タグ別アーカイブ: 医療・健康

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

復興住宅の寄松さん100歳「今が一番充実」~釜石市、長寿を祝い記念品

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

100歳の寄松みささん。手前には得意の針仕事で作った巾着袋や小物が並ぶ

 

 釜石市は11月22日、只越町の復興住宅で暮らす寄松みささんに満100歳の特別敬老祝い金(5万円)と記念品の羽毛掛け布団、野田武則市長が筆をとった「寿」の額入り祝い状を贈った。寄松さんは「忙しいのに(来てもらって)、ありがとうございます」と感謝した。

 

 寄松さんは1921(大正10)年11月20日、青森県十和田市に生まれた。釜石・小川町出身の故幸一さん(享年64)との結婚を機に20歳代後半に釜石へ。樺太(現ロシア・サハリン)からの戦後引き揚げ者だった幸一さんが始めた飲食に関する事業などを手伝いながら、2男1女を育てた。50歳代になると、孫5人、ひ孫2人の成長を見守る生活が中心に。もともと手先が器用で、趣味の裁縫をしながら穏やかに暮らした。

 

 2011年の東日本大震災では津波で港町の自宅を失った。天神町の避難所、仮設住宅での生活を経て、約5年前に現在の復興住宅に入居。持ち前の明るい性格で不便な生活を苦にせず、お茶っこサロンなど人が集まる場に積極的に参加してきた。同居する長女久美子さん(69)は「(母は)いつも誰かのために過ごしてきたが、震災後は自分の時間を楽しむことができるようになった。被災して過去のものは失ったけど、人との出会いに恵まれた。交流が生きがいになり、今が一番充実して楽しいそう」と柔らかなまなざしを向ける。

 

100sai_0「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

「こんなに長生きするなんて。いい思い出になったね」と寄松さんに寄り添う久美子さん(右)

 

 寄松さんは8月に脳梗塞を患い、現在は車いす生活を送る。訪問した市高齢介護福祉課の山﨑教史課長が「市内には100歳以上の先輩が30人いる。これからも、ますますお元気で」と声を掛けると、寄松さんは「100歳まで生きるのは大変なことだよ。元気ならいいけど、寝たきりはやだね」と応じるなど健在。人をもてなすのが大好きだといい、「座ってください。煮しめとか食べて。ビールでも飲んで」と世話焼きの面も見せていた。

 

 釜石市の高齢化率(65歳以上)は9月末現在で40%。100歳以上は寄松さんが31人目で、最高齢は105歳の女性。

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

産み育てられるまちへ 釜石市が妊産婦支援策 相談体制強化・助成拡充

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

出産や子育ての不安解消に向けたサポートに意欲を高める「妊産婦支援チーム」のメンバー=9月10日、市保健福祉センター

 

 釜石市甲子町の県立釜石病院で10月から普通分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することを受け、市は妊産婦支援に向けた対策の強化に乗り出した。9月1日から、市子育て世代包括支援センター内に、保健師と助産師ら5人体制の「妊産婦支援チーム」を設置。分かりやすい相談窓口として門戸を開き、妊産婦らの不安解消につなげる。市外で出産する妊産婦の通院交通費や待機宿泊費などを助成する支援策も拡充し、10月に開始。関係機関と連携、情報共有し、女性の意見も取り入れながら、「安心して子どもを産み育てられるまちづくり」を進める。

 

妊産婦の不安解消へ 支援チーム設置

 

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

妊産婦への支援や対応を話し合うチームメンバーら=9月10日、市保健福祉センター

 

 妊娠・出産・子育ての総合相談窓口となる同支援センター(大渡町、市保健福祉センター2階)は、市保健福祉部内に2017年度に設置された。健康推進課で妊娠届出書の受け付けや母子健康手帳の交付時に妊産婦らと面談し、状況を初期から把握。相談支援に応じ、必要なサービスを切れ目なく利用してもらう体制を整えてきた。

 

 妊産婦支援チームは市内での分娩機能休止を受け、出産を控える女性らの不安を解消し、安心して出産できる体制を強化するため設置。妊娠期の食事や栄養、出産後の体調管理、子どもの発育、育児など幅広く相談に応じる。子育て期まで必要な情報提供や専門知識を生かした助言、保健指導も行う。

 

 「妊産婦支援チーム、分かりやすい名称が一番のポイント。窓口はここです」と強調するリーダーの村上美波さん(保健師)。女性たちが地域で安心して出産を迎え、子育てができるよう専門スタッフで支えていこうと奮闘中で、「ささいなことでも心配事を気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。

 

市外での出産支援策 交通、宿泊費など助成 給付金も

 

県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

【写真・意見交換会】県立釜石病院の分娩機能休止に関する意見交換会。子育て世代の声も取り入れて支援策をまとめた=7月16日、釜石市民ホール

 

 市外で出産する妊産婦の経済負担を軽減するため、市は支援策として通院交通費や出産前の待機宿泊費などを助成する。県のハイリスク妊産婦助成(1人10万円上限)に加え、市独自事業としてハイリスク以外の妊産婦も妊娠32週以降の通院費などを1人5万円を上限に助成する。妊婦が周辺の宿泊施設に待機が必要な場合の付き添いの家族らの宿泊費、交通費にはタクシーも含め、上限額の範囲で助成。里帰り出産を予定する妊婦も助成対象とする。事業費は334万円。

 

 追加策として、妊婦1人当たり3万円を給付する。対象は市に住民登録があり、10月1日以降に出産予定の妊婦などで母子健康手帳交付時に申請を受け付ける。開始日以前に県立釜石病院から市外病院に転院した妊婦らも対象とする方針で、給付・申請に関する周知に集中して取り組む。事業費は450万円。2つの支援策は2021年度一般会計補正予算案に盛り込まれ、17日の市議会9月定例会で可決された。

 

 こうした支援策は県や大槌町との協議、子育て中の女性らの声を参考にまとめた。支援チームの立ち上げもその一つ。市地域医療連携推進室の岩崎隆室長は「妊産婦の不安を解消しながら、安心して産み育てる環境の整備に全力で取り組む」と力を込める。

 

 問い合わせは妊産婦支援チーム(市健康推進課内、電話0193・22・0179)へ。

 

県も支援策 安全確保・不安解消・産後ケアを柱に

 

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

妊産婦支援策について説明する県医師支援推進室、県立釜石病院の関係者ら=9月17日、県釜石地区合同庁舎

 

 県は17日、妊産婦の安全確保、不安解消、産後ケアの充実を柱とする支援策を発表した。患者搬送車などで利用するモバイル型妊婦胎児遠隔モニター2台を県立釜石病院に追加整備し、安全を確保。電子カルテの一元化や分娩施設の事前見学などで検診と出産する病院が変わることの不安解消につなげる。

 

 同病院内でデイサービス型の産後ケア(有料)事業を始める。健康状態のチェックや乳房マッサージ、赤ちゃんの食事や発育の相談などを検討しており、産後ケアを強化。妊産婦からの電話相談は同病院の助産師が24時間態勢で対応する。

 

 県医師支援推進室の植野歩未室長は「地元の思いを重く受け止め、安全確保や不安解消に取り組む。支援策の運用開始後のさまざまなニーズや改善要望に柔軟に対応していく」とした。

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

地域医療を守る 釜石地域母親大会 改善を目指す行動への思い共有

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

地域医療をテーマにした釜石地区母親大会

 

 釜石市、大槌町の母親や女性が集い、平和や教育、生活について考える釜石地域母親大会(同実行委員会主催)が11日、釜石市中妻町の昭和園クラブハウスで開かれた。67回目となる大会には約20人が参加。県立釜石病院が循環器内科診療体制の縮小や産婦人科の分娩休止という問題で揺れる中、「地域に信頼される充実・安心の医療を」をテーマに命と暮らしを守る行動について意見を交わした。

 

 地域医療を守る会幹事の岩鼻美奈子さん(69)が県立釜石病院の病床数、患者数、医師数の変遷、病院の機能低下により住民が受ける影響などを解説。人口減少でも住みたい街、安心して暮らせる街を目指すため、「社会の仕組みと現実の動きを知り、改善を目指して発信し、行動する必要がある。主体は自分として市、町政に積極的に関わっていこう」と呼び掛けた。

 

参加者は住民の安心を守る地域医療について意見を交わした

参加者は住民の安心を守る地域医療について意見を交わした

 

 実行委員長で県立釜石病院の助産師森優子さん(45)=県医労釜石病院支部長=は同会が行った署名活動、市や県への要請活動について報告した。医師確保の難しさから昨年10月に休止された循環器内科の入院受け入れ、今年3月の分娩休止の方針発表を受け始めた署名活動では約1万6000筆を集め、6月に県議会に請願書を提出。病院関係者との懇談や県議との意見交換を重ねてきたが、8月に「特定の地域の問題での請願では不採択になる可能性がある」と返答があったという。「市民に大きく影響が出る問題なのに」とやるせなさを覚えたというが、「医療機能の低下は私たちの命、生活に直結する。住民や現場の声を聞いて考えるべき」と語気を強めた。

 

 報告などを受けた意見交換で、参加者からは「政策は男の人たちが考えている。簡単に決められるのは困る」「本来、病院は命を助けるところ。助かる命も助からない方向に行っているのでは」と懸念の声が聞かれた。「働いている世代も問題意識はあるが、行動しづらい」「地域の現状に目を向け、当事者意識を持ち、万一に備えて考えなければいけない」という指摘もあった。

 

 森さんは「皆さんの声を聞き、安心して子どもを生み育てられるため取り組む運動の力にしたい」と気分を一新。大会開催をばねに地域医療を守る活動が広がることを期待する。

食生活改善推進員養成講座の開講式

食を通じた健康づくり活動を推進~食生活改善推進員養成講座始まる

食生活改善推進員養成講座の開講式

食生活改善推進員養成講座の開講式

 

 地域の食生活改善活動を担う釜石市食生活改善推進員(食育アドバイザー)の2021年度養成講座が6日、始まった。主婦や食に関する職場で働く30~70代の女性ら6人が受講。12月まで8回にわたり、栄養バランスの取れた食事や運動など食生活の改善に必要な知識、技術を学ぶ。

 

 大町の青葉ビルで行われた開講式で、市健康推進課の鈴木伸二課長が短命、脳血管性の疾患による死亡率が高い傾向にあるといった地域の状況を紹介。「みんなで健康になれるまちづくり」を目標に掲げ市政を上げて取り組む考えを示し、「健康に関係する分野は食、運動と多岐にわたるが、特に食習慣は大事。講座受講後、最前線に立って市政の目標に向かい協力を」とあいさつした。

 

 市食改員協議会の佐々木ひろ子会長が祝辞。「チャレンジすることは、飛躍できるチャンス。健康でいるための知識を学び、吸収し、日々の生活に役立ててもらえたら。学びを周囲に伝え、地域の健康づくりにつなげてほしい」と激励した。引き続き1回目の講座があり、佐々木会長や同課職員が食改員の活動、「国民の健康と生活習慣病予防」をテーマに講話した。

 

 受講者の多くが以前から食に関心を持っている様子で、「食べることが好き。健康でいたいし、食べ物に気を使っていきたい」「昨年出産した。子どもの食事を学べたら」などと自己紹介した。退職、子育てや親の介護を終え、「一息ついた。何かにチャレンジしてみようと思った」と話す人も。親子を対象にした料理教室を開いている人は「アドバイスできるようになりたい」と意欲を見せていた。

 

自己紹介で受講のきっかけなどを伝え合った

自己紹介で受講のきっかけなどを伝え合った

 

 この講座は地域における食育、健康づくりを推進するため食生活を通じたボランティア活動を行う食改員の養成が目的。バランスの取れた食事・献立の立て方、食品衛生、心の健康、口腔(こうくう)の健康に関する講義、運動実技などが組み込まれている。調理実習は新型コロナウイルス感染症予防のため、調理のみ行い、料理は自宅に持ち帰って試食する。

 

 市内の食改推進員は現在99人。30~80代の男女会員が食育、郷土料理伝承、生活習慣病予防に力を入れ活動している。

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

県立釜石病院建て替え・分娩確保など 釜石市 県に15項目要望

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

沿岸振興局の幹部職員にさらなる支援を訴える野田市長

 

 釜石市は8月27日、県沿岸広域振興局に対し、▽県立釜石病院の感染症病棟を含めた建て替え整備▽釜石保健医療圏における普通分娩の確保▽土砂災害などの対策事業促進による安全・安心なまちづくりの推進▽釜石港の国際貿易拠点化に向けた着実な整備促進・機能強化▽市内高校ラグビー部強化に向けた取り組み―など15項目を要望した。

 

 県の来年度予算編成に向けた市町要望は新町の釜石地区合同庁舎で行われ、市側は野田武則市長、木村琳蔵市議会議長、担当部長らが出席。沿岸振興局側は森達也局長、葛尾淳哉副局長らが応じた。

 

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

釜石市が重要案件として要望に盛り込んだ県立釜石病院

 

 野田市長は「要望項目は重要な案件ばかり。特にも釜石病院の分娩休止は妊婦の思いに寄り添って対応していく必要があり、建て替えについては具体的なところに入っていきたい。必要な医療資源を取りまとめていくので、思いをくみ取ってほしい」などと支援を求めた。

 

 木村議長は「医療はまちづくりの核。大事な基幹病院である県立釜石病院の機能確保を」と重ねて要請。高橋勝市教育長は「新型コロナウイルス感染症がもたらす社会的影響により、子どもたちの不安感も多くなると予想される」とし、児童・生徒の心のケア対策としての臨床心理士、スクールソーシャルワーカーの継続的な派遣を求めた。

 

 市の要望に対し、森局長は「釜石地域の振興に不可欠、基礎的な項目で、実現に向け努めていきたい。本庁に投げかける時に具体的な内容を教えていただければ後押ししやすい。一日でも早く前に進めていけるようにしたい」と理解を示した。

 

 担当部長らが各項目に対する具体策を回答。県立釜石病院の整備計画について、「建て替えと既存施設を改修した場合の投資規模や効果、県立病院全体の経営に及ぼす影響などを考慮し、検討を進めていく」と述べるにとどめた。分娩の確保については「大船渡病院と役割分担しながら産前産後ケアの充実や相談体制を構築し、妊産婦検診や婦人科外来を行う。市町村と連携し周産期医療の充実に努め、釜石地域の妊産婦を支えていきたい」とした。

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者「安心した」 釜石市でコロナワクチン集団接種始まる

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

高齢者を対象に始まった新型コロナワクチン集団接種。スムーズに進んだ初日は、想定より30分以上前に終えた

 

 65歳以上の高齢者を対象にした釜石市の新型コロナウイルスワクチン集団接種が16日、港町のイオンタウン釜石3階催事スペースで始まった。専用のコールセンターを通じて予約した130人が1回目の接種を受けた。

 

 釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師2人と看護師や市職員ら34人体制で対応。市によると、接種はおおむねスムーズに進み、体調不良になる人もいなかったという。

 

 1回目から3週間後に2回目を接種する。箱崎町の男性(77)は「痛みもほとんどなく、スムーズにできた。妻にアレルギーの不安もあったが、無事に終わって安心した」と肩の力を抜いた。

 

 野田武則市長(68)も接種を受け、経過観察の合間に取材に応じた。「大きなトラブルがなくて良かった。今回の結果を踏まえて今後に生かす」と強調した。

 

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

野田武則市長も1回目を接種。市民の不安解消に腕をまくった

 

 今後、イオン釜石会場での集団接種は毎週日曜日に実施していく。高齢者向けの接種に関し、国は7月末完了を目標に掲げる。これを受け、市ではワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、予約枠や開設日増など体制の見直しを図る方針。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「多くの人が速やかに接種できるよう体制整備に努めていきたい」と話した。

看護師による接種の模擬訓練

新型コロナウイルスワクチン集団接種~5月中旬からの実施に向けイオンタウン釜石で模擬訓練

問診ブースのシミュレーション

問診ブースのシミュレーション

 

 釜石市は、5月16日から始まる高齢者の新型コロナウイルスワクチン集団接種に向けた模擬訓練を17日、接種会場となるイオンタウン釜石3階催事スペースで行った。一連の流れを確認し課題を修正した上で、実際の接種に臨むために実施。担当する釜石医師会(小泉嘉明会長)の医師と看護師、保健師ら市の職員が、地域の高齢者の協力を得てシミュレーションし、改善点などを洗い出した。対象となる65歳以上の高齢者には23日までに接種券が郵送される予定で、26日から予約を受け付ける。

 

 訓練には大町、只越町に暮らす高齢者28人が協力。関係者合わせ約120人が参加した。接種は①検温・手指消毒②受付③問診④診察⑤接種⑥接種済証発行⑦状態観察⑧2回目の接種予約―の順に進む。各ブースで担当者が実践し、人員、備品、会場内の配置などについてチェック。副反応が出た場合の救護体制も確認し、安全でスムーズに接種できるよう本番に向けて課題を整理した。

 

看護師による接種の模擬訓練

看護師による接種の模擬訓練

 

 大町の亀谷英男さん(78)は「概ねスムーズにいったんじゃないか。不安もなかった。今は家から出るのは食料の買い出しぐらい。ワクチンを打てば少しは安心かな」。大町の中川カヨ子さん(73)は「戸惑った部分もあったが、本番に向け体験できて良かった。ボランティアで高齢者や子どもたちがいる所に行く機会が多いので、接種は安心材料になる」と期待した。

 

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

接種後15~30分の状態観察で体調などを確認

 

 訓練後、各担当が気付いた点を発表。問診時のアクリル板設置による聞き取りづらさ、既往症歴や服薬状況が分からない時の対処、接種時の服の着脱時間短縮の工夫、2回目予約のシステムトラブルが発生した場合の対応、誘導係の増員―など、さまざまな指摘、改善への提案があり、検討して本番に備えることになった。医師会の小泉会長は「一番の問題は問診。トラブル回避のため、分からないことは医師に聞いてほしい。なるべく早く多くの人が接種できるよう、医師会も全面協力する」と話した。

 
2回目の接種予約をして終了

2回目の接種予約をして終了

 

 市によると市内の接種対象高齢者は約13000人。長期入院患者、施設入所者と職員への接種は今週から開始された。その他の高齢者接種は、市内17医療機関(かかりつけ医)での個別接種が5月10日から順次開始。イオン釜石会場での集団接種は5月16日から毎週日曜日に実施される。いずれも事前予約が必要。

 

 市では集団接種の対象者を、かかりつけ医療機関を持たない1800人程度と推定。ワクチン供給や接種状況を見て医師会と協議しながら、6月上旬をめどに体制(予約枠、開設日増など)の見直しを図る。市新型コロナワクチン接種推進室の佐々木尊子室長は「2回目接種の分も考え、最初は慎重にスタートする。住民が安心して受けられるよう体制整備に万全を尽くしたい」と意を強くする。

自費PCR検査サービスを拡大、感染リスク抑止へ回収ポスト設置〜薬王堂とセルスペクト、釜石(小佐野・鈴子)2店にスポット

自費PCR検査サービスを拡大、感染リスク抑止へ回収ポスト設置〜薬王堂とセルスペクト、釜石(小佐野・鈴子)2店にスポット

薬王堂釜石小佐野店に設置された自費PCR検査サービスの受付スポット

薬王堂釜石小佐野店に設置された自費PCR検査サービスの受付スポット

 

 東北6県でドラッグストアを展開する薬王堂(矢巾町)と医療機器メーカーのセルスペクト(盛岡市)が、個人や企業などに向けて提供する新型コロナウイルスの自費PCR検査サービス。これまで受付店舗は県内陸部が主だったが、16日から沿岸部にも拡大された。釜石市内では小佐野店と鈴子店の2店に検体受付スポットを設置。日常的に検査を受けられる体制を確保することで、感染拡大リスクを抑える狙いがある。

 

 昨年12月に始まった同サービスでは、検査キットを専用サイト(http://cellspect-yakuodo.com/)で購入。自身で採取した唾液を安全パックに梱包(こんぽう)して回収場所に持参するだけで、人と接触することなく検査を受けられる。

  

 受付スポットは薬王堂店舗敷地内に設置。専用容器はセルスペクトが回収して検査を行い、受け付け翌日にはウェブサイトで結果が確認できる。郵送での通知も可能で、受け付け後3日以内に発送される。

 

 送料込みで1万6千円(税別)。価格は高いが、保健所からPCR検査を受託する衛生検査所のセルスペクトが検体の回収・検査までを行う体制により、厚生労働省による検査指針に準拠した精度管理がなされた行政検査と同様の検査が受けられる。

 

 これまでの青森、岩手、宮城、秋田4県の39店に加え、16日以降に岩手の沿岸全域、宮城県気仙沼市、秋田県仙北市(角館)の18店で受け付けが可能となる。

 

 受け付けエリア拡大で新たにスポットが設置された薬王堂釜石小佐野店。店舗内ではなく、建物の外、商品搬入口そばに回収ポストを設け、従業員らに声掛けすることなく、投入してもらえるようになっている。回収は火・木・土曜日の週3回で、投入可能時間は午前8時から午後1時まで。

  

 18日に回収に訪れたセルスペクトの岩渕拓也社長(42)は「地域でいつでも検査を受けられるようになっている。県外への往来、やむを得ず活動する場合の感染拡大防止対策の一助になれば。当たり前の感染対策を続ける啓発にもなれば」と話す。

 

 検査結果を証明書としてほしい場合や従業員の検査をまとめて実施したいといった企業の要望などへの対応も検討。同サービスに関する問い合わせは、衛生検査所(電話019・681・2099/受付時間は午前9時~午後5時)へ。

まちの復興状況を見ながら歩く大会参加者=鵜小、東中グラウンド脇の道路

W杯の余韻楽しみウォーキング〜県協会主催 221人参加、鵜住居の今を体感

まちの復興状況を見ながら歩く大会参加者=鵜小、東中グラウンド脇の道路

 

 岩手県ウオーキング協会(佐藤良介会長)主催の第19回県ウオーキング大会は17日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムを発着点に行われた。県内持ち回りで開催される同大会が釜石で開かれるのは第7回以来12年ぶり。各地の協会員と一般参加者221人が、ラグビーワールドカップ(W杯)の余韻が残るスタジアム周辺を歩き、震災から8年8カ月の鵜住居の今を体感した。

 

 出発式で佐藤会長は「W杯の熱戦を振り返りながら、震災復興の状況も見てもらえれば」と呼び掛けた。

 

 5キロと10キロの2コースを用意。両コースともスタジアム内にある津波祈念碑「あなたも逃げて」、鵜住居駅前の「祈りのパーク」、鵜住神社に立ち寄り、震災犠牲者を慰霊。寺前交差点までは同じ道をたどり、10キロ組は片岸町へ。国道45号を進み、震災後に整備された高さ14・5メートルの防潮堤に向かった。堤上部の遊歩道から、大槌湾の景色や復興が進む町並みを目に焼き付けた。5㌔組は同交差点からスタジアム方面へ折り返し、根浜海岸へ。津波記憶石、島倉千代子の歌碑も見学し、スタジアムに戻った。10キロ組も片岸から根浜に向かい、同様にゴールした。

 

 花巻協会に所属する伊藤貴昭さん(76)はウオーキング歴約20年。「子どもが小さいころ、根浜海水浴場に来たことがある。今回は防潮堤からの眺めも楽しみ。内陸の山育ちには海が憧れ」と元気に歩みを進めた。

 

 北上市協会の千田淳子さん(68)は「甚大な津波被害があった所。その場に立つと胸が詰まりますね」と、追悼施設などで犠牲者へ鎮魂の祈りをささげた。まちの様子もつぶさに見ながら、「復興は楽な道のりではない。まだまだ大変なんだろうと思う。でも一歩一歩進んでいくしかないし、いってほしい」と願いを込めた。

 

 この日は晴天に恵まれたものの冷たい強風が吹き荒れ、秋から冬への移ろいを色濃く感じさせた。大会を主管した釜石市協会の桝井昇会長は「200人を超す人たちに参加いただき、ありがたい。つわものたちが奮闘したスタジアム、復興途上のまちを心に刻み、沿岸特有の空っ風も十分味わっていってほしい」と話した。ゴール後は市の担当者からスタジアムについての説明も受けた。

 

(復興釜石新聞 2019年11月23日発行 第844号より)

 

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。

問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3

麻しん(はしか)にご注意を!

麻しん(はしか)にご注意を!

国内で麻しん(はしか)が流行しています

 

三重県や大阪府をはじめ全国各地で148人の麻しん(はしか)の発症報告がありました。(平成31年2月6日現在)
研修会場や新幹線、商業施設など不特定多数の人が集まる場所での集団感染と連日報道されています。
 
感染症にかからないように、うつさないように、麻しん(はしか)を知り、予防に取り組みましょう。

~麻しん(はしか)ってどんな病気~

麻しんウイルスに感染することで引き起こされる、急性の全身感染症です。ヒトからヒトへの感染力は極めて強く、1人の患者さんから12人~14人に感染すると言われています。ちなみに、インフルエンザは1人~2人なので、麻しんウイルスの感染力の強さが分かります。
 
感染経路は「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」です。免疫を持たない人が感染すると、ほぼ100%の方が発症します。
 
昔は、近所で麻しん(はしか)が出ると、わざわざもらいに行き、免疫をつけようとしたほど恐れられていました。予防接種を徹底してから激減し、平成27年WHO西太平洋事務局から、日本が麻しんの排除状態にあると認められました。
 
しかし、平成30年3月に、海外から麻しんに罹っている旅行者が沖縄県に来て集団発生するなど、海外渡航による感染が報告されるようになりました。
 
ラグビーワールドカップや東京オリンピックを控えている今、かからないように,うつさないように取り組みが必要になります。

~麻しんの症状は~

約10日間の潜伏期間の後、38℃程度の発熱、かぜ症状が2~3日続くため、かぜと思う方も多いでしょう。
 
その後、39℃以上の発熱とともに発疹が現れます。この他、咽頭痛、咳、鼻水、目の充血(目やに)、頬の裏側に口内炎のような白い斑点(コプリック斑)が現れるのも特徴です。
 
肺炎や中耳炎を合併し、まれに脳炎を発症することもあります。肺炎や脳炎は重症化し、死亡することもあります。

~予防の基本は予防接種です~

先にお話ししたとおり、麻しんは非常に感染力が強く、手洗いやうがい、マスクだけでは十分な予防が出来ません。
 
ここで、効果を発揮するのが「予防接種」です。予防接種を必要な回数をきちんと接種することが重要です。

 

【定期接種対象の方】
第1期:生後12か月から生後24か月に至るまでの間にあるもの(個別通知あり)
第2期:小学校入学前の1年間(個別通知あり)
 
【それ以外の方は確認をお願いします】
①母子健康手帳で麻しんワクチン、麻しん風しん混合ワクチンを2回接種している
②麻しんにかかったことが明確であること
③すでに、十分な抗体価を保有している
※記録がない場合は「接種をうけていない、かかっていない」と考えて、かかりつけの医療機関にご相談のうえ、抗体検査や予防接種を検討しましょう。

~おかしいなと思った時は~

麻しん(はしか)を疑うような症状(高熱・発疹・咳・鼻水・目の充血など)が現れた場合は、必ず医療機関へ事前に連絡し、麻しん(はしか)の疑いがある事を伝えて下さい。公共交通機関の利用は控える等医療機関の指示に従いましょう。

この記事に関するお問い合わせ
釜石市 保健福祉部 健康推進課
〒026-0025 岩手県釜石市大渡町3丁目15番26号
電話 0193-22-0179 / FAX 0193-22-6375 / メール
元記事:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/kurasu/kenko_iryo/seijin_hoken/detail/1225992_2267.html
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元気なお年寄り90人が、はつらつと100歳体操し健康長寿をアピール

元気なお年寄り90人が、はつらつと100歳体操し健康長寿をアピール

 

 釜石市地域包括支援センターは26日、介護予防に効果のある「いきいき100歳体操」に取り組む市民を対象にした交流会を釜石情報交流センター釜石PITで開いた。参加した約90人全員で体操を実践したほか、市内各地で行われている工夫を凝らした体操の取り組みについて情報交換。効果を認識し、取り組みへの意欲を一層高めた。

 

 いすに座ってできる体操は2002年に高知市が開発。重りを着けてゆっくりと手足を動かす運動などで筋力をつけ、介護予防につなげる。市内では同センターが昨年度から鵜住居、小佐野、甲子地区の町内会などに呼び掛け、同体操を取り入れた事業を開始。現在、10団体約150人が体操に取り組んでいる。

 

 交流会は体操に参加する人同士の相互交流や、他地区の活動内容を知ることで今後の活動に生かしてもらうのを狙いに初めて開催。同センター保健師の佐々木みゆきさんが「健康で自立した高齢者」をキーワードにした介護予防について説明。釜石リハビリテーション療法士会の千葉悟副会長が体操のポイントについて、実践を交えて解説した。

 

 団体紹介では、それぞれの取り組み、体操の効果などを発表。▽重りなどの道具を手作り▽活動を知らせるためのカラフルなチラシ作りと町内の掲示板の活用▽体操のためだけに集まるのはもったいないと、頭の体操や卓球、お茶飲みなどと組み合わせている―といった工夫が紹介された。

 

 体操を3カ月続けた後の感想では「楽に、長く歩けるようになった」「腰痛があるので無理はできないと思いつつ参加したが、腰痛が気にならなくなった」「つまずかずスムーズに行動できるようになった」などの声があった。「話をする機会、笑う回数が増えた」との利点も挙げられた。

 

 定内町の「ニコニコ会」で活動する小国チヨ子さん(81)、高堰ミツさん(82)は「週1回、みんなの顔を見るのが楽しみ。体操で体が軽くなるのもいいが、お茶飲みのおしゃべりが楽しい。元気じゃなくても元気な気分になる。体と相談しながら、ゆっくり長く続けたい」と笑顔を重ねた。

 

 同センターの三浦功喜所長は「楽しい時間を過ごすよう各団体で工夫が見られる。元気な体を維持したいとの思いも感じる」と総評。市内全域に取り組みの輪を広げたい考えで、「筋力アップ、体力向上につながる体操を続け、いきいき、はつらつ、元気に年を重ねてほしい」と呼び掛けた。

 

(復興釜石新聞 2018年6月30日発行 第702号より)

 

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3カ月続けた体操の成果を測定する野田団地町内会の住民ら

「百歳体操」成果を確認、野田団地町内会〜全身運動 気分も若返る、市内7団体が取り組み

3カ月続けた体操の成果を測定する野田団地町内会の住民ら

3カ月続けた体操の成果を測定する野田団地町内会の住民ら

 

 釜石市野田町の野田団地町内会(黒田至会長、約310世帯)は28日、町内の復興公営住宅に設置された小佐野公民館野田団地分館で体力測定を行った。今年2月26日から市地域包括支援センターの指導を受け、週1回の「いきいき百歳体操」に取り組んでおり、この日は3カ月間の成果を確認した。

 

 いきいき百歳体操は、高齢者の体力維持や介護予防を目的として高知市が2002年に開発した筋力トレーニング。手足首に重りを着け、テレビで映像を見ながら腕や膝のほか、全身を使った運動が、ゆっくりとしたペースで行える。

 

 この日は16人が参加した。始まったときに測定した、片足立ち、30秒間に立ったり座ったりを何回できるか、5メートルを何秒で歩けるかなど計7項目を改めて測定。3カ月間体操を続けた成果は後日手渡されるとのことだが、参加者は「姿勢がいい」「歩幅が広い。(歩くのも)早い」など互いの変化を実感した様子だった。

 

 岡久子さん(82)は腰痛とそれに伴う足のしびれがあり、外出は車での移動がほとんどで筋力の衰えを感じていた。体操を始めると、家の中でもよく動くようになり、「歩く時のふらつきがなくなった。転ばなくなった」と効果を認識。同公民館に行くにも車で迎えに来てもらっていたが、この日は自力で歩いて来た。「運動することで体が悪くないという状況を維持できているようだ。同級生にも会えて気分も若返る」と笑顔を見せた。

 

 体操は3カ月で一区切り。黒田会長(67)は「体操は顔見知りの人を増やす、外出のきっかけ、コミュニティーづくりにつなげるのが目的。要望を受け、これからも継続していく。歌に合わせて体を動かすなどバリエーションも増やしていきたい」と話した。

 

 同センターでは住民力を生かした介護予防、地域の支え合い活動につなげてもらおうと、昨年度から百歳体操を取り入れた事業を開始。同町内会など小佐野地区をはじめ、鵜住居、甲子地区の7団体が取り組んできた。

 

 3地区以外にも広がりを見せ、本年度は10団体が活動。小佐野地区生活応援センター主任保健師の白岩由紀子さん(44)は「お世話する人が地域にいると活動は浸透、定着する。この取り組みが市内全域に広がり、みんなが元気に年を重ねていってほしい」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2018年5月30日発行 第693号より)

 

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