釜石初の女性消防士に〜震災機に防災意識高める、いずれは救急救命士へ

復興釜石新聞2019/04/11

「優しい職場。配慮もうれしい」と意欲を高める多田さん

「優しい職場。配慮もうれしい」と意欲を高める多田さん

 

 釜石大槌地区行政事務組合消防本部(金野裕之消防長)に初の女性消防士が誕生した。遠野市宮守町出身の多田和佳菜さん(19)が採用試験に合格。1日、同期の男性3人と共に辞令を受け、「女性の視点で、震災で被災した地域住民に役立つ仕事をしたい」と意気込みを語った。

 

 多田さんが消防職員を志した背景には、小学生の時に起こった震災が大きく影響したという。中学時代は大槌中と交流があり、合唱でエールを交換。住民からも震災や復興の話を聞き、防災意識を高めた。

 

 小学生の時には野球に取り組み、中学から陸上、駅伝、空手と幅を広げた。花巻南高から専門学校に進み、消防職員の採用試験に挑んで見事合格。「いずれは救急救命士になりたい。火災予防でも、女性の視点で役に立てればうれしい」と思いを膨らませる。

 

 男性ばかりの職場に飛び込むことになるが、「性格は負けず嫌い。自分が(釜石広域消防の)女性消防士第1号になる」と前向きに考える。

 

 釜石広域消防では、女性職員の加入による住民サービスの向上、組織の活性化、優秀な人材の確保を期待してきた。2015年に成立した「女性の職業生活における活躍の推進に関する支援対策推進法」を追い風に、受け入れ準備を強化した。

 

 ハード面では、釜石、大槌の両消防署庁舎にそれぞれ、女性職員に対応した設備やスペースを確保。ソフト面では、中学校や高校での消防訓練でアピールするほか、職場説明会などで呼び掛けている。

 

 女性職員を受け入れる意識向上も強化。ハラスメント(パワー、性別など)に関する職員研修などを重ね、理解を深めていた。同本部の岩間英治総務課長は「多田さんを迎え、ハラスメントの考え方を再確認、共有する」と今後の姿勢を示す。

 

 多田さんら4人は、今月3日に県消防学校に入校。10月に卒業し、新たな配属先で現場業務をスタートする。

 

 多田さんの配属と勤務体制については、10月までに検討を重ねる。また、20年度までに2人目の女性を採用し、複数体制を目指す。

 

 県内の12消防本部では17年度末で36人の女性消防士が勤務。未採用は釜石大槌広域など3本部となっていた。

 

(復興釜石新聞 2019年4月6日発行 第780号より)

 

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