津波からの復興共有、インドネシア・アチェ関係者 釜石視察〜防災教育に理解深める

復興釜石新聞2019/12/17

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

釜石祈りのパークを視察するインドネシア・アチェ州の関係者ら

 

 インドネシア・スマトラ島最北端にあるアチェ州のバンダ・アチェ市にあるアチェ津波博物館の関係者らが7日、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」を視察した。アチェ市では来年度から、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業を活用し、地域住民参加型津波防災活動の導入プロジェクトがスタート。この活動に一般社団法人根浜MIND(マインド)が協力し、釜石での研修が計画されていることから、事前訪問で復興まちづくりへの住民の関わりや防災教育の取り組みについて理解を深めた。

 

 同博物館のハフニダール館長(43)、同州観光文化局のズルキフリ・ダウ次官(48)ら6人は祈りのパーク、いのちをつなぐ未来館を見学。復興事業の着手までに約4年かかっているが、復興まちづくりに市民が関わり協議する場がいくつも設けられたことに関心を示した。

 

いのちをつなぐ未来館も見学した

いのちをつなぐ未来館も見学した

 

 同州は2004年12月のスマトラ沖大地震・インド洋津波で、死者・行方不明者が約24万人に上るなど甚大な被害を受けた。発災から15年を経て、地域住民の防災意識の低下が課題。09年に開館した同博物館も震災伝承や資料のデジタル化などに課題があるという。

 

 日本は地震や津波被害が多いが、同州ではスマトラ沖地震以前の災害は80年前。一部の地域に津波の教訓を盛り込んで歌い継がれている叙事詩「スモン(津波)」があるが、多くの住民は忘れているという。

 

 「だから同じ被害を繰り返す。だからこそ語り継ぐことが大事」。防災市民憲章に明記された「語り継ぐ」の文字の前で、6人は「これ、いいね」と口をそろえた。

 

 ハフニダール館長は「てんでんこ、スモン。短い言葉で人々が思い出し、素早い避難につながるという共通性を感じる。この事業を通じ、教訓伝承、防災を学ぶ場としての機能を充実させたい」と期待した。

 

 同プロジェクトで、同法人は最長3年間、教育現場の取り組みや伝承活動のノウハウを同州の防災関係者に伝える。ズルキフリ次官は「津波に対する意識がしっかりしている釜石と連携し、防災を指導する側への教育や伝承という弱い部分を補いたい。住民の普段の心がけ、防災意識の向上、主体的な取り組みについて学びを持ち帰りたい」と意欲を高めた。

 

(復興釜石新聞 2019年12月11日発行 第849号より)

 

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