子育て支援員としての活動に意欲を新たにする女性たち
釜石市子育て支援員研修の閉講式が18日、釜石市大只越町のカリタス釜石で行われた。子育て支援を担う人材確保のため、市が初めて実施した研修で26人が修了。それぞれ小規模保育を行う施設などでの保育士のサポート、子どもの一時預かり事業に従事する予定で、保育士不足の解消や待機児童の解消につながると期待される。
子育て支援員は、保育士不足で生じる待機児童の解消を目的に、国が2015年度に設けた制度。保育士の資格がなくても地域での保育に関心があれば、自治体ごとに実施する所定の研修を受けた上で認定を受けることができる。
市によると、昨年5月に市内13のこども園や保育所などにアンケートを行ったところ、合わせて16人の保育士が足りないとの回答があった。保育士を確保できず受け入れる子どもの数を減らすなどした施設もあるという。
また、現在市内に待機児童はいないが、年度途中に待機者が出るというのが近年の傾向だという。こうした背景を受け、子どもに関わり働く人材の質を保ちながら支援者を増やし、子育ての裾野を広げようと、5月から研修を開講した。
受講したのは、20代から60代の育児経験のある主婦や子育てボランティアを行っている女性たち。「地域保育コース」の基本研修8時間(2日間)、専門研修22時間(6日間)で、子どもの発達や保育の原理といった講義を受けた。保育施設で2日間の見学実習も。ニチイ学館、子育てを手助けしてほしい人とサポートする人を結ぶファミリー・サポート・センター(市がカリタス釜石に委託)などが指導した。
閉講式では市子ども課の千葉裕美子課長が「心強い人材。支援員として皆さんの人生が豊かになり、皆さんが愛情をいっぱい注いで子どもたちが一層心豊かに育ってくれることを期待します」とあいさつ。一人一人に修了証書を手渡した。
八雲町の主婦佐藤寿美子さん(37)は「一から保育の知識を得る機会になった。いろんな子ども、保護者への対応を考える必要性、救急法も学ぶことができた」と充実感をにじませた。子育て活動に取り組んできた仲間とともにNPO法人を立ち上げ、10月に小規模保育園を開園する予定。「利用してくれる人、自分たちも笑顔で保育できるような運営をしていきたい」と意欲を新たにした。
(復興釜石新聞 2019年6月22日発行 第801号より)
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