特殊詐欺被害防止を年賀はがきで〜1万2千通余を郵便局に、釜石・大槌防犯協会と釜石署
「年賀状で新年も詐欺被害の防止を」と郵便局(左)に託した
全国で被害が絶えない特殊詐欺被害の防止を呼び掛ける年賀はがきの贈呈式が20日、釜石市只越町の釜石郵便局(川畑智彦局長)で行われた。同事業を推進する釜石市防犯協会(岩渕善吉会長)、大槌町同協会(岩間利夫会長)と釜石警察署(仲谷千春署長)が、はがき1万2085通を郵便局に託した。はがきは来年元日、両市町に配達される。
はがきは両会長と署長が川畑局長、鵜住居郵便局の小笠原博人局長、釜石局外務員の佐々木飛翔(つばさ)さんに託した。
仲谷署長は増加する詐欺被害の現状を説明した上で、「郵便局の皆さんには年賀はがきの配達に合わせ、被害の防止を呼び掛けてほしい」とあいさつ。川畑局長は「詐欺被害で悲しむ人が出ないよう、責任を持って元日に配達する」と決意を述べた。
同はがきの配布事業は両市町の73事業所・団体の協賛を受け、今年で4年目。釜石市には1万6346世帯(11月末現在)のうち約1万世帯、大槌町には約2千世帯を対象に、高齢者が多い地域を重点に配達する。
「子」年のネズミも注意を喚起
はがきの表面には、協賛する約20社を明記。年賀のあいさつ文に加え、「息子をかたる」「お金が戻る」「もうけ話」「身に覚えのない請求」の電話には注意するよう呼び掛けている。イラストは釜石署員が作成し、来年の干支(えと)の「ねずみ(子)」をアレンジした。
釜石署によると、県内の特殊詐欺被害は11月末現在、51件に上り、昨年同期より26件増加。被害額は約1億4292万円で、5600万円増。同署管内では3件で約200万円の被害がある。全国的に高齢者を狙ってキャッシュカードを受け取ったり、すり替える詐欺被害が増えている。同署は「管内でも交通網の整備が進んだことに伴い、同種手口の被害が懸念される」と警戒している。
(復興釜石新聞 2019年12月25日発行 第853号より)
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