タグ別アーカイブ: 地域

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次代につなぐ活動を 釜石・大畑町内会創立50周年 楽しく安全な地域づくり誓い合う

大畑町内会の50周年を祝った住民ら。活動継続へ気持ちを新たにした

大畑町内会の50周年を祝った住民ら。活動継続へ気持ちを新たにした

  
 釜石市甲子町の大畑町内会(田畑孝会長、約540世帯)が創立50周年を迎え、4月23日、甲子林業センター「おおはた杜(もり)の家」で記念式典を開いた。約80人が出席し、今後も支え合いながら楽しく安全な地域づくりに取り組むことを誓った。
   
 同町内会では、同センターを拠点として子どもも高齢者も、地域ぐるみで活発に着実に活動を重ねてきた。ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から活動を縮小せざるを得なかったが、あいさつに立った田畑会長は「様子を見ながら以前のように楽しく安全に活動できるようにしたい。大畑地域の将来を見据えた活動をともに進めていきましょう」と力強く呼びかけた。
   
 来賓として出席した野田武則市長は「ここは町内会活動が活発な地区。東日本大震災の発災直後、このセンターも避難所として利用され、炊き出しなどに協力していただいた。この地で生活再建した人も多いだろう。これまでの積み重ねを大事に、そして次の新しい時代をつくるため、大畑から盛り上げてほしい」と祝辞。長年にわたる地域活動の功績をたたえる感謝状を町内会に贈った。
  
野田武則市長から感謝状を受け取った田畑孝会長(左) 

野田武則市長から感謝状を受け取った田畑孝会長(左)

   
 同町内会の起こりは1971年発足の消防後援会(会員は90人ほど)。住みよい環境づくりと組織体をつくるのを目的に、その後3年かけて準備し、74年に現在の町内会が設立された。それから7年後、待望の同センターが落成。料理教室やカラオケ、舞踊などのサークル活動、老人クラブ、子ども会など多様な地域活動の拠点施設として活用されている。
  
 文化祭や盆踊りなど町内会行事をはじめ、マスのつかみ捕り、年縄づくりなど子ども育成活動、交流促進に力を入れてきた。コロナ禍で行事の中止や規模縮小が続いていたが、収束傾向を踏まえ少しずつ再開させていく考え。合わせて、50周年記念誌の制作も進める。
  
末永い活動継続に期待を込め、助言した岩手県立大の吉野英岐教授

末永い活動継続に期待を込め、助言した岩手県立大の吉野英岐教授

  
 震災後に被災地域のコミュニティーづくりを見守り助言を行ってきた岩手県立大総合政策学部の吉野英岐教授(地域社会学専門)が記念講演。人口減や担い手不足、生活様式の変化、価値観の多様化などで地域活動の継続が難しくなっており、「活動の意義を見つめ直す時期。地域の強みの再点検・見える化、若い世代を取り込む行事、情報発信、外部人材の活用を考えてみるのも手。共助・互助をキーワードに誰もが住みたいと思う地域づくりを進めてほしい」と期待を込めた。
  
 町内会活動の継続に向け、田畑会長は「先輩たちが維持、発展させてきたことにあらためて感謝する。地域の協力を得ながら、時代に合った形を考えていきたい」と先を見据えた。
 
 

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広報かまいし2023年5月1日号(No.1807)

広報かまいし2023年5月1日号(No.1807)
 

広報かまいし2023年5月1日号(No.1807)

広報かまいし2023年5月1日号(No.1807)

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【P1】
新型コロナウイルス感染症が5類に移行
減免・傷病手当金の申請期限

【P2-3】
新型コロナワクチン接種のお知らせ

【P4-5】
令和5年度 釜石大槌地区行政事務組合会計の予算
令和5年度 岩手沿岸南部広域環境組合会計の予算
個人情報漏えい調査委員会の調査結果公表

【P6-7】
犬の登録と狂犬病予防注射
働く婦人の家 前期定期講座 他

【P8-9】
日常生活の困りごとは民生児童委員にご相談ください
釜石市・大槌町 定住自立圏形成協定変更協定 を締結 他

【P10-11】
まちのお知らせ

【P12】
かまいし起業人vol.4

この記事に関するお問い合わせ
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大渡小学校(現釜石小学校)開校50周年記念事業で埋めたタイムカプセル掘り出しのお知らせ

大渡小学校(現釜石小学校)開校50周年記念事業で埋めたタイムカプセル掘り出しのお知らせ

この度、釜石市立大渡小学校(2003年に釜石市立釜石小学校と統合)開校50周年記念事業として、1984年(昭和59年)に同校校庭に埋めたタイムカプセルを掘り出すことになりました。

 

このタイムカプセルには、全校児童(昭和48年〜53年生まれ)による「30年後の自分への手紙」や記念品が収蔵されており、本来であれば2015年に掘り出される予定でした。しかし、学校統合、東日本大震災、コロナ禍の影響もあり、掘り出されないまま年月だけが過ぎてきました。

 

そこで、当時6年生の有志が発起人となり、釜石小学校および釜石市教育委員会との協議を重ね、8年越しに今回の掘り出しが実現できる運びとなりました。

 

タイムカプセルは、過去に行われた校庭の改修工事の際、当時埋めた場所から移動されており、正確な場所が把握できておりませんが、事前の調査でそれらしいものの姿を確認しており、重機を使わない作業でもそれほど時間をかけずに掘り出しができると見込んでいます。

 

掘り出した収蔵品は、現地に来られる方やご家族にはその場でお渡しし、来られない方や連絡が取れない方の分は、各学年の代表者が配送と一時的な保管を行う予定です。

 

私たちの世代は、新日鉄釜石の合理化による高炉休止が進められた時代に就学していたため、転校や卒業後に釜石を離れられたご家庭が一定数ありました。また、東日本大震災の被災により転居されたご家庭も多く、全学年で連絡先が不明な同級生が多数いる状況です。

 

一人でも多くの同級生やご家族の元に「30年後の自分への手紙」をお渡ししたいです。タイムカプセルを埋めた覚えのある方は、各学年の代表者または問い合わせフォームよりお問い合わせください。また、お知り合いなどでお心当たりある方は、こちらのページの情報をお伝えいただけると幸甚です。

 

<報道関係の方へ>
連絡が取れない同級生やご家族の元に「30年後の自分への手紙」をお渡しできるよう、取材および報道のご協力を何とぞよろしくお願いいたします。

 

実施日時

2023年4月29日(土) 午前10時集合(掘り出し作業は20〜30分ほどを想定)
 
※雨天決行、荒天延期
延期決定の場合は、こちらのページに情報を掲載します。

集合場所

釜石市立釜石小学校 二宮金次郎像付近
(釜石市大渡町3-14-8)
 
※釜石小学校の駐車場は使えません
小学校の駐車場は校舎と同じく当時のままで台数に限りがあるため、報道関係者限定とします。一般参加の方は、近隣の駐車場をご利用ください。なお、路上駐車はしないようにしてください。

進行内容

代表者挨拶〜掘り出し〜手紙引き渡し〜カセットテープ再生〜集合写真〜解散
 
カセットテープについて
収蔵品のなかに、当時の児童会が録音したカセットテープがあります。テープの状態が悪くなければ、手紙の引き渡し後にその場で流す予定です。

各学年代表者

6年生(昭和48年生) 小田島 出
5年生(昭和49年生) 清水 延泰
4年生(昭和50年生) 押切 伸哉
3年生(昭和51年生) 西条 佳泰
2年生(昭和52年生) 西条 愛
1年生(昭和53年生) 山元 一輝

問い合わせ

代表者 小田島 出(発起人/6年生代表者)
岩手県釜石市大町2-1-22 レンズセンターコティー
TEL 090-9031-0145
 
タイムカプセル収蔵品問い合わせフォーム

大渡小学校タイムカプセル

大渡小学校タイムカプセル

釜石市立大渡小学校(2003年に釜石市立釜石小学校と統合)開校50周年記念事業として、1984年に校庭に埋めたタイムカプセルを掘り出します。

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「SL銀河ありがとう!」写真愛好家がラスト運行を作品展で応援 シープラザ釜石で6/11まで

 「SL銀河を応援する写真展」をPRする高橋弘喜さん(右)と佐々木恒人さん

「SL銀河を応援する写真展」をPRする高橋弘喜さん(右)と佐々木恒人さん

 
 東日本大震災からの復興を後押しし、被災地に夢と希望を届けてきたJR釜石線の観光列車「SL銀河」。今年6月での運行終了に惜しむ声が上がる中、県内外の鉄道写真愛好家らが同列車の魅力と感謝の気持ちを発信する写真展を発着地・釜石市で開いている。沿線住民、全国から足を運ぶ観光客、SLファン…。大勢の人たちに愛され続けた釜石線の象徴を“記憶”と“記録”として残そうと、ラストランの6月11日まで開催する。会場は釜石駅に隣接する観光物産施設「シープラザ釜石」。Webでのメッセージ投稿も呼び掛ける。
 
 写真展は有志による「SL銀河を写真で応援する会」が主催。釜石観光物産協会が共催する。応援する会の世話人、花巻市のフリーカメラマン高橋弘喜さん(62)が撮影を通して知り合ったアマチュア写真家9人に声をかけ、1人4点ずつ写真データを提供してもらった。会場にはA3サイズにプリントした40点を展示。撮影者が寄せたSL銀河への思いも文章で掲示する。
 
季節の風景との競演も人々を魅了するSL銀河の写真の数々 

季節の風景との競演も人々を魅了するSL銀河の写真の数々 

 
煙を吐きながら力強く進む光景はSLならでは。各種記念ヘッドマークも大切な思い出

煙を吐きながら力強く進む光景はSLならでは。各種記念ヘッドマークも大切な思い出

 
釜石駅近くの甲子川橋梁では三陸鉄道の列車とも共演。撮影者の腕が光る一枚

釜石駅近くの甲子川橋梁では三陸鉄道の列車とも共演。撮影者の腕が光る一枚

 
 写真を提供したのは県内在住者のほか、撮影のために東京、大阪、仙台から通い続けた愛好家。四季折々の自然と…。列車に手を振る沿線住民と…。それぞれの視点で切り取られたSL銀河の魅力が一枚一枚に凝縮され、見る人の心を揺さぶる。「SLそのものの迫力、季節の花など周辺景色を絡めたもの、高所からの絶景。いろいろなアプローチの仕方があり、そこが写真の面白いところ」と高橋さん。
 
 「SL銀河」は蒸気機関車C58-239号機が、宮沢賢治(岩手・花巻出身)の童話「銀河鉄道の夜」をモチーフにした客車4両をけん引する。物語の世界観と風土のマッチング、交通の難所(急勾配、急カーブ)・仙人峠を力強く走る姿、沿線住民と乗客の触れ合い―。全国のSL撮影に出向く高橋さんも「乗客、乗務員と沿線の人たちがこんなに手を振り合う光景は他にはない。大漁旗での歓迎もここならでは。だから、みんな夢中になる」と、人々を引きつけてやまない要素に共感する。
 
撮影者のさまざまな視点がSL銀河をより魅力的に見せる

撮影者のさまざまな視点がSL銀河をより魅力的に見せる

 
沿線で手を振る人々の姿に多くの人が癒やされてきた

沿線で手を振る人々の姿に多くの人が癒やされてきた

 
 応援する会は昨年の大型連休期間中にも同じ作品で写真展を開催。今回は観光物産協会から「6月のラストランの日まで長期間で開催してほしい」との打診があり、アンコール展として開催することになった。「この10年、SL銀河が釜石線を走ってきた意味、この地域にもたらしたものを改めて感じてもらえたら。より多くの人に見てもらい、記憶に残してほしい―」。
 
 客車の老朽化で運行を終了するSL銀河―。だが、「何が起こるか分からないのも世の中。違う形でも、また釜石線を走るSLにお目にかかれたら…」と望みをつなぐ高橋さん。「今はだめでも将来、状況が変わっていけば可能性はゼロではないと思う。そのためにも(存続希望の)声は上げておかないと」と思いを込める。
 
SL銀河への感謝を込め、展示作業にいそしむ高橋さん=14日、シープラザ釜石

SL銀河への感謝を込め、展示作業にいそしむ高橋さん=14日、シープラザ釜石

 
展示は6月11日まで。多くの来場を呼び掛ける

展示は6月11日まで。多くの来場を呼び掛ける

 
 会場では、ポスターにあるQRコードをスマートフォンで読み取り、SL銀河へのメッセージを投稿してもらう企画も実施中。展示はシープラザ釜石のステージ前で開催。施設の入館時間は午前9時から午後7時まで。

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心も育てるジャガイモ栽培 釜石・甲東こども園 園児たち「春」を植え付け

豊かな実りを期待しながら種イモを植える甲東こども園の園児たち 

豊かな実りを期待しながら種イモを植える甲東こども園の園児たち

 
 釜石市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児119人)は13日、近くにある同園の「ちびっこ農園」でジャガイモの植え付けを行った。年長児31人が豊かな実りを期待しながら作業。「春が来たね」と植物を育てる季節の始まりも感じていた。
 
 同園では、身近にある自然環境を保育に取り入れ、子どもたちが植物を育てる経験の場として1955年にこの農園を開設。植物への興味・関心を持つとともに、愛護心や自然現象の発見、科学する心の芽生えを培ってもらおうと、ジャガイモの栽培に取り組み、今年で68年目となる。
 
子どもたちは「ちびっこ農園」の畑に付けられた印の上に種イモを置いた  

子どもたちは「ちびっこ農園」の畑に付けられた印の上に種イモを置いた

  
 園児たちは保育教諭らに植え方を教わり、畑に入って種イモ植えに挑戦した。品種は「メークイン」。30センチ間隔に付けられた印の上に種イモを置いて、「土のおふとん」を優しくかけた。作業を終えると、植え付けた場所に手をかざして「大きくなあれ」とパワーを注入。「いっぱい、とれるね」と満足げだった。
 
 楽しそうに取り組んだ三田一葉ちゃん(5)は「かわいい葉っぱが出てきたら、いいな。頑張ったから、大きいのがいっぱいできたら、いいな」とうなずいた。
 
そっと土をかぶせて「大きくなーれ」と声をかける園児ら 

そっと土をかぶせて「大きくなーれ」と声をかける園児ら

  
 今後、園児たちは散歩がてら成長を観察する。5、6月に草取り、7月に収穫。園行事のお泊り会や給食の食材として使う。
 
 野田園長は「買ったものではなく、自分で育てる楽しさを感じてもらえたら。土に触れる体験を大切にしながら、食育につなげていく」と見守った。

 

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広報かまいし2023年4月15日号(No.1806)

広報かまいし2023年4月15日号(No.1806)
 

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【P1】
表紙

【P2-7】
令和5年度施政方針・予算の概要

【P8-9】
新型コロナワクチン接種のお知らせ

【P10-11】
まちの話題

【P12】
飲用井戸の整備費用を補助します 他

【P16-17】
保健案内板・保健だより

【P18-19】
イベント案内

【P20】
NTT ジャパンラグビーリーグワン入替戦
第1回ワールドアマチュアラグビーフェスティバル選手募集

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期待膨らむ!新学校生活スタート 釜石市内の小・中学校で入学式 桜も祝福

「はい!」。新入生が元気な声を響かせた双葉小の入学式=7日

「はい!」。新入生が元気な声を響かせた双葉小の入学式=7日

  
 釜石市内の小中学校は10日までに新年度の入学式が行われた。小学校は9校に190人、中学校は5校に172人が進んだ。桜が咲く中で迎えた「ハレ」の日。各校の新入生らは期待に胸を躍らせながら学校生活をスタートさせた。
   
 新町の双葉小(及川美香子校長、児童130人)には19人が仲間入りした。入学式は7日にあり、緑やピンク、水色といったカラフルなランドセルを背負った新1年生が保護者と登校。通学路や学校敷地内では桜が咲き誇り、その祝福に顔をほころばせた。
   
新入生を歓迎するかのように咲き誇る双葉小敷地内の桜=7日

新入生を歓迎するかのように咲き誇る双葉小敷地内の桜=7日

  
保護者と手をつないで初めて双葉小に登校する新1年生=7日

保護者と手をつないで初めて双葉小に登校する新1年生=7日

   
 体育館での式で新1年生は、教員や保護者、6年生(29人)が見守る中、入場。少し緊張気味だったが、名前を呼ばれると「はい」と元気よく返事し一礼した。
  
 及川校長は「早く学校に慣れて好きになってください。優しく、お友達が嫌がることをしないで正しいことをしっかりできる1年生になってほしい。あいさつもしっかりできるといいですね。心の中に双葉が育ち、大きな花を咲かせることができます」と呼びかけた。
  
心の双葉を育てるための取り組みを分かりやすく伝える及川美香子校長=7日

心の双葉を育てるための取り組みを分かりやすく伝える及川美香子校長=7日

  
校長先生の話や教職員の紹介に耳を傾ける双葉小の新入生=7日

校長先生の話や教職員の紹介に耳を傾ける双葉小の新入生=7日

  
 来賓の高橋勝教育長が告辞。「いろいろ、たくさん遊んで勉強し、周りの人たちのために頑張れる小学生になって」と期待を込めた。6年生は「おはようございます」「さようなら」と元気なあいさつの手本を見せ、新たな仲間を歓迎した。
  
 新入生の三浦伊織さんは「勉強を頑張りたい。一輪車に乗れるようになりたい。友達をつくるのも楽しみ」と期待を膨らませた。母の文子さん(40)は「元気いっぱい、いろんなことを経験してほしい」と優しいまなざしを向けた。
  
保護者や6年生らが見守る中、入学式を終えて退場する新1年生=7日

保護者や6年生らが見守る中、入学式を終えて退場する新1年生=7日

  
 新型コロナウイルス対策のマスク着用について、文部科学省は学校向けに緩和する通知を示しており、同校の入学式では新入生については着用を求めなかった。今月から学校の児童生徒や教職員は基本的に不要と通知されているが、出席者のほとんどはマスク姿で、そうした状況はまだ続くとみられる。

 

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*春らんまん* 釜石市内各所で「桜」満開 今季運行終了のSL銀河とのコラボも

小川川沿いのソメイヨシノの並木=9日午前撮影

小川川沿いのソメイヨシノの並木=9日午前撮影

 
 釜石市内は先週末、各所の桜が満開となり、花見を楽しむ人たちが繰り出した。ほとんどの桜が例年より1週間以上早く開花。入園、入学式シーズンを彩った。青空が広がった9日日曜日は、家族連れなどが桜の名所に足を運び、花を愛(め)でたり記念撮影したりする姿が見られた。8、9の両日は、今季で運行を終了するSL銀河と桜を写真や映像に収めようという人たちが沿線各所でカメラを構えた。
 
 釜石駅近くの駐車場内にある線路沿いの桜並木。8日は、午後3時10分釜石着のSL銀河と桜を同時に撮影しようという人たちが市内外から集まった。蒸気や煙を棚引かせ、汽笛を鳴らしながら到着する列車を満開の桜がお出迎え。熱烈なSLファンや地元住民らが今年で最後となる光景をカメラに収めた。
 
満開の桜に迎えられ、釜石駅に到着するSL銀河=8日午後3時9分撮影

満開の桜に迎えられ、釜石駅に到着するSL銀河=8日午後3時9分撮影

 
線路沿いに連なる桜並木=鈴子町/到着後、転車台の前でカメラを向ける人たち(左上写真)

線路沿いに連なる桜並木=鈴子町/到着後、転車台の前でカメラを向ける人たち(左上写真)

 
 一関市から訪れた田辺毅さん(50)は「SL銀河と桜のコラボも今年で見納め。この季節ならではの写真を撮りたいと思って。うまく撮れているかは別ですけど」と笑い、カメラの画像をチェック。4月中に釜石―遠野間を2回乗車予定。「まさか(切符を)取れるとは思っていなくて。ほんと、運が良かった。恵まれています」と車窓からの景色も楽しみにした。
 
 運行開始当初からホームでの出迎え、見送りなどに協力してきた地元・鈴子町内会の女性陣。この日は桜の下で歓迎の手旗を振って出迎えた。夕向有子さん(77)は「今年は一気に咲いた。満開の桜とSL、こんな絵に描いたような光景はめったにない。時期を逃すまいと出てきました」と友人と声をそろえ、「何とも言えない幸せな気分」に浸った。
 
 9日の釜石発の上り運行でも、沿線の桜がある場所に多くのカメラマンが陣取った。桜木町の日本製鉄釜石山神社付近の線路沿いの桜並木。強風で散り始めた花びらが舞う中、SLが通過し、名残惜しい風景を見せた。
 
小川川の橋梁を通過するSL銀河(上り)=9日午前10時3分ごろ

小川川の橋梁を通過するSL銀河(上り)=9日午前10時3分ごろ

 
 小川川下流域沿いのソメイヨシノの並木は市内を代表する花見スポット。枝先が川面に垂れるような木もあり、清流と背後の山々と相まって独特の風情を生み出している。地元住民によると、最高気温が20度を超えた5、6日で一気に満開に。7日は雨に濡れたが花は持ち、天候が回復した9日は家族連れらが訪れ、桜をバックに記念写真を撮る姿が見られた。昨年の桜シーズンには同所で映画の撮影も行われており、さらに知名度もアップしている。
 
川側に張り出す枝ぶりが見事なソメイヨシノ=小川川下流

川側に張り出す枝ぶりが見事なソメイヨシノ=小川川下流

 
きれいな桜をバックに記念の一枚。春の思い出!

きれいな桜をバックに記念の一枚。春の思い出!

 
 市中心市街地を一望できる高台、大町の薬師公園も古くから親しまれる桜の名所。頂上広場のソメイヨシノのほか、坂道の遊歩道沿いでは濃桃色の花が目を引くシダレヒガンザクラなども咲き誇る。赤い花の椿も開花しており、9日は青空を背景に花色の競演が見られた。広場のベンチでは持参した団子などを味わいながら、花見を楽しむ人たちも。桜の合間からのぞく釜石湾、震災復興で形成された新たな街並みも春景色に彩りを添えた。
 
 大町の佐藤なつきさん(36)は「下からは結構見ているが、上まで上ってきたのは久しぶり。近場で桜を見られるのは魅力的。今日は青空に恵まれて最高の花見日和。きれいな花を見るとうれしくなる」と声を弾ませた。夫卓也さん(40)は「スマホやテレビで画面越しに見るのとは違って断然いい。気持ちが和み、すごく癒やされる。明日からまた頑張れそう」と活力をもらった様子。夫婦で春のひとときを楽しんだ。
 
薬師公園には9日、続々と花見客が訪れた/花色の異なる桜が出迎える遊歩道(左下写真)。夜には園内のちょうちんに明かりがともされる

薬師公園には9日、続々と花見客が訪れた/花色の異なる桜が出迎える遊歩道(左下写真)。夜には園内のちょうちんに明かりがともされる

 
薬師公園頂上広場のソメイヨシノはほぼ満開

薬師公園頂上広場のソメイヨシノはほぼ満開

 
園内からは釜石湾の青い海、市街地の街並みを眺望できる

園内からは釜石湾の青い海、市街地の街並みを眺望できる

 
 唐丹町本郷の桜並木は、1933(昭和8)年の三陸大津波からの復興を願って植樹されたもの。道路の両側に立ち並び、毎年見事な桜のトンネルを作り出している。休日の9日は見物に訪れる人たちの車の出入りが続いた。同所では3年に一度、天照御祖神社の式年大祭「大名行列」が行われるが、開催年にあたった2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止された。コロナ収束後の祭りの復活が待たれる。
 
唐丹町本郷の桜並木。目にも鮮やかな桜のトンネルが来訪者を迎える

唐丹町本郷の桜並木。目にも鮮やかな桜のトンネルが来訪者を迎える

 
美しく咲き誇る桜の下で多くの見物客が散策を楽しんだ=9日

美しく咲き誇る桜の下で多くの見物客が散策を楽しんだ=9日

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新年度、本格スタート 釜石市役所で市長訓示・辞令交付 街中では桜もほころぶ

向かって新しい一歩を踏み出した新人職員ら=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

目標に向かって新しい一歩を踏み出した新人職員ら=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

  
 3日の釜石市内は高気圧に覆われ、朝から晴れ間が広がった。風に冷たさは残るものの、暖かな日差しを感じる時間も多くなっていて、街中では桜がほころんでいる。そんな中、新年度が本格的にスタート。市役所では野田武則市長の訓示や辞令を受けた職員らが市政運営へ気持ちを新たにした。新採用職員の研修も開始。「ラグビーのまち」の理念を理解してもらおうと用意された体力勝負のメニューを体験しながら、チームワークの大切さを感じ取った。
  
咲きほころぶ一本桜。釜石風景を春色に染める=3日、大渡町橋詰広場

咲きほころぶ一本桜。釜石風景を春色に染める=3日、大渡町橋詰広場

  
釜石市の新職員を代表して宣誓書を読み上げる佐々木要さん=3日、釜石市役所議場

釜石市の新職員を代表して宣誓書を読み上げる佐々木要さん=3日、釜石市役所議場

  
 新型コロナウイルス禍で4度目の春。マスク着用などさまざまな制限が緩和される中、市役所では議場に一堂に会す例年のスタイルで辞令交付が行われた。新たに採用された16人はマスクを外して式に臨んだ。代表で財政課に配属される佐々木要さん(30)が「市民全体の奉仕者として、誠実、公正に職務を遂行する」と宣誓書を読み上げた。
  
 佐々木さんは浜町出身で、東日本大震災で自宅が全壊した。進学のため釜石を離れていたため津波の様子は目にしていないが、「災害での被害をなくしたい」と大学では津波のメカニズムなどを学んだ。金融機関に就職したが、古里への転勤を機に「防災、まちづくりに関わりたい」と公務員に転向。前職を生かした業務から新たな一歩を進め、将来は「若い人が戻って来たいと思うユニークなまちにしたい」と思い描く。
 
野田武則市長(右)の訓示に耳を傾ける市職員=3日、釜石市役所議場

野田武則市長(右)の訓示に耳を傾ける市職員=3日、釜石市役所議場

 
 野田市長は新職員に対し「先憂後楽」との言葉を贈り、「市民ファースト、市民と同じ立場で見て考える姿勢を大事にしてほしい」と激励。1日付で新たに就任した平松福寿副市長や各部長など約30人の職員に対しては、「人口減の中、市政運営は厳しい状況が続くだろう。市内企業の雇用拡大、専門学校の開校、インターンシップやスタディケーションといった動きを融合させ、新たな展開を模索していこう」と協力を求めた。
  
釜石市の新規採用職員はラグビー研修で親睦を深めた=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

釜石市の新規採用職員はラグビー研修で親睦を深めた=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 市の新人職員らを対象にしたラグビー研修は5日、鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで行われた。19年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石大会誘致の経緯や得たレガシー(遺産)を生かしたまちづくりを学んだ後、グラウンドへ。ゴールキック体験やパスをつないでトライまでの速さを競ったりしながら汗を流した。
  
「まちの魅力を伝えたい」。ゴールキックに挑む阿部帆歌さん=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

「まちの魅力を伝えたい」。ゴールキックに挑む阿部帆歌さん=5日、釜石鵜住居復興スタジアム

 
 市国際交流課に配属が決まっている阿部帆歌(ほのか)さん(18)は「やってみると難しさ、楽しさが分かる。結束力が大事で、仕事でも生かせる。困った時に相談したり、助け合ったりできる。スポーツを通してコミュニケーションも活発になる」と、さまざまなことを学び取った。市職員を選んだきっかけは、中学3年時にあったラグビーW杯。盛り上げ活動に取り組んだ経験を生かし、「釜石のよさを少しでも多く伝えたい」と意欲を高めていた。
 
 

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広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)

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広報かまいし2023年4月1日号(No.1805)

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【P1】
第2子以降の保育料を無償化します
第3子以降の学校給食費を無償化します

【P2-3】
市税の納付方法が 拡充されます

【P4-5】
4月1日~ 市の組織機構が変わります
市職員の給与などを公表します

【P6-7】
まちのお知らせ

【P8】
イベント案内

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023032800019/
釜石市

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トルコ・シリア地震の救援に― 釜石市の小中学生が募金託す「東日本大震災支援の恩返しを」

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

トルコ・シリア地震の救援金を野田釜石市長に託す「かまいし絆会議」の中学生ら

 
 釜石市内14小中学校(小9・中5)の児童生徒らでつくる「かまいし絆会議」は3月22日、大地震で被害を受けたトルコ、シリアの救援に役立ててもらおうと、各校の募金活動で集まった38万9243円を日本赤十字社(日赤)に託した。2011年の東日本大震災で受けた支援への“恩返し”、一日も早い現地復興への願いを込め、自主的に行動した。
 
 中学校の代表6人(2年)が市役所を訪問。唐丹中生徒会長の香川彩夏さんが日赤県支部釜石市地区長を務める野田武則市長に目録を手渡した。香川さんは「東日本大震災で支援してくれた方々への恩返しの気持ちを込め、募金活動を実施した。少しでもトルコ、シリアの復興が進めばいい」と願った。一人一人思いを発表。釜石中の三浦海斗さんは「全校生徒が快く募金してくれた。困っている方にいち早く届けば」、甲子中の畠山偉利さんは「現地の状況が良くなり、健康に暮らせるようになればと思い活動した」と述べた。
 
救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

救援金の目録を野田市長に手渡す唐丹中の香川彩夏さん(右)

 
各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

各校の代表が募金活動に込めた思いを発表した

 
 野田市長は「世界各国で災害が起きている。こうした募金活動が今、私たちにできる唯一のことではないか。皆さんが自ら考え、行動してくれたことは本当に頼もしく心強い」と感謝した。同席した髙橋勝教育長は「1校の力は小さくても市内全校の力を合わせれば、大きなこともできる。仲間意識を持ち、どんどんチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。
 
大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)

大平中で行われた募金活動(写真提供:大平中)
 
呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

呼び掛けに応え、募金に協力する生徒(写真提供:大平中)

 
 募金活動は2月下旬から3月初旬にかけて各校で実施。釜石東中では生徒会執行部が中心となり、募金箱を作って朝の昇降口で協力を呼び掛けた。同校は東日本大震災の津波で校舎が全壊した。久保朱璃さんは「東中は当時、たくさんの支援で助けてもらった。トルコ、シリアの状況は人ごとではない。しっかり恩返ししたいという気持ちで募金に取り組んだ」と話す。
 
 同市は市所管の施設に5月29日まで募金箱を設置し、トルコ・シリア地震救援金の協力を呼び掛けている。設置場所は▽市役所第一庁舎1階市民課窓口▽市保健福祉センター2階地域福祉課窓口▽シープラザ釜石2階国際交流課窓口▽市内8地区生活応援センター▽魚河岸テラス▽根浜シーサイド▽いのちをつなぐ未来館▽道の駅釜石仙人峠。寄せられた救援金は全額、日赤を通じて現地の救援・復興支援のために使われる。

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コロナ禍脱却へ「釜石の歴史を学ぶ会」活動再開 郷土資料館・津波企画展を見学

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

学習会を再開した「釜石の歴史を学ぶ会」の会員ら=18日、市郷土資料館

 
 市民活動グループ・釜石の歴史を学ぶ会(柴田渥代表、20人)が、新型コロナウイルス禍で休止していた活動を再開。18日、釜石市鈴子町の市郷土資料館(藤井充彦館長)で開催中の企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」を見学し、同市の津波災害と復興の歴史に理解を深めた。新年度から月1回の定例学習会を復活させる予定で、会員らは学びへの意欲を高めている。
 
 同会は2016年5月から活動。幅広い分野で郷土の歴史を学ぼうと月に1回集まり、郷土資料館での学習、市内の史跡見学、専門家の講話などで知識を深めてきた。コロナ禍で会員が集まっての学習を控えていたが、感染症も収束傾向にあることから活動再開を決めた。
 
市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

市郷土資料館で開催中の企画展を見学する会員ら

 
 18日は12人が参加。郷土資料館の津波企画展を見学し、同館の佐々木寿館長補佐から話を聞いた。話題に上ったのは、釜石・大槌の津波記録文献の復刻を手掛け、防災教育にも取り組んだ故上飯坂哲さん(2009年逝去、享年71)の功績について。
 
 小学校教諭だった上飯坂さんは大槌町の吉里吉里小校長在職中に、1896(明治29)年の大津波について当時の校長が記した記録の存在を知り、子どもたちにも読ませたいと復刻に取り組んだ。退職後に務めた釜石市の鵜住居公民館長時代には、市内各地に残る津波資料の文献を次々に復刻。2005年に同公民館長を退任後、津波防災の重要性を伝えたいと、自身の考えをまとめた「津波てんでっこ考」を執筆、自費出版した。後に釜石東中から津波講話の依頼があり、これを機に子どもたちに教える活動も始めた。
 
上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

上飯坂哲さんが書いた「津波てんでっこ考」を紹介する佐々木館長補佐(右)。企画展では上飯坂さんが復刻した複数の津波記録誌も展示(左)

 
 2011年の東日本大震災発生時には、釜石東中、鵜住居小の児童生徒が率先した避難行動で迫り来る大津波から逃れ、自らの命を守った。「上飯坂さんの活動は釜石の津波防災教育のはしり。残した功績は非常に大きい」と佐々木館長補佐。震災後、同著に関する問い合わせも多数あったという。市教委は14年に、上飯坂さんの家族の協力を得て同著の復刻版を発行している。
 
 学ぶ会の柴田代表(76)は「地元に住んでいてもまだまだ知らないことは多い」と実感。こうした学びの機会は新たな気付き、古里への興味を引き出すきっかけにもなるといい、「細く長く活動を続け、若い世代にも何か刺激を与えられたら」と生涯学習への意欲を示した。
 

昭和の三陸大津波から90年― 先人の復興を学ぶ 郷土資料館で5/7まで企画展

 
郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

郷土資料館企画展「先人に学ぶ復興―昭和三陸地震津波から90年」

 
 昭和と平成の時代に三陸を襲った大津波はくしくも同じ3月の発生。市郷土資料館が毎年この時期に開催する津波に関する企画展では、さまざまな視点で同市が受けた津波災害の歴史を掘り下げている。今回は「先人に学ぶ復興」をテーマに、発生から90年となる昭和の津波の被害状況や復興の歩みにスポットを当てた。
 
 1933(昭和8)年3月3日午前2時31分に起こった昭和三陸地震津波。本県沖を震源とするマグニチュード8.1の大地震が発生し、その後の津波で3千人以上が犠牲となった。市内で被害が大きかったのは釜石町嬉石・松原、唐丹村本郷、鵜住居村両石(町村=当時)。ほとんどの家屋が流失し、本郷では人口の半分以上が犠牲となった。
 
被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

被災の惨状をいち早く伝える当時の新聞=郷土資料館所蔵

 
 驚くのは当時の復興の速さ。1カ月後、中心市街地にはバラックの建物が建ち始め、漁港も応急修理が施された。翌34(昭9)年には釜石港が東北最初の国際港として開港し、税関支署などの諸官庁が設置されていった。釜石町は人口が4万人を超えた37(昭12)年、県内で2番目に市制を施行。釜石製鉄所繁栄の勢いがまちの復興を後押ししていったと考えられる。
 
昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

昭和9年1月に開港した釜石港の1周年を記念して発行された絵はがき。復興した魚河岸付近を撮影した写真が印刷される

 
 企画展では当時の小学校が中心となって残した記録集(故上飯坂哲さん復刻)を基に、各地の被害状況を写真やパネルで伝える。発災直後の新聞記事、唐丹村役場の救助者名簿、復興工事に関わる契約設計書も。港近くの復興後の街並み写真が印刷された釜石港開港記念の絵はがき、市制施行の稟議書や記念品なども並ぶ。企画展は5月7日まで(火曜日休館)。