栗林ラビーが主催した復興応援ありがとうカップ
県内の小学生バレーボールチームが参加した「復興応援ありがとうカップ兼合同練習会」は14日、釜石市鵜住居町の市民体育館で開かれた。同市の栗林ラビーバレーボールスポーツ少年団(藤原明広監督)が、震災後に県内の仲間から受けた支援に対し、感謝の思いを伝えようと企画。沿岸と内陸から計6チームが参加し、試合を通じて親睦と交流を深めた。
3チームずつ予選リーグを行った後、その順位を基に決勝トーナメントを実施。試合は2セットマッチで、セットカウント1対1の場合は得点の多いチームの勝利とする形で行われた。新型コロナウイルス禍で大会が減っている選手たちに多くの試合の場を提供し、実力向上につなげてもらう機会とした。
3チームで競った予選リーグ(釜石―奥州胆沢)
栗林ラビーが練習場所としている栗林小体育館は、2011年の東日本大震災直後、被災者らの避難所となり、団はしばらく練習ができない状態が続いた。この時、支援の手を差し伸べてくれたのが県内陸部のチーム。自分たちの練習拠点に招いて体を動かす場を提供してくれたり、新しいシューズなどを用意してくれたりと物心両面で支えられた。
「いつか恩返しができればと思っていた」と藤原監督。大会には10チーム以上から参加希望があったが、会場の体育館はコートを2面しか確保できないため、いつも練習会をしているチームを招いて6チームでの開催となった。
内陸から招かれた山岸ジュニアスポ少(盛岡市)
試合ができる喜びを胸に熱戦を繰り広げる選手ら
栗林ラビーの金野涼葉主将(鵜住居小6年)は「震災後に新設されたこの体育館で、復興の記念の大会ができてうれしい。2週間後にも大会があるので、しっかり練習して備えたい」と意気込んだ。同じ市内のチーム、釜石ブルーウイングの小笠原桃華主将(鵜住居小6年)は「いい雰囲気で試合ができた。内陸のチームにも感謝の気持ちを返せた」と貴重な機会を喜んだ。
決勝では栗林ラビーと江刺家ジュニアクラブ(九戸村)が対戦。2-0で栗林が勝利し、安定した強さを見せた。県内では27、28日に奥州市で県小学生バレーボール育成大会(いわて純情りんご杯)が開かれ、12月4日に住田町でベスト4のチームによる決戦が行われる。
優勝した栗林ラビーの選手、コーチら。次の目標は11月末の県育成大会優勝!
今大会全試合を2―0で制した栗林ラビー(奥)
栗林ラビーは今年2月の県新人大会以来、複数の県大会で優勝しているものの、コロナ禍で東北、全国大会が中止され、県代表として上位大会に出場する夢はかなっていない。藤原監督は「育成大会は全国大会につながる。現チームで全国の舞台に行ける最後のチャンス」とし、チーム一丸となって優勝を目指す。
今大会の決勝トーナメントの結果は次の通り。
【1回戦】
釜石1―1下矢作・横田(21―14、16―21)2点差で釜石の勝ち
山岸1-1江刺家(18―21、21-18)ジャンケン3―4で江刺家の勝ち
【準決勝】
栗林2―0釜石(21―8、21―2)
江刺家2―0奥州胆沢(21―10、21―20)
【決勝】
栗林2―0江刺家(21―12、21―10)