。
 
前半36分、三重の選手を寄せ付けず、左から回り込んで初トライを決めた小野航大主将(中)

前半36分、三重の選手を寄せ付けず、左から回り込んで初トライを決めた小野航大主将(中)

 
 後半開始時、4人を入れ替えた釜石。2分に三重にトライを決められ5-47で迎えた8分、今季新加入、後半から出場したナンバー8セタ・コロイタマナ(フィジー出身)がゴール前のスクラムから自ら運び、相手ディフェンス4人を振り切り右隅にトライ。中村良真のゴールも決まって12-47と追い上げた。後半は敵陣に攻め込む時間帯が増えたが追加点には至らず、三重にさらに4トライを許し12-75で敗れた。
 
後半8分、力強い突破力でゴールに向かう新加入のセタ・コロイタマナ選手(中央)

後半8分、力強い突破力でゴールに向かう新加入のセタ・コロイタマナ選手(中央)

 
 試合後の記者会見―。須田康夫ヘッドコーチ(HC)、小野航大主将は「寒い中、応援に駆け付けてくれたファンに申し訳ない」と反省の弁。「フィジカルバトルで相手に食い込まれる部分が多く、前半の失点につながった。マイボールラインアウトでボールを取れなかったのもゲームを崩してしまった理由の一つ」と須田HC。三重のスピードのある攻撃を抑え込めず、容易に突破を許してしまったことも反省点に挙げられた。
 
 小野主将は昨季より高いレベルが求められる2部の戦いに「このレベルで戦えないと生き残れないし、上にも上がれない。もう一度、自分たちの足りないところを明確にして3週間後、しっかり戦えるようにしたい」と立て直しを誓った。
 
 この日は試合後のグラウンドで、釜石SWのSH南篤志選手が前節・日野レッドドルフィンズ戦で公式戦出場50試合(通算50キャップ)を達成したことも報告され、家族やチームメイトから祝福を受けた。
 
 前節で50キャップを達成した南篤志選手(前列中央)。家族や仲間、三重の選手らに祝福された

前節で50キャップを達成した南篤志選手(前列中央)。家族や仲間、三重の選手らに祝福された

 
 今季、釜石SWのホーム戦には釜石、大槌の全小中学生を無料招待。オリジナルパスポートを首にかけ来場した市内の小学生ら

今季、釜石SWのホーム戦には釜石、大槌の全小中学生を無料招待。オリジナルパスポートを首にかけ来場した市内の小学生ら

 
 釜石SWは初の試みとして、釜石、大槌両市町の全小中学生(釜:約1800人、大:約700人)に、同スタジアムで行われる今季ホーム戦(全5試合)を無料観戦できるパスポートを配布。25日はこれを利用して地元の子どもたちが足を運んだ。ホーム戦残り4試合は来年3月に行われる。
 
ハーフタイムに披露された市内園児による「ラグビー体操」

ハーフタイムに披露された市内園児による「ラグビー体操」

 
次節の勝利に期待!課題を修正して臨む釜石SW

次節の勝利に期待!課題を修正して臨む釜石SW

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釜石市消防団・第1分団3部(只越地区) 消防ポンプ車を更新 団員、機能を確認

新しい消防ポンプ車が配備された消防団第1分団第3部の団員 

新しい消防ポンプ車が配備された消防団第1分団第3部の団員

  
 釜石市消防団(川﨑喜久治団長、団員547人)の第1分団第3部(只越地区、佐々木毅部長、12人)に20日、新しい消防ポンプ車1台が配備された。同部の車両更新は20年ぶり。新車両の操作説明会が鈴子町の釜石大槌地区行政事務組合消防本部庁舎であり、部員が新たな機能や性能を確認した。
  
 新車両はディーゼルエンジン(排気量4009cc)を搭載、4WD、5速マニュアル車。ダブルキャブ型(2列座席)で、乗車定員は5人。カーナビとバックモニター連動装置、ドライブレコーダーを装備するなど安全性能を向上させた。毎分2000リットルの放水能力を持つポンプを搭載。無給油式真空ポンプで吸水時間も大幅に短縮できるという。購入金額は2640万円。
  
 説明会には佐々木部長(67)ら3人が参加。納入業者らから車両の運転特性、消防車独自の無線やアナウンスなど付帯装置の説明を受けた。甲子川の対岸、千鳥町の河川敷に移動し、放水試験。ポンプ操作の手ほどきを受けながら能力を確かめた。
   
甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認した

甲子川河川敷で新車両の放水能力を確認した

  
新車両の装備や操作法など説明を受ける団員ら

新車両の装備や操作法など説明を受ける団員ら

   
 旧車両は2002年に配備され、20年が経過した。この後廃車となる予定。佐々木部長は「震災時、このポンプ車1台を守ったことで、外部との連絡手段を確保することができた。火災が発生した時にも無線で消防署に応援を要請し消火活動に取り組み、まちを救った」と振り返った。新車両は操作が簡単になった様子で、迅速な消火活動につながると実感。「さまざまな災害に対して機能をうまく使いこなせるよう、団員みんなでよく勉強し対応したい」と力を込めた。
 

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保護猫飼い主探しで連携 釜石の保健所と動物愛護団体 譲渡会で適正飼育の啓発も

譲渡会で保護猫の様子を見つめる親子

譲渡会で保護猫の様子を見つめる親子

 
 釜石保健所で保護した猫たちの譲渡会が17日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。生後3カ月の子猫から成猫まで12匹を集め、参加者が自由に見学。会場では譲渡前講習会も行われ、受講した1組が「試し飼い」を決めた。
 
 譲渡会は保護猫の譲渡促進、動物愛護思想や適切な飼育方法の普及啓発を図るのが狙い。県沿岸広域振興局保健福祉環境部が主催し、2022年度地域経営推進費を活用した「人と動物のふれあい活動事業」として実施。動物愛護団体「人と動物の絆momo太郎」が共催した。
 
保護猫と新たな飼い主の出会いの場となる譲渡会

保護猫と新たな飼い主の出会いの場となる譲渡会

 
 保健所管理の保護猫は約20匹。同団体が運営する譲渡型保護猫ハウス「保護猫アンドゥ」(大渡町)が一時預かりしている。譲渡会では人慣れはしているが、「ちょっぴり臆病」「よく食べ、よく寝る」「元気いっぱい」「怖がり屋さん」といった個性派ぞろいの猫たちを紹介。保護猫に興味がある人らが足を運び、猫の様子を見て回った。
 
 保護猫は病気の検査やワクチン接種、成猫は避妊・去勢手術を受けさせている。試し飼いも可能で、1週間ほど一緒に暮らし、問題がなければ正式に譲渡されるという。
 
ゲージの中でくつろぐ猫に触れ、様子を見る来場者

ゲージの中でくつろぐ猫に触れ、様子を見る来場者

 
 今回試し飼いをする人は、すでに猫を飼っていて「猫同士の相性を確認してから決める」という。甲子町の40代男性は「猫と暮らしたい」と一軒家に移ったばかり。初めて猫を飼うため講習を受けて適正な飼育に理解を深めた様子で、「家族と相談する。どの猫もかわいいから迷う。時期にこだわらず、相性、出会いを大事にしたい」と真剣な表情だった。
 
動物を飼う前の心構えや準備などを伝える講習

動物を飼う前の心構えや準備などを伝える講習

 
 同保健所上席獣医師の奥村亮子さんによると、民間団体との連携は「常に誰かいて世話をしてもらうことで猫の人慣れが進み、譲渡がスムーズになる」のに加え、飼育の仕方など助言を受けることができ、譲渡後の支援が可能にもなる。新型コロナウイルス禍で譲渡会の実施を見送る時期もあったが、動物との暮らしに関心のある人らがアンドゥを訪ねていて、譲渡の機会は減ってはいない。
 
ゲージに入り、引き取り手を待つ保護猫たち

ゲージに入り、引き取り手を待つ保護猫たち

 
 今年、市内で約50匹の猫の多頭飼育について情報提供があり、飼い主が高齢で健全に飼育することが難しいことから同保健所で子猫を保護。一時保護できる頭数には限界があり、ミニ譲渡会を開くなどの対応が必要となった。野良猫への餌やりといった苦情も寄せられており、奥村さんは「軽い気持ちで動物を飼い始めたり、餌をやったりする人もいて、身近に起こりうる」と指摘。県・沿岸振興局のホームページなどで普及啓発を行っているが、譲渡会は直接伝える機会になり、「飼い続けてもらうため、地道に種をまいておくことが大事。じかに見て触れ、試し飼いで性格を把握し、慎重に決めてほしい」と望む。

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日ごろの見守り「ありがとう!」 上中島こども園児 中妻応援センターで感謝のお遊戯披露

上中島こども園児が中妻地区生活応援センターでお遊戯を披露=19日

上中島こども園児が中妻地区生活応援センターでお遊戯を披露=19日

 
 釜石市の上中島こども園(楢山知美園長、園児60人)の年中園児12人は19日、園の近くの中妻地区生活応援センター(菊池拓朗所長)でお遊戯を披露した。日ごろ、園児らを見守ってくれている地域住民に感謝の気持ちを伝えようと訪問。同センターで活動する約20人を前に元気いっぱいの踊りを見せ、心温まるひとときをプレゼントした。21日には年少園児も訪れ、音楽劇を披露した。
 
 同園では10日に3~5歳児の生活発表会を園内で開催。お遊戯や音楽劇などを保護者らが観覧した。園児らの取り組みの成果を、いつもお世話になっている地域の人にも見てもらいたいと、今回の訪問を企画。19日は同センターで週2回、ラジオ体操を行っている高齢者などが集まった。
 
 年中園児は2グループに分かれ、「江戸火消しこ組出動」、「サチアレ」のダンスを披露。かわいらしい衣装に身を包み、いきいきと踊る姿に観客は目を細め、それぞれの発表が終わると盛んな拍手を送った。
 
鉢巻き、腹掛け姿でかっこよく踊った「江戸火消しこ組出動」

鉢巻き、腹掛け姿でかっこよく踊った「江戸火消しこ組出動」

 
キラキラのポンポンとチアの衣装で「サチアレ」を踊り、元気を届けた

キラキラのポンポンとチアの衣装で「サチアレ」を踊り、元気を届けた

 
子どもたちの頑張りに拍手を送る地域住民ら

子どもたちの頑張りに拍手を送る地域住民ら

 
 ポンポンを持って「サチアレ」を踊った菊池咲陽ちゃん(5)は「ちょっと恥ずかしかったけどうまく踊れた。おじいちゃん、おばあちゃんたちも喜んでくれた」と満足そう。同センターが入る上中島2期復興住宅に暮らす女性(71)は「素晴らしかった。やっぱり子どもはかわいいね。見ているだけで幸せな気持ちになる。孫とも離れて暮らしているので、こういう触れ合いの場はありがたい」と声を弾ませた。
 
 同センターの菊池所長は「復興住宅の住民は高齢者、独居の方も多いので、小さい子どもたちとの交流は心の癒やしになる。今日は皆さんのすごくいい笑顔が見られて、こちらもうれしくなった」と話した。
 
応援センターからはお礼にクリスマスプレゼントが贈られた

応援センターからはお礼にクリスマスプレゼントが贈られた

 
また会うことを願って、園児がお別れのあいさつ

また会うことを願って、園児がお別れのあいさつ

 
 同園と同復興住宅の敷地は市道をはさんで隣り合い、これまでも住民と園児がラジオ体操を一緒にやったり、互いの行事に参加し合うなど交流を続けてきたが、コロナ禍になってから、その機会も減ってしまった。楢山園長は「地域の人たちには園児の散歩の際に声をかけてもらったり、見守り活動にも協力していただいている。地域との関わりは子どもたちの成長にも大事な要素。今後もコロナと向き合いながら、できることを続けていきたい」と願う。

釜石新聞NewS 年末年始スケジュールのお知らせ

 

日頃は釜石新聞NewSをご覧いただき、誠にありがとうございます。
年末年始につきまして、以下の通り休載とさせて頂きます。

 

休載(記事配信休止)期間:2022年12月29日(木)~2023年1月9日(月・祝)

 

・2023年は1月10日(火)からの更新となります
・問合せ対応等につきましては1月5日(木)からとなります

 

引き続き「釜石新聞NewS」をよろしくお願いいたします。

 

2022年12月22日
釜石まちづくり(株)

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釜石の鉄文化・ジオの魅力体感 根浜キャンプ場に出現⁈ミニチュア高炉で製鉄体験

根浜キャンプ場で行われた鉄づくりの様子を見守るジオガイドら

根浜キャンプ場で行われた鉄づくりの様子を見守るジオガイドら

 
 釜石市鵜住居町の根浜海岸にある観光施設「根浜シーサイド」のキャンプ場で8日、古来の製鉄法「たたら製鉄」の体験会があった。指定管理者の観光地域づくり法人「かまいしDMC」(河東英宜代表取締役)が、鉄文化や三陸ジオパークの魅力を再認識してもらおうと企画したモニターツアーの一環。市内外のジオガイドら10人余りが参加し、当時の光景を想像しながら鉄づくりの一端に触れた。
 
真夏のキャンプ場で見かけた使い道が気になる構造物

真夏のキャンプ場で見かけた使い道が気になる構造物

 
 キャンプ場で鉄づくり?-今年7月に新設されたフリーサイトに、不思議な石造りの構造物があった。焚き火台?手洗い場?…使用目的が分からなかったため、同社の関係者に聞いてみると、「ここで鉄づくりをします」と答えが返ってきた。じっと見つめると、石を組み上げたあの高炉が思い出された。「鉄のまち釜石」の象徴でもある世界遺産「橋野鉄鉱山・高炉跡」。それを模した石造りの炉に「なるほど」と思い、使われる機会を待った。
  
炉を囲んで説明を聞きながら体験活動が進められた

炉を囲んで説明を聞きながら体験活動が進められた

  
 その時が来た―。12月1日の「鉄の記念日」が近づくと、近代製鉄発祥の地・釜石では関連した各種イベントが目白押し。今年は、鉄文化ともつながるジオをテーマにした企画が複数用意された。「釜石のジオサイトは鉄に関わるものが多い。ジオを活用し、鉄にまつわる体験を増やしていけたら面白い」と市世界遺産課の森一欽さん(課長補佐)。ジオサイトでもある橋野鉄鉱山、根浜海岸を生かした体験活動を同社と実行した。
  
 今回はモニターツアーのため、7日に同社社員らがあの構造物の内側にコンクリートブロックや耐火レンガを組み上げて炉を構築。8日に参加者が炉の火入れ、鉄の原料となる鉄鉱石や石灰、木炭の投入など一部の作業を体験した。不純物(ノロ)の抽出が思うようにできず成果に不安もありつつ、解体した炉から0・5キロほどの鉄の混合物「ケラ」が得られた。
  
鉄の原料を炉に投入する作業を体験する参加者

鉄の原料を炉に投入する作業を体験する参加者

 
鉄づくりの熱さを感じながら炉を解体した

鉄づくりの熱さを感じながら炉を解体した

  
 たたら製鉄は炉に砂鉄と木炭を交互に入れて風を送り、熱して鉄を作る方法。森さんによると、古代の製鉄は海側で多く行われていて、釜石・箱崎半島の先端「御箱崎」(ジオサイト・千畳敷)には花こう岩帯があり、砂鉄を含む。根浜でも砂鉄がとれることから、「たたらをやっていた可能性もある」という。江戸時代末期に大島高任が日本初の鉄鉱石を用いた洋式高炉での製鉄(連続出銑)に成功した地で、「たたら製鉄を体験する。ユニークな試みだ」といたずらっぽく笑う。
 
 そんな森さんの説明を聞いたり、橋野鉄鉱山でジオ巡りをした岩泉観光ガイド協会の菊池義彦さん(77)は「岩泉でもたたら製鉄体験を行っている。自分が体験することで鉄づくりの大変さを伝えられ、砂鉄の話題も増える。ジオガイドはいろいろなことを知り、情報の引き出しをたくさん持つことが大事。雑学の積み重ね、新しい知識をアップデートし続ける必要がある」と学びの機会を楽しんだ。
 
製鉄体験を通して釜石の魅力を伝える森さん(中央)

製鉄体験を通して釜石の魅力を伝える森さん(中央)

 
 同社が石造りの構造物を使って製鉄体験を行ったのは、今回が初めて。社員らが使い勝手や鉄づくりの手順を確認する機会にした。森さんは「外気の影響が少なく効率的に加熱できるのかもしれない。ただ、解体作業では邪魔になる」と指摘。地元出身で明治時代の製鉄技師・高橋亦助が48回の失敗を経て出銑に成功したのを思い起こし、「もう少し試行錯誤が必要」とした。
 
 河東代表取締役は「ミニチュアで鉄づくりに触れ、使われ方を知ったうえで橋野鉄鉱山を見ると、当時の操業のイメージを想像できると思う。鉄のストーリーにより理解を深めてもらえる」と意義を強調。同社のジオガイド2人を中心にワーケーションや教育旅行の体験プログラムを作り上げ、誘致に力を入れたい考えだ。

 

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階段の上り下り「楽ちん」 釜石市の公共施設3カ所 いす式昇降機設置

平田生活応援センターに設置されたいす式階段昇降機

平田生活応援センターに設置されたいす式階段昇降機

 
 釜石市平田町の平田地区生活応援センター(小笠原達也所長)はこのほど、施設を利用する高齢者らの利便性を確保しようと階段に昇降機を設置した。集会スペースとして活用される大会議室は施設の2階にあるが、エレベーターなどは設置されておらず、高齢で足腰が弱っている利用者らから不便さ解消を求める声が寄せられていた。
 
 設置されたのは、いす式階段昇降機「楽ちん号」。既存の階段に取り付けたレールに沿っていすが昇降する構造で、高齢者らの移動をサポートする。いすに腰掛ける要領で座り、手元の操作ボタンで移動。使用しない時には折りたためるので、ほかの利用者らの邪魔にもならない。
 
折りたたみ式でコンパクト(写真左)。操作方法を教えてもらう高齢者(写真右)

折りたたみ式でコンパクト(写真左)。操作方法を教えてもらう高齢者(写真右)

 
 独居老人らの支え合いサロン「平田はまなす」が開かれた12月某日、参加者に試乗してもらった。サロンは年10回開催されるが、歩行につえを使う90代の女性は、昇降機が設置されたことを聞いて半年以上ぶりに参加。階段を上るのが大変なうえ、下る際は後ろ向きで時間をかけていて、参加の足は遠のいていた。試し乗りした感想は「本当に楽ちん。幸せ。音も静か」。顔なじみの住民と会話を弾ませ、「これからは気軽に来ることができる。いっぱい交流を楽しみたい」とうれしそうに笑った。
 
 階段がUの字型に折り返す部分もスムーズに移動し、ほかの高齢者も「思ったより揺れない。シートベルトもするし、安心」と高評価。昇降機には箱型のスイッチがコードで接続されていて介助者が移動をサポートすることもできる。
 
座った状態で階段の移動ができ、うれしそうな施設利用者

座った状態で階段の移動ができ、うれしそうな施設利用者

 
接続のスイッチで介助者が移動をサポートする方法も

接続のスイッチで介助者が移動をサポートする方法も

 
 小笠原所長は「階段を理由に利用を控えていた人も少なくなかった。昇降機の設置でより多くの住民にセンターを使ってもらいたい。高齢者らが少しでも外に出る機会が増えればうれしい」と見守る。
 
 昇降機は市が宝くじ助成金を活用し整備。平田のほか、甲子地区生活応援センター(甲子町)と市立図書館(小佐野町)にも設置した。
 

shinrin6233

釜石地方森林組合 持続可能、先駆的取り組みなどで農林水産、環境両大臣賞を初受賞

受賞報告会で県沿岸広域振興局の眞島芳明農林部長(中右)から表彰状を受け取った釜石地方森林組合の植田収組合長(中左)

受賞報告会で県沿岸広域振興局の眞島芳明農林部長(中右)から表彰状を受け取った釜石地方森林組合の植田収組合長(中左)

 
 釜石地方森林組合(植田収代表理事組合長)は本年度、公益社団法人国土緑化推進機構主催の全国育樹活動コンクールで「農林水産大臣賞」、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催のウッドデザイン賞で「環境大臣賞」を受賞した。共に最高位の賞で、同組合の受賞は初めて。適正な森林整備や人材育成、国連の持続可能な開発目標(SDGs)、脱炭素社会への貢献などが認められた。
 
 同コンクールは地域の育樹活動の普及、向上に著しい実績をあげた個人、団体を表彰。最小限の皆伐と積極的な搬出間伐を実践する同組合は、木質バイオマス燃料の販売収入を原資とした基金を創設し、所有者負担のない森林整備を推進。2017年に発生した尾崎半島林野火災の復旧にも生かされた。管内外の林業事業体との業務提携のほか、企業や団体などのボランティア協力を得て、10年かかるとみられた復旧を5年で完了した。林業人材の育成、森林環境教育、企業との木製品開発など、新たな挑戦も評価されての受賞となった。
 
火災で森林が焼失した尾崎半島で行われたボランティアによる植樹活動(2018年6月、復興釜石新聞より)

火災で森林が焼失した尾崎半島で行われたボランティアによる植樹活動(2018年6月、復興釜石新聞より)

 
 同デザイン賞は暮らしや社会を豊かにする木造建築や木製品、木材利用の取り組みなどを表彰。同組合は、月額制の別荘利用サービスを提供し、収益の一部で植林を行うSanu(福島弦CEO、東京都)に釜石地域産木材(スギ間伐材)を供給。環境再生型事業の良質なモデルとして同サービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」が、最優秀4大臣賞の一つ、環境大臣賞を受賞した。同社、同組合、ADX(福島県)、二葉測量設計事務所(静岡県)によるグループ受賞となった。
 
 同組合は東日本大震災の津波で事務所が全壊。役職員5人が犠牲になった。組合存続の危機に立たされたが、国内外の企業の支援を受けながら事業を再生。将来に向けた持続可能な林業のため、異業種のアドバイスも受け、課題克服へのアイデアを形にしてきた。世界的金融機関バークレイズグループの支援を受けた林業スクールは、森林を総合的にデザインできる人材の育成を目指して開講。2015年から5年間で115人が受講し、同組合に就職した人もいる。
 
釜石・大槌バークレイズ林業スクールでチェーンソーの扱い方を学ぶ受講生(2016年10月)

釜石・大槌バークレイズ林業スクールでチェーンソーの扱い方を学ぶ受講生(2016年10月)

 
 尾崎半島林野火災の被災木の活用も積極的に行った。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)会場となった「釜石鵜住居復興スタジアム」建設の際には、同被災木が客席シートや諸室の壁材などに使われ、木質化の良さを全国に発信。シートはボランティアらのメンテナンスで大切に守られている。
 
釜石鵜住居復興スタジアムの木製シートを清掃するボランティア活動(2019年6月)

釜石鵜住居復興スタジアムの木製シートを清掃するボランティア活動(2019年6月)

 
 12日、両大臣賞の受賞報告会が大槌町内のホテルで開かれた。関係者約70人が出席。県沿岸広域振興局の眞島芳明農林部長が、全国育樹活動コンクール「農林水産大臣賞」の表彰状を植田組合長に伝達した。
 
 植田組合長は「震災から11年目にこのような賞をいただいたことは、非常に感慨深い。津波被害、林野火災の復興を成し遂げられたのは、県内外から大勢の人たちが協力してくれたおかげ。今回の受賞は数々のご支援があったればこそ」と感謝。今後を見据え、「森林は50年、100年と続くもの。持続した経営ができるよう、組合も世代交代が必要。若い人たちにどんどん入ってきてほしい」と願った。
 
「農林水産大臣賞」の表彰状を手にする釜石地方森林組合の植田収組合長

「農林水産大臣賞」の表彰状を手にする釜石地方森林組合の植田収組合長

 
受賞報告会は山神祭(安全祈願祭)、労働安全大会に合わせて行われた

受賞報告会は山神祭(安全祈願祭)、労働安全大会に合わせて行われた

 
 同組合は世界で重要視されるSDGs、CO2削減への取り組みにもいち早く着手。昨年8月には大槌町と構成する釜石地方森林管理協議会として、適正な森林経営で環境保全に貢献していることを証明する「FSC認証」を取得した。高橋幸男参事は「自分たちが模範となり森林を適正に管理することで、他地域にも波及していく。釜石、大槌の90%を占める森林資源を活用し地域に貢献することが、目標とする組合の在り方」と話した。

no95975

困難乗り越えつなぐ「歓喜の歌」 3年ぶり復活「かまいしの第九」に市民ら胸熱く

2019年以来3年ぶりに開かれた「かまいしの第九」演奏会。43回目の開催=11日

2019年以来3年ぶりに開かれた「かまいしの第九」演奏会。43回目の開催=11日

 
 釜石の師走に待望の「歓喜」の歌声が響いた―。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた「かまいしの第九」演奏会(実行委主催)が11日、市民ホールTETTOで3年ぶりに開かれた。本番1カ月前に指揮者が急病で交替。東日本大震災以来の大きな困難に直面しながらも、持てる力を結集し堂々の演奏を聞かせたメンバーら。心を一つに“釜石の宝”をつなぎ、約350人の観衆を魅了した。
 
 オーケストラはウッドランドノーツ(東京都)、釜石市民吹奏楽団メンバーら総勢45人。合唱隊は感染拡大防止のため規模を縮小し、県内在住者を中心に68人で編成。ソリストとして4人の声楽家を迎えた。ベートーベンの交響曲第9番1~4楽章を演奏。合唱は例年の半数ほどの人員となったが、オーケストラに負けない歌声を響かせ、コロナ前と変わらない迫力の演奏で、会場を感動で包んだ。
 
ベートーベン交響曲第9番を「混声4部合唱」で歌い上げた

ベートーベン交響曲第9番を「混声4部合唱」で歌い上げた

 
開催できなかった2年分の思いを込め、力強い歌声を響かせる男性メンバー

開催できなかった2年分の思いを込め、力強い歌声を響かせる男性メンバー

 
 釜石市甲子町の佐藤登喜子さん(75)は「素晴らしかった。釜石の第九は平和の印。まだまだコロナも多くて心配だが、やっぱりこういう時間は必要。気持ちが豊かになりました」と余韻に浸った。大槌町の駒木明郎さん(85)は「一生懸命歌う姿が震災の年の第九と重なった。もう少しお客さんが入ってくれたら。合唱メンバーも高齢化が進む。もっと若い人たちが参加してくれるといいね」と願った。
 
 長年、指揮を担当する地元在住の音楽家山﨑眞行さん(72)が11月中旬、病に倒れ急きょ降板。山﨑さんの弟子で、東京で音楽活動を続ける釜石出身の瓦田尚さん(39、都立高教諭)が代役を務めた。瓦田さんは中学時代から同演奏会に参加。主宰するオーケストラ「ムジカ・プロムナード」で第九の指揮を経験している。実行委からの打診に「重責なので最初は迷った」というが、「自分の原点は釜石の第九。つながねば」と決意。本番では「力強くクリアな歌声。オケの集中力。全員のパワーと思いで成立した演奏」と出演者をたたえ、「来年は山﨑先生とまた一緒に…」と願った。
 
代役で指揮者を務めた釜石出身、東京在住の瓦田尚さん(中央)

代役で指揮者を務めた釜石出身、東京在住の瓦田尚さん(中央)

 
no95975
 
 釜石高音楽部の小林鈴菜さん(2年)は「初めての体験なのでワクワクしていた」と本番を心待ちにしていた様子。「ドイツ語の発音が難しく、足りていない部分はあったと思うが、オケの迫力に負けないよう頑張った。市民メンバーだけでこんなにすごい第九が歌えるなんて」と感動の言葉を口にした。
 
 大船渡市の土井尻季恵さん(78)は、ソリストとして出演を続けるソプラノ土井尻明子さん(46)の母で、明子さんの娘夏鈴ちゃん(6)と3世代初共演。明子さんは甲子小1年在学時に、季恵さんが手作りした衣装を着て同第九に初めて出演。今回、その時の衣装を夏鈴ちゃんが身にまとい、3人でステージに立った。季恵さんは「釜石の第九は次世代に歌い継ぐという使命がある。こういう日が来ることを望んでいた。家族、地域の支えがあって私たちは舞台を踏める。幸せなこと」と喜びを表した。明子さんと練習を重ねた夏鈴ちゃんは「楽器の音が大きくて自分の声が聞こえなかった。でも楽しかった!」とにっこり。初舞台を鮮明に覚えているという明子さんは「当時の体験が(声楽家としての)今の自分につながっている。思い出の地で母、娘と舞台に立てて感慨深い」と話した。
 
no95975
 
演奏会のフィナーレは「歓喜の歌」を再度演奏

演奏会のフィナーレは「歓喜の歌」を再度演奏

 
例年、観客も一緒に声を重ねる最後の「歓喜の歌」は、今年は手拍子で…

例年、観客も一緒に声を重ねる最後の「歓喜の歌」は、今年は手拍子で…

 
 同演奏会は1978年の初演から毎年12月に開かれ、震災があった2011年も途切れることなく続けられてきた。コロナ禍で20、21年はやむなく中止したが、復活を期して本年から再始動。12月の感染状況が見通せない中ではあったが、7月から合唱練習を続け、念願の演奏会を実現させた。
 
 「かまいし第九」実行委の川向修一会長(70)は「大きな山をみんなの努力で越えられた。一人一人の思いが膨らみ、それが客席に届いたのではないか…」。今年に入り、長年一緒に歌い続けてきたメンバー、裏で舞台を支えてくれていた仲間を相次いで亡くした。コロナ禍だけでなく、メンバーの高齢化、資金面など継続への課題は多いが、「今回、少ない人数でもこれだけの第九ができるというのを感じられたのは一番の収穫。これを力に変え、何とか来年以降も続けていければ」と思いを込めた。
 
出演者には会場から惜しみない拍手が送られた

出演者には会場から惜しみない拍手が送られた

 
 同演奏会では2003年から、市内の中学校単位で合唱を披露する「オーケストラと歌おう」のコーナーを設けているが、本年はコロナ禍を考慮し見送った。