ラグビー新リーグに向けた動きについて記者会見に応じる釜石SW関係者
ラグビーのトップリーグ(TL)を刷新して来年1月にスタートする3部構成の新リーグ「リーグワン」。釜石シーウェイブス(SW)RFCは2部に入り、全6チームで1部昇格を争う。7月16日、釜石市大町の釜石PITで記者会見に応じた桜庭吉彦ゼネラルマネジャーは「2部に甘んずることなく前に進み、3年以内に1部に昇格し、10年後にチャンピオンシップを狙えるチームに」と決意を示した。
新リーグには、釜石SWを含む国内24チームが参加。1部には昨季優勝した埼玉パナソニックワイルドナイツなど12チームが入り、2部と3部は各6チームとなった。1~3部でシーズンごとに入れ替え戦を行う。
会見には、坂下功正総監督、須田康夫ヘッドコーチ(HC)、小野航大主将も出席。2部は昨季の成績で見ると、格上のチームが多い。坂下総監督は「体の大きいチームが挑んでくる。負けないフィジカルをつくることが必要になる」と強調。小野主将は「レベルの高いリーグに加入することができた。より高いモチベーションを持ちシーズンを迎えることができるよう準備していく」と力を込めた。
会見に臨む(右から)小野主将、須田HC、坂下総監督、桜庭ゼネラルマネジャー
今季のチームスローガンは「REVIVE(リバイブ)」。よみがえる、復活などの意味を持つ。「震災の時、多くの支えで活動を継続できた。新リーグをきっかけに、『ここにいる』との思いを伝えたい」と須田HC。桜庭ゼネラルマネジャーは新日鉄釜石の日本選手権7連覇、ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催などに触れながら、「新しい釜石ラグビーの歴史を紡いでいきたい」とした。
リニューアルしたエンブレムや、ニュージーランド代表としてのプレー経験もあるブレット・キャメロンら新規加入選手についても発表。キャメロンら外国人選手は、9月以降にチームに合流する予定だ。
釜石SWの新エンブレム
「釜石SW応援」地元の老舗和菓子店・小島製菓、売り上げ寄付
釜石SWを応援しようと、寄付金を贈った小島製菓の関係者(前列右)ら
釜石SWの会見に合わせ、上中島町の小島製菓(菊地広隆社長)は同日、自社製品「釜石ラグビーパイ」の売り上げの一部をSWに寄付した。ラグビーで地域を盛り上げるチーム活動を後押しするのが目的。桜庭ゼネラルマネジャーに寄付金の目録を手渡した菊地社長は「未来に光り輝くものを残したい。今後の活動に役立ててほしい」と願った。
ラグビーパイは、ラグビーボールの形に似せたパイ生地で自家製の粒あんやチョコあんを包んだ菓子。ラグビーW杯日本大会の開催決定を受け、2017年に作った。釜石SWの活躍とともに、土産品としての利用も好調で、累計100万個を売り上げるヒット商品となっている。寄付は20年の売り上げの一部を充てた。
釜石SW、交流試合などの日程発表
会見では、9月26日に「ともだちマッチ」として、釜石鵜住居復興スタジアムで静岡ブルーレヴズと交流試合を行うことも発表。東日本大震災以降、さまざまな支援活動や交流事業を続けてきたヤマハ発動機ジュビロがチーム名を変更し、再訪する。
11月14日にはラグビーW杯日本大会のレガシー(遺産)を継承するイベントとして、同スタジアムで神戸製鋼コベルコスティーラーズと記念試合を行う。県や市などでつくるイベント実行委での承認を受け、7月19日に発表した。「大震災の被災地」「日本選手権7連覇」のキーワードで結び付く両チームの対戦に、釜石SWは「ポジティブなメッセージを届けることができれば」としている。