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新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

“火消し”に大きな力、最新鋭のポンプ車配備〜釜石市消防団 6分団7部 8分団6部

新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

新しいポンプ、積載車の配備を喜ぶ消防団第6分団第7部(左)、第8分団第6部の団員ら

 

 釜石市は2月28日、釜石市消防団の2部に小型動力ポンプと積載車両の1組を配備、引き渡した。鈴子町の釜石大槌地区行政事務組合消防本部庁舎で引き渡し式が行われ、山崎長栄団長が車検証やキーを各部に贈った。

 

 配備を受けたのは第6分団(佐々幸雄分団長)の第7部(片岸町室浜、佐々栄部長、部員8人)と、第8分団(千葉茂分団長)の第6部(唐丹町荒川、橋本信行部長、18人)。

 

 山崎団長は「旧装備は小型ポンプが37年、車両は27年を経過し更新した。部員全員が最新の装備の操作技術を習得し、訓練を重ねて災害の軽減につなげてほしい」と激励した。

 

 受領した2部は新車両で甲子川の河川敷に向かい、ポンプの能力を確認、操作や点検の要点を学んだ。

 

 車両はディーゼルエンジン搭載の4WD、オートマチック。密閉式の乗車定員は6人で、後部デッキも簡易フードで外気から守られ居住性に優れる。小型ポンプは軽量化され、揚水時間を短縮、揚水能力も向上した。

 

 第8分団第6部の橋本部長は「共に活動した旧車両には愛着がある。荒川地区には間もなく三陸沿岸道(インターチェンジ)が完成し、活動範囲も広がるだろう。高性能の新車両、ポンプを十分に活用したい」と喜んだ。

 

 第6分団の佐々分団長は「(大震災で全域が被災した)室浜地区は復興工事が続き、屯所が整備できない。新しい車両は当面、栗林町の仮屯所で保管、運用する」と厳しい現状を語った。

 

 積載車両と小型ポンプの購入価格は1組約1174万円。

 

(復興釜石新聞 2018年3月3日発行 第669号より)

 

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「てんでんこ」紙芝居で継承〜釜石高生 鵜住居小で講座、「逃げる力」の大切さ説く

紙芝居をスクリーンに映し、震災時の津波避難の経験を伝える佐野里奈さん(右)と永田杏里さん

 

 津波から自分の命を守れる人に――。東日本大震災を経験した釜石高の2年生5人が、当時の自分たちと同じ小学4年生にその教訓を伝えたいと、2月27日、鵜住居小(中軽米利夫校長、児童142人)で防災講座を開いた。手作りの紙芝居とクイズを通じ、4年生34人に自分の身は自分で守る“津波てんでんこ”の教えと防災知識を学んでもらった。

 

 釜高のクラスメートという佐野里奈さん(鵜住居小出身)、永田杏里さん(小佐野小同)、鈴木紅花さん(双葉小同)、岡本さくらさん(大槌北小同)、松田悠河君(甲子小同)が企画。紙芝居は、震災当時、釜石東中の生徒らといち早く高台に避難し津波の難を逃れた佐野さんの経験を基に製作した。

 

 主人公の小学生「ナナちゃん」は学校で大地震に見舞われ、校舎上階に向かうも、中学生が高台の避難場所を目指し走る姿を目撃。中学生の兄に手を引かれ、迫りくる津波から懸命に逃れる。トラックの荷台に乗り移動した避難所で、不安な一夜を過ごし、2日後、家族4人が無事、再会を果たす。佐野さんがナレーションを担当、永田さんが主人公の声を演じた。

 

「てんでんこ」紙芝居で継承

 

 鈴木さんら3人が考えた防災クイズは、○×で回答する10問。地震発生時の行動や日ごろの備え、津波の速さなどを、具体例を交えた問いで児童らに投げかけ、楽しみながら必要な知識を学べる機会とした。

 

 震災時は2、3歳で、詳細な記憶のない児童ら。親しみやすい紙芝居やクイズで、自分の命をつなぐすべを身に付けた。黒澤強優君(10)は当時、鵜住居保育園に在籍。「園で寝ている時、地震が発生した。その後のことはよく覚えていない」と話し、「高校生の話は分かりやすかった。次に津波がきても、このおかげで逃げられる気がする。学んだことを他の人にも伝えたい」と防災意識を持ち続けることを誓った。

 

 同講座の構想は、釜石で復興支援ボランティア活動を継続する聖学院大(埼玉県)が、地元高校生と釜石の今後を考える中で生まれた。昨夏、学生と高校生が企画合宿を行い、小学生への防災活動を発案。佐野さんの母校である鵜小に企画を持ち込み、中軽米校長のアドバイスを受け、出前授業に向けた準備を重ねてきた。

 

 「当時、東中2年だった兄に手を引かれ、無我夢中で逃げたことだけは鮮明に覚えている」と佐野さん(17)。震災の経験を大人より近い目線で伝える意義を感じ、「小学生が私たちの思いをしっかり受け止めてくれた。〝津波てんでんこ〟と防災知識を心に刻み、自分1人でも逃げられる力をつけてほしい」と願った。

 

 紙芝居の絵を描いた永田さん(17)は「ダイレクトすぎる表現にならないよう気を使った。思ったよりも、いい反応をもらえてうれしい」と笑顔。震災から間もなく7年を迎えるにあたり「思い出すのはつらいことだが、後の世代に教訓をつないでいく自覚を新たにしたい」と意を強くした。

 

 この日は釜高生をサポートしてきた聖学院大生3人も顔をそろえた。4年の由木加奈子さん(23)は「高校生が『自分たちだからこそできることがある』と当事者意識を高め、率先して取り組んだことが形になった。今回の経験は古里への愛着を生み、進学で一度まちを離れても、また戻ってくることにつながるのでは」と話した。

 

(復興釜石新聞 2018年3月3日発行 第669号より)

 

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ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

釜石港湾口防波堤、世界最大水深の威容取り戻す〜ケーソン据え付け完了、震災前の機能をほぼ回復

最後のケーソンが防波堤に到着、慎重な作業を関係者が見守った

最後のケーソンが防波堤に到着、慎重な作業を関係者が見守った

 

 東日本大震災の津波で損壊した釜石港湾口防波堤(総延長1960メートル)の復旧工事は11月29日、堤の本体となるケーソンの最後の1基が据え付けられ、震災前の機能をほぼ回復した。国土交通省釜石港湾事務所(下澤治所長)はさらにケーソン上部のコンクリート工事を進め、本年度内に復旧事業を完了する。

 

 震災の津波で南堤(670メートル)は18基中8基(370メートル)、北堤(990メートル)は39基のうち29基(870メートル)が土台からずれるなど損壊。開口部(300メートル)の基底部も壊れた。

 

ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

ドローンで空撮した最後のケーソン据え付け作業=釜石港湾事務所提供

 

 最後のケーソンは北堤の北側から6基目。幅20メートル、長さ30メートル、高さ15メートルの箱型で、重量は約6320トン。製作した泉ケーソンヤードから約500メートルを専用船で引いてゆっくり運び、函内に注水して海底のマウンドに仮設置した。

 

 ケーソンは2隻のクレーン船で、幅30メートルの間にゆっくりはめ込まれた。堤上の測量機、海中の映像モニター、上空のドローンなどで、うねり、風の影響を確認するなど作業は慎重に進められた。

 

 今後、傾斜やひずみの有無を確認し、バラスト(石)を投入して固定する。

 

 釜石港湾事務所の下澤所長は「地域のためにと一生懸命がんばってきた。港湾機能を保ちながらの工事で、航路を切り替えるのも大変だった。旧防波堤と同じ設計だが、より粘り強い構造にした。完成により釜石港の荷役がスムーズになり、利活用が促進されれば」と願った。

 

 世界最大水深(63メートル)の防波堤としてギネス記録にも登録された釜石湾口防は、1978年から30年をかけ、1500億円余りの巨費を投じて2008年度に完成した。

 

 12年から始まった復旧事業には約650億円を投入。深部工区が多く、集中する復旧事業で資機材が不足するなどの制約の中で、工法を工夫し事業のスピードアップを図った。

 

(復興釜石新聞 2017年12月2日発行 第644号より)

 

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初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

甲子川水門工事“折り返し”〜近隣住民に現場初公開「一日も早く完成を」

初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

初めて近隣住民に公開された甲子川水門の工事現場

 

 東日本大震災で津波に直撃された釜石市の甲子川河口で「甲子川水門」の工事を進める県沿岸広域振興局土木部は17日、近隣の住民などを対象に現場見学会を行った。河口部を仮締めし、2つに仕切って行われる大掛かりな水門工事は、左岸(港町側)のほぼ半分が完成。これから右岸(嬉石町側)の残り半分の工事に移る。目の前で進む工事現場に初めて足を踏み入れた住民らは「水門が一日も早く完成し、安心安全な暮らしを取り戻したい」と期待を膨らませた。

 

 甲子川水門は幅120メートルで、水門本体、防潮堤はいずれもTP(基準海面からの高さ)6・1メートルで設計。鉄筋コンクリート製で、深い所では35㍍にも及ぶ鋼鉄製の基礎杭(くい)445本を打ち込み、支える。水門は津波を受け止めるカーテンウオールとゲートで構成。上部に4つの機械室が置かれ、遠隔操作で動かす。仮締めの仕切りは830メートルにも及び、1413トンbもの鋼矢板を用いる。

 

 本格的な工事は2014年5月から始まり、これまでに左岸側の工事をほぼ終了。これから右岸側の工事に掛かり、20年3月の完成を目指す。総事業費は約46億円を見込む。

 

安心安全な暮らしへ「一日も早い完成を」と望む近隣住民ら

安心安全な暮らしへ「一日も早い完成を」と望む近隣住民ら

 

 甲子川水門工事で、近隣住民に現場が公開されるのは初めて。現場見学会は、工事の“折り返し”に合わせて設定された。左岸で完成した水門本体の底部は近く水没する。鋼矢板で仕切られた工事現場に足を踏み入れた住民らは「想像した以上に大掛かり」と驚きの声を上げた。

 

 平田第6仮設団地で6年間を過ごした森谷勲さん(75)は、8月に嬉石町に戻り復興住宅に入居したばかり。「目の前で進む水門工事はなかなか進まないと感じたが、実際に見ると、ものすごい工事量。安心感はあるが、大きな津波が来ると水門の脇からあふれないか心配」と不安はぬぐえない。

 

 震災の津波で松原町の事務所が全壊、只越町に移転した八幡徹也さん(65)は「すごい構造物だが、早くできることに越したことはない」と早期完成を望んだ。

 

 工事を担当する沿岸振興局土木部復興まちづくり課の及川郷一課長は「ようやくここまで来たが、あと半分残っている。工事の音も懸念されるが、一日も早く住民の方々に安全安心を届けたい」と理解を求めた。

 

(復興釜石新聞 2017年10月21日発行 第632号より)

 

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暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

「危機対応学」めぐり意見交わす、東大社会科学研究所〜意識調査を市民生活向上に

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

暮らしと復興の意識調査について結果を報告する神戸大の平山教授(右)と東大の佐藤教授(中)

 

 「危機対応学」をテーマにした公開シンポジウムが26日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。2005年から釜石を舞台に「希望学」の研究に取り組んできた東京大学社会科学研究所が、16年度から新たにスタートした全所的プロジェクトの一環。東大と神戸大を中心とする全国の研究者グループが、東日本大震災で被災した釜石市民を対象に11年度から実施した暮らしと復興についての意識調査の結果を報告。被災者や市民の生活向上へ、どのように役立てるか意見を交わした。シンポジウムには市民ら約90人が参加し、耳を傾けた。

 

 調査は被災者の生活再建に向け、被災の実態、住まいや生活の状況と今後の見通し、考え方を明らかにするため11年から5回にわたって実施。仮設住宅、みなし仮設住宅、復興公営住宅で暮らす延べ5500人から回答を得た。

 

 シンポジウムでは、調査グループの共同代表を務めた東大の佐藤岩夫教授と神戸大の平山洋介教授がそれぞれ、調査で浮き彫りとなった問題点などについて報告した。

 

 佐藤教授は、昨年行った5回目の調査について「復興が進む中で、将来に向けた希望や明るい見通しは傾向が大きく分かれるが、『復興』の言葉が用いられるのは意外に少ない。震災の記憶がうまく継承されていないのではないか」と説明。その背景には、思うように進まないことへのいらだちがあることを指摘し、「見通しの不透明さが生む不安や不満がある。被災経験には複数の時間が流れている。この流れを量的ではなく、質的に捉える見方も必要ではないか」と示唆した。

 

 阪神大震災を経験した平山教授は、今回は住まいの再生を重点に調査。被災者の間に孤立化や高齢化への不安が広がっていることを指摘し、「被災者の生活再建に揺らぎが見える中で、過去、現在、未来をつなぎ合わせる住まいの改善が求められる。被災者の実態を踏まえた制度改善を」と訴えた。「住宅再建の補助は、1回きりをせめて2回に」と持続的制度の必要性も指摘した。

 

 参加した市民の中からは「津波災害からの復興の歴史と見比べると、今回の震災では他人の力を求め過ぎている気がする。地域全体で〝自力力〟を持たなければならないのでは」という声もあった。

 

 佐藤教授は「どうにもならない場面もいろいろある。個人の努力も要るが、手助けする社会の仕組みづくりは必要だ」、平山教授は「ともかく現場に足を運ぶことが支援になる。多くの人に現状を見てもらうことが被災者の力になる」と強調した。

 

(復興釜石新聞 2017年8月30日発行 第617号より)

 

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平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

釜石市に初めて少年消防クラブが結成されたことから、釜石市消防団より平成29年度釜石市消防演習への参加を招待され、18名の釜石市少年消防クラブ員が分列行進に参加することとなりました。

 

分列行進に参加した子供たちは緊張することなく、子供らしい元気いっぱいの行進をすることが出来ました。

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

 

平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加 平成29年度釜石市消防演習への釜石市少年消防クラブ員の参加

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 釜石大槌地区行政事務組合 釜石消防署
〒026-0031 岩手県釜石市鈴子町16番
電話:0193-22-2525 / Fax 0193-22-2166 / メール
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坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

少年消防クラブに装備品〜「子どもは宝」寄贈の坂本さん

 坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

坂本さん(左端)が寄贈した装いで横断幕を掲げる「釜石B・F・C」の児童と関係者

 

 4月に発足した釜石市少年消防クラブ(会長=番田健児釜石消防署長、6校)に17日、市消防団本部分団長・本部長の坂本晃さん(63)=大只越町=から装備品が贈られた。市役所で行われた贈呈式には野田武則市長ら防災関係者が立ち会い、4小学校の児童代表にクラブ旗などを贈呈。児童らは防災意識を高めることを誓った。

 

 贈呈式には釜石小ぼうさい安全少年団の金野怜佳さん、双葉小防災クラブの佐々木駿君、甲子小少年少女防災クラブの千代川陽琉さん、鵜住居小ぼうさい少年団の大丸碧仁君の各リーダーのほか、クラブ代表者の各校長も出席した。

 

 坂本さんは児童にクラブ旗、横断幕、はんてんと帽子20組を贈った。横断幕は横3メートル、縦80センチ。同クラブの英語表記と呼称は「釜石・ボーイズ&ガールズ・ファイア・クラブ」とし、全国統一の頭文字はB・F・Cとなる。

 

 野田市長は「さまざまな災害に敏感になり、自分なりに考えてほしい。活動を学校や地域に示し、市民全体の防災意識が高まるよう期待する」と激励した。釜石大槌地区行政事務組合消防本部の菊地秀明消防長、市消防団の山崎長栄団長も期待を寄せるとともに、番田会長は「自分や地域を災害から守る意識を高めてほしい」とエールを送った。

 

 大丸君は「(火災になるような)危険な行動をしないよう積極的に呼び掛ける」、金野さんは「震災で分かったことを大事にして防災に取り組む」、佐々木君は「震災の教訓を生かす」、千代川さんは「震災の体験を風化させない」と、それぞれ決意を表明した。

 

 装備品を贈った坂本さんは消防団員歴44年余。東部中心街の防災を担う第1分団第3部部長、同分団長を経て2年前から現職。経営する坂本電気は市の消防団協力事業所の表示証を受け、社員4人が団員として活動する。

 

 坂本さんは「多くの火災や災害に向き合ったが、震災には心が折れそうになった。子どもは地域の宝。自分にも3人の孫がいる。子どもたち自身が災害から身を守り、釜石を守る心が育ってほしい」と期待した。

 

 これら寄贈品は事務局の釜石消防署が管理し、同クラブの活動に提供する。 

 

(復興釜石新聞 2017年5月20日発行 第589号より)

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釜石市少年消防クラブ結成

釜石市少年消防クラブ結成

釜石市に少年消防クラブが平成29年4月1日に結成されました。

 

釜石市少年消防クラブに加入したのは、釜石小学校、双葉小学校、小佐野小学校、甲子小学校、鵜住居小学校、釜石中学校の6校で、1,415人(全児童・生徒)がクラブ員として認定されました。

 

このクラブは、活動を通じて正しい防災知識を身につけ災害文化を後世に伝える役目を担う者を育成することを目的としています。そのために、加入した学校と消防署が協力して児童・生徒に防災教育をしていく予定です。

 

釜石小学校結団式
釜石小学校結団式

 

双葉小学校結団式
双葉小学校結団式

 

小佐野小学校結団式
小佐野小学校結団式

 

甲子小学校結団式
甲子小学校結団式

 

釜石市少年消防クラブ結成式 釜石市少年消防クラブ結成式

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尾崎白浜・佐須地区林野火災に関する情報

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「釜石消防署小佐野出張所」の看板を降納する野田市長、佐藤消防長

小佐野出張所(釜石消防署)閉所、西部地区の防災拠点に幕〜解体し消防屯所に

「釜石消防署小佐野出張所」の看板を降納する野田市長、佐藤消防長

「釜石消防署小佐野出張所」の看板を降納する野田市長、佐藤消防長

 

 釜石消防署小佐野出張所の閉所式は3月30日、釜石市小佐野町の同出張所で行われた。釜石大槌地区行政事務組合議会など行政、住民、消防職員、消防団関係者ら60人が出席。53年5カ月に及ぶ西部地区の防災拠点活動に幕を下ろした。制度的には鵜住居出張所も同時に閉所し、4月1日から釜石消防署と大槌消防署の2署体制に移行した。

 

 同事務組合管理者の野田武則市長は「出張所の業務は地域住民、消防団、釜石警察署に支えられた。今後も装備と職員教育の充実を図り、住民の安全へ万全を期す」と式辞。佐藤正敏消防長が経過報告、「住民の安全安心に努める」と決意を述べた。

 

 小佐野出張所の防災活動に協力した小佐野町内会(佐々木喜一会長、400世帯)と、施設内に屯所を併設する消防団第4分団第1部(柏舘克美部長)に市長感謝状が贈られた。同事務組合議会の古川愛明議長が「消防職員の奮闘、研さん、努力に期待する」と激励。小佐野出張所の看板を野田市長と佐藤消防長が外し、式を終えた。

 

 小佐野出張所の前身、釜石消防署小佐野分遣所は1963年、JR釜石線小佐野駅に近い場所にあった釜石製鉄所・自主消防施設を改修して設置。職員は7人だった。73年に出張所と改称、79年に現在地に移転、新築した。5階建ての訓練塔も併設、人口が増加しつつあった西部地区の防災拠点となった。

 

 東日本大震災では小佐野出張所以外の釜石消防署、同鵜住居出張所、大槌消防署がいずれも全壊したが、2014年に釜石消防庁舎、16年に大槌同庁舎が完成した。通信指令システムの整備を背景に、機能的な人員配置と資機材の運用を図る消防力整備計画に基づき、2出張所の廃止を決めた。

 

 同施設は17年度中に解体し、消防団4分団1部の屯所を建設する予定。その間、小佐野町仮設団地用地に仮の屯所を置く。

 

 小佐野町内会の佐々木会長(75)は「(防災機関が)そばにあったほうが安心だが、一本化することを了承した。今後も、より良い(防災)活動へ協力したい」とする。

 

 OB職員の大町、奥村忠雄さん(73)は「分遣所当時、国道283号の五の橋から西は未舗装で、鉱石を運ぶ社線(鉄道)があった。この庁舎も知っている。訓練塔の塗装は自前、山火事防止の看板も署員で作った。懐かしい。2署体制でも防災、救急の活動に問題ないだろう」と語った。

 

(復興釜石新聞 2017年4月5日発行 第577号より)

 

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津波避難階段を懸命に上がり、避難する鵜住居小児童。命を守る行動を体験しながら確認した

震災忘れない、命を守る行動確認〜鵜住居小で避難訓練、地域住民も参加 避難階段上る

津波避難階段を懸命に上がり、避難する鵜住居小児童。命を守る行動を体験しながら確認した

津波避難階段を懸命に上がり、避難する鵜住居小児童。命を守る行動を体験しながら確認した

 

 釜石市鵜住居町の鵜住居小(村上清校長、児童150人)で9日、下校時の地震・津波を想定した避難訓練が行われた。同校児童の登校方法は徒歩とスクールバスがあり、スクールバスを使用した下校時の訓練は震災後初めて。児童のほか、スクールガードとして登下校時の安全確保に協力する地域住民、保護者らも参加し、いつかまた起こりうる津波に備え、自分の命を守るための適切な行動を確認した。

 

下校時の津波を想定

 

 震災の津波で校舎が壊れ、津波浸水区域外に建設された仮設校舎で授業を続けている同校では地震、火災訓練などを独自に行っている。昨年は市の津波避難訓練にも参加した。震災後、地域の津波避難場所が増えていることから、避難場所や避難の仕方を確認するとともに、帰宅途中に大きな地震や津波が発生した場合を想定した訓練を企画した。

 

 同校では栗林、片岸、箱崎、甲子、平田方面などに向かうバス7台を運行し、約120人が利用している。訓練では、帰宅後それぞれの状況に応じて安全を確保した上で、近くにある高台に避難する12のルートを設定。児童館を利用する児童にも近くにある高台を確認してもらうため、2つの避難経路を設けた。

 

 このうち日向・外山地区に向かう2台のバスには38人の児童が乗車した。日向橋停留所で15人ほどがバスを降りて帰宅途中、地震が発生。警報を受け、高さ19メートルの三陸沿岸道路釜石山田道路につながる「津波避難階段」に向かった。

 

 長内集会所に近い、鵜住居第2高架橋南側たもとに整備された避難階段は、上りきると鵜住居トンネル電気室前の広場に出る。通常、敷地の扉は外から開かず、緊急時には扉に取り付けた薄いアクリル板を壊し進入できる仕組みになっている。今回は三陸国道事務所の協力で、児童が実際にアクリル板を壊す体験もし、階段を上って経路や感覚も確かめた。

 

扉に付いたアクリル板を外し、避難階段に進入する児童ら

扉に付いたアクリル板を外し、避難階段に進入する児童ら

 

 訓練終了後の反省会で、「逃げ方の流れが分かった」と話したのは澤田龍斗君(6年)。震災時は幼稚園の年長児だったが、この階段が設置される前の山の斜面を上って津波を逃れた記憶がかすかに残っているという。

 

 一方で震災の記憶がない、知らない子もいる。後藤明衣さん(2年)は「ドキドキした。避難場所を知ったから、地震が来たら走って逃げる」と命を守る行動を学んだ。

 

 村上校長は「いろんな災害の時に守らなければいけないのは自分の命。みんなが自分を守る力を付けることは家族の命を守ることにもつながる。しっかり力を付けよう」と児童に呼び掛け。今回の訓練では地区ごとに1カ所の避難場所を確認するものになったが、地域にはほかにも避難場所があることから本年度中に各家庭で確認してもらうことにしている。

 

 及川美香子副校長は震災を風化させず語り継いでいくための体験として、避難訓練を継続する重要性を強調。スクールバスでの登下校時、実際に地震、津波が発生した時は運転手の判断が重要になってくることから、「今回は来年度以降の土台づくり。違った訓練方法も検討したい」と話していた。

 

(復興釜石新聞 2017年2月11日発行 第562号より)

 

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5班の担当者が張り詰めた表情で業務を進めた

ラグビーW杯想定、テロ対策図上訓練〜国、県、釜石市 連携を確認、初動対応や避難指示

5班の担当者が張り詰めた表情で業務を進めた

5班の担当者が張り詰めた表情で業務を進めた

 

 2年後の2019年にラグビーワールドカップ(W杯)が開かれる釜石市で18日、「会場でテロが発生した」との想定で図上対応訓練が行われた。国、県、市が連携した訓練は、盛岡市内丸の県庁と釜石市役所を結ぶ形で行われ、釜石からは野田武則市長、市職員、関係機関の連絡員ら90人が参加。凶悪事案に対する初動対応、被害拡大防止へ最善の道筋、連携のあり方を探った。市は今後、災害発生の想定を含め、W杯対応の事前訓練を重ねる。

 

豪雨、津波被害などにも応用

 

 県が主体となった同訓練は、国民保護法に基づく「国民保護共同訓練」の一つとして行われた。国は官邸連絡室など、県は情報連絡室を設置し約150人を投入、市も危機連絡調整会議を設けた。釜石を事態発生地域としたテロ対応訓練は初めてだった。

 

 ラグビーW杯の試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)で国際テロ組織による化学剤爆弾の爆発があり、多数の観客などが死傷。関連イベントが開かれる釜石市民ホール(仮称)でも爆弾が発見された―との想定。

 

 重大事件の一報を受けて市は緊急事態連絡室本部(本部長・市長)を設置。職員は大会議室(議場)に集まり、情報、通信・広報、統括、対策、総務の5班を組織、活動を開始した。県、自衛隊、警察、消防などの連絡員も派遣された。

 

 ▽負傷者の搬送と医療措置▽現場周辺住民の避難対応▽逃亡するテロ犯人の捕捉▽有害物質の除染―など各機関の動きや応援体制の要請を確認。訓練は3時間半に及んだ。

 

 県の危機管理アドバイザー越野修三さん(岩手大客員教授)は「初めての訓練にしては良くできた。個々の担当者は役割を理解して動いていた」と釜石市での訓練を評価。課題としては、▽全体像のタイムラインを作成していないため、(刻々と変化する事態に)先行した業務ができなかった▽テロだけでなく、豪雨、津波災害にも対応できる体制にグレードアップを▽見積もり、確認の質を高め、どんなことにも対応できるようにする―などを挙げた。

 

評価者の越野さん(左から2人目)が各部門の動きを注視

評価者の越野さん(左から2人目)が各部門の動きを注視

 

 市の佐々木亨危機管理監は「災害と今回の事態では、(国や県の)指示系統が違う。出された対処方針を実行できるようにしないと…。いろいろ課題はあったが、その解決に向けて、さらに検討したい」と語った。

 

 野田市長は「担当職員は初めての経験にも基礎的な理解は得たようだ。(訓練での)混乱の中、東日本大震災の教訓を思った。犠牲者を出さないよう、訓練に参加させていない職員にも危機意識を広める必要がある」と課題を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2017年1月21日発行 第556号より)

 

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