タグ別アーカイブ: スポーツ

釜石市民体育館の完成イメージ図

新たなスポーツ拠点に〜釜石市民体育館、鵜住居で着工

釜石市民体育館の完成イメージ図

釜石市民体育館の完成イメージ図

 

 東日本大震災で被災し、釜石市が再整備を進める市民体育館の建設工事安全祈願祭が6月29日、鵜住居町の現地で行われた。鵜住居地区のまちなか再生に向けた中核施設の一つ。来年のラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場として同地区に建設が進むスタジアムとともに、新たなスポーツ拠点となる。来年7月末の完成を目指し、使用開始はW杯終了後の12月ごろを見込む。

 

 桜木町にあった同体育館は震災の地震で天井を支える鉄骨部分が壊れるなど被害を受けたのに加え、旧耐震基準で建てられていたこともあり、2013年に解体され、鵜住居地区での再整備に向けた準備が進められていた。

 

 新しい体育館はJRから三陸鉄道に移管される鵜住居駅西側の敷地約6700平方メートルに建設される。鉄骨一部鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約3510平方メートル。観客席は車いす用6席を含む776席を設ける。多機能トイレやエレベーター、赤ちゃん休憩室を備えるなどバリアフリーに配慮。タカヤ・山長建設特定共同企業体が施工する。

 

 事業費は約21億円。災害復旧費補助金や震災特別交付税でほぼ賄う。

 

建設予定地の全景

建設予定地の全景

 

 安全祈願祭には関係者約40人が出席。神事を行った後、野田武則市長が「鵜住居駅周辺は大きく様変わりする。スポーツの拠点として、市民の期待に応えられる場所にしたい」とあいさつした。

 

 同駅周辺には震災犠牲者の慰霊・追悼の場となる「祈りのパーク」や津波伝承施設などが整備中。商業施設の建設も計画されており、中心市街地の再生が進められている。

 

(復興釜石新聞 2018年7月4日発行 第703号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原綾香さんと歌声重ねる、復興スタジアム 8月19日に共演へ〜釜石東中をサプライズ訪問

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

平原さんが釜石東中生と声を合わせた

 

 代表曲「ジュピター」などで知られる歌手の平原綾香さん(34)が27日、釜石東中(佐々木賢治校長、生徒117人)を訪れ、生徒らと交流。同校で歌い継いでいる合唱曲「いつかこの海をこえて」などで歌声を重ねた。平原さんは、来年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催の会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」で8月19日に行われるオープニングイベントに応援ゲストとして出演。「ジュピター」を披露するのに加え、同校生徒たちと一緒に「いつか~」を合唱することが決まった。

 

 震災後、コンサートなどで復興支援を続けてきた平原さん。日本代表戦で国歌斉唱を務めるなどラグビーとの縁もあり、8月の同スタジアムオープニングイベントへの出演が決まっている。そんな中、W杯釜石開催のPR映像の中で流れる「いつか~」を耳にし、歌に込められた思いやの曲づくりの背景を知り、「一緒に歌いたい」と希望。「復興に向けて歩む姿や音楽のすばらしさを届けるステージを一緒に作ろう」と思いを伝えるため、来釜した。

 

 期末テスト期間中だったが、体育館に全校生徒が集合。3年生(47人)が練習を重ねてきた「ジュピター」を歌い始めると、平原さんがサプライズで登場した。平原さんが生「ジュピター」を披露すると、生徒らは表現力や声量、歌唱力に感激。少し緊張気味に「いつか~」で声を合わせた。

 

 生徒たちの歌声を聴いた平原さんは「まっすぐ素直なきれいな歌声。天使に見えた」と評価。互いに練習を重ねることを約束し、「みんなの十八番(おはこ)、自信を持って。本番、お願いします」と呼び掛けた。

 

 小笠原羽美佳(うみか)さん(3年)は「(平原さんは)空気が振動するような、響き渡る歌声だった。本番は合唱の完成度を高めて歌いたい」と気合十分。高清水享妥(きょうた)君(同)は「いつか~」を校歌と同じくらい大切にしているといい、「震災があった時に先輩が思いを伝えようと作った曲。思いを受け継いで歌わなければ。平原さんとしっかり合わせられるよう練習したい。8・19が楽しみ」と声を弾ませた。

 

 「いつか~」は、震災を経験した同校生徒が考えた復興への思いをもとに作られた曲。歌詞の歌い出しをつなげると「鵜住居で生きる、夢抱いて生きる」とのメッセージが浮かび上がる。

 

 平原さんは2番の歌詞にある「いつの日もそばにいる/たとえ離れていても」が心に強く響いているという。「生きている人が天に向かい亡くなった人を思う、天国からは亡くなった人が見守っているよと呼び掛けているように感じ、胸が熱くなる」。震災被災地で活動を続ける中で出会った人たちの思いに寄り添えるようなこの歌詞に、「思いをのせたい」と本番へ気持ちを高める。

 

 津波で破壊された同校旧校舎の跡地に建設されるスタジアムについて「地域の希望の光で夢の集まる場所だが、夢をかなえる場所であってほしい。震災を忘れない場所にもなると思う。いろんな思いが世界中に届くようお手伝いしたい」と話した。

 

 同スタジアムのイベントには平原さんのほか、ダンス・ボーカルグループEXILE(エグザイル)のUSAさん、TETSUYAさんも応援ゲストとして出演することになっており、同校生徒と一緒にダンスを披露する。

 

(復興釜石新聞 2018年6月30日発行 第702号より)

関連情報 by 縁とらんす

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

第100回全国高等学校野球選手権記念岩手大会 釜石商工高校・釜石高校キャプテンインタビュー

第100回全国高等学校野球選手権記念岩手大会 釜石商工高校・釜石高校キャプテンインタビュー

第100回全国高等学校野球選手権記念岩手大会 釜石商工高校・釜石高校キャプテンインタビュー

 

高校球児の誰もが目指す『全国高等学校野球選手権』、通称“夏の甲子園”は、今年で第100回の節目を迎える。岩手県大会キャッチフレーズは『100回目の夢 夏風に乗って』(釜石高校1年 川向 文也くん)。7月6日~19日まで、憧れの舞台への出場切符を掛けて熱戦が繰り広げられる。

 

縁とらんすでは、釜石市の二校、釜石高校と釜石商工高校の硬式野球部を代表し、両校のキャプテンにこの夏のかける意気込みを伺って来ました。(インタビューは6月中旬に実施)

 

岩手県立釜石商工高等学校

 

岩手県立釜石商工高等学校 青木優馬

 

岩手県立釜石商工高等学校 硬式野球部(部員数32名)
青木優馬(あおき ゆうま)キャプテン / 電子機械科 3年
●ポジション:ファースト
●野球を始めたきっかけ:小学3年の時、父の影響で。

 

ーー今年のチームについて

 

青木君

明るくてポジティブなチームで、試合では“最後まであきらない気持ち”を大切にしています。
実際にこのチームになってから、負けている試合でも最終回で逆転して勝つ事が出来るようになりました。

 

また、「正しい判断、正しい選択が出来る大人になる」という目的を掲げ、野球だけではなく、普段から規律正しく生活する事を心掛け、一人ひとりがチェックリストを作って取り組んでいます。目に見える事で自分が積み重ねて来た事を実感出来る様になり、それが自信につながっています。

 

練習での取り組みとして、雨の日でもグラウンドを走ったり、守備練習をしたりして、実際に雨の日の試合を想定して普段から練習をしています。雨でボールが滑ったり、足元がぬかるんでいるとプレーにも影響がでたりするので、どちらかというと“雨”をネガティブに捉えるチームも多いと思うのですが、自分たちのチームはこういう練習をしている事で雨の試合も「よっしゃー!商工ペースだ!!」とポジティブに捉えて戦う事が出来ます。

 

釜石商工青木キャプテン

 

ーーキャプテンとしていつも心がけている事は?

 

青木君

「声を出す」という事を様々な場面で意識しています。
明るくて元気があるのがこのチームの長所ですが、時々それが行き過ぎてしまう事があるので、そういう時には集中出来る様に、逆に声があまり出ていない時には、率先して大きな声を出しチームを盛り上げて行くようにしています。

 

釜石商工青木キャプテン

 

ーー岩手県大会での目標、抱負を教えて下さい。

 

青木君

目標は甲子園初出場です!出場する事になったら、いつも応援してくれている皆さんや釜石市民の方々も喜んで下さると思うので、自分たちの頑張りで“釜石を活気付ける”事が出来るように頑張ります!また、個人的には、いつも応援してくれる家族の為に、まずヒットを1本打って、恩返したいと思います。

 

釜石商工高校の初戦の相手は、花北青雲高校です。試合は7月7日 14時から 金ヶ崎森山総合公園野球場で行われます。

 

岩手県立釜石商工高等学校公式サイト
http://www2.iwate-ed.jp/kat-h/

 

岩手県立釜石高等学校

 

岩手県立釜石高等学校 山内キャプテン

 

岩手県立釜石高等学校 硬式野球部(部員数33名)
山内 颯太(やまうち そうた)キャプテン / 普通科 3年
●ポジション:キャッチャー
●野球を始めたきっかけ:小学2年生の秋、憧れの6年生の先輩からユニフォームのおさがりをもらって。

 

ーー今年のチームについて

 

山内君

お互いやチームについて良く理解しあい、考えや想いを共有しているチームです。
テーマとして「目標:日本一」「使命:地元への恩返し」を掲げていて、もう一つ「選択」というテーマがあるのですが、選手が中心となってチームを運営し、先生や監督から助言やサポートをして頂くという方針を取っていて、キャプテン・副キャプテンの他、ポジションや攻撃・守備など各部門のリーダーそれぞれが責任を持ち、練習メニューなどを考えています。

 

自分たちで決めているので、やりたい事だけをやっていても強くはなれないですし、毎日の練習を「試合」と呼んで、今日の「試合」を勝つために何が必要なのかを考えてやっています。

 

“やりたい事”だけではなく“やるべき事や必要な事”を選ぶのはなかなか大変で、上手くいかない事もあるけど、自分で考え実践する事は、野球だけではなく、将来自分達が社会に出た時にも役立つと考え取り組んでいます。

 

岩手県立釜石高等学校 山内キャプテン

 

ーーキャプテンとしていつも心がけている事は?

 

山内君

皆を支えたいというよりは、支えられていると思います。このチームは皆で運営しているチームなので、自分は“皆の意見をまとめる”“先生のアドバイスを伝える”くらいの仕事しかしていません。

 

それが「キャプテンとしてどうなのか」と考えた事もあったんですけど、今はこれが“釜石高校らしさ”で、こういうチームがあってもいいんじゃないかと思っています。

 

ただ、練習試合などで出た課題を次に活かすことを自分では特に意識していて、日々のメニュー作りになどに考えを反映させている事が、チームに貢献するという部分に繋がっているのではないかと思います。

 

岩手県立釜石高等学校 山内キャプテン

 

ーー岩手県大会での目標、抱負を教えて下さい。

 

山内君

個人としては、いつも応援してくれている家族に恩返ししたいという思いを原動力に、日々頑張っています。

 

自分たちの使命、目標を達成する為にはこの夏が最後の舞台になります。自分たちの「選択」の集大成として、選手一人ひとりとチームの個性を存分に発揮し、甲子園に行きたいと思います!

 

釜石高校の初戦の相手は水沢商業です。試合は7月7日9時から金ヶ崎町森山総合公園野球場で行われます。

 

岩手県立釜石高等学校公式サイト
http://www2.iwate-ed.jp/kas-h/

 
 

その他、大会の詳細については、岩手県高等学校野球連盟の公式HPをご覧ください。
http://www.iwate-koyaren.com/
第100回全国高等学校野球選手権記念岩手大会トーナメント表PDF
http://www.iwate-koyaren.com/h30keiji/100natu/100yagura.pdf

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

「絆のOB戦」を6年ぶりに再現することになった釜石と神戸のメンバー=2012年9月、東京・秩父宮ラグビー場で

新日鉄釜石・神戸製鋼、8月19日「絆のOB戦」〜鵜住居スタジアムのオープン飾る

「絆のOB戦」を6年ぶりに再現することになった釜石と神戸のメンバー=2012年9月、東京・秩父宮ラグビー場で

「絆のOB戦」を6年ぶりに再現することになった釜石と神戸のメンバー=2012年9月、東京・秩父宮ラグビー場で

 

 8月19日に行われる釜石市の鵜住居復興スタジアムのオープニングイベントの一環として、ともにラグビー日本選手権7連覇の偉業を達成した新日鉄釜石と神戸製鋼の「絆のOB戦」が行われることになった。釜石は松尾雄治さん、神戸は林敏之さんら往年の名選手が名勝負を再現。1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)へ機運を盛り上げる。

 

 両チームOBは2012年9月に東京・秩父宮ラグビー場で東日本大震災のチャリティーマッチを行っている。新スタジアムオープニングイベント開催実行委員会(実行委員長=野田武則釜石市長)によると、今回は来年にラグビー部設立60周年を迎える新日鉄釜石が神戸製鋼に協力を呼び掛けた。

 

 6年ぶりの“ドリームマッチ”には、釜石OBが松尾さんのほか森重隆さん、石山次郎さん、和田透さん、谷藤尚之さん、千田美智仁さん、坂下功さんら、神戸OBは林さんのほか大八木淳史さん、大西一平さん、萩本光威さん、堀越正巳さん、薮木宏之さん、元木由記雄さんらが出場を予定する。

 

 試合当日は午前にスタジアム竣(しゅん)工式などを行い、正午にOB戦をキックオフ。V7メンバーによる10分1セットと、ほかのOB選手も加えた15分2セットを行う。

 

 このあと歌手の平原綾香さんらが出演するオープニングセレモニーを経て、午後2時から釜石シーウェイブス(SW)がトップリーグのヤマハと対戦する。

 

 チケットは10日からラグビーW杯チケットID登録者の先行抽選受け付けが行われ、24日から一般販売する。メインスタンド最前列の「絆シート」は前売り大人4千円、小中学生2千円(税込み、当日券500円増)、自由席は前売り大人2500円、小中学生千円(同)など。

(写真説明)

 

(復興釜石新聞 2018年6月16日発行 第698号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」公式サイトオープン

「釜石鵜住居復興スタジアム」の公式サイトが、本日6月20日に公開となりました。
 

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアム | Kamaishi Unosumai Memorial Stadium

釜石鵜住居復興スタジアムの公式ページです。Official Page of Kamaishi Unosumai Memorial Stadium.
https://kamaishi-stadium.jp/


 

2018年8月19日(日)に開催されるオープニングイベントの詳細など、今後どんどん情報を追加・更新して参りますので、皆様ぜひチェックをお願いします。

 

※Facebookページでも情報発信をしていますのでこちらもよろしくお願いします。

釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話:0193-27-8420 / Fax 0193-22-6040
縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

ミドル級王者 世界の村田選手、約束の再訪〜鵜住居小児童と交流、ベルト披露 挑戦する大切さを伝える

やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

やさしい笑みの村田選手を囲んで「はい、チーズ」。子どもたちは笑顔を広げた

 

 初防衛を果たしたばかりの世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者で2012年ロンドン五輪金メダルの村田諒太選手(32)=帝拳=が23日、鵜住居小(中軽米利夫校長、児童138人)を訪れ、運動会の練習をしていた児童と交流。光り輝くチャンピオンベルトを披露し、子どもたちに諦めずに挑戦する大切さを伝えた。

 

 村田選手は奈良市出身。中学生でボクシングに出会い、高校、大学と国内トップの座を占めた。東洋大在学中の04年に全日本選手権で初優勝。08年に同大に就職し、選手活動を継続。全日本選手権で09年から3連覇を達成。円熟ぶりはロンドン五輪の金メダルで証明された。

 

 13年にプロに転向し、17年10月に世界王座を獲得。五輪金メダルとプロの世界王座獲得という、国内史上初の快挙を果たした。今年4月、初防衛に成功。日本選手が同級の世界王座防御を果たすのも初めてだという。

 

 村田選手が釜石を訪れるのは今回で3回目となる。1回目は後援会岩手会員の菊池紫登美さん(58)=橋野町=の手紙がきっかけで、12年12月に仮設校舎だった同校を訪問。金メダルを披露し、被災地を元気づけた。2回目は14年6月で、「また来るね」と約束したことを守るため来釜。栗林小で市内の小中学生らと交流した。

 

村田選手(右)のチャンピオンベルトを手に笑顔を見せる児童

村田選手(右)のチャンピオンベルトを手に笑顔を見せる児童

 

 「世界チャンピオンになってまたベルトを見せに来るから」。ミドル級王者となり、ベルトを守った村田選手。子どもたちとの約束を果たすため、再び釜石にやって来た。

 

 この日、全校児童が校庭で運動会の総練習をしているところに村田選手が登場。「子どものころを思い出し、元気になる」と、児童らに交じって玉入れなどを楽しんだ。

 

 昼食後は教室で児童と交流した。ベルトやメダルを手にした児童はその重みや輝きを体感。写真を撮ったり握手したり、爽やかな笑顔が光る世界チャンピオンとの触れ合いに、金野琥珀君(2年)は「かっこいい。僕も大人になったヒーローになる」と目を輝かせた。

 

 児童から「どうしたら強くなれるの?」と聞かれた村田選手は「教えてくれる人(先生)の言うことをよく聞くことが大切」と強調。毎日の練習も大事で、「強くなりたかったら練習しないといけない。みんなが勉強するのと一緒。やれることを一生懸命やれば強くなるし、道も開ける」と力を込めた。

 

 夢をかなえる方法について、スポーツ界で活躍している人たちに共通するのは「負けず嫌い」と指摘した。「苦しい時も諦めなかったから今の自分がいる。しんどい中にも何か楽しみがあり、楽しくなると好きになる。それがチャンス。チャレンジしたら最後まで諦めない気持ちを持って」と助言。人との競争は重要でなく、「大事なのは自分の成長。懸命に取り組めることを見つけ、自分として成長できるよう頑張ってほしい」とエールを送った。

 

 川﨑拓真君(5年)は「テレビで見ている人が来てくれてうれしい」と感激。走ることなどが苦手だというが、「悔しくても諦めず頑張りたい。いろんなことを勉強して知って、自分だけの夢を選んでいけたら」とパワーをもらった様子だった。

 

 菊池さんによると、今回の訪問を前に村田選手から復興の進み具合についての問い合わせがあった。被災地に寄せる思い、子どもたちとのつながりを大切にする気持ちを感じ、「(村田選手は)優しさにあふれている。熱い信念を持った人だからこそチャンピオンなんだと実感。来てもらって、まちも楽しくなる」と感謝した。

 

 村田選手は今秋に2回目の防衛戦を予定している。「勝って」。今度は児童らが鵜住居からパワーを送ることを約束した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月23日発行 第691号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

左がヤマハの五郎丸選手、右は釜石SWの小野航大主将

8月19日 釜石シーウェイブス、ヤマハと再戦〜鵜住居復興スタジアム完成記念、W杯盛り上げへエール交換

釜石鵜住居復興スタジアムでの再戦を発表した釜石SWとヤマハ発動機の関係者ら=15日、東京都内で(写真はNPOスクラム釜石の大友信彦さん提供)

釜石鵜住居復興スタジアムでの再戦を発表した釜石SWとヤマハ発動機の関係者ら=15日、東京都内で(写真はNPOスクラム釜石の大友信彦さん提供)

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会の会場の一つとして釜石市鵜住居町に7月下旬の完成を予定する釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングイベント発表会見が15日に東京都内で行われ、8月19日に釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグ(TL)のヤマハ発動機の記念試合が行われることが発表された。両チームの関係者らが握手。オープニングマッチを通し、W杯開催を盛り上げようとエールを交わした。

 

 発表会見には、日本ラグビー協会の森喜朗名誉会長や鈴木俊一五輪相(衆院岩手2区)、野田武則釜石市長らが出席した。

 

 ヤマハ発動機は東日本大震災から約3カ月後の2011年6月5日に釜石まで駆け付け、SWと対戦。試合を通じ、震災直後に被災者へ救援物資を搬送するなど奮闘したSWの選手らを勇気づけ、SWの再起を後押しした。こうした経緯からSWがヤマハを招き、新スタジアムのオープニングマッチで再戦が実現することになった。

 

左がヤマハの五郎丸選手、右は釜石SWの小野航大主将

左がヤマハの五郎丸選手、右は釜石SWの小野航大主将

 

 会見で、SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督は「ヤマハとは強いつながりを感じる。8月19日は観客のみなさんと心をつなぎ、来年のW杯につなぐ試合にしたい」と決意表明。ヤマハの清宮克幸監督は釜石に遠征した7年前を振り返り、「タッチラインに並ぶ大漁旗を見て、このまちの復興にはラグビーが一番だと確信した。今回の試合では、鉄と魚のまちにラグビーで輝きを与えたい」と応えた。

 

 15年のラグビーW杯英国大会で日本代表として大活躍したヤマハの五郎丸歩選手は「思い出すのは7年前の釜石遠征。震災の傷跡が残るまちを歩き、ラグビーができることへの感謝の気持ちを抱いた」と思いを語った。

 

 8月のオープニングイベントでは、歌手の平原綾香さんが「ジュピター」を披露。人気ダンス・ボーカルグループEXILE(エグザイル)のUSAさん、TETSUYAさんと釜石東中生によるパフォーマンスもある。

 

 当日は午前中からイベントを開き、午後2時試合開始の予定。

 

(復興釜石新聞 2018年5月16日発行 第689号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

釜石8.19 釜石鵜住居復興スタジアムオープニングイベント

キックオフ!釜石8.19 釜石鵜住居復興スタジアムオープニングイベントの開催について

5月15日に東京都内で開催された記者会見の様子

5月15日に東京都内で開催された記者会見の様子

 

ラグビーワールドカップ2019TM 釜石開催の試合会場として建設中の「釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)」の完成を記念し、市民・関係者の一体感をより一層強めながら、スタジアムの完成を広く情報発信するため、オープニングマッチとメモリアルイベントを開催いたします。

 

イベント名

「キックオフ!釜石8.19 釜石鵜住居復興スタジアムオープニングイベント」

開催日時

平成30年8月19日(日)
※メモリアルマッチは14:00 キックオフを予定

会場

釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)
岩手県釜石市鵜住居町第18地割5番1

開催内容 ※詳細内容は追って公表します。

記念試合:
釜石シーウェイブスRFC 対 ヤマハ発動機ジュビロ
応援ゲスト:
平原綾香さん 『Jupiter』を披露
EXILE ÜSA さん、EXILE TETSUYA さん
「ダンスで日本を元気に!夢の課外授業 中学生Rising Sun Project 2018」他
※決定次第順次お伝えいたします。
チケット:
チケットの詳細に関する発表並びに販売開始は、6月頃を予定しています。
主催:
釜石市、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会、釜石鵜住居復興スタジアムオープニングイベント開催実行委員会
共催:
三陸防災復興プロジェクト2019 実行委員会
主管:
関東ラグビーフットボール協会、岩手県ラグビーフットボール協会
後援(予定):
復興庁、スポーツ庁、独立行政法人日本スポーツ振興センター、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019 組織委員会
協賛:
オフィシャルタイトルマッチスポンサー 大正製薬株式会社、オフィシャルマッチパートナー 株式会社パソナ

 

スタジアム及びイベント告知に関するフェースブックページはこちらから
https://www.facebook.com/Kamaishistadium/

 

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 ラグビーワールドカップ2019推進本部
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町22-1(シープラザ釜石内)
電話:0193-27-8420 / Fax 0193-22-6040 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/shokai/rugby_city/detail/1218743_3208.html
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
キャラバン隊に託されたW杯公式試合球のレプリカ

ラグビーW杯 開幕500日前、キャラバン隊出発〜観戦チケット購入 ボランティア募集、広く呼び掛け

ラグビーW杯PRキャラバン隊の3人(上段)を送り出す園児ら

ラグビーW杯PRキャラバン隊の3人(上段)を送り出す園児ら

 

 釜石市が会場の一つとなっている2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで500日となる8日、大会のPR活動をするキャラバン隊の出発式が港町のイオンタウン釜石で行われた。機運醸成を目的に、県内を巡回。先月始まった大会公式ボランティア募集への応募や釜石会場の観戦チケットの購入などを呼び掛ける。

 

 キャラバン隊は、一関市出身のタレント志田友美さん(21)、本県在住のお笑いコンビ「アンダーエイジ」の熊谷由輔さん(35)と結城多聞さん(35)、釜石市のPRキャラクター「かまリン」、県の観光PRキャラクター「わんこきょうだい・そばっち」などで結成。釜石と盛岡市を訪問し、ラジオやテレビ番組に出演するほか、JR盛岡駅でチラシやグッズを配布して大会をアピールする。

 

 出発式では、山崎秀樹副市長が「三陸、東北を回って絆を深めながら、大会機運の醸成を図ってほしい」とあいさつ。期待を込め、W杯で使われる公式球のレプリカを志田さんに託した。かまいしこども園の年中・年長児35人は元気な虎舞を披露し、PR活動のスタートを盛り上げた。

 

キャラバン隊に託されたW杯公式試合球のレプリカ

キャラバン隊に託されたW杯公式試合球のレプリカ

 

 ラグビー初心者の志田さんは「たくさん勉強し、釜石、W杯を盛り上げていきたい」と元気よく抱負を語った。花巻市出身の熊谷さんは「ラグビーは知れば知るほど面白い。一緒に勉強していこう」と、式に集まった市民らに呼び掛けた。

 

 キャラバン隊を主催するのは、ラグビーW杯2019釜石開催実行委員会(会長・達増拓也知事)で、志田さんらは今後、県内を中心に開かれるW杯関連イベントなどでPR活動を展開する予定だ。

 

 W杯の会場として整備を進めている釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)は7月末の完成、8月19日にオープニングイベントを予定。出場チームが1次リーグで使用する公認キャンプ地に釜石も選ばれており、受け入れ準備を本格化させる。

 

 大会公式ボランティアは全国で約1万人(うち釜石は800人程度)が必要とされ、7月18日まで応募を受け付け。観戦チケットは9月19日から通常チケットの一般抽選販売が始まる。

 

(復興釜石新聞 2018年5月12日発行 第687号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

大西一平さん(左)の指導でストリートラグビーのルールなどを実地で教えた初日の講習。受講者も競技の面白さを体験した

初心者も楽しく安全に、「ストリートラグビー」インストラクター講習会〜元神戸製鋼 大西さん「復興をラグビーの力で」

大西一平さん(左)の指導でストリートラグビーのルールなどを実地で教えた初日の講習。受講者も競技の面白さを体験した

大西一平さん(左)の指導でストリートラグビーのルールなどを実地で教えた初日の講習。受講者も競技の面白さを体験した

 

 来年初めて日本で開かれるラグビーワールドカップ(W杯)。開催地の一つ、釜石市を盛り上げようと、誰もが気軽に参加できる「ストリートラグビー」のインストラクター講習会が4月28、29の両日、鵜住居町の根浜復興団地で開かれた。今後、インストラクターを中心に各地で体験イベントを重ね、県民一体となったW杯の機運醸成、W杯のレガシー(遺産)継承につなげていきたい考え。

 

 講習会は一般社団法人ストリートラグビー協会(東京都)が主催。地元のラグビーW杯2019釜石開催支援連絡会が共催した。受講したのは、県内のラグビー関係者や一般の興味がある人など約30人。神戸製鋼ラグビー部の日本一7連覇の立役者で、ストリートラグビーを考案し普及活動に尽力する同協会副代表理事の大西一平さんが講師を務めた。

 

 ストリートラグビーは、2015年に東京・日本橋で生まれたニュースポーツ。ラグビーのルールを簡素化し、初心者でも安全にプレーを楽しむことができる。競技は街中でも設置可能な縦18・5メートル、横7メートルのコートで行い、1チーム3人で対戦する。タックルの代わりに相手の攻撃を止めるのは、片手タッチ。子どもでも扱いやすい小さめの4号球を使い、低めに設定した空気圧で指のけが防止に配慮する。競技時間は前後半、各1分以内。

 

 同協会では、普段、ラグビーに親しむ機会のない人にもボールに触れてもらい、世代交流や健康増進などにつなげる狙いで、全国への普及拡大に取り組む。同講習会は釜石では初開催。座学と実習で、インストラクターに必要な知識や心構えを教えた。講習には脳を活性化させる「シナプソロジー」のプログラムも取り入れた。

 

 釜石市嬉石町の彫刻リンパセラピスト露野弥生さん(39)は、昨年、イベントでストリートラグビーを体験。「子どもから高齢者まで楽しめるスポーツなので、みんなが動けるようサポートできれば。浴衣で釜石を盛り上げる活動もしているので、W杯に向けコラボ企画も考えたい」と意欲を見せた。

 

 講師の大西さんは「W杯を機に、釜石が“ラグビーのまち”として再度立ち上がろうとしている。ストリートラグビーは各地に仲間が増え、まちづくりに役立てようという動きも出ている。全国の仲間とつながり、W杯が終わりではなく、ラグビーの力で復興も推し進めていってほしい」と受講者に期待した。

 

 ストリートラグビーのインストラクターはこれまでに全国で約400人が養成されているという。

 

(復興釜石新聞 2018年5月2日発行 第686号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

金メダルに触って笑顔を見せる児童

金メダリスト 三ケ田さんとスポーツ交流〜ストリートラグビーを楽しく、栗林小の児童とパス交換

ラグビー教室に参加した三ケ田礼一さん(右)。パス回しなどで児童と交流した

ラグビー教室に参加した三ケ田礼一さん(右)。パス回しなどで児童と交流した

 

 栗林小(佐藤勉校長、児童43人)で23日、来年に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催にちなんだストリートラグビー教室と、アルベールビル冬季五輪のノルディック複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん(51)=県スポーツ振興課=による講演会が開かれた。スポーツを通じた子どもたちの健全育成、ラグビーへの理解を深めW杯への機運を高めるのを目的に、地元の任意団体「エンジョイライフ」(中島俊介代表)と釜石青年会議所(佐々木雅広理事長)が主催した。

 

エンジョイライフ、釜石青年会議所主催

 

 ストリートラグビーは誰でも気軽に体験できるよう、ルールを簡単にした競技。タックルではなく体にタッチして止めるなど、子どもをはじめ幅広い世代が競技の特性を感じつつ、安全に楽しめる。教室は校庭で開かれ、3~6年生約30人が参加。新日鉄釜石ラグビー部OBで釜石シーウェイブス(SW)RFCでもプレーした篠原洋介さん(40)と吉田一行さん(41)が指導した。

 

 児童らはパス回しなどで楕円(だえん)のボールに親しんだ。小笠原暖人(はると)君(6年)は「みんなで一緒にやるのが楽しい」とにっこり。体を動かすのが大好きな小笠原早紀さん(3年)は「試合を見に行きたい」と地元開催のW杯に期待を膨らませた。

 

 篠原さんは「W杯に関わるイベントが増えてくると思うので、顔を出しボールに触れて楽しさを体感してほしい」と期待。仲間の動きをしっかり見ること、声を出して伝え合うことなど、普段の生活にも生かせるラグビーのポイントをアドバイスした。

 

「夢に向かって」三ケ田さん講演 挑戦、努力重ねオリンピック出場

 

 「夢に向かって」と題した三ケ田さんの講演には全校児童が耳を傾けた。幼いころからスキーに親しんでいた三ケ田さんは小学5年生の時にあこがれの金メダリストと出会ったことで、夢は「オリンピック選手」になったという。中学時代はいい結果を残せなかったが、高校に進学し、「スクワットを毎日1千回」と自分の意思で設定した練習をやり続け、高校2年のインターハイで優勝。「あきらめず続けたことが精神的な強さ、いい結果につながった」と振り返った。

 

金メダルに触って笑顔を見せる児童

金メダルに触って笑顔を見せる児童

 

 アルベール五輪への4枚の切符を5人で争うことになった時、「4番目に入ればいい」との気持ちの切り替えが夢の実現につながった。「夢は挑戦と努力という事前準備によってかなえられる。かなえるためには何かしなければいけない」と三ケ田さん。特別なことをするのでなく、普段の生活習慣をしっかり行って誰よりも「なりたい」と強い気持ちを持ち続け、普段の練習を一生懸命やり続けることの大切さを強調した。

 

 三ケ田さんの夢の実現には15年かかった。「みんなにも金メダルを取るチャンスはある。自分なりの目標とする金メダルをもらえるよう頑張れ」とエール。世界で活躍するスポーツ選手に共通するのは「笑顔」と指摘し、「笑顔は自分に力を与えてくれるものであり、周りに元気を与えるもの。みんなも笑顔を忘れず生きてほしい」と願った。

 

 児童会長の佐々木健心君(6年)は「笑顔を忘れず夢に向かって進んでいきたい」と感謝。今年は水泳を頑張って市内1番を目指し、将来は医療・福祉関係の仕事をしたいと夢を膨らませていた。

 

(復興釜石新聞 2018年4月28日発行 第685号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

連携協定を結んだ小泉理事長、野田市長、桜庭GM兼監督(右から)

市と釜石シーウェイブスが協定、「ラグビーのまち」広くアピール〜スポーツ振興へ相互協力、来年のW杯成功につなげる

連携協定を結んだ小泉理事長、野田市長、桜庭GM兼監督(右から)

連携協定を結んだ小泉理事長、野田市長、桜庭GM兼監督(右から)

 

 釜石市と釜石シーウェイブス(SW)RFCは13日、スポーツ振興に関する相互協力・連携協定を結んだ。来年開かれるラグビーワールドカップ(W杯)に向け、「ラグビーのまち釜石」を国内外に広くアピールするとともに、ラグビーを地域資源としたまちづくりを推進。市とSWが力を合わせ、W杯の成功につなげる。

 

 釜石市役所で行われた締結式で、野田武則市長と釜石SWの小泉嘉明理事長が協定書に署名。小泉理事長は「国内でクラブチーム主体に活動しているのは釜石SWだけ。地元を愛し、市と一緒にクラブが発展していければうれしい」と述べた。野田市長は「釜石SWは地域の大きな宝。選手たちが活躍できるよう、さらなる環境づくりに取り組みたい」と応えた。

 

 協定締結に立ち会ったSWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(GM)兼監督は「スポーツを通し、まちづくりに貢献したい。来年に迫ったラグビーW杯に向けて弾みをつけられるようチームの強化に取り組んでいきたい」と決意を示した。

 

 今回の連携協定は、釜石をホームタウンとする地域共生型クラブチームの釜石SWと市の立場をより明確にし、相互協力によるスポーツ振興を目指すのが狙い。▽幼児・小中学生を対象にしたスポーツの普及や推進事業▽選手やコーチの学校や地域への派遣事業▽広報紙やホームページを活用したPR協力――などのほか、グラウンドの有効活用も盛り込んだ。

 

 釜石市がスポーツ振興に関する協定を結ぶのは初めて。ラグビーW杯が1年後に迫ったのを機に、締結に踏み切った。釜石SWは今年1月に開いた理事会で締結に向けた動きを承認している。協定は1年更新とする。

 

 釜石SWはこれまで市の要請に応える形で、市内の小中学校などでタグラグビー教室などを開いてきた。今回の協定を受け、桜庭GM兼監督は「釜石のホームチームとして市民、地域のためにという気持ちが大きくなる」と気を引き締める。各学校の運動会や地域行事に選手が積極的に参加するなどの考えも明らかにした。

 

(復興釜石新聞 2018年4月18日発行 第682号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3