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ラグビー動画に乗せ、復興精神 広く発信〜釜石市 YouTubeチャンネル開設

ラグビー動画に乗せ、復興精神 広く発信〜釜石市 YouTubeチャンネル開設

 「ラグビーのまち釜石」を発信するユーチューブ公式チャンネルの動画

「ラグビーのまち釜石」を発信するユーチューブ公式チャンネルの動画

 

 釜石市は4月28日、動画投稿サイトのユーチューブ公式チャンネル「ラグビーのまち釜石」を開設した。新型コロナウイルス感染症との闘いが続く厳しい状況の中、東日本大震災から立ち上がりラグビーワールドカップ(W杯)開催を実現させた釜石の姿を発信し、広く元気と勇気を届ける。

 

 皮切りに配信したのは、昨年のラグビーW杯釜石開催を記録した10分ほどの動画。震災直後のがれきだらけの状況からW杯誘致に向けて市民が一丸で取り組む姿を紹介。大会期間中の釜石鵜住居復興スタジアムや、大町に開設されたファンゾーンの盛り上がりも伝える。小中学生が歌う復興支援への感謝の歌も流れる。

 

 動画には「度重なる震災や苦難にも負けず、何度も立ち上がり、共にパスをつなぎながら走り続ける『釜石ラグビー』の復興の精神を感じていただき、苦しい時も諦めず、明るい未来に向かって歩みを進めていきたい」との思いを込める。

 

 今後は釜石シーウェイブス(SW)RFCの選手がトレーニングに取り組む姿、子どもたちのラグビー体験教室の模様、釜石鵜住居復興スタジアムの近況などを配信する予定。

 

 

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釜石の浜千鳥、消毒用アルコール製造〜米焼酎原酒を再蒸留、コロナ対策 18日から出荷

消毒用アルコール製品を手にする新里進社長。18日から出荷する

消毒用アルコール製品を手にする新里進社長。18日から出荷する

 

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消毒液不足を受け、釜石市の酒造メーカー浜千鳥(新里進社長)は、手指の消毒に使える高濃度アルコール製品「浜千鳥ともづなスピリッツ65」を製造、18日から酒販店などに出荷する。

 

 国税庁は、一定の要件を満たした高濃度アルコール製品の酒税を免除すると全国に通知。これを受け、飲食業者などの休業で出荷が激減している同社が消毒用アルコールの製造に踏み切った。

 

 「浜千鳥ともづなスピリッツ65」は、医療機関や高齢者介護施設向けに供給する高濃度アルコール製品を除く一般消費者向けに製造。米焼酎「纜(ともづな)」の原酒(アルコール分40~42%)を再蒸留し、高濃度エタノール製品として製造した。保温効果のあるグリセリンを添加。アルコール濃度は65%に調整し、瓶に詰めた。医薬品や医薬部外品ではないが、消毒用エタノールの代替品として使用できる。飲用ではなく、スプレーなどの容器に詰め替えて使用する。新里社長は「消毒液不足に、みんな困っている。利益はほとんどないが、これまでにない社会貢献ができる。新型コロナの収束に少しでも役立てば」と思いを込める。

 

 参考小売価格は300ミリリットル入り990円、720ミリリットル入り2090円(いずれも消費税込み、酒税を含む)。18日は各1千本を出荷。医療機関や高齢者介護施設向けは酒税免税で、別ラベルで販売する。問い合わせは浜千鳥(電話0193・23・5613/FAX0193・23・0510)へ。

 

(復興釜石新聞 2020年5月16日発行 第887号より)

 

浜千鳥公式オンラインショップ
浜千鳥 ともづなスピリッツ65 720ml
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客足が戻ることを願い、営業再開した道の駅

“コロナ禍”休業の施設再開、感染防止対策は緩めず〜緊急事態宣言、岩手県も解除

客足が戻ることを願い、営業再開した道の駅

客足が戻ることを願い、営業再開した道の駅

 

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い全国に発令されていた緊急事態宣言を受け、4月21日から臨時休館していた釜石市内の各施設は、14日から順次、営業や利用を再開。時間短縮営業、マスク着用、アルコール消毒など各種対策を徹底し、社会経済活動の再始動を図った。

 

 釜石の西の玄関口、甲子町の道の駅「釜石仙人峠」は14日に営業を再開。23日ぶりに物販、飲食の客を迎えた。入り口ではマスク着用を呼び掛ける掲示をし、店内各所に計11本の消毒液のボトルを配置。レジカウンターには飛沫感染防止用の透明ビニールカーテンを設置し、担当者はゴム手袋をして接客。店内の換気にも気を配った。

 

 同駅では、緊急事態宣言の対象が全都道府県に拡大された4月16日以降、19、20日と時短営業。市の要請を受け、21日から5月13日までトイレ棟、駐車場利用を除き、臨時休業していた。従業員11人は休業期間中、交替で当番出勤し、トイレの見回りやごみの回収を実施。店内の大掃除も行い、陳列棚の消毒など念入りに再開に向けた準備を進めてきた。

 

 菊池利教駅長によると、コロナによる営業ダメージは深刻。4月に入り団体客のバスが消え客足が遠のいた上に、長期の休業。「春の大型連休は一番の稼ぎ時。ゼロになってしまったのは厳しい。4月の売り上げは前年比40%減」と菊池駅長。31日までは時短営業(午前10時~午後3時)の予定だが、「県内で感染者が出れば、状況は一変するだろう。防止対策を緩めず、期限前に通常営業(午前9時~午後6時)ができるようになれば」と願う。

 

 再開初日に訪れた地元の高齢夫婦は「埼玉にいる息子に米の発送を頼まれていた。さっそく送ってやりたいと思って。営業を再開してくれてうれしい」と笑顔で店を後にした。

 

(復興釜石新聞 2020年5月16日発行 第887号より)

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〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
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市長からのメッセージ

市長からのメッセージ

市民の皆さまへ

 

 岩手県においては、一人の感染者も確認されないまま、5月14日をもって、緊急事態措置の対象地域から解除されました。

 

 これは、ひとえに、市民の皆さまが不要不急の外出を自粛するなど、感染予防に努めた成果であり、改めて深く感謝申し上げます。しかし、一部の都道府県については緊急事態宣言が継続されており、油断できない状況は依然として続いております。

 

 現在の状況をみますと、多くの事業者が大きな打撃を受け、収入を絶たれて生活に困っている方や、長い自粛生活によって、身体的・精神的に不調を来しておられる方もおり、当市を含む感染が拡大していない地域は、感染予防に努めながら、社会経済活動を少しずつ再開することが求められております。

 

 新型コロナウイルス感染症と共存しながら、社会経済活動を維持するためには、国から示された「新しい生活様式」を一人ひとりが十分に理解し、実践を続けることが重要となります。

 

 引き続き、新型コロナウイルスの感染防止に向けて、密閉、密集、密接の3密を避け、手洗いや咳エチケットをはじめとした基本的な感染症対策に努めていただくほか、「特定警戒都道府県」及び「感染拡大注意都道府県」への不要不急の移動を自粛していただきますよう市民の皆さまのご協力をお願い申し上げます。

 

釜石市新型コロナウイルス感染症対策本部
本部長 釜石市長  野田 武則

 

<元記事公開日:2020年05月18日>

<元記事更新日:2020年05月22日>

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 保健福祉部 健康推進課 成人保健係
〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
電話:0193-22-0179 / Fax 0193-22-6375 / メール
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広報かまいし2020年5月15日号(No.1736)

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広報かまいし2020年5月1日号(No.1735)

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【表紙】
・市内小中学校で入学式
【P2-9】
・新型コロナウイルス感染症対策に関する情報
・防災情報(災害避難場所について)
【P10-11】
・こどもはぐくみ通信
・市民のひろば
【P12-15】
・生涯学習情報誌まなびぃ釜石
・まちのお知らせ
【P16-17】
・保健案内板
・保健だより
【P18-19】
・復興情報
【P20】
・釜石の歴史よもやま話2 歴史のさんぽみち編(1)

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元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020051200042/
釜石市

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コロナ禍支援、雨がっぱを大阪へ〜釜石ライオンズクラブ、医療現場の防護服代用に

コロナ禍支援、雨がっぱを大阪へ〜釜石ライオンズクラブ、医療現場の防護服代用に

大阪府の医療機関に届ける雨がっぱを整理する釜石ライオンズクラブの会員

大阪府の医療機関に届ける雨がっぱを整理する釜石ライオンズクラブの会員

 

 釜石ライオンズクラブ(LC、只野義則会長、会員43人)は4月20日、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する大阪府の医療機関を支援しようと、雨がっぱ125着を現地に送った。東日本大震災の支援への恩返しを込めた取り組み。交流のある大阪西LC(大阪市)を通じて医療機関に届けられ、医療現場で不足する防護服の代用品として活用してもらう。

 

 大阪市が未使用の雨がっぱの提供を呼び掛けたのを知り、釜石LCでも「行動しなければ」と思い立ち実行した。現地では15日に受け付けが始まり、釜石LCでは17日に会員らが情報を共有。20日に只越町の同LC事務所で品を受け付けた。

 

 同府のLCとは震災の支援をきっかけに交流がスタート。ラグビーワールドカップ(W杯)開催に向けた寄付も行うなど思いを寄せ続けている。

 

 こうしたつながり継続への「恩返しになれば」と感謝を込めた活動。会員有志が未開封の雨がっぱやポンチョなどを持ち寄った。

 

 高坂タミ子さん(85)は8着を提供。「震災では大変お世話になった。今度は返す番。医療現場で使ってもらい、1人でも多く救ってほしい」と願った。

 

 大阪市には多くの申し出があり、現在受け付けは中止されている。ただ、新型コロナの感染拡大は収束への道筋が見えず、長期化の懸念も。発送作業に取り組んだ釜石LCの大和田助康前会長(74)は「物資のストックはいくらあってもいいと思う。医療崩壊寸前という状況の中、最前線で働く医療関係者の力になりたい」との気持ちも詰め込んだ。

 

(復興釜石新聞 2020年5月2日発行 第886号より)

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"コロナ詐欺”への警戒を訴えるマスク

釜石警察署、手作りマスクで被害防止アピール〜給付金に絡む詐欺に注意を

"コロナ詐欺”への警戒を訴えるマスク

“コロナ詐欺”への警戒を訴えるマスク

 

 釜石警察署(仲谷千春署長)は新型コロナウイルス感染症対策で国が決定した特別定額給付金に絡む詐欺事案を想定し、被害防止をアピールする手作りマスクを作成した。当面は署内で利用し、対外的な会合などでも装着して注意喚起を図る。

 

 マスクは同署生活安全課(柾本貴德課長)の男性職員が中心になって作った。新聞記事を参考に、シーツ地を4枚重ねで裁断し、ひもを取り付けた。サイズは大きく、左頬部に赤い塗料で「鐵」とプリントしたアップリケを縫い付けた。「鐵」は署訓「鐵のごとし」(強いこと、燃えること、柔軟なこと、鍛えること、精進すること)から引用し、「釜石警察署」をアピールした。目の下の部分にはシールで「コロナ・給付金詐欺にご注意」と言葉を添えた。

 

 仲谷署長らがさっそく試着し、「呼吸が楽な形状で、実用的」と評判は上々。日常、生活安全課の窓口対応で活用し、同課職員個々に複数枚を備える。

 

 柾本課長は「これからコロナ給付金が全国民に支給される。また、店舗など経済活動では助成金も出てくる。コロナ感染拡大の不安に乗じた詐欺、犯罪の多発が懸念され、都会では、新型コロナウイルスを話題にして子どもに声掛けする脅威事案も発生している。マスクにより、署内をはじめ、対外的な市民との接触で、いくらかでも詐欺への警戒を訴えたい」と語った。

 

(復興釜石新聞 2020年5月2日発行 第886号より)

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小規模事業者に20万円支給〜釜石市 コロナ対策4つに2億2千万円、第2、3弾の支援策も用意

小規模事業者に20万円支給〜釜石市 コロナ対策4つに2億2千万円、第2・3弾の支援策も用意

釜石市のコロナ対策を発表する野田武則市長、窪田優一副市長(左から)

釜石市のコロナ対策を発表する野田武則市長、窪田優一副市長(左から)

 

 釜石市は4月28日、新型コロナウイルス感染症対策としての市の対応状況を発表した。大きな影響を受けている飲食・宿泊サービス業など小規模事業者への独自支援策の第1弾としてまとめ、野田武則市長が記者会見で説明した。支援策は①事業者の資金繰り支援1800万円②事業継続に向けた経費の緊急支援2億円③飲食事業者などの業務拡張支援250万円④離職者などの緊急雇用支援―の4つ。総額2億2050万円の補正予算を専決処分した。野田市長は「市民の声を聞き、国や県の支援の動きを絡めてまとめた。市の全面支援のメッセージとして受け止めてほしい。第2、第3弾の支援策も用意する」としている。

 

 事業者の資金繰り支援は、市中小企業振興資金からの借入金について、売上高の減少により支払い条件の変更を余儀なくされる事業者に対し、変更に伴う保証料と最長3年間の利子補給を行う。併せて同資金の据え置き期間を1年間延長し、この場合も保証料と最長3年間の利子を補給する。5月中をめどに調整を進め、2月にさかのぼって適用する。

 

 さらに、市が事業所に貸し付けている建物やテナントの家賃を4月以降、当面3カ月分の納付を猶予する。

 

 事業経費の緊急支援は、新型コロナウイルス感染症拡大で3月または4月の売り上げが前年比20%以上減少した飲食・宿泊サービス業、タクシー・運転代行業、食料品製造業、卸売・小売業など小規模事業者の事業継続を助成する。1事業者当たりの給付上限額を20万円とし、約1千事業者の申請を想定。4月28日から申請の受け付けを始め、5月12日から順次給付する。

 

 飲食店などの食事のデリバリーやテイクアウトサービス、インターネットを活用した広告宣伝の取り組みには最大50万円を補助。すでに市のホームページで対象となる事業者の公募を始め、4月末から情報提供できるよう準備を進めている。

 

 飲食事業者の業務拡張支援事業補助金は対象経費を幅広く設定し、2月にさかのぼって適用する。

 

 離職者などの緊急雇用支援は、コロナ感染症の影響による業績不振で就職先から内定取り消しや解雇された場合に市の任用職員として当面3カ月雇用する枠を設ける。

 

 今後の追加支援策について窪田優一副市長は「さらに情報を集めながら、第2弾は個人への給付を主軸に大型連休明けの5月中にも、第3弾は6月の補正予算でやりたい」などと方針を示した。

 

(復興釜石新聞 2020年5月2日発行 第886号より)

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10万円給付の申請書発送を前に宛先などを確認する釜石市の職員=1日午後1時、釜石市民ホール

10万円給付 申請書を発送〜釜石市 県内でいち早く、12日から口座に振り込み

10万円給付の申請書発送を前に宛先などを確認する釜石市の職員=1日午後1時、釜石市民ホール

10万円給付の申請書発送を前に宛先などを確認する釜石市の職員=1日午後1時、釜石市民ホール

 

 釜石市は1日、新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策として国民1人当たり一律10万円を配る「特別定額給付金」の市民向けの申請書発送を開始した。市内の約1万6千世帯に書類を郵送するほか、インターネットの電子申請も1日から受け付けを始めた。給付金は12日から順次、指定された口座に振り込まれる。

 

 今回、10万円給付の申請書が発送されるのは1万6282世帯。市は1日までに国の2020年度補正予算が成立すると見込み、前倒しでリストを作成するなど申請書の発送を準備。4月30日に補正予算が可決されたことを受け、発送を始めた。申請書の発送は県内トップになるという。

 

 発送する封筒には、申請書、提出が必要な書類の案内、申請書の書き方が分かる記載要領、郵便料がかからない返信用封筒を同封し、高齢者も安心して手続きできるよう配慮。大型連休明けの7日までには各家庭に申請書が届く見込み。マイナンバーカードを持っている人にはオンラインで申請するよう呼び掛ける。

 

(復興釜石新聞 2020年5月2日発行 第886号より)

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広報かまいし2020年5月1日号(No.1735)

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【表紙】
・山火事防止月間
・クマの出没に関する注意報
【P2-3】
・令和2年度釜石大槌地区行政事務組合会計の予算
・令和2年度岩手沿岸南部広域環境組合会計の予算
・軽自動車税の減免、非課税制度のお知らせ
・国民健康保険のお知らせ
【P4-9】
・狂犬病予防注射のお知らせ
・新型コロナウイルス感染症対策に関する情報
・住宅用新エネルギー導入支援事業費補助金
・二重被災世帯への児童学習支援について
【P10-11】
・まちのお知らせ
・各種相談
【P12】
・国道45号 大字釜石地区交通規制のお知らせ

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「橋野の自然の一番の魅力は巨木が多いこと」と話す三浦勉さん

橋野の豊かな自然を記録、三浦勉さん写真展〜動植物との共生アピール

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「橋野の自然の一番の魅力は巨木が多いこと」と話す三浦勉さん

 

 釜石市橋野町青ノ木出身で野田町に住む三浦勉さん(68)は、長年にわたり橋野の豊かな自然を写真に記録。自ら山に入り発見した巨木、滝、岩、山中で出くわした動物などの写真80点を鵜住居町のいのちをつなぐ未来館で公開している。動物による食害や土砂災害など、山の自然の変化が人間生活に及ぼす影響は大きい。三浦さんは写真展を通じて「自然、動物との共生を訴えたい」と話す。

 

 同写真展は、津波伝承や防災学習の役目を担う未来館が「防災意識を高めるには地元の自然を知ることも大事」と考え、多くの自然写真を撮りためている三浦さんに協力を依頼。4月2日から館内での展示が始まった。

 

 A4判の写真は、三浦さんが20年以上前から趣味の山歩きで記録し続けてきたもの。中でも圧巻は、推定樹齢が数百年級の巨木の数々。広大な森が残る橋野地域には、各所に“御神木”とされる大樹が脈々と生き、人々にあがめられてきた。トチ、ナラ、カツラなど樹種はさまざま。青ノ木西又沢にある「マダの巨大木」(地元ではシナをマダと呼ぶ)は幹回り約8メートル、推定樹齢700年の古木。「真ん中が空洞で、冬はクマが冬眠に使っていると思われる」と三浦さん。他にも人がくぐれる大きさの穴が開いたカツラの木もあり、その生命力に驚かされる。神社の御神木も複数あり、周辺にはかつて人が住んでいた屋敷跡が残る場所もあるという。

 

 沢伝いに山に入ることが多い三浦さんは、地形や季節でさまざまな表情を見せる滝も多数確認。大平の外ヒサゴ沢では、地元で“幻の滝”と言われてきた推定落差30~40メートルの大滝のほか、下流に落差約8~15メートルの4つの滝を見つけている。

 

 奇妙な形状の岩も印象的。青ノ木大森山にある烏帽子型の大岩(高さ5・5メートル)は、表面にマリア像の姿が浮き出たような凹凸が見られ、脇には供物台のような上部が平らな岩がある。「橋野で製鉄業が栄えたころ、ドイツ人がこの地に入っていたという話を伝え聞く。岩は欧州の方角を向いており、もしかしたら、外国人のキリスト教信仰の痕跡かも」と三浦さん。

 

 人がなかなか入れない場所の巨木や滝にはほとんど名称が無く、展示写真には、三浦さんが付けた仮称が添えられる。写真説明には実測や推定の数字データ、アクセス、クマやシカの出没情報なども記載。確認した場所は、橋野の山々を俯瞰(ふかん)した地図に落とし込み、位置関係も分かるようになっている。

 

 三浦さんは「人の知らない所に入るのが好き。橋野の山にはまだまだ足を踏み入れていない場所がある。覚えるだけでも財産。これからも続けたい」と未知の世界に期待を膨らませる。橋野鉄鉱山の世界遺産登録後は、釜石観光ガイド会員としても活躍中。「橋野鉄鉱山が36年も続いたのは、鉄鉱石はもちろん、高炉を造る石、木炭となる木、水車を動かす水がそろっていたから。フイゴにはタヌキの毛皮も使われた」と、同所の自然の豊かさを強調。「可能な限り、自然そのままの状態を後世に残していけたら」と願う。

 

 未来館スタッフの蟹江美幸さん(39)は「防災意識は知識だけでは根付かない。自分たちの住む地域を守りたいと思うような郷土愛を育む機会も必要」と、同展開催の意義を示す。展示は30日まで(未来館は水曜定休)。

 

(復興釜石新聞 2020年4月18日発行 第885号より)

 

会場の「いのちをつなぐ未来館」は、新型コロナウイルスの影響により、4月21日〜5月6日まで臨時休館となりました。

 

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