「釜石新聞NewS」プレーバック2021
2021年も残りあとわずか。東日本大震災から10年-。釜石では海やラグビーを生かした取り組みが相次いだ。新型コロナウイルスとの闘いはワクチン接種という局面を迎えたが、いまだに私たちの暮らしに影響を及ぼしている。釜石新聞NewSがスタートした4月からの市内の主な動きを写真で振り返る。
4月
【ラグビーを続けたい子どもたちの成長を後押し】
ラグビーの釜石シーウェイブスRFC(SW)は4月、ジュニア部門強化へ中学生を専門に指導するSWアカデミーを開校した。小・中と切れ目ない指導で、競技人口の底辺拡大や将来のトップ選手輩出につなげる指導体制が整った。(写真:事前体験会)
【サッパ船クルーズで海を生かした観光振興】
釜石湾で始まった地元の漁船を活用したサッパ船クルーズ。28日に乗船したモニター客は釜石港周辺の産業集積地や尾崎半島にかけての自然の景観を間近で楽しんだ。予約に応じて船を出す不定期事業だが、通年で運航する。
5月
【新型コロナウイルスワクチンの集団接種始まる】
初日の16日は、専用のコールセンターを通じて予約した65歳以上の高齢者約130人が接種を受けた。医師会と市職員の連携でおおむねスムーズに進んだ接種に「安心した」との声が聞かれた。
6月
【試験養殖のサクラマス初水揚げ】
釜石市や岩手大学などが釜石湾内で育てているサクラマスが10日、初めて水揚げされた。昨年から取り組む海面養殖の飼育研究の一環。「上々の出だしになった」と手応えを得、新たな水産資源として期待を寄せる。
【釜石を駆け抜けた五輪聖火リレー】
「復興五輪」を掲げる東京五輪の聖火リレーは17日に行われた。魚河岸から大町の市民ホールTETTOまでの1・22キロ。本県ゆかりのランナー8人は沿道の応援に笑顔で応えながら走り、希望の炎をつないだ。
7月
【震災10年―唐丹町民がふるさとへの思い新たに】
東日本大震災から10年となった2021年。唐丹町では17日、震災犠牲者の鎮魂と海上安全などを祈願する「唐丹ひきふね祭り」が行われた。約70隻が唐丹湾内を巡航。震災の教訓の継承、漁業をなりわいとする地域の発展に思いを一つにした。
【ラグビーW杯の聖地・うのスタが人生の門出を演出】
ラグビーワールドカップ(W杯)開催から2年。会場となった釜石鵜住居復興スタジアムはスポーツ以外の活用も模索する。18日は、公募で選ばれた千葉県のカップルが同所初となる公開結婚式を挙げた。W杯聖地の新たな姿へ可能性を広げた。
【根浜海岸の海開きは震災後初の全面開放】
鵜住居町の根浜海岸海水浴場は22日に海開きした。震災の津波で失われた砂浜の再生工事が完了し、初めての全面開放。砂浜で遊んだり、浮き輪で泳いだりして波と戯れる、たくさんの笑顔が浜辺に戻ってきた。
8月
【東京パラ成功を祈り、釜石から高炉の火を聖火に】
東京五輪に続き、盛り上がりを見せた東京パラリンピック。全都道府県から集められた火が聖火となり、釜石市からは、釜石駅前の「鉄のモニュメント」から採火した“ものづくりの灯(ひ)”が届けられた。市内の全盲砲丸投げアスリート小笠原智さんが、16日に盛岡で行われた集火式に運んだ。
9月
【災害時は釜石から遠野へ広域避難】
大雨洪水による災害発生に備え、釜石市と遠野市が1日、災害時の施設利用に関する協定を結んだ。市域を超えた広域避難に関する初の試み。遠野市青笹町の遠野運動公園を釜石市民の避難場所として利用できる。
【県立釜石病院のお産休止で市が支援策】
県立釜石病院で10月から普通分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することを受け、市は9月に「妊産婦支援チーム」を設置し相談体制を強化。市外で出産する妊産婦の通院交通費などを助成する支援策も拡充した。
10月
【中妻地区初の津波避難訓練】
日本海溝・千島海溝沿いで起こる巨大地震の想定で新たに津波の浸水域に含まれた中妻地区で14日、初めての津波避難訓練が行われた。約700人が参加し、避難場所や経路などを確認。いつか起こりうる津波災害に備えた。
【マスさんのたくましい生き方に市民が元気をもらう】
釜石にゆかりのある故井上マスさんの自叙伝「人生はガタゴト列車に乗って」が、市民手作りのミュージカル作品として31日、上演された。釜石の音楽家山﨑眞行さんが脚本、劇中歌を手掛け、市内外の仲間が協力して感動の舞台を作り上げた。
11月
【ぼうさいこくたいで釜石の教訓を世界に発信】
防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)が6、7の両日、東日本大震災の被災地・釜石市で開かれた。震災の教訓を後世に伝え、未来の命を守るため、全国の関係者が意見を交わした。野田武則市長は「防災教育のまち釜石」を宣言。同市の取り組みの発信に意を強くした。
【ラグビーW杯の熱気を再び~うのスタで釜石―神戸戦】
ラグビーW杯釜石開催2周年を記念し、14日、釜石シーウェイブスRFCとコベルコ神戸スティーラーズが記念試合を行った。来年1月に開幕する「リーグワン」に参戦する両チームが熱い戦いを繰り広げ、スタンドを沸かせた。
12月
【2023年運行終了のSL銀河 ファンから惜しむ声】
震災復興を後押ししてきたJRの観光列車「SL銀河」が旅客車の老朽化のため、2023年春で運行を終了することになった。今季ラストランとなった4、5の両日は乗客や沿線住民、SLファンから運行終了を惜しむ声が多く聞かれた。
■後記
市民の皆様、釜石新聞NewSをご覧頂いている全国の皆様、本年のご愛読ありがとうございました。
WEB専門の媒体としてのご理解と認知度も着実に高まり、皆様の生活の中に受け入れていただいている手ごたえを感じる機会が多くなりました。取材依頼などについては、運営体制の変化やコロナ禍における制約などもあり、復興釜石新聞の時のようにはお応えしきれない点についてお詫び申し上げるとともに、あらためてご理解を賜れれば幸いです。
皆様、どうぞよいお年をお過ごしください。
【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム