釜石野球団、厳しい環境乗り越え〜北海道・東北クラブ交流大会へ


2018/09/20
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

東北大会で準優勝した釜石野球団

東北大会で準優勝した釜石野球団

 

 社会人野球クラブの釜石野球団(大澤正治監督、20人)は、29日から函館市で開かれる第3回北海道・東北地区クラブ交流大会に出場する。釜石の一般野球チームが全国大会に準ずるタイトル戦に出場するのは24年ぶり。大澤監督らが10日、野田武則市長を表敬訪問。県予選、東北大会での奮闘を報告し、「クラブ交流大会で優勝を狙う」と意気込みを伝えた。野田市長は快挙をたたえ、激励した。

 

 釜石野球団は第4回JABA(日本野球連盟)東北クラブカップ県予選大会(7月21日から奥州市)で18チームを抑え優勝、第1代表となった。決勝は矢巾硬式クラブを8―5で退けた。大会の最優秀選手は主将の菊池健太郎投手(19)、首位打者賞は佐々木憲佑選手(34)が獲得した。

 

 東北大会(9月2日まで弘前市)には6県から8チームが出場。釜石は宮城、青森代表を撃破、決勝は県大会と同じく矢巾との対決となったが7―11で敗れ、第2代表で北海道・東北地区クラブ交流大会の出場を決めた。

 

 釜石市の一般野球は1970年代半ばまで釜石信金クラブ、新日鉄釜石、オール釜石、釜石エーワンが活動したが、徐々に衰退。新日鉄釜石の休部を契機に、クラブ野球の釜石野球団に“衣替え”して硬式の灯を守った。

 

 全国大会には93、94年と連続出場したが、その後は2002、13年と東北大会止まり。東北大会の突破は24年ぶりとなる。

 

 市長室には大澤監督、菊池主将、佐々木選手が訪れた。

 

野田市長に健闘を誓う選手ら(中央が菊池主将)

野田市長に健闘を誓う選手ら(中央が菊池主将)

 

 チームには20人が登録するが、仕事の関係で試合に出るのは平均13人ほど。週1、2回の練習はほとんど夜間にならざるを得ないが、照明設備のあるホームグラウンドはない。佐々木選手は「市内、大船渡などを転々と巡る。お金の面でクラブの維持は苦労が多く、それでチーム、野球を離れる若手もある」とクラブ球団運営の厳しさも語った。

 

 東北大会の3試合を完投した菊池主将は「選手は40歳までいるが、子どもの時からの顔見知りも多い。全員で元気に声を出し、北海道ではしっかり(釜石を)アピールしたい」と意気込みを示した。

 

 大澤監督は「いろんな職場から集まったメンバーを、最年少の菊池(主将)がまとめている。初めての大きな大会だから、ラグビーだけではない釜石をアピールし、優勝したい」と目標を高く掲げる。

 

 今月6日に北海道胆振地方を中心に大きな地震があったばかりで、道内各地で犠牲者、避難者が多く発生。大会実施が危ぶまれたが、「野球で地域に元気を」と開催が決まったという。

 

(復興釜石新聞 2018年9月15日発行 第723号より)

 

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