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3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

新春ならでは 大盤振る舞い〜イオンタウン釜石、餅まきで大盛り上がり

3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

3年目となった元日の餅まきは今年も大にぎわい

 

 釜石市内の初売り商戦は元日からスタート。2014年3月にオープンした港町のイオンタウン釜石は6年目の初売りを迎えた。元日は通常より1時間早い午前8時の開店を前に、昨年を270人ほど上回る約830人が列を作り、期待の高さをうかがわせた。元日の入店客は約1万6800人に上った。

 

 初売りのお楽しみ「福袋」は専門店とスーパーセンター合わせ、5700個を用意した。今年は元日から売れ行きが好調で、昼ごろまでに完売した店も。昨年10月の消費増税の反動もあってか、金額以上の商品が入る福袋は人気を集めたようで、複数の福袋を手にする客も多く見られた。

 

 元日は2階のイベントスペースで、初売りを盛り上げる「紅白餅まき」を実施。開始時刻の午前11時には同スペースを埋め尽くすほどの大勢の人が集まった。客と新年のあいさつを交わした森信義モールマネジャーは、今年3月でオープンから丸6年となる同施設について「ここは出会いの場。展示、発表会などにも利用していただき、商業だけではない店づくりを目指したい」と意気込みを示した。まかれた餅は3千個。8割には「専門店賞」として、各店舗の割引券や体験券などが入れられており、新春ならではの大盤振る舞いに客が笑顔を広げた。

 

 東京都世田谷区の櫛引明佳さん(43)は家族4人で甲子町の実家に帰省中。元日、初売りに足を運んだ。「震災後、まだ店が少ない時にイオンが釜石に来てくれて、まちはだいぶ変わったと思う。(釜石復興に)果たしている役割は大きい」と実感。長女の桃佳さん(9)は両手に餅を広げ、「楽しかった」と満足げ。「学校の宿題で書き初めをするので、半紙と硯(すずり)を買おうかな。岩手にいる間にそり滑りや温泉にも行きたい」と目を輝かせた。

 

 イオン釜石は昨年、ラグビーW杯釜石開催を盛り上げようと、「食・観光・歴史」をキーワードに三陸をアピールする物販や展示企画を実施。集客策の長期開催イベント「チームラボ」には期間中、約1万8千人が来場した。「外国人を含め県外からのお客さまが増えた実感はある。飲食、食品関係(土産物など)は特に好調だった」と森マネジャー。今後の店舗展開について「ニーズの高い健康やカルチャー(趣味)に関する店、講習会など体験型の機会も増やしていければ」と話した。

 

(復興釜石新聞 2020年1月4日発行 第855号より)

 

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JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

ラグビーボール モニュメント、釜石駅に設置 W杯レガシー発信〜日本テレビ贈呈 東京・汐留から移設

JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

JR釜石駅にお目見えしたラグビーボール形のモニュメント

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のレガシー(遺産)を「ラグビーのまち釜石」に―。釜石市の玄関口、JR釜石駅(吉田正樹駅長)東側入り口付近にラグビーボールの形をしたモニュメントがお目見えした。W杯期間中に東京・汐留に設置されたモニュメントを譲り受け、移設。レガシーを発信し、地域振興につなげる。

 

 W杯公式球を模したモニュメントは高さ2・7メートル(台座含む)。大会中の試合中継に携わる日本テレビ放送(本社東京都港区、小杉善信社長)が機運醸成を図るため製作。今年3月末から11月3日まで日本テレビ広場に設置していた。

 

 同社では一つの役目を終えたモニュメントを、国際統括団体ワールドラグビー(WR)の年間表彰でキャラクター賞に選ばれ、W杯の価値を高めた「ラグビーのまち」に贈ることを発案。系列局のテレビ岩手(盛岡市、榧野信治社長)を通じ釜石市に受け入れを打診したところ、釜石市が快諾した。

 

 24日にJR釜石駅で贈呈式が行われ、野田武則市長や榧野社長、吉田駅長らの手で除幕。榧野社長は「日本全体で感動を分かち合った大会の思い出を遺産として釜石に残したい。記憶を長くとどめることにモニュメントが役立てばうれしい」と期待した。

 

 寄贈を受け、釜石市は大会レガシーの継承とラグビーのまちの推進を支援したとして、日テレに感謝状を贈呈。野田市長は「東日本大震災の被災地でのW杯開催は奇跡的なことで、全国からの支援のおかげ。ラグビーの素晴らしさ、課題を乗り越えながら前に進んでいく力強さ、チャレンジ精神を発信していく」と思いを強めた。

 

 設置場所を提供した吉田駅長は「大会レガシー、情報発信基地として活用し、地域を盛り上げていきたい」と今後の活用を見据えた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月28日発行 第854号より)

 

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広報かまいし2020年1月1日号(No.1727)

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広報かまいし2020年1月1日号(No.1727)

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【P1】表紙(佐須漁港から望む朝日)
【P2-3】市長年頭あいさつ/釜石祈りのパーク 芳名板の配置変更
【P4-5】住宅宿泊事業法説明会/東北高校ボクシング新人大会/いわて吹奏楽祭/沿岸南部広域環境組合決算/冬の星空観察会/釜石市観光審議会委員募集
【P6-7】まちのお知らせ
【P8】成人のつどいでのマイナンバーカード交付申請/松飾りの収集

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「子」年のネズミも注意を喚起

特殊詐欺被害防止を年賀はがきで〜1万2千通余を郵便局に、釜石・大槌防犯協会と釜石署

「年賀状で新年も詐欺被害の防止を」と郵便局(左)に託した

「年賀状で新年も詐欺被害の防止を」と郵便局(左)に託した

 

 全国で被害が絶えない特殊詐欺被害の防止を呼び掛ける年賀はがきの贈呈式が20日、釜石市只越町の釜石郵便局(川畑智彦局長)で行われた。同事業を推進する釜石市防犯協会(岩渕善吉会長)、大槌町同協会(岩間利夫会長)と釜石警察署(仲谷千春署長)が、はがき1万2085通を郵便局に託した。はがきは来年元日、両市町に配達される。

 

 はがきは両会長と署長が川畑局長、鵜住居郵便局の小笠原博人局長、釜石局外務員の佐々木飛翔(つばさ)さんに託した。

 

 仲谷署長は増加する詐欺被害の現状を説明した上で、「郵便局の皆さんには年賀はがきの配達に合わせ、被害の防止を呼び掛けてほしい」とあいさつ。川畑局長は「詐欺被害で悲しむ人が出ないよう、責任を持って元日に配達する」と決意を述べた。

 

 同はがきの配布事業は両市町の73事業所・団体の協賛を受け、今年で4年目。釜石市には1万6346世帯(11月末現在)のうち約1万世帯、大槌町には約2千世帯を対象に、高齢者が多い地域を重点に配達する。

 

「子」年のネズミも注意を喚起

「子」年のネズミも注意を喚起

 

 はがきの表面には、協賛する約20社を明記。年賀のあいさつ文に加え、「息子をかたる」「お金が戻る」「もうけ話」「身に覚えのない請求」の電話には注意するよう呼び掛けている。イラストは釜石署員が作成し、来年の干支(えと)の「ねずみ(子)」をアレンジした。

 

 釜石署によると、県内の特殊詐欺被害は11月末現在、51件に上り、昨年同期より26件増加。被害額は約1億4292万円で、5600万円増。同署管内では3件で約200万円の被害がある。全国的に高齢者を狙ってキャッシュカードを受け取ったり、すり替える詐欺被害が増えている。同署は「管内でも交通網の整備が進んだことに伴い、同種手口の被害が懸念される」と警戒している。

 

(復興釜石新聞 2019年12月25日発行 第853号より)

 

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サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

今年も「サンタが100人やってきた」〜年の瀬の街にプレゼント、ストリートラグビーも楽しむ

今年も被災地に「夢」と「希望」を与えたボランティアサンタ

今年も被災地に「夢」と「希望」を与えたボランティアサンタ

 

 東日本大震災から9度目のクリスマスを前に、全国からボランティアサンタ約80人が釜石に集結。被災地支援を行う遠野市のNPO法人遠野まごころネット(佐藤正市理事長)が21日、恒例の「サンタが100人やってきた!」の活動を展開し、釜石、大槌両市町の子どもらにプレゼントを届けて交流した。

 

 釜石市大町広場で開催した出発式で佐藤理事長は、活動を始めたきっかけを改めて紹介。被災した陸前高田市の女児が「(クリスマスに)何が欲しい?」との問いかけに「おうちとママ」と答えたという、あるブログが発端だったことを明かした。事業は企業、団体、個人からの寄付金で成り立っており、今年も式の中で協力企業が目録を贈呈した。寄付金はプレゼントの現地購入などに充てられ、地元経済支援にもつなげる。

 

 2012年から協力を続けるイオングループは、各社の従業員らが寄せた募金など総額約110万円を寄付。サンタとして26人が現地活動にも尽力した。イオン九州の奥田佳奈さん(29)は釜石初訪問。「足を運べてありがたい。九州の元気、明るさを少しでも届けられたら」と願った。イオン九州は16年に発生した熊本地震の被災地で〝まごころサンタ〟活動も展開。「最も被害の大きかった益城町では間もなく仮設団地の集約が始まる。少しずつ復興が進んでいるよう」と両被災地の歩みを重ねた。

 

 サンタは甲子町のこすもす公園、市球技場、大槌町のおしゃっちを訪問。約400個の菓子やミカンのプレゼントを子どもらに手渡し、遊びやサッカーで楽しい時間を共有した。

 

 同NPOで初代理事長を務め、今年7月から4代目として再び指揮を取る佐藤正市さん(70)は「ボランティア自らが企画し事業化してきたことが9年も続いている。全国から駆け付けてくれる皆さんには感謝しかない。子どもたちが夢を見るお手伝いができたら」と思いを新たにした。野田武則市長は「10年目の来年は市も協力して何らかの盛り上げを図りたい」との意向を示した。

 

サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

サンタもストリートラグビーでラグビーのまちを元気に!

 

 この日はイオンタウン釜石の屋外スペースに設置されている専用フィールドで、関係機関が主催する「サンタとストリートラグビー体験会」も開かれた。〝100人サンタ〟とのコラボイベントで、ボランティアサンタも盛り上げに一役買った。

 

 自前のひげを蓄え、100人サンタに8年連続参加の小林裕さん(68)=東京都中野区=は、ストリートラグビー初体験。「格好だけはつけて…」と見事なトライを決めた。ラグビーワールドカップはテレビで観戦。釜石鵜住居復興スタジアムには建設中の時に見に行った。「釜石がラグビーで元気になってきているのはいいこと。完成したスタジアムにも行ってみたい。復興が進むのを見るのはボランティアの楽しみでもある」と声を弾ませた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月25日発行 第853号より)

 

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洞関町内会創立40周年、住みよい町づくり あらためて誓い合う〜転入者急増、地域の風景様変わり

洞関町内会創立40周年、住みよい町づくり あらためて誓い合う〜転入者急増、地域の風景様変わり

洞関町内会の40周年を祝った住民ら

洞関町内会の40周年を祝った住民ら

 

 釜石市甲子町洞泉、関沢の住民らで組織する洞関町内会(菊池秀明会長、320会員)が創立40周年を迎え、15日、洞関地区コミュニティ消防センターで記念式典を開いた。約40人が出席。町内会の功労者らを表彰し、今後の町内会活動の充実、発展を誓い合った。

 

 物故者に黙とうをささげ開会。菊池会長は、新仙人峠道路の開通や東日本大震災後の人口増など40年の地域の変化を振り返り、「転入した新会員が町内会に溶け込めるよう取り組みを続けている。生活環境の整備、高齢化や自然災害の対策などを進め、住みよい町内会づくりにまい進したい」とあいさつした。

 

 功労者表彰では、企業会員として会の発展に貢献してきた五菱工業(千葉護社長)を特別表彰。副会長や会計、監事として長年、町内会活動を支えてきた佐々木貞友さん、佐々木緋紗子さんを表彰し、労をねぎらった。

 

 来賓として出席した野田武則市長は「この地域は(合併前の)甲子村でも中心的役割を担っていた。誇りを持って地域づくりに取り組んでほしい」と祝辞。長年にわたる地域活動の功績をたたえる感謝状を町内会に贈った。

 

野田武則市長から感謝状を受け取った菊池秀明会長(左)

野田武則市長から感謝状を受け取った菊池秀明会長(左)

 

 同町内会は1980年に設立(195会員)。10周年以降、新仙人峠道路建設に伴う用地買収や移転が始まり、地域の風景は大幅に様変わりした。97年には待望のコミュニティ消防センターが落成。地域活動の拠点施設として活用されている。

 

 2011年の東日本大震災では、持ち寄った食材で被災者のために炊き出しを実施。震災後は休耕田や空き地に宅地が造成され、転入者が急増した。町内会は震災前から80増の320会員に拡大。班編成も見直した。今年3月には東北横断道路釜石秋田線が開通し、釜石の西の玄関口としての役割も期待される。

 

 50周年に向け、「生活雑排水処理や未舗装、狭い道路の改良、希薄化した地域コミュニティー再生も課題。住民の協力を得て一つ一つ解決していければ」と菊池会長。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

 

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「ラグビー神社を建立する会」の発足式

「ラグビー神社」釜石に、建立する会が発足〜新しい物語つくる聖地へ、東京・丸の内から無償譲渡で移設

「ラグビー神社を建立する会」の発足式

「ラグビー神社を建立する会」の発足式

 

 ラグビーワールドカップ(W杯)の試合会場となった釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムの隣接地に「ラグビー神社」が建立されることになり、13日、市民有志による「建立する会」が発足した。W杯大会期間中に東京・丸の内に設置され、ラグビーファンの人気スポットとなった「丸の内ラグビー神社」の社殿を三菱地所から無償で譲り受け、移設。来年4月から参拝できるよう整備する。有志は「W杯釜石開催の感動的なストーリーを継承する聖地となり、来訪者の増加も見込める」と期待を込める。

 

 大町の情報交流センター釜石PITで開かれた「建立する会」の発足式には、趣旨に賛同した市民ら約30人が参加。会の代表を務めることになった中田義仁さん(51)は「ラグビー、釜石を愛する多くのファンと新しい物語をつくっていきたい」と呼び掛けた。

 

来訪者の増加に期待を寄せる「建立する会」の有志

来訪者の増加に期待を寄せる「建立する会」の有志

 

 鵜住居地区復興まちづくり協議会の会長で、会の監事を務める佐々木憲一郎さん(52)は「(W杯が)終わった後が本当の勝負。ぜひ、このプロジェクトを成功させたい」とエールを送った。

 

 「丸の内ラグビー神社」は、ラグビーとゆかりの深い京都「下鴨神社」境内の「雑太社(さわたしゃ)」の祭神をまつり、W杯期間中は国内外から大勢のファンが参拝した。

 

 釜石への移設費用は約300万円を見込み、このうち半分は地元の法人・団体から寄付を募る。残りの150万円はインターネット上で資金を募るクラウドファンディング(https://ishiwari.iwate.jp/user/IswQ0262176)で来年2月上旬までに調達する計画で、今月9日からこれまでに全国から110万円余りが寄せられているという。

 

 寄付について問い合わせは同会(shrine.unostadium@gmail.com)へ。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

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釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

津波からの復興共有、インドネシア・アチェ関係者 釜石視察〜防災教育に理解深める

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

 

 インドネシア・スマトラ島最北端にあるアチェ州のバンダ・アチェ市にあるアチェ津波博物館の関係者らが7日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」を視察した。アチェ市では来年度から、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業を活用し、地域住民参加型津波防災活動の導入プロジェクトがスタート。この活動に一般社団法人根浜MIND(マインド)が協力し、釜石での研修が計画されていることから、事前訪問で復興まちづくりへの住民の関わりや防災教育の取り組みについて理解を深めた。

 

 同博物館のハフニダール館長(43)、同州観光文化局のズルキフリ・ダウ次官(48)ら6人は祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館を見学。復興事業の着手までに約4年かかっているが、復興まちづくりに市民が関わり協議する場がいくつも設けられたことに関心を示した。

 

いのちをつなぐ未来館も見学した

いのちをつなぐ未来館も見学した

 

 同州は2004年12月のスマトラ沖大地震・インド洋津波で、死者・行方不明者が約24万人に上るなど甚大な被害を受けた。発災から15年を経て、地域住民の防災意識の低下が課題。09年に開館した同博物館も震災伝承や資料のデジタル化などに課題があるという。

 

 日本は地震や津波被害が多いが、同州ではスマトラ沖地震以前の災害は80年前。一部の地域に津波の教訓を盛り込んで歌い継がれている叙事詩「スモン(津波)」があるが、多くの住民は忘れているという。

 

 「だから同じ被害を繰り返す。だからこそ語り継ぐことが大事」。防災市民憲章に明記された「語り継ぐ」の文字の前で、6人は「これ、いいね」と口をそろえた。

 

 ハフニダール館長は「てんでんこ、スモン。短い言葉で人々が思い出し、素早い避難につながるという共通性を感じる。この事業を通じ、教訓伝承、防災を学ぶ場としての機能を充実させたい」と期待した。

 

 同プロジェクトで、同法人は最長3年間、教育現場の取り組みや伝承活動のノウハウを同州の防災関係者に伝える。ズルキフリ次官は「津波に対する意識がしっかりしている釜石と連携し、防災を指導する側への教育や伝承という弱い部分を補いたい。住民の普段の心がけ、防災意識の向上、主体的な取り組みについて学びを持ち帰りたい」と意欲を高めた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月11日発行 第849号より)

 

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広報かまいし2019年12月15日号(No.1726)

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【P1】表紙/もくじ
【P2〜3】市勢功労者表彰/被災者支援制度/釜石まちづくりセミナー/釜石〇〇会議
【P4〜5】写真で振り返る2019年の釜石
【P6〜7】市職員募集/水道凍結防止/財産区議会/償却資産申告
【P8〜11】釜石大槌地区行政事務組合決算/森林経営管理制度/まちのお知らせ
【P12〜13】まちの話題
【P14〜15】保健だより
【P16〜19】市民のひろば/市民体育館オープン/復興情報
【P20】年末年始の休館情報

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市勢発展に貢献 功労者表彰、さらなる協力を誓い合う〜食生活改善推進協、山﨑さん特別功労

市勢発展に貢献 功労者表彰、さらなる協力を誓い合う〜食生活改善推進協、山﨑さん特別功労

市勢功労者を代表し謝辞を述べる小野寺哲さん

市勢功労者を代表し謝辞を述べる小野寺哲さん

 

 釜石市の2019年度市勢功労者表彰式は3日、大町のホテルサンルート釜石で行われた。児童・保健福祉や交通安全運動、消防防災などで市勢の発展に貢献した市勢功労者として8人、1団体を表彰。特別功労者として2個人・団体をたたえた。

 

 野田武則市長は「行政の力の及ばない課題も数多く、市民の協力がなければ、まちの発展もあり得ない。培ってきた豊かな識見と経験のもと、なお一層の協力を」と式辞。受賞者を代表して小野寺哲(さとし)さん(86)が「周囲の力もあっていただいた栄誉。受賞を契機に市民が安心して暮らし、まちが発展するよう、さらに努力していきたい」と謝辞で応えた。

 

 受賞者は次の通り。(かっこ内は年齢。)

 

【自治功労表彰】
▽小野寺哲(86)=大只越町 釜石愛育会理事長として幼児保育の施設経営に専念し児童福祉の向上に貢献
▽菊地次雄(78)=大平町 交通安全運動に取り組み市民生活の安全・安心の向上に貢献
▽三浦孝(56)=平田 学校歯科医として児童生徒の健康増進と保健福祉の向上に貢献
▽桜庭吉彦(53)=甲子町 釜石シーウェイブスRFCゼネラルマネジャーとしてラグビー競技の普及、ラグビーワールドカップ(W杯)2019アンバサダーとして大会の成功に貢献。今年11月、第72回岩手日報文化賞を受賞した
▽煙山弘見(67)=平田 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽野田光利(72)=野田町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽藤井康路(71)=甲子町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽菊池郁夫(64)=橋野町 消防団員として消防防災の任務に精励し民生の安定に貢献
▽五葉山石楠花荘改修促進協議会(2016年発足、市川滋会長) 老朽化した五葉山石楠花荘の改築機運を醸成するため署名活動を行うとともに、多額の金員を寄付し市勢の振興に貢献
 
【特別功労表彰】
▽山﨑長也(83)=上中島町 釜石商工会議所会頭として地域経済の発展に貢献
▽釜石市食生活改善推進員協議会(1979年発足、佐々木ひろ子会長) 食生活改善を通じて市民の健康増進と保健福祉の向上に貢献。今年11月、一般財団法人日本食生活協会「第50回南・賀屋(かや)賞」を受賞した

 

(復興釜石新聞 2019年12月7日発行 第848号より)

 

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市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

鵜住居を「ひとつの街」に、小中学生「感謝」の歌声〜食と音楽 震災伝承がテーマ、有志が協賛資金集め実現

子どもたちは復興支援への感謝を込め、元気な歌声を響かせた

子どもたちは復興支援への感謝を込め、元気な歌声を響かせた

 

 食と音楽、東日本大震災伝承をテーマにした「ひとつの街~鵜住居トライステーションフェスティバル」(同実行委員会主催)は1日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」で開かれた。ラグビーワールドカップ(W杯)後も人が集い、まちの活気を生み出す場をつくろうと有志が協賛金を集めて企画。市内外のおいしいもの、子どもから大人まで楽しめるステージ、防災ウオークラリーなどの催しを楽しむ家族連れらの笑顔が広がった。

 

 地元釜石のほか、盛岡市や紫波町などの飲食20店が出店。豚汁やイカ焼き、から揚げ、甘酒など各店が〝できたてアツアツ〟のおいしさを提供した。

 

市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

市内外のおいしいものを求める人でにぎわった「ひとつの街フェスティバル」

 

 特設ステージでは県内外の9個人・団体が演奏を披露した。釜石市内の小中学生約50人は復興支援への感謝を込めた「ありがとうの手紙♯Thank You From KAMAISHI」を合唱。地元鵜住居町出身の民謡歌手佐野よりこさんも力強い歌声で古里を元気づけた。

 

 会場近くに住む前川義博さん(81)は、にぎやかな音に誘われ来場。スタジアムに出向いて体感したW杯の盛り上がりを今回のイベントでも感じ取ったようで、「集まる場はいい。知った顔も知らない人も、みんな笑顔。うれしい。癒やされる。こういうイベントを続け、どんどん広げてほしい」と期待した。

 

 釜石高、釜石東中の生徒が企画した防災ウオークラリーは、いのちをつなぐ未来館で実施。避難時に役立つグッズや災害用伝言ダイヤルの番号「171」をクイズ形式で出題し、解説も添えた。

 

 花輪祐輔君(鵜住居小6年)、志歩さん(同1年)兄妹は「知らないこともあった」とうなずいた。母慶子さん(38)は「防災について中高生が関わるのは、いい発信方法だと思う。命を大切にしながら成長してほしい」と見守った。

 

 李サムエル君(釜石高1年)は香港生まれ、東京育ちで、小学5年生の時に釜石に来た。災害や防災についての意識の低さや知識の薄さを感じ、「身に付く機会になれば」と企画・運営に参加した。一緒の組で活動した佐々木一星君(釜石東中3年)は得た防災の知識を生かし復興に携わりたいと参加。意識や知識の差はあっても「ここにいるから学ぶことがある。知識を深め、伝えたい」との思いは共通だった。

 

 このイベントは有志が協賛金約100万円を集め運営。伊勢央(ちから)実行委員長(39)は「年1回、みんなが集う場を、力を合わせてつくっていきたい」と継続開催に意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月4日発行 第847号より)

 

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地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

「20歳の自分へ」タイムカプセル、震災当時の小学生 未来へ思い込める〜成人式で それぞれの手へ、県建設業協会釜石支部青年部が手紙保管

地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

地中から取り出されたタイムカプセルと手紙。「20歳の皆さん」の元に届くのを待っている

 

 20歳の皆さん。来年の成人式会場で「20歳の自分」に宛てた手紙が待っています―。釜石市鈴子町で11月29日、市郷土資料館裏に埋めたタイムカプセルが掘り出された。2012年2月に市内の小学6年生がつづった手紙を納めたもので、8年後の成人の日の開封を約束していた。掘り出した手紙は、カプセルの埋設を企画した県建設業協会釜石支部青年部(山元一輝部会長、28社)が保管。来年1月12日に予定される成人式の会場で渡すことにしている。

 
 掘り出し作業には同青年部役員ら6人が参加。スコップや重機を使って土を掘り返し、地中に埋められたカプセル(高さ70センチ、直径50センチ)を発見した。中には釜石、双葉、白山、平田、唐丹小の児童ら100人余りの手紙などが入っており、保存状態は良好だった。

 

 同青年部は毎年、児童が重機の操縦などを体験する「授業」を行ってきたが、東日本大震災のあった年は中止した。これに代わる復興支援事業として、卒業を迎える児童・生徒を対象にしたタイムカプセルの埋設を企画。震災で大変な思いをした子どもたちに明るい気持ちで未来を迎えてもらいたいとの思いを込めた。

 

 掘り出し作業に当たった役員らは「無事でよかった。思った以上にいい状態だ」と自分のことのように喜んだ。「震災から8年もたったのか…」と時の移ろいを実感する声も。「20歳のみんな」に確実に手渡す思いも確かめ合った。

 

 山元部会長は「手紙を書いた人たちには当時の自分を思い出してもらいたい。それぞれの夢の実現を目指すうえで、初心に帰る機会に。社会人として成長してほしい」と願った。

 

 小学生と一緒に中学3年生も対象に実施。3年前の成人式の日に開封された。

 

(復興釜石新聞 2019年12月4日発行 第847号より)

 

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