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国家的プロジェクト釜石港湾口防の復旧を喜びテープカットする関係者

人命守り、復興の追い風に〜釜石港湾口防波堤完成、関係者120人が式典

国家的プロジェクト釜石港湾口防の復旧を喜びテープカットする関係者

国家的プロジェクト釜石港湾口防の復旧を喜びテープカットする関係者

 

 東日本大震災の津波で損壊し、3月に復旧工事が完了した釜石港湾口防波堤の完成式は4月30日、釜石市大町の釜石市民ホールTETTOで行われた。主催する県、市、国土交通省から関係者約120人が出席。復旧した巨大防波施設が津波から人命を守るとともに、物流拡大など経済振興への波及効果に期待を高めた。同工事の完了で、市内での国直轄復旧事業はすべて終了した。

 

 式典では国交省大臣政務官の高橋克法参議院議員(栃木県)、達増拓也知事、野田武則市長があいさつ。達増知事は「港湾が復興し、道路整備もかつてないスピードで進む釜石は飛躍的発展が期待される。県も三陸復興・創造をさらに進めていく」と意欲を示した。

 

 内閣府大臣兼復興大臣政務官の長坂康正衆議院議員(愛知9区)、本県選出の鈴木俊一大臣(東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当)、平野達男参議院議員が祝辞。国交省東北地方整備局釜石港湾事務所の下澤治所長が復旧事業の概要を報告した。

 

 主賓ら11人がテープカット。錦町青年会が虎舞を披露し、湾口防の完成を祝った。

 

 野田市長は「復旧工事を短期間で完了していただき感謝する。湾内の静穏を保つことは漁業や港湾事業の振興につながる。釜石にとっては『命を守る防波堤』そのもの」と完成の喜びを語った。

 

船上から防波堤の威容を視察した来賓、野田市長ら

船上から防波堤の威容を視察した来賓、野田市長ら

 

 釜石港湾口防波堤建設事業は1978年に着手、2008年度に完成した。震災で南堤670メートルのうち370メートル、北堤990メートルのうち870メートルが損壊。復旧事業は12年に開始、6年余りで約660億円を投入した。大型化したハイブリッドケーソンを導入するなど工事の効率化を図り、被災を教訓に、大津波にも倒壊しにくい粘り強い構造に改善した。今年3月末に上部工を終え、完成した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月9日発行 第687号より)

 

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番田会長が新規加入の白山小防災少年団に認定証、リーダーに任命書を交付

少年消防クラブ、市内全小学校に〜本年度は4校が加入、白山小で認定証交付式

番田会長が新規加入の白山小防災少年団に認定証、リーダーに任命書を交付

番田会長が新規加入の白山小防災少年団に認定証、リーダーに任命書を交付

 

 昨年4月に発足した釜石市少年消防クラブ(会長・番田健児釜石消防署長)は本年度、小学校4校が新規加入し、市内の9小学校全校で組織化された。4校には認定証、それぞれの新リーダーに任命書が会長名で交付される。

 

 新規の加入団体は栗林小(栗橋こどもぼうさいクラブ)、白山小学校防災少年団、平田小(平田っ子少年消防クラブ)と唐丹小。

 

 白山小(千葉愛子校長、児童32人)の結団式は16日、嬉石町の同校体育館で行われた。番田会長らが立ち会い、千葉校長は「これまで真剣に取り組んできた避難訓練など、自分の命を守るために、どう行動するか考えましょう」と呼び掛けた。

 

 番田会長から児童会の阿部七緒副会長に認定証、小笠原のゑ会長にリーダー任命書が贈られた。奥寺玲華さんが防災学習や危険な場所を調べて防災マップを作ってきたことを報告した上で、「昨年は大きな山火事があった。正しい防災知識を身に付け、災害から自分の命を守るよう努力します」と誓いの言葉を述べた。

 

 番田会長は「きょうから、みなさんは私たち消防職員の仲間です。火事や事故を起こさない、災害が起こっても被害を大きくしないこと。そして、自分の命を守る努力が大事です」と激励した。

 

 千葉校長によると、災害や犯罪被害の予防へ教職員と児童が通学路の安全パトロールを行い、写真を添付するなどして安全マップを作る。また、地域住民と連携し、下校時の災害発生を想定した避難訓練も重ねる。授業がある日の災害対応はPTAと共通認識を構築しているが、課題の一つに「土砂災害が懸念される際の学校の役割や避難対応」を挙げた。

 

 釜石中(安全委員会)を含む市内10校への任命書などの交付は10日に始まり、4月中の完了を見込む。

 

(復興釜石新聞 2018年4月21日発行 第683号より)

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新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

“火消し”に大きな力、最新鋭のポンプ車配備〜釜石市消防団 6分団7部 8分団6部

新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

 

 釜石市は2月28日、釜石市消防団の2部に小型動力ポンプと積載車両の1組を配備、引き渡した。鈴子町の釜石大槌地区行政事務組合消防本部庁舎で引き渡し式が行われ、山崎長栄団長が車検証やキーを各部に贈った。

 

 配備を受けたのは第6分団(佐々幸雄分団長)の第7部(片岸町室浜、佐々栄部長、部員8人)と、第8分団(千葉茂分団長)の第6部(唐丹町荒川、橋本信行部長、18人)。

 

 山崎団長は「旧装備は小型ポンプが37年、車両は27年を経過し更新した。部員全員が最新の装備の操作技術を習得し、訓練を重ねて災害の軽減につなげてほしい」と激励した。

 

 受領した2部は新車両で甲子川の河川敷に向かい、ポンプの能力を確認、操作や点検の要点を学んだ。

 

 車両はディーゼルエンジン搭載の4WD、オートマチック。密閉式の乗車定員は6人で、後部デッキも簡易フードで外気から守られ居住性に優れる。小型ポンプは軽量化され、揚水時間を短縮、揚水能力も向上した。

 

 第8分団第6部の橋本部長は「共に活動した旧車両には愛着がある。荒川地区には間もなく三陸沿岸道(インターチェンジ)が完成し、活動範囲も広がるだろう。高性能の新車両、ポンプを十分に活用したい」と喜んだ。

 

 第6分団の佐々分団長は「(大震災で全域が被災した)室浜地区は復興工事が続き、屯所が整備できない。新しい車両は当面、栗林町の仮屯所で保管、運用する」と厳しい現状を語った。

 

 積載車両と小型ポンプの購入価格は1組約1174万円。

 

(復興釜石新聞 2018年3月3日発行 第669号より)

 

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「てんでんこ」紙芝居で継承〜釜石高生 鵜住居小で講座、「逃げる力」の大切さ説く

紙芝居をスクリーンに映し、震災時の津波避難の経験を伝える佐野里奈さん(右)と永田杏里さん

 

 津波から自分の命を守れる人に――。東日本大震災を経験した釜石高の2年生5人が、当時の自分たちと同じ小学4年生にその教訓を伝えたいと、2月27日、鵜住居小(中軽米利夫校長、児童142人)で防災講座を開いた。手作りの紙芝居とクイズを通じ、4年生34人に自分の身は自分で守る“津波てんでんこ”の教えと防災知識を学んでもらった。

 

 釜高のクラスメートという佐野里奈さん(鵜住居小出身)、永田杏里さん(小佐野小同)、鈴木紅花さん(双葉小同)、岡本さくらさん(大槌北小同)、松田悠河君(甲子小同)が企画。紙芝居は、震災当時、釜石東中の生徒らといち早く高台に避難し津波の難を逃れた佐野さんの経験を基に製作した。

 

 主人公の小学生「ナナちゃん」は学校で大地震に見舞われ、校舎上階に向かうも、中学生が高台の避難場所を目指し走る姿を目撃。中学生の兄に手を引かれ、迫りくる津波から懸命に逃れる。トラックの荷台に乗り移動した避難所で、不安な一夜を過ごし、2日後、家族4人が無事、再会を果たす。佐野さんがナレーションを担当、永田さんが主人公の声を演じた。

 

「てんでんこ」紙芝居で継承

 

 鈴木さんら3人が考えた防災クイズは、○×で回答する10問。地震発生時の行動や日ごろの備え、津波の速さなどを、具体例を交えた問いで児童らに投げかけ、楽しみながら必要な知識を学べる機会とした。

 

 震災時は2、3歳で、詳細な記憶のない児童ら。親しみやすい紙芝居やクイズで、自分の命をつなぐすべを身に付けた。黒澤強優君(10)は当時、鵜住居保育園に在籍。「園で寝ている時、地震が発生した。その後のことはよく覚えていない」と話し、「高校生の話は分かりやすかった。次に津波がきても、このおかげで逃げられる気がする。学んだことを他の人にも伝えたい」と防災意識を持ち続けることを誓った。

 

 同講座の構想は、釜石で復興支援ボランティア活動を継続する聖学院大(埼玉県)が、地元高校生と釜石の今後を考える中で生まれた。昨夏、学生と高校生が企画合宿を行い、小学生への防災活動を発案。佐野さんの母校である鵜小に企画を持ち込み、中軽米校長のアドバイスを受け、出前授業に向けた準備を重ねてきた。

 

 「当時、東中2年だった兄に手を引かれ、無我夢中で逃げたことだけは鮮明に覚えている」と佐野さん(17)。震災の経験を大人より近い目線で伝える意義を感じ、「小学生が私たちの思いをしっかり受け止めてくれた。〝津波てんでんこ〟と防災知識を心に刻み、自分1人でも逃げられる力をつけてほしい」と願った。

 

 紙芝居の絵を描いた永田さん(17)は「ダイレクトすぎる表現にならないよう気を使った。思ったよりも、いい反応をもらえてうれしい」と笑顔。震災から間もなく7年を迎えるにあたり「思い出すのはつらいことだが、後の世代に教訓をつないでいく自覚を新たにしたい」と意を強くした。

 

 この日は釜高生をサポートしてきた聖学院大生3人も顔をそろえた。4年の由木加奈子さん(23)は「高校生が『自分たちだからこそできることがある』と当事者意識を高め、率先して取り組んだことが形になった。今回の経験は古里への愛着を生み、進学で一度まちを離れても、また戻ってくることにつながるのでは」と話した。

 

(復興釜石新聞 2018年3月3日発行 第669号より)

 

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ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

釜石港湾口防波堤、世界最大水深の威容取り戻す〜ケーソン据え付け完了、震災前の機能をほぼ回復

最後のケーソンが防波堤に到着、慎重な作業を関係者が見守った

最後のケーソンが防波堤に到着、慎重な作業を関係者が見守った

 

 東日本大震災の津波で損壊した釜石港湾口防波堤(総延長1960メートル)の復旧工事は11月29日、堤の本体となるケーソンの最後の1基が据え付けられ、震災前の機能をほぼ回復した。国土交通省釜石港湾事務所(下澤治所長)はさらにケーソン上部のコンクリート工事を進め、本年度内に復旧事業を完了する。

 

 震災の津波で南堤(670メートル)は18基中8基(370メートル)、北堤(990メートル)は39基のうち29基(870メートル)が土台からずれるなど損壊。開口部(300メートル)の基底部も壊れた。

 

ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

 

 最後のケーソンは北堤の北側から6基目。幅20メートル、長さ30メートル、高さ15メートルの箱型で、重量は約6320トン。製作した泉ケーソンヤードから約500メートルを専用船で引いてゆっくり運び、函内に注水して海底のマウンドに仮設置した。

 

 ケーソンは2隻のクレーン船で、幅30メートルの間にゆっくりはめ込まれた。堤上の測量機、海中の映像モニター、上空のドローンなどで、うねり、風の影響を確認するなど作業は慎重に進められた。

 

 今後、傾斜やひずみの有無を確認し、バラスト(石)を投入して固定する。

 

 釜石港湾事務所の下澤所長は「地域のためにと一生懸命がんばってきた。港湾機能を保ちながらの工事で、航路を切り替えるのも大変だった。旧防波堤と同じ設計だが、より粘り強い構造にした。完成により釜石港の荷役がスムーズになり、利活用が促進されれば」と願った。

 

 世界最大水深(63メートル)の防波堤としてギネス記録にも登録された釜石湾口防は、1978年から30年をかけ、1500億円余りの巨費を投じて2008年度に完成した。

 

 12年から始まった復旧事業には約650億円を投入。深部工区が多く、集中する復旧事業で資機材が不足するなどの制約の中で、工法を工夫し事業のスピードアップを図った。

 

(復興釜石新聞 2017年12月2日発行 第644号より)

 

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初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

甲子川水門工事“折り返し”〜近隣住民に現場初公開「一日も早く完成を」

初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

 

 東日本大震災で津波に直撃された釜石市の甲子川河口で「甲子川水門」の工事を進める県沿岸広域振興局土木部は17日、近隣の住民などを対象に現場見学会を行った。河口部を仮締めし、2つに仕切って行われる大掛かりな水門工事は、左岸(港町側)のほぼ半分が完成。これから右岸(嬉石町側)の残り半分の工事に移る。目の前で進む工事現場に初めて足を踏み入れた住民らは「水門が一日も早く完成し、安心安全な暮らしを取り戻したい」と期待を膨らませた。

 

 甲子川水門は幅120メートルで、水門本体、防潮堤はいずれもTP(基準海面からの高さ)6・1メートルで設計。鉄筋コンクリート製で、深い所では35㍍にも及ぶ鋼鉄製の基礎杭(くい)445本を打ち込み、支える。水門は津波を受け止めるカーテンウオールとゲートで構成。上部に4つの機械室が置かれ、遠隔操作で動かす。仮締めの仕切りは830メートルにも及び、1413トンbもの鋼矢板を用いる。

 

 本格的な工事は2014年5月から始まり、これまでに左岸側の工事をほぼ終了。これから右岸側の工事に掛かり、20年3月の完成を目指す。総事業費は約46億円を見込む。

 

安心安全な暮らしへ「一日も早い完成を」と望む近隣住民ら

安心安全な暮らしへ「一日も早い完成を」と望む近隣住民ら

 

 甲子川水門工事で、近隣住民に現場が公開されるのは初めて。現場見学会は、工事の“折り返し”に合わせて設定された。左岸で完成した水門本体の底部は近く水没する。鋼矢板で仕切られた工事現場に足を踏み入れた住民らは「想像した以上に大掛かり」と驚きの声を上げた。

 

 平田第6仮設団地で6年間を過ごした森谷勲さん(75)は、8月に嬉石町に戻り復興住宅に入居したばかり。「目の前で進む水門工事はなかなか進まないと感じたが、実際に見ると、ものすごい工事量。安心感はあるが、大きな津波が来ると水門の脇からあふれないか心配」と不安はぬぐえない。

 

 震災の津波で松原町の事務所が全壊、只越町に移転した八幡徹也さん(65)は「すごい構造物だが、早くできることに越したことはない」と早期完成を望んだ。

 

 工事を担当する沿岸振興局土木部復興まちづくり課の及川郷一課長は「ようやくここまで来たが、あと半分残っている。工事の音も懸念されるが、一日も早く住民の方々に安全安心を届けたい」と理解を求めた。

 

(復興釜石新聞 2017年10月21日発行 第632号より)

 

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暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

「危機対応学」めぐり意見交わす、東大社会科学研究所〜意識調査を市民生活向上に

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

 

 「危機対応学」をテーマにした公開シンポジウムが26日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。2005年から釜石を舞台に「希望学」の研究に取り組んできた東京大学社会科学研究所が、16年度から新たにスタートした全所的プロジェクトの一環。東大と神戸大を中心とする全国の研究者グループが、東日本大震災で被災した釜石市民を対象に11年度から実施した暮らしと復興についての意識調査の結果を報告。被災者や市民の生活向上へ、どのように役立てるか意見を交わした。シンポジウムには市民ら約90人が参加し、耳を傾けた。

 

 調査は被災者の生活再建に向け、被災の実態、住まいや生活の状況と今後の見通し、考え方を明らかにするため11年から5回にわたって実施。仮設住宅、みなし仮設住宅、復興公営住宅で暮らす延べ5500人から回答を得た。

 

 シンポジウムでは、調査グループの共同代表を務めた東大の佐藤岩夫教授と神戸大の平山洋介教授がそれぞれ、調査で浮き彫りとなった問題点などについて報告した。

 

 佐藤教授は、昨年行った5回目の調査について「復興が進む中で、将来に向けた希望や明るい見通しは傾向が大きく分かれるが、『復興』の言葉が用いられるのは意外に少ない。震災の記憶がうまく継承されていないのではないか」と説明。その背景には、思うように進まないことへのいらだちがあることを指摘し、「見通しの不透明さが生む不安や不満がある。被災経験には複数の時間が流れている。この流れを量的ではなく、質的に捉える見方も必要ではないか」と示唆した。

 

 阪神大震災を経験した平山教授は、今回は住まいの再生を重点に調査。被災者の間に孤立化や高齢化への不安が広がっていることを指摘し、「被災者の生活再建に揺らぎが見える中で、過去、現在、未来をつなぎ合わせる住まいの改善が求められる。被災者の実態を踏まえた制度改善を」と訴えた。「住宅再建の補助は、1回きりをせめて2回に」と持続的制度の必要性も指摘した。

 

 参加した市民の中からは「津波災害からの復興の歴史と見比べると、今回の震災では他人の力を求め過ぎている気がする。地域全体で〝自力力〟を持たなければならないのでは」という声もあった。

 

 佐藤教授は「どうにもならない場面もいろいろある。個人の努力も要るが、手助けする社会の仕組みづくりは必要だ」、平山教授は「ともかく現場に足を運ぶことが支援になる。多くの人に現状を見てもらうことが被災者の力になる」と強調した。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

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平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

釜石市に初めて少年消防クラブが結成されたことから、釜石市消防団より平成29年度釜石市消防演習への参加を招待され、18名の釜石市少年消防クラブ員が分列行進に参加することとなりました。

 

分列行進に参加した子供たちは緊張することなく、子供らしい元気いっぱいの行進をすることが出来ました。

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

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釜石市 釜石大槌地区行政事務組合 釜石消防署
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町16番
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坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

少年消防クラブに装備品〜「子どもは宝」寄贈の坂本さん

 坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

 

 4月に発足した釜石市少年消防クラブ(会長=番田健児釜石消防署長、6校)に17日、市消防団本部分団長・本部長の坂本晃さん(63)=大只越町=から装備品が贈られた。市役所で行われた贈呈式には野田武則市長ら防災関係者が立ち会い、4小学校の児童代表にクラブ旗などを贈呈。児童らは防災意識を高めることを誓った。

 

 贈呈式には釜石小ぼうさい安全少年団の金野怜佳さん、双葉小防災クラブの佐々木駿君、甲子小少年少女防災クラブの千代川陽琉さん、鵜住居小ぼうさい少年団の大丸碧仁君の各リーダーのほか、クラブ代表者の各校長も出席した。

 

 坂本さんは児童にクラブ旗、横断幕、はんてんと帽子20組を贈った。横断幕は横3メートル、縦80センチ。同クラブの英語表記と呼称は「釜石・ボーイズ&ガールズ・ファイア・クラブ」とし、全国統一の頭文字はB・F・Cとなる。

 

 野田市長は「さまざまな災害に敏感になり、自分なりに考えてほしい。活動を学校や地域に示し、市民全体の防災意識が高まるよう期待する」と激励した。釜石大槌地区行政事務組合消防本部の菊地秀明消防長、市消防団の山崎長栄団長も期待を寄せるとともに、番田会長は「自分や地域を災害から守る意識を高めてほしい」とエールを送った。

 

 大丸君は「(火災になるような)危険な行動をしないよう積極的に呼び掛ける」、金野さんは「震災で分かったことを大事にして防災に取り組む」、佐々木君は「震災の教訓を生かす」、千代川さんは「震災の体験を風化させない」と、それぞれ決意を表明した。

 

 装備品を贈った坂本さんは消防団員歴44年余。東部中心街の防災を担う第1分団第3部部長、同分団長を経て2年前から現職。経営する坂本電気は市の消防団協力事業所の表示証を受け、社員4人が団員として活動する。

 

 坂本さんは「多くの火災や災害に向き合ったが、震災には心が折れそうになった。子どもは地域の宝。自分にも3人の孫がいる。子どもたち自身が災害から身を守り、釜石を守る心が育ってほしい」と期待した。

 

 これら寄贈品は事務局の釜石消防署が管理し、同クラブの活動に提供する。 

 

(復興釜石新聞 2017年5月20日発行 第589号より)

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釜石市少年消防クラブ結成

釜石市少年消防クラブ結成

釜石市に少年消防クラブが平成29年4月1日に結成されました。

 

釜石市少年消防クラブに加入したのは、釜石小学校、双葉小学校、小佐野小学校、甲子小学校、鵜住居小学校、釜石中学校の6校で、1,415人(全児童・生徒)がクラブ員として認定されました。

 

このクラブは、活動を通じて正しい防災知識を身につけ災害文化を後世に伝える役目を担う者を育成することを目的としています。そのために、加入した学校と消防署が協力して児童・生徒に防災教育をしていく予定です。

 

釜石小学校結団式
釜石小学校結団式

 

双葉小学校結団式
双葉小学校結団式

 

小佐野小学校結団式
小佐野小学校結団式

 

甲子小学校結団式
甲子小学校結団式

 

釜石市少年消防クラブ結成式 釜石市少年消防クラブ結成式

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「釜石消防署小佐野出張所」の看板を降納する野田市長、佐藤消防長

「釜石消防署小佐野出張所」の看板を降納する野田市長、佐藤消防長

 

 釜石消防署小佐野出張所の閉所式は3月30日、釜石市小佐野町の同出張所で行われた。釜石大槌地区行政事務組合議会など行政、住民、消防職員、消防団関係者ら60人が出席。53年5カ月に及ぶ西部地区の防災拠点活動に幕を下ろした。制度的には鵜住居出張所も同時に閉所し、4月1日から釜石消防署と大槌消防署の2署体制に移行した。

 

 同事務組合管理者の野田武則市長は「出張所の業務は地域住民、消防団、釜石警察署に支えられた。今後も装備と職員教育の充実を図り、住民の安全へ万全を期す」と式辞。佐藤正敏消防長が経過報告、「住民の安全安心に努める」と決意を述べた。

 

 小佐野出張所の防災活動に協力した小佐野町内会(佐々木喜一会長、400世帯)と、施設内に屯所を併設する消防団第4分団第1部(柏舘克美部長)に市長感謝状が贈られた。同事務組合議会の古川愛明議長が「消防職員の奮闘、研さん、努力に期待する」と激励。小佐野出張所の看板を野田市長と佐藤消防長が外し、式を終えた。

 

 小佐野出張所の前身、釜石消防署小佐野分遣所は1963年、JR釜石線小佐野駅に近い場所にあった釜石製鉄所・自主消防施設を改修して設置。職員は7人だった。73年に出張所と改称、79年に現在地に移転、新築した。5階建ての訓練塔も併設、人口が増加しつつあった西部地区の防災拠点となった。

 

 東日本大震災では小佐野出張所以外の釜石消防署、同鵜住居出張所、大槌消防署がいずれも全壊したが、2014年に釜石消防庁舎、16年に大槌同庁舎が完成した。通信指令システムの整備を背景に、機能的な人員配置と資機材の運用を図る消防力整備計画に基づき、2出張所の廃止を決めた。

 

 同施設は17年度中に解体し、消防団4分団1部の屯所を建設する予定。その間、小佐野町仮設団地用地に仮の屯所を置く。

 

 小佐野町内会の佐々木会長(75)は「(防災機関が)そばにあったほうが安心だが、一本化することを了承した。今後も、より良い(防災)活動へ協力したい」とする。

 

 OB職員の大町、奥村忠雄さん(73)は「分遣所当時、国道283号の五の橋から西は未舗装で、鉱石を運ぶ社線(鉄道)があった。この庁舎も知っている。訓練塔の塗装は自前、山火事防止の看板も署員で作った。懐かしい。2署体制でも防災、救急の活動に問題ないだろう」と語った。

 

(復興釜石新聞 2017年4月5日発行 第577号より)

 

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