60歳以上も生き生き就労 釜石市シルバー人材センター 奉仕活動で事業をアピール
清掃活動を行った釜石市シルバー人材センターの会員、職員ら=20日
公益社団法人釜石市シルバー人材センター(前川公二理事長)は20日、港町のイオンタウン釜石周辺の歩道で清掃奉仕活動を行った。全国シルバー人材センター事業協会が定める10月の普及啓発促進月間にちなんだ活動。登録会員と職員約50人が参加し、縁石沿いや店舗前の植え込みに生える雑草を取り除いた。そろいの帽子とベスト姿で作業し、買い物客や道行く市民らにシルバーパワーをアピールした。
活動は同センターの存在を広く知ってもらい、就労する会員や受託する仕事を増やすのが狙い。例年、中心市街地でごみ拾いなどの清掃活動を行っているが、今年は除草をメインにした。活動場所はイオン釜石の南側駐車場と店舗建物の間を走る市道沿い。会員らは作業を分担しながら、夏の間に伸びた雑草を鎌などを使って刈り、袋に詰めて回収した。来店や車両通行で人目につきやすい一帯は、約1時間半の作業ですっきりとした景観を取り戻した。
イオンタウン釜石前の道路沿いで行った除草作業
縁石周辺に生えた草を取り除き回収した
同センターは60歳以上の人を対象に働く場を提供する。登録会員はセンターが自治体や企業、一般家庭などから受けた仕事を請け負う。派遣労働者としての就業も可能。仕事は草取り・刈り、植木のせん定、襖・障子張り、家事援助、施設管理、清掃、筆耕など多岐にわたる。
会員の佐々木安美さん(69)は「社会とのつながりがほしい。頭の活性化にもなれば」と今年4月に入会。市内のコミュニティー施設で清掃業務に従事する。家族の介護でしばらく外での仕事から離れており、久しぶりの社会復帰。「生きがいを感じる。1日3時間と無理のない範囲でできるのもいい。やる気があれば年齢にかかわらず、いつからでも始められる」と就業の喜びを語る。
店舗前の植え込みの中の雑草も取り除いた
青空の下、奉仕活動に汗を流す会員ら
縁石周辺にたまった土も取り、見違えるほどきれいな環境に
同センターの登録会員数は332人(男266/女66、20日現在)。2000年代中ごろのピーク時には約580人が登録していたが、定年延長の広がりや東日本大震災後の人口減などで減少傾向が続く。前川英之事務局長は「高齢化の進展、定年延長で入会年齢が上がっており、管理的な仕事を求める人が増えている。肉体労働だけではなく幅広い業務を受けられるよう会員の増強、契約先の開拓を図り、双方の利益になる事業運営を目指していきたい」と話した。同センターの今年4~8月の受託額は約6300万円。前年同比5%増となっている。
センターでは毎月第4木曜日午前10時から、浜町の事務所で入会説明会を開催。入会についての問い合わせや相談は随時、受け付けている。詳しくは同センター(電話0193・22・2182)へ。
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム