「釜石新聞NewS」 プレーバック2022
釜石新聞NewS
2022年はどんな一年だったろうか?釜石では東日本大震災の被害から脱却した発展の姿を模索する中、国や県公表の新「津波浸水想定」を受け、あらためて防災について考える機会が増えた。新型コロナウイルスの収束は見通せないものの、各種行事の「3年ぶり開催」も多かった。釜石新聞NewSが伝えた記事から主要な出来事をピックアップし、まちの変化を振り返る。
1月
【震災で被災した東北電力、新社屋が完成】
東北電力岩手三陸営業所と東北電力ネットワーク釜石電力センターの新社屋が中妻町に完成した。震災で被災し、仮社屋を経て待望の本設施設。20日の竣工(しゅんこう)式で、両者は「安定供給と暮らしに役立つサービスを提供していく」と気を引き締めた。
3月
【震災11年、亡き人へ祈り 釜石市内各地で追悼】
暮らし、営み、日常が一瞬で奪われたあの日から11年となった11日、市内各地で追悼行事が行われた。「(あの人が)いないなんて、実感がない」「平穏に暮らせるよう見守っていて」。犠牲者の芳名が掲げられる鵜住居町の「釜石祈りのパーク」では朝から、静かな祈りが続いた。
【脱炭素社会実現へ 釜石市内でも官民の取り組み加速】
地球温暖化による異常気象が原因の大規模災害の多発で、世界的な対策強化が急がれる中、釜石市内でもCO2削減への取り組みが進む。3月、釜石ガスは自社設備へのカーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)の導入を開始。市は10月、公共施設の温室効果ガス排出量可視化へ向け、民間企業と連携して取り組むことを発表した。
4月
【まちなかの遊び場・鈴子広場リニューアル】
震災後に仮設飲食店用地となっていた鈴子町の公園「鈴子広場」。市が進めてきた復旧整備工事が完了し16日、一般利用が始まった。幅広い世代の声をくみ上げて作った「まちなかの遊び場」で、多様な人が集い地域活性化を促す拠点として期待される。
6月
【ラグビーの聖地「釜石」の盛り上げに 不惑仲間が2年ぶりに集結】
マスターズラグビーの交流大会が11、12の両日、釜石市で開かれた。40~60代の選手約110人が、新日鉄釜石・日本一7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)開催のレガシー(遺産)が残る同市で試合を楽しみ、「ラグビーのまち」の再びの盛り上がりを祈念した。
【新たな津波浸水想定 県公表を受け説明会】
釜石市は18日、県が今年3月に公表した最大クラスの津波浸水想定に関する住民説明会を開始。初日は震災時に浸水しなかった中妻地区の住民らが対象で、地域に被害が及ぶ可能性が示され、避難のあり方をあらためて考えた。説明会は地区別に計4回開き、緊急避難場所などの見直しに反映させた。
7月
【ラグビー日本代表有志ら釜石で教室 子どもたちの夢を後押し】
ラグビー日本代表経験者6選手によるラグビー教室が29、30の両日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。競技に励む小中高生、一般ファンら約300人が参加。世界を舞台に活躍する選手らの直接指導、サイン会などに参加者は大感激。子どもたちは憧れのまなざしで夢いっぱいの時間を過ごした。
8月
【帰ってきた港彩る大輪の花 釜石納涼花火3年ぶりに復活】
新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていた釜石納涼花火大会が11日、3年ぶりに開かれた。震災犠牲者の鎮魂、コロナの早期終息などを願い、釜石港で約3千発を打ち上げ。約1万人が久しぶりの夏の風物詩を楽しみ、明日への活力を得た。
10月
【釜石まつりも3年ぶりに 2基のみこし、曳き船に市民ら感動】
尾崎神社と日本製鉄釜石山神社の合同祭「釜石まつり」は14日から3日間開催。新型コロナの影響による2年連続の中止を経ての待望の祭りとなった。海上で繰り広げられる曳き船まつり、市街地を練り歩くみこし渡御に大勢の見物客が手を合わせ、さまざまな願いを込めた。
11月
【チームスマイルが年内で活動終了 釜石で布袋寅泰さんがライブ】
東日本大震災の被災地でエンターテインメントによる復興支援活動を継続してきた一般社団法人チームスマイルが年内での活動終了を発表。拠点施設がある釜石市で20日、同活動を支援してきたギタリスト布袋寅泰さんのスペシャルライブが開かれた。法人はライブチケットの売り上げを同市などに寄付した。
12月
【映画「釜石ラーメン物語」完成披露上映会】
麺は細いが、絆は太い。人情・根性、釜石ラーメン―。釜石が舞台の映画「喜劇 釜石ラーメン物語」が完成し、3日にTETTOで上映会が開かれた。市民ら約800人が鑑賞。監督や出演者のトークショーもあり、作品に込めた思いや撮影秘話を紹介した。
【「歓喜の歌」釜石の師走に再び かまいしの第九 3年ぶりに実現】
「かまいしの第九」演奏会が11日、市民ホールで3年ぶりに開かれた。感染症対策のため合唱隊の規模を縮小。オーケストラ含め117人が心を一つにベートーベンの交響曲第9番を演奏し、復活を待ちわびた聴衆を魅了した。同演奏会は43回の歴史を重ねる。
後記
市民の皆様、釜石新聞NewSをご覧頂いている全国の皆様、本年のご愛読ありがとうございました。
WEB専門の媒体としてのご理解と認知度も着実に高まり、皆様の生活の中に受け入れていただいている手ごたえを感じる機会が多くなりました。取材依頼などについては、運営体制の変化やコロナ禍における制約などもあり、復興釜石新聞の時のようにはお応えしきれない点についてお詫び申し上げるとともに、あらためてご理解を賜れれば幸いです。
皆様、どうぞよいお年をお過ごしください。
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム