暖房器具が出番迎える中、まちに響く「火の用心」 甲東こども園防火パレード
「火の用心」と声を合わせ、地域住民に呼びかける甲東こども園の防火パレード
暖房器具など火気の使用が増える季節を迎えたこの頃。空気も乾燥しており、火事に気を付けたい時期でもある。火災のない安全な地域になることを願い、釜石市野田町の甲東こども園(野田摩理子園長、園児143人)が11日、防火パレードを実施。3歳以上の園児に保護者らを加えた約140人が元気な声で「火の用心」を呼び掛けた。
同園の防火パレードは今年で37回目。そろいの消防はんてんを着た園児は、拍子木や太鼓の音に合わせて「戸締まりよーじん!火のよーじん!」と声を上げながら約1・5キロを行進した。隊列には消防署の広報車、消防団のポンプ車も加わり、呼び掛けをサポート。住民らは家の前に出て、笑顔で見守った。
元気な声で「火の用心」を呼び掛ける拍子木隊
園児たちは火災のない安全な地域になることを願って住宅街を行進した
近隣を巡った後、園庭で「防火の集い」。園児代表が「火遊びはしません。よい子になります」などと誓い、「マッチ一本、タバコの投げ捨て、子どもの火遊び 火事のもと」と消防標語に声を合わせた。釜石消防署の駒林博之署長は「元気のいいパレードだった。みんなの言葉は住民の多くに届いた。地域の火災ゼロにつながればいい」と協力に感謝した。
防火の集いで「気を付けて」とメッセージを送る園児たち
全国一斉に展開された秋の全国火災予防運動(11月9-15日)の一環。「おうち時間 家族で点検 火の始末」を統一標語に、重点目標には▽住宅火災防止▽乾燥時や強風時の火災防止▽放火対策の推進▽大規模施設の防火対策の徹底-などを掲げた。釜石署管内では新型コロナウイルス感染症の影響で、例年実施している市消防団による防火広報パレード、戸別の防火訪問指導を中止。年間を通して行う保育施設での防災教室、事業所の立ち入り火防点検や消防訓練は継続し、市民の防火意識向上へ啓発活動に努める。
釜石市内では今年、3件の火災があり、前年同期比6件減となっている。昨年12月には3件の火災が発生しており、釜石も含め全国的に電気や配線器具が関係する出火が多い傾向にある。駒林署長は住宅用火災警報器の点検や更新(10年)の必要性、設置の効果(死者、焼損面積は約半分、損害額は4割減)を強調。普及につながる取り組みを進めつつ、「防火に努めてほしい」と求めている。
釜石新聞NewS
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