コロナ禍でも「できることを」 ごみ拾いウオーキングで地域、世代間交流
グリーンベルト(港町)からの景色を楽しみながら、ごみ拾いウオーキング
ごみを拾いながら釜石市街地を歩く「年末ごみ拾いウオーキング」が11日、大町の青葉ビルを発着点に行われた。地域の福祉課題などを協議する「釜石地区センター会議」が主催し、2年目の開催。釜石地区生活応援センター(小原圭子所長)管内の住民、約60人が参加し、東日本大震災から10年が経過した街並みを眺めながら、環境美化と体力づくりに汗を流した。
小学生から高齢者まで幅広い年代が集い、軽い体操で体をほぐした後、2コースに分かれて出発。約5キロの歩行距離が設定され、震災の津波から復興を遂げた只越町から大渡町の中心市街地、震災後新たに整備された港町のグリーンベルト、イオンタウン釜石、千年橋がコースとなった。
市役所本庁舎前を通り、港町へ向かうグループ
芝生に目を凝らし、ごみを拾い上げる中学生
天気にも恵まれ、気持ちよく清掃活動
参加者は各自のペースで歩みを進め、ごみを見つけると袋に拾い集めた。住宅や商業施設が立ち並ぶ地域ということもあり、大型ごみは無かったが、ポイ捨てされたとみられるごみが各所で見られ、丁寧に拾った。約1時間半のウオーキングを終え、出発点に戻った参加者には、協賛店から飲料水や菓子がプレゼントされた。
佐々木竜(りょう)君(釜石中2年)は、自分たちのまちをきれいにしたいと同級生4人で参加。「ごみの量は思ったより少ないが、たばこの吸い殻や空き缶、瓶などが目立った。復興しているまちを見ながら、楽しくごみ拾いができた」と充実感を見せた。浜町の磯﨑美佳さん(33)、雄太君(釜石小2年)親子は「コロナであまり出かけられなかったので、いい機会。運動になった」とすがすがしい表情。雄太君は「環境の勉強にもなった。ポイ捨ては絶対だめ」とマナー向上を願った。
大平町の佐久間司さん(72)は「天気にも恵まれ、絶好のごみ拾い日和。少しでも役に立てれば」と2回目の参加。「みんなと話しながらやるのはすごくいい」と交流の場を歓迎。一方で、「甲子川沿いの柵の外側にかなりのごみがあった。今日は立ち入れなかったが、何とかしないと」と対応策を望んだ。
甲子川沿いの歩道。柵の外側に散らばるごみを気にする声も聞かれた
さまざまなごみを回収。ポイ捨て防止へ市民のマナー向上を願う
同センター会議は一昨年、復興住宅住民と既存町内会住民との融合を目的に、餅つきやクリスマスツリー作りを通した交流会を開催。普段、交わる機会の少ない小中学生と高齢者が触れ合い、互いの顔を知り、助け合える関係づくりのきっかけとした。継続的に開催しようとしていたが、新型コロナウイルス禍で飲食を伴う催しが難しくなったため、昨年、今年はごみ拾いウオーキングに切り替えた。
小原センター長は「『コロナ禍でも、できることで住民の絆づくりを』と会議メンバーが考えた。やっぱり顔を合わせるだけでも違う。来年以降、コロナが収束していれば、餅つきイベントを復活させたい」と話した。
釜石新聞NewS
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