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広報かまいし2018年8月15日号(No.1694)

広報かまいし2018年8月15日号(No.1694)

 

広報かまいし2018年8月15日号(No.1694)

広報かまいし2018年8月15日号(No.1694)

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【お詫びと訂正】
保健案内板(11ページ)内「保健だより」に「母子健康手帳の交付日・・・8月3日、10日、17日、24日、31日」とありますが、正しくは「母子健康手帳の交付日・・・9月7日、14日、21日、28日」です。訂正し謹んでお詫び申し上げます。なお、7月15日号の同コーナーへ掲載した8月の母子健康手帳の交付日に変更はございません。

 

【表紙】根浜海岸 海あそび
【P2~3】一時預かり保育・病後児保育利用時には「ホッとカード」をご提示ください/三陸沿岸道路吉浜IC-釜石南IC間が開通します/市内バス路線9月1日ダイヤ改正/釜石はまゆりトライアスロン国際大会に伴う交通規制など
【P4~5】地震・津波避難訓練/夜間通行止めのお知らせ/新造巡視船「きたかみ」一般公開/まちのお知らせ
【P6~7】まちのお知らせ
【P8~9】まちの話題
【P10~11】保健案内板
【P12~15】復興情報
【P16】やっぺしRWC2019™ミニ通信/釜石シーウェイブスRFC公式戦日程

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釜石市

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完成した釜石鵜住居復興スタジアム

復興の翼 スタジアム完成、白い大屋根「船出」の帆をイメージ〜釜石鵜住居 来年のラグビーW杯へ、19日記念イベント

完成した釜石鵜住居復興スタジアム

完成した釜石鵜住居復興スタジアム

 

 釜石市がラグビーワールドカップ(W杯)2109日本大会の試合会場として鵜住居町に建設していた釜石鵜住居復興スタジアムが完成し、3日、報道関係者らに公開された。東日本大震災で被災した鵜住居小・釜石東中の跡地をかさ上げして造られた競技場は、「羽ばたき」の翼、「船出」の帆をモチーフにデザインされた白い大屋根が特徴。グラウンドには青々とした芝も広がり、震災の教訓と支援への感謝を伝え、復興の進むまちの姿を発信する、来秋の本番を待ち構える。

 

メインスタンドの白い大屋根

メインスタンドの白い大屋根

 W杯の試合会場で唯一新設された同スタジアムは、昨年3月に着工し、今年7月末に完成。両校跡地約9ヘクタールにグラウンドやスタンド、管理棟などを整備した。

 

 今回完成したのは常設部分の6千席で、このうち約5千席には昨年5月に平田尾崎半島で発生した林野火災で被災したスギ材を使った。大会本番では仮設スタンド約1万席を増設する予定。グラウンド整備では、化学繊維を混ぜてクッション性、耐久性を高めた補強型天然芝(ハイブリッド芝)を採用した。

 

座席には昨年の山林火災で焼けたスギの木が使われている

座席には昨年の山林火災で焼けたスギの木が使われている

 

 総事業費は約39億円。県と市の負担は約8億円に上る見込み。

 

 公開には県内外の報道関係者らが参加。「すごく開放的」などと声が聞かれ、対応した市ラグビーW杯推進本部事務局の担当者は「自然と調和した景観が強み」と強調した。

 

県内外から報道陣が集まり、関心の高さを示した

県内外から報道陣が集まり、関心の高さを示した

 

 同事務局の正木隆司総括部長は「被災地支援への感謝の気持ちと、復興が進んだ釜石の姿を世界に発信したい。子どもたちの心、未来の大きな財産になると確信している。全力で取り組む」と力を込める。

 

 19日の完成記念イベントでは、ラグビーの日本選手権を共に7連覇した新日鉄釜石と神戸製鋼のOBによる「レジェンドマッチ」、釜石シーウェイブス(SW)RFCとトップリーグのヤマハ発動機の試合などが行われる。

 

(復興釜石新聞 2018年8月11日発行 第714号より)

 

復興釜石新聞

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あでやかな舞を披露する「よいさ小町」

逆境乗り越え踊り継ぐ、釜石よいさ 30回目の夏〜国際色も豊かに、36団体1900人がパレード

30回目の節目を迎えた釜石よいさ。約6千人の市民が集まった

30回目の節目を迎えた釜石よいさ。約6千人の市民が集まった

 

 釜石の夏を彩る「釜石よいさ」(同実行委員会主催)は4日、大町の特設会場で開かれた。東日本大震災による2年間の休止を経て復活して6回目、通算ではちょうど30回目。「踊り継ぎたい夏がある」を合言葉に、36団体、約1900人が熱い群舞を繰り広げた。震災後は支援などで釜石に入る外国人が増え、釜石よいさも国際色豊かに。幅広い年代の市民が息の合った踊りを披露し、1年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)を成功させようと盛り上がった。

 

横断幕を掲げ、「ラグビーW杯を成功させよう」と呼び掛ける釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督(左)ら

横断幕を掲げ、「ラグビーW杯を成功させよう」と呼び掛ける釜石SWの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー兼監督(左)ら

 

釜石市民劇場は山車でラグビーW杯をPR

釜石市民劇場は山車でラグビーW杯をPR

 

 開会セレモニーで近藤和貴実行委員長(35)が「みんなで釜石の夏を盛り上げよう」とあいさつ。野田武則市長は「震災から7年、釜石はまだまだやれる、がんばれる」と呼び掛けた。

 

 にぎやかに餅まきが行われたあと、震災にも負けずに活動する「箱崎虎舞」の面々が勇壮な舞を披露。釜石よいさの立ち上げメンバーで、シンガーソングライターとして活躍するあんべ光俊さん(64)が仙台市から駆けつけ、デビュー曲の「遠野物語」などを歌い上げて30回の節目に花を添えた。

 

震災を乗り越え躍動する箱崎虎舞

震災を乗り越え躍動する箱崎虎舞

 

 総勢50人の笛や太鼓が鳴り響き、そろいの浴衣姿の「よいさ小町」があでやかに前ばやしを披露すると、いよいよ本番がスタート。企業や団体、学校など、それぞれに趣向を凝らしたスタイルで踊りの輪が回り始めた。

 

あでやかな舞を披露する「よいさ小町」

あでやかな舞を披露する「よいさ小町」

 

元気よく練り歩く上中島こども園の園児ら

元気よく練り歩く上中島こども園の園児ら

 

 拓殖大、聖学院大、法政大の学生、外資系企業のUBS証券グループ社員など、釜石の復興を外から支え続ける団体も参加。数多くの外国人も踊りの輪に加わった。

 

 涼やかな浴衣姿で踊りを披露したホアン・ティ・トウイさん(21)は、ベトナムからやって来た水産加工技能実習生。多くの仲間と釜石市国際交流協会のグループに加わり、〝日本の夏〟を満喫した。

 

ベトナムの水産加工実習生らも「ヨイサッ」

ベトナムの水産加工実習生らも「ヨイサッ」

 

 「すごく発展している日本で働き、学びたかった」とトウイさん。「ベトナムにはないお祭り。おもしろーい!」と笑顔で躍動した。昨年から3年間の予定で、大平町の井戸商店で働いている。浴衣をプレゼントした大橋武一社長(60)は「ベトナムの子たちはまじめによく働いてくれる。性格も非常に温和」と沿道で目を細めながら見守った。

 

 イオンタウン釜石グループの先頭に立ったのは、同店の立ち上げに奮闘した及川和之さん(62)=イオンタウン営業統括部長。「4年前と比べ、まちににぎわいが増えた。地域に貢献する店になって良かった」と感慨を口にした。

 

(復興釜石新聞 2018年8月8日発行 第713号より)

 

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釜石市新町に建設が進む釜石中央IC

復興道路 仕上げ急ピッチ、トンネル17ヵ所 全て完成〜南三陸国道事務所 報道関係者に公開、工事は順調 19年度中の開通へ

釜石市新町に建設が進む釜石中央IC

釜石市新町に建設が進む釜石中央IC

 

 東日本大震災被災地の復興に向けて整備される「復興道路」「復興支援道路」の現場では仕上げの工事が急ピッチで進む。釜石市周辺では7月下旬から8月上旬にかけ、国土交通省南三陸国道事務所(折笠徹所長)が担当する復興道路の三陸沿岸道路のうち、唐桑高田道路(気仙沼市唐桑町館―陸前高田市竹駒町、10キロ)と吉浜釜石道路(大船渡市三陸町吉浜―釜石市甲子町、14キロ)が相次いで部分開通。道は徐々につながり、同事業所が目指す2019年度中の全線開通が近づく。7月24日には同事務所が担当する区間が報道関係者に公開され、「工事は順調に進んでいる」と強調した。

 

 同事務所が担当する工事区間は、三陸沿岸道路の宮城県境から山田町まで40・4キロと、復興支援道路の東北横断自動車道釜石花巻道路(釜石道路)6キロの合わせて46・4キロ。このうち41・6キロが本年度中に、残りの4・8キロは19年度の完成を見込む。

 

釜石中央ICを構成する小佐野高架橋

釜石中央ICを構成する小佐野高架橋

 

 震災後の11年11月に事業化された同区間の工事には、これまでに約2204億円の事業費を投入。同区間に建設する17カ所のトンネルは全て完成した。25カ所に建設する橋りょうも、釜石市内の1カ所、大槌町内1カ所を残してほぼ完成。本年度はさらに約296億円を投入し、仕上げの工事を急ぐ。

 

 三陸沿岸道路・釜石山田道路(甲子町―山田町船越、23キロ)のうち、釜石市新町に建設される釜石中央インターチェンジ(IC)では、国道283号とJR釜石線をまたぐ橋げたの設置工事、土盛り工事などが進み、ほぼ形が見えてきた。土盛りに使用した約11万立方メートルの土は、1キロほど先で進む釜石ジャンクション(JCT)の切り土を運んで活用。今後は路面の舗装工事などを進める。

 

看板設置も進む釜石西IC

看板設置も進む釜石西IC

 

 吉浜釜石道路の釜石唐丹ICでは昨年度、4年間かけて進めてきた土盛り工事が完成した。同区間最大級となる135万立方メートルもの土は、南北に建設されたトンネルの掘削土砂を活用。ガードレール、照明などの電気通信設備の設置工事を進める。

 

 同道路で釜石南IC(唐丹町内)から吉浜ICの5キロが8月11日に部分開通する。同道路に完成した新鍬台トンネル(仮称、3330メートル)は三陸沿岸道路最長で、唯一本坑に並行して避難坑を整備。トンネル内には避難坑につながる非常口が8カ所あり、災害や事故発生時に活用できる。

 

新鍬台トンネルに整備された避難坑

新鍬台トンネルに整備された避難坑

 
 報道関係者に工事概要を説明した同事務所の古川哲治副所長は「災害時に寸断されない強じんな道路ができる。観光面でも三陸沿岸の復興に寄与するものと確信。一日も早い開通を目指して事業を進めていく」と話した。

 

 唐桑高田道路も気仙大橋や今泉トンネル、長部高架橋などの主要構造物が完成し、7月28日に6・5キロが部分開通した。

 

(復興釜石新聞 2018年8月4日発行 第712号より)

 

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釜石鉱山の坑道で採掘現場も見学

涼しさ満点「地底探検」〜夏休み 釜石鉱山で坑道見学

釜石鉱山の坑道で採掘現場も見学

釜石鉱山の坑道で採掘現場も見学

 

 釜石鉱山の坑道見学会は7月30日、釜石市甲子町大橋の現地で行われ、家族連れなど26人が参加。「鉄のまち釜石」を支えた鉱石採掘に思いをはせ、真夏日となった猛暑の外とは別世界の冷涼な「地底探検」を楽しんだ。坑道見学は今月9日まで5回にわたって行われる。

 

 釜石鉱山総務課の千葉慎吾さんらが案内。トロッコに乗り込み、標高550㍍の坑口から入った。最初は「仙人秘水」の採水地。大峰山(標高1147メートル)の地下600メートルに位置する。秘水は当初、坑道内にある工場で製造していたが、2009年からは送水管を使い、地上で製品化している。坑道の総延長は1千㌔に及ぶという。

 

 鉱石採掘場では、搬送で使う専用の重機が紹介された。鉱石を効率よく搬出するため鉱石を投下したタテ坑もあった。基底部まで高さ200メートルあり、現在は高さ約50㍍まで水が満ちているという。

 

 最後に訪れたのは花こう岩でできた「グラニットホール」。操業当時は坑内事務所兼休憩所に充てられた場所で、鉱石の採掘を止めた後は、さまざまな音楽アーティストの録音も行われた。夫の小笠原善樹さん(62)、孫の鈴木響太朗君(甲子小3年)とともに参加した千賀子さん(61)が「釜石小唄」をホールいっぱいに響かせ、参加者の盛んな拍手を受けた。

 

 釜石市平田の漁業佐々木静男さん(72)は、この日が誕生日。横浜市から帰省した娘の八木千里さん(38)、長男の奈碧人(なおと)君(六ツ川西小6年)、二男の碧乃莉(みのり)君(同3年)、長女彩衣音(あいね)ちゃん(4)とともに「鉱山(やま)」を満喫した。碧乃莉君は「鉱石も23個集めた。勉強になった」と喜んだ。

 

 青森県三沢市の男女14人は観光バスで訪れた。「温故知新の会」と名付けた旅行仲間は60~96歳。会長の北林登美江さん(77)は「今回は片道4時間の日帰り。坑道見学は面白かった」と、プレゼントの「仙人秘水」を抱えて帰路に就いた。

 

(復興釜石新聞 2018年8月4日発行 第712号より)

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高度な職人技で刃物研ぎの支援を行う堺市の味岡さん(中)と高校生(右後列)

包丁研ぎで被災地支援、堺工科高(大阪)定時制生徒〜今回は鵜住居で活動、職人技で刃を再生

 高度な職人技で刃物研ぎの支援を行う堺市の味岡さん(中)と高校生(右後列)

高度な職人技で刃物研ぎの支援を行う堺市の味岡さん(中)と高校生(右後列)

 

 東日本大震災被災地を持ち前の技術で支援する大阪府立堺工科高校(堺市)定時制の生徒らが25日、釜石市の鵜住居生活応援センターで「包丁の研ぎ直し」ボランティア活動に取り組んだ。周辺の住民が包丁や草刈り鎌など50丁を持ち込み、職人の技でよみがえった切れ味に感謝した。

 

 同校は地元で育まれたものづくりを学ぶ「堺学」を2005年から継続する。定時制の生徒が発案した支援のうち刃物は2012年から、生徒らも製作したステンレス包丁を宮城県名取市や釜石などの被災者に届け、昨年は東松島市や遠野市にも学校教材として贈った。

 

 今回のボランティア活動には、生徒2人と指導者ら9人が参加。このうち堺学で14年間、生徒らを教える味岡知行さん(74)は刃付け(研ぎ)の伝統工芸士で、堺市ものづくりマイスターの称号を持つ。若手の弟子4人を伴い、電動研磨機と共に車で参加。定時制は保田光徳進路指導部長(58)ら2人、総合学科3年の松下伊織君(17)と2年の竹内裕也君(19)が訪れた。16年に「アフターケア」の研ぎ直しで釜石市など6市を訪問しており、今回で2回目。

 

 愛用の刃物を持った住民が相次いで訪れ、予定外の鎌の研ぎも快く引き受けた。味岡さんらは回転研磨機を操ってさびを落とし、ぼろぼろになった刃も丁寧に再生させた。授業で特訓した生徒は砥石(といし)で仕上げ、親指の爪で切れ味を確認した。「ものづくりはハート。学校は人づくり」と語る味岡さんは、弟子や生徒の仕事ぶりを優しく見守った。

 

 去年も被災地を訪れた松下君は「空き地などの様子に、想像できない被害の大きさを実感した。少しでも力添えしたい。飲食店でアルバイトしており、家でも包丁を研ぐ。将来は料理を出す店を持ちたい」、竹内君は「溶接技術を生かし、車づくりにかかわりたい」と将来を見据える。

 

 近くの復興公営住宅で暮らす板澤龍太郎さん(73)は包丁2本を依頼。「きれいに輝きが戻った。料理もおいしくなるだろう。遠い所から来てくれてありがたい」と感謝した。

 

(復興釜石新聞 2018年7月28日発行 第710号より)

 

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広報かまいし2018年8月1日号(No.1693)

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【表紙】 釜石納涼花火2018/市長のつぶやき
【P2~3】 戦没者追悼式/乳がん・子宮頸がん/児童扶養手当の現況届など
【P4~5】 鵜住居駅前公共施設の愛称決定/今月のインフォメーション
【P6~7】 今月のインフォメーション/釜石よいさ交通規制
【P8】 やっぺし!RWC2019TMミニ通信(8月19日の交通規制)

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山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山火事跡に新たな芽吹き、自然の生命力を再確認〜尾崎半島で植物観測会

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

山林火災の跡をたどり、植生や森林の再生について理解を深めた参加者(左端は鈴木会長)

 

 昨年5月に大規模な林野火災が発生した釜石市の尾崎半島で22日、釜石植物の会(鈴木弘文会長)が主催する植物観察会が開かれた。市内外から9人が参加。鈴木会長(73)の案内で尾崎白浜から青出し浜までを歩いて往復し、焼け跡から新たな芽吹きが見られることを確認した。

 

 鈴木会長は6月3日と7月11日、半島の南北2ルートで焼け跡を踏査した。約413ヘクタールを焼損した大規模林野火災。今回の植物観察会は、半島の植生、延焼拡大の要因、森林の再生を考えることなどを狙いに企画した。

 

 尾崎白浜地区の集落から林道に入り、環境省と岩手県が選定した「新・奥の細道~リアス海岸尾崎半島のみち」(6・1キロ)の約2・7キロ地点にある青出し浜の尾崎神社奥宮を目指した。最高気温が35・6度まで上がる猛暑日の中、休息をとりながら、起伏のある道を進んだ。

 

 鈴木会長は足元に残るタチハコベ、ミズタマソウ、イガホウズキなどの野草や、穂状の花を咲かせたリョウブなど希少な木を示し、食生活との関わりなどを伝えた。

 

 林野火災の焼け跡では、地肌まで焦げたスギ林と接する広葉樹林帯の被害が少なく、「新しい芽吹き(ひこばえ)が見られる」と再生力の強さを指摘した。

 

 鈴木会長の友人で釜石市出身の陶芸家伊藤正さん(65)=花巻市東和町=は妻信子さん(65)と参加。「すごい(山火事の)被害だ。雑木林が延焼を防ぐ働きをするのが如実に現れている光景だった」と驚きを語った。

 

 登山歴が50年近くになる釜石市平田の佐々木和子さん(78)は、猛暑の中、トレッキングに不慣れな参加者を気遣いながら往復。「最近は膝を痛めて本格的な登山はしないけど、ここは見たかった。植物や山林のことを教えられ、参加してよかった」と喜んだ。

 

 鈴木会長は「尾崎半島は元々、広葉樹林の自然林だった。山火事を契機に、火災など災害に強い、弾力ある森林づくりを考える必要がある」と提言する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

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震災の教訓を後世に伝える慰霊碑

「悲劇を繰り返さない」誓いを胸に〜両石で慰霊碑除幕、120世帯が戻る意向

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

海に向かって献花し、犠牲者を思い祈りをささげる参列者

 

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、町民46人(関連死含む)が犠牲となった釜石市両石町に、犠牲者を悼み、震災の教訓を後世に伝える慰霊碑が建立された。この碑は、両石湾を望む海抜20メートルの高台に位置。22日、建立した両石町内会と両石財産区が碑の前で慰霊祭を開き、町民や関係者約150人が犠牲者の鎮魂とまちの再生を願い、祈りをささげた。

 

 佐藤実・町内会長代行(62)が、町民や法人などの寄付で実現した建立の経緯を説明。「皆で心を一つに、哀悼の祈りを込めたい。平成30年は両石にとってまちづくりスタートの大きな区切りの年」とし、古里再興へ思いを強くした。町内の子ども3人が碑を除幕。協力した14法人・団体に感謝状が贈られた。常楽寺(鵜住居町)の藤原育夫住職が開眼供養を行い、参列者が焼香、献花。犠牲者の冥福を祈り、悲劇を繰り返さないことを誓った。

 

 同碑建立は2016年6月の町内会総会で決議。役員が市内十数カ所に散らばる町民を一軒一軒訪ねて寄付を募った。同町出身者や復興工事関係者、各種団体も協力。11法人、6団体、180個人から寄付が寄せられた。不足分は要望を受けた同財産区が支援。仲野石材店(大町)が施工し、今月14日に完成した。事業費は約235万円。

 

 建立場所は、桑の浜地区に通じる新市道(未開通)沿い市有地の一角。花こう岩の碑は高さ約2・5メートル(台座含む)で、題字は野田武則市長が揮毫(きごう)した。台座に刻まれた碑文には、大地震発生から津波の襲来、町内の被災状況、復興の道のりが記され、明治、昭和の大津波にも言及。「教訓はひとつ。徒に津波の規模を想定せず、津波警報が出たら自らの命を守るべく、高台目指しとにかく避難すること」と、未来を生きる人々へ訴えかけている。

 

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

46人の御霊を慰め、津波の教訓を末永く伝え続ける慰霊碑

 

 遺族代表であいさつした渡辺裕子さん(76)は、夫の正さんを亡くした。「毎日、泣いて過ごした」と当時の絶望感を吐露。平田の仮設住宅に暮らし、今年中に両石に、息子夫婦と住む自宅を再建する予定だという。「くよくよしてはいられない。両石に帰らねばという思いはずっと持ち続けてきた。残りの人生を再び、地域の皆さんと仲良く暮らせたら」と願った。

 

 慰霊碑の隣には今後、津波で流され、がれきの中から見つかった地元消防団の半鐘を設置し、慰霊や記憶の伝承に役立てる方針。

 

 同町を襲った津波は最大で海抜24メートル地点にまで達した。当時、260戸あった住宅は、高台の13戸を残して全て流失。一夜にしてまちが姿を消した。

 

 復興のため、市内最大規模の盛り土造成が行われた。今年、県営両石アパート(24戸)と市が整備する戸建て復興住宅13戸が完成し、入居している。戸建て住宅は残り12戸が建築中で、65区画整備された自力再建用地では、新たに家を建てるつち音があちこちで響いている。

 

 町内会によると約120世帯が同町に戻る意向を示しており、最終的な町内会規模は震災前の半分程度になる見通し。

 

(復興釜石新聞 2018年7月25日発行 第709号より)

 

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2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

地中から尾崎公園の記録〜地元住民 40年前に思いはせ、二つの碑掘り出す

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

2つの門のふたを除き、表土の砂利を取り除く作業を住民も見守った

 

 釜石市浜町の高台にある尾崎近隣公園で18日、40年前に同公園の完成を記念して埋められたタイムカプセルの掘り起こしが行われた。工事関係者の名前が記された二つの碑が掘り出され、作業に立ち会った約20人の地元住民らは「こんな碑が埋められていたのを初めて知った」と驚き、当時のにぎわいに思いをはせた。震災の津波で浸水した埋設場所は今後、市道として整備される。

 

 尾崎公園は1977~78年度の2カ年事業で建設された。公園の上り口には大きな門柱(幅1・7メートル、奥行き4・5メートル、下段の最大高2・5メートル)が対となって設置され、左に「尾崎公園」、右には「おさきこうえん 昭和54年3月竣工」と記した金属製の銘板がはめられている。

 

 地元住民で組織する尾崎公園愛護会の高橋松一会長(76)が、当時の工事関係者から「タイムカプセルのような物を埋めた」と聞き、復興工事を担当する熊谷組・小澤組特定建設工事共同企業体(JV)が住民の要望に応じ協力した。

 

 この日は、公園建設工事の現場主任だった鎌田紀男(ゆきお)さん(70)=山長建設取締役=も立ち会い、「何かを埋めたのは覚えているが、中身は定かではない」と作業の様子に目を凝らした。

 

 門柱の分厚いふたの下には、玉砂利が敷かれ、中からチェーンで結ばれた碑が現れた。いずれも黒みかげ石で、縦70センチ、横80センチ、厚さは最大25センチ、重さは300キロ近いと推定。碑に刻まれた記録には「市民の健康増進と避難広場とするため、事業費9千万円を投じて昭和54年3月に完成した」とある。

 

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

出土した碑を囲み、40年前の一帯のにぎわいを語る住民ら

 

 掘り起こしに立ち会った地元の萬キヨさん(83)は「陣屋まつりなど広場に大勢が集まってにぎわった。震災後から寂しくなったが、また、にぎわいが戻るといい」と大掛かりな作業を見守った。

 

 高橋会長は「いつ掘り出す計画だったのかも分からないが、千年に一度という震災で碑を取り出すことになった。ほかの埋蔵品も期待したが、碑は文化財として保存してほしい」と願う。今後、碑をどのように保存するかは、市と協議するという。

 

 震災の津波で周辺の建物は流失し、現在は住宅再建用地などの造成工事が進む。盛り土の高さは最大7メートルに達し、公園も門柱の上まで土に覆われる計画だ。土盛り工事を前に門柱は撤去する。

 

(復興釜石新聞 2018年7月21日発行 第708号より)

 

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【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

【インタビュー】2018夏 根浜海岸 海あそび〜7/28(土)、29(日)開催

 

東日本大震災から8度目の夏を迎えた三陸沿岸各地から、「震災後初の海開き」という嬉しい便りが届き始めています。

 

釜石ではまだ正式に“海開き”と言える状況ではありませんが、安全に海あそびが出来る環境が整った根浜海岸で、7月28日・29日の2日間、海で泳ぎ、海を身近に楽しめるイベントが開催されます。

 

イベントの主催団体(一社)根浜MINDは、ふるさとの風景を守り、未来につなげる活動を行っています。事務局の廣田一樹さん(宝来館)に、これまでの活動や今回のイベントについて伺って来ました。

 

ふるさとの海辺の風景を守り、未来へつなげたい

 

根浜海岸

 

ーー根浜MINDはどのような経緯で発足したのでしょうか?

 

廣田さん:

きっかけは、この地域に欠かせない「観光」でした。
震災後、それまではどちらかと言うと、誰かが何かやってくれるのを待っていた状態だったのですが、お隣大槌町の浪板海岸では住民主導での海岸復活の動きがあり、観光施設などが出来上がっていく過程を見て、「このまま待っていては行けない。自分たちで何とかして行かなくては。」という気持ちが、住民やこの地域に関わる人たちの中で大きくなりました。
 
そして、「海辺の暮らし、風景を守って行こう」と、2016年7月に地域住民が中心となって団体を立ち上げ、代表の岩崎昭子(宝来館)を含めた6名と事務局2名で活動しています。

 

廣田さん

 

ーーどのような活動をされていますか?

 

廣田さん:

防災、減災活動として宝来館の裏山に避難経路を整備したほか、震災後に出来たご縁により英国ロンドン芸術大学からご支援を頂き、英国式レスキューボートによる住民主体の水難救助システム構築を目指し活動を進めています。
 
また、震災によって三陸沿岸各地では、砂浜とともにそこで見られた海浜植物なども消えてしまった地域が多いですが、根浜海岸には奇跡的に植物が残りました。岩手ではここだけだそうです。
その、ハマナス(バラ科のピンク色の花)やハマボウフウ(薬草で絶滅危惧種に指定されている)を増やして根浜海岸の原風景を取り戻し、それを守り続けて行く為に、特産品として活用して行こうという活動もしています。
 
これら海浜植物を増やす活動については、今年から地元の東中学校の全校生徒も一緒に取り組んでいて、種から苗を育て、海辺の清掃活動をし、秋には海岸での植栽を予定しています。

 

ハマナスの花

 

子ども達に海での楽しい思い出を

 

ーーイベントのチラシですが、子ども達の笑顔の写真が印象的ですね。

 

廣田さん:

震災から丸7年が経った今でも、“海はこわいもの”という認識を持った子ども達がまだ多いと思うのですが、子ども達にはやはり海の楽しさも知って欲しいです。

 

この地域の子どもは、どの世代も海と密接な関わりがあったそうですが、今はそういう機会が少なくなってしまいましたし、通学路も海を通らず山側を通るようになり、海との物理的な距離も出来ています。

 

先ほどの中学生の海浜植物再生の取り組みも、海岸清掃から始めて、まずは海を眺めてもらう機会を作る所からと、いきなり「海で泳ごう」ではなくて、段階を踏みながら海との距離を縮めてもらおうという側面も持ち合わせながら行っている部分もあるんです。

 

廣田さん

 

ーー廣田さんは関東のご出身ですが、ご自身も根浜海岸での思い出があるそうですね。

 

廣田さん:

母の実家が山田町で、夏休みに帰省した時には必ず一度は根浜海岸で遊びました。
その頃、この海には滑り台などの遊具が浮かんでいて、すごく特別な海水浴場だったんです。

 

遊具は子供では足がつかないちょっと深い所にあって、小さい頃はそこまで行くことが出来なくて、年上の子たちが遊んでいる姿を羨ましく見ながら、「早くあそこまで行けるようになりたい!」と思っていました。そして、そこで遊べるようになった時、「少し大人になったな!」と誇らしい気持ちになった事を覚えています。

 

今になって知ったのですが、実はその遊具は、根浜MINDのメンバーでもある前川民宿さんが毎年浮かべてくれていたものだったんです。
自分自身の楽しい思い出と、地元の方々の想いがつながった瞬間でした。

 

ここが好き~いつかまた地元の人たちでにぎわう海辺の景色が戻るまで

 

ーープログラムを提供するメンバーも多彩ですね!

 

廣田さん:

どちらかと言えば、外から来た人たちが多いのですが、「海が好き」という共通の想いがあるメンバーが集まっています。
それだけ、根浜の人や場所に魅力があるという事だと思います。
今回も“皆さんに楽しんでもらえる空間を”と、海で思いっきり遊ぶのはもちろん、海に入らなくても周辺で楽しめるプログラムもご用意しています!

 

養浜終了後には本格的な海開きが行われる予定ですが、震災から8度目の夏にこのような海を楽しむイベントを開催出来るまでになり、ようやく第一歩を踏み出せたという感じがします。

 

今でも海に向き合えないという想いを抱えている方も多くいらっしゃると思いますが、そこは私たちの力ではどうにもできない、踏み込めない領域です。
今はまだ海と向き合えなくても、地元の人たちが「海にふれる」という気持ちになった時に変わらない三陸の風景をみんなで作り守ってつなげていきたい、そう思っています。

 
 

2018夏 根浜海岸 海あそび 祈り、そして未来を願って

 

018夏 根浜海岸 海あそび

 

2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ表(JPGファイル/260KB)
2018夏 根浜海岸 海あそび チラシ裏(JPGファイル/226KB)

 

開催日時

2018年7月28日(土)29日(日) 午前9時~午後4時
28日 9時30分~オープニングセレモニーで虎舞披露!!

場所

釜石市根浜海岸、根浜緑地公園

海あそびプログラム

陸の思い出ワークショップ/SUP体験/シュノーケル/ねばだるま絵付け体験/レスキューボート体験等
同時開催:根浜写真展~根浜地区の震災前~現在の写真展示

 

イベントのちらしは、7月15日発行の広報かまいしと一緒に配布されています。
また、詳細は以下のSNSサイトなどもご覧ください。

 

釜石の観光のFacebookはこちら
https://www.facebook.com/kamaishikankou
根浜MINDのFacebookはこちら
https://www.facebook.com/nebamamind/

 

縁とらんす

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす

縁とらんす編集部による記事です。

問い合わせ:0193-22-3607 〒026-0024 岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

「ホタルの里」を大切に、小佐野地域会議 まつりでアピール〜環境保護へ意識高める、小佐野小児童は作文に思い込め

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

来場者はステージ上からまかれる餅に懸命に手を伸ばした

 

 ゲンジボタルが生息する釜石市の小川川流域の発信と環境保全を目的とした「ほたるの里まつり」が8日、中小川集会所前広場で開かれた。小佐野地域会議(黒田至議長)が行うほたるの里推進事業の一環で、流域の4町内会などで組織する実行委が主催。6回目の今年は、新たに企画されたホタルに関する作文コンクールの表彰式や恒例の地元芸能の披露などがあり、約200人が楽しんだ。

 

 祭り会場は、昨年解体された仮設団地の跡地の一角。ホタルの観察場所として長年親しまれる“ワッカラ淵”にほど近い場所に特設ステージが組まれ、歌や踊りが披露された。

 

 注目を集めたのは、同祭り初の作文コンクール。小佐野小の全校児童を対象に、ホタルに関する作文(400字詰め原稿用紙2枚)を募集したところ、37点が寄せられた。学校審査で9点に絞られ、同地域会議役員らの採点で表彰する3点が決まった。

 

 最優秀賞は川端心さん(6年)、優秀賞は小澤詩乃さん(3年)、特別賞は大久保利空君(同)の作品が受賞。祭り会場で表彰式が行われ、出席した小澤さん、大久保君に賞状と賞品、ホタルの捕獲観察許可証が贈られた。

 

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

優秀賞を受賞した小澤詩乃さん(左)と特別賞を受賞した大久保利空君

 

 代表して小澤さんが作文を発表。道徳の本で、人間が流した水が原因でホタルや魚が別の川に引っ越してしまった話を読み、心を痛めた小澤さん。「川にごみを捨てたり悪い水を流さないように、しっかり気を付けないと。ホタルやその他の生き物も人間と同じ命があるから、大切にしなきゃいけない」と思いをつづった。

 

 小澤さんは桜木町の仮設団地に暮らしていた時、小川川にホタルを見に来たが、数匹しか見つけることができなかったという。「今度はもっといっぱい飛んでいるのを見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 大久保君は、学校の中でホタルを見つけた経験を明かし、「ここにもいるんだとびっくりした。きれいな川を守るため自分たちもできることをやって、ホタルがもっと増えるようにしたい」と環境保護への意識を高めていた。

 

 祭りは小川鹿踊り保存会の演舞、餅まきでフィナーレを迎えた。黒田議長は「子どもたちの作文を通して大人たちもホタルの勉強をさせてもらった。作文に書いたことを次のアクションにつなげてほしい」とコンクールの手応えを実感。「(ホタルが見られる)この場所を知らない人も多い。中小川のワッカラ淵を機会あるごとにPRし、沿岸のホタルの里として市内外に発信していければ」と願った。

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

今年も祭りを盛り上げた地元の「小川鹿踊り保存会」

 

 地元住民によると、小川川のホタルは6月中旬ごろから発光が見られ、今年は昨年より下流域でも確認されているという。13日には市の観察会が予定される。発光時期は終盤で、早めの観察がお勧め。最もよく見られる時間帯は午後7時半~8時半ごろ。

 

(復興釜石新聞 2018年7月11日発行 第705号より)

 

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