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唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

「コロナも鬼も外」鬼退治で世代間交流 きょう節分 唐丹公民館で豆まき

唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

唐丹公民館で開かれた節分の会。参加者は豆をまいて鬼を退治した

 

 3日の節分を前に1日、釜石市唐丹町の唐丹公民館で、子どもと住民の交流を図る「節分の会」が開かれた。同館が併設されている復興住宅入居者や地域住民、唐丹児童館の子どもら約30人が参加。新型コロナウイルス退散や1年の健康を願って仲良く豆まきした。

 

 児童館職員と年長の村上波月(はづき)ちゃん(6)が紙芝居で豆まきの由来を説明した後、「心の中にいる悪い鬼を追い出そう」と呼び掛けて豆まきを開始。色画用紙で手作りしたお面をかぶった子どもや高齢のお母さんたちは、こん棒を持った鬼役の住民に向かって「鬼は外」と元気よく豆を投げた。力を合わせて無事に鬼を追い出すと、互いに豆を投げ合い、子どもたちは心の中の「のんびり鬼」「ゲームしすぎ鬼」「言うこと聞かない鬼」、大人は体の不調やコロナ禍の不安を撃退。「残ったのは福の神だ」と明るい声を響かせた。

 

高齢のお母さんたちは子どもたちのかわいらしい姿に顔をほころばす

高齢のお母さんたちは子どもたちのかわいらしい姿に顔をほころばす

 

 さらに福を呼び込もうと、餅つきも。子どもたちは大人の力を借りて「よいしょー」「ソーレ」などと声を掛け合いながら交代できねを振り下ろした。倉又海成ちゃん(5)は「餅をぺったんして楽しかった」とにっこり。鳥居大愛(たお)ちゃん(5)は「おばあちゃんたちとたくさん遊んだ」と満足そうだった。

 

「よいしょ」「ぺったん」と掛け声を合わせて餅つきを楽しむ参加者

「よいしょ」「ぺったん」と掛け声を合わせて餅つきを楽しむ参加者

 

 今春、小学生になる波月ちゃんは「鬼が出てきたときはびっくりしたけど、みんなで倒すことができて良かった」と怖いものを乗り越え、たくましい表情を見せた。復興住宅で暮らす上村ツネ子さん(83)と木村ヨミ子さん(82)は「子どもたちがいると楽しいし、にぎやか。元気をもらって若返る。これからもいろんなことを一緒にやって、コロナを吹き飛ばしたい」と目を細めた。

 

 住民の交流促進、孤立化の予防などを目的に2016年から月例で実施する食事交流会の一環。小正月行事のみずき団子づくりなど季節の行事では今回のように世代間交流も取り入れている。コロナの影響で1年半以上休止。昨年12月のクリスマス会から再開した。今回、子どもたちは食事を控え、おすそ分けされた餅を児童館に持ち帰った。同館の千菅英理子館長は「地域にはいろんな声が響いているのがいい。コロナは長引いているが、うまく付き合っていくしかない。感染対策を徹底し、できるだけ行事は中止せず、交流事業を続けたい」と模索する。

防火帽をかぶって気分は消防士。消防車両の見学も楽しんだ

釜石消防署、園児に防災教室 命を守る動作をカードゲームで楽しく

災害が起こった時に身を守る動作をカードゲームで学ぶ子どもたち

災害が起こった時に身を守る動作をカードゲームで学ぶ子どもたち

 

 釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児80人)で19日、釜石消防署による防災教室が開かれた。年長児約20人が参加。カードゲームなどを通じて災害が起きた際の適切な行動などを学んだ。

 

 同署予防係の6人が講師を務めた。教室は「火の用心」をテーマにしたDVD鑑賞からスタート。園児は火事の原因や火災予防で大切なこと(▽ストーブの近くには燃えやすいものを置かない▽たこ足配線はダメ―など)をおさらいし、「火遊びはしません」と約束した。

 

津波の時は高い所まで走ろう。カードに示された動作をまねる園児

津波の時は高い所まで走ろう。カードに示された動作をまねる園児

 

 続いて、″災害が起きた時″と″命を守るためにとるべき行動″が裏表にイラストで描かれた防災カードゲームに挑戦した。例えば、建物が揺れている様子を描いたカードを手に署員が「地震が起きた時はどうする?」と聞くと、子どもたちは「頭を守る」と答えた。「そうだね」と署員がめくったカードには、しゃがんで頭を守るポーズをとる「ダック(あひる)」が描かれていて、園児はイラストをまねて手足を動かした。

 

 火事の時は煙を吸わないようハンカチを口にあてた「タヌキ」のイラストをまねて低い体勢で逃げる、津波では「チーター」になってできるだけ高い所まで走るのがポイント。子どもたちはカードに示された動物たちになり切り、楽しみながら命を守る行動を身に付けた。梶原琴音ちゃん(6)は「逃げる時に気をつけることが分かった。いろんな人に教えたい」と胸を張った。

 

防火帽をかぶって気分は消防士。消防車両の見学も楽しんだ

防火帽をかぶって気分は消防士。消防車両の見学も楽しんだ

 

 同署では、保育園、こども園で同様の啓発活動を定期的に実施。山崎信次予防係長は「幼少期から火災予防や防災、減災について学ぶことは、安心な暮らしにつながる」と強調する。今月中旬、南太平洋・トンガ沖噴火によって津波警報が出された際、同園の園児が家族に避難を呼びかけたと聞き、手ごたえを実感。「大人になったら、ぜひ消防団員に」と期待した。

「もち花」づくりに取り組む上中島こども園の園児たち

正月飾り「もち花」づくりで交流 上中島こども園と地域住民

「もち花」づくりに取り組む上中島こども園の園児たち

「もち花」づくりに取り組む上中島こども園の園児たち

 

 釜石市上中島町の上中島こども園(楢山知美園長、園児66人)で12日、新年の縁起物「もち花」づくりが行われた。近くにある復興住宅で暮らす高齢者を招き、作り方を教わりながら触れ合いを楽しんだ。

 

 例年、同園では小正月行事として「みずき団子づくり」を行ってきたが、最近はミズキの木を手に入れるのが難しくなっているといい、代替行事として企画した。もち花とは、団子やもちを小さく丸めて木の枝(ヤナギやヒノキなど)にくくりつけた飾り物。年頭に豊作や幸福を祈願して小正月に神棚に飾る。その土地の風習によって羽、小判、おたふく、玩具といったように飾り付けがさまざま。一般的には赤や白、黄色といった彩りのあるもちをつけて「花」に見立てる。

 

 同園ホールに年長児と高齢者ら約30人が集まった。米粉に赤や緑、黄色の食紅で色付けしたカラフルな団子作りから開始。子どもたちは住民らに教わりながら楽しそうに団子を丸めた。

 

地域住民に教わりながら団子づくりに取り組んだ(上中島こども園提供)

地域住民に教わりながら団子づくりに取り組んだ(上中島こども園提供)

 

水を入れすぎて失敗。それでも子どもたちは楽しそう(上中島こども園提供)

水を入れすぎて失敗。それでも子どもたちは楽しそう(上中島こども園提供)

 

 ゆで上がった団子の飾り付けは年長児だけで取り組んだ。団子を一つずつ枝につけていき、さらに折り紙で作った魚、だるまなどの飾りをくくり付け完成。手に団子がついて大変そうでも、いくつもの花が咲いた様子に「きれいだね」と、うれしそうに声をそろえていた。

 

「おいしそう」と団子を見つめる子も。思い思いに飾り付けを楽しんだ

「おいしそう」と団子を見つめる子も。思い思いに飾り付けを楽しんだ

 

 斎藤蒼空(そら)君は「丸めるのが楽しかった」とにっこり。この春、小学生になる柏舘幸咲(みさき)ちゃんに頑張りたいことを聞いてみると、「ともだちとたくさん勉強する」とはにかんだ。
 

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「お絵かき列車」表彰式 園児が描く、みんなの三陸鉄道

三鉄の「園児お絵かき列車」入賞者と家族、関係者ら

三鉄の「園児お絵かき列車」入賞者と家族、関係者ら

 

 三陸鉄道(本社宮古市、中村一郎社長)が沿線の保育園児などを対象に募集した「お絵かき列車作品」で、最高賞となる県三陸鉄道強化促進協議会(会長=達増拓也知事)会長賞に中妻子供の家保育園の渋谷実希ちゃん(6)が選ばれた。小佐野保育園の寺田茉希ちゃん(5)が釜石市特別賞、小川葵愛(あいな)ちゃん(6)は市さんてつくん賞を受賞。表彰式は8日に鈴子町のシープラザ釜石で行われ、入賞者に賞状などが贈られた。

 

 同列車は同協議会と三鉄が主催。列車の旅を楽しみながら車両の絵を描いてもらうもので、1995年から続く。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で乗車を見合わせる園が多かったが、作品は募集した。沿線の11市町村から690人が参加。釜石市内からは6保育園、こども園が参加し、計97点が寄せられた。

 

 表彰式で、中村社長は「力作ぞろいで、選ぶのに苦労した」と総評。コロナ禍で厳しい経営が続くが、昨秋から客足が戻りつつあると説明し、「家族と一緒に利用して盛り上げてほしい」と期待を込めた。野田市長も「久慈から盛まで163キロもあるリアス線は駅ごとに楽しい場所がある。みんなの三鉄を大事にしていこう」と呼び掛けた。

 

最高賞に輝いた作品の前で笑顔を見せる渋谷実希ちゃん

最高賞に輝いた作品の前で笑顔を見せる渋谷実希ちゃん

 

 中妻子供の家保育園では三鉄から提供された写真を見本に年長児が取り組んだ。まだ三鉄に乗ったことがないという実希ちゃんは、青い空と海が広がる景色の中を走る様子を想像しながら、クレヨンと絵の具を使って「楽しい気持ち」を表現。白い車体に赤と青のラインが入った車両を描くのを頑張り、「(賞をもらって)うれしい」とはにかんだ。

 

 小佐野保育園は三鉄釜石駅に出向いてホームでお絵かき。いろんな車両を見る機会にもなり、外出気分を楽しんだ。茉希ちゃんは車両を囲むようにたくさんの笑顔を描いていて、かわいらしさ満載の力作。葵愛ちゃんの作品は画用紙の半分を占めるほどの大きい車両が印象的な、ダイナミックな絵に仕上がった。

 

子どもたちの愛らしい作品が紹介された

子どもたちの愛らしい作品が紹介された

 

 釜石市内の応募作品は14日までシープラザで展示。入賞作品を車内で公開する「たいへんよくできました号」も同日まで三鉄リアス線で運行された。

「火の用心」と声を合わせ、地域住民に呼びかける甲東こども園の防火パレード

暖房器具が出番迎える中、まちに響く「火の用心」 甲東こども園防火パレード

「火の用心」と声を合わせ、地域住民に呼びかける甲東こども園の防火パレード

「火の用心」と声を合わせ、地域住民に呼びかける甲東こども園の防火パレード

 

 暖房器具など火気の使用が増える季節を迎えたこの頃。空気も乾燥しており、火事に気を付けたい時期でもある。火災のない安全な地域になることを願い、釜石市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児143人)が11日、防火パレードを実施。3歳以上の園児に保護者らを加えた約140人が元気な声で「火の用心」を呼び掛けた。

 

 同園の防火パレードは今年で37回目。そろいの消防はんてんを着た園児は、拍子木や太鼓の音に合わせて「戸締まりよーじん!火のよーじん!」と声を上げながら約1・5キロを行進した。隊列には消防署の広報車、消防団のポンプ車も加わり、呼び掛けをサポート。住民らは家の前に出て、笑顔で見守った。

 

元気な声で「火の用心」を呼び掛ける拍子木隊

元気な声で「火の用心」を呼び掛ける拍子木隊

 

園児たちは火災のない安全な地域になることを願って住宅街を行進した

園児たちは火災のない安全な地域になることを願って住宅街を行進した

 

 近隣を巡った後、園庭で「防火の集い」。園児代表が「火遊びはしません。よい子になります」などと誓い、「マッチ一本、タバコの投げ捨て、子どもの火遊び 火事のもと」と消防標語に声を合わせた。釜石消防署の駒林博之署長は「元気のいいパレードだった。みんなの言葉は住民の多くに届いた。地域の火災ゼロにつながればいい」と協力に感謝した。

 

防火の集いで「気を付けて」とメッセージを送る園児たち

防火の集いで「気を付けて」とメッセージを送る園児たち

 

 全国一斉に展開された秋の全国火災予防運動(11月9-15日)の一環。「おうち時間 家族で点検 火の始末」を統一標語に、重点目標には▽住宅火災防止▽乾燥時や強風時の火災防止▽放火対策の推進▽大規模施設の防火対策の徹底-などを掲げた。釜石署管内では新型コロナウイルス感染症の影響で、例年実施している市消防団による防火広報パレード、戸別の防火訪問指導を中止。年間を通して行う保育施設での防災教室、事業所の立ち入り火防点検や消防訓練は継続し、市民の防火意識向上へ啓発活動に努める。

 

 釜石市内では今年、3件の火災があり、前年同期比6件減となっている。昨年12月には3件の火災が発生しており、釜石も含め全国的に電気や配線器具が関係する出火が多い傾向にある。駒林署長は住宅用火災警報器の点検や更新(10年)の必要性、設置の効果(死者、焼損面積は約半分、損害額は4割減)を強調。普及につながる取り組みを進めつつ、「防火に努めてほしい」と求めている。

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

産み育てられるまちへ 釜石市が妊産婦支援策 相談体制強化・助成拡充

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

 

 釜石市甲子町の県立釜石病院で10月から普通分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することを受け、市は妊産婦支援に向けた対策の強化に乗り出した。9月1日から、市子育て世代包括支援センター内に、保健師と助産師ら5人体制の「妊産婦支援チーム」を設置。分かりやすい相談窓口として門戸を開き、妊産婦らの不安解消につなげる。市外で出産する妊産婦の通院交通費や待機宿泊費などを助成する支援策も拡充し、10月に開始。関係機関と連携、情報共有し、女性の意見も取り入れながら、「安心して子どもを産み育てられるまちづくり」を進める。

 

妊産婦の不安解消へ 支援チーム設置

 

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

 

 妊娠・出産・子育ての総合相談窓口となる同支援センター(大渡町、市保健福祉センター2階)は、市保健福祉部内に2017年度に設置された。健康推進課で妊娠届出書の受け付けや母子健康手帳の交付時に妊産婦らと面談し、状況を初期から把握。相談支援に応じ、必要なサービスを切れ目なく利用してもらう体制を整えてきた。

 

 妊産婦支援チームは市内での分娩機能休止を受け、出産を控える女性らの不安を解消し、安心して出産できる体制を強化するため設置。妊娠期の食事や栄養、出産後の体調管理、子どもの発育、育児など幅広く相談に応じる。子育て期まで必要な情報提供や専門知識を生かした助言、保健指導も行う。

 

 「妊産婦支援チーム、分かりやすい名称が一番のポイント。窓口はここです」と強調するリーダーの村上美波さん(保健師)。女性たちが地域で安心して出産を迎え、子育てができるよう専門スタッフで支えていこうと奮闘中で、「ささいなことでも心配事を気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。

 

市外での出産支援策 交通、宿泊費など助成 給付金も

 

県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

 

 市外で出産する妊産婦の経済負担を軽減するため、市は支援策として通院交通費や出産前の待機宿泊費などを助成する。県のハイリスク妊産婦助成(1人10万円上限)に加え、市独自事業としてハイリスク以外の妊産婦も妊娠32週以降の通院費などを1人5万円を上限に助成する。妊婦が周辺の宿泊施設に待機が必要な場合の付き添いの家族らの宿泊費、交通費にはタクシーも含め、上限額の範囲で助成。里帰り出産を予定する妊婦も助成対象とする。事業費は334万円。

 

 追加策として、妊婦1人当たり3万円を給付する。対象は市に住民登録があり、10月1日以降に出産予定の妊婦などで母子健康手帳交付時に申請を受け付ける。開始日以前に県立釜石病院から市外病院に転院した妊婦らも対象とする方針で、給付・申請に関する周知に集中して取り組む。事業費は450万円。2つの支援策は2021年度一般会計補正予算案に盛り込まれ、17日の市議会9月定例会で可決された。

 

 こうした支援策は県や大槌町との協議、子育て中の女性らの声を参考にまとめた。支援チームの立ち上げもその一つ。市地域医療連携推進室の岩崎隆室長は「妊産婦の不安を解消しながら、安心して産み育てる環境の整備に全力で取り組む」と力を込める。

 

 問い合わせは妊産婦支援チーム(市健康推進課内、電話0193・22・0179)へ。

 

県も支援策 安全確保・不安解消・産後ケアを柱に

 

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

 

 県は17日、妊産婦の安全確保、不安解消、産後ケアの充実を柱とする支援策を発表した。患者搬送車などで利用するモバイル型妊婦胎児遠隔モニター2台を県立釜石病院に追加整備し、安全を確保。電子カルテの一元化や分娩施設の事前見学などで検診と出産する病院が変わることの不安解消につなげる。

 

 同病院内でデイサービス型の産後ケア(有料)事業を始める。健康状態のチェックや乳房マッサージ、赤ちゃんの食事や発育の相談などを検討しており、産後ケアを強化。妊産婦からの電話相談は同病院の助産師が24時間態勢で対応する。

 

 県医師支援推進室の植野歩未室長は「地元の思いを重く受け止め、安全確保や不安解消に取り組む。支援策の運用開始後のさまざまなニーズや改善要望に柔軟に対応していく」とした。

浴衣姿の年長児は夏祭りにやって来た小さなお友達をもてなした

コロナ禍にできることで思い出づくり 鵜住居保育園で「夏祭り」

子どもたちが楽しむ様子を見守る大人たちにも笑顔が広がる

子どもたちが楽しむ様子を見守る大人たちにも笑顔が広がる

 

 釜石市鵜住居町の鵜住居保育園(海藤祐子園長、園児70人)で16日、「夏祭り」が開かれた。例年は保護者らと一緒に楽しむ夕涼み会を実施してきたが、「子どもだけでも雰囲気を味わってほしい」とコロナ禍でできる形を考えて企画。園児たちはゲームなどの模擬店コーナーを回って夏祭り気分を満喫した。

 

 感染予防に配慮し、祭り会場は園庭に設定。甚平や浴衣姿の年長児13人が運営する、駄菓子屋や玉入れゲームなど3つの模擬店が並んだ。「おもちゃすくい」では金魚のほか、人気アニメ映画のキャラクターをかたどった人形もあって大人気。園児は真剣な表情で狙いを定め、カップへすくい入れると「とれたー」と歓声を上げていた。

 

 <p class="cap">いろんな模様が入った球体などをすくい取る遊びを楽しむ子どもたち</p>

いろんな模様が入った球体などをすくい取る遊びを楽しむ子どもたち

 

 小林歩叶(ほのか)ちゃん(4)は、アニメキャラクターが描かれたボードにボールを投げ入れるゲームが気に入った様子で、「楽しかった」とにっこり。年少・年中児が遊び終わると、おもてなしを担った年長児にも遊びを体験する時間がプレゼントされ、植田尋友(じんゆう)君(5)は「(小さい子たちに)楽しんでもらおうと、がんばった。でもね、見てるより、やるのが楽しい。夏の思い出、できた」とうなずいた。

 

浴衣姿の年長児は夏祭りにやって来た小さなお友達をもてなした

浴衣姿の年長児は夏祭りにやって来た小さなお友達をもてなした

 

 同園では、年行事をできる限り中止せずに実施するよう、感染防止に気を配って園運営を継続している。海藤園長は「何より大事にしたいのは、子どもたちの笑顔。何もやらないのではなく、この時期に子どもたちのためにできることを今後もしっかり考えていきたい」と見守った。

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

「すげー」ジャガイモごろごろ~甲東こども園 収穫体験

真剣な表情でイモ堀りに取り組む園児たち。最初はイモの茎だけが手に残って残念がる子もいた

真剣な表情でイモ堀りに取り組む園児たち。最初はイモの茎だけが手に残って残念がる子もいた

 

 釜石市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児145人)は14日、近くにある同園の「ちびっこ農園」でジャガイモ堀りを行った。年長児38人が約30キロを収穫。「すげー、とれたねー」と大はしゃぎだった。

 

 「でっかいイモ、ほるぞー。エイエイオー」との掛け声で気合いを入れ、畑に入った園児たち。イモの茎をつかみ、ありったけの力で引き抜いた。最初は茎だけが手に残って「なかった」と気を落としたり、勢い余って尻もちをつく子も。めげずに手で土を掘り出すとジャガイモが次々と顔を出し、「わー、大きい」「まだ出てくるー」などと歓声を上げた。

 

「みてみてー」と自慢したり、収穫の楽しさを体感する子どもたち

「みてみてー」と自慢したり、収穫の楽しさを体感する子どもたち

 

 平野志磨ちゃん(5)は「大きいの、とった。小さいのも、かわいかった。たくさんとって楽しかった。ポテトチップにして食べたい」と笑った。

 

 ジャガイモ栽培体験は食育の一環。恵まれた自然環境を保育に取り入れ、子どもたちに食べ物や植物への関心を持ってもらおうと実施している。年長児は4月に約1アールの畑にキタアカリの種イモを植え付け、草取りなど手入れをしたり、成長の様子を観察してきた。

 

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

ジャガイモ栽培体験に取り組んだ子どもたちは「大きいの、とったよー」と豊かな実りを喜んだ

 

 収穫したジャガイモは園行事のお泊り会でカレーの具材となり、みんなで味わった。

短冊につづられた子どもたちの思いに駅職員らは心を和ませる

短冊に願い込めて~釜石駅に七夕飾り 園児ら飾り付け

「かなうといいな」。願い事を書いた短冊を飾り付けた園児たち

「かなうといいな」。願い事を書いた短冊を飾り付けた園児たち

 

 釜石市鈴子町のJR釜石駅(吉田正樹駅長)に6月23日、七夕の笹(ささ)飾りがお目見えした。天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児75人)の園児が飾り付けをお手伝い。思い思いの願い事を書き込んだ短冊で笹竹を彩った。

 

 年長児23人が駅職員らの手を借りて飾り付け。「(鉄道の)うんてんしゅになりたい」「らぐびーがじょうずになりますように」など、さまざまな願い事で彩られた笹竹の前で「たなばたさま」を元気いっぱいに歌った。

 

短冊につづられた子どもたちの思いに駅職員らは心を和ませる

短冊につづられた子どもたちの思いに駅職員らは心を和ませる

 

 千葉結月ちゃん(5)は「だがしやさんになれますようにって書いた。みんなを楽しませたいから」とはにかんだ。

 

 新型コロナウイルスの影響が続く今年は、「早くみんなで出かけたり食事ができますように」といった感染収束を願う短冊も揺らめく。吉田駅長も「駅にたくさんの人が来て、旅行を楽しんでもらうのが夢」と目を細めた。

 

 笹飾りは7月7日まで改札口付近に設置。一般の駅利用者も思いをつづって飾ることができるよう、短冊を用意している。

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

「みんなで海の環境を守ろう!」 釜石海保が子ども向けに教室

釜石海上保安部が開いた海洋環境保全教室

釜石海上保安部が開いた海洋環境保全教室

 

 6月は海上保安庁が定める「海洋環境保全推進月間」。釜石海上保安部(松吉慎一郎部長)は11日、釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児72人)で海洋環境保全教室を開き、きれいな海を守る大切さを園児らに教えた。

 

 同海保の若手職員4人が訪問。4、5歳児約50人を前に警備救難課の岡安健太さん(鑑識官)が、紙芝居「うみがめマリンの大冒険」を読み聞かせた。ウミガメのマリン君は好物のクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまい、命の危険にさらされる。海上保安官に助けられ、手術を受けて元気になるが、これは人間がごみを捨てなければ起きなかったこと。実際の海でも生き物たちが生死に関わる被害を受けており、「一人一人が海を大切にする気持ちを持つことが大事」と呼び掛けた。

 

紙芝居できれいな海を守る大切さを教えた

紙芝居できれいな海を守る大切さを教えた

 

 坂本心優(みひろ)ちゃん(5)は「マリン君が大変なことになって、寂しい気持ちになった。夏になると海で泳いだりする。遊びに行ってごみがあったら拾う」と誓った。

 

 教室では海上保安官の仕事についても紹介した。職員が「何の仕事をしていると思う?」と問うと、園児からは「海の安全を守る人!」と元気な答えが。「海のお巡りさん(警察官)、消防士さん両方の仕事をしている。海のものを盗む人を捕まえたり、溺れている人を助けたりする。きれいな海を守ることも仕事の一つ」と説明した。

 

 最後は同庁のマスコットキャラクター「うみまる」が登場。園児たちと触れ合い、キャラクター入りのファイルやマスクケースなどをプレゼントした。園児からは教室のお礼にと、絵や写真を貼った「ありがとう」カードが4人それぞれに手渡された。

 

海上保安庁のマスコット「うみまる」との触れ合いに笑顔満開!

海上保安庁のマスコット「うみまる」との触れ合いに笑顔満開!

 

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

手作りのカードでお礼の気持ちを伝える園児

 

 同教室は幼いころから海を大切にする意識を育んでもらおうと、市内の幼児施設に出向いて毎年実施。海保職員によると、昨年来のコロナ禍で自然志向のレジャーが注目され、管内でも釣り客などが増加。同時に海上を漂うごみも増えているという。「海でのレジャーを楽しんだ後は、必ずごみを持ち帰って」とマナー徹底を呼び掛ける。

袋の中に作った畑に夏野菜の苗を植えた園児。水やりも仲良く

「カンタン袋栽培」で夏野菜を作ろう~上中島こども園 育てた野菜は給食で

省スペースで野菜づくりが楽しめる袋栽培を始めた上中島こども園の園児たち

省スペースで野菜づくりが楽しめる袋栽培を始めた上中島こども園の園児たち

 

 プランターの代わりに袋に土を入れて野菜を育て、給食の食材に役立てようという取り組みが、釜石市上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児62人)で始まった。子どもたちに自分達の手で野菜を育て、植物の成長を観察したり収穫することで、▽安らぎの心▽不思議に思ったり、驚いたりする心▽命を感じ、大切にする心▽楽しむ心―といった「4つの心」を身につけてもらう食育の一環。1日、5歳児16人が夏野菜の苗の植え付けに挑戦した。

 

 袋栽培は、ホームセンターなどで売っている培養土の袋をそのまま使用し、種や苗を植えて育てる方法。新たにプランターなどを用意しなくてもよく、手軽に始めることができるのが魅力の一つ。ベランダやテラス、屋上や玄関先など、限られたスペースで野菜を育てるのに便利で、栽培が終わったあとの片付けも楽だという。

 

袋の中に作った畑に夏野菜の苗を植えた園児。水やりも仲良く

袋の中に作った畑に夏野菜の苗を植えた園児。水やりも仲良く

 

 この日、園児が植え付けたのはパプリカ、ナス、ミニトマトの3種類の野菜。培養土が入った袋の中を畑に見立て、穴を掘って苗を置いた。優しい手つきで土をかぶせた後、たっぷりと水やりをし、「大きくなってね」と声掛け。豊かな実りに期待を込めた。

 

 新屋陽菜ちゃん(5)は「(植えるの)カンタン。楽しかった。おいしくなってほしい。サラダ、食べたい」と収穫が待ち遠しそうだった。園児たちは、当番を決めて水やりをしながら成長を見守り、夏ごろに収穫。給食の食材として使ってもらい、新鮮なおいしさをみんなで味わうことにしている。

 

「大きくなってねー」と声掛けし、成長と実りに期待を膨らませる子どもたち

「大きくなってねー」と声掛けし、成長と実りに期待を膨らませる子どもたち

 

 同園ではガラス張りにした給食室を設け、調理過程を見せることで食に興味を持ってもらうといった食育活動を進めている。これまで給食事業は市運営で行ってきたが、今年からシダックスフードサービス(東京)に委託。同社から食育に関する情報と合わせ、苗など袋栽培の資材提供を受け、試験的に行っていた。

 

 今回、食育の推進につながると本格的な導入を決め、園独自で資材を購入。この袋栽培では収穫を終えた後も土を乾かすと再利用でき、3回ほど楽しめるという。環境に優しい仕組みに、同園では子どもたちのリサイクル力を磨く機会にもなると期待。楢山園長は「体験活動を通じ、大切にしてほしい心や気持ち、子どもたちの力を育んでいければ」と見守る。

大小さまざまなハロウィーンカボチャに笑顔を見せる園児たち

ハロウィーンにちなみ でっかいプレゼント〜正福寺幼稚園の子どもら、お化けカボチャに笑顔

大小さまざまなハロウィーンカボチャに笑顔を見せる園児たち

大小さまざまなハロウィーンカボチャに笑顔を見せる園児たち

 

 釜石市甲子町の正福寺幼稚園(菊池啓子園長、園児56人)に21日、市内の農家がつくった観賞用のカボチャが贈られた。ハロウィーン(10月31日)にちなんだプレゼント。新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、地域交流活動を縮小する子どもたちに、自然の恵みを感じながら季節のイベントを楽しんでもらおうと願いを込めた。

 

 同園に届いたのは直径20~30センチ、重さ5キロ前後のオレンジ色のカボチャ。中には直径50センチほどの「お化けカボチャ」もある。「でかーい」「おもいー」と歓声を上げる園児たち。村上希佳(ののか)ちゃん(4)はカボチャをパンパンとたたき、「パパのおなかと同じ音がする」と笑った。

 

 市農林課が企画。農業関連イベントの盛り上げを目的に、甲子町の農業佐々木四郎さんに飾りカボチャの栽培を依頼していた。コロナの影響でさまざまな活動が自粛、縮小傾向に。保育施設も同様で、「そんな中でも子どもたちに季節の行事を楽しんでもらいたい」と寄贈を決め、希望した市内の保育施設7カ所に届けた。

 

 同課の大瀧忠和課長補佐は「いろんな顔を作って楽しんでね」と子どもたちに話し掛けた。

 

 同園では1学期に園行事をほとんど行うことができなかった。今月行った運動会は、来場する家族の人数を制限。地域の人を招いたり、福祉施設などに出向いての活動も控えている。

 

 保育室を飾り付けし、季節感を味わう取り組みは行っていて、現在はハロウィーン仕様。菊池園長は「雰囲気づくりに役立つ。見て驚いたり、触って感じたり、子どもたちは楽しそう」と見守った。