【コラム】釜石新聞NewS 2年目の年末にあたり


2022/12/28
釜石新聞NewS

【コラム】釜石新聞NewS 2年目の年末にあたり

 

毎年この時期になると「今年の漢字」や「流行語」が発表され、ちょっとした賛否を含めたコミュニケーショントピックとなる様子は、もはや年末の風物詩の一つともなっている。そうした大きな話題に上るほどではないが、身の回りだけでなくおそらく全国的に多くの方々が、「3年ぶり」と言う言葉を今年は頻繁に目や耳にしたのではないかと思う。

 

新型コロナが世に広まり始めて3年が経過した。社会に大きな混沌を生み出し、今や当たり前と化なっている生活習慣も、実は3年前には無かったものだったりする。そうした感染症対策を前提に、ジャンルや規模の大小問わず、様々な行事が「3年ぶり」に復活したり、多くの大会が「3年ぶり」に有観客で開催されたりと、少しずつ“コロナ前”を取り戻してきたように感じる。

 

特にも、夏~秋にかけてのお祭りが全国各地で3年ぶりに開催されたニュースには、気持ちがホッとさせられた。釜石でも10月の「釜石まつり」が、曳舟、神輿渡御、郷土芸能の市内巡行とほぼ本来の形で開催され、いつもの活気や盛り上がりに加えて、何だか胸にジーンと来る3日間だった。郷土芸能を受け継いだり、屋台で祭りを楽しむ子供たちの姿を見ると、その子たちの3年前を想像してしまい、こうした機会が無事に戻って来たことが嬉しくなった。

 

コロナ禍への対処に出口が見えて来た一方で、今はそれ以上に混沌とした社会情勢となっている。生活範囲のあちらこちらで、これまで当たり前と思っていた価値観が大きく変わったり、安定していたものが急激に不安定になったりし、物価の上昇は光熱費を含む生活必需品にも及んでいる。

 

1年先どころか、半年先の世情の見通しすらも立てにくいが、そんな中だからこそ“釜石の今を伝える”という役割を大切に、釜石新聞NewSは今年も取材、執筆、そして発信を続けて来た。釜石市にとっては様々な意味で厳しい1年でもあったが、幅広いジャンルで市内在住や釜石出身の若い世代が活躍するニュースが印象的な1年だった。彼ら彼女らの1年後、2年後、3年後・・未来を想像してワクワクする機会がありがたい。

 

最後の最後で話が変わるが、大きな混沌の中で暮らすには、何が起きてもいいように多くの可能性を想定しておくことと、実際にいざという時に臨機応変に対応することが求められる。ほぼ相反する2つだが、それは災害対策に一致する。この機に防災への備えを呼び掛けて、2022年を締め括りたい。

 

2023年は、平穏が感じられる1年になりますように。

 

2022年12月28日
釜石まちづくり株式会社
「釜石新聞NewS」運営管理者


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