【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり


2021/12/28
釜石新聞NewS #地域

【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり

 

 社会の節目を考える時、今を生きる私たちにとっては間違いなく、「コロナ前」と「コロナ後」が一つの境として語られることと思う。率直な印象として、「コロナ禍」がほぼ2年に渡って続くと思っていた人は少なかったのではないかと感じる。社会全体が安心を取り戻すのに2年では足りないことは、今更ながらに考えるとわかる気はするが、劇的に変わってしまった社会生活は“イレギュラー”なものであり、できる限り早急に解消されることを潜在的に期待してしまうのは、自然な感覚に近いのだと思う。

 

 そんな“イレギュラー”な社会の真っ只中で、『釜石新聞NewS』はスタートを切った。東日本大震災からの復興の中で、釜石市民、また釜石市にとって大きな役割を果たしたものの一つが、前身の『復興釜石新聞』であることへの異論はないであろう。それを支え続けたのが、かねてから釜石の情報発信を担って来られた地元のメディア人の方々のお力と、その矜持であることには、あらためて敬服の念を抱く。

 

 そのような偉大な媒体を、インターネットに限定したWEB専門媒体の形で引き継ぎ、運営していくことには、少なからぬ不安とプレッシャーがあった。しかしながらそれ以上に、形を変え、当社にでき得る限りの話だとしても、“無くしてはいけない”という勝手な使命感を抱き、復興釜石新聞の川向編集長からの依頼を快諾させて頂く形で、この4月に「釜石新聞」を承継した。

 

 手前味噌ではあるが、コロナ禍と時には戦い、時には共存を図る社会的な過渡期において、形を変えたとはいえ、地域密着のメディアとして釜石新聞NewSが存在できたことは、大きな意義があったのではないかと感じる。復興釜石新聞が、東日本大震災からの復興を支える市民の歩みを記し続けたように、コロナ禍との戦いも共存も含めた“イレギュラー”な中での市民の営みを記し、形として残せたことは、社会が今後どう変わったとしても価値を持つものだと思う。

 

 今年も様々なことがあった2021年。「復興釜石新聞」記者から「釜石新聞NewS」記者に肩書を変え、取り巻く環境が大きく変わり、より適した形にスタイルを変えながらも、“釜石の今を伝える”という変わらぬものを守り続けている二名の記者には、釜石新聞NewS初めての年末に、この場を借りて一人の市民として感謝を伝えたい。

 

 まもなく訪れる2022年が、安心と活気を取り戻した新しい時代の始まりとなることへの願いとともに。

 

2021年12月28日
釜石まちづくり株式会社
「釜石新聞NewS」運営管理者

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