コロナ禍で落ち込む経済回復願う 市内の初売り元日からスタート
初売りは出足好調=元日午前8時すぎ/イオン釜石
釜石市内の初売り商戦は元日スタート。港町の大型商業施設「イオンタウン釜石」は通常より1時間早い午前8時に開店し、福袋販売などで買い物客を迎えた。鈴子町の駅前橋上市場「サン・フィッシュ釜石」は2日から初売り。人気のガラポン抽選会を2年ぶりに復活させた。新型コロナウイルス禍の影響が色濃く出た昨年に比べると客足は回復基調に。感染防止対策を取りながら、初売りならではの買い物を楽しんだ。
イオンタウン釜石初売り 正月3が日で約3万人来店
イオンタウン釜石の初売りは8年目。今年もお目当ての商品を手に入れようという客が開店前から列を作った。午前8時の開店とともに目的の売り場に急ぎ、広告の品などを購入。お得な買い物に満足げな様子を見せた。
イオンでは各専門店合わせ約2100個の福袋を用意。コロナ対策として密集を避けるため、昨年に続き、年末の12月29日から販売を開始したことで、客も余裕を持って購入できた。例年行ってきた餅まきは今年も中止したが、2日には唐丹町の桜舞太鼓が演奏を披露し、正月気分を盛り上げた。
お得な福袋は初売りならでは。購買意欲をそそる
正月3が日の来店者は約3万人。コロナ禍前の4万人台には及ばないものの、昨年比120%と回復基調を見せた。元日は午後2時から3時ごろが来店のピークとなった。
甲子町の伊藤康一さん(51)は「(イオンは)それなりに品ぞろえがあるので普段から利用している。ここ何年かは初売りにも来ている」と新年の楽しみを満喫。コロナの影響を受ける飲食店や商業施設の厳しい現状に「市民としても何とか協力できればと思う」と話した。
イオン釜石には昨年新たに、飲食など4店が出店。コロナ禍ながら、消費者ニーズを捉えた魅力ある店舗展開を図ってきた。野村武男モールマネジャーは「昨年はコロナ対策に明け暮れた1年だった。各店とも従業員の苦労やストレスが大きかったと思う」と話し、「今後も感染対策を第一に、イベントやセールの開催を考えていきたい」と気を引き締めた。
イオン釜石で開催中の「イーハトーブ写真展」
現在、2階イベントスペースでは、JR釜石線と三陸鉄道沿線の風景などを収めた「イーハトーブ写真展」を開催中。展示は10日まで。
サン・フィッシュ釜石 2年ぶりのガラポン抽選会で初売りの景気付け
サン・フィッシュ初売り恒例「ガラポン抽選会」
サン・フィッシュ釜石の初売りは例年通り、2日午前8時にスタート。新春吉例「ガラポン抽選会」は、昨年は中止したため2年ぶりの開催となり、楽しみに待っていた人たちが午前10時の開始を前に並んだ。
先着50人限定の同抽選会は、500円で福引に参加し、出た玉の色で1千円~2万円分の商品券がプレゼントされるお得な初売り企画。今年も家族連れなどが運試しを楽しんだ。参加者は高額券への期待を込め、ハンドルを一回し。転がる玉の色に一喜一憂した。商品券は当日限り有効で、参加者はさっそく市場に繰り出した。
かねを鳴らし、高額当選を祝福する市場スタッフ
商品券を手に市場内の各店舗で買い物を楽しむ
松原町の大久保聖子さん(40)は家族5人で9千円分の商品券をゲット。「正月の楽しみの1つ。今日は、近年高値となっているサケの新巻きやスジコなどを買った。今晩のおかずです」。次女杏弥(あみ)さん(6)は「千円当てた。お魚好き」と笑顔を広げた。
同市場を運営する釜石駅前商業協同組合(5店)の八幡雪夫理事長(東鮮魚店)は「やっぱりいいね。できて良かった」と抽選会復活を喜び、今年の来店者増に期待。年末年始は、この時期需要が高まるサケやイカが少なく、商品確保に苦労した。サケの不漁など水産物を取り巻く環境は依然厳しいが、消費者のためにさまざまな努力を重ねる。
今年は市場内の付加価値化にも取り組む。空き区画を改造し、一般客が利用可能なキッチンを備えたにぎわいスペースを作る計画で、本年度中の完成を目指す。新たな変異ウイルスの感染確認でコロナの今後はなかなか見通せないが、八幡理事長は「何とか夏ごろまでには収まってくれて、売り上げ改善につながっていければ」と強く願う。
釜石新聞NewS
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