宇宙を旅した復興横断幕 いのちをつなぐ未来館(釜石・鵜住居町)で展示公開


2022/10/25
釜石新聞NewS #地域 #防災・安全

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いのちをつなぐ未来館で展示中の「東北復興宇宙ミッション2021」横断幕

  
 東日本大震災発生から10年の節目に被災地の復興を発信する「東北復興宇宙ミッション2021」で、国際宇宙ステーション(ISS)から帰還した横断幕が、釜石市鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で展示公開されている。同館を指定管理する「かまいしDMC」の社員有志でつくる天文部が市内各所で撮った星空の写真も紹介。「宇宙を身近に感じながら震災を考え、知るきっかけに」と期待する。11月4日までを予定する。
 
 宇宙ミッションは震災の記憶と教訓、復興支援への感謝を伝えるメッセージや写真、植物の種などを宇宙に送り、被災地の現状を発信するもの。一般財団法人ワンアース(茨城県龍ケ崎市)が企画し、東北被災3県の約50自治体が参加した。
 
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被災自治体が復興の姿や支援への感謝を伝える画像とメッセージを寄せた

 
 横断幕は2021年3月11日にISSで感謝のメッセージを読み上げた野口聡一宇宙飛行士のバックに掲示されていたもの。福島県川俣町特産の川俣シルクで制作され、ミッションに参画した各自治体が復興への思いなどを画像とともに記している。縦1・2メートル、横7メートル。同年2月20日にロケットで打ち上げられ、4カ月余り宇宙を〝旅〟し、7月10日に地球に帰還した。参加した各自治体で巡回展示されている。
 
 釜石が発信した画像は、市内小中学生が中心となって世界中に感謝を伝える活動「#Thank You From KAMAISHI 」を紹介。2019年に地元で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げるための準備や試合会場での応援の様子、復活した三陸鉄道などを散りばめている。この横断幕のほか、市の花ハマユリの種もISSに〝滞在〟し、無事帰還した。
 
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釜石の子どもたちの笑顔で感謝を伝える。「ありがとう」

 
 同館職員の佐々学さん(43)は「宇宙を旅した特別な旗を見に来てほしい。震災を知らない子どもたちが増えているので、次世代への伝承にもつながれば」と期待する。
 
 天文部の活動で、市内の星空を収めた写真約20点も掲示。昨年の冬から今年の夏にかけて世界遺産・橋野鉄鉱山、根浜海岸などで見られたオリオン座や「天の川」を写した。「星」をテーマに、三陸ジオパークの箱崎半島を紹介するパンフレットも作成、同館で配布する。「釜石は星がきれい。そんな星空を楽しむことができる素晴らしい環境がある。宇宙を身近に感じることで地元の魅力を知ってほしい」と佐々さん。きらめく夜空を楽しみ続けるため環境を守っていこうと思いを強めている。
  
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宇宙ミッションのメッセージ集と星空ガイドブックを紹介する佐々さん

 
 

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