復興の翼 スタジアム完成、白い大屋根「船出」の帆をイメージ〜釜石鵜住居 来年のラグビーW杯へ、19日記念イベント
完成した釜石鵜住居復興スタジアム
釜石市がラグビーワールドカップ(W杯)2109日本大会の試合会場として鵜住居町に建設していた釜石鵜住居復興スタジアムが完成し、3日、報道関係者らに公開された。東日本大震災で被災した鵜住居小・釜石東中の跡地をかさ上げして造られた競技場は、「羽ばたき」の翼、「船出」の帆をモチーフにデザインされた白い大屋根が特徴。グラウンドには青々とした芝も広がり、震災の教訓と支援への感謝を伝え、復興の進むまちの姿を発信する、来秋の本番を待ち構える。
メインスタンドの白い大屋根
W杯の試合会場で唯一新設された同スタジアムは、昨年3月に着工し、今年7月末に完成。両校跡地約9ヘクタールにグラウンドやスタンド、管理棟などを整備した。
今回完成したのは常設部分の6千席で、このうち約5千席には昨年5月に平田尾崎半島で発生した林野火災で被災したスギ材を使った。大会本番では仮設スタンド約1万席を増設する予定。グラウンド整備では、化学繊維を混ぜてクッション性、耐久性を高めた補強型天然芝(ハイブリッド芝)を採用した。
座席には昨年の山林火災で焼けたスギの木が使われている
総事業費は約39億円。県と市の負担は約8億円に上る見込み。
公開には県内外の報道関係者らが参加。「すごく開放的」などと声が聞かれ、対応した市ラグビーW杯推進本部事務局の担当者は「自然と調和した景観が強み」と強調した。
県内外から報道陣が集まり、関心の高さを示した
同事務局の正木隆司総括部長は「被災地支援への感謝の気持ちと、復興が進んだ釜石の姿を世界に発信したい。子どもたちの心、未来の大きな財産になると確信している。全力で取り組む」と力を込める。
19日の完成記念イベントでは、ラグビーの日本選手権を共に7連覇した新日鉄釜石と神戸製鋼のOBによる「レジェンドマッチ」、釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグのヤマハ発動機の試合などが行われる。
(復興釜石新聞 2018年8月11日発行 第714号より)
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