「カンタン袋栽培」で夏野菜を作ろう~上中島こども園 育てた野菜は給食で
省スペースで野菜づくりが楽しめる袋栽培を始めた上中島こども園の園児たち
プランターの代わりに袋に土を入れて野菜を育て、給食の食材に役立てようという取り組みが、釜石市上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児62人)で始まった。子どもたちに自分達の手で野菜を育て、植物の成長を観察したり収穫することで、▽安らぎの心▽不思議に思ったり、驚いたりする心▽命を感じ、大切にする心▽楽しむ心―といった「4つの心」を身につけてもらう食育の一環。1日、5歳児16人が夏野菜の苗の植え付けに挑戦した。
袋栽培は、ホームセンターなどで売っている培養土の袋をそのまま使用し、種や苗を植えて育てる方法。新たにプランターなどを用意しなくてもよく、手軽に始めることができるのが魅力の一つ。ベランダやテラス、屋上や玄関先など、限られたスペースで野菜を育てるのに便利で、栽培が終わったあとの片付けも楽だという。
袋の中に作った畑に夏野菜の苗を植えた園児。水やりも仲良く
この日、園児が植え付けたのはパプリカ、ナス、ミニトマトの3種類の野菜。培養土が入った袋の中を畑に見立て、穴を掘って苗を置いた。優しい手つきで土をかぶせた後、たっぷりと水やりをし、「大きくなってね」と声掛け。豊かな実りに期待を込めた。
新屋陽菜ちゃん(5)は「(植えるの)カンタン。楽しかった。おいしくなってほしい。サラダ、食べたい」と収穫が待ち遠しそうだった。園児たちは、当番を決めて水やりをしながら成長を見守り、夏ごろに収穫。給食の食材として使ってもらい、新鮮なおいしさをみんなで味わうことにしている。
「大きくなってねー」と声掛けし、成長と実りに期待を膨らませる子どもたち
同園ではガラス張りにした給食室を設け、調理過程を見せることで食に興味を持ってもらうといった食育活動を進めている。これまで給食事業は市運営で行ってきたが、今年からシダックスフードサービス(東京)に委託。同社から食育に関する情報と合わせ、苗など袋栽培の資材提供を受け、試験的に行っていた。
今回、食育の推進につながると本格的な導入を決め、園独自で資材を購入。この袋栽培では収穫を終えた後も土を乾かすと再利用でき、3回ほど楽しめるという。環境に優しい仕組みに、同園では子どもたちのリサイクル力を磨く機会にもなると期待。楢山園長は「体験活動を通じ、大切にしてほしい心や気持ち、子どもたちの力を育んでいければ」と見守る。
釜石新聞NewS
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