満開の桜の下でごみ拾いに励む子どもら
釜石市が誇る桜の名所の一つ、甲子町松倉の甲子川沿いの市道で4日、「お花見クリーンアップ」と銘打った清掃活動が行われた。環境保護活動団体「かまいし環境ネットワーク」(加藤直子代表)が主催。満開を迎えた桜並木の下で参加者がごみを拾い集め、美しい景観の保全へ意識を高めた。
清掃範囲は県立釜石病院裏手から市球技場付近まで。新型コロナウイルス感染防止策として密集を避けるため、活動時間(午前9時~10時)内で自由参加、解散という形をとった。参加者はごみ袋を手に土手や河川敷、並木の根元周辺を歩き回り、さまざまなごみを拾い集めた。
空き缶・瓶、ペットボトル、菓子袋、たばこの吸い殻など〝ポイ捨て〟ごみのほか、トタン、金網、タイヤなど不法投棄が疑われる重量系ごみも目立ち、美しい桜とは真逆の足元の状況に参加者が心を痛めた。
河川敷からは大型ごみも回収された
同活動に初めて参加した中田清乃さん(甲子小6年)は「ごみの量は予想以上。特にマスク、ビニール、プラスチック類が多かった」と驚き、「きれいな環境で桜を楽しめるよう、ごみは絶対に捨てないでほしい」と切望。母貴世江さんも「普段、車で通るが土手下までは見ることがない。こんなに汚れているとは。いい勉強になった」と話し、次代を担う子どもたちの環境意識向上にも期待した。
例年の満開は4月中旬という同所の桜。今年は、3月からの暖かさで開花が早まり、4月のスタートとともに一気に咲きそろった。
「きれいな花で楽しませてもらう分、私たちも自然にお返しをする気持ちが大事。何をしてあげられるか。考えた先に地球温暖化対策がある」と加藤代表。川沿いのごみ拾いは海のごみをなくすことにもつながる。「地球上の生き物を守ることに目を向けるきっかけにもなれば」と願う。
今年は親子連れの参加も多く、昨年を上回る50人以上が活動した。