タグ別アーカイブ: 地域

「釜石新聞NewS」 プレーバック2021

「釜石新聞NewS」プレーバック2021

「釜石新聞NewS」 プレーバック2021

 

 2021年も残りあとわずか。東日本大震災から10年-。釜石では海やラグビーを生かした取り組みが相次いだ。新型コロナウイルスとの闘いはワクチン接種という局面を迎えたが、いまだに私たちの暮らしに影響を及ぼしている。釜石新聞NewSがスタートした4月からの市内の主な動きを写真で振り返る。

 

4月

 

ラグビーを続けたい子どもたちの成長を後押し

 

【ラグビーを続けたい子どもたちの成長を後押し】
 ラグビーの釜石シーウェイブスRFC(SW)は4月、ジュニア部門強化へ中学生を専門に指導するSWアカデミーを開校した。小・中と切れ目ない指導で、競技人口の底辺拡大や将来のトップ選手輩出につなげる指導体制が整った。(写真:事前体験会)

 
 

サッパ船クルーズで海を生かした観光振興

 

【サッパ船クルーズで海を生かした観光振興】
 釜石湾で始まった地元の漁船を活用したサッパ船クルーズ。28日に乗船したモニター客は釜石港周辺の産業集積地や尾崎半島にかけての自然の景観を間近で楽しんだ。予約に応じて船を出す不定期事業だが、通年で運航する。

 

5月

 

新型コロナウイルスワクチンの集団接種始まる

 

【新型コロナウイルスワクチンの集団接種始まる】
 初日の16日は、専用のコールセンターを通じて予約した65歳以上の高齢者約130人が接種を受けた。医師会と市職員の連携でおおむねスムーズに進んだ接種に「安心した」との声が聞かれた。

 

6月

 

試験養殖のサクラマス初水揚げ

 

【試験養殖のサクラマス初水揚げ】
 釜石市や岩手大学などが釜石湾内で育てているサクラマスが10日、初めて水揚げされた。昨年から取り組む海面養殖の飼育研究の一環。「上々の出だしになった」と手応えを得、新たな水産資源として期待を寄せる。

 
 

釜石を駆け抜けた五輪聖火リレー

 

【釜石を駆け抜けた五輪聖火リレー】
 「復興五輪」を掲げる東京五輪の聖火リレーは17日に行われた。魚河岸から大町の市民ホールTETTOまでの1・22キロ。本県ゆかりのランナー8人は沿道の応援に笑顔で応えながら走り、希望の炎をつないだ。

 

7月

 

震災10年―唐丹町民がふるさとへの思い新たに

 

【震災10年―唐丹町民がふるさとへの思い新たに】
 東日本大震災から10年となった2021年。唐丹町では17日、震災犠牲者の鎮魂と海上安全などを祈願する「唐丹ひきふね祭り」が行われた。約70隻が唐丹湾内を巡航。震災の教訓の継承、漁業をなりわいとする地域の発展に思いを一つにした。

 
 

ラグビーW杯の聖地・うのスタが人生の門出を演出

 

【ラグビーW杯の聖地・うのスタが人生の門出を演出】
 ラグビーワールドカップ(W杯)開催から2年。会場となった釜石鵜住居復興スタジアムはスポーツ以外の活用も模索する。18日は、公募で選ばれた千葉県のカップルが同所初となる公開結婚式を挙げた。W杯聖地の新たな姿へ可能性を広げた。

 
 

根浜海岸の海開きは震災後初の全面開放

 

【根浜海岸の海開きは震災後初の全面開放】
 鵜住居町の根浜海岸海水浴場は22日に海開きした。震災の津波で失われた砂浜の再生工事が完了し、初めての全面開放。砂浜で遊んだり、浮き輪で泳いだりして波と戯れる、たくさんの笑顔が浜辺に戻ってきた。

 

8月

 

東京パラ成功を祈り、釜石から高炉の火を聖火に

 

【東京パラ成功を祈り、釜石から高炉の火を聖火に】
 東京五輪に続き、盛り上がりを見せた東京パラリンピック。全都道府県から集められた火が聖火となり、釜石市からは、釜石駅前の「鉄のモニュメント」から採火した“ものづくりの灯(ひ)”が届けられた。市内の全盲砲丸投げアスリート小笠原智さんが、16日に盛岡で行われた集火式に運んだ。

 

9月

 

災害時は釜石から遠野へ広域避難

 

【災害時は釜石から遠野へ広域避難】
 大雨洪水による災害発生に備え、釜石市と遠野市が1日、災害時の施設利用に関する協定を結んだ。市域を超えた広域避難に関する初の試み。遠野市青笹町の遠野運動公園を釜石市民の避難場所として利用できる。

 
 

県立釜石病院のお産休止で市が支援策

 

【県立釜石病院のお産休止で市が支援策】
 県立釜石病院で10月から普通分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することを受け、市は9月に「妊産婦支援チーム」を設置し相談体制を強化。市外で出産する妊産婦の通院交通費などを助成する支援策も拡充した。

 

10月

 

中妻地区初の津波避難訓練

 

【中妻地区初の津波避難訓練】
 日本海溝・千島海溝沿いで起こる巨大地震の想定で新たに津波の浸水域に含まれた中妻地区で14日、初めての津波避難訓練が行われた。約700人が参加し、避難場所や経路などを確認。いつか起こりうる津波災害に備えた。

 
 

マスさんのたくましい生き方に市民が元気をもらう

 

【マスさんのたくましい生き方に市民が元気をもらう】
 釜石にゆかりのある故井上マスさんの自叙伝「人生はガタゴト列車に乗って」が、市民手作りのミュージカル作品として31日、上演された。釜石の音楽家山﨑眞行さんが脚本、劇中歌を手掛け、市内外の仲間が協力して感動の舞台を作り上げた。

 

11月

 

ぼうさいこくたいで釜石の教訓を世界に発信

 

【ぼうさいこくたいで釜石の教訓を世界に発信】
 防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)が6、7の両日、東日本大震災の被災地・釜石市で開かれた。震災の教訓を後世に伝え、未来の命を守るため、全国の関係者が意見を交わした。野田武則市長は「防災教育のまち釜石」を宣言。同市の取り組みの発信に意を強くした。

 
 

ラグビーW杯の熱気を再び~うのスタで釜石―神戸戦

 

【ラグビーW杯の熱気を再び~うのスタで釜石―神戸戦】
 ラグビーW杯釜石開催2周年を記念し、14日、釜石シーウェイブスRFCとコベルコ神戸スティーラーズが記念試合を行った。来年1月に開幕する「リーグワン」に参戦する両チームが熱い戦いを繰り広げ、スタンドを沸かせた。

 

12月

 

2023年運行終了のSL銀河 ファンから惜しむ声

 

【2023年運行終了のSL銀河 ファンから惜しむ声】
 震災復興を後押ししてきたJRの観光列車「SL銀河」が旅客車の老朽化のため、2023年春で運行を終了することになった。今季ラストランとなった4、5の両日は乗客や沿線住民、SLファンから運行終了を惜しむ声が多く聞かれた。

 

■後記
 市民の皆様、釜石新聞NewSをご覧頂いている全国の皆様、本年のご愛読ありがとうございました。
 WEB専門の媒体としてのご理解と認知度も着実に高まり、皆様の生活の中に受け入れていただいている手ごたえを感じる機会が多くなりました。取材依頼などについては、運営体制の変化やコロナ禍における制約などもあり、復興釜石新聞の時のようにはお応えしきれない点についてお詫び申し上げるとともに、あらためてご理解を賜れれば幸いです。

 

 皆様、どうぞよいお年をお過ごしください。

【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり

【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり

【コラム】釜石新聞NewS1年目の年末にあたり

 

 社会の節目を考える時、今を生きる私たちにとっては間違いなく、「コロナ前」と「コロナ後」が一つの境として語られることと思う。率直な印象として、「コロナ禍」がほぼ2年に渡って続くと思っていた人は少なかったのではないかと感じる。社会全体が安心を取り戻すのに2年では足りないことは、今更ながらに考えるとわかる気はするが、劇的に変わってしまった社会生活は“イレギュラー”なものであり、できる限り早急に解消されることを潜在的に期待してしまうのは、自然な感覚に近いのだと思う。

 

 そんな“イレギュラー”な社会の真っ只中で、『釜石新聞NewS』はスタートを切った。東日本大震災からの復興の中で、釜石市民、また釜石市にとって大きな役割を果たしたものの一つが、前身の『復興釜石新聞』であることへの異論はないであろう。それを支え続けたのが、かねてから釜石の情報発信を担って来られた地元のメディア人の方々のお力と、その矜持であることには、あらためて敬服の念を抱く。

 

 そのような偉大な媒体を、インターネットに限定したWEB専門媒体の形で引き継ぎ、運営していくことには、少なからぬ不安とプレッシャーがあった。しかしながらそれ以上に、形を変え、当社にでき得る限りの話だとしても、“無くしてはいけない”という勝手な使命感を抱き、復興釜石新聞の川向編集長からの依頼を快諾させて頂く形で、この4月に「釜石新聞」を承継した。

 

 手前味噌ではあるが、コロナ禍と時には戦い、時には共存を図る社会的な過渡期において、形を変えたとはいえ、地域密着のメディアとして釜石新聞NewSが存在できたことは、大きな意義があったのではないかと感じる。復興釜石新聞が、東日本大震災からの復興を支える市民の歩みを記し続けたように、コロナ禍との戦いも共存も含めた“イレギュラー”な中での市民の営みを記し、形として残せたことは、社会が今後どう変わったとしても価値を持つものだと思う。

 

 今年も様々なことがあった2021年。「復興釜石新聞」記者から「釜石新聞NewS」記者に肩書を変え、取り巻く環境が大きく変わり、より適した形にスタイルを変えながらも、“釜石の今を伝える”という変わらぬものを守り続けている二名の記者には、釜石新聞NewS初めての年末に、この場を借りて一人の市民として感謝を伝えたい。

 

 まもなく訪れる2022年が、安心と活気を取り戻した新しい時代の始まりとなることへの願いとともに。

 

2021年12月28日
釜石まちづくり株式会社
「釜石新聞NewS」運営管理者

グリーンベルト(港町)からの景色を楽しみながら、ごみ拾いウオーキング

コロナ禍でも「できることを」 ごみ拾いウオーキングで地域、世代間交流

グリーンベルト(港町)からの景色を楽しみながら、ごみ拾いウオーキング

グリーンベルト(港町)からの景色を楽しみながら、ごみ拾いウオーキング

 

 ごみを拾いながら釜石市街地を歩く「年末ごみ拾いウオーキング」が11日、大町の青葉ビルを発着点に行われた。地域の福祉課題などを協議する「釜石地区センター会議」が主催し、2年目の開催。釜石地区生活応援センター(小原圭子所長)管内の住民、約60人が参加し、東日本大震災から10年が経過した街並みを眺めながら、環境美化と体力づくりに汗を流した。

 

 小学生から高齢者まで幅広い年代が集い、軽い体操で体をほぐした後、2コースに分かれて出発。約5キロの歩行距離が設定され、震災の津波から復興を遂げた只越町から大渡町の中心市街地、震災後新たに整備された港町のグリーンベルト、イオンタウン釜石、千年橋がコースとなった。

 

市役所本庁舎前を通り、港町へ向かうグループ

市役所本庁舎前を通り、港町へ向かうグループ

 

芝生に目を凝らし、ごみを拾い上げる中学生

芝生に目を凝らし、ごみを拾い上げる中学生

 

天気にも恵まれ、気持ちよく清掃活動

天気にも恵まれ、気持ちよく清掃活動

 

 参加者は各自のペースで歩みを進め、ごみを見つけると袋に拾い集めた。住宅や商業施設が立ち並ぶ地域ということもあり、大型ごみは無かったが、ポイ捨てされたとみられるごみが各所で見られ、丁寧に拾った。約1時間半のウオーキングを終え、出発点に戻った参加者には、協賛店から飲料水や菓子がプレゼントされた。

 

 佐々木竜(りょう)君(釜石中2年)は、自分たちのまちをきれいにしたいと同級生4人で参加。「ごみの量は思ったより少ないが、たばこの吸い殻や空き缶、瓶などが目立った。復興しているまちを見ながら、楽しくごみ拾いができた」と充実感を見せた。浜町の磯﨑美佳さん(33)、雄太君(釜石小2年)親子は「コロナであまり出かけられなかったので、いい機会。運動になった」とすがすがしい表情。雄太君は「環境の勉強にもなった。ポイ捨ては絶対だめ」とマナー向上を願った。

 

 大平町の佐久間司さん(72)は「天気にも恵まれ、絶好のごみ拾い日和。少しでも役に立てれば」と2回目の参加。「みんなと話しながらやるのはすごくいい」と交流の場を歓迎。一方で、「甲子川沿いの柵の外側にかなりのごみがあった。今日は立ち入れなかったが、何とかしないと」と対応策を望んだ。

 

甲子川沿いの歩道。柵の外側に散らばるごみを気にする声も聞かれた

甲子川沿いの歩道。柵の外側に散らばるごみを気にする声も聞かれた

 

さまざまなごみを回収。ポイ捨て防止へ市民のマナー向上を願う

さまざまなごみを回収。ポイ捨て防止へ市民のマナー向上を願う

 

 同センター会議は一昨年、復興住宅住民と既存町内会住民との融合を目的に、餅つきやクリスマスツリー作りを通した交流会を開催。普段、交わる機会の少ない小中学生と高齢者が触れ合い、互いの顔を知り、助け合える関係づくりのきっかけとした。継続的に開催しようとしていたが、新型コロナウイルス禍で飲食を伴う催しが難しくなったため、昨年、今年はごみ拾いウオーキングに切り替えた。

 

 小原センター長は「『コロナ禍でも、できることで住民の絆づくりを』と会議メンバーが考えた。やっぱり顔を合わせるだけでも違う。来年以降、コロナが収束していれば、餅つきイベントを復活させたい」と話した。

ボーイスカウト釜石第2団創立60周年記念式典

ボーイスカウト釜石第2団60周年 釜石に残る唯一の団が活動継続へ意欲

ボーイスカウト釜石第2団創立60周年記念式典

ボーイスカウト釜石第2団創立60周年記念式典

 

 ボーイスカウト釜石第2団(菊地次雄育成会長、末永正志団委員長、64人)は12日、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで、創立60周年記念式典を開いた。関係者約80人が出席。団に貢献した企業や団体の代表、団役員ら16人に感謝状を贈った。戦後、市内各地区で団が結成され、最盛期には7団が活動した釜石のボーイスカウト(BS)。現在は第2団のみが活動する。式典出席者は伝統を継承し、「地域や社会に役立つ人材育成」へ力を注いでいくことを誓い合った。

 

 式辞に立った菊地育成会長は「60年間のスカウト(団員)は1千人に及ぶ。大自然の中での仲間と助け合いながらの活動は後の大きな財産になる。次代を担う子どもの健全育成は大人の責任」と活動意義を強調。末永団委員長は東日本大震災後の活動について、「BS岩手連盟や県内の野外活動団体の協力で、遊び場の提供やキャンプへの招待を行い、被災地の子どもたちの心のケアに努めてきた。身を粉にして尽力した指導者らに感謝したい」と述べた。

 

末永正志団委員長が団の歴史や震災後の活動について紹介した

末永正志団委員長が団の歴史や震災後の活動について紹介した

 

2012年5月にBS岩手連盟と釜石第2団が開いた「遊びの広場」=シープラザ遊

2012年5月にBS岩手連盟と釜石第2団が開いた「遊びの広場」=シープラザ遊

 

 施設・設備の提供、寄付、永年奉仕(10年以上)などの功労で、団内外の16人に感謝状を贈呈。発団時からスカウト活動を継続し、指導者として長年貢献してきた育成会副会長の奥田耕一さん(73)に名誉役員の称号「先達」を贈った。奥田さんは中学2年生で入団。班長として団員を率い、第2団の礎を築いた。指導者となってからも団を精力的に支え、2019年度までの16年間、団委員長を務めた。発団時から60年間在籍するのは、奥田さんと現団委員長の末永さん(71)だけとなっている。

 

感謝状を受ける山崎義勝副団委員長。山崎さんは5月にBS日本連盟の功労賞「たか章」も受章

感謝状を受ける山崎義勝副団委員長。山崎さんは5月にBS日本連盟の功労賞「たか章」も受章

 

名誉役員の称号「先達」を贈られた奥田耕一さん

名誉役員の称号「先達」を贈られた奥田耕一さん

 

 式典では、副団委員長の山崎義勝さん(68)が本年5月の全国大会で、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の功労賞「たか章」を受章したことも報告された。第2団で同章を受けるのは4人目。式後の活動報告会ではスカウトらが歌で60周年を祝い、直近10年間の活動を映像で振り返った。

 

 BS釜石第2団は1961年、釜石小只越地区PTAが青少年の健全育成を目指し発団。地区の小・中学生32人でボーイ隊(小6~中3)を結成した。後にカブ隊(小3~小5)、ベンチャー隊(高校生)、ビーバー隊(小1、2)が発足。81年には同団最多のスカウト81人を数えた。野外活動を通じて安全、環境、防災などの知識とスキルを習得。仲間との活動で協調性や忍耐力を育み、現代社会で求められる生きる力を身に付ける。本年度はローバー隊員(19~25歳)含め47人がスカウト登録する。

 

60周年を祝ううちわを掲げるビーバー、カブ隊

60周年を祝ううちわを掲げるビーバー、カブ隊

 

りりしい制服姿で歌うボーイ、ベンチャー隊

りりしい制服姿で歌うボーイ、ベンチャー隊

 

 ボーイ隊2班班長の川端海惺君(釜石中2年)は「先輩たちに倣い、自分も後の人たちにつなげていけるようにしっかりリードし、活動の質を高めていきたい」、同1班班長の阿部雅俊君(大槌学園8年)は「何でも便利になっているが、それが無くなった時、自分で考え行動する力が求められる。スカウト活動で身に付けたことは災害時にも役立つ」とし、今後の活動へ意欲を示した。

 

 感謝状の贈呈は次の通り。
▽寄付=釜石東ロータリークラブ(齊藤裕基会長)
▽施設・設備提供=日東自動車工業(菊地次雄社長)
▽自然体験プログラム提供=浜千鳥(新里進社長)
▽維持会費提供(寄付)=奥田耕一(育成会副会長)、末永正志(団委員長)、山崎義勝(副団委員長)、山崎幹雄(元事務局長)
▽施設・設備提供、永年奉仕=高木稔(ビーバー隊長)、大信田信恵(カブ隊長)、小井土元彦(ボーイ隊長)、菊地次雄(育成会長)、新里進(育成会副会長)、奥田耕一、千田雅恵(育成会会計係)、末永正志、山崎義勝、千田与一(事務局長)、菊地敏文(団委員)、山口貴廣(同)、川端俊一(同)、工藤誠(同)

】「25日は釜石情報交流センターへ。スペシャルなプレゼントがあるかも…」と参加を呼び掛けている

まちに響く歌声、きらめくイルミネーション・・・クリスマスを楽しむ

ツリーやイルミネーションが設置され、街なかはクリスマスの装いに

ツリーやイルミネーションが設置され、街なかはクリスマスの装いに

 

 心弾むクリスマスシーズン。依然として新型コロナウイルス禍ではあるが、釜石市内でも感染対策をとりながらクリスマスにちなんだ催しを楽しむ姿が見られる。子どもたちがクリスマス到来を知らせる歌声を届けたり、高校生と小学生が遊びを通じて交流したり。夜を照らすイルミネーションもさまざまなところでお目見えし、年の終わりを彩るイベントで思い出をつくっている。

 

クリスマス気分、お先に満喫

 

クリスマスの到来を知らせるキャロリングを行ったかまいしこども園の園児=9日、釜石市役所

クリスマスの到来を知らせるキャロリングを行ったかまいしこども園の園児=9日、釜石市役所

 

 天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児80人)の園児は9日、園が隣接する復興住宅や近くにある公共・福祉施設などを訪れてクリスマスソングを披露。かわいらしい歌声でウキウキする季節がやってきたことを知らせた。

 

 「キャロリング」と呼ばれるクリスマス行事で毎年実施している。サンタクロースの衣装や三角帽子を身に付けた園児らは立ち寄った先で、「喜びの歌」「ジングルベル」を合唱。楽しそうに歌う子どもたちを見守った80代夫婦は「元気でいいね。一足早く、贈り物をもらったようだ」と目を細めた。

 

釜石高生が企画したクリスマス会を楽しむ子どもたち

釜石高生が企画したクリスマス会を楽しむ子どもたち

 

 小佐野町の小佐野コミュニティ会館で16日に開かれたクリスマス会では、小佐野小児童と釜石高生らが的当てゲームなどで触れ合った。児童が夢中になったのは、願い事を書き込むカードづくり。「スマホをください」「妹がほしい」――クリスマスに届くプレゼントに期待を膨らませていた。

 

 小佐野公民館事業・放課後ひろばと釜石高地域ゼミの生徒有志によるコラボレーション企画。グループリーダーの柏﨑碧音(あお)さん(2年)は「コロナ禍でも楽しめる子ども向けの活動をしたいと考えてきた。できることを工夫しながら継続したい」と前を向いた。

 

寒い夜に心ほっこり 釜石各地で輝くイルミネーション

 

 菊池夫妻の自宅敷地を彩るイルミネーション。「コロナ克服」とメッセージを送る

菊池夫妻の自宅敷地を彩るイルミネーション。「コロナ克服」とメッセージを送る

 

 夜間に釜石花巻道路(釜石道路)を走行中に視界に入る、きらびやかな明かり。大小さまざまなクリスマスツリーを模した装飾で、「おかえり」と迎えているよう。甲子町洞泉の菊池秀明さん、陽子さん夫妻(ともに74)が、自宅敷地で行っているイルミネーションだ。

 

 毎年、伝えたい思いを文字にして表現しており、今年選んだのは「コロナ克服」。長引く影響を振り払い、「打ち勝とう」と呼び掛けている。釜石西地区の玄関口に着いたことを知らせる意味もあり、夫妻は「地域を照らす明かりを楽しみ、和んでもらえたら」と話す。点灯は午後4時半~9時半頃までで、来年1月7日までを予定する。

 

国立釜石病院の敷地を彩るイルミネーション。まるでテーマパークのよう

国立釜石病院の敷地を彩るイルミネーション。まるでテーマパークのよう

 

 光のトンネル、トナカイやツリーなどのオブジェ…テーマパークのような光景が広がる、この場所は定内町の国立病院機構釜石病院。「釜石ルミナリエ」と呼ばれる冬を彩る風物詩は、今年も地域を鮮やかに照らしている。

 

 「訪れる人の心を癒やしたい」と土肥守院長。点灯は日没~午前2時ごろまで。終了時期は未定で、地元ラグビーチーム「釜石シーウェイブス(SW)RFC」の活躍次第という。そんな地域愛あふれる温かい明かりを楽しむ際に、忘れてはいけないことがある。「ここは病院敷地内。患者の安眠や安全な通行、周囲に配慮を」と求めている。

 

小佐野コミュニティ会館のイルミネーション。地域住民が力を合わせて設置する

小佐野コミュニティ会館のイルミネーション。地域住民が力を合わせて設置する

 

 夜のまちを照らす色とりどりの照明は、小佐野コミュニティ会館にもお目見えした。13日、「スイッチオン!」との子どもたちの掛け声でイルミネーションが点灯。会館入り口や通路の樹木が赤や青、黄色に輝くと、「きれい」と歓声が上がった。

 

 家庭で眠っている電飾を持ち寄り、地域を彩ろうと始まった季節のイベントには、大人たちの「小佐野地区から釜石を元気に」という熱意が込もっている。点灯は日没から夜明けまでで、来年1月15日までを予定する。

 

クリスマスはミッフィーを探そう! 釜石情報交流センター

 

】「25日は釜石情報交流センターへ。スペシャルなプレゼントがあるかも…」と参加を呼び掛けている

「25日は釜石情報交流センターへ。スペシャルなプレゼントがあるかも…」と参加を呼び掛けている

 

 クリスマスの25日、オランダ生まれの絵本キャラクター「ミッフィー」を探すイベントが大町の市民ホール・屋根のある広場で行われる。ミッフィーカフェかまいしが入る釜石情報交流センターが企画。広場に隠された人形4つを写真に撮ってセンターの受付窓口で提示すると、プレゼントがもらえる。時間は午前10時~午後4時。

協定書を手にする野田市長(左から3人目)と青柳理事長(同4人目)

災害時の犠牲者対応で協力を 釜石市、県葬祭業組合と協定

協定書を手にする野田市長(左から3人目)と青柳理事長(同4人目)

協定書を手にする野田市長(左から3人目)と青柳理事長(同4人目)

 

 釜石市は7日、県葬祭業協同組合(青柳均理事長、37事業所)と災害時のひつぎや葬祭用品の供給、遺体搬送などの協力に関する協定を結んだ。同組合は県内自治体と同様の協定締結を進めており、釜石は県と6市村に続き8番目。多数の死者が出るような大規模災害でも遺体の収容が適切に行われるよう態勢を整える。

 

 協定によると、大規模災害発生時に市の要請を受け、同組合は▽ひつぎや遺体の安置に必要な納体袋(のうたいぶくろ)、骨つぼなど葬祭用品の供給▽遺体安置施設などの提供▽遺体の収容や搬送の業務―について可能な範囲で協力する。円滑な協力が行えるよう、広域の応援体制や情報収集伝達体制の整備にも努める。

 

協定書に署名する野田市長、青柳理事長

協定書に署名する野田市長、青柳理事長

 

 締結式は釜石市役所で行われ、野田武則市長と青柳理事長が協定書に署名し取り交わした。野田市長は東日本大震災で遺体の搬送や安置、埋葬などの対応に苦慮したことを振り返り、「惨事は二度と繰り返したくないが、震災の教訓として、いざという時に備えて事前に対応することが必要。亡くなられた方への追悼、遺族の思いに応えられるような体制を確保したい」と意義を強調した。

 

 同組合が社会貢献活動の一環として市に協定締結を申し出た。青柳理事長は「地元に寄り添った支援を行うことができると考えた。スムーズな連携体制を整え、死者の尊厳を損なうことなく誠心誠意対応していきたい」と話した。

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広報かまいし2021年12月15日号(No.1774)

広報かまいし2021年12月15日号(No.1774)

 

広報かまいし2021年12月15日号(No.1774)

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【P1】
表紙
【P2-3】
ラグビーイベント
ぼうさいこくたい
【P4-5】
池井戸潤さん来釜
【P6-7】
令和2年度事務組合決算
償却資産申込開始
【P8-9】
新型コロナウイルス感染症に関する情報
子どもはぐくみ通信
【P10-11】
市民のひろば 
国際交流員の紹介
【P12-13】
まちの話題
歴史よもやま話
【P14-17】
水道管の凍結注意
まちのお知らせ
【P18-19】
保健だより
【P20】
江崎グリコ(株)大窪さんの活動紹介

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
電話:0193-27-8419 / Fax 0193-22-2686 / メール
元記事:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2021120800040/
釜石市

釜石市

釜石市公式サイトと連携し、縁とらんすがピックアップした記事を掲載しています。記事の内容に関するお問い合わせは、各記事の担当窓口までお問い合わせください。
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大切な人に釜石の特産品を贈ろう!釜石で初のお歳暮市 12業者が出店

初開催のお歳暮市=写真:釜石観光物産協会撮影

初開催のお歳暮市=写真:釜石観光物産協会撮影

 

 一般社団法人釜石観光物産協会(澤田政男会長)主催の「釜石お歳暮市」は11月28日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。新型コロナウイルス禍で人的交流がままならない世情を踏まえ、「地元の味を贈答品に」と初めて企画。開店前から列ができるなど期待が高く、市内のほか県内陸部からの来場者の姿も見られた。

 

 市内を中心に12業者が出店。海産物や水産加工品、菓子、調味料など多彩な商品を持ち寄り、来場者の希望を聞きながらお歳暮用ギフトを提案した。当日発送のほか、後日の注文発送にも対応。複数の店から好みの商品を選び、オリジナルギフトとして送ることも可能で、選択の幅が広がり好評だった。

 

市内の各業者がお薦めの贈答用商品を提案、販売

市内の各業者がお薦めの贈答用商品を提案、販売

 

 松坂商店は水槽に入れた新鮮アワビで旬の海の幸をアピール。麻生三陸釜石工場は自慢の西京漬け(浜千鳥の酒粕使用)を盛り込んだ二段重の豪華おせちを提案。ジェラート販売で人気のかまいしDMCは贈答用に開発した新商品、釜石の味を素材にした三陸氷菓(9種)詰め合わせを販売。栗林町に養鶏農場を建設中のオヤマ(一関市)は鶏肉加工品ギフトで注目を集めた。

 

かまいしDMCの三陸氷菓詰め合わせなど新商品も並び、来場者はじっくりと品定め

かまいしDMCの三陸氷菓詰め合わせなど新商品も並び、来場者はじっくりと品定め

 

良質な鶏肉加工品ギフトなどを販売したオヤマ

良質な鶏肉加工品ギフトなどを販売したオヤマ

 

 甲子町の60代女性は兄弟や友人に贈るギフトを求めて来場。「いろいろ見て比べられるのがいい。せっかくだから釜石の物を送ろうと思って。相手の好みや日持ち、お正月のことも考えて決めたい」と会場内を回った。

 

 今回の企画は、コロナ禍で売り上げ低迷が続く事業者らの応援にも一役買った。販売店舗を持たない大渡町の永野商店は、干物などの贈答セットのほかアウトレット品の格安販売も実施。永野和槻専務(30)は「地元客へのギフト販売の機会はあまり無いので、ありがたい。昨年来の新型コロナの影響で市外の物産展なども中止が相次ぎ、販路が減った。今回は地元への還元もでき、いい機会になった」と喜んだ。

 

I商品の種類や注文方法を丁寧に説明する永野商店

商品の種類や注文方法を丁寧に説明する永野商店

 

 同協会の佐々木一伸事務局次長は「コロナ禍で帰省しにくい状況が続いてきただけに、ふるさとの味を求める人は多い。地元の商品を送って少しでも釜石を感じてもらえたら」と話し、「来年以降も継続開催できれば」と今後を見据えた。

認知症がテーマの劇を熱演する大平中3年生

住み続けたいまちに―釜石・平田地区 地域と人が「つながるカフェ」初開催

住民同士の交流、つながりを生み出そうと初めて開かれた平田地区の「つながるカフェ」

住民同士の交流、つながりを生み出そうと初めて開かれた平田地区の「つながるカフェ」

 

 高齢化率(65歳以上)が40%(9月末現在)となる釜石市。一人で暮らす高齢者も年々増えているが、新型コロナウイルス禍で地域との交流が減り、健康面や孤立の悩みを抱える人も少なくない。そんな中、住民同士の交流を促す場をつくろうと、平田地区生活応援センターで11月25日、「つながるカフェ」が開かれた。おしゃべりを楽しむだけでなく、困り事の相談会、地元中学生との世代間交流の機会も用意。継続実施を予定し、住民同士の支え合いを深めながら安心して住み続けられる地域づくりを目指す。

 

 市、地区内にある特別養護老人ホーム「あいぜんの里」を運営する社会福祉法人清風会が主催し、市社会福祉協議会が協力する。初めて開かれたカフェには住民17人、住民サポーター6人が参加。市の保健師、介護関係者らも加わった。住民らはマスクをしたままだが、思い思いに語らった。

 

認知症がテーマの劇を熱演する大平中3年生

認知症がテーマの劇を熱演する大平中3年生

 

 世代間交流も目的の一つで、大平中(蛸島茂雄校長、生徒106人)の3年生33人が、認知症をテーマにした劇を披露。タイトルは「たがら(「宝」がなまった語)息子」で、認知症に苦しむ高齢女性の心情や同居家族の葛藤、地域の絆などを描いた。子どもたちが懸命に演じる姿に、参加者らは「守る側になったのか、すごいね」「心強い」と感心していた。

 

 3年生は総合的な学習の時間を活用し、3年間、同法人の支援を受けながら認知症サポーター養成講座や介護技術体験などに取り組み、福祉について学んできた。劇はその集大成。高齢女性役の小笠原のゑさん、その息子を演じた猪又一星君は「難しい内容だったが、認知症への理解が深まっていく姿が伝わるよう工夫した。学びを生かし、地域の人と交流しながら暮らしていきたい」と声をそろえた。

 

大平中生は福祉学習を紹介する展示も行い、地域に成果を発信した

大平中生は福祉学習を紹介する展示も行い、地域に成果を発信した

 

 同センターによると、平田地区の約1600世帯のうち、高齢者世帯は400以上あり、その半数が独居世帯だという。地域内での見守り体制の底上げにつながればと開かれたカフェに、独り暮らしの70代男性は「こうした集まりへの参加は初めて。積極的な声掛けがあり来てみたが、同世代と交流できる場でいいね。子どもたちの劇も面白いし、触れ合いで元気をもらう」と喜んだ。

 

おしゃべりを楽しみ、笑顔を広げるカフェ参加者

おしゃべりを楽しみ、笑顔を広げるカフェ参加者

 

 つながるカフェは年度内に2回目の開催を予定する。専門的な知識を持つ保健師や介護関係者らによる健康や生活に関する相談も受け付け、住民同士で情報を交換、共有し知識を得ながら交流を深めていく場とする考え。同センターの小笠原達也所長は「参加者にも見守る側、見守られる側がいるが、立場にこだわらず地域に積極的に関わることで、住み続けたいと思ってもらうきっかけになれば」と期待する。

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

根浜の海辺をポニーで散歩!あおぞらパーク初の試みで子どもたち笑顔

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

ポニーに乗って海辺を散歩=根浜あおぞらパーク

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でストレスを抱えがちな子どもたちに安全安心な遊び場を提供する「根浜あおぞらパーク」(同実行委主催)は11月21日、釜石市鵜住居町の根浜海岸でポニーとの触れ合い体験を行った。海水浴場のオフシーズンを利用し、初めて開催。ポニーの背にまたがり、普段とは違う目線で海の景色を楽しんだ。

 

 橋野町でホースセラピー事業などを手掛ける一般社団法人三陸駒舎理事の黍原豊さん(44)が協力。飼育する馬3頭のうち、雌のポニー笑馬(えま)ちゃん(8)が子どもたちを迎えた。参加者は代わる代わる乗馬し、砂浜を往復。天気に恵まれたこの日は目にも鮮やかな美しい海辺風景が広がり、心地よい揺れに身をまかせながら散歩を楽しんだ。

 

乗せてもらう前に「よろしくね~」とごあいさつ。馬のぬくもりは心の安らぎも生む

乗せてもらう前に「よろしくね~」とごあいさつ。馬のぬくもりは心の安らぎも生む

 

馬との触れ合いは子どもの成長に大きな効果が。海での乗馬で特別な思い出も作った

馬との触れ合いは子どもの成長に大きな効果が。海での乗馬で特別な思い出も作った

 

 甲子町の萬大樹君(4)は「(馬上から見る)景色がきれい。楽しかった。お馬さん大好き」と目を輝かせた。母如子(ゆきこ)さん(34)は、四つんばいになり馬のまねをする大樹君の姿にほほ笑み、「自然や動物との触れ合いの場はありがたい」と喜んだ。

 

 海岸での乗馬体験企画は黍原さん自身も初めて。「波の音を聞きながら(馬と一体となって)揺れる感覚は、すごく気持ちいいのでは。根浜の風景にもなじむ」と話し、海辺ならではの効果を感じていた。

 

笑馬ちゃんも黍原さんの誘導で初めての海を体験

笑馬ちゃんも黍原さんの誘導で初めての海を体験

 

 あおぞらパークは一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校(伊藤聡代表理事)など7団体が実行委を組織し、昨年5月にスタート。医師のアドバイスを受けた感染症対策を講じ、冬季を除く毎週土、日曜に開設してきた。2年目の本年はコロナ感染拡大に伴う県の緊急事態宣言で8、9月は休止したが、10月から再開。予定していた11月までに全19回を開催した。

 

 実行委はこのほど、今後について話し合う会議を開き、感染の局面や求められるニーズの変化などから本年をもって事業を終了することを決定。12月末に根浜シーサイドレストハウスでラストパークを開き、参加者と思い出などを語り合う。詳細は同パークのフェイスブックで告知する予定。

広報かまいし2021年12月1日号(No.1773)

広報かまいし2021年12月1日号(No.1773)

広報かまいし2021年12月1日号(No.1773)

 

広報かまいし2021年12月1日号(No.1773)

広報かまいし2021年12月1日号(No.1773)

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【P1】
コロナワクチン接種関係

【P2-3】
まちのお知らせ

【P4】
古文書講座
TETTOイベント 他

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 総務企画部 広聴広報課 広聴広報係
〒026-8686 岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
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釜石市

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研ぎ終えたパン切り包丁を澤口さん(左)に手渡す堺工科高定時制課程の生徒

大阪の高校生、包丁研ぎで被災地支援 釜石・鵜住居の住民と交流つなぐ

研ぎ終えたパン切り包丁を澤口さん(左)に手渡す堺工科高定時制課程の生徒

研ぎ終えたパン切り包丁を澤口さん(左)に手渡す堺工科高定時制課程の生徒

 

 大阪府立堺工科高校(堺市)定時制課程の生徒らが19日、釜石市の鵜住居地区を訪れ、「包丁研ぎ直し」のボランティア活動で住民らと交流した。東日本大震災の被災地を匠(たくみ)の技で支援する同校の取り組みの一環。先輩たちが贈るなどした包丁を一丁一丁、切れ味を確認しながら研ぎ上げた。

 

 同校では刃物づくりなど地場の伝統産業を学ぶ「堺学」を授業に取り入れ、ものづくり技術を伝えている。震災を受け、授業で製作したステンレス包丁を岩手、宮城両県の被災地に贈る活動を継続。6年前から「アフターケア」の研ぎ直しで釜石などを訪問している。

 

高度な職人技で刃物研ぎの支援を行う味岡さん(左)

高度な職人技で刃物研ぎの支援を行う味岡さん(左)

 

 今回のボランティア活動には生徒3人と保田光徳進路指導部長(62)ら6人が参加。堺学を指導している伝統工芸士で堺市ものづくりマイスターの称号を持つ味岡知行さん(78)と弟子2人も同行した。釜石・鵜住居での活動は4回目となる。

 

 鵜住居地区生活応援センターには、同校が届けた包丁のほか、愛用の刃物を持った住民らが相次いで訪れた。味岡さんらは回転研磨機を操ってさびを落とし、ぼろぼろになった刃物も丁寧に再生させ、生徒らが砥石(といし)で仕上げた。

 

生徒は砥石での仕上げを担当。研ぎ具合を確認しながら丁寧に作業した

生徒は砥石での仕上げを担当。研ぎ具合を確認しながら丁寧に作業した

 

 鵜住居町でパン屋を経営する澤口和彦さん(55)はパン切り包丁など6本を持参。丁寧な手仕事を感じ取り、「切れ味がいいとすぐ分かる。生徒と交流できるのもうれしい。ものづくり技術が受け継がれていると感じ、成長も楽しみ」と感謝した。片岸町の浅利金一さん(72)は亡妻が愛用した包丁2本を依頼。「とても古いものだが、思い出があり捨てることができない。新品のようになった。大事に使う」と、しみじみ語った。

 

 角田優樹君(総合学科2年)は仕上げの作業で気を付けたことなどを伝え、住民と親交を深めた。「ありがとう」と喜ぶ住民らの姿にモチベーションが高まったと充実した表情を見せ、「進学して、映像系の仕事をしたい。形は違っても、ものづくりに携わりたい」と将来を見据えた。

 

鵜住居地区で包丁研ぎのボランティア活動に取り組んだ生徒や教員、伝統工芸士ら

鵜住居地区で包丁研ぎのボランティア活動に取り組んだ生徒や教員、伝統工芸士ら

 

 同校では同じ堺学で取り組む線香づくりの技術を生かし、販売実習の益金を義援金として被災地に贈る活動も継続。今回はセンター近くの「いのちをつなぐ未来館」に線香60個を届け、来館者に配布してもらう。保田進路指導部長は「喜んでもらうのが一番。こちらも元気をもらい、生徒たちの良い変化にもつながっている」と、ものづくり学校ならではのボランティア活動を続ける考えだ。