運転免許証自主返納者に無料配送、マイヤ釜石店〜高齢者の負担軽減、交通事故の減少願う


2018/10/11
復興釜石新聞アーカイブ #地域 #防災・安全

無料配達サービスで「一層の社会貢献を」と千葉店長

無料配達サービスで「一層の社会貢献を」と千葉店長

 

 高齢者や障害者が購入した商品を無料で自宅に届ける配送サービスを行っているスーパーマーケット、マイヤ(本社・大船渡市)は1日から、釜石市鈴子町の釜石店(千葉利之店長)で新たに、運転免許証を自主返納した人を配送サービスの対象に加えた。千葉店長はこの日、釜石警察署(石川康署長)を訪ね、「免許返納による買い物の不便さの軽減と、返納の促進が交通事故の危険性減少につながるよう願う」と報告した。

 

 同社は16店舗のうち大船渡店と釜石店で3年前から、高齢者、妊婦、障害者、または5千円以上の購入者の自宅まで無料配送している。千葉店長によると、利用者は着実に増加。曜日によって違いはあるが、1日10~20件。お盆や年末の繁忙期には50件にも上る。利用者の99%はお年寄りで、大船渡店より利用件数が多いという。

 

 「市内全域を対象にするので、効率的にコースを選んでも配送時間は片道1時間半。利用者の増加に対応し、配送車両1台を加え2台体制にした。担当スタッフも増員した。コストは掛かるが、社会貢献の一つと考えている」と千葉店長。

 

 新たに対象に加えた運転免許の自主返納者について、千葉店長は「自分の運転に不安を抱えながら、通院や買い物などに支障が出る不便さからハンドルを握り続ける人の心配が、いくらかでも軽くなればいい」と願う。

 

 石川署長は「交通死亡事故では高齢者の被害とともに、高齢者の運転中も多い。車がないと生活が難しくなる。(この事業は)免許を返納した人への支援の力になる」と期待した。

 

石川署長(左)は「高齢者の事故抑止へ」と激励

石川署長(左)は「高齢者の事故抑止へ」と激励

 

 道交法で自主返納制度を導入したのは1998年4月。4年後、「免許証=身分証明書」の利便性を失う懸念に対応し、返納者の申請による「運転経歴証明書」の発行を開始した。2012年から、銀行などでの本人確認書類として使用可能になった。

 

 マイヤ釜石店で同証明書を提示すると、配送サービスを受けることができる。

 

 なお、県警本部は1日から、運転免許の自主返納申請を交番、駐在所でも受け付けている。従来は受付窓口が運転免許センターや警察署本署に限定されていたが、申請者の利便性を考慮した。

 

(復興釜石新聞 2018年10月6日発行 第729号より)

 

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