釜石市野球協会 今季の活躍、長年の功労で学童選手、故監督2人を表彰
釜石市野球協会 2021年度表彰式=4日
釜石市野球協会(福成和幸会長)は4日、2021年度のシーズン終了にあたり、市内のホテルで表彰式を行った。協会登録チームの代表など23人が出席。各種大会の結果が報告され、顕著な活躍を見せた学童1選手を特別表彰。社会人チームの監督を長年務め、社会福祉にも貢献した1故人に感謝状を贈った。
特別表彰を受けたのは、野球スポーツ少年団「釜石ファイターズ」に所属する唐丹小6年の柏海埼(みさき)君。2県大会で、いずれもフェンスオーバーの3本塁打(ツーラン1、ソロ2)を放つ快挙を見せ、「年間3本塁打賞」を受賞した。投手、捕手としてもチームの主力を担う柏君。表彰式当日は宮城県への遠征試合と重なったため、代理出席した祖父の信太郎さん(77)が表彰状を受け取った。
特別表彰を受けた柏海埼君(唐丹小6年)の代理で出席した祖父の信太郎さん(左)
協会への功労などで感謝状を贈られたのは、一般(C級)、OB(壮年)、早起き野球の3チームを擁する「ヨーカクラブ」の監督を務め、本年8月に急逝した佐野一男さん(享年75)。佐野さんは釜石早起き野球リーグへの参加チームとして同クラブを立ち上げ、後にリーグ会長に就任。1998年から福祉貢献を目的に、同リーグ主催で夏の「チャリティーナイター野球」を開催した。会場で寄せられる募金や成人選手のエラーなどに課す罰金ルールで集まった善意を市社会福祉協議会の「まごころ福祉基金」に寄付を続け、2013年には総額100万円を超えた。
2011年11月、チャリティーナイター野球の募金を市社協に届けた佐野一男さん(前列左)
震災から5カ月後(11年8月)に行われたチャリティーナイターで野球を楽しむ少年ら
佐野さんに代わり感謝状を受け取った同クラブ主将の佐々木博貴さん(43)は「監督は、おやじのような存在。チーム内では厳しく、『野球に対する礼儀は絶対に守らないといけない。きれいな野球を』と常に言っていた」と明かし、今後も“佐野野球”の教えを守り抜くことを誓った。
表彰に先立ちあいさつした福成会長は「この10年で野球人口は急激に減少している。根本にあるのは、やはり少子化。小中高は合併チームでの大会出場が増え、今後、社会人チームも減っていく可能性が高い」と指摘。釜石市協会の本年度登録チーム数は、一般10、OB2、中学校3、学童(スポ少)2だった。
表彰式で受賞者をたたえる協会登録チームの代表
市内の学童野球は2011年には地区単位で12チームあったが、年々、団員確保が難しくなる状況を見越し、数年前から2チームに集約。浜町から甲子町、唐丹町までをエリアとする釜石ファイターズは、地区ごとの普段の練習と定期的な合同練習の両輪で大会出場を維持する。中学校も近年は1校単独でのチーム編成が難しくなり、2校合同チームでの大会出場が目立つ。協会の下村恵寿理事長は「野球をやりたい子どもたちのためにさまざまな工夫が必要。厳しい状況だが協会としても力を尽くし、釜石の野球を何とか盛り上げていきたい」と意気込む。
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